特許第6531244号(P6531244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6531244レゾルバステータ構造及びその組立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6531244
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】レゾルバステータ構造及びその組立て方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 24/00 20060101AFI20190610BHJP
   G01D 5/20 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   H02K24/00
   G01D5/20 110X
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-79130(P2015-79130)
(22)【出願日】2015年4月8日
(65)【公開番号】特開2016-201875(P2016-201875A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2017年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】小島 彰
【審査官】 ▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−135402(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0219816(US,A1)
【文献】 特開平11−098748(JP,A)
【文献】 特開2010−172164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 24/00
G01D 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にスロット(41)と交互に位置する複数の突出磁極(51)を有する輪状ステータ(40)と、前記各突出磁極(51)に巻回されたステータ巻線(53)と、前記輪状ステータ(40)の両端面(40A,40B)に設けられ前記ステータ巻線(53)を覆うための第1、第2輪状巻線保護カバー(80,80A)と、を備えたレゾルバステータ構造において、
前記第1輪状巻線保護カバー(80)の第1輪状平坦面(90)に形成された複数の貫通孔(64)と、前記各貫通孔(64)の内面(101)に形成された段部(100)と、前記第2輪状巻線保護カバー(80A)の第2輪状平坦面(91)から一体に立上がり、前記スロット(41)を貫通して形成された複数の突出部材(81)と、前記突出部材(81)の先端部(92)に形成され、かつ、前記段部(100)に係合する爪部(94)と、を備え、
前記突出部材(81)が前記貫通孔(64)内に介挿され、かつ、前記爪部(94)が前記段部(100)に係合することにより、前記第1、第2輪状巻線保護カバー(80,80A)が前記輪状ステータ(40)を挟持し、かつ、互いに結合し、前記各突出部材(81)の先端面(96)は前記貫通孔(64)内で外部に露出しているレゾルバステータ構造において、
前記貫通孔(64)の内面(101)は、断面でみて直線状をなす直線部(102)と前記段部(100)とから形成されていることを特徴とするレゾルバステータ構造。
【請求項2】
前記突出部材(81)の先端部(92)は、溝(93)を介して形成された前記爪部(94)及び非爪部(95)からなり、前記非爪部(95)の外面には先端部用直線部(95a)が形成され、前記先端部用直線部(95a)は前記貫通孔(64)の内面(101)において前記段部(100)に対向して形成された直線部(102)と摺動自在に構成されていることを特徴とする請求項1記載のレゾルバステータ構造。
【請求項3】
所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にスロット(41)と交互に位置する複数の突出磁極(51)を有する輪状ステータ(40)と、前記各突出磁極(51)に巻回されたステータ巻線(53)と、前記輪状ステータ(40)の両端面(40A,40B)に設けられ前記ステータ巻線(53)を覆うための第1、第2輪状巻線保護カバー(80,80A)と、を備えたレゾルバステータ構造を用い
前記第1輪状巻線保護カバー(80)の第1輪状平坦面(90)に形成された複数の貫通孔(64)と、前記各貫通孔(64)の内面(101)に形成された段部(100)と、前記第2輪状巻線保護カバー(80A)の第2輪状平坦面(91)から一体に立上がり、前記スロット(41)を貫通して形成された複数の突出部材(81)と、前記突出部材(81)の先端部(92)に形成され、かつ、前記段部(100)に係合する爪部(94)と、を備え、
前記突出部材(81)が前記貫通孔(64)内に介挿され、かつ、前記爪部(94)が前記段部(100)に係合することにより、前記第1、第2輪状巻線保護カバー(80,80A)が前記輪状ステータ(40)を挟持し、かつ、互いに結合し、前記各突出部材(81)の先端面(96)は前記貫通孔(64)内で外部に露出していることを特徴とするレゾルバステータ構造の組立て方法において、
前記貫通孔(64)の内面(101)は、断面でみて直線状をなす直線部(102)と前記段部(100)とから形成されていることを特徴とするレゾルバステータ構造の組立て方法。
【請求項4】
前記突出部材(81)の先端部(92)は、溝(93)を介して形成された前記爪部(94)及び非爪部(95)からなり、前記非爪部(95)の外面には先端部用直線部(95a)が形成され、前記先端部用直線部(95a)は前記貫通孔(64)の内面(101)において前記段部(100)に対向して形成された直線部(102)と摺動自在に構成されていることを特徴とする請求項記載のレゾルバステータ構造の組立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レゾルバステータ構造及びその組立て方法に関し、特に、第1輪状巻線保護カバーに形成した貫通孔に、第2輪状巻線保護カバーの突出部材の先端の爪部をスロットを貫通して挿入し、スナップフィットにより各輪状巻線保護カバーを結合させ、突出部材の爪部を外部に露出した状態とするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のレゾルバとしては、例えば、特許文献1に開示された構成を挙げることができるが、この特許文献1の構成においては、図7から図10に示されるように、レゾルバ20をモータ10に接続したレゾルバ付きモータを示している。
【0003】
図7において符号20で示されるレゾルバは、モータ10のハウジング12に回転自在に設けられたモータ10の回転軸11に取付けられたロータ30と、前記ハウジング12に固定されたレゾルバステータ40と、からなり、前記レゾルバ20の外面側には保護カバー80が設けられている。
前記保護カバー80は、図8で示されるように、前記レゾルバステータ40の一面側のみに設けられ、前記レゾルバステータ40には3ヶ所の係合孔64が形成されている。
【0004】
前記保護カバー80には、図10及び図11で示されるように、3個の前記各係合孔64に対応して係合することができるように3個の弾性爪81が形成されており、前記保護カバー80は、前記各弾性爪81及び各係合孔64により前記レゾルバステータ40の一面側のみに設けられてレゾルバステータ40の各突出磁極51に巻回されたステータ巻線53の一面側40Aを覆うように構成されている。
【0005】
前述のように、前記レゾルバステータ40には、その一面側しか前記保護カバー80が設けられていないため、前記レゾルバステータ40の他面側40Bは、前記保護カバー80が設けられていない状態で、図7のモータ10側へ取付けられている。
【0006】
また、前述の図7から図11に示した第1従来例の他に、特には文献名を開示していないが、一方の保護カバーに設けられた突出部材を輪状ステータのスロットに貫通させ、その先端を他方の保護カバーの裏面に当接させた状態で超音波溶着させる第2従来例が用いられている。
また、第3従来例としては、図示していないが、一方の保護カバーに設けられた突出部材を輪状ステータのスロットに貫通させ、その先端の爪部を他方の保護カバーの裏面に形成され一方の保護カバー側に突出する受け孔内にスナップフィットによって結合された構成が採用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−283962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のレゾルバは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の第1従来例の場合、スナップフィットの構造を採用しているが、弾性爪81の相手方の係合孔64はレゾルバステータ40に形成されているため、レゾルバの両面に保護カバー80を設けることは極めて困難で、モータ側からの塵等がレゾルバ側に侵入していた。
また、前述の第2従来例においては、一方の保護カバーの弾性爪を他方の保護カバーの裏面に超音波溶着しているため、条件設定が難しく、割れやバリが発生していた。
また、前述の第3従来例においては、他方の保護カバーの裏面に受け孔を設けなければならず、この受け孔を形成することによって保護カバーの厚さが厚くなり、レゾルバの薄形化に対して逆行することになっていた。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、第1輪状巻線保護カバーに形成した貫通孔に、第2輪状巻線保護カバーの突出部材の先端の爪部をスロットを貫通して挿入し、スナップフィットにより各輪状巻線保護カバーを結合させ、突出部材の爪部を外部に露出した状態とするレゾルバステータ構造及びその組立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるレゾルバステータ構造は、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にスロットと交互に位置する複数の突出磁極を有する輪状ステータと、前記各突出磁極に巻回されたステータ巻線と、前記輪状ステータの両端面に設けられ前記ステータ巻線を覆うための第1、第2輪状巻線保護カバーと、を備えたレゾルバステータ構造において、前記第1輪状巻線保護カバーの第1輪状平坦面に形成された複数の貫通孔と、前記各貫通孔の内面に形成された段部と、前記第2輪状巻線保護カバーの第2輪状平坦面から一体に立上がり、前記スロットを貫通して形成された複数の突出部材と、前記突出部材の先端部に形成され、かつ、前記段部に係合する爪部と、を備え、前記突出部材が前記貫通孔内に介挿され、かつ、前記爪部が前記段部に係合することにより、前記第1、第2輪状巻線保護カバーが前記輪状ステータを挟持し、かつ、互いに結合し、前記各突出部材の先端面は前記貫通孔内で外部に露出している構成において、前記貫通孔の内面は、断面でみて直線状をなす直線部と前記段部とから形成されている構成であり、また、前記突出部材の先端部は、溝を介して形成された前記爪部及び非爪部からなり、前記非爪部の外面は先端部用直線部が形成され、前記先端部用直線部は前記貫通孔の内面において前記段部に対向して形成された直線部と摺動自在とした構成であり、また、本発明によるレゾルバステータ構造の組立て方法は、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にスロットと交互に位置する複数の突出磁極を有する輪状ステータと、前記各突出磁極に巻回されたステータ巻線と、前記輪状ステータの両端面に設けられ前記ステータ巻線を覆うための第1、第2輪状巻線保護カバーと、を備えたレゾルバステータ構造を用い、前記第1輪状巻線保護カバーの第1輪状平坦面に形成された複数の貫通孔と、前記各貫通孔の内面に形成された段部と、前記第2輪状巻線保護カバーの第2輪状平坦面から一体に立上がり、前記スロットを貫通して形成された複数の突出部材と、前記突出部材の先端部に形成され、かつ、前記段部に係合する爪部と、を備え、前記突出部材が前記貫通孔内に介挿され、かつ、前記爪部が前記段部に係合することにより、前記第1、第2輪状巻線保護カバーが前記輪状ステータを挟持し、かつ、互いに結合し、前記各突出部材の先端面は前記貫通孔内で外部に露出している方法において、前記貫通孔の内面は、断面でみて直線状をなす直線部と前記段部とから形成されている方法であり、また、前記突出部材の先端部は、溝を介して形成された前記爪部及び非爪部からなり、前記非爪部の外面は先端部用直線部が形成され、前記先端部用直線部は前記貫通孔の内面において前記段部に対向して形成された直線部と摺動自在に構成されている方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるレゾルバステータ構造及びその組立て方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にスロットと交互に位置する複数の突出磁極を有する輪状ステータと、前記各突出磁極に巻回されたステータ巻線と、前記輪状ステータの両端面に設けられ前記ステータ巻線を覆うための第1、第2輪状巻線保護カバーと、を備えたレゾルバステータ構造において、前記第1輪状巻線保護カバーの第1輪状平坦面に形成された複数の貫通孔と、前記各貫通孔の内面に形成された段部と、前記第2輪状巻線保護カバーの第2輪状平坦面から一体に立上がり、前記スロットを貫通して形成された複数の突出部材と、前記突出部材の先端部に形成され、かつ、前記段部に係合する爪部と、を備え、前記突出部材が前記貫通孔内に介挿され、かつ、前記爪部が前記段部に係合することにより、前記第1、第2輪状巻線保護カバーが前記輪状ステータを挟持し、かつ、互いに結合し、前記各突出部材の先端面は前記貫通孔内で外部に露出していることにより、各輪状巻線保護カバーに何らの傷を付けることなく装着が可能で、かつ、爪部を段部に係合させることが容易で生産性を向上することができる。
また、前記貫通孔の内面は、断面でみて直線状をなす直線部と前記段部とから形成されていることにより、突出部材を貫通孔内に挿入する時に、段部に係合する爪部は1ヶ所であるため、貫通孔内への突出部材の挿入抵抗が小さく、挿入が極めて容易である。
また、前記突出部材の先端部は、溝を介して形成された前記爪部及び非爪部からなり、前記非爪部の外面は先端部用直線部が形成され、前記先端部用直線部は前記貫通孔の内面において前記段部に対向して形成された前記直線部と摺動自在に構成されていることにより、先端部の爪部のみが曲折しつつ貫通孔に挿入されるため、小さい挿入力で爪部と段部の係合を行うことができ、レゾルバの組立てがより簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明によるレゾルバステータ構造の要部を示す断面図である。
図2図1の各輪状巻線保護カバーのみを示す断面図である。
図3図1の内側を示す斜視構成図である。
図4図1の要部の概略を拡大して示す断面構成図である。
図5】本発明における各輪状巻線保護カバーのみが結合した状態を示す斜視図である。
図6図5の各輪状巻線保護カバーに輪状ステータが組込まれている構成の一部を示す拡大斜視図である。
図7】従来のレゾルバを示す構成図である。
図8図7の正面図である。
図9図8の裏面図である。
図10図8の保護カバーを示す正面図である。
図11図10のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明によるレゾルバステータ構造及びその組立て方法は、輪状ステータの両端面に設けられた一対の輪状巻線保護カバーによって、輪状ステータの各突出磁極に巻回されているステータ巻線を覆う場合に、一方の輪状巻線保護カバーの爪部を他方の輪状巻線保護カバーの貫通孔に係合させることにより、簡単かつ、確実にステータ巻線の保護を行うことである。
【実施例】
【0014】
以下、図面と共に本発明によるレゾルバステータ構造及びその組立て方法の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1において、符号40で示されるものは、全体形状が輪状をなす輪状ステータであり、この輪状ステータ40の内面には、所定角度間隔毎に内方へ向けて突出する複数の突出磁極51が形成されており、前記各突出磁極51間にはスロット41が形成されていることにより、前記突出磁極51とスロット41とが円周方向において交互に配設されている。
前記各突出磁極51には、ステータ巻線53が巻回されている。
【0015】
前記輪状ステータ40の第1端面40Aには、全体形状が輪状をなす第1輪状巻線保護カバー80が設けられ、前記第1輪状巻線保護カバー80の第1輪状平坦面90には間隔をあけて複数の貫通孔64が形成されている。
前記貫通孔64は、図3図5及び図6に示されているように、前記各スロット41に対して1個飛びの状態、すなわち、2個のスロット41に対して1個のスロット41に対応して、形成されていることにより、少なくとも6個は設けられている。
【0016】
前記輪状ステータ40の第2端面40Bには、全体形状が輪状をなし前記第1輪状巻線保護カバー80と外観は同じ形状をなす第2輪状巻線保護カバー80Aが設けられており、この第2輪状巻線保護カバー80Aの第2輪状平坦面91の前記各貫通孔64に対応する位置には、内方に向けて突出する突出部材81が一体に設けられている。
【0017】
前記突出部材81の先端部92には、溝93を介して二又状に分岐された爪部94と非爪部95が若干の弾性を有して形成されており、前記突出部材を81の先端部用直線92を前記貫通孔64内に挿入すると、前記爪部94が前記非爪部95側に曲がりつつ挿入され、挿入が完了すると、前記爪部94が貫通孔64の内面101の段部100に係合して固定される。
前記非爪部95は、その外側面が先端部用直線部95aとして形成され、この先端部用直線部95aが貫通孔64内の直線部102と摺動するため、前記貫通孔64内への前記先端部92の挿入が容易にできるように構成されている。
尚、図2の構成は、図1の各輪状巻線保護カバー80,80Aのみを断面図として示し、各輪状巻線保護カバー80,80Aの構成が明確となるように示されている。
【0018】
図3は、前述の図1及び図2で示されるように、2個のスロット41に対して1個の突出部材81が設けられている状態を示し、前記輪状ステータ40が前記各輪状巻線保護カバー80,80Aによって挟持されており、前記突出部材81の先端部96は、前記貫通孔64内で外部に向けて露出している。
【0019】
図4は、図1で示される貫通孔64と突出部材81の係合状態を明確に示すための構成図であり、図5は、前記各輪状巻線保護カバー80,80Aのみの結合状態を示し、図6は各輪状巻線保護カバー80,80Aで輪状ステータ40を挟持している状態を示している。
尚、図5における端子ピン保持部用カバー110は、前記第1輪状巻線保護カバー80の一部に一体状に形成されている。
【0020】
前述の本発明によるレゾルバステータ構造及びその組立て方法の要旨とするところは、以下の通りである。
すなわち、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にスロット41と交互に位置する複数の突出磁極51を有する輪状ステータ40と、前記各突出磁極51に巻回されたステータ巻線53と、前記輪状ステータ40の両端面40A,40Bに設けられ前記ステータ巻線53を覆うための第1、第2輪状巻線保護カバー80,80Aと、を備えたレゾルバステータ構造において、前記第1輪状巻線保護カバー80の第1輪状平坦面90に形成された複数の貫通孔64と、前記各貫通孔64の内面101に形成された段部100と、前記第2輪状巻線保護カバー80Aの第2輪状平坦面91から一体に立上がり、前記スロット41を貫通して形成された複数の突出部材81と、前記突出部材81の先端部92に形成され、かつ、前記段部100に係合する爪部94と、を備え、前記突出部材81が前記貫通孔64内に介挿され、かつ、前記爪部94が前記段部100に係合することにより、前記第1、第2輪状巻線保護カバー80,80Aが前記輪状ステータ40を挟持し、かつ、互いに結合し、前記各突出部材81の先端面96は前記貫通孔64内で外部に露出している構成と方法であり、また、前記貫通孔64の内面101は、断面でみて直線状をなす直線部102と前記段部100とから形成されている構成と方法であり、また、前記突出部材81の先端部92は、溝93を介して形成された前記爪部94及び非爪部95からなり、前記非爪部95の外面には先端部用直線部95aが形成され、前記先端部用直線部95aは前記貫通孔64の内面101において前記段部100に対向して形成された直線部102と摺動自在に構成されている構成と方法である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によるレゾルバステータ構造及びその組立て方法は、第2輪状巻線保護カバー80Aに設けられた複数の突出部材81の先端部92が、輪状ステータ40を介して設けられた第1輪状巻線保護カバー80の各貫通孔64に挿入されて段部100に係合することにより、各輪状巻線保護カバー80,80Aが強固に結合できるため、レゾルバの最終組立てが極めて容易となり、生産性を向上することができる。
【符号の説明】
【0022】
40 輪状ステータ
40A 第1端面
40B 第2端面
41 スロット
51 突出磁極
53 ステータ巻線
64 貫通孔
80 第1輪状巻線保護カバー
80A 第2輪状巻線保護カバー
81 突出部材
90 第1輪状平坦面
91 第2輪状平坦面
92 先端部
93 溝
94 爪部
95 非爪部
95a 先端部用直線部
96 先端面
100 段部
101 内面
102 直線部
110 端子ピン保持部用カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11