【実施例】
【0119】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0120】
以下の各例において評価は次の方法で行った。
【0121】
<ポリイミド前駆体のワニスの評価>
[対数粘度]
重合に用いた溶媒で希釈し、濃度0.5g/dLのポリイミド前駆体溶液を調製し、ウベローデ粘度計を用いて、30℃で測定し、対数粘度を求めた。
【0122】
<ポリイミドフィルムの評価>
[400nm光透過率、全光透過率]
大塚電子製MCPD−300を用いて、膜厚約10μmのポリイミド膜の400nmにおける光透過率と、全光透過率(380nm〜780nmにおける平均透過率)を測定した。測定した400nmにおける光透過率と、全光透過率をランベルト・ベール式を用いて、10μm厚の400nmにおける光透過率と、全光透過率を算出した。算出式を下記に示す。
【0123】
Log
10(T
1/100)=10/L×(Log
10(T
1’/100))
Log
10(T
2/100)=10/L×(Log
10(T
2’/100))
T
1:10μm厚のポリイミドフィルムの400nmにおける光透過率(%)
T
1’:測定した400nmにおける光透過率(%)
T
2:10μm厚のポリイミドフィルムの全光透過率(%)
T
2’:測定した全光透過率(%)
L:測定したポリイミドフィルムの膜厚(μm)
また、反射率を10%としてランベルト・ベール式を用いて、10μm厚の400nmにおける光透過率と、全光透過率を算出した。算出式を下記に示す。
【0124】
Log
10((T
3+10)/100)=10/L×(Log
10((T
3’+10)/100))
Log
10((T
4+10)/100)=10/L×(Log
10((T
4’+10)/100))
T
3:反射率を10%としたときの10μm厚のポリイミドフィルムの400nmにおける光透過率(%)
T
3’:測定した400nmにおける光透過率(%)
T
4:反射率を10%としたときの10μm厚のポリイミドフィルムの全光透過率(%)
T
4’:測定した全光透過率(%)
L:測定したポリイミドフィルムの膜厚(μm)
【0125】
[弾性率、破断伸度]
膜厚約10μmのポリイミドフィルムをIEC450規格のダンベル形状に打ち抜いて試験片とし、ORIENTEC社製TENSILONを用いて、チャック間長30mm、引張速度2mm/分で、初期の弾性率、破断伸度を測定した。
【0126】
[線熱膨張係数(CTE)]
膜厚約10μmのポリイミドフィルムを幅4mmの短冊状に切り取って試験片とし、TMA/SS6100 (エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用い、チャック間長15mm、荷重2g、昇温速度20℃/分で500℃まで昇温した。得られたTMA曲線から、50℃から400℃までの線熱膨張係数を求めた。
【0127】
[5%重量減少温度]
膜厚約10μmのポリイミドフィルムを試験片とし、TAインスツルメント社製 熱量計測定装置(Q5000IR)を用い、窒素気流中、昇温速度10℃/分で25℃から600℃まで昇温した。得られた重量曲線から、5%重量減少温度を求めた。
【0128】
以下の各例で使用した原材料の略称、純度等は、次のとおりである。
【0129】
[ジアミン成分]
DABAN: 4,4’−ジアミノベンズアニリド〔純度:99.90%(GC分析)〕
TFMB: 2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン〔純度:99.83%(GC分析)〕
PPD: p−フェニレンジアミン〔純度:99.9%(GC分析)〕
m−TD: m−トリジン〔純度:99.84%(GC分析)〕
BAPT: ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート〔純度:99.56%(LC分析)〕
FDA: 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン
4−APTP: N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド〔純度:99.95%(GC分析)〕
ODA: 4,4’−オキシジアニリン〔純度:99.9%(GC分析)〕
[テトラカルボン酸成分]
CpODA:ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物
PMDA−HS: 1R,2S,4S,5R−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物〔PMDA−HSとしての純度:92.7%(GC分析),水素化ピロメリット酸二無水物(立体異性体の混合物)としての純度:99.9%(GC分析)〕
cis/cis−BTA−H: 1rC7−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2c,3c,5c,6c−テトラカルボン酸−2,3:5,6−二無水物〔cis/cis−BTA−Hとしての純度:99.9%(GC分析)〕
【0130】
[シリル化剤]
BSA: N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド
[シリカ分散溶液]
オルガノシリカ DMAc−ST シリカ固形分 21.3質量%
[溶媒]
DMAc: N,N−ジメチルアセトアミド
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
[溶媒の純度]
GC分析:
主成分の保持時間(min) 14.28
主成分の面積% 99.9929
短保持時間不純物のピーク面積% 0.0000
長保持時間不純物のピーク面積% 0.0071
不揮発分(質量%) <0.001
光透過率:
400nm光透過率(%) 92
還流後の400nm光透過率(%) 92
金属分:
Na(ppb) 150
Fe(ppb) <2
Cu(ppb) <2
Mo(ppb) <1
【0131】
表1に実施例、比較例で使用したテトラカルボン酸成分、ジアミン成分の構造式を記す。
【0132】
【表1】
【0133】
〔実施例1〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 26質量%となる量の17.41gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.0dL/gであった。
【0134】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は75%、T
2は90%であった。
【0135】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0136】
〔実施例2〕
窒素ガスで置換した反応容器中にTFMB 3.20g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 28質量%となる量の18.12gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.6dL/gであった。
【0137】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は91%、T
2は94%であった。
【0138】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0139】
〔実施例3〕
窒素ガスで置換した反応容器中にPPD 1.08g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 17質量%となる量の24.05gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.2dL/gであった。
【0140】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は85%、T
2は90%であった。
【0141】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0142】
〔実施例4〕
窒素ガスで置換した反応容器中にm−TD 2.12g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18質量%となる量の27.18gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.9dL/gであった。
【0143】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は89%、T
2は92%であった。
【0144】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0145】
〔実施例5〕
窒素ガスで置換した反応容器中にBAPT 3.48g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 16質量%となる量の38.47gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は2.5dL/gであった。
【0146】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は74%、T
2は86%であった。
【0147】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0148】
〔実施例6〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.14g(5ミリモル)とTFMB 1.60g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 25質量%となる量の16.34gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.2dL/gであった。
【0149】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は85%、T
2は91%であった。
【0150】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0151】
〔実施例7〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.59g(7ミリモル)とTFMB 0.96g(3ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 21質量%となる量の18.07gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.4dL/gであった。
【0152】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は86%、T
2は92%であった。
【0153】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0154】
〔実施例8〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.59g(7ミリモル)とPPD 0.32g(3ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 26質量%となる量の11.86gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.2dL/gであった。
【0155】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は84%、T
2は92%であった。
【0156】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0157】
〔実施例9〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.14g(5ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 25質量%となる量の13.15gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.1dL/gであった。
【0158】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は85%、T
2は92%であった。
【0159】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0160】
〔実施例10〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.68g(3ミリモル)とPPD 0.76g(7ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 19質量%となる量の19.61gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.1dL/gであった。
【0161】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は86%、T
2は92%であった。
【0162】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0163】
〔実施例11〕
窒素ガスで置換した反応容器中に4−APTP 3.46g(10ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 13質量%となる量の48.85gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0164】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0165】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0166】
〔実施例12〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.14g(5ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 20質量%となる量の22.08gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0167】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0168】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0169】
〔実施例13〕
窒素ガスで置換した反応容器中にTFMB 1.60g(5ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 23質量%となる量の20.02gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0170】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0171】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0172】
〔実施例14〕
窒素ガスで置換した反応容器中にTFMB 0.96g(3ミリモル)とPPD 0.76g(7ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 23質量%となる量の18.61gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0173】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0174】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0175】
〔実施例15〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.22g(2ミリモル)とTFMB 1.28g(4ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 20量%となる量の25.00gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0176】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0177】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0178】
〔実施例16〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.68g(3ミリモル)とPPD 0.22g(2ミリモル)とTFMB 1.60g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 20量%となる量の25.36gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0179】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0180】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0181】
〔実施例17〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とFDA 0.35g(1ミリモル)とTFMB 1.60g(5ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18質量%となる量の30.52gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0182】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0183】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0184】
〔実施例18〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.05g(9ミリモル)とFDA 0.35g(1ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18質量%となる量の28.43gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0185】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0186】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0187】
〔実施例19〕
窒素ガスで置換した反応容器中に4−APTP 3.12g(9ミリモル)とFDA 0.35g(1ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 13質量%となる量の48.92gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0188】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0189】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0190】
〔実施例20〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、日産化学工業株式会社製のオルガノシリカゾル DMAc−ST 5.88gとN,N−ジメチルアセトアミド 19.83gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0191】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は79%、T
2は90%であった。
【0192】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0193】
〔実施例21〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、日産化学工業株式会社製のオルガノシリカゾルDMAc−ST 11.32gとN,N−ジメチルアセトアミド 15.55gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0194】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は83%、T
2は92%であった。
【0195】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0196】
〔実施例22〕
窒素ガスで置換した反応容器中にTFMB 3.20g(10ミリモル)を入れ、日産化学工業株式会社製のオルガノシリカゾルDMAc−ST 3.60gとN,N−ジメチルアセトアミド 25.35gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0197】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は89%、T
2は94%であった。
【0198】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0199】
〔実施例23〕
窒素ガスで置換した反応容器中にTFMB 3.20g(10ミリモル)を入れ、日産化学工業株式会社製のオルガノシリカゾルDMAc−ST 7.61gとN,N−ジメチルアセトアミド 22.20gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0200】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は86%、T
2は94%であった。
【0201】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0202】
〔実施例24〕
窒素ガスで置換した反応容器中に実施例8で得られたポリイミド前駆体溶液 5.00gを入れ、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド 0.93gを入れ、室温で12時間攪拌し均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0203】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は78%、T
2は87%であった。
【0204】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0205】
〔実施例25〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とTFMB 0.32g(1ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18量%となる量の25.56gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0206】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0207】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0208】
〔実施例26〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.68g(3ミリモル)とPPD 0.65g(6ミリモル)とTFMB 0.32g(1ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18量%となる量の25.01gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0209】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0210】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0211】
〔実施例27〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とODA 0.20g(1ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18量%となる量の25.01gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0212】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0213】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0214】
〔実施例28〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.68g(3ミリモル)とPPD 0.65g(6ミリモル)とODA 0.20g(1ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18量%となる量の24.46gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0215】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0216】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0217】
〔比較例1〕
窒素ガスで置換した反応容器中にODA 2.00g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 20質量%となる量の23.39gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にCpODA 3.84g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.6dL/gであった。
【0218】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は82%、T
2は89%であった。
【0219】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0220】
〔比較例2〕
窒素ガスで置換した反応容器中にODA 2.00g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 17質量%となる量の20.70gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にPMDA−HS 2.24g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.0dL/gであった。
【0221】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は86%、T
2は89%であった。
【0222】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0223】
〔比較例3〕
窒素ガスで置換した反応容器中にODA 2.00g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が 18質量%となる量の20.50gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にcis/cisBTA−H 2.50g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.6dL/gであった。
【0224】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が約10μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドのT
1は84%、T
2は88%であった。
【0225】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0226】
【表2-1】
【0227】
【表2-2】
【0228】
【表2-3】
【0229】
表2−1〜2−3に示した結果から、比較例1〜3に比べ、本発明のポリイミド(実施例1〜28)は、50℃から400℃という高温までの線熱膨張係数が小さくなることが分かる。
【0230】
特に、ジアミン成分としてDABAN、PPD、BAPTを用いると線熱膨張係数が極めて小さくなる(実施例1,3,5)。また、TFMB、PPD、m−TDを用いることで透明性が高くなる(実施例2,3,4)。これらを共重合することで高温まで極めて低熱膨張でかつ、高透明性を示す(実施例6−10、12−16)。また、シリカ入りのポリイミドフィルムとすることで、DABANを用いたポリイミドでは透過率と耐熱性が向上しており(実施例1、20および21)、TFMBを用いたポリイミドでは、耐熱性が向上し線熱膨張率が低下していることが分かる(実施例2、22および23)。
【0231】
前記のとおり、本発明のポリイミド前駆体から得られたポリイミドは、優れた光透過性、折り曲げ耐性を有すると共に、高温までの低線熱膨張係数を有しており、本発明のポリイミドフィルムは、ディスプレイ用途などの無色透明で微細な回路形成可能な透明基板として好適に用いることができる。