(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記識別された把持戦略の有効性に関する評価情報を受信することは、前記識別された把持戦略が無効であったという情報を受信することを含み、前記評価情報に基づいて前記アイテム把持データベースを更新することは、前記アイテム把持データベースを更新して、前記識別された把持戦略が、前記検出された特徴と共通する特性を有する在庫アイテムを把持するために推奨された把持戦略であることを反映することを含む、
請求項8に記載の方法。
前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記検出された在庫アイテムを把持するための人間の動作に基づく把持戦略モジュールを介して受信された、人間のオペレータからの入力に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、
請求項6に記載の方法。
前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記複数の在庫アイテムの前記1つまたは複数の在庫アイテムを把持するための人間の動作に基づく把持戦略モジュールを介して受信された、人間のオペレータからの入力に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、
請求項6に記載の方法。
前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記検出された在庫アイテムが把持される位置に関連する物理的制約に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、
請求項6に記載の方法。
前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記検出された在庫アイテムが把持された後に配置される位置に関連する物理的制約に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、
請求項6に記載の方法。
前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、以前に利用された把持戦略の有効性に関するランクに関する情報に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、
請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
様々な実施形態について以下に説明する。本実施形態の理解の徹底を促すために、説明を目的として具体的な構成及び詳細について記す。しかし、本実施形態が具体的な詳細なしに実施されてもよいことも当業者には明らかである。さらに、説明されている本実施形態を不明瞭にしないように、周知の特徴が省略または簡素化され得る。
【0007】
本明細書に記載の実施形態は、複数の在庫ホルダ及び在庫ホルダを移動させるための駆動ユニットを有する在庫システムに関する。特に、本明細書に記載の特徴は、在庫システムの要素間で在庫アイテムの移動及び在庫システムの他の特徴を容易にし得るロボットアームまたはマニピュレータ及び関連する構成要素に関する。対象アイテムの把持に特に好適な方法でアイテムを把持するために、ロボットアームまたはマニピュレータが制御されてもよい。例えば、アイテムのための把持戦略を決定するために、対象アイテム、またはその特性が光または他のセンサなどによって識別されてもよい。把持戦略は、アイテムに関して過去に有効または無効であった把持戦略を示す情報などの、アイテム、アイテムの特性、及び/または同様のアイテムに関する情報を含むデータベースに少なくとも部分的に基づいてもよい。データベースにおけるエントリまたは情報は、把持戦略、判定される特定のアイテムの特性、及び/または特定のアイテムと特性を共有する他のアイテムの把持試行についての機械学習に関する人による入力に基づいて発生し、及び/または更新されてもよい。本明細書に記載の実施形態は、このようなデータベースの生成及び/またはこのようなデータベースへのアクセスに関する態様を含む。
【0008】
このため、一実施形態による説明例において、ロボットアームはトレイの届く範囲内に位置する。人間のオペレータは、ロボットアームによって把持され、注文されたアイテムの顧客へ出荷を待つ一群の箱から適切な箱の中へと移動される在庫アイテム(例えばコーヒーマグ)をトレイに積載する。トレイ内のマグは、スキャンされたバーコードまたは無線自動識別タグなどによる一意の識別子番号に従って識別される。マグの一意の識別子は、アイテムデータベースからマグに関する記録にアクセスし、記憶された重量及びマグの形状を表す記憶されたデジタルモデルを判定するために利用される。カメラまたは他の光学撮像装置はマグをスキャンし、例えばこの場合、上面開口部がカメラに面し、取手が右である側にマグがあるなどのマグの向きに関する情報を提供する。マグの重量、形状、及び向きは、任意の他の関連し、及び/または利用可能な情報(例えば、注文を実行するためにマグが配置される箱の大きさ及び向きに関する)とともに一括して利用され、この状況に適切な把持戦略のための把持戦略データベースにクエリを行う。複数の戦略が利用可能である場合、最もランクの高い戦略にアクセスされ、この場合、それによってロボットアームが(同様に利用可能な電気機械式ピンチではなく)バキュームエンドエフェクタを利用し、上面開口部からマグに接近してロボットアームの吸引能力の60%を利用しながらマグの底部内側でマグを把持し、底部が下を向き、取手を受けるために箱の左側に特別に形成されるフォームスロット内に取手が配置される形でマグが置かれるように、対象である箱に向かって移動しながら回動する。あるいは、この状況に関して利用可能な戦略がまったくない場合、新規把持戦略が生成されてもよい。例えば、(他のマグ、マグと同様の形状となるように判定される他のアイテムなど)同様のアイテムのための把持戦略がアクセスされ、及び/またはロボットアームに提示されるマグのための把持戦略を提供するように適合されてもよい。別の実施例として、画面上に提示される異なるオプションから選択することなどによる、あるいは、手袋上の特徴(例えば、圧力センサ、触覚センサ、または光学撮像装置を用いて手袋の動きを追跡するために利用される基準マーカ)からの情報を利用してロボットアームのための把持戦略を生成し得るように、手袋を着用しマグを把持することなどによる、マグがロボットアームによって効果的に把持され得る方法に関する入力を、人間のオペレータが行ってもよい。ロボットアームがマグを把持しようと試みて命令された把持戦略を実行した後に、異なる基準(例えば、マグが正常にトレイから、及び/または対象である箱へと搬送されたか否か、把持戦略を利用してマグを移動させるまでに経過した時間、及び/または、搬送時にマグが損傷を受けたか否か)による把持戦略の評価に基づくなどして、命令された戦略のランクを判定する、または更新することが可能である。
【0009】
次に、類似の参照番号及び/または参照名が類似の要素を指す場合がある図面を参照すると、
図1は在庫アイテム40を把持するよう構成されるロボットアームまたはマニピュレータ12を有する在庫システム10を示す。本明細書に記載の説明は主にロボットアーム12について述べているが、アームの代わりに、またはそれに加えて、任意の他のメカトロニクスまたはロボット装置が利用されてもよい。さらに、本明細書において使用される「grasping(把持すること)」、「gripping(把持すること)」などの用語には、摘み上げ、押し、引き、圧縮し、伸ばし、及び移動させることを含むがそれに限定されない対象物の任意の物理的操作を含まれるものと理解するべきである。システム10は、ロボットアーム12、把持環境14、在庫アイテム40、センサパッケージ16、制御装置32、アイテム把持データベース36、アイテムデータベース37、人による入力装置38、及び人間のオペレータ34を含んでもよい。アイテムデータベース37及びアイテム把持データベース36は、
図1において別個に示されているが、構造及び/または内容を共有してもよい。
図1においてプラットフォームとして示されるテーブルまたはスタンドなどの把持環境14は、ロボットアーム12によって把持されることになるアイテム(在庫アイテム40など)を保守する任意の構造または環境に対応してもよい。例えば把持環境14は、在庫ホルダのビン、引出し、トレイ、または本明細書において開示される在庫システムに関連する他の構造に同等に対応してもよい。
【0010】
センサパッケージ16は、把持環境14によってアイテム40が保守されている間にアイテム40を検出するよう配置される(類似のまたは可変型の)1つまたは複数のセンサを含む。センサパッケージ16は、重量、幾何学的特性(例えば、大きさ、位置、または向き)、電気伝導性、磁気特性、表面特性(例えば、アイテムの滑りやすさまたは浸透性)、変形能、及び/またはアイテム40の構造的一体性などの(46などにおいて)検出された属性を、制御装置32に伝達する。検出された属性はまた、バーコードまたはRFIDによって符号化されたシリアルナンバーなどの一意の識別子のアイテム40を含んでもよい。制御装置32は検出された属性に基づき、(49などにおいて)アイテムデータベース37にアクセスすることで、在庫アイテム40の記録にアクセスするなどしてもよい。記録には、重量、大きさ、形状、またはアイテムの他の物理的特性などのアイテムの属性に関する情報が含まれ得る。制御装置32はアイテムデータベース37からの記録及び/またはセンサパッケージ16から検出された属性に基づき、(48などにおいて)アイテム把持データベース36にアクセスすることで、そのアイテムまたは同様の特性を有するアイテムのために記憶されたアイテム把持戦略にアクセスしてもよい。制御装置32は(例えば、52において)、36における把持データベースからアクセスされた把持戦略に基づき、アイテム40を把持するための命令をロボットアーム12に出すことができる。
【0011】
アイテム把持データベース36からの把持戦略が利用可能ではないか、または完了していない場合を含んでもよいいくつかのシナリオにおいて、把持戦略のための人による入力は、54などにおいて制御装置32によって受信できる。このため人間のオペレータ34は、在庫アイテム40がロボットアーム12によって把持されるべき方法に関する提案を行ってもよく、またその提案を人による入力装置38を介して行ってもよい。非限定的な一例として、人による入力装置38は、人間のオペレータ34が命令を入力することができ、アイテムの把持のための人間の行動を観察して把持戦略を形成するための情報の学習、及び/または判定を行うことができ、及び/または、人間のオペレータがシミュレーションされたアイテムの把持を実行し、把持戦略の学習及び/または判定のための情報を取得できる仮想環境を提供できる、コンピュータインターフェースを含んでもよい。制御装置32によって(例えば、52において)ロボットアーム12に命令された把持戦略は、54において伝達される把持戦略のための人による入力、46において伝達される検出された属性、49においてアイテムデータベース37からアクセスされる記録、及び/または、48においてアイテム把持データベース36からアクセスされる情報の組み合わせに基づくことができる。制御装置32は(例えば、48において)、54において受信される人による入力の把持戦略及び/または46において伝達される検出された属性に基づき、アイテム把持データベース36及び/またはアイテムデータベース37を更新してもよい。ここで、いずれかは、その実装される把持戦略の有効性に関するフィードバックを含んでよい。このようなアイテムデータベース37及び/またはアイテム把持データベース36の更新及びアクセスにより、在庫システム内の要素間で、在庫アイテム40を効果的に移動させるために、在庫システム10を通じて(また、アイテム把持データベース36へのアクセスを有する他の在庫システムを通じて)ロボットアーム12を利用し、効率化及びスループットの向上を図ることが可能になる。
【0012】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による在庫システム10の内容を示す。在庫システム10は、管理モジュール15、1つまたは複数の移動駆動ユニット20、1つまたは複数の在庫ホルダ30、及び1つまたは複数の在庫ステーション50を含む。移動駆動ユニット20は、管理モジュール15によって伝達されたコマンドを受けて、ワークスペース70内のポイント間で在庫ホルダ30を搬送する。各在庫ホルダ30は、1つまたは複数のタイプの在庫アイテムを格納する。その結果在庫システム10は、ワークスペース70内の位置間で在庫アイテムを移動させ、在庫システム10からの在庫アイテムの入力、処理、及び/または除去、ならびに在庫アイテムに関わる他のタスクの完了を容易にすることが可能となる。
【0013】
管理モジュール15は、在庫システム10の適切な構成要素にタスクを割り当て、タスクの完了時に様々な構成要素の動作を調整する。これらのタスクは在庫アイテムの移動及び処理のみならず、在庫システム10の構成要素の管理及び保守にも関連してもよい。例えば管理モジュール15は、ワークスペース70の部分を、移動駆動ユニット20、移動駆動ユニットバッテリーのスケジューリングされた充電または交換、空の在庫ホルダ30の格納、または在庫システム10及びその様々な構成要素によって支持される機能に関連する任意の他の動作のためのパーキングスペースとして割り当ててもよい。管理モジュール15は、在庫システム10の構成要素を選択してこれらのタスクを実行し、適切なコマンド及び/またはデータを選択された構成要素に伝達し、これらの動作の完了を容易にしてもよい。管理モジュール15は単一のディスクリート構成要素として
図2に示されるが、複数の構成要素を表してもよく、移動駆動ユニット20または在庫システム10の他の要素の部分を表すかまたは含んでもよい。その結果、以下に説明する特定の移動駆動ユニット20と管理モジュール15との間の相互作用の一部または全部は、特定の実施形態において、その移動駆動ユニット20と1つまたは複数の他の移動駆動ユニット20との間のピアツーピア通信を表してもよい。管理モジュール15の例示的な実施形態の内容及び動作について、
図3を参照しながら以下にさらに説明する。
【0014】
移動駆動ユニット20は、ワークスペース70内の位置間で在庫ホルダ30を移動させる。移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30及び/または在庫システム10の他の要素の特性ならびに構成に基づいて、在庫システム10の利用に適切な任意の装置または構成要素を表してもよい。在庫システム10の特定の実施形態において移動駆動ユニット20は、ワークスペース70の周囲を自由に移動するよう構成される、独立した自己給電装置を表す。このような在庫システムの実施例は、その全体が本明細書に参照文献として援用される、2012年6月7日付で「SYSTEM AND METHOD FOR POSITIONING A モバイルUNIT」と題して発行された米国特許公開第2012/0143427号、及び2012年10月2日付で「METHOD AND SYSTEM FOR TRANSPORTING INVENTORY ITEMS」と題して発行された米国特許第8,280,547号において開示される。他の実施形態において移動駆動ユニット20は、ワークスペース70を横切る軌道、レール、ケーブル、クレーンシステム、または他の案内または支持要素に沿って、在庫ホルダ30を移動させるよう構成される、追跡された在庫システムの要素を表す。このような実施形態において、移動駆動ユニット20は、給電レールなどの案内要素との接続部を介して、電力及び/または支持を受けてもよい。さらに、在庫システム10の特定の実施形態において、移動駆動ユニット20は、ワークスペース70内で、及び/またはワークスペース70の別個の部分間を移動する代替的な搬送設備を利用するよう構成されてもよい。移動駆動ユニット20の例示的な実施形態の内容及び動作について、
図4及び5を参照して以下にさらに説明する。
【0015】
さらに移動駆動ユニット20は、管理モジュール15と通信して、選択された在庫ホルダ30を識別する情報を受信し、移動駆動ユニット20の位置を送信するか、または管理モジュール15または移動駆動ユニット20によって動作中に利用される任意の他の好適な情報を交換することが可能であってもよい。移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20と管理モジュール15との間の有線接続を利用して、及び/または任意の他の適切な方法で、管理モジュール15と無線通信してもよい。移動駆動ユニット20の特定の実施形態は一実施例として、802.11、Bluetooth、または赤外線データ協会(IrDA)規格、または任意の他の適切な無線通信プロトコルを利用して、管理モジュール15と、及び/または互いに通信してもよい。追跡された在庫システム10においては別の実施例として、移動駆動ユニット20と他の在庫システム10の構成要素との間の通信を容易にするために、移動駆動ユニット20が移動する軌道または他の案内要素は配線されてもよい。さらに上述のように、管理モジュール15は、個別の移動駆動ユニット20の構成要素を含んでもよい。このため、以下の説明及び特許請求の範囲のために、管理モジュール15との特定の移動駆動ユニット20間の通信は、特定の移動駆動ユニット20の構成要素間の通信を表してもよい。一般的に移動駆動ユニット20は、在庫システム10の構成及び特性に基づく任意の適切な方法で、給電され、推進され、かつ制御されてもよい。
【0016】
在庫ホルダ30は在庫アイテムを格納する。特定の実施形態において在庫ホルダ30は、各格納ビンが1つまたは複数のタイプの在庫アイテムを保持することが可能である複数の格納ビンを含む。在庫ホルダ30は、移動駆動ユニット20によって搬送し、転動させ、及び/または別の方法で移動させることが可能である。特定の実施形態において在庫ホルダ30は、在庫ホルダ30を移動させる際に、移動駆動ユニット20によって与えられる推進力に対して付加的な推進力を与えてもよい。
【0017】
さらに特定の実施形態において、在庫アイテム40はまた、在庫ホルダ30内のまたは在庫ホルダ30上のフックまたはバー(図示せず)から垂下してもよい。一般的に在庫ホルダ30は任意の適切な方法で、在庫ホルダ30内で、及び/または在庫ホルダ30外面上に、在庫アイテム40を格納してもよい。
【0018】
さらに各在庫ホルダ30は複数の面を含んでもよく、各ビンは在庫ホルダ30の1つまたは複数の面を介してアクセス可能であってもよい。例えば特定の実施形態において、在庫ホルダ30は4面を含む。このような実施形態において、他のビンのそれぞれが4面のうちの1つにおける開口部を介してアクセス可能である一方で、2面の角に位置するビンはそれら2面のいずれかを介してアクセス可能であってもよい。移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30を適切な回数で回動させて、特定の面及びその面に関連するビンをオペレータまたは他の在庫システム10の構成要素に提示するよう構成されてもよい。
【0019】
在庫アイテムは、自動在庫システム10における格納、検索、及び/または処理に好適な任意の対象物を表す。この説明の目的で、「inventory item(在庫アイテム)」は、任意の1つまたは複数の、在庫システム10に格納される特定のタイプの対象物を表してもよい。このため、在庫ホルダ30が現在そのタイプの1つまたは複数のユニットを保持する場合、特定の在庫ホルダ30は現在、特定の在庫アイテムを「storing(格納している)」。一実施例として、在庫システム10は通信販売用倉庫設備を表してもよく、在庫アイテムは倉庫設備に格納された商品を表してもよい。移動駆動ユニット20は、動作中に、顧客への配送のために梱包される注文において要求される1つまたは複数の在庫アイテムを含む在庫ホルダ30または、出荷のための在庫アイテムの統合された集合を含むパレットを搬送する在庫ホルダ30を検索してもよい。また、在庫システム10の特定の実施形態において、完了した注文を含む箱は、それ自体が在庫アイテムを表してもよい。
【0020】
特定の実施形態において、在庫システム10はまた、1つまたは複数の在庫ステーション50を含んでもよい。在庫ステーション50は、在庫アイテムに関わる特定のタスクの完了のために指定された位置を表す。このようなタスクは、在庫ホルダ30からの在庫アイテムの除去、在庫アイテムの在庫ホルダ30内への導入、在庫ホルダ30における在庫アイテムの計数、在庫アイテムの(例えば、パレットまたはケースの大きさの組から個別の在庫アイテムへの)解体、在庫ホルダ30巻の在庫アイテムの統合、及び/または、任意の他の好適な方法での在庫アイテムの処理または対応を含んでもよい。特定の実施形態において、在庫ステーション50は単に、在庫アイテムに関わる特定のタスクをワークスペース70内で完了することができる物理的位置を表してもよい。他の実施形態において在庫ステーション50は、物理的位置及び、在庫システム10内外での在庫アイテムのフローを監視するためのスキャナ、管理モジュール15と通信する通信インターフェース、及び/または任意の他の好適な構成要素などの、在庫アイテムの処理または対応のための任意の適切な設備の両方を表してもよい。在庫ステーション50は全部または一部が人間のオペレータによって制御されてもよいか、または完全に自動化されてもよい。また、在庫ステーション50の人間のオペレータまたは自動オペレータは、在庫アイテムの梱包、計数、または搬送などの在庫アイテムに対する特定のタスクを在庫システム10の動作の一環として実行することが可能であってもよい。
【0021】
ワークスペース70は、移動駆動ユニット20が移動することができ、及び/または在庫ホルダ30を格納することができる、在庫システム10に関連するエリアを表す。例えばワークスペース70は、在庫システム10が動作する、通信販売用倉庫の床の全部または一部を表してもよい。
図2は例示の目的で、ワークスペース70が固定された、所定の、かつ有限な物理的空間を含む在庫システム10の実施形態を示すが、在庫システム10の特定の実施形態は、可変サイズの、及び/または任意の形状のワークスペース70内で動作するよう構成される、移動駆動ユニット20及び在庫ホルダ30を含んでもよい。
図2はワークスペース70が建物内に完全に入れられた在庫システム10の特定の実施形態を示すが、他の実施形態は、ワークスペース70の一部または全部が屋外、(貨物船などの)輸送機関内に位置するか、またはいかなる固定構造による拘束も受けないワークスペース70を利用してもよい。
【0022】
管理モジュール15は動作時に、特定のタスクを完了させるための適切な構成要素を選択し、タスク割当18を選択された構成要素へと送信して、関連タスクの完了をトリガする。各タスク割当18は、特定の構成要素によって完了される1つまたは複数のタスクを定義する。これらのタスクは、在庫アイテムの検索、格納、補充、及び計数、及び/または、移動駆動ユニット20、在庫ホルダ30、在庫ステーション50及び他の在庫システム10の構成要素の管理に関連してもよい。特定のタスク割当18は構成要素及び完了するタスクに応じて、対応するタスク及び/もしくは割り当られたタスクの完了時に関連する構成要素によって利用される任意の他の適切な情報に関連する位置、構成要素、ならびに/または動作を識別してもよい。
【0023】
特定の実施形態において管理モジュール15は、他の在庫システム10の構成要素から、及び/または管理モジュール15と通信する外部の構成要素から、管理モジュール15が受信する在庫要求に部分的に基づいて、タスク割当18を生成する。これらの在庫要求は、在庫システム10内に格納された、または格納される在庫アイテムに関連して完了する特定の動作を識別し、また、任意の好適な形式の通信を表してもよい。例えば、特定の実施形態において、在庫要求は、顧客によって購入され、顧客への出荷のために在庫システム10から検索される特定の在庫アイテムを特定する出荷注文を表してもよい。管理モジュール15はまた、在庫システム10の管理及び保守の全体の一環として、このような在庫要求によらずにタスク割当18を生成する。例えば、管理モジュール15は、特定のイベントの発生に応じて(例えば、パーキングするスペースを要求する移動駆動ユニット20に応じて)、所定のスケジュールにしたがって(例えば、日次のスタートアップルーチンの一環として)、または在庫システム10の構成及び特性に基づく任意の適切な回数で、タスク割当18を生成してもよい。1つまたは複数のタスク割当18の生成後に、管理モジュール15は生成されたタスク割当18を対応するタスクの完了のために適切な構成要素に送信する。関連する構成要素はその後、それらの割り当てられたタスクを実行する。
【0024】
特に移動駆動ユニット20に関して、管理モジュール15は、特定の実施形態において、選択された移動駆動ユニット20の1つまたは複数の目的地を識別する選択された移動駆動ユニット20へとタスク割当18を伝達してもよい。管理モジュール15は、移動駆動ユニット20を選択し、選択された移動駆動ユニット20の位置または状態、選択された移動駆動ユニット20が予め割り当てられたタスクを完了させたことの命令、所定のスケジュール、及び/または任意の他の好適な考慮に基づいて関連タスクを割り当ててもよい。これらの目的地は、管理モジュール15が実行している在庫要求または、管理モジュール15が実行を試みている管理対象に関連してもよい。例えば、タスク割当は、在庫システム10全体の、または個別の在庫システム10の構成要素の構成、特性、及び/または状態に基づいて、検索される在庫ホルダ30の位置、訪れる在庫ステーション50、別のタスクを受信するまでに移動駆動ユニット20がパーキングすべき格納位置、または任意の他の適切なタスクに関連する位置を定義してもよい。例えば、特定の実施形態において、このような判定は、特定の在庫アイテムの人気、特定の在庫ステーション50の人員配置、特定の移動駆動ユニット20に現在割り当てられているタスク、及び/または任意の他の適切な考慮に基づいてもよい。
【0025】
これらのタスクの完了の一環として、移動駆動ユニット20はワークスペース70内で在庫ホルダ30にドッキングし、在庫ホルダ30を搬送してもよい。移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30と接続し、在庫ホルダ30を持ち上げ、及び/または任意の他の好適な方法で在庫ホルダ30と相互作用することによって、在庫ホルダ30にドッキングして、ドッキング時に移動駆動ユニット20が在庫ホルダ30に接続し、及び/または在庫ホルダ30を支持して、ワークスペース70内で在庫ホルダ30を移動させることを可能にしてもよい。以下の説明は、特定の方法でドッキングするよう構成される移動駆動ユニット20及び在庫ホルダ30の特定の実施形態に着目しているが、移動駆動ユニット20及び在庫ホルダ30の他の実施形態は、移動駆動ユニット20が在庫ホルダ30をワークスペース70内で移動させることを可能にする任意の好適な方法でドッキングするよう構成されてもよい。さらに、以下に記すように、特定の実施形態において、移動駆動ユニット20は在庫ホルダ30の全部または一部を表す。このような実施形態において、移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30の搬送前に在庫ホルダ30にドッキングしない場合があり、及び/または移動駆動ユニット20はそれぞれ、特定の在庫ホルダ30と継続的にドッキングしてもよい。
【0026】
適切な在庫システム10の構成要素が割り当てられたタスクを完了させる一方で、管理モジュール15は関連する構成要素と相互作用して、在庫システム10に利用可能なスペース、設備、労働力、及び他のリソースを効率的に利用することを可能にしてもよい。このような相互作用の1つの具体的な実施例として、管理モジュール15は、特定の実施形態において、割り当てられたタスクを完了させるために、移動駆動ユニット20が、ワークスペース70内での移動時に取る経路を計画し、ワークスペース70の特定の部分の利用を特定の移動駆動ユニット20に割り当てる役割を果たす。このような実施形態において、移動駆動ユニット20は、タスクを割り当てられていることに応じて、タスクに関連する特定の目的地への経路を要求してもよい。また、以下の説明では、移動駆動ユニット20が、管理モジュール15からの経路を要求する1つまたは複数の実施形態に着目しているが、移動駆動ユニット20は、他の実施形態において、それ自体の経路を生成してもよい。
【0027】
在庫システム10の構成要素は、それらの現在の状態、それらが相互作用する他の在庫システム10の構成要素、及び/または、在庫システム10の動作に関連する他の条件に関する情報を、管理モジュール15に提供してもよい。これにより、管理モジュール15が、関連する構成要素からのフィードバックを利用して、アルゴリズムパラメータを更新し、ポリシーを調整するか、またはその判定をその他の方法で修正することで、動作条件または特定のイベントの発生の変更に対応することが可能になってもよい。
【0028】
さらに管理モジュール15は、在庫システム10の構成要素の動作の様々な態様を管理するよう構成されてもよいが、特定の実施形態において、構成要素自体が同様に、それらの動作の特定の態様に関する判定を行い、それによって管理モジュール15上の処理負荷を軽減する役割を果たしてもよい。
【0029】
このため、様々な在庫システム10の構成要素の位置、現在の状態、及び/または他の特性に関するその知識ならびに現在完了しつつある全てのタスクの認識に基づいて、管理モジュール15は、タスクを生成し、システムリソースの利用を割り当て、システム全体の観点から動作を最適化する他の方法で、個別の構成要素によってタスクの完了を命令することができる。また、集中的なシステム全体の管理及び局所的かつ構成要素に限定的な判定の両方の組み合わせにより、在庫システム10の特定の実施形態においては、在庫システム10の動作の様々な態様を効率的に実行するいくつかの技術を支持することが可能であってもよい。その結果、管理モジュール15の特定の実施形態において、以下に説明する1つまたは複数の管理技術を実装することにより、在庫システム10の効率性を向上させ、及び/または他の運転上の利点をもたらしてもよい。
【0030】
図3は、管理モジュール15の特定の実施形態の構成要素をより詳細に示す。図示するように、例示的な実施形態は、リソーススケジューリングモジュール92、経路計画モジュール94、セグメント予約モジュール96、在庫モジュール97、通信インターフェースモジュール98、プロセッサ90、及びメモリ91を含む。管理モジュール15は、在庫システム10内の中央に位置する単一の構成要素、複数の構成要素、または、在庫システム10内に分散された複数の構成要素を表してもよい。例えば管理モジュール15は、情報を移動駆動ユニット20間で伝達し、ワークスペース70内での移動駆動ユニット20の移動を調整することができる、1つまたは複数の移動駆動ユニット20の構成要素を表してもよい。管理モジュール15は、一般的に、説明される機能の提供に好適な、ハードウェア及び/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含んでもよい。
【0031】
プロセッサ90は、管理モジュール15によって提供される機能に関連する命令を実行するように動作可能である。プロセッサ90は、1つまたは複数の汎用コンピュータ、専用マイクロプロセッサ、または、電子情報を伝達することが可能な他の処理を備えてもよい。プロセッサ90の実施例は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラムマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理装置(DSP)及び任意の他の好適な専用または汎用プロセッサを含む。
【0032】
メモリ91は、プロセッサ命令、在庫要求、予約情報、様々な在庫システム10の構成要素の状態情報及び/または任意の他の適切な値、パラメータ、もしくは管理モジュール15によって動作中に利用される情報を格納する。メモリ91は、データの格納に好適な、揮発性または不揮発性の、ローカルまたはリモート装置の任意の集合及び配置を表してもよい。メモリ91の実施例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)装置、読み出し専用メモリ(ROM)装置、磁気記憶装置、光記憶装置または任意の他の好適なデータ記憶装置を含むが、それらに限定されない。
【0033】
リソーススケジューリングモジュール92は、受信された在庫要求を処理し、在庫システム10の構成要素によって完了させる1つまたは複数の割り当てられたタスクを生成する。リソーススケジューリングモジュール92はまた、割り当てられたタスクを完了させる1つまたは複数の適切な構成要素を選択し、通信インターフェースモジュール98を利用して、割り当てられたタスクを関連する構成要素に伝達させてもよい。さらに、リソーススケジューリングモジュール92はまた、移動駆動ユニット20のバッテリーの充電またはバッテリーの交換を促し、予想されるトラフィックフロー外の位置または今後のタスクの予想される場所付近の位置にパーキングするように、動作していない移動駆動ユニット20に命令し、及び/または、指定された保守ステーションに向かって移動するように、修繕または保守のために選択された移動駆動ユニット20に命令するなどの、様々な管理動作に関連する割り当てられたタスクを生成する役割を果たしてもよい。
【0034】
経路計画モジュール94は、移動駆動ユニット20から経路要求を受信する。これらの経路要求は、移動駆動ユニット20が実行することを要求するタスクに関連する1つまたは複数の目的地を識別する。経路計画モジュール94は、経路要求の受信に応じて、経路要求において識別される1つまたは複数の目的地への経路を生成する。経路計画モジュール94は、適切な経路を判定するための任意の適切なパラメータ、要因、及び/または考慮を利用して、任意の適切なアルゴリズムを実装してもよい。適切な経路の生成後、経路計画モジュール94は、通信インターフェースモジュール98を利用して、生成された経路を識別する経路応答を要求する移動駆動ユニット20に送信する。
【0035】
セグメント予約モジュール96は、経路計画モジュール94によって生成された経路に沿って移動することを試みる移動駆動ユニット20から予約要求を受信する。これらの予約要求は、ワークスペース70の特定の部分(本明細書においては「segment(セグメント)」と称される)の利用を要求し、移動駆動ユニット20が予約されたセグメントを横切って移動しながら他の移動駆動ユニット20との衝突を回避することを可能にする。セグメント予約モジュール96は、受信された予約要求に応じて、予約要求を許可するか、または拒否する予約応答を、通信インターフェースモジュール98を利用して要求する移動駆動ユニット20に送信する。
【0036】
在庫モジュール97は、在庫システム10における在庫アイテム40の位置及び数に関する情報を管理する。情報は、特定の在庫ホルダ30における在庫アイテム40の数に関連して管理することが可能であり、管理される情報は、在庫ホルダ30におけるそれらの在庫アイテム40の位置を含み得る。在庫モジュール97はまた、タスク割当18を利用して移動駆動ユニット20と通信して、在庫システム10内で在庫アイテム40を保守し、補充するか、または移動させることが可能である。
【0037】
通信インターフェースモジュール98は、予約応答、予約要求、経路要求、経路応答、及びタスク割当を含む、管理モジュール15と他の在庫システム10の構成要素との間の通信を容易にする。これらの予約応答、予約要求、経路要求、経路応答、及びタスク割当は、管理モジュール15の能力に基づく任意の適切な形式の通信を表してもよく、任意の好適な情報を含んでもよい。通信インターフェースモジュール98は、管理モジュール15の構成に応じて、管理モジュール15と在庫システム10の様々な構成要素との間の有線及び無線通信のいずれかまたは両方を容易にする役割を果たしてもよい。管理モジュール15は、特定の実施形態において、802.11、Bluetooth、または赤外線データ協会(IrDA)規格などの通信プロトコルを利用して通信を行ってもよい。さらに管理モジュール15は、特定の実施形態において、移動駆動ユニット20または他の在庫システム10の構成要素の一部を表してもよい。通信インターフェースモジュール98は、このような実施形態において、管理モジュール15と同じシステム構成要素の他の部分との間の通信を容易にしてもよい。
【0038】
リソーススケジューリングモジュール92、経路計画モジュール94、セグメント予約モジュール96、在庫モジュール97、及び通信インターフェースモジュール98は、それぞれ一般的には、説明される機能の提供に好適な、任意の適切なハードウェア及び/またはソフトウェアを表してもよい。さらに上述のように、管理モジュール15は、特定の実施形態において、複数の異なるディスクリート構成要素を表してもよく、リソーススケジューリングモジュール92、経路計画モジュール94、セグメント予約モジュール96、在庫モジュール97、及び通信インターフェースモジュール98の一部または全部は、管理モジュール15の残りの要素と物理的に別個である構成要素を表してもよい。また、リソーススケジューリングモジュール92、経路計画モジュール94、セグメント予約モジュール96、在庫モジュール97、及び通信インターフェースモジュール98のいずれか2つ以上が、共通の構成要素を共有してもよい。例えば、特定の実施形態において、リソーススケジューリングモジュール92、経路計画モジュール94、セグメント予約モジュール96、及び在庫モジュール97は、プロセッサ90上で実行するコンピュータ処理を表し、通信インターフェースモジュール98は、無線送信装置、無線受信装置、及び、プロセッサ90上で実行される、関連するコンピュータ処理を含む。
【0039】
図4及び5は、移動駆動ユニット20の特定の実施形態の構成要素をより詳細に示す。
図4及び5は特に、例示的な移動駆動ユニット20の正面図及び側面図を含む。移動駆動ユニット20は、ドッキングヘッド110、駆動モジュール120、ドッキングアクチュエータ130、及び制御モジュール170を含む。さらに移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20、在庫ホルダ30、及び/または在庫システム10の他の適切な要素の位置を検出するか、または判定するよう構成される1つまたは複数のセンサを含んでもよい。示される実施形態において移動駆動ユニット20は、位置センサ140、ホルダセンサ150、障害物センサ160、及び識別信号送信装置162を含む。
【0040】
ドッキングヘッド110は、移動駆動ユニット20の特定の実施形態において、移動駆動ユニット20を在庫ホルダ30に接続し、及び/または、移動駆動ユニット20が在庫ホルダ30にドッキングされる際に在庫ホルダ30を支持する。ドッキングヘッド110はさらに、在庫ホルダ30を持ち上げ、在庫ホルダ30を推進させ、在庫ホルダ30を回動させ、及び/または、任意の他の適切な方法で在庫ホルダ30を移動させることなどによって、移動駆動ユニット20が、在庫ホルダ30を操縦することを可能にしてもよい。ドッキングヘッド110はまた、在庫ホルダ30のこのような操作を容易にするための、リブ、スパイク、及び/または波形部分などの構成要素の任意の適切な組み合わせを含んでもよい。例えば、特定の実施形態においてドッキングヘッド110は、移動駆動ユニット20が在庫ホルダ30とドッキングされる間に在庫ホルダ30の一部に当接する、摩擦力の大きい部分を含んでもよい。このような実施形態においては、ドッキングヘッド110が移動及び回動をそれぞれ行う際に、ドッキングヘッド110の摩擦力の大きい部分と在庫ホルダ30の表面との間で発生する摩擦力により、在庫ホルダ30における並進及び回動移動が誘発されてもよい。その結果、ドッキングヘッド110を独立的に、または移動駆動ユニット20全体の移動の一環として移動させるか、または回動させることによって、移動駆動ユニット20が、在庫ホルダ30を操作することが可能になってもよい。
【0041】
駆動モジュール120は、移動駆動ユニット20を推進させ、また、移動駆動ユニット20及び在庫ホルダ30がドッキングする際には、在庫ホルダ30を推進させる。駆動モジュール120は、移動駆動ユニット20を推進させるように動作可能である構成要素の任意の適切な集合を表してもよい。例えば、示される実施形態において、駆動モジュール120は、電動式車軸122、一対の電動式車輪124、及び一対の安定車輪126を含む。1つの電動式車輪124が、電動式車軸122の各端部に位置し、1つの安定車輪126が、移動駆動ユニット20の各端部に位置する。
【0042】
ドッキングアクチュエータ130は、ドッキングヘッド110を在庫ホルダ30に向かって移動させて、移動駆動ユニット20と在庫ホルダ30とのドッキングを容易にする。ドッキングアクチュエータ130はまた、他の好適な方法でドッキングヘッド110の位置または向きを調整して、ドッキングを容易にすることが可能であってもよい。ドッキングアクチュエータ130は、ドッキングヘッド110を移動させるかまたはドッキングヘッド110の位置または向きを調整するための移動駆動ユニット20及び在庫ホルダ30の構成に基づく、任意の適切な構成要素を含んでもよい。例えば示される実施形態において、ドッキングアクチュエータ130は、ドッキングヘッド110の中心に取り付けられる電動式シャフト(図示せず)を含む。電動式シャフトは、在庫ホルダ30へのドッキングに適切にドッキングヘッド110を持ち上げるように動作可能である。
【0043】
駆動モジュール120は、任意の適切な方法で移動駆動ユニット20を推進させるよう構成されてもよい。例えば、示される実施形態において、電動式車輪124は第1の方向に回動し、移動駆動ユニット20を前方に推進させるように動作可能である。電動式車輪124はまた、第2の方向に回動し、移動駆動ユニット20を後方に推進させるように動作可能である。示される実施形態において、駆動モジュール120はまた、電動式車輪124を互いに異なる方向に回動させることによって、または、電動式車輪124を互いに異なる速度で回動させることによって、移動駆動ユニット20を回動させるよう構成される。
【0044】
位置センサ140は、任意の適切な方法による移動駆動ユニット20の位置の判定に好適な1つまたは複数のセンサ、検出器、または他の構成要素を表す。例えば、特定の実施形態において、在庫システム10に関連するワークスペース70は、ワークスペース70の全部または一部を覆う2次元のグリッド上のポイントを示す、いくつかの基準マークを含む。このような実施形態において、位置センサ140は、位置センサ140がカメラの視野内の基準マークを検出することを可能にするために、カメラならびに、適切にプログラミングされたデジタル信号処理装置などの好適な画像及び/または映像処理構成要素を含んでもよい。制御モジュール170は、位置センサ140が基準マークを検出する際に位置センサ140が更新する位置情報を格納してもよい。その結果、位置センサ140は、ワークスペース70内での移動時に位置移動駆動ユニット20の正確な指示を維持し、進路判定を補助するために、基準マークを利用してもよい。
【0045】
ホルダセンサ150は、在庫ホルダ30の検出及び/または任意の適切な方法で、絶対位置として、または移動駆動ユニット20に対する位置としての在庫ホルダ30の位置判定に好適な、1つまたは複数のセンサ、検出器、または他の構成要素を表す。ホルダセンサ150が、在庫ホルダ30の特定の部分または在庫ホルダ30全体の位置を検出することが可能であってもよい。移動駆動ユニット20は、その後、在庫ホルダ30へのドッキングか、または別の相互作用のために検出された情報を利用してもよい。
【0046】
障害物センサ160は、移動駆動ユニット20が移動することができる、1つまたは複数の異なる方向に位置する対象物を検出することが可能な、1つまたは複数のセンサを表す。障害物センサ160は、移動駆動ユニット20の移動方向に位置する対象物の検出に適切な、光、レーダ、ソナー、感圧及び/または他のタイプの検出装置を含む、任意の適切な構成要素及び技術を利用してもよい。特定の実施形態において障害物センサ160は、制御モジュール170によって利用され、障害物を識別して適切な補正動作を行って、移動駆動ユニット20が障害物及び/または他の対象物と衝突することを防ぐために、検出する対象物を示す情報を、制御モジュール170に送信してもよい。
【0047】
障害物センサ160はまた、示される移動駆動ユニット20付近で動作している他の移動駆動ユニット20によって送信された信号を検出してもよい。例えば、在庫システム10の特定の実施形態において、1つまたは複数の移動駆動ユニット20は、ドライブ識別信号を送信する識別信号送信装置162を含んでもよい。ドライブ識別信号は、他の移動駆動ユニット20に対して、ドライブ識別信号を送信する対象物が実際には移動駆動ユニットであることを示す。識別信号送信装置162は、送信装置が移動駆動ユニット20であることを受信者に示す、赤外線、紫外線、音声、可視光、無線、及び/または他の好適な信号を送信することが可能であってもよい。
【0048】
さらに特定の実施形態において、障害物センサ160はまた、他の移動駆動ユニット20によって送信された状態情報を検出することが可能であってもよい。例えば特定の実施形態において、識別信号送信装置162は、送信された識別信号内の移動駆動ユニット20に関する状態情報を含むことが可能であってもよい。この状態情報は送信移動駆動ユニット20の位置、速度、方向、及び制動能力を含んでもよいが、それに限定されない。特定の実施形態において移動駆動ユニット20は、それらの他の移動駆動ユニットと近接して動作する際に衝突を回避するために、他の移動駆動ユニットによって送信された状態情報を利用してもよい。
【0049】
制御モジュール170は、駆動モジュール120及びドッキングアクチュエータ130を動作を監視し、及び/または制御する。制御モジュール170はまた、位置センサ140及びホルダセンサ150などのセンサから情報を受信し、この情報に基づいて、駆動モジュール120、ドッキングアクチュエータ130、及び/または移動駆動ユニット20の他の構成要素の動作を調整してもよい。さらに特定の実施形態において、移動駆動ユニット20は、在庫システム10の管理装置と通信するよう構成されてもよく、制御モジュール170は、移動駆動ユニット20に送信されたコマンドを受信し、移動駆動ユニット20の適切な通信構成要素を利用して情報を管理装置に戻してもよい。制御モジュール170は、説明される機能の提供に好適な任意の適切なハードウェア及び/またはソフトウェアを含んでもよい。特定の実施形態において制御モジュール170は、説明される機能を提供するようプログラミングされた汎用マイクロプロセッサを含む。さらに制御モジュール170は、ドッキングアクチュエータ130、駆動モジュール120、位置センサ140、及び/もしくはホルダセンサ150の全部または一部を含み、ならびに/または、構成要素を移動駆動ユニット20のこれらの要素のいずれかと共有してもよい。
【0050】
また特定の実施形態において、制御モジュール170は、駆動モジュール120、ドッキングアクチュエータ130、及び/または上述の移動駆動ユニット20の他の構成要素を収容する装置とは物理的に異なる構成要素内に位置するハードウェア及びソフトウェアを含んでもよい。例えば、特定の実施形態において、在庫システム10内で動作する各移動駆動ユニット20は、駆動モジュール120、ドッキングアクチュエータ130、及び移動駆動ユニット20の他の適切な構成要素を収容する装置と通信するサーバ上で動作するソフトウェアプロセス(本明細書において「drive agent(駆動エージェント)」と称される)に関連してもよい。この駆動エージェントは、駆動モジュール120、ドッキングアクチュエータ130、及び移動駆動ユニット20の他の適切な構成要素を物理的に収容する装置のために、タスクを要求して受信し、経路を要求して受信し、移動駆動ユニット20に関連する状態情報を送信し、及び/またはその他の方法で管理モジュール15及び他の在庫システム10の構成要素と相互作用する役割を果たしてもよい。その結果、以下の説明及び特許請求の範囲の目的で、「mobile drive unit(移動駆動ユニット)」の用語は、移動駆動ユニット20のために説明される機能を提供するが、駆動モジュール120、ドッキングアクチュエータ130、及び/または、上述の移動駆動ユニット20の他の構成要素とは物理的に異なる装置内に位置してもよいエージェント処理などのソフトウェア及び/またはハードウェアを含む。
【0051】
図4及び5は、特定の構成要素を含み、特定の方法で動作するよう構成される移動駆動ユニット20の特定の実施形態を示すが、移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30を搬送し、ならびに/または、その搬送を容易にするよう構成される構成要素の任意の適切な構成要素、及び/もしくは集合を表してもよい。別の実施例として、移動駆動ユニット20は、1つまたは複数のクレーンのアセンブリがワイヤまたはレールのネットワーク内で、特定の在庫ホルダ30へのドッキングに好適な位置へと移動することが可能である、天井クレーンシステムの一部を表してもよい。在庫ホルダ30へのドッキング後、クレーンアセンブリは、割り当てられたタスクを完了させる目的で、在庫ホルダ30を持ち上げて、在庫を別の位置に移動させてもよい。
【0052】
さらに特定の実施形態において、移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30の全部または一部を表してもよい。在庫ホルダ30は、電動式車輪または任意の好適な他の構成要素を含み、在庫ホルダ30が自らを推進させることを可能にしてもよい。1つの具体的な実施例として、在庫ホルダ30の一部は、磁界に反応してもよい。在庫システム10は、在庫ホルダ30の反応部の結果として、在庫ホルダ30を推進させ、操縦し、及び/または、それ以外の方法で在庫ホルダ30の位置を制御することができる、1つまたは複数の制御された磁界を生成することが可能になってもよい。このような実施形態において、移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30の反応部、及び/または、これらの磁界を生成し制御する役割を果たす在庫システム10の構成要素を表してもよい。本明細書はいくつかの具体的な実施例を提示するが、移動駆動ユニット20は一般的に、在庫ホルダ30を搬送し、及び/または在庫ホルダ30の搬送を容易にするよう構成される、任意の適切な構成要素及び/または構成要素の集合を表してもよい。
【0053】
図6は、在庫ホルダ30の特定の実施形態の構成要素をより詳細に示す。特に
図6は、例示的な在庫ホルダ30の1面の構造及び内容を示す。特定の実施形態において、在庫ホルダ30は、同様のまたは異なる構造を有する任意の数の面を備えてもよい。示されるように、在庫ホルダ30は、フレーム310、複数の脚328、及びドッキング面350を含む。
【0054】
フレーム310は、在庫アイテム40を保持する。フレーム310は、フレーム310の外部または内部に在庫アイテム40を格納するための格納スペースを提供する。フレーム310によって提供される格納スペースは、それぞれが在庫アイテム40を保持することが可能である複数の在庫ビン320に分割されてもよい。在庫ビン320は、ビン、区画、またはフックなどの任意の適切な格納要素を含んでもよい。
【0055】
特定の実施形態において、フレーム310は、互いに積み重なる複数のトレイ322からなり、ベース318に取り付けられるか、またはベース318上に積み重ねられる。このような実施形態において在庫ビン320は、移動して1つまたは複数の在庫ビン320のサイズを変更することができる複数の調整可能な仕切部324によって形成されてもよい。他の実施形態において、フレーム310は、単一のトレイ322を含んで調整可能な仕切部324がない、単一の在庫ビン320を表してもよい。さらに特定の実施形態において、フレーム310は、移動性要素330上に取り付けられた耐荷重性面を表してもよい。在庫アイテム40は、フレーム310上に配置することによって、このような在庫ホルダ30上に格納されてもよい。フレーム310は、一般的には、任意の適切な方法で、任意の適切な数の在庫ビン320に分割される格納内部及び/または外部の格納スペースを含んでもよい。
【0056】
さらに特定の実施形態において、フレーム310は、移動駆動ユニット20がドッキングヘッド110をドッキング面350に隣接して位置づけることを可能にする、複数の装置開口部326を含んでもよい。装置開口部326の大きさ、形状、及び配置は、在庫システム10によって利用される移動駆動ユニット20及び/または在庫ホルダ30の特定の実施形態の大きさ、形状、及び他の特性に基づいて判定されてもよい。例えば、示される実施形態において、フレーム310は、装置開口部326を形成し、移動駆動ユニット20が移動駆動ユニット20をフレーム310の下に、かつドッキング面350に隣接して位置づけることを可能にする、4つの脚328を含む。脚328の長さは、移動駆動ユニット20の高さに基づいて判定されてもよい。
【0057】
ドッキング面350は、移動駆動ユニット20が在庫ホルダ30とドッキングされる際に、ドッキングヘッド110の一部に接続され、ドッキングヘッド110の一部に当接し、及び/またはドッキングヘッド110の一部上にある、在庫ホルダ30の一部を含む。さらにドッキング面350は、在庫ホルダ30が移動駆動ユニット20にドッキングされる間に、在庫ホルダ30の重量の一部または全部を支持する。移動駆動ユニット20による在庫ホルダ30の操縦を容易にするために、ドッキング面350の構成、形状、及び/または質感が指定されてもよい。例えば、上述のように、特定の実施形態において、ドッキング面350は、摩擦力の大きい部分を含んでもよい。移動駆動ユニット20及び在庫ホルダ30がドッキングされる際に、ドッキングヘッド110とこの摩擦力の大きい部分との間で発生する摩擦力により、移動駆動ユニット20が、在庫ホルダ30を操縦することが可能になってもよい。さらに特定の実施形態において、ドッキング面350は、ドッキングヘッド110の一部の受信、在庫ホルダ30の移動駆動ユニット20への接続、及び/または移動駆動ユニット20による在庫ホルダ30の制御の容易化、に好適である適切な構成要素を含んでもよい。
【0058】
ホルダ識別子360は、在庫ホルダ30の所定の部分を示し、移動駆動ユニット20は、ドッキング中に在庫ホルダ30と整合し、及び/または在庫ホルダ30の位置を判定するために、ホルダ識別子360を利用してもよい。より具体的には、特定の実施形態において、移動駆動ユニット20は、ホルダ識別子360を検出し、移動駆動ユニット20に対するその位置を判定することができるホルダセンサ150などの構成要素を備えてもよい。その結果、移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30全体の位置を判定することが可能になってもよい。例えば、特定の実施形態において、ホルダ識別子360は、在庫ホルダ30上の所定の位置に位置する反射マーカを表してもよく、そのホルダセンサ150は、適切に構成されたカメラの利用を光学的に検出することができる。
【0059】
移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20及び在庫システム10の構成及び特性に応じて、様々な適切な方法を利用し、在庫ホルダ30を移動させてもよい。特定の実施形態において、移動駆動ユニット20は、2次元のグリッドに沿って在庫ホルダ30を移動させ、直線セグメントに沿った移動を90度の回動と組み合わせ、在庫ホルダ30を第1の位置から第2の位置に搬送するように経路を湾曲させることが可能である。さらに移動駆動ユニット20は、移動中に、進路判定を補助するための参照ポイントとして、ワークスペースに位置する固定された対象物を利用してもよい。例えば、特定の実施形態において、在庫システム10は複数の基準マークを含む。移動駆動ユニット20は、基準マークを検出し、移動駆動ユニット20の位置を判定するか、及び/または、基準マークの検出に基づいてその移動を計測するよう構成されてもよい。
【0060】
移動駆動ユニット20が第2の位置に到達した後、移動駆動ユニット20は、適切な動作を実行し、在庫ホルダ30に格納された在庫アイテム40へのアクセスを容易にしてもよい。例えば移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30を回動させ、在庫ホルダ30の特定の面を、在庫システム10のオペレータ、または在庫ホルダ30から在庫アイテム40を選択する出荷業者などの、他の好適な関係者に提示してもよい。移動駆動ユニット20は、また、在庫ホルダ30からアンドッキングしてもよい。あるいは第2の位置でのアンドッキングの代わりに、移動駆動ユニット20は、任意の適切な動作が在庫アイテム40に関して行われた後に、在庫ホルダ30を第1の位置に戻すか、または第3の位置に搬送してもよい。例えば、出荷業者が在庫ホルダ30から特定の在庫アイテム40を取り除いた後に、移動駆動ユニット20は、在庫ホルダ30を、その元の格納位置、新規格納位置、または別の在庫ステーションに戻してもよい。移動駆動ユニット20は、その後、この新規位置において在庫ホルダ30からアンドッキングしてもよい。
【0061】
上述のように、本明細書に記載の実施形態は、ロボットアームまたはマニピュレータ12(以下、「robotic arm(ロボットアーム)」とする)ならびに、在庫システム10内での在庫アイテム40及び/または他の対象物の自動把持のための、関連する構成要素及び技術に関する。いくつかの実施形態により、ロボットアーム12の動作及びそれに関連する命令を制御するために、管理モジュール15が利用される。
図7は、ロボットアーム12に関連して利用されてもよい、管理モジュール15のモジュールをより詳細に示す。例示的なモジュールが
図7に示されるが、本明細書において説明される機能及び実施形態は、モジュールによって提供される特徴の部分集合を利用することができ、及び/または付加的な機能が提供され得る。さらに、例示的なモジュールについて、
図7を参照して簡潔に説明するが、例示的なモジュールに関するさらに具体的な詳細を、その後の図を説明しながら、以下に提示する。
【0062】
図7に示すように、モジュールは、属性検出モジュール710、データベースクエリモジュール715、人間の動作に基づく把持戦略モジュール720、制約モジュール725、把持戦略選択モジュール730、把持戦略命令モジュール735、把持戦略評価モジュール740、及びデータベース更新モジュール745を含み得る。属性検出モジュール710は、
図1のセンサパッケージ16などのセンサから情報を受信し、センサによって検出された在庫アイテム40の属性を判定する。データベースクエリモジュール715は、本明細書において示される属性検出モジュール710または他のモジュールからの情報に基づくなどして、
図1のアイテムデータベース37及び/またはアイテム把持データベース36からの情報にアクセスし得る。人間の動作に基づく把持戦略モジュール720は、
図1の54などにおける、把持戦略のための任意の人による入力の要求及び受信を処理する。制約モジュール725は、ロボットアーム12によって把持されるアイテムが配置される位置に関する情報などの、様々なソースからの利用可能な把持戦略の制約に関する情報を提供することができる。把持戦略選択モジュール730は、本明細書に記載の他のモジュールからの情報に基づくなどして、特定の把持動作のためにロボットアーム12に提示される把持戦略を選択し、及び/または判定してもよい。把持戦略命令モジュール735は、特定の把持動作のために、把持戦略選択モジュール730によって選択された把持戦略を実現する命令を、ロボットアーム12に出すことができる。把持戦略評価モジュール740は、把持戦略命令モジュール735によって出される命令に応じて実行される把持動作に関する情報を受信し、特定の把持動作に関わるアイテムまたはアイテムの属性のための把持戦略の有効性を評価することができる。データベース更新モジュール745は、本明細書に記載の他のモジュールからの情報の利用などの、アイテムデータベース37及び/またはアイテム把持データベース36を更新してもよい。
【0063】
属性検出モジュール710は、任意の数及び/またはタイプのセンサと相互作用し、把持されるアイテムの属性を判定することができる。例えば、属性検出モジュール710は、撮像装置または光センサからの情報を受信し、大きさ、形状、位置、向き、及び/または表面特性などの物理的特性(例えば、表面外観に基づく、アイテムの浸透性及び/または滑りやすさ)を判定することができる。2次元のカメラ、深度センサ、飛行時間センシング(例えば、感知されたアイテム及び環境の仮想モデルを表すデータポイントの3次元アレイを判定するために、ピクセルごとのセンサからの距離を判定するための、光源の送信及び、ピクセルごとの反射時間の判定)、構造化された光センシング(例えば、光源からの既知の画像の投影、検出されたアイテムの表面の変動によって歪曲される際の画像の観察、及び、歪曲を引き起こした特徴の位置を判定するための、投影された画像に対する歪曲の分析)、ステレオセンシング(例えば、ポイントクラウドまたはデジタルモデルを生成するための、既知のオフセットに配置された複数のカメラから収集された画像の互いの差異の分析)、能動ステレオセンシング(例えば、ステレオセンシング利用時の特徴の検出精度を向上させるための、光のパターンの投影)、物理的対象物のデジタル表現の生成のための、任意の他の光学的に基づく光の観察方法、またはその任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の好適な光技術を利用することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、属性検出モジュール710は、さらに、またはあるいは、把持される検出されたアイテムまたはその周辺の物理的属性を判定するなどのために、構造的一体性、変形能、重量、表面特性(例えば、アイテムの滑りやすさ)、または検出された対象物の他の物理的属性などの、他のセンサからの能動センシング情報(例えば、力センシング、触覚センシング、圧力センシング、電圧センシング、電気伝導度センシング、超音波センシング、X線センシング、または他のセンシング)を受信することができる。
【0065】
アイテムのこのような、センサ情報に基づいて判定される物理的属性に関する情報は、いくつかの機能に取って有用であり得る。例えば、検出された属性は、すでに識別され、データベースまたは在庫システムによって管理される、アイテムのデータベースの入力に含まれたアイテムまたはアイテムのタイプとしての、アイテムの識別を容易にしてもよい。説明例として、変形能の能動センシングは、センサから受信された情報の組が、ボーリングボールまたは、同様の3次元形状を有してもよいビーチボールに対応するか否かの判定を容易にしてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において一意の識別子は、属性検出モジュール710によって検出された属性であってもよい。例えば属性検出モジュール710は、光スキャナによって検出されたバーコードに基づいて、または、RFIDリーダによって検出されたRFIDタグから、在庫アイテムのUPCまたはSKU(統一商品コードまたは在庫商品識別番号)を判定してもよい。アイテムの一意の識別子の判定により、検出された属性の他の特定の利用を可能になるか、または容易になってもよい。例えば一意の識別子を有するアイテムは、特定の環境内でアイテムを位置決めし、及び/把持するために利用されてもよい、(例えば、一意の識別子に基づいてアイテムの形状を識別して、その形状が検出された環境に位置することを可能にし、アイテムの組から正しいアイテムを選択するようロボットアームに対して命令を出す)アイテムの予想される物理的属性についての(例えば、
図1のアイテムデータベース37における記録からの)関連するデータベース入力を有してもよい。いくつかの実施形態において、一意の識別子は、把持されたアイテムが把持することを意図されたアイテムであることを確認してもよい。いくつかの実施形態において、アイテムが損傷を受けているか否かを判定するために、一意の識別子に関する情報が利用されてもよい。例えば、アイテムの(例えば、
図1のアイテムデータベース37における記録から)予想される外形またはその包装を判定するために、アイテムのためのバーコードが利用されてもよく、アイテムが許容できない程度に損傷を受けているか、または変形しているかを判定するために、アイテムに関する検出された情報とそれらを比較することが可能である。いくつかの実施形態において、異なるアイテムまたは同じ識別子を有するアイテムの条件の間で判別または区別を行うために、対象物に関する検出された属性が利用されてもよい。説明例として、検出された属性は、コーヒーマグの把持のための把持戦略に影響し得る、RFIDリーダによって識別されるコーヒーマグがラップフィルムまたは箱で包装されているか否かを示してもよい。別の説明例として、1つのサプライヤからの書籍は、別のサプライヤからのディスクと同じバーコードを有してもよく、カメラまたは他の光学撮像装置は、2つの候補を区別するために、検出された対象物の大きさに関する情報を提供してもよい。
【0067】
上述のように、データベースクエリモジュール715は、
図1のアイテム把持データベース36などのデータベースからのアイテム把持戦略に関する情報にアクセスしてもよい。データベースクエリモジュール715は、さらにまたはあるいは、
図1のアイテムデータベース37からなどの、データベースからのアイテムに関する記録にアクセスしてもよい。いくつかの実施形態において、データベースクエリモジュール715は、認識されたアイテムである(例えば、特定のSKUに対応する)検出されたアイテムに基づく把持戦略情報を受信してもよい。いくつかの実施形態において、データベースクエリモジュール715は、アイテムの検出された物理的属性(例えば、大きさ、形状、位置、向き、重量、または、アイテムのSKUに関わらないアイテムの他の属性)に基づく把持戦略情報にアクセスしてもよい。データベースクエリモジュール715は、認識されたアイテム及び/または特性に基づく把持戦略に関する情報を受信してもよい。
【0068】
把持戦略は、ロボットアーム12が特定のアイテム40またはアイテムの組の把持を試みる方法に関する任意の情報を含み得る。例えば、把持戦略は、ロボットアームが把持されるアイテムに接近する方法の指示、ロボットアームによって利用される1つまたは複数のエンドエフェクタの指示、及び/または、ロボットアームがエンドエフェクタ(複数可)を操作する際の強度(例えば、力、圧力、電圧、電流などの量)の指示を含んでもよい。いくつかの実施形態において把持戦略はまた、同時に把持されるいくつかのアイテムを含んでもよい。
【0069】
把持戦略において識別される接近は、ロボットアームがアイテムに接近してくる方向(例えば、上部から、側面から、角度から)、ならびに/または、対象アイテムへの到達、対象アイテムの把持、対象アイテムの対象位置への移動、及び/もしくは対象位置における対象アイテムの解放を含み得るロボットアームが特定の把持動作を実行するための一連の動き、を含んでもよい。
【0070】
[0001] 把持戦略において識別されるエンドエフェクタに関して、ロボットアーム12は、1つまたは複数のエンドエフェクタを含んでもよく、互いに合わせて、または互いの代替品として、複数のエンドエフェクタを利用することが可能であってもよい。説明例として、把持戦略は、それぞれが異なるエンドエフェクタまたはエンドエフェクタの組み合わせを有するいくつかの異なるロボットアームを必要としてもよいか、または把持戦略は、単一のロボットアーム上で利用可能なエンドエフェクタを作動させるものであってもよい。ソフトロボティックエフェクタ、バキュームエフェクタ、電子吸着エフェクタ、及び機械式または電気機械式エフェクタを含むが、それに限定されない、任意の好適なエンドエフェクタ(またはエンドエフェクタの数もしくは組み合わせ)が利用されてもよい。ソフトロボティックエンドエフェクタは、通常、様々な向きの間で操作されてもよい可撓性構造を含んでもよい。構造は、シリコン体または他の可撓性材料を含んでもよい。可撓性材料の操作は、エアマッスル(例えば、空気入りブラダーを充填すること、または空にすることに関連する加圧移動によって操作される、収縮性があるか、または伸張可能な装置)、電気活性ポリマ(例えば、電場による刺激を受けた際に、大きさまたは形状を変化させるポリマ)、または磁性流体(例えば、磁場にさらされる際に流量の規模または形状を変更することが可能である、強磁性粒子を浮遊させる流体)などの可撓性アクチュエータの利用を介して実現されてもよい。バキュームエンドエフェクタは、吸引を利用してアイテムを把持してもよい。電子吸着エンドエフェクタは、アイテムに接する基板部にアイテムを吸着させることができる、(静電気に近い)電荷を付加することが可能なフレキシブルまたはリジッド基板に沿って配置される電極のアレイを含み得る。機械式または電気機械式エンドエフェクタは、アイテムの把持のために、互いに対して作動されてもよい、ピンチ、爪、グリッパ、または他の剛性構成要素を含んでもよい。他のエンドエフェクタはまた、付加的な把持技術を容易にするために利用されてもよい。例えば、磁気または電磁エンドエフェクタは、強磁性材料を有するアイテムの把持のために有用であってもよい。
【0071】
把持戦略は、また、ロボットアームが具体的なエンドエフェクタを操作するための強度の指示を含み得る。例えば、機械式または電気機械式ピンチのために、把持戦略は、把持動作中にピンチが発生させる力の量(例えば、一定レベルまた変化するプロファイル)を含んでもよい。他のエンドエフェクタの強度の結果は、バキュームエンドエフェクタの吸引量、磁気または電磁エンドエフェクタの磁界の強さ、電子吸着エンドエフェクタにおいて発生する電流または電荷、またはソフトロボティックエンドエフェクタを作動させるために発生する空気圧のレベルを含んでもよい。
【0072】
人間の動作に基づく把持戦略モジュール720は、人間が特定のアイテムを把持する方法に関する情報を取得するための機構を提供することができる。いくつかの実施形態において、人間の動作に基づく把持戦略モジュール720は、人間の把持接近の観察を容易にしてもよい。例えば、(
図1のセンサパッケージ16におけるなどの)センサは、人間が対象アイテムを把持している間に情報を検出するよう構成することができる。説明例において、基準マーカ及び/またはセンサを有する手袋または他の衣類を着用している人間は、特定のアイテムを把持する。人間の接近の動きは、(例えば、光センサによって検出されるような)基準マーカに基づいて追跡され、他の特徴は、センサ(例えば、圧力センサ、触覚センサ、または他のセンサは、人間が処理を通じてアイテム上で発生させる圧力、剪断力もしくは対象物が人間の手の中で滑る量に変換可能な他の標識、または、把持戦略の決定に有用であってもよい他の情報の量及び位置についての詳細に関するデータを提供してもよい)に基づいて追跡される。把持戦略は、人間による動き及び把持を模倣することが最も可能なエンドエフェクタのタイプ、向き、及び強度の選択によって策定される。いくつかの実施形態において、ロボットアームのリアルタイムフィードバック及び制御が、把持動作を実行している人間のために提供される(例えば、人間の把持動作に応じてロボットアームの動作を示す触覚フィードバックまたは視覚表示)。いくつかの実施形態において、人間の動作に基づく把持戦略モジュール720は、ロボットアーム12が特定のアイテム40を摘み上げるかまたは把持するべき方法について人間が直接命令するインターフェースを提供する。例えば、例示的なユーザインターフェースについて、
図8において説明されるか、または示される。いくつかの実施形態において、人間の動作に基づく把持戦略モジュール720は、人間がロボットアーム12を、対象アイテムの把持方法をロボットアーム12に命令することができる向きまたは位置に置くための機構を提供することができる。いくつかの実施形態において、人間の動作に基づく把持戦略モジュール720は、人間がアイテムのための把持動作を実行するか、または命令して、ロボットアーム12が対象アイテムを把持するための把持戦略の学習、開発、及び/または判定のための情報の機械学習を容易にすることが可能である、仮想環境を提供することができる。
【0073】
制約モジュール725は、把持されるアイテムの同一性とは独立した、把持戦略に影響するかまたはそれを制約し得る要因に関する情報を処理することができる。説明例として、制約モジュール725は、容器に合わせるには大きすぎるエンドエフェクタが把持戦略のためのオプションから除外されるように、把持されたアイテムが配置される容器に関する情報にアクセスしてもよい。制約モジュールは、一般的に、把持の初期提示のために利用可能なトレイのタイプ、容器または受容ゾーンの大きさ、(地面上、地上3フィート、把持環境より5フィートなどの)容器または受容ゾーンの位置、(トレイ、出荷用の箱、在庫ホルダなどの)受容環境のタイプ、(把持されたアイテムが、人間工学的に適合する特定の向きで人間のオペレータに提示されるか否か、または、次の自動動作を容易にする特定の向きでアイテムが配置されるか否か、などの)把持されたアイテムの受容環境における解放時の指定された向きなどの、把持されたアイテムのための環境の把持または受信に関する情報を提供してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、制約モジュール725は、アイテムの把持への特定の初期接近に続いて把持されたアイテムを正常に解放することができるか否かに関する情報を提供してもよい。説明例として、コーヒーマグは、箱の上部または底部ではなく箱の側面に取手が面することを必要とする、大きさの近い箱を有してもよい。制約モジュールは、したがって、取手によってコーヒーマグを把持し、箱の中で取手が上を向くようにマグが解放される結果になる把持戦略を除外する(または情報を把持戦略選択モジュール730に提供する)ために、この情報を利用してもよい。同様に、制約モジュールは、(ある把持戦略を別の把持戦略をよりも優先させて選択する際に把持戦略選択モジュール734のために有用な情報であってもよい)異なる把持戦略に伴う時間を判定するか、または示してもよい。別の実施例において、制約モジュール725は、把持戦略評価モジュール740からのフィードバックによって更新されてもよい。例えば、制約モジュール725は、第三者(例えば、注文を受信する顧客、注文のサプライヤ、注文されたアイテムの搬送を行う出荷担当者)からの損害報告などの、把持戦略の実行可能性の判定において有用であり得る、他のフィードバックから得られる情報を提供してもよい。
【0075】
把持戦略選択モジュール730は、特定のアイテムのための把持戦略を決定することができる。例えば把持戦略選択モジュール730は、属性検出モジュール710、データベースクエリモジュール715、人間の動作に基づく把持戦略モジュール720、制約モジュール725、及び把持戦略評価モジュール740の一部または全部からの情報を利用して、特定のアイテム及び、アイテムが把持され、移動され、及び/または解放される環境のための把持戦略を決定してもよい。アイテムが把持される方法の決定に加えて、またはその代わりに、把持戦略選択モジュール730は、ロボットアーム12を利用して何かを把持するか否かを決定するものであってもよい。例えば属性検出モジュール710が、アイテム40への損傷を検出する場合、把持戦略選択モジュール730は、損傷を受けたアイテムを把持しないこと及び、代わりに損傷を受けていない同じタイプの別のアイテムの位置を特定することを含む把持戦略の選択などの適切な応答を命令してもよい。
【0076】
把持戦略選択モジュール730によって選択された把持戦略に基づいて、把持戦略命令モジュール735は、ロボットアーム及び他の構成要素に、把持戦略を実行するための適切な命令を出してもよい。例えば、把持戦略命令モジュール735は、ロボットアームを有するステーションに在庫ホルダを搬送する移動駆動ユニットの移動を命令し、出荷用コンテナをロボットアームのための受容ゾーンに配置させるための命令を出し、在庫ホルダから出荷用コンテナへの在庫アイテムの移動を容易にする把持戦略を実行するための一連の動作を実行するよう、ロボットアームに命令してもよい。
【0077】
把持戦略評価モジュール740は、把持戦略命令モジュール735によって命令された把持戦略有効性を評価することができる。例えば、把持戦略評価モジュール740は、ロボットアームが対象アイテムを把持し、対象アイテムの把持を維持することができたか否か、把持動作を完了させるためにかかった時間、ならびに、意図された目的地に、及び/または、意図された構成において、対象アイテムが到達するか否かの指示などの、しかしそれに限定されない、把持動作の有効性の異なる要因、を評価してもよい。例えば特定のアイテム及び/またはアイテムの特性に関する把持戦略の嗜好をランクするために、このような要因が利用されてもよい。データベース更新モジュール745は、アイテムデータベース37及び/または
図1のアイテム把持データベース36などのデータベースに格納された記録及び/または把持戦略を更新することができる。例えば、データベース更新モジュール745は、アイテムデータベース37を更新し、そのSKUの別のアイテムの属性検出モジュール710によって判定された、感知された属性に基づいて、特定のSKUを有するアイテムの仮想モデルを更新してもよい。このように、アイテムの属性はセンサの異なる組み合わせまたは属性検出の異なるインスタンスによって収集された情報により、時間の経過とともに更新されてもよい。これは、センシングの単一のインスタンスによって検出された属性が、アイテムの単一の面に基づくか、またはそのアイテムに関する利用可能な全てより少ない情報を提供してもよいため、有用であり得る。データベース更新モジュール745はまた、把持戦略評価モジュール740、人間の動作に基づく把持戦略モジュール720、制約モジュール725、またはその任意の組み合わせから受信された情報に応じるなどして、(例えば
図1のアイテム把持データベース36に格納された)特定のアイテムのための把持戦略を更新してもよい。このように、1つのロボットアームによって1つの位置で正常に実装された戦略が、同じワークスペースまたは、データベース36へのアクセスを有する別の在庫システムにおいて、ロボットアームの別の位置での実装のために直ちに利用されてもよい。
【0078】
データベース更新モジュール745は、さらにまたはあるいは、ベンダーが在庫システムを介して提供したアイテムに関する情報を含むベンダーのアイテムデータベースなどの他のデータベースを更新してもよい。いくつかの実施形態において、ベンダーのデータベースの更新により、在庫ホルダ及び格納されるアイテムに関する情報をより利用できるようになった結果、アイテムが在庫ホルダに格納される方法の改善が容易になってもよい。説明例として、検出された属性情報に基づいて具体的な大きさであると判定されるアイテムにより、在庫アイテムの大きさの正確な推定に基づいてアイテムのためのより大きな容器に割り当てられるのではなく、より小さい容器内に、及び/または他のアイテムに沿って、アイテムがより効率的に格納されることが可能になる。別の説明例において、ベンダーのデータベースの更新により、アイテムの特性付けまたは属性の検出のために利用されるセンサからの初期格納データに少なくとも部分的に関連して決定されるか、または確認される、出荷アイテムにとってより適切な大きさの箱の選択に基づいて、出荷コストの節約が可能であってもよい。
【0079】
図8は、把持戦略のための人による入力を取得するための、例示的なユーザインターフェースを示す。ユーザインターフェースは、例えばコーヒーカップ802などの特定のアイテムのための把持戦略に関する入力を行うために、人間のユーザが選択することができる様々な選択オプションを示す画面を含む。804の第1の列においてユーザは、機械式ピンチ806、ソフトロボティクス808、バキューム810、または電子吸着812などの異なるエンドエフェクタのためのオプションを有する。ユーザは、選択箱814によって示されるように、1つまたは複数のエンドエフェクタを選択することができる。820の第2の列においてユーザは、所望のアイテム802の摘み上げのための接近法を選択することができる。例えば、提示されるオプションは、角度のある、もしくは側面接近法822、トップダウン接近法824、下部接近法826、または(アイテム828の把持及び移動のために複数のアームが利用される)複数のアーム接近法828を含んでもよい。ユーザは、選択箱818によって示されるように、1つの接近法(または複数のロボットアームの場合における1つ以上の接近法)を選択することができる。830において、814及び818で行われた選択に基づいて、機械式ピンチ及びバキュームの組み合わせによる、側面接近法における角度でコーヒーカップが把持される、選択された把持戦略の可視化が提示される。
【0080】
図9は、ロボットアーム912を有するステーションの実施例を示す。ステーション900は、本明細書の別の部分で説明されるステーション50を表すことができる。ステーション900は、ピッキングエリア902、把持エリア904、解放エリア906、及び梱包エリア908を含みことができる。移動駆動ユニット910(例えば、本明細書の別の部分で説明される移動駆動ユニット20)は、在庫ホルダ914(例えば、本明細書の別の部分で説明される在庫ホルダ30)をピッキングエリア902に移動させることができる。ピッキングエリア902内のオペレータ916は、在庫アイテム940を在庫ホルダ914から取り除き、在庫アイテム940を把持エリア904に(例えば、トレイ918に)搬送することができる。トレイ918は、把持エリア904内の複数のトレイの1つであってもよい。いくつかの実施形態において、複数のトレイ918は、空のトレイをオペレータ916が占める位置に、アイテム40を保持するトレイをロボットアーム912によってアクセスされる位置に搬送するように移動可能である。複数の、及び/または移動可能なトレイにより、ロボットアーム912及びオペレータ916が異なる速度で働くことが可能になってもよく、ステーション900におけるワークフローの待ち時間が削減されてもよい。複数のトレイはまた、複数のロボットアーム912及び/またはピッキングを行うオペレータ916の、同時の、独立した動作を容易にしてもよい。いくつかの実施形態において、異なるタイプ(例えば、フルーツの把持のためのソフトライニングを有する、あるトレイタイプ及び、書籍の把持に好適な特徴を有する別のトレイタイプ)のアイテムの把持を容易にする、異なる特性を有する異なるトレイが提供されてもよい。
【0081】
ロボットアーム912は、トレイ918から解放エリア906へと、例えば、スタジアム棚ユニット920の棚924A〜D上に位置する箱922内に、在庫アイテム940を移動させる特定の把持戦略を実行する命令を受信してもよい。スタジアム棚ユニット920の棚924A〜Dは、梱包エリア908における共通の垂直面に沿って箱にアクセスすることを可能にする方法で、ロボットアーム912が様々な箱に上部からアクセスすることを可能にする、異なる幅であってもよい。出荷用に完了した注文を有する箱922の梱包などの次の動作のために、解放エリア906から梱包エリア908に、例えば、梱包エリア908内の作業者926の届く範囲内に、収容済みの箱を移動させるために、スタジアム棚ユニット920の棚924A〜Dのいずれかの上に、搬送機構928が設けられてもよい。図面における混乱を回避するために、
図9においては単一の搬送機構928が示されるが、任意の棚924A〜D上の任意のタイプ(例えば、運搬、プッシャー、プラー)の任意の数の搬送機構928が、箱922を梱包エリア908に移動させるために設けられてもよい。さらにスタジアム棚ユニット920が
図9に示されるが、ロボットアームから受信されたアイテムを有する箱または他の容器を解放エリア906から梱包エリア908に搬送するために、任意の他の形式の搬送機構が利用されてもよい。説明例として、スタジアム棚ユニット920は、(例えば、空の及び/または収容済みの箱をロボットアーム912に対して移動させるための)運搬システムもしくは移動駆動ユニットによって移動可能な在庫ホルダの組によって拡張されるか、または、置き換えられてもよい。例えば、安全策の遵守を容易にするために、解放エリア906と梱包エリア908との間の搬送機構により、人間のオペレータ(例えば、916及び926)とロボットアーム912との間の分離度がもたらされてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、ステーション900は、センサパッケージ16に関連して
図1において説明されるようなセンサパッケージ16を含むことができる。例えば、ロボットアーム912―またはステーション900に関連する他の構造―は、アイテム940(及び/またはその特性)、(正しい箱922におけるアイテム940のロボットアームによる解放を容易にするなどのための)解放エリア906における箱922の境界を識別するための、ならびに/または、(
図1の代替的な人による入力装置38などの)オペレータ916によって実行される動き及び/もしくは信号を検出するための、このようなセンサを含んでもよい。したがって、理解されるように、把持戦略は、把持戦略の決定のために(例えば、
図1)特に指定されたステーションにおいて、ならびに/または、例えば、在庫ホルダ914及び/または移動駆動ユニット910に関して(例えば、
図9)ピッキングまたは収容などの他の在庫機能のために指定されたステーションにおいて、定義され、及び/もしくは洗練されてもよい。
【0083】
図10は、基準マーカ1032を有するコーナーピース1030を有する(
図9の箱922に対応してもよいような)箱1022を示す。コーナーピース1030は、ロボットアーム912による収容のために無蓋箱のフラップを保持することができる。例えばコーナーピース1030は、互いに対する位置において垂直フラップを保持するために、T字またはL字形であってもよい。コーナーピースは、任意の材料で構成されてもよい。コーナーピース1030は、バーコード、色、パターン、アルファベットのテキストまたはコード、記号、他の標識を含むが、それに限定されない任意のタイプの基準マーカを含み得る。このような基準マーカ1032は、ロボットアーム912を移動させる命令によって特定の箱を識別するために、ロボットアーム912と合わせて利用されるセンサのための、付加的な参照ポイントを提供してもよい。
【0084】
図11は、
図9のトレイ918に対応してもよいような、トレイ1118の断面図を示す。トレイは、変形可能な材料1136の層または表面を含むことができる。例えば変形可能な材料は、フォームもしくはゲルまたは、対象アイテムの下部もしくは後ろを通過する要素を組み込む接近中に、ロボットアームによって加えられた圧力下で変形し得る、任意の他の変形可能な材料であってもよい。トレイ1118はさらに、またはあるいは、それに沿って対象アイテムを移動させることができる表面を設ける織物層を含むことができる。例えば、このような織物の層1136は、ロボットアームがトレイ上の位置からの対象アイテムを把持するか、または、対象アイテムを移動させる、例えば、トレイに沿ってロボットアームが対象アイテム上で適切な把持を行うことができる(例えば、ロボットアームが特定の把持戦略とより並んだ異なる向きからアイテムを把持することができるような、より低い水平位置から角度のある位置までの対象アイテムの摺動)位置に摺動することを容易にするための適切な摩擦条件を提供してもよい。いくつかの実施形態において、トレイ1118は、ロボットアームの構成要素が少なくとも部分的に下部から対象アイテムに接近するための、付加的なまたは代替的なスペースを提供してもよい、1つまたは複数の溝1138を含む。ロボットアーム912による少なくとも部分的に下部からのアイテムの把持を容易にするように把持面を形成する、リブまたは隆起部または突起部を含む、他の代替品もまた可能である。
【0085】
図12は、ロボットアーム1212が相互作用することができるいくつかの在庫システムの構成要素を示す。ロボットアーム1212は、無蓋箱1244、完了した箱1246、トレイ1218、引出し1242、(注文を実行し、及び/またはコンパイルされた注文に分類される在庫アイテム1240を格納するためにアクセス可能である在庫アイテムを格納してもよいような)在庫ホルダ1214もしくは、(ビン、トート、スロットまたは区画などの)在庫ホルダ1214の関連する構成要素、配送または他の搬送車両1250、(スパイラルまたは他の運搬、シュート、またはランプなどの)搬送機構1248、パレット1254(及び/または、パレット上に積み重なるパレット1254または容器1252を支持する任意の構造1256)、及び/または在庫システムの任意の他の要素を行き来して在庫アイテム1240を移動させることができる。ロボットアーム1212は、人間のオペレータ1234及び/または他のロボットアーム1221と相互作用して、在庫アイテム1240のこのような移動を実現し、及び/または、人間のオペレータ1234もしくは他のロボットアーム1221に関わる他の機能を容易にしてもよい。さらに、個別の在庫アイテム1240の把持またはそれ以外のその移動の容易化に加えて(またはその代替として)、ロボットアーム1212はまた、
図12において示される、トレイ1218、無蓋箱1244、密閉箱1246、引出し1242、ビン、トート、パレット1254、構造1256、または容器1252を含むが、それに限定されない、在庫システムの他の構成要素を把持するか、またはその移動をその他の方法で容易にしてもよい。
【0086】
多くの説明例の1つとして、ロボットアーム1212は、在庫アイテム1240をトレイ1218と行き来して移動させるなどして、例えば、無蓋箱1244へ、または人間のオペレータ1234から、トレイ1218と相互作用することができる。いくつかの態様において、ロボットアーム1212は(移動駆動ユニット1210によって移動させることができるような)在庫ホルダ1214に対して、引出し1242もしくは他のビン、トート、もしくは容器を取り除くか、または置き換えてもよい。ロボットアーム1212は、人間のオペレータ1234(または他のロボットアーム1221)がアイテム1240を用いた前の、または後の動作を実行し得る、人間工学的に適切な位置を行き来して、引出し1242を移動させてもよい。いくつかの態様において、ロボットアーム1212は、在庫ホルダ1214内の格納位置を行き来してアイテム1240を順に移動させてもよい。ロボットアーム1212は、(空のまたは一部収容済みの箱などの)無蓋箱1244または密閉及び封止箱1246を把持し、パレット1254、在庫ホルダ1214、搬送機構1248、及び/または配送車両1250を行き来して移動させてもよい。
【0087】
図13は、様々な実施形態による態様の実装のための例示的な環境1300の態様を示す。理解されるように、説明のためにウェブベースの環境が利用されるが、様々な実施形態を実装するために適切な異なる環境が利用されてもよい。環境は、適切なネットワーク1304を介して要求、メッセージ、または情報を送受信し、情報を装置のユーザに戻すように動作可能である、任意の適切な装置を含むことができるクライアント電子装置1302を含む。このようなクライアント装置の実施例は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、手持ち式メッセージング装置、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス、携帯情報端末、電子書籍リーダなどを含む。ネットワークは、イントラネット、インターネット、セルラーネットワーク、ローカルエリアネットワーク、または任意の他のこのようなネットワークまたはその組み合わせを含む、任意の適切なネットワークを含むことができる。このようなシステムのために利用される構成要素は、少なくとも部分的に選択されたネットワーク及び/または環境のタイプに依拠することができる。このようなネットワークを介した伝達のためのプロトコル及び構成要素についてはよく知られており、本明細書においては詳細に説明しない。ネットワークを介した通信は、有線または無線接続及びその組み合わせによって可能にすることができる。この実施例において、環境が要求の受信及びそれに応答してコンテンツを供給するウェブサーバ1306を含むため、ネットワークはインターネットを含むが、当業者には明らかである通り、他のネットワークのためには、同様の目的を果たす代替的な装置が利用され得る。
【0088】
例示的な環境は、少なくとも1つのアプリケーションサーバ1308及びデータストア1310を含む。適切なデータストアからのデータの取得などのタスクを実行するために連鎖するか、または相互作用することができるように構成されてもよい、いくつかのアプリケーションサーバ、層、もしくは他の要素、またはプロセスまたは構成要素が存在し得ることを理解すべきである。本明細書にて使用されるように、「data store(データストア)」の用語は、任意の規格であり、分散型またはクラスタ環境の、データサーバ、データベース、データ記憶装置及びデータ記憶媒体の任意の組み合わせ及び数を含んでもよい、データの格納、アクセス、及び検索が可能な任意の装置または装置の組み合わせを指してもよい。アプリケーションサーバは、クライアント装置のための1つまたは複数のアプリケーションの態様を実行するために必要な、データストアと相互作用を行い、アプリケーションのためのデータアクセス及びビジネスロジックの大半を処理するための任意の適切なハードウェア及びソフトウェアを含むことができる。本実施例において、アプリケーションサーバは、データストアと協働するアクセス制御サービスを提供し、ハイパーテキストマークアップ言語(「HTML」)、拡張可能マークアップ言語(「XML」)または別の適切な構造化された言語の形式でウェブサーバによってユーザに供給されてもよい、ユーザに伝達されるテキスト、グラフィック、音声及び/または映像などのコンテンツを生成することができる。全ての要求及び応答ならびに、クライアント装置1302とアプリケーションサーバ1308との間のコンテンツの伝達の処理は、ウェブサーバによって対処することができる。本明細書の他の部分で説明されるように、構造化されたコードが任意の適切な装置またはホストマシン上で実行することができるため、ウェブ及びアプリケーションサーバは必要ではなく、単に例示的な構成要素であることを理解すべきである。
【0089】
データストア1310は、特定の態様に関するデータの格納のためのいくつかの別個のデータテーブル、データベースまたは他のデータ記憶機構及び媒体を含むことができる。例えば、示されるデータストアは、リソーススケジューリング情報1312、経路計画情報1314、セグメント予約情報1316、及び/または在庫情報1318などの、本明細書に記載のモジュールによって利用することができる、情報の格納のための機構を含む。さらに、
図2及び/または
図7の管理モジュール15、ならびに、それに含まれる全てのモジュールは、データストア1310に格納することができる。上述の機構のいずれかに適切に、または、データストア1310内の付加的な機構においてページ画像情報のため、正しい情報にアクセスするなどのために、記憶することができる、データストアに記憶される必要がある多くの他の態様が存在してもよいことを理解すべきである。データストア1310は、それに関連するロジックを介して動作可能であり、アプリケーションサーバ1308から命令を受信し、それに応じて、データを取得し、更新するか、またはその他の処理を行う。
【0090】
各サーバは、一般的なサーバの管理及び動作のための実行可能なプログラム命令を出すオペレーティングシステムを通常含み、サーバのプロセッサによる実行時に、サーバが意図する機能を実行することを可能にする命令を格納する(例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリなどの)コンピュータ可読記憶媒体を通常含む。サーバのオペレーティングシステム及び一般的な機能に好適な実装が知られているか、または市販されており、特に本明細書に記載の観点において、当業者によって容易に実装される。
【0091】
一実施形態における環境は、1つまたは複数のコンピュータネットワークまたは直接接続を利用し、通信リンクを介して相互接続されるいくつかのコンピュータシステム及び構成要素を利用する分散型コンピューティング環境である。しかし、このようなシステムが、
図13において示されるよりも少ないか、または多い数の構成要素を有するシステムにおいても同等に動作することができることが当業者には明らかである。このため、
図13におけるシステム1300の説明は、本質的に例示的なものとして解釈されるべきであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0092】
様々な実施形態はさらに、場合によってはいくつかのアプリケーションのいずれかを動作させるために利用することができる1つまたは複数のユーザコンピュータ、コンピューティング装置または処理装置を含み得る、広範な動作環境において実装することができる。ユーザまたはクライアント装置は、標準オペレーティングシステムを実行するデスクトップまたはラップトップコンピュータ、ならびに、モバイルソフトウェアを実行し、いくつかのネットワーキング及びメッセージングプロトコルを支持することが可能な、セルラー、無線及び手持ち式装置などのいくつかの汎用パーソナルコンピュータのいずれかを含むことができる。このようなシステムはまた、開発及びデータベース管理などのために、様々な市販のオペレーティングシステム及び他の既知のアプリケーションのいずれかを実行するいくつかのワークステーションを含むことができる。これらの装置はまた、ダミー端子、シンクライアント、ゲーミングシステム及びネットワークを介して通信可能な他の装置などの他の電子機器を含むことができる。
【0093】
ほとんどの実施形態において、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(「TCP/IP」)、開放型システム間相互接続(「OSI」)、ファイル転送プロトコル(「FTP」)、ユニバーサルプラグアンドプレイ(「UpnP」)、ネットワークファイルシステム(「NFS」)、共有インターネットファイルシステム(「CIFS」)及びAppleTalk(アップルトーク)などの様々な市販のプロトコルのいずれかを利用する通信を支持するために、当業者にはよく知られる少なくとも1つのネットワークが利用される。ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、仮想プライベートネットワーク、インターネット、イントラネット、エクストラネット、公衆電話ネットワーク、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク、及び/またはその任意の組み合わせとすることができる。
【0094】
ウェブサーバを利用する実施形態において、ウェブサーバは、ハイパーテキストトランスファープロトコル(「HTTP」)サーバ、FTPサーバ、コモンゲートウェイインタフェース(「CGI」)サーバ、データサーバ、Javaサーバ及びビジネスアプリケーションサーバを含む、様々なサーバまたは中間層アプリケーションのいずれかを実行することができる。サーバ(複数可)はまた、Java(登録商標)、C、C♯またはC++などの任意のプログラミング言語、または、Perl、PythonまたはTCLの任意のスクリプト言語、及びその組み合わせによって書かれた1つまたは複数のスクリプトまたはプログラムとして実装されてもよい、1つまたは複数のウェブアプリケーションの実行などによって、ユーザ装置からの応答要求におけるプログラムまたはスクリプトの実行が可能であってもよい。サーバ(複数可)はまた、Oracle(登録商標)、Microsoft(登録商標)、Sybase(登録商標)、及びIBM(登録商標)が販売するサーバを制限なく含む、データベースサーバを含んでもよい。
【0095】
上述のように、環境は様々なデータストアならびに他のメモリ及び記憶媒体を含むことができる。これらは、1つまたは複数のコンピュータに対してローカルな(及び/またはその中に存在する)記憶媒体上に、または、ネットワークを通じたコンピュータの一部もしくは全部から離れて、などの様々な位置に配置することができる。実施形態の特定の組において、当業者にはよく知られるストレージエリアネットワーク(「SAN」)内に、情報が存在してもよい。同様に、コンピュータ、サーバまたは他のネットワーク装置による機能を実行するために任意の必要なファイルは、ローカルに及び/もしくは遠隔で適切に格納されてもよい。システムがコンピュータ化された装置を含む場合、このような装置はそれぞれ、バスを介して電気的に接続されてもよく、例えば少なくとも1つの中央処理装置(「CPU」)、少なくとも1つの入力装置(例えば、マウス、キーボード、制御装置、タッチスクリーンまたはキーパッド)及び、少なくとも1つの出力装置(例えば、表示装置、プリンタまたはスピーカ)を含む、ハードウェア要素を含むことができる。このようなシステムはまた、ディスクドライブ、光記憶装置及び、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)または読み出し専用メモリ(「ROM」)などのソリッドステートメモリ、ならびにリムーバブルメディア装置、メモリカード、フラッシュカードなどの1つまたは複数の記憶装置を含んでもよい。
【0096】
このような装置はまた、上述のように、コンピュータ可読記憶媒体リーダ、通信装置(例えばモデム、ネットワークカード(無線または有線)、赤外線通信装置など)及び、ワーキングメモリを含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体リーダは、コンピュータ可読記憶媒体と接続するか、または、コンピュータ可読情報を一時的に、及び/またはより永続的に含み、格納し、送信し、検索するための、遠隔の、ローカルの、固定された、及び/またはリムーバブル記憶装置ならびに、コンピュータ可読記憶媒体を表すコンピュータ可読記憶媒体を受けるよう構成することができる。システム及び様々な装置はまた、いくつかのソフトウェアアプリケーション、モジュール、サービス、または、クライアントアプリケーションまたはウェブブラウザなどのオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを含む、少なくとも1つのワーキングメモリ装置内に配置される他の要素を通常含む。代替的な実施形態には、上述の実施形態とは多数の変更があってもよいことを理解すべきである。例えば、カスタマイズされたハードウェアがまた利用されてもよく、及び/または、(アプレットなどのポータブルソフトウェアを含む)ハードウェア、ソフトウェア、または両方において特定の要素が実装され得る。さらに、ネットワーク入力/出力装置などの他のコンピューティング装置への接続が利用されてもよい。
【0097】
コード、またはコードの部分を含む記憶媒体及びコンピュータ可読媒体は、当業者には知られており、利用されている、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(「CD―ROM」)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または、所望の情報を格納するために利用することができ、システム装置によってアクセスすることができる他の磁気記憶装置または任意の他の媒体を含む、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報の格納及び/または伝送のための任意の方法または技術で実装される、揮発性及び不揮発性、リムーバブル及びノンリムーバブルメディアなどの、しかしそれに限定されない記憶媒体及び通信媒体を含む、任意の適切な媒体を含み得る。本明細書において提示される開示及び教示に少なくとも部分的に基づき、様々な実施形態を実装する他のやり方及び/または方法が当業者には明らかである。
【0098】
したがって本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく、例示として見なされるべきである。しかし、添付の特許請求の範囲に記される本開示の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を及び変更が加えられてもよいことが明らかである。
【0099】
他の変更は、本開示の趣旨に含まれる。このため、開示される技術は様々な修正及び代替的な構造の影響を受けるが、特に示される実施形態が図面に示され、かつ詳述されている。しかし、本発明を具体的な形態または開示される形態に限定する意図はなく、反対に、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本発明の趣旨及び範囲に該当する全ての修正、代替的な構造または均等物を網羅することを意図していることを理解するべきである。
【0100】
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる「a」及び「an」及び「the」の用語ならびに同様の指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。「comprising(を備える)」「having(を有する)」、「including(を含む)」及び「containing(を含む)」の用語は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。「connected(接続される)」の用語は、干渉するものがあったとしても、一部または全体が中に含まれ、取り付けられ、結合されるものと解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明される全ての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「such as」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0101】
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなり得る。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物を全て含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、全ての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【0102】
本明細書に引用する特許公報、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が具体的かつ個々に参考として援用されたのと同程度に、任意の目的のための参考として明示的に援用される。
【0103】
条項1. ロボットアームと、
撮像装置と、
管理モジュールであって、
ステーションに位置する在庫アイテムの同一性を判定し、
前記在庫アイテムの前記判定された同一性に基づいて、前記在庫アイテムの特性を含む、アイテムデータベースにおける記録にアクセスし、
前記在庫アイテムの幾何学的特性に関して前記撮像装置から光情報を受信し、
前記特性を前記在庫アイテムの前記幾何学的特性と比較し、
前記特性の前記在庫アイテムの前記幾何学的特性との前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを用いて前記在庫アイテムを把持するための、前記在庫アイテムのための複数の把持戦略を格納するアイテム把持データベースからアクセスされる把持戦略であって、(i)重量、電気伝導性、磁気特性、滑り性、多孔性、変形能、または構造的一体性の少なくとも1つを含む前記在庫アイテムの1つまたは複数の特性、(ii)前記在庫アイテムを把持するための人間の動作に基づく把持戦略の評価、(iii)前記在庫アイテムの前記特性と同様の特性を有するアイテムのための把持戦略、または(iv)以前に利用された把持戦略の有効性に関する情報、の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて前記在庫アイテムの前記複数の把持戦略が生成される、前記把持戦略を識別する、
ように構成される前記管理モジュールと、
を備える、在庫管理システム。
【0104】
条項2. 前記把持戦略は、前記記録または前記光情報の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、
少なくとも1つのエンドエフェクタ、
前記少なくとも1つのエンドエフェクタが操作される強度、または、
前記ロボットアームが前記在庫アイテムに接近する向き、
の少なくとも1つを指定する、条項1に記載の在庫管理システム。
【0105】
条項3. 前記特性の少なくとも1つは、
重量、
電気伝導性、
磁気特性、
滑り性、
多孔性、
変形能、または、
構造的一体性.
の少なくとも1つを含む、条項1に記載の在庫管理システム。
【0106】
条項4. 前記幾何学的特性の少なくとも1つは、
大きさ、
形状、
位置、または
向き、
の少なくとも1つを含む、条項1に記載の在庫管理システム。
【0107】
条項5. 前記管理モジュールは、前記記録を更新し、前記在庫アイテムの前記幾何学的特性に関する前記光情報を反映するようさらに構成される、条項1に記載の在庫管理システム。
【0108】
条項6. 実行可能な命令を用いて構成される1つまたは複数のコンピュータシステムの制御下で、
検出された在庫アイテムの検出された特徴の組に関して、1つまたは複数のセンサから情報を受信することと、
複数の在庫アイテムの特性に関するアイテムデータベースからの情報にアクセスすることと、
前記検出された特徴の組と共通する特性を有する前記複数の在庫アイテムから1つまたは複数の在庫アイテムを判定することと、
前記複数の在庫アイテムの前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれのためのロボティックマニピュレータのためのアイテム把持データベースからの把持戦略にアクセスすることと、
前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することと、及び、
前記検出された在庫アイテムのための前記識別された把持戦略を利用して、前記ロボティックマニピュレータが前記検出された在庫アイテムを把持する命令を生成することと、
を含む、方法。
【0109】
条項7. 前記検出された特徴の組は、
重量、
電気伝導性、
磁気特性、
滑り性、
多孔性、
変形能、
構造的一体性、
大きさ、
形状、
位置、または、
向き、
の少なくとも1つを含む、条項6に記載の方法。
【0110】
条項8. 前記識別された把持戦略の有効性に関する評価情報を受信することと、
前記評価情報に基づいて前記アイテム把持データベースを更新することと、
をさらに含む、条項6に記載の方法。
【0111】
条項9. 前記識別された把持戦略の有効性に関する評価情報を受信することは、前記識別された把持戦略が有効であったという情報を受信することを含み、前記評価情報に基づいて前記アイテム把持データベースを更新することは、前記アイテム把持データベースを更新して、前記識別された把持戦略が、前記検出された特性の組と共通する特性を有する在庫アイテムを把持するために推奨された把持戦略であることを反映することを含む、条項8に記載の方法。
【0112】
条項10. 前記識別された把持戦略の有効性に関する評価情報を受信することは、前記識別された把持戦略が無効であったという情報を受信することを含み、前記評価情報に基づいて前記アイテム把持データベースを更新することは、前記アイテム把持データベースを更新して、前記識別された把持戦略は、前記検出された特性の組と共通する特性を有する在庫アイテムを把持するために推奨された把持戦略ではないことを反映することを含む、条項8に記載の方法。
【0113】
条項11. 前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記検出された在庫アイテムを把持するための人間の動作に基づく把持戦略モジュールを介して受信された、人間のオペレータからの入力に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、条項6に記載の方法。
【0114】
条項12. 前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記複数の在庫アイテムの前記1つまたは複数の在庫アイテムを把持するための人間の動作に基づく把持戦略モジュールを介して受信された、人間のオペレータからの入力に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、条項6に記載の方法。
【0115】
条項13. 前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記検出された在庫アイテムが把持される位置に関連する物理的制約に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、条項6に記載の方法。
【0116】
条項14. 前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、前記検出された在庫アイテムが把持された後に配置される位置に関連する物理的制約に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、条項6に記載の方法。
【0117】
条項15. 前記1つまたは複数の在庫アイテムのそれぞれの前記把持戦略から、前記ロボティックマニピュレータを利用して、前記検出された在庫アイテムのための把持戦略を識別することは、以前に利用された把持戦略の有効性に関するランクに関する情報に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を識別することを含む、条項6に記載の方法。
【0118】
条項16. ステーションであって、
在庫アイテムを搬送する在庫ホルダを受信するよう構成されるピッキングエリアと、
トレイ及び1つまたは複数のセンサを備える把持エリアと、
ロボットアームと、
箱を受け取るよう構成される解放エリアと、
梱包エリアと、
前記解放エリアから前記箱を前記梱包エリアからアクセス可能である位置へと移動させるよう構成される搬送機構と、
を備える、前記ステーションと、
管理モジュールであって、
前記在庫アイテムの前記在庫ホルダから前記トレイへの移動を命令し、
前記トレイにおいて受信される、前記在庫アイテムの検出された特性の組に関する前記1つまたは複数のセンサからの情報を受信し、
前記在庫アイテムの前記検出された特性の組と共通する特性を有する在庫アイテムのための把持戦略に関するアイテム把持データベースからの情報にアクセスし、
前記アクセスされた情報に少なくとも部分的に基づいて、前記ロボットアームを利用した前記在庫アイテムのための把持戦略を判定し、
前記判定された把持戦略に基づいて、前記把持エリアにおける前記トレイから前記在庫アイテムを把持し、前記在庫アイテムを前記解放エリアに移動させ、前記解放エリアに位置する前記箱内の前記在庫アイテムを解放するよう前記ロボットアームに命令し、
前記搬送機構による、前記解放エリアからの、前記在庫アイテムを含む前記箱の、前記梱包エリアからアクセス可能である前記位置への移動を命令し、
前記在庫アイテムを含む前記箱の前記梱包エリアからの除去を命令する、
よう構成される、前記管理モジュールと、
を備える、在庫管理システム。
【0119】
条項17. 前記箱は、
前記フラップが移動することを防ぐために2つ以上の箱フラップを解放可能に結合するよう構成され、前記解放エリアにおける前記箱上に位置し、前記ロボットアームの前記箱に対する案内を容易にするために光センサによって検出されるよう構成される基準マーカを含む1つまたは複数のクリップを、さらに備える、条項16に記載の在庫管理システム。
【0120】
条項18. 前記トレイは、
前記ロボットアームの構成要素の、前記トレイにおいて受信された前記在庫アイテムの下部または後ろの移動を容易にするよう構成される特性をさらに含む、条項16に記載の在庫管理システム。
【0121】
条項19. 前記特性は、前記トレイの変形可能な表面または前記トレイの表面に形成される凹部の少なくとも1つである、条項18に記載の在庫管理システム。
【0122】
条項20. 前記搬送機構は、
棚システムであって、
前記棚のそれぞれの第1端が実質的に垂直プレーンに沿って配置され、低い棚の第2端が前記垂直プレーンから高い棚の第2端よりもさらに伸張するように、前記棚のそれぞれの第2端が互いに水平方向にオフセットされ、
前記垂直プレーンが前記梱包エリアの端に沿って位置し、前記棚システムは、前記解放エリアから前記箱を前記梱包エリアからアクセス可能である前記位置へと移動させるために、各棚の前記第2端から各棚の前記第1端に沿って位置する前記箱を移動させるよう構成される1つまたは複数の搬送機構を含む少なくとも2つの棚を有する、前記棚システムと、
運搬システムであって、
前記ロボットアームによって移動されたアイテムの受容のための前記解放エリアへと空の箱を移動させるよう構成され、前記解放エリアから収容済みの箱を、前記梱包エリアからアクセス可能である前記位置へと移動させるよう構成される、前記運搬システムと、
在庫ホルダであって、
箱を含み、無人移動駆動ユニットによって前記解放エリアから前記梱包エリアへと移動可能な、前記在庫ホルダと、
のうちの、少なくとも1つを含む、条項16に記載の在庫管理システム。
【0123】
条項21. 実行可能な命令を用いて構成される1つまたは複数のコンピュータシステムの制御下で、
複数の在庫アイテムのそれぞれのために、
把持される前記在庫アイテムの同一性を判定することと、
前記在庫アイテムの前記判定された同一性に基づいて、前記在庫アイテムの特性を含むアイテムデータベースからの記録にアクセスすることと、
前記在庫アイテムの前記特性に少なくとも部分的に基づいて、アイテム把持データベースからの把持戦略にアクセスすることと、
前記在庫アイテムがそれに関連する把持戦略を含まない場合に、
(i)前記記録に格納されるか、または1つまたは複数のセンサによって検出されるかの少なくとも1つである前記在庫アイテムの特性、(ii)前記在庫アイテムを把持するための、人間の動作に基づく把持戦略モジュールを介して受信された人間のオペレータからの入力、(iii)前記在庫アイテムの前記特性と同様の特性を有するアイテムのための把持戦略、(iv)前記在庫アイテムが把持されるかまたは配置される位置に関連する物理的制約、または(v)以前に利用された把持戦略の有効性に関する情報、の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、前記在庫アイテムのための把持戦略を生成することと、
前記在庫アイテムのために前記生成された把持戦略実行するようロボティックマニピュレータに命令することと、
前記在庫アイテムの前記特性に関連する前記生成された把持戦略を前記アイテム把持データベースに格納することと、
を含む、方法。
【0124】
条項22. 前記生成された把持戦略の有効性に関する評価情報を受信することと、
前記評価情報に基づいて、前記アイテム把持データベースを更新することと、
をさらに含む、条項21に記載の方法。
【0125】
条項23. 前記評価情報に基づいて前記アイテム把持データベースを更新することは、前記評価情報が前記生成された把持戦略が有効であったことを示す場合に、前記在庫アイテムの前記特性に関連して格納される前記生成された把持戦略を、前記在庫アイテムのために前記指定された把持戦略として指定することを含む、条項22に記載の方法。
【0126】
条項24. 前記評価情報に基づいて前記アイテム把持データベースを更新することは、前記評価情報が前記生成された把持戦略が無効であったことを示す場合に、前記在庫アイテムの前記特性に関連して無効な把持戦略として格納される前記生成された把持戦略を識別することを含む、条項22に記載の方法。
【0127】
条項25. 前記在庫アイテムのための把持戦略を生成することは、無効な把持戦略としての前記アイテム把持データベースにおける前記在庫アイテムの前記特性に関連する把持戦略とは異なる把持戦略を生成することを含む、条項21に記載の方法。
【0128】
条項26. 命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令はコンピュータシステムの1つまたは複数のプロセッサにより実行されると、前記コンピュータシステムに少なくとも、
把持環境から把持された在庫アイテムの同一性を判定することと、
前記在庫アイテムの前記判定された同一性に基づいて、前記在庫アイテムに関するアイテムデータベース内の記録にアクセスすることであって、前記記録は、前記在庫アイテムの1つまたは複数の幾何学的特性に関する情報を含む、前記アクセスすることと、
センサから、前記把持環境内の前記在庫アイテムの1つまたは複数の検出された属性を受信することと、
前記1つまたは複数の幾何学的特性及び前記1つまたは複数の検出された属性に少なくとも部分的に基づいて、前記把持環境における前記在庫アイテムの向きを判定することと、
前記在庫アイテムのためのロボティックマニピュレータを利用して、前記把持環境における前記在庫アイテムの前記判定された向きに少なくとも部分的に基づいて、把持戦略を生成することと、
前記在庫アイテムの、前記1つまたは複数の幾何学的特性、1つまたは複数の検出された属性、または前記判定された向き、の少なくとも1つに関連する前記生成された把持戦略を、アイテム把持データベースに格納することと、
を含む動作を実行させる、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0129】
条項27.前記把持環境における前記在庫アイテムの前記判定された向きに少なくとも部分的に基づいて、前記在庫アイテムのための把持戦略を生成することが、
前記把持戦略を利用するためのエンドエフェクタを選択することと、
在庫アイテムの前記判定された向きに基づいて前記エンドエフェクタの配置を命令することと、
を含む、条項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0130】
条項28. 前記エンドエフェクタが、機械式エンドエフェクタ、電気機械式エンドエフェクタ、バキュームエンドエフェクタ、電子吸着エンドエフェクタ、磁気エンドエフェクタ、またはソフトロボティックエンドエフェクタの少なくとも1つを備える、条項27に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0131】
条項29. 前記把持戦略において利用するためのエンドエフェクタを選択することが、(i)エンドエフェクタのタイプ、(ii)前記エンドエフェクタが操作される強度、または(iii)前記ロボティックマニピュレータが前記在庫アイテムに接近する向き、の少なくとも1つを選択することを含み、
前記選択が、(i)前記記録における前記在庫アイテムの前記1つまたは複数の幾何学的特性の1つまたは複数(ii)前記在庫アイテムの前記1つまたは複数の検出された属性の1つまたは複数、または(iii)在庫アイテムの前記判定された向き、の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、条項27に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0132】
条項30. 前記在庫アイテムのための把持戦略を生成することが、前記把持環境に関連する物理的制約に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を生成することを含む、条項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0133】
条項31. 前記在庫アイテムのための把持戦略を生成することが、以前に利用された把持戦略の有効性に関する情報に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を生成することを含む、条項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0134】
条項32. 前記在庫アイテムのための把持戦略を生成することが、(i)前記在庫アイテムの前記1つまたは複数の幾何学的特性と同様の幾何学的特性、(ii)前記在庫アイテムの前記1つまたは複数の検出された属性と同様の属性、または(iii)前記在庫アイテムの前記判定された向き同様の向き、の少なくとも1つを有する、アイテムのための把持戦略に少なくとも部分的に基づいて前記把持戦略を生成することを含む、条項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0135】
条項33. 前記在庫アイテムのための把持戦略を生成することが、人間が把持動作を実行することを観察している1つまたは複数のセンサからの観察情報に少なくとも部分的に基づいて、前記把持戦略を生成することを含む、条項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0136】
条項34. 前記在庫アイテムために把持戦略を生成することが、仮想環境において観察される、ユーザインターフェースまたは動作を介して受信された命令の少なくとも1つに基づいて、前記把持戦略を生成することを含む、条項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0137】
条項35. 命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令はコンピュータシステムの1つまたは複数のプロセッサにより実行されると、前記コンピュータシステムに少なくとも、
前記在庫アイテムの同一性または前記在庫アイテムの物理的特性に関する情報の少なくとも1つを含む、在庫アイテムに関する属性情報を受信すること、
人間が前記在庫アイテムのための把持動作を実行することを観察している1つまたは複数のセンサから観察情報を受信すること、
前記観察情報に少なくとも部分的に基づき、ロボティックマニピュレータを利用して、前記在庫アイテムを把持するための把持戦略を生成すること、
前記属性情報に関連するアイテム把持データベース内の記録における前記生成された把持戦略を格納すること、
を実行させる、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0138】
条項36. 前記命令はコンピュータシステムの1つまたは複数のプロセッサにより実行されると、前記コンピュータシステムにさらに少なくとも、
前記対象である在庫アイテムが前記在庫アイテムの前記属性情報と共通する属性情報を含むことの指示を受信することに応じて、対象である在庫アイテムを把持するための前記生成された把持戦略を実行するよう、前記ロボティックマニピュレータに命令する、条項35に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0139】
条項37. 前記観察情報が、前記人間が前記在庫アイテムのための前記把持動作を実行する向きに関する情報を含む、条項35に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0140】
条項38. 前記観察情報が、前記人間が前記在庫アイテムのための前記把持動作を実行する、圧力、剪断力、または他の物理的特性に関する情報を含む、条項35に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0141】
条項39. 人間が前記在庫アイテムのための把持動作を実行することを観察している1つまたは複数のセンサから観察情報を受信することが、前記人間が着用する手袋上の前記1つまたは複数のセンサから前記観察情報を受信することを含む、条項35に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0142】
条項40. 前記命令はコンピュータシステムの1つまたは複数のプロセッサにより実行されると、前記コンピュータシステムにさらに少なくとも、前記人間が前記把持動作を実行する際に、リアルタイムフィードバック及び前記ロボティックマニピュレータの制御を提供させる、条項35に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。