(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.一実施形態>
<2.変形例>
但し、以下に示す実施形態等は、本発明の技術思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明は例示された構成に限定されるものではない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものではない。特に、実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置、上下左右等の方向の記載等は特に限定する旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがあり、また、図示が煩雑となることを防止するために、参照号符号の一部のみを図示する場合もある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複する説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一実施形態において説明された内容は、適宜、変形例に適用可能である。
【0016】
<1.一実施形態>
始めに、本発明の一実施形態について説明する。一実施形態は、本発明の健康情報喚起装置を、温度および湿度を検出可能な温湿度計に適用した例である。
【0017】
「温湿度計の外観形状について」
図1A乃至
図1Cは、本発明の一実施形態における温湿度計(温湿度計1)の外観形状を示しており、
図1Aは温湿度計1の正面図、
図1Bは温湿度計1の右側面図、
図1Cは温湿度計1の背面図である。
図1に示すように温湿度計1は、携帯可能な程度の大きさとされており、略円盤状のベース11と、ベース11の中央付近から上方に向かって突出する円筒状の突出部12とを備えている。ベース11および突出部12は、例えば光透過性樹脂により構成されている。
【0018】
突出部12の下方には、音声出力部23bが設けられている。一実施形態では、音声出力部23bはスピーカによって構成されている。また、ベース11の表面には、入力部24が設けられている。一実施形態では、入力部24はプッシュスイッチによって構成されている。
【0019】
また、突出部12の先端付近には、光出力部23a設けられている。一実施形態では、光出力部23aは、少なくとも温湿度計1を前面から見た場合に、発光/非発光および発光色を認識できるように、LED(Light Emitting Diode)が突出部12の先端付近に内蔵されることによって構成されている。
また、
図1Cに示すように、突出部12の背面側には、表示部25が設けられている。一実施形態では、表示部25はLCD(Liquid Crystal Display)によって構成され、温度、湿度、所定の情報等が表示される。
【0020】
「温湿度計の電気的な構成について」
図2は、温湿度計1の電気的な構成を示すブロック図である。温湿度計1は、制御部21と、センサ部22と、報知部23と、入力部24と、表示部25とを備えている。
【0021】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびタイマーによって構成されており、温湿度計1の各部を制御する。ROMは、温湿度計1の各部を制御して機能させるためのプログラムを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際のワークメモリとして使用される。タイマーは、時間を測定する。
【0022】
センサ部22は、少なくとも、照度センサ22aと、温度センサ22bと、湿度センサ22cと、センサ情報処理部22dとを含んで構成されている。照度センサ22aは、ベース11の内部に収納されており、ベース11の表面(光透過性樹脂)を透過して内部に入り込む光に基づいて温湿度計1の周囲の照度を検出する。温度センサ22bは、温湿度計1の周囲の温度を検出する。湿度センサ22cは、温湿度計1の周囲の湿度を検出する。
【0023】
センサ情報処理部22dは、増幅回路およびA(Analog)/D(Digital)変換回路によって構成されており、各センサから出力されるアナログ信号をそれぞれ増幅し、それぞれデジタル信号に変換するものである。なお、照度センサ22a、温度センサ22bおよび湿度センサ22cのそれぞれに対応して、増幅回路における増幅率や回路構成が異なるセンサ情報処理部が備えられていてもよい。
【0024】
報知部23は、先述した光出力部23aおよび音声出力部23bによって構成されており、所定の情報を報知するものである。先述したように光出力部23aとして構成されるLEDは、赤、青、緑のチップを備えた所謂、フルカラーのLEDが用いられ、制御部21による制御に応じて、光により所定の情報を報知する。光出力部23aは、段階的に照度を上げ、若しくは下げるようにして点灯および消灯がなされる。
また、音声出力部23bを構成するスピーカは、制御部21による制御に応じて、音により所定の情報を報知する。
【0025】
入力部24は、先述したようにプッシュスイッチから構成されている。入力部24は、入力操作に対応した操作信号を生成し、当該操作信号を制御部21に供給する。制御部21は、操作信号に基づいて各種の制御を実行する。なお、入力部24に対する操作に応じて行われる動作については後述する。表示部25は、制御部21による制御に応じて、所定の情報を表示する。
【0026】
なお、図示は省略しているが、温湿度計1は電源部を有している。一実施形態における電源部は、乾電池やコイン型の電池等の一次電池である。これらの一次電池を温湿度計1から取り外すことにより温湿度計1の電源がオフされる。
【0027】
以上のように構成された温湿度計1は、所定の情報として、温度および湿度に基づく環境的に見て人間の健康に影響を及ぼす可能性がある情報(適宜、健康情報と称する)、例えば、「カビ・ダニが発生するおそれ」、「インフルエンザに罹患するおそれ」、「食中毒が発生するおそれ」、「熱中症にかかるおそれ」を報知してユーザに喚起する。なお、報知方法に応じて、各健康情報を適宜、簡略化等することは何ら差し支えない。
【0028】
「表示部による表示について」
次に、表示部25の表示について説明する。
図3は、表示部25の表示内容を説明するための図である。
図3に示すように、表示部25には、文字情報I10(温度センサ22bによって取得される温度)と、文字情報I20(湿度センサ22cによって取得される湿度)と、電池の残量を示すアイコンI30と、文字情報I40とが表示可能とされている。文字情報I40は、健康情報を適宜、簡略化したものである。
【0029】
図4は、文字情報I40の内容を規定するテーブル(テーブルTA10)を示している。テーブルTA10は、温度センサ22bにより検出された温度と湿度センサ22cにより検出された湿度とに基づいて、文字情報I40として表示部25に表示させるための健康情報を判断するためのデータとして、制御部21のROMに記憶されている。
【0030】
図4に示すように、テーブルTA10において、横軸が温度センサ22bによって検出される温度を示しており、この例では6℃から1℃刻みで40℃までが規定されている。また、テーブルTA10において、縦軸が湿度センサ22cによって検出される湿度を示しており、この例では20%から5%刻みで100%までが規定されている。温度および湿度に応じて複数の領域が規定されている。なお、実際に検出された温度、湿度を例えば四捨五入して、現在の環境がテーブルTA10における何れの領域に属するかが判断されるようになされている。また、一または複数の領域からなる範囲に健康情報が割り当てられている場合があり、制御部21は、テーブルTA10を参照して、現在の温度および湿度に対応した健康情報が存在する場合には当該健康情報を文字情報I40として表示部25に表示する。以下、テーブルTA10の内容およびテーブルTA10に基づいて行われる表示部25への文字情報I40の表示処理について説明する。
【0031】
テーブルTA10の中央付近の範囲AR1(ハッチングが付されていない範囲であり、例えば、温度が23℃であり、且つ、湿度が35%〜55%である範囲を含む範囲)は、ダニ、熱中症等が発生するおそれがない若しくは低いため、文字情報I40としては何も表示しない。なお、温度および湿度が範囲AR1の何れかの領域に対応する場合でも表示部25には、文字情報I10、文字情報I20およびアイコンI30は表示される。
【0032】
テーブルTA10の左下寄りの範囲AR2(右上がりの斜線が付された範囲であり、例えば、温度が12℃であり、且つ、湿度が20%〜65%の範囲を含む範囲)は、「インフルエンザに罹患するおそれ」があるため、文字情報I40として「インフルエンザ」が表示部25に表示される。
【0033】
テーブルTA10の上部半分である範囲AR3(小さな点が付された範囲であり、例えば、温度が6℃〜40℃であり、且つ、湿度が70%〜100%の範囲)は、「カビ・ダニが発生するおそれ」があるため、文字情報I40として「カビ・ダニ」が表示部25に表示される。
【0034】
テーブルTA10の上部右寄りの範囲AR4(大きな点が付された範囲であり、例えば、温度が20℃〜40℃であり、且つ、湿度が60%〜95%の範囲)は、「食中毒が発生するおそれ」があるため、文字情報I40として「食中毒」が表示部25に表示される。
【0035】
テーブルTA10の右寄りの範囲AR5(右下がりの斜線が付された範囲であり、例えば、温度が34℃であり、且つ、湿度が20%〜100%である範囲を含む範囲)は、「熱中症にかかるおそれ」があるため、文字情報I40として「熱中症」が表示部25に表示される。
【0036】
なお、テーブルTA10において、複数の健康情報が重複する範囲が存在する。例えば、テーブルTA10において、範囲AR6(例えば、温度が7℃であり、且つ、湿度が70%〜85%である範囲を含む範囲)は、範囲AR2と範囲AR3とが重なる範囲である。現在の温度および湿度が範囲AR6の何れかの領域に対応している場合には、範囲AR2に対応する健康情報(「インフルエンザ」)および範囲AR3に対応する健康情報(「カビ・ダニ」)の両方が、文字情報I40として表示部25に表示される。
【0037】
同様に、現在の温度および湿度が、範囲AR3と範囲AR4とが重なる範囲である範囲AR7の何れかの領域に対応している場合には、範囲AR3に対応する健康情報(「カビ・ダニ」)および範囲AR4に対応する健康情報(「食中毒」)の両方が、文字情報I40として表示部25に表示される。
【0038】
同様に、現在の温度および湿度が、範囲AR3と範囲AR4と範囲AR5とが重なる範囲である範囲AR8の何れかの領域に対応している場合には、範囲AR3に対応する健康情報(「カビ・ダニ」)、範囲AR4に対応する健康情報(「食中毒」)および範囲AR5に対応する健康情報(「熱中症」)の全てが、文字情報I40として表示部25に表示される。
【0039】
なお、制御部21は、照度センサ22aによって検出される照度に関係なく、テーブルTA10を参照して温度および湿度に対応した健康情報が存在する場合には、当該健康情報を文字情報I40として表示部25に表示する。
【0040】
「光出力部による報知について」
次に、光出力部23aによる報知について説明する。
図5は、光出力部23aの発光条件(発光/非発光および発光色)を規定するテーブル(テーブルTA20)を示している。なお、テーブルTA20は、温度センサ22bにより検出された温度と湿度センサ22cにより検出された湿度とに基づいて、光出力部23aを健康情報に対応した発光色で発光させるための、発光色を判断するためのデータとして制御部21のROMに記憶されている。
【0041】
一実施形態では、「カビ・ダニが発生するおそれ」がある場合には光出力部23aの発光色として「紫」が割り当てられ、「インフルエンザに罹患するおそれ」がある場合には光出力部23aの発光色として「青」が割り当てられ、「食中毒が発生するおそれ」がある場合には光出力部23aの発光色として「緑」が割り当てられ、「熱中症にかかるおそれ」がある場合には光出力部23aの発光色として「赤」が割り当てられている。なお、何れの健康情報にも該当しない場合は、発光色は割り当てておらず光出力部23aは発光しない。
【0042】
図5に示すように、テーブルTA20において、横軸が温度センサ22bによって検出される温度を示しており、この例では6℃から1℃刻みで40℃までが規定されている。また、テーブルTA20において、縦軸が湿度センサ22cによって検出される湿度を示しており、この例では20%から5%刻みで100%までが規定されている。温度および湿度に応じて複数の領域が規定されている。なお、実際に検出された温度、湿度を例えば四捨五入して、現在の環境がテーブルTA20における何れの領域に属するかが判断されるようになされている。
【0043】
また、一または複数の領域からなる範囲毎に、健康情報に対応した光出力部23aの発光色が割り当てられている場合があり、制御部21は、テーブルTA20を参照して現在の温度および湿度に対応した発光色が存在する場合には当該発光色でもって光出力部23aを発光させる。以下、テーブルTA20の内容およびテーブルTA20に基づいて行われる光出力部23aの発光処理について説明する。
【0044】
テーブルTA20の中央付近の範囲AR11(ハッチングが付されていない範囲であり、例えば、温度が23℃で湿度が35%〜55%の範囲を含む範囲)は、ダニ、熱中症等が発生するおそれがない若しくは低いため、光出力部23aを発光せず(非発光)にユーザに何も報知しないようにしている。
【0045】
テーブルTA20の左下付近である範囲AR12(右上がりの斜線が付された範囲であり、例えば、温度が12℃であり、且つ、湿度が20%〜65%の範囲を含む範囲)は、「インフルエンザに罹患しやすいおそれ」があるため、光出力部23aを青色で発光させる。
【0046】
テーブルTA20の左上付近の範囲AR13(右下がりの斜線が付された範囲であり、例えば、温度が12℃であり、且つ、湿度が70%〜100%の範囲を含む範囲)は、「カビ・ダニが発生するおそれ」があるため、光出力部23aを紫色で発光させる。
【0047】
テーブルTA20の中央上寄りの範囲AR14(間隔が狭い右上がりの斜線が付された範囲であり、例えば、温度が21℃であり、且つ、湿度が60%〜95%である範囲を含む範囲)は、「食中毒が発生するおそれ」があるため、光出力部23aを緑色で発光させる。
【0048】
テーブルTA20の右寄りの範囲AR15(間隔が狭い右下がりの斜線が付された範囲であり、例えば、温度が30℃であり、且つ、湿度が45%〜100%である範囲を含む範囲)は、「熱中症にかかるおそれ」があるため、光出力部23aを赤色で発光させる。
【0049】
なお、複数の健康情報が重複する範囲(例えば、テーブルTA10における範囲AR6,範囲AR7、範囲AR8に該当する範囲)の場合には、制御部21は、優先順位に基づいて一の健康情報を特定し、当該一の健康情報に対応した発光色となるように光出力部23aを制御する。一実施形態では、健康情報の喚起の必要性を考慮して、以下のように優先順位を設定している。
・(優先順位高) 熱中症,インフルエンザ>食中毒>カビ・ダニ (優先順位低)
なお、複数の健康情報として、熱中症およびインフルエンザが重複する範囲はないので両者は同列の順位として設定している。
【0050】
具体例について説明する。例えば、温度が7℃であり湿度が80%である場合には、インフルエンザに罹患するおそれもあり、カビ・ダニが発生するおそれもある。このため、テーブルTA10では両方の健康情報を規定しており、当該健康情報の全てを文字情報I40として表示している。しかしながら、テーブルTA20では、優先順位がより高い「インフルエンザ」に対応した発光色(青色)のみが規定されており、光による健康情報の報知では、青色のみで光出力部23aを発光させるようになされる。
【0051】
例えば、温度が21℃であり湿度が90%である場合には、食中毒が発生するおそれもあり、カビ・ダニが発生するおそれもある。このため、テーブルTA10では両方の健康情報を規定しており、当該健康情報の全てを文字情報I40として表示している。しかしながら、テーブルTA20では、優先順位がより高い「食中毒」に対応した発光色(緑色)のみが規定されており、光による健康情報の報知では、緑色のみで光出力部23aを発光させるようになされる。
【0052】
例えば、温度が28℃であり湿度が90%である場合には、食中毒が発生するおそれもあり、カビ・ダニが発生するおそれもあり、熱中症にかかるおそれもある。このため、テーブルTA10では3つの健康情報を規定しており、当該健康情報の全てを文字情報I40として表示している。しかしながら、テーブルTA20では、優先順位が最も高い「熱中症」に対応した発光色(赤色)のみが規定されており、光による健康情報の報知では、赤色のみで光出力部23aを発光させるようになされる。
【0053】
複数の健康情報が存在する場合に、光出力部23aの発光色を順次切り替えて発光させたり、複数の光出力部を設け、発光色を異なるようにして各光出力部を発光させる方法も考えられる。しかしながら、それでは現在、最も注意すべき健康情報、換言すれば、健康情報の優劣がユーザにとって把握しづらくなるおそれがあり、また、コストの増加を招く。そこで、一実施形態では、健康情報に優先順位を設定し当該優先順位に基づく健康情報に対応した発光色で光出力部23aを発光させるようにしている。
【0054】
「音声出力部による報知について」
次に、音声を使用した健康情報の報知について説明する。始めに、音声出力部23bが再生可能な音声のメニュー(音声メニュー)について説明する。
図6は、音声メニューの一覧を示している。
図6に示す音声メニューに対応する音声データを、制御部21による制御に応じて音声出力部23bが生成し、生成した音声データに対応する音声を再生する。
【0055】
音声メニュー1では「インフルエンザの危険があります」という音声データが生成され、当該音声データに対応する音声が音声出力部23bから再生される。音声メニュー2では「カビ発生の可能性があります」という音声データが生成され、当該音声データに対応する音声が音声出力部23bから再生される。他の音声メニューについては図示の通りであるので説明を省略する。なお、音声メニュー15〜20は後述する動作モードの設定がなされるときに再生される音声であり、音声メニュー15〜20のそれぞれが、後述するモード1〜6のそれぞれに対応している。音声メニュー21は、電池が残量不足(例えば、電池電圧が3.6V(ボルト)以下)で入力部24が操作されたときに再生される音声である。
【0056】
次に、
図7に示す再生対象の音声メニューを規定するテーブル(テーブルTA30)について説明する。
図7に示すように、テーブルTA30において、横軸が温度センサ22bによって検出される温度を示しており、この例では6℃から1℃刻みで40℃までが規定されている。また、テーブルTA30において、縦軸が湿度センサ22cによって検出される湿度を示しており、この例では20%から5%刻みで100%までが規定されている。温度および湿度に応じて複数の領域が規定されている。なお、実際に検出された温度、湿度を例えば四捨五入して、現在の環境がテーブルTA30における何れの領域に属するかが判断されるようになされている。
【0057】
また、
図7に示すように、テーブルTA30において、括弧付きの番号が付されている領域と付されていない領域とが存在する。括弧付きの番号が付されていない領域は、何れの健康情報にも該当しないため音声による報知が行われない。括弧付きの番号には、再生対象の音声メニューが対応付けられている。テーブルTA30における括弧付きの番号と音声メニューとの対応関係は以下の通りである。
【0058】
[テーブルTA30における括弧付きの番号]−[音声メニュー]
(1)−音声メニュー2,14
(2)−音声メニュー1,8
(3)−音声メニュー1,13
(4)−音声メニュー6,9
(5)−音声メニュー4,9
(6)−音声メニュー5,10
(7)−音声メニュー3,10
(8)−音声メニュー2,14
(9)−音声メニュー4,12
(10)−音声メニュー5,12
(11)−音声メニュー3,12
【0059】
なお、テーブルTA30は、温度センサ22bにより検出された温度と湿度センサ22cにより検出された湿度とに基づいて、音声出力部23bにより再生する音声メニューを判断するためのデータとして制御部21のROMに記憶されている。制御部21は、テーブルTA30を参照して、現在の温度および湿度に対応した音声メニューが存在する場合には、当該音声メニューが音声出力部23bから再生されるように制御する。以下、テーブルTA30の内容およびテーブルTA30に基づいて行われる音声出力部23bの再生処理について説明する。
【0060】
テーブルTA30において(2)または(3)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には「インフルエンザに罹患しやすいおそれ」がある旨およびその対策を音声で報知する。テーブルTA30において(2)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(2)に対応付けられた音声メニュー1,8が順次、再生される。テーブルTA30において(3)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(3)に対応付けられた音声メニュー1,13が順次、再生される。
【0061】
テーブルTA30において(1)または(8)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には「カビ・ダニが発生するおそれ」がある旨およびその対策を音声で報知する。テーブルTA30において(1),(8)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(1),(8)のそれぞれに対応付けられた音声メニュー2,14が順次、再生される。
【0062】
テーブルTA30において(4)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には「食中毒が発生するおそれ」がある旨およびその対策を音声で報知する。テーブルTA30において(4)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(4)に対応付けられた音声メニュー6,9が順次、再生される。
【0063】
テーブルTA30において(5),(6),(7),(9),(10),(11)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には「熱中症にかかるおそれ」がある旨およびその対策を音声で報知する。なお、熱中症にかかるおそれは、温度および湿度に応じて高低があるため、一実施形態では、熱中症にかかるおそれを「危険」、「厳重警戒」、「警戒」に分類して細かく報知するようにしている。
【0064】
テーブルTA30において(5)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(5)に対応付けられた音声メニュー4,9が順次、再生される。テーブルTA30において(6)の領域に温度および湿度が対応している場合には、(6)に対応付けられた音声メニュー5,10が順次、再生される。テーブルTA30において(7)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(7)に対応付けられた音声メニュー3,10が順次、再生される。
【0065】
テーブルTA30において(9)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(9)に対応付けられた音声メニュー4,12が順次、再生される。テーブルTA30において(10)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(10)に対応付けられた音声メニュー5,12が順次、再生される。テーブルTA30において(11)が付された領域に現在の温度および湿度が対応している場合には、(11)に対応付けられた音声メニュー3,12が順次、再生される。
【0066】
なお、音声による報知も、健康情報に対して設定された優先順位に基づいて行われる。優先順位は、先述した優先順位と同様である。
【0067】
具体例について説明する。例えば、温度が7℃であり湿度が80%である場合には、インフルエンザに罹患するおそれもあり、カビ・ダニが発生するおそれもある。このため、テーブルTA10では両方の健康情報を規定しており、当該健康情報の全てを文字情報I40として表示している。しかしながら、テーブルTA30では、優先順位がより高い「インフルエンザ」に対応した括弧付き番号である(2)のみが規定されている。そして、音声出力部23bを使用した音声による報知では、(2)に対応する音声メニュー1,8のみを再生するようになされる。
【0068】
例えば、温度が21℃であり湿度が90%である場合には、食中毒が発生するおそれもあり、カビ・ダニが発生するおそれもある。このため、テーブルTA10では両方の健康情報を規定しており、当該健康情報の全てを文字情報I40として表示している。しかしながら、テーブルTA30では、優先順位がより高い「食中毒」に対応した括弧付き番号である(4)のみが規定されている。そして、音声出力部23bを使用した音声による報知では、(4)に対応する音声メニュー6,9のみを再生するようになされる。
【0069】
例えば、温度が28℃であり湿度が90%である場合には、食中毒が発生するおそれもあり、カビ・ダニが発生するおそれもあり、熱中症にかかるおそれもある。このため、テーブルTA10では3つの健康情報を規定しており、当該健康情報の全てを文字情報I40として表示している。しかしながら、テーブルTA30では、優先順位がより高い「熱中症」に対応した括弧付き番号である(6)のみが規定されている。そして、音声出力部23bを使用した音声による報知では、(6)に対応する音声メニュー5,10のみを再生するようになされる。
【0070】
複数の健康情報を音声により報知することも考えられる。しかしながら、それでは現在、最も注意すべき健康情報、換言すれば、健康情報の優劣がユーザにとって把握しづらくなり、また、全ての健康情報をユーザが聞き取る必要が生じてしまう。そこで、一実施形態では、優先順位を設定して当該優先順位に基づく健康情報が音声出力部23bから再生されるようにしている。
【0071】
「動作モードについて」
次に、温湿度計1に設定可能な動作モードについて説明する。
図8は、温湿度計1に設定可能な動作モードを示している。一実施形態では、6つの動作モードが設定可能とされている。モード1は、光出力部23aの発光による健康情報の報知を行い、音声出力部23bから通常の音量レベル(大きな音量)で健康情報を再生する動作モードである。モード2は、光出力部23aの発光による健康情報の報知を行い、音声出力部23bから通常の音量レベルよりも小さい音量レベル(適宜、音量レベル小と略称する場合がある)で健康情報を再生する動作モードである。モード3は、光出力部23aの発光による健康情報の報知を行わず、音声出力部23bから通常の音量レベルで健康情報を再生する動作モードである。モード4は、光出力部23aの発光による健康情報の報知を行わず、音声出力部23bから音量レベル小で健康情報を再生する動作モードである。モード5は、光出力部23aの発光による健康情報の報知のみを行う動作モードである。モード6は、音声および発光による健康情報の報知を行わない動作モードである。このモード6は、例えば、旅行等の外出時に温湿度計1を携帯した場合に表示部25のみを動作させるときに使用されるモードである。なお、これらの各動作モードにおいて、表示部25への表示による健康情報の報知は常に行われる。
【0072】
「温湿度計の全体的な処理の流れについて」
次に、制御部21により実行される温湿度計1の全体的な処理の流れについて説明する。制御部21は、温度センサ22bにより検出される温度と、湿度センサ22cにより検出される湿度とに基づいて、照度センサ22aにより検出される照度に応じた制御を報知部23に対して実行する。
【0073】
始めに、照度センサ22aによる照度が閾値(例えば、10ルクス)以上である場合の処理の流れについて説明する。制御部21は、例えば30秒間隔で温度センサ22bから出力される温度および湿度センサ22cから出力される湿度を取得する。そして、取得した温度および湿度に応じて、テーブルTA10、テーブルTA20およびテーブルTA30を参照して、表示部25に表示すべき文字情報I40、光出力部23aの発光色、音声出力部23bから再生する音声メニューを決定し、報知タイミングが到来したときに、設定中の動作モードに基づいてそれらを各出力形態で報知する。なお、温度および湿度が取得されるタイミング(例えば30秒間隔)でもって、表示部25における文字情報I10(温度)および文字情報I20(湿度)が更新表示される。
【0074】
照度センサ22aによる照度が閾値以上である場合には、例えば2分に1回の間隔で光出力部23aの報知タイミング(お知らせ頻度)が設定されている。報知タイミングが到来したときの温度および湿度に対応した発光色がテーブルTA20に存在する場合は、制御部21は当該発光色で光出力部23aを発光させる。
また、照度センサ22aによる照度が閾値以上である場合には、例えば1時間に1回の間隔で音声出力部23bの報知タイミングが設定されている。報知タイミングが到来したときの温度および湿度に対応した音声メニューがテーブルTA30に存在する場合は、制御部21は当該音声メニューに対応する音声を音声出力部23bから再生する。但し、熱中症にかかるおそれが「危険」または「厳重警戒」に対応する温度および湿度が継続する場合には、30分に1回の間隔で報知するように設定されている。
【0075】
次に、照度センサ22aによる照度が閾値を下回った場合の処理の流れについて説明する。以下、
図9A乃至
図9Eを参照して、照度センサ22aによる照度が閾値を下回った場合に、設定中の動作モード毎に対応した処理の流れについて説明する。
【0076】
照度センサ22aによる照度が閾値を下回り、且つ、設定中の動作モードがモード1である場合には、制御部21は、
図9Aに示す制御を実行する。すなわち、モード1は、光出力部23aおよび音声出力部23bを動作させる動作モードであるため、制御部21は、光出力部23aおよび音声出力部23bに対する制御を実行する。
【0077】
制御部21は、報知タイミングが到来したときの温度および湿度に対応した発光色がテーブルTA20に存在する場合は、明るさ(出力レベル)を下げて光出力部23aを発光させる。また、制御部21は、光出力部23aの報知タイミングの間隔を1時間に1回と長くなるように変更する。
【0078】
さらに、制御部21は、テーブルTA30において、現在の温度および湿度に対応して設定されている音声メニューが熱中症に関するものである場合にのみ、当該音声メニューに対応する音声を音声出力部23bから再生する。換言すれば、制御部21は、現在の温度および湿度により規定される領域が、テーブルTA30において(5),(6),(7),(9),(10),(11)が付された領域の何れかに対応する場合のみに、1時間に1回の間隔で音声出力部23bを動作させる。そして、制御部21は、括弧付きの番号に対応付けられた音声メニューに対応する音声により、熱中症に関する報知が行われるように音声出力部23bを制御する。
【0079】
さらに、制御部21は、音量レベルを下げて(通常の音量レベルである第1の音量レベルより小さい第2の音量レベルで)音声メニューに対応する音声の再生が行われるように音声出力部23bを制御する。
【0080】
照度センサ22aによる照度が閾値を下回り、且つ、設定中の動作モードがモード2である場合には、制御部21は、
図9Bに示す制御を実行する。すなわち、モード2は、光出力部23aおよび音声出力部23bを動作させる動作モードであるため、制御部21は、光出力部23aおよび音声出力部23bに対する制御を実行する。
【0081】
制御部21は、報知タイミングが到来したときの温度および湿度に対応した発光色がテーブルTA20に存在する場合は、明るさ(出力レベル)を下げて光出力部23aを発光させる。また、制御部21は、光出力部23aの報知タイミングの間隔を1時間に1回と長くなるように変更する。
【0082】
さらに、制御部21は、テーブルTA30において、現在の温度および湿度に対応して設定されている音声メニューが熱中症に関するものである場合にのみ、当該音声メニューに対応する音声を音声出力部23bから再生する。換言すれば、制御部21は、現在の温度および湿度により規定される領域が、テーブルTA30において(5),(6),(7),(9),(10),(11)が付された領域の何れかに対応する場合のみに、1時間に1回の間隔で音声出力部23bを動作させる。そして、制御部21は、括弧付きの番号に対応付けられた音声メニューに対応する音声により、熱中症に関する報知が行われるように音声出力部23bを制御する。
【0083】
なお、モード2の場合は音量レベル小で音声を再生する動作モードであるため、音量レベルに関する制御は行われない。
【0084】
照度センサ22aによる照度が閾値を下回り、且つ、設定中の動作モードがモード3である場合には、制御部21は、
図9Cに示す制御を実行する。すなわち、モード3は、光出力部23aを動作させず、音声出力部23bのみを動作させる動作モードであるため、制御部21は、音声出力部23bに対する制御のみを実行する。
【0085】
制御部21は、テーブルTA30において、現在の温度および湿度に対応して設定されている音声メニューが熱中症に関するものである場合にのみ、当該音声メニューに対応する音声を音声出力部23bから再生する。換言すれば、制御部21は、現在の温度および湿度により規定される領域が、テーブルTA30において(5),(6),(7),(9),(10),(11)が付された領域の何れかに対応する場合のみに、1時間に1回の間隔で音声出力部23bを動作させる。そして、制御部21は、括弧付きの番号に対応付けられた音声メニューに対応する音声により、熱中症に関する報知が行われるように音声出力部23bを制御する。
【0086】
さらに、制御部21は、音量レベルを下げて(通常の音量レベルである第1の音量レベルより小さい第2の音量レベルで)音声メニューに対応する音声の再生が行われるように音声出力部23bを制御する。
【0087】
照度センサ22aによる照度が閾値を下回り、且つ、設定中の動作モードがモード4である場合には、制御部21は、
図9Dに示す制御を実行する。モード4は、光出力部23aを動作させず、音声出力部23bのみを動作させる動作モードであるため、制御部21は、音声出力部23bに対する制御のみを実行する。
【0088】
制御部21は、テーブルTA30において、現在の温度および湿度に対応して設定されている音声メニューが熱中症に関するものである場合にのみ、当該音声メニューに対応する音声を音声出力部23bから再生する。換言すれば、制御部21は、現在の温度および湿度により規定される領域が、テーブルTA30において(5),(6),(7),(9),(10),(11)が付された領域の何れかに対応する場合のみに、1時間に1回の間隔で音声出力部23bを動作させる。そして、制御部21は、括弧付きの番号に対応付けられた音声メニューに対応する音声により、熱中症に関する報知が行われるように音声出力部23bを制御する。
【0089】
なお、モード4の場合は音量レベル小で音声を再生する動作モードであるため、音量レベルに関する制御は行われない。
【0090】
照度センサ22aによる照度が閾値を下回り、且つ、設定中の動作モードがモード5である場合には、制御部21は、
図9Eに示す制御を実行する。モード5は、光出力部23aのみを動作させ、音声出力部23bを動作させない動作モードであるため、制御部21は、光出力部23aに対する制御のみを実行する。
【0091】
制御部21は、報知タイミングが到来したときの温度および湿度に対応した発光色がテーブルTA20に存在する場合は、明るさ(出力レベル)を下げて光出力部23aを発光させる。また、制御部21は、光出力部23aの報知タイミングの間隔を1時間に1回と長くなるように変更する。
【0092】
なお、モード6は、光出力部23aおよび音声出力部23bを動作させない動作モードであるため、先述したような光出力部23aおよび音声出力部23bに対する制御は行われない。
【0093】
なお、照度センサ22aにより検出される照度が閾値を上回った場合には、光出力部23aの発光の明るさを通常のレベルに戻し、音声出力部23bから再生される音声の音量レベルを通常の音量レベルに戻す制御が適宜、行われる。
【0094】
「入力部に対する操作に応じて行われる動作について」
次に、入力部24に対する操作に応じて行われる動作について説明する。以下、入力部24に対する操作と、操作に応じて制御部21により制御される動作について説明する。
【0095】
入力部24として構成されるプッシュスイッチを1回、押下する操作がなされると、制御部21は、現在の温度および湿度に応じた健康情報の有無を、テーブルTA30を参照して判断する。そして、健康情報がある場合には、制御部21は音声出力部23bを制御して、当該健康情報に対応する音声メニュー(
図6における音声メニュー1〜14の何れか)に基づく音声を再生する。すなわち、プッシュスイッチを1回、押下することにより、報知タイミングに関係なく音声出力部23bから音による健康情報の再生を行うことができる。
【0096】
健康情報の再生が終了してから一定時間内(例えば、3秒)に、プッシュスイッチを1回、押下する操作がなされると、制御部21は、現在設定されている動作モードを判断する。そして、制御部21は音声出力部23bを制御して、現在設定されている動作モードに対応した音声メニュー(
図6における音声メニュー15〜20の何れか)に基づく音声を再生する。
【0097】
音声の再生が終了してから一定時間内(例えば、3秒)に、プッシュスイッチを1回、押下する操作がなされると、制御部21は、動作モードを現在設定されている動作モードから次の動作モードに切り替えて設定する。そして、制御部21は音声出力部23bを制御して、切り替え後の動作モードに対応した音声メニュー(
図6における音声メニュー15〜20の何れか)に基づく音声を再生する。以降、一定時間内にプッシュスイッチを押すと動作モードが切り替えられ、切り替え後の動作モードに対応した音声メニューに基づく音声が再生される。なお、一定時間内に操作がなされず、その後、プッシュスイッチを押す操作がなされたときは、始めに説明した動作(音による健康情報の再生)が行われる。
【0098】
以上説明した一実施形態によれば、照度が低い場合には、光出力部23aの明るさを低くしたり、再生される音声の音量レベルを下げるので、夜間において温湿度計1の動作によりユーザの睡眠を妨害してしまうことを防止できる。また、ユーザが不在の時は、温湿度計1の電力消費を小さくでき省エネルギー化を実現できる。一方で、音声による報知を行う動作モードでは、熱中症に関しては音声による報知を常に行うようにしているので、近年、問題となっている睡眠時に無意識のうちに熱中症にかかってしまうおそれを低減できる。さらに、健康情報に優先順位を設定することにより、ユーザにとってより必要性の高い健康情報を報知できる。
【0099】
また、従来の温湿度計の使用形態は、一般に、喉や肌の乾きを感じたり、体感温度の違和感等を感じたとき、換言すれば、人間の感覚に基づいて温湿度計を確認するという流れであった。しかしながら、一実施形態の温湿度計1によれば、前面の光出力部23aの発光色をユーザが見ることで、現在の環境と健康のリスクに関する情報との関係を概略的に知ることができ、その後、背面に配設された表示部25をユーザが必要に応じて見ることにより詳細な情報を認識する、という新たな温湿度計1の使用形態を提供できる。
【0100】
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0101】
上述した一実施形態において、温湿度計1は、照度センサ22aがなくてもよい。この場合、照度に応じた制御を行わず、温度および湿度に対応した健康情報として複数の健康情報が存在する場合に、優先順位に基づく健康情報が報知される温湿度計として、本発明を構成することも可能である。より具体的には、少なくとも、温度センサと湿度センサとを含むセンサ部と、所定の情報を報知する報知部と、温度センサにより検出される温度と湿度センサにより検出される湿度とに対応した情報が、報知部から報知されるように該報知部を制御する制御部とを備え、制御部は、情報として複数の情報が対応する場合に、優先順位に基づく情報が報知されるように報知部を制御する健康情報喚起装置として本発明を構成することもできる。
【0102】
上述したテーブルTA10、テーブルTA20、テーブルTA30は一例であり、どの範囲にどのような健康情報を割り当てるかについては適宜、変更することができる。また、光出力部23aの発光色と健康情報との対応関係は例示であり、適宜、変更することができる。何れの健康情報にも該当しない場合にも、何らかの発光色を割り当ててもよい。また、各テーブルにおける温度のステップ幅(一実施形態では1℃)および湿度のステップ幅(一実施形態では5%)は、適宜、変更することができる。テーブルTA10、テーブルTA20、テーブルTA30は、書き換え可能な記憶部に記憶され更新可能なデータであってもよい。
【0103】
上述した温湿度計1の形状、大きさ、材質等は、適宜、変更することができる。また、上述した温湿度計1において、報知部23は、光出力部23aおよび音声出力部23bの少なくとも一方でもよく、振動により報知するもの等、他の構成を含んでいてもよい。
【0104】
上述した一実施形態では、照度センサ22aがベース11に内蔵される例について説明したが、これに限定されるものではない。照度センサ22aが、突出部12に内蔵されてもよく、ベース11や突出部12の表面に配置されてもよい。また、ベース11や突出部12に孔部を設け、当該孔部を介してベース11や突出部12に内蔵された照度センサ22aに光が当たるようにしてもよく、温湿度計1の外部と光が通じるような状態で照度センサ22aが配置されてもよい。
【0105】
入力部24は、ロータリスイッチ、スライドスイッチ、タッチパネル、マイク等の入力媒体であってもよい。また、入力部24は、別体のリモートコントローラからの遠隔操作入力を可能とする通信インターフェースによる入力媒体であってもよい。また、入力部24として又は別途に設けられた電源スイッチにより電源のオン/オフがなされてもよい。また、電源部として、リチウムイオン電池等の充電可能な二次電池が使用されてもよい。
【0106】
入力部24に対する操作に応じて行われる動作の内容は、上述した実施形態で説明した内容に限定されるものではない。制御部21は、プッシュスイッチが押下された操作に応じて、現在の温度および湿度に応じた健康情報の有無を、テーブルTA20を参照して判断してもよい。そして、健康情報がある場合には、制御部21は光出力部23aを制御して当該健康情報に対応する発光色でもって光出力部23aを発光させてもよい。
【0107】
動作モードの切替および設定を行う操作は、上述した実施形態で説明した操作に限定されるものではない。入力部24として構成されるプッシュスイッチを1回、押下することにより動作モードを切り替え、プッシュスイッチを長押しすることにより動作モードを設定することができるようにしてもよい。
【0108】
表示部25は、有機EL(Electro Luminescence)等の表示媒体であってもよい。
【0109】
照度が閾値より低い場合に、熱中症のおそれがより高い「危険」、「厳重警戒」のときのみ音声による報知を行うようにしてもよい。また、照度が閾値より低い場合に、音声出力部23bを動作させない動作モード(モード5およびモード6)が設定されている場合でも、熱中症に関しては音声による報知を行うように構成してもよい。
【0110】
光出力部23aの明るさのレベルや、音声出力部23bから再生される音声の音量レベルは2段階に限定されることはなく、3段階以上でもよい。制御における照度の閾値は10ルクスに限定されることはなく、適宜、設定することができる。光出力部23aの発光態様は、一実施形態において例示した態様に限定されるものではなく、瞬時に発光および消灯してもよく、点灯させるようにしてもよい。
【0111】
上述した一実施形態では、光出力部23aが突出部12に内蔵される例について説明したが、これに限定されるものではない。光出力部23aが、ベース11に内蔵されてもよく、ベース11や突出部12の表面に配置されてもよい。また、ベース11や突出部12に孔部を設け、当該孔部を介して光出力部23aが温湿度計1の外部に向けて発光してもよく、温湿度計1の外部に光が通じるような状態で光出力部23aが配置されてもよい。なお、照度センサ22aおよび光出力部23aがベース11や突出部12の表面に配置される場合は、ベース11および突出部12が光透過性樹脂で構成されていなくてもよい。
【0112】
電池の残量が低下した場合に、電池を示すアイコンI30を点滅させてもよく、光出力部23aを使用した光による報知を行わないようにしてもよい。なお、電池の残量が閾値より低下した場合でも、熱中症にかかるおそれがある場合には、その旨を音声により報知するようにしてもよい。
【0113】
本発明は、装置に限らず、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体、システム等により実現することができる。プログラムは、例えば、ネットワークを介して、若しくは、光ディスクや半導体メモリ等の可搬型のメモリを介してユーザに提供し得る。