(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず
図1を示す。
図1は本発明の概要を示す図で、本発明の変更登記申請支援システムを用い、登記記録に基づき登記申請関連情報を取得し申請関連書類データを作成する様子の一例を示す概念図である。同図において示した例においては、ある株式会社(○△◇株式会社)について、登記記録である登記事項証明書の記載内容に基づき、本店所在地の移転登記申請を行う際の変更登記申請支援の一例が示されている。具体的には、登記事項証明書の記載内容を抽出し、登記申請に必要な取締役決定書や登記申請書などの書類において記載が必要な箇所に、当該抽出した記載内容を転記し申請関連書類データを作成する処理を行うことが示されている。
【0014】
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、主に請求項1、2、
3、4などに対応する。実施形態2は、主に請求項
1などに対応する。実施形態3は、主に請求項
2などに対応する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
【0015】
<<実施形態1>>
<概要>
図2は、本実施形態の変更登記申請支援システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「変更登記申請支援システム」0200は、「登記記録取得部」0201と、「種別情報入力受付部」0202と、「登記申請関連情報取得部」0203と、「申請関連書類データ作成部」0204と、「申請関連書類データ出力部」0205と、を有する。
【0016】
なお、以下で詳しく説明する変更登記申請支援システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードや操作ボタン、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、マイク、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0017】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0018】
<機能的構成>
「登記記録取得部」0201は、商業・法人登記に関する登記記録を取得するように構成されている。「商業・法人登記に関する登記記録」とは、ある法人について既に登記されている情報に関する記録であって、より具体的には、公的機関である登記所が発行した登記事項証明書等や、登記所その他の公的機関がオンライン上で閲覧可能に提供している、法人に関する登記情報データ、民間事業者が登記所から取得蓄積したうえで公開している登記情報データなどの記録であることが考えられる。
【0019】
登記記録取得の具体的な態様についてはまず、登記申請に係る法人の登記事項証明書等のデータをスキャンその他の光学読取りの方法に受け付けたり、当該データのアップロードを受け付けたりすることにより取得する方法が考えられる。また、公的機関や民間事業者が有するサーバが備えるAPI(Application Programming Interface)を通じて当該サーバに格納されている当該法人に関する登記情報データを取得する方法であってもよい。つまり登記記録は、直接又は間接的に電磁的方法により作成されたものであることが必要である。当該構成を採用することにより、一定の信頼性が担保され、誤記のおそれが比較的少ない情報を用いて登記申請関連書類データを作成することが可能になる。
【0020】
ここで
図3を示す。同図は登記記録取得部にて取得する登記記録である「○△◇株式会社」という法人の登記情報データの一部を示す図である。同図において示されているように、登記情報データとして「登記すべき事項」0301の欄が複数設けられ、登記すべき各事項に対応した「登記内容」0302が記録されている。より具体的には「会社法人等番号」として「XXXX−XX−XXXXXX」が記録され、また「商号」として「○△◇株式会社」が、「本店」として「東京都渋谷区広尾六丁目3−2−1」が、「公告をする方法」として「官報に掲載する方法とする。」が、「会社設立の年月日」として「平成29年8月1日」が、「目的」として「1.コンピュータを利用した情報提供サービス」や「8.前各号に附帯関連する一切の事業」が、「発行可能株式総数」として「1億株」が、「発行済株式の総数並びに種類及び数」として「1万株」が、「資本金の額」として「金100万円」が、「役員に関する事項」として「取締役 甲山一郎」、「取締役 乙野さやか」「代表取締役 甲山一郎」が、「登記記録に関する事項」として「設立」などがそれぞれ記録されている。
【0021】
なお同図において記録されている登記事項のうち一部については、これまでの間に登記事項に変更があり、変更登記手続が行われている旨記録されているものが含まれている。例えば、「役員に関する事項」のうち「取締役 乙野さやか」については、平成29年9月1日に就任し、同月8日に変更登記申請が行われたことが記録されている。また、「本店」については、従前「東京都渋谷区笹塚四丁目1−1」が所在地であったところ、平成30年6月3日に「東京都渋谷区広尾六丁目3―2―1」への本店所在地の移転があり、同月9日に変更登記申請が行われたことが記録されている。なお、本店所在地の記録について、旧来の本店所在地であった「東京都渋谷区笹塚四丁目1−1」については、記録部分に下線が付されており、この下線が付されることにより記録部分がかつての登記記録の内容であった旨を示している。
【0022】
なおここでいう登記記録の取得に関連し、本発明に係る変更登記申請支援システムにて、登記記録を一のIDと関連付けて保持する登記記録保持部を設けて、登記記録保持部から取得する構成も考えられる。この場合登記記録保持部では、一の法人を識別するためのID(法人番号とすることが考えられるが、その他任意のIDでも構わない。)ごとに登記記録を保持するとともに、本発明を用いて出力される申請関連書類データの内容に応じて当該登記記録の更新要求を受け付け、当該要求に応じて登記記録を変更したうえで保持する構成も考えられる。法人が活動するにあたっては、変更登記手続を行わなければならない局面は少なくないが、日曜・休日のように公的機関が稼働していない場合や、民間事業者におけるサーバメンテナンスなどが原因で登記記録の取得が難しい場合もあり得る。しかし上記のような構成を採用することで、利用者に対しより簡易かつ迅速に登記記録を提供し、変更登記手続に必要な書類データを提供することができる。
【0023】
「種別情報入力受付部」0202は、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報の入力を受付けるように構成されている。ここでいう変更登記申請の種別とは、法令等で予め登記すべきと定められた事項の新設、廃止、変更その他の事項のことを指す。変更登記申請の種別には極めて多くの事項が含まれ得るが、株式会社を例にとると、商号の変更、目的の追加・変更・削除、本店所在地の変更、株式の内容や資本金の変更、役員の就任(重任)又は退任、役人の責任免除又は制限、支配人の選任・退任、新株予約権に関する事項の変更等が考えられる。
【0024】
種別情報入力受付部においては、これらの種別情報につき、予め利用者に対し閲覧表示をするなどして選択の機会を与え、当該選択に応じた入力を受付ける構成が考えられる。先に掲げたように種別情報については極めて多種多様な情報が含まれ得るため、それらの種別情報につき、利用者から誤りなく正確な入力を受け付けることをできるようにするためである。具体的には、種別情報ごとに複数階層のタグを設けておき、種別情報を特定するための一又は複数の質問である質問情報を表示出力し、当該質問情報に対する回答に応じて特定される更なる質問情報の出力と回答の受信を繰り返すことで利用者に撮り必要な種別情報を特定する構成が考えられる。当該構成を採用することにより、利用者に対して、適切な種別情報を提供し、その後に正確な申請関連書類データを提供することが可能になる。
【0025】
なお種別情報入力受付部においては、複数の種別情報の入力を受け付ける複数種別情報入力受付手段を設ける構成も考えられる。具体的には、「本店所在地の変更」という種別情報と、「取締役の就任」という種別情報の入力を受け付ける構成などが考えられる。一の手続の対象となる登記事項は一である場合のみならず複数の場合もあり、当該構成を採用することにより、これら登記事項が複数となる場合であっても、本発明における一連の処理により申請関連書類データを作成し、出力することができる。
【0026】
「登記申請関連情報取得部」0203は、登記記録取得部にて取得した登記記録に基づき、新たな登記申請に要する一又は複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得するように構成されている。ここでいう「登記記録に基づき」とは、登記記録を構成する法人に関する情報を用いて登記申請関連情報を取得することを意味している。法務局・登記所をはじめとする公的機関から直接取得し、又はこれらの公的機関から取得した登記記録に基づいて民間事業者において保持され若しくは上述した登記記録保持部に記録保持された登記記録を用いて登記申請に必要な情報を取得する構成を採用することで、誤記のリスクや情報入力のコストを低減することが可能になる。
【0027】
登記申請関連情報を取得する具体的な態様としては種々の方法が考えられる。例えば、登記記録にて記録された各種文字情報を、その配置位置にかかわらず、予め保持しておいた自然言語処理をおこなうためのプログラムを実行することにより、特定の意味内容であることを解析処理し、当該解析処理結果を登記申請関連情報として取得する方法が考えられる。具体的には、「株式会社○○」や「△△合同会社」などのように法人の商号に関連すると考えられる文字情報が記録されていると判断された場合には、当該文字情報を変更登記申請に係る法人の商号であると認識するよう処理する、といった具合である。
【0028】
なお登記申請関連情報取得部においては、登記記録において登記申請関連情報が記録される相対位置に応じて登記申請関連情報を取得する相対記録位置依存取得手段を有するような構成が考えられる。「登記申請関連情報が記録される相対位置に応じて」とは、登記記録において特定の登記申請関連情報が記録されている配置位置が、当該情報の種別又は内容に応じてあらかじめ特定されており、当該特定された配置位置に記録されている文字情報を特定の登記申請関連情報として取得することを意味している。
【0029】
ここで登記申請関連情報の相対位置の一例を説明する。登記記録のうち登記事項証明書等については、予め法令により定められた一又は複数の登記事項ごとに一定の「区」と称される領域ごとに記録されることが求められている。具体的に言えば、商号に関する区である「商号区」においては、登記事項として商号、本店所在地、会社の公告方法などが含まれており、株式・資本区においては発行可能株式総数や資本金額、株式の譲渡制限に関する規定などが含まれる。
【0030】
そして登記記録においては通常、商業登記簿の記載に準拠し、共通する登記事項ごとに区ごとにまとめられ、さらに、一の区のなかに複数の登記事項に関する情報を順に列挙表示する。より具体的にいうと、一の法人に関する商業登記簿については登記記録を表形式にて構成し、最も左の欄に区に関する記載をし、その右側の欄に当該区と関連する登記事項の名称を記載するとともに、そのさらに右側の欄に当該登記事項における当該法人に関する情報が記載される。なお、登記事項証明書等の記載も、ここで説明した商業登記の記載に準拠し同様の表形式にて情報が記録される。このように、商業登記簿や登記事項証明書等が一定の形式に則り情報を記録していることから、当該形式を利用することで、登記申請関連情報の取得を効率的に行うことが可能になる。
【0031】
ここで、先に示した
図3をもう一度用いて、相対記録位置依存取得手段にて登記申請関連情報を取得する一例について説明する。ここでは、○△◇株式会社が本店所在地移転変更登記申請手続を行う場合を例に説明をする。この場合、取得した登記記録が
図3に示された形式である場合に、まず「登記すべき事項」0301の領域にて示される情報のうち本店所在地を意味する情報が含まれるかどうかを識別する。本店所在地を意味する情報が含まれるかどうかは、当該領域に記録されている文字情報を自然言語処理にて解析処理して判断してもよいし、予め商業登記簿の記載順に準拠したルールである商業登記簿記載ルールを用いて、当該ルールにおいて規定される本店所在地を意味する情報が含まれているとされる位置を特定判断してもよい。
【0032】
そして、ここまでの判断に基づいて登記すべき事項として本店所在地が記録されていることを示す領域が識別できた場合には、当該領域に対応した「登記内容」0302の領域にて示される情報を登記申請関連情報として取得する。
図3を用いて本店所在地移転変更登記申請手続を行う場合の処理について説明すると、同図の「本店」欄に対応して記載されている「東京都渋谷区広尾六丁目3−2−1」との記載を本店所在地に関する登記申請関連情報として取得する。
【0033】
なおここで、一の「登記すべき事項」に対応し、「登記内容」の領域に複数の情報が登録されている場合が考えられる。
図3にて示された例のように、過去に本店所在地を移転した場合に、旧来の本店所在地の記録が、現在の本店所在地の記録とともに記録されているような場合である。このような場合には、いったん全ての領域に記録された情報を登記申請関連情報として取得し、利用者からの選択入力に応じて変更登記申請に用いる登記申請関連情報を特定する処理を行ってもよいし、登記内容欄の相対位置に応じて使用する登記申請関連情報を特定する処理を行ってもよい。より具体的に言うと、登記内容欄のうち、下線が付されていない情報が記録されている配置位置に記録されている情報や、当該領域のうち最も下部分に記録されている情報、変更登記申請が行われたことを示す日付が付されている領域に記録されている情報などを登記申請関連情報として特定する処理を行うことが考えられる。
【0034】
「申請関連書類データ作成部」0204は、種別情報入力受付部にて受付けた種別情報と、登記申請関連情報取得部にて取得した登記申請関連情報に基づき変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを作成するように構成されている。ここでいう「変更登記申請に関連する書類」とは、変更登記申請の際に法務局に提出する登記申請書のほか、当該変更登記申請に際して登記申請書に添付して提出することが求められる各種書類をも含みうるので、ここで作成される申請関連書類データの種類は一に限定されない。具体的には法人の株主総会議事録や取締役会議事録、取締役決定書、役員の就任承諾書、株主リストなどが考えられるが、これらの書類はあくまで一例であり、もちろん登記申請書に添付して提出することは法令上要求されていないものの作成が必要な書類(例えば、株主総会招集通知など。)をここに含めることも可能である。当該構成を採用することで、本発明を通じて、法人が変更登記申請を必要とする背景事情において作成が求められる書類の作成を効率化することができる。
【0035】
種別情報と登記申請関連情報に基づき申請関連書類データを作成するとは、特定の種別情報に対応して必要とされる申請関連書類データのひな型その他定型的なデータ形式である定型データを利用する構成が考えられる。定型データを予め保持し又は外部サーバからネットワークを介して取得し、当該定型データの所定位置に登記申請関連情報を記録することにより、変更登記申請に必要な申請関連書類データを作成するようにする構成が考えられる。
【0036】
ここで、登記申請関連情報としては、登記事項に直接関係する情報に加え、登記申請の際に添付する書類の種別及びその内容を判断特定するためにも用いることになる。具体的には、株主総会議事録の要否や取締役会議事録又は取締役決定書の要否などを判断特定するためにも用いる。会社本店所在地移転変更登記申請を例にとると、法務局の管轄内での移転の場合、手続上株主総会の開催は不要であり、株主総会議事録の添付も不要である。いっぽう、取締役による決定は手続上必要であるところ、当該会社の機関構成(取締役会が設置されているか否か)に応じて、かかる手続の存在を証明する書類は取締役会議事録か取締役決定書かのいずれかとなる。
【0037】
以上の例を
図4を用いて改めて説明する。同図は本店移転(管轄内)変更登記申請に関する登記申請関連情報データを作成する際の処理の一例を示すためのルールを示す図表である。同図では、「本店移転(管轄内)」という種別情報を取得した場合に、登記申請関連情報としてまず、「定款変更があるか否か」「取締役会設置会社か否か」「株主総会議事録が必要か否か」という判断を要することがルールとして示されている。この場合、取締役会設置会社か否かは、登記記録に基づき登記申請関連情報を取得することで判定可能であり、当該判定結果に応じた登記申請関連情報データとして割り当てられたIDと紐づけられた申請関連書類データのひな型データを取得する。登記記録に基づいて取得することが困難な情報については、別途利用者から入力を受け付けることにより必要な申請関連書類データのひな型データを選択し取得する。
【0038】
なお、「申請関連書類データを作成する」とは、申請関連書類データを変更登記申請に関連する書類を全て完成させることに限定されない。登記申請関連情報を用いるだけでは変更登記申請につき必要な全ての情報を取得することができない場合があり、取得することができない情報については別途の手段により入力を受け付ける必要があるためである。ちなみに、本店所在地移転変更登記申請を行うにあたっては、登記申請関連情報に加え、移転先の本店所在地の情報や、移転日に関する情報が必要になり、当該各情報については別途の手段により入力を受け付けることができる。
【0039】
「申請関連書類データ出力部」0205は、申請関連書類データ作成部にて作成した申請関連書類データを出力するように構成されている。ここで出力する申請関連書類データは、必ずしも申請関連書類データ作成部にて作成された全ての申請関連書類データである必要はなく、利用者からの選択入力を受け付けて、当該選択に応じた特定の申請関連書類データのみを出力したり、又は出力しなかったりするように構成することも可能である。つまり、いったん一文の申請関連書類データのみを出力したうえで、当該データのうち変更登記申請に必要だが記録が欠けている情報について別途の方法にて入力を受け付ける構成も考えられる。
【0040】
なお具体的な出力態様は特に限定されず、ディスプレイ画面上への表示出力とする場合のほか、印刷出力したり、特定の送信先に対しネットワークを介して送信出力したりすることも可能である。印刷出力の態様としては、pdfデータとして電磁的方法により印刷出力する場合を含むが、その他文書編集機能を有するデータ形式にて出力する方法があってもよい。
【0041】
ここで、ネットワークを介して送信出力する際には、当該送信手段を利用するにあたり、送信対象となる申請関連書類データに対し、当該変更登記申請に係る法人を識別するための電磁的証明手段を付す構成を採用してもよい。当該構成を採用することで申請関連書類データに対する対外的な信用性を高めることができる。そしてこうして申請関連書類データをネットワークを介して法務局・登記所の管理するサーバに送信することにより、本システムを利用して利用者が変更登記申請手続まで完了させることができるように構成してもよい。
【0042】
改めて
図5を用いて申請関連書類データ出力部にて出力する申請関連書類データの一例について説明する。同図は、種別情報として本店所在地移転変更の入力を受け付けた場合の申請関連書類データのひとつである取締役決定書の一例を示す図である。
図4を用いて説明した登記申請関連情報として○△◇株式会社が取締役会非設置会社であるとの判定結果に基づき、申請関連書類データIDがD0023である取締役決定書のひな型データを用いて作成された申請関連書類データを出力する様子が示されている。具体的には、登記記録から登記申請関連情報として、商号や代表取締役及び取締役の名前などを取得し、その移転先住所(東京都渋谷区渋谷五丁目5−5)や移転日(平成31年1月10日)の入力を受け付けることにより、申請関連書類データとして取締役決定書のデータを出力する。
【0043】
<具体的な構成>
ここで
図6を示す。同図は本実施形態の変更登記申請支援システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0601と、「記憶装置(記憶媒体)」0602と、「メインメモリ」0603と、「入力インターフェース」0604、「出力インターフェース」0605、「ネットワークインターフェース」0606と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「タッチパネル」0607や「ディスプレイ」0608などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。また、ネットワークインターフェースを介して「利用者端末」060901や「登記データサーバ」060902などの外部装置と情報の送受信を行う。このネットワークインターフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また、通信方法も直接、間接を問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0044】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0699などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である
【0045】
(登記記録取得部の具体的な構成)
登記記録取得部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「登記記録プログラム」0610をメインメモリに読み出して実行し、利用者からの入力受付、外部サーバからの取得その他の方法により商業・法人登記に関する登記記録を取得して、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0046】
(種別情報入力受付部の具体的な構成)
種別情報入力受付部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「種別情報入力受付プログラム」0620をメインメモリに読み出して実行し、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報の入力を受付けて、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0047】
(登記申請関連情報取得部の具体的な構成)
登記申請関連情報取得部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「登記申請関連情報取得プログラム」0630をメインメモリに読み出して実行し、登記記録取得プログラムの実行により取得した登記記録に基づき、新たな登記申請に要する一又は複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0048】
(申請関連書類データ作成部の具体的な構成)
申請関連書類データ作成部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、利用者端末からの出力に応じてCPUが記憶装置から「申請関連書類データ作成プログラム」0640をメインメモリに読み出して実行し、種別情報入力受付プログラムの実行により取得した種別情報と、登記申請関連情報取得プログラムの実行により取得した登記申請関連情報に基づき変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを作成し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0049】
(申請関連書類データ出力部の具体的な構成)
申請関連書類データ出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「申請関連書類データ出力プログラム」0650をメインメモリに読み出して実行し、申請関連書類データ作成プログラムの実行により作成した申請関連書類データを予め定められた態様又は利用者からの選択入力に応じた態様にて出力する処理を行う。
【0050】
<処理の流れ>
図7は、本実施形態の変更登記申請支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0701では、商業・法人登記に関する登記記録を取得する(登記記録取得ステップ)。そしてステップS0702では、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報の入力を受付ける(種別情報入力受付ステップ)。次にステップS0703では、登記記録取得ステップにて取得した登記記録に基づき、新たな登記申請に要する一又は複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得する(登記申請関連情報取得ステップ)。そしてステップS0704では、種別情報入力受付ステップにて受付けた種別情報と、登記申請関連情報取得ステップにて取得した登記申請関連情報に基づき変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを作成する(申請関連書類データ作成ステップ)。そしてステップS0705では、申請関連書類データ作成ステップにて作成した申請関連書類データを出力する(申請関連書類データ出力ステップ)。
【0051】
なお、
図7を用いて示した処理の流れはあくまで一例であり、例えば種別情報入力受付ステップは、登記記録取得ステップに先立ち処理されてもよい。ここで
図8を示す。同図は本実施形態の変更登記申請支援システムにおける処理の流れの別の一例を示す図である。同図においては、最初にステップS0801で、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報の入力を受付け(種別情報入力受付ステップ)、その後ステップS0802で、商業・法人登記に関する登記記録を取得する(登記記録取得ステップ)。S0803以降の処理は、
図7を用いて説明したステップS0703以降の処理と同様である。
【0052】
<効果>
以上の構成を採用する変更登記申請支援システムを利用することにより、商業・法人登記申請における必要書類の誤記リスクを軽減し、登記申請業務の効率化が可能になる。
【0053】
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の変更登記申請支援システムは、基本的には実施形態1の変更登記申請支援システムの技術的特徴と同様であるが、社員構成に関する情報である社員情報を取得し、かかる社員情報をも用いて申請関連書類データを作成する点を更なる技術的特徴として備えている。以下では、実施形態1とは異なる上記特徴について詳しく説明をする。
【0054】
<機能的構成>
図9は、本実施形態の変更登記申請支援システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「変更登記申請支援システム」0900は、「登記記録取得部」0901と、「種別情報入力受付部」0902と、「登記申請関連情報取得部」0903と、「申請関連書類データ作成部」0904と、「申請関連書類データ出力部」0905と、「社員情報取得部」0906と、を有し、申請関連書類データ作成部は「社員情報利用手段」0914をさらに有する。
【0055】
本実施形態の変更登記申請支援システムの基本的な構成は、基本的には実施形態1の
図2を用いて説明した変更登記申請支援システムと共通するため、以下では相違点である「社員情報取得部」と「社員情報利用手段」の機能について説明する。
【0056】
「社員情報取得部」0906は、社員構成に関する情報である社員情報を取得するように構成される。ここでいう「社員構成に関する情報」とは、法人を構成するメンバーである社員に関する情報のことを指しており、株式会社の社員については特に株主と呼ばれることもあり、株式会社の株主に関する情報についても、当然にここでいう「社員情報」に含まれる。社員情報の具体的な内容としては、例えば、社員の氏名又は名称、住所又は所在地、社員の地位を得た年月日、社員としての相対的な地位(持分や株式など)及びその内容(株式の種類など)、その他社員ごとに紐づけられる情報であることが考えられる。社員情報は現在の社員に関する情報だけでなく、かつて社員であった者に関する情報を含んでもよい。
【0057】
社員情報の取得方法としては、利用者から社員情報の入力を受け付ける態様のほか、利用者が株主名簿、社員名簿その他の形式であらかじめ備えている社員情報に関するデータのアップロードないし入力を受け付けてかかるデータを社員情報として受け付けることが考えられる。あらかじめ備えているデータの形式を利用する構成を採用することにより、社員情報利用手段にて社員情報を利用する際の情報処理の負担を軽減することができる。
【0058】
ここで
図10を示す。同図は本実施形態の変更登記申請支援システムの社員情報取得部にて取得する社員情報の一例を示す図である。より具体的には、○△◇株式会社の社員情報である株主の情報を同社があらかじめ備えている株主名簿データのアップロードを受けて取得した様子を示す図である。同図にて示される株主名簿データには、株主の氏名又は名称、住所又は所在地、株式の種類、株数、そして株式取得日が記録されており、甲山一郎が8000株、乙野さやかが1500株、TOHKI合同会社が500株の普通株式をそれぞれ保有していることが記録されている。
【0059】
「社員情報利用手段」0914は、申請関連書類データ作成部において、社員情報取得部にて取得した社員情報をも用いて申請関連書類データを作成するように構成される。社員情報を用いて申請関連書類データを作成することができるため、株主総会議事録のように、議決権を行使することができる株主の数又は議決権総数といった社員(株主)情報を利用する必要がある申請関連書類情報データを作成する際に、利用者による手入力を通じた誤記等が生じる懸念を軽減することができる。
【0060】
<具体的な構成>
本実施形態の変更登記申請支援システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図6を用いて説明した実施形態1の変更登記申請支援システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「社員情報取得部」及び「社員情報利用手段」の具体的な処理について説明する。
【0061】
(社員情報取得部の具体的な構成)
社員情報取得部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「社員情報取得プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、利用者からの入力受付、外部サーバからの取得その他の方法により法人に係る社員構成に関する情報である社員情報を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0062】
(社員情報利用手段の具体的な構成)
社員情報利用手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「申請関連書類データ作成プログラム」をメインメモリに読み出して実行するに際し「社員情報利用サブプログラム」をも読み出して実行し、社員情報取得プログラムの実行により得た社員情報をも用いて申請関連書類データを作成する処理を行う。
【0063】
<処理の流れ>
図11は、本実施形態の変更登記申請支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1101では、商業・法人登記に関する登記記録を取得する(登記記録取得ステップ)。このときステップS1102として、社員構成に関する情報である社員情報をも取得する(社員情報取得ステップ)。そしてステップS1103では、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報の入力を受付け(種別情報入力受付ステップ)、次にステップS1104では、登記記録取得ステップにて取得した登記記録に基づき、新たな登記申請に要する一又は複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得する(登記申請関連情報取得ステップ)。そしてステップS1105では、種別情報入力受付ステップにて受付けた種別情報と、登記申請関連情報取得ステップにて取得した登記申請関連情報と、に基づき変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを作成する(申請関連書類データ作成ステップ)。なお申請関連書類データ作成ステップにおいては、ステップS1115として社員情報取得ステップにて取得した社員情報をも用いて申請関連書類データを作成する。そしてステップS1106では、申請関連書類データ作成ステップにて作成した申請関連書類データを出力する(申請関連書類データ出力ステップ)。
【0064】
なおここで、社員情報取得ステップの処理の順番は、ここで
図11を用いた説明の順番に限定されるものではなく、登記記録取得ステップに先立ってもよいし、種別情報入力受付ステップの次に処理されてもよい。
【0065】
<効果>
本実施形態の変更登記申請支援システムを用いることにより、実施形態1の変更登記申請支援システムを用いる場合に比べ、より利用者による誤記の懸念を減じて登記申請業務を効率化することが可能になる。
【0066】
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の変更登記申請支援システムは、基本的には実施形態1又は2の変更登記申請支援システムの技術的特徴と同様であるが、変更登記に係る効力発生日に関する情報である効力発生日情報の入力を受付け、効力発生日情報と種別情報とを用いて、当該変更登記申請に至るスケジュールに関する情報であるスケジュール情報を生成する点を更なる技術的特徴として備えている。以下では、実施形態1及び2とは異なる上記特徴について詳しく説明をする。
【0067】
<機能的構成>
図12は、本実施形態の変更登記申請支援システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「変更登記申請支援システム」1200は、「登記記録取得部」1201と、「種別情報入力受付部」1202と、「登記申請関連情報取得部」1203と、「申請関連書類データ作成部」1204と、「申請関連書類データ出力部」1205と、「効力発生日情報入力受付部」1206と、「スケジュール情報生成部」1207を有する。
【0068】
本実施形態の変更登記申請支援システムの基本的な構成は、基本的には実施形態1の
図2を用いて説明した変更登記申請支援システムと共通するため、以下では相違点である「効力発生日情報入力受付部」と「スケジュール情報生成部」の機能について説明する。
【0069】
「効力発生日情報入力受付部」1206は、変更登記に係る効力発生日に関する情報である効力発生日情報の入力を受付けるように構成される。商業登記制度においては、登記すべき事項の効力が発生する日(効力発生日)から一定期間内に変更登記申請を行うべきとされており、これに違反すると過料を課せられる場合もある。そのため、変更登記申請を行うにあたっては、事前にスケジュールを計画的に組み立て、変更登記申請が懈怠しないように心がけておく必要がある。効力発生日の入力を受け付けて変更登記申請支援を行うことにより、後記スケジュール情報の提供が可能になる。
【0070】
「スケジュール情報生成部」1207は、効力発生日情報入力受付部にて受付けた効力発生日情報と、種別情報入力受付部にて受付けた種別情報とを用いて、当該変更登記申請に至るスケジュールに関する情報であるスケジュール情報を生成するように構成される。具体的には、種別情報に基づいて特定される各種手続のスケジュールを、効力発生日を基準に算出することで、それぞれの手続を行うべき日付を特定する処理を行う。
【0071】
ここで
図13を示す。同図はスケジュール情報生成部にて生成された、本店所在地移転変更登記申請手続に関するスケジュール情報の一例を示す図である。ここで示されているスケジュールは、
図5などを用いてこれまで説明してきた、○△◇株式会社の本店所在地移転(管轄内)変更登記申請手続に関するスケジュール情報の一例である。すなわち、本店所在位置の移転日である効力発生日が平成31年1月10日であるところ、法令上効力発生日から2週間以内(同24日まで)に変更登記申請を行う必要があるため、当該期限を見据えたスケジュール情報が生成される。すなわち、本店所在地の移転を取締役の一致により決定する必要があることから、効力発生日以前の同4日に取締役決定を行うべき旨を定め、その際に申請関連書類として取締役決定書を作成すべき旨のスケジュール情報が生成される。
【0072】
さらにここで
図14を示す。同図は本店所在地移転変更登記申請手続に関するスケジュール情報の別の一例を示す図であり、
図13で説明した例が取締役会非設置会社の場合であったのに対し、
図14に示されているのは、取締役会設置会社におけるスケジュール情報の一例である。同図においては、
図13で示した例とは異なり、本店所在地の移転決定を行う機関が取締役会であることから、取締役会を招集するための招集通知発送に関するスケジュールが別途記載されているほか、取締役会における決議内容を証する申請関連書類として取締役会議事録を作成すべき旨のスケジュール情報が生成される。
【0073】
図13及び
図14にて示されたスケジュール情報は当該法人の機関構成により異なる内容となり、各図に示されているように、適宜選択可能に生成される構成であってもよいが、ここで登記申請関連情報をも利用してスケジュール情報を生成する構成を採用してもよい。当該構成を採用すれば、利用者の法人に関する機関構成もまた登記申請関連情報から取得することが可能であるため、利用者の需要に応じた好適なスケジュール情報を生成することが可能になる。
【0074】
なおここで算出されるスケジュールは、当該種別情報に基づいて特定されるスケジュールとしてあらかじめ保持されているスケジュールルールに基づき、最短の期間とすることが考えられるが、かかる期間は事前の設定又は事後の変更受付により修正することが可能である。
図14を用いて説明した例の場合でいうと、取締役会の招集期限は平成30(2018)年12月27日とされているが、これは、会社法上取締役会の招集は、開催前1週間前までに通知されることを原則としているために当該原則に基づきスケジュールルールを適用してスケジュールを生成することによるものである。しかし、この通知期間は会社定款の規定により短縮することができるほか、取締役及び監査役全員の同意があれば、招集の手続を経ることなく取締役会を開催することができる。このような例外的なルールもまた認められていることから、いったん生成されたスケジュール情報は、利用者からの選択入力を受け付けることにより、それぞれ変更することが可能である。具体的には、
図14を用いた事例の場合、取締役会の招集通知を不要にしたり、定款の規定に基づいて通知する日を短縮したりすることが可能である。いっぽう、取締役や株主などが遠方にいるなどの理由で、通知受領や意見表明に日数を要するような場合には、最終的なスケジュールの遅延ひいては登記申請の懈怠を免れるべく、それぞれの日付を延長する旨の情報を受け付けて、余裕のあるスケジュールとなるようスケジュール情報を訂正する処理を行うことも可能である。
【0075】
なおここでスケジュール情報を変更した場合には、当該変更内容に応じて申請関連書類データを作成するスケジュール依拠作成手段を設けてもよい。当該構成を採用することにより、各申請関連書類データの作成において、実態に即した各書類データの作成日付までを記録して誤記や記入漏れを回避することが可能になる。
【0076】
<具体的な構成>
本実施形態の変更登記申請支援システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図6を用いて説明した実施形態1の変更登記申請支援システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「効力発生日情報入力受付部」及び「スケジュール情報生成部」の具体的な処理について説明する
【0077】
(効力発生日情報入力受付部の具体的な構成)
効力発生日情報入力受付部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「効力発生日情報入力受付プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、変更登記に係る効力発生日に関する情報である効力発生日情報の入力を受付けてメインメモリの所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0078】
(スケジュール情報生成部の具体的な構成)
スケジュール情報生成部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「質問データ出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、効力発生日情報入力受付プログラムの実行により受付けた効力発生日情報と、種別情報入力受付プログラムの実行により受付けた種別情報と、に基づいて、当該変更登記申請に至るスケジュールに関する情報であるスケジュール情報を生成する処理を行いメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0079】
<処理の流れ>
図15は、本実施形態の変更登記申請支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1501では、商業・法人登記に関する登記記録を取得する(登記記録取得ステップ)。そしてステップS1502では、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報の入力を受付け(種別情報入力受付ステップ)、ステップS1503で、変更登記に係る効力発生日に関する情報である効力発生日情報の入力を受付ける(効力発生日情報入力受付ステップ)。次にステップS1504では、登記記録取得ステップにて取得した登記記録に基づき、新たな登記申請に要する一又は複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得する(登記申請関連情報取得ステップ)。そして、ステップS1505で効力発生日情報入力受付ステップにて受付けた効力発生日情報と、種別情報入力受付ステップにて受付けた種別情報とに基づいて、当該変更登記申請に至るスケジュールに関する情報であるスケジュール情報を生成する(スケジュール情報生成ステップ)とともに、ステップS1506では、種別情報入力受付ステップにて受付けた種別情報と、登記申請関連情報取得ステップにて取得した登記申請関連情報に基づき変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを作成する(申請関連書類データ作成ステップ)。そしてステップS1507では、申請関連書類データ作成ステップにて作成した申請関連書類データを出力する(申請関連書類データ出力ステップ)。
【0080】
<効果>
本実施形態の変更登記申請支援システムを用いることにより、実施形態1の変更登記申請支援システムを用いる場合に比べ、利用者に対し、登記申請に必要な手続の内容とスケジュールを把握させ、登記申請前の手続をも瑕疵なく実行させるよう促すことが可能になる。
【課題】商業登記申請支援に関する従来技術では、登記申請に際して必要な情報を利用者からの直接の入力受付に依存しており、誤記のリスクや登記申請の負担を真に軽減できているとは言い難かった。
【課題を解決するための手段】商業・法人登記に関する登記記録を取得し、取得した登記記録に記録される法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報の入力を受付け、取得した登記記録に基づき新たな登記申請に要する一又は複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得するとともに、受付けた種別情報と、取得した登記申請関連情報に基づき変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを作成し出力することを特徴とする変更登記申請支援システムなどを提供する。