(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6531358
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】インナーシール材
(51)【国際特許分類】
B65D 51/18 20060101AFI20190610BHJP
B65D 81/24 20060101ALI20190610BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
B65D51/18
B65D81/24 E
B32B27/00 H
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-150541(P2014-150541)
(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公開番号】特開2016-22989(P2016-22989A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】向井 由香里
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−337920(JP,A)
【文献】
特開2009−280283(JP,A)
【文献】
特開2014−118162(JP,A)
【文献】
実開昭62−080862(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D39/00−55/16
B65D81/24
B65D77/20
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、ガスバリア層と中間層とシーラント層を積層した積層シートからなり、容器口部にシールされ密封容器を形成するインナーシール材であって、前記インナーシール材に、両端部が周縁方向に向くU字状の開口切れ目線により、開口口形成部が形成され、前記開口切れ目線の両端部の延長上に配され、少なくとも一部が直線状である開口止め線が形成され、前記開口止め線の端部が前記開口切れ目線の端部よりも外側に形成されていることを特徴とするインナーシール材。
【請求項2】
前記開口止め線がくの字状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のインナーシール材。
【請求項3】
前記開口止め線の間隔が、0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項2記載のインナーシール材。
【請求項4】
前記開口止め線の端部が、該開口切れ目線の端部より外側に、それぞれ3mm以上離れて形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインナーシール材。
【請求項5】
前記開口止め線が、前記開口切れ目線の両端部を結んだ線に対して、それぞれ0〜30°の角度で容器口部方向に傾斜していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインナーシール材。
【請求項6】
前記開口切れ目線および前記開口止め線が、前記積層シートのシーラント層から中間層までハーフカットされてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインナーシール材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー粉末、クリーム粉末、化学調味料などが充填されている容器本体の口部を密封するためのインナーシール材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、コーヒー粉末やクリーム粉末などが充填されているガラス壜などの口部には、内容物を湿気から保護するために密封用のインナーシール材がシールされている。また、インナーシール材の上から、容器をキャップにて螺合または嵌合されて密封容器を形成している。
【0003】
インナーシール材を開口するには、
図8−1に示すように、インナーシール材50を容器口部6から一部剥がして開口口5を形成する方法がある。しかし、インナーシール材の外周縁を摘み難く開口口を形成し難い問題がある。また、インナーシール材の外周縁に突き出し部を設けて摘み部とする方法もあるが、突き出し部があることで、キャップで螺合または嵌合し難くなる問題がある。
【0004】
また、インナーシール材の一部にカッター刃などで開口口を形成する方法もあるが、手間がかかり、また怪我の心配もある。
【0005】
また、インナーシール材に予め開口口を形成するための易破断線を備えた提案がある(特許文献1)。インナーシール材50に形成された易破断線を押し破り、破断線で囲まれた部分を除去して開口口5を形成する提案である。その一例を
図8−2に示す。しかし、除去する部分が容器内へ落下する問題がある。
【0006】
また、別にインナーシール材に予め開口口を形成するための易破断線を備えた提案がある(特許文献1)。これは、易破断線に沿って、指で押し破り、開口口を形成するものである。しかし、押し破る力により、開口口は、意図しない方向に破れてしまい、所望の開口口が出来ない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−267167号公報
【特許文献2】特開2002−337920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、背景技術の問題に鑑みて、安定して、所望の開口口を形成できるインナーシール材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
【0010】
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、ガスバリア層と中間層とシーラント層を積層した積層シートからなり、容器口部にシールされ密封容器を形成するインナーシール材であって、前記インナーシール材に、両端部が周縁方向に向くU字状の開口切れ目線により、開口口形成部が形成され、前記開口切れ目線の両端部の延長上に配され、少なくとも一部が直線状である開口止め線が形成され、前記開口止め線の端部が前記開口切れ目線の端部よりも外側に形成されていることを特徴とするインナーシール材である
。
【0011】
本発明の請求項
2に係る発明は、前記開口止め線がくの字状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のインナーシール材である。
【0013】
本発明の請求項
3に係る発明は、前記開口止め線の間隔が、0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項
2記載のインナーシール材である。
【0014】
本発明の請求項
5に係る発明は、前記開口止め線が、前記開口切れ目線の両端部を結んだ線に対して、それぞれ0〜30°の角度で容器口部方向に傾斜していることを特徴とする請求項1〜
4のいずれか1項に記載のインナーシール材である。
【0015】
本発明の請求項
4に係る発明は、前記開口止め線の端部が、該開口切れ目線の端部より外側に、それぞれ3mm以上離れて形成されてなることを特徴とする請求項1〜
3のいずれか1項に記載のインナーシール材である。
【0016】
本発明の請求項7に係る発明は、前記開口切れ目線および前記開口止め線が、前記積層シートのシーラント層から中間層までハーフカットされてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインナーシール材である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のインナーシール材は、開口切れ目線に沿って開口口形成部を押し破り、開口口を形成させても、押し破る力を開口止め線が受け止めて開口口を形成することができる。開口口は、意図しない方向に破れず所望の開口口を形成することができる。
【0018】
また、開口止め線の形状が、開口止め線の両端部から、それぞれ開口切れ目線の外側から内側に向けて容器口部方向に形成され、その交差する点が、前記開口切れ目線の両端を結ぶ線の中央線上で、近接する容器口部寄りに形成された、くの字状であることにより、開口口形成部を押し破る力を、開口止め線でしっかりと受け止め、意図しない方向への破れを防ぎ、所望の開口口を形成することができる。
【0019】
また、開口切れ目線と両端部の先に、開口止め線が配され、開口切れ目線の端部と前記開口止め線との距離が、それぞれ1.5〜2mmであることにより、開口口形成部を押し破る力を、開口止め線にてしっかりと受け止め、意図しない方向への破れを防ぎ、開口口を形成することができる。
【0020】
また、開口止め線が、平行に等間隔で3本以上からなり、その間隔が0.5〜1.5mmであることにより、開口口形成部を押し破る力をしっかりと受け止めることができる。安定して所望の開口口を形成することができる。
【0021】
また、開口止め線が、前記開口切れ目線の両端部を結んだ線に対して、それぞれ0〜30°の角度で容器口部方向に傾斜していることにより、開口口形成部を押し破る力を開口止め線の内側に集中させ、意図しない方向への破れを防ぐことができる。
【0022】
また、開口切れ目線の端部が、該開口切れ目線の端部より外側に、それぞれ3mm以上離れて形成されてなることにより、開口口形成部を押し破る力を開口止め線が受け止め易くすることができる。
【0023】
また、開口切れ目線および開口止め線が、積層シートのシーラント層から中間層までハーフカットされてなることにより、易破断性を付与することができる。また、開口止め線での折り曲げ性を付与することができる。
【0024】
本発明のインナーシール材は、指で、開口切れ目線に沿って開口口形成部を押し破り、開口口を形成させても、意図しない方向への破れがなく所望の開口口が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明のインナーシール材の一例を示す平面図である。
【
図2】
図1のインナーシール材に開口口を形成した一例を示す説明図である。
【
図3】本発明のインナーシール材の層構成の一例を示す説明図である。
【
図4】インナーシール材に開口口を形成する状態を示す説明図である。
【
図5】インナーシール材を使用した密封容器の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
【0027】
図1は、本発明のインナーシール材の一例を示す平面図である。
図1−1に示す、インナーシール材1は、容器本体の容器口部の形状と略同等の形状に形成されている。インナーシール材には、開口切れ目線2が、該開口切れ目線2の先端が中央方向に向くU字状に形成され、開口口形成部4が形成されている。また、開口切れ目線2の両端の先に配され。直線状の開口止め線3が、平行に等間隔で3本形成されている。開口止め線3は、平行に等間隔でそれぞれ形成されている。
【0028】
また、
図1−2には、開口止め線3が、それぞれ開口切れ目線2の外側から内側に向けて容器口部6方向に形成され、その交差する点が、開口切れ目線の両端を結ぶ中央線上で、近接する容器口部6寄りに形成された、くの字状で形成されている。
【0029】
図2は、
図1のインナーシール材に開口口を形成した一例を示す説明図である。指で20開口切れ目線に沿って開口形成部を押し破り、開口口5を形成させた状態を示している。指で開口切れ目線に沿って開口形成部を押し破る力を、開口止め線3にて受け止め、意図しない方向への破れがなく、所望の開口口5を形成している状態を示している。
図2−1は、開口切れ目線の両端の先に配され、直線状の開口止め線が形成されたときの開口口を示している。また、
図2−2は、開口切れ目線の両端の先に配され、切れ目線より形成されたくの字状の開口止め線が形成されたときの開口口を示している。
【0030】
図3は、本発明のインナーシール材の層構成の一例を示す説明図である。
図3−1に示す、積層シート10は、少なくとも、ガスバリア層11/接着層15/中間層12/接着層15/シーラント層13からなっている。積層シート10には、開口切れ目線2により開口口形成部4が形成され、開口止め線3を形成されている。開口切れ目線2および開口止め線3は、シーラント層の表面から中間層までハーフカットされている。また、
図3−
2に示す積層シート10は、開口切れ目線2および開口止め線3の上部のガスバリア層11の表面に印刷層14を設けた一例を示している。印刷層14で開口切れ目線および開口止め線の表示を行い、押し破る位置を明確にすることができる。
【0031】
図4は、インナーシール材に開口口を形成する一例を示す説明図である。インナーシール材の開口切れ目線に沿って開口口形成部を押し破り、開口口を形成する一例を示している。
図4−1は、ガスバリア層11の表面に印刷された印刷層14を目安に、指20をガスバリア層11の表面にあてがい、押し込む状態を示している。
図4−2は、押し込み、開口切れ目線2に沿って開口形成部4を押し破っている状態を示している。指20を押し込み、開口形成部4を押し破ると開口口5が形成される。
図4−3は、押し破る力を、開口止線3が受け止めて、開口形成部4を内側に押し曲げた状態を示している。形成された開口口5は、所望された形状で形成される。
【0032】
図5は、インナーシール材を使用した密封容器の一例を示す説明図である。湿気を嫌う内容物が収納された容器本体32の容器口部6に、インナーシール材1がシールされ密封されている。さらにインナーシール材の上から容器本体がキャップにて螺合または嵌合さいている。このようにして密封容器30が形成される。また、酸素を嫌う内容物でも同様にして密封容器を形成することができる。
【0033】
図6は、開口止め線の説明図である。該開口切れ目線2は、その先端が中央方向に向くU字状に形成され、開口口形成部4が形成されている。開口切れ目線2の両端の先に配され、くの字状の開口止め線3が平行に等間隔で3本形成されている一例を示している。開口切れ目線2の両端と開口止め線3との距離Lは、それぞれ1.5〜2mmであることが好ましい。また開口止め線3の間隔Mが0.5〜1.5mmであることが好ましい。また開口止め線3が、開口切れ目線の両端を結んだ線7に対して、0〜30°の角度θで容器口部方向に傾斜していることが好ましい。また、開口止め線の端部が、開口切れ目線の端部より外側に、それぞれ距離Nが3mm以上離れていることが好ましい。このようにすることで、開口口形成部を押し破る力を開口止め線がしっかりと受け止め、所望の開口口を形成することができる。
【0034】
さらに、本発明を実施するための形態につき説明する。
【0035】
積層シートを形成するガスバリア層11としては、水蒸気バリア性、酸素バリア性が必要となる。アルミニウム箔、アルミニウムを蒸着したフィルム、無機酸化物を蒸着したフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、塩化ビニリデンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを挙げることができる。
【0036】
無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシュウム、酸化カリウム、酸化錫、酸化ナトリウム、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが好ましい。
【0037】
シーラント層13としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EAA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂からなるフィルムが使用できる。これらの樹脂を押出し機により製膜して使用することができる。上記の樹脂を用いて単層または複層にて使用できる。
また、これら樹脂を溶媒に溶かし塗布液を形成し、塗布液を印刷方式またはコーティング
方式にて積層してもよい。
【0038】
接着層15としては、ドライラミネート用接着剤が使用できる。例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などが使用することができる。貼り合わせ方法としては、ドライラミネート法にて可能である。また、中間層とシーラント層を貼り合わせる場合は、ドライラミネート法以外に、ポリエチレン樹脂を押出し機により押出しサンドポリ法にて貼り合わせることもできる。
【0039】
中間層12としては、インナーシール材の剛性や引っ張り強度などを向上させるために積層する。例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、プロピレンフィルムなどが使用できる。
【0040】
また、ガスバリア層の表面に絵柄などの印刷層14を設ける。印刷層を形成する方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、インクジェット印刷など公知の方法で可能である。
【0041】
次に、開口切れ目線、開口止め線を形成するには、積層シートのシーラント層の表面から中間層まで貫通するようにハーフカットする。ハーフカットは公知の方法を使用することができる。例えば、トムソン刃を用いた抜き機、ロータリーダイカッターなどにより行うことができる。ミシン目状の不連続線のスリットなどが挙げられる。
【0042】
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
【実施例1】
【0043】
アルミニウム箔9μmとポリエステルフィルム12μmを、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート法により貼り合わせた。
【0044】
次に、アルミニウム箔の表面に、開口切れ目線および開口止め線を形成する目安としての印刷層を、グラビアインキを用い、グラビア印刷して形成した。
【0045】
次に、上記ポリエステルフィルム面に、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム30μmを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート法により貼り合わせ積層シートを作成した。
【0046】
次に、上記の積層シートを、容器本体の容器口部の形状と略同等の形状に打ち抜き、円形のインナーシール材を形成した。この際、開口切れ目線を、該開口切れ目線の先端が中央方向に向くU字状に形成し開口口形成部を形成した。U字状としては、開口切れ目線の両端部の距離を20mm、先端と両端部を結んだ線との距離を15mmとした。また、開口切れ目線の端部より先にくの字状に開口止め線を、横方向の長さを28mmに形成し、平行に等間隔で3本形成し、その間隔を1.5mmとした。この際、開口切れ目線の端部と開口止め線との距離をそれぞれ2mmとした。また、開口止め線を、開口切れ目線の両端部を結んだ線に対して、それぞれ15°の角度で容器口部方向に傾斜するように形成した。
【0047】
尚、開口切れ目線および開口止め線は、上記積層シートの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの表面からポリエステルフィルムまで、レーザーにより貫通させてハーフカットして形成した。外形は、トムソン刃を用いた抜き機にて行った。この際、容器口部の形状に合わせ、円形で、かつ容器口部でのシール面の内寸が直径80mmの真円になるように打ち抜きしてインナーシール材を作成した。
【0048】
次いで、ガラス壜容器の容器口部に、上記インナーシール材の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム面を重ね、熱圧を掛けてシールして密封して密封容器を作成した。容器口部でのシール面の内寸が直径80mmの真円になる密封容器を作成した。
【実施例2】
【0049】
開口止め線の間隔を1.0mmとした以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【実施例3】
【0050】
開口切れ目線の端部と開口止め線との距離をそれぞれ1.5mmとし、かつ開口止め線の間隔を0.5mmした以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【実施例4】
【0051】
開口切れ目線の端部と開口止め線との距離をそれぞれ1.5mmとし、かつ開口止め線の間隔を1.0mmとした以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【実施例5】
【0052】
開口止め線の間隔を1.0mmとし、かつ、開口止め線を開口切れ目線の両端部を結んだ線に対して、それぞれ30°の角度で容器口部方向に傾斜させた以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【実施例6】
【0053】
開口止め線の間隔を1.0mmとし、かつ、開口止め線を開口切れ目線の両端部を結んだ線に対して、それぞれ0°の角度で容器口部方向に傾斜させた以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【0054】
以下に、本発明の比較例について説明する。
【0055】
<比較例1>
開口止め線を2本とし、その間隔を1.0mmとした以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【0056】
<比較例2>
開口切れ目線および開口止め線を形成しない以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【0057】
<比較例3>
ポリエステルフィルム12μmの替わりに、紙30g/m2を用いて積層シートを形成し、かつ開口切れ目線および開口止め線を形成しない以外は、実施例1と同様に行い密封容器を作成した。
【0058】
<評価方法>
インナーシール材を、指で開口口形成部を押し破り、開口口を形成した状態を評価した。開口止め線で開口を受け止め、開口口を形成できるものを○とし、できないものを×とした。
【0059】
評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
実施例1〜6の結果から、開口口は、開口止め線で開封が止まり、問題なく形成できた。
【符号の説明】
【0061】
1 本発明のインナーシール材
2 開口切れ目線
3 開口止め線
4 開口口形成部
5 開口口
6 容器口部
7 開口切れ目線の端部を結んだ線
10 積層シート
11 ガスバリア層
12 中間層
13 シーラント層
14 印刷層
15 接着層
20 指
30 密封容器
31 キャップ
32 容器本体
40 比較例の開口口の状態
50 従来のインナーシール材
L 開口切れ目線の端部と開口止め線との距離
M 開口止め線間の間隔
N 開口切れ目線の端部と開口止め線の端部との距離
θ 開口止め線の傾斜角度(開口切れ目線の端部を結んだ線に対する)