特許第6532085号(P6532085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6532085-注文管理システム 図000002
  • 特許6532085-注文管理システム 図000003
  • 特許6532085-注文管理システム 図000004
  • 特許6532085-注文管理システム 図000005
  • 特許6532085-注文管理システム 図000006
  • 特許6532085-注文管理システム 図000007
  • 特許6532085-注文管理システム 図000008
  • 特許6532085-注文管理システム 図000009
  • 特許6532085-注文管理システム 図000010
  • 特許6532085-注文管理システム 図000011
  • 特許6532085-注文管理システム 図000012
  • 特許6532085-注文管理システム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6532085
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】注文管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20190610BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   G07G1/12 331A
   G07G1/12 361C
   G07G1/12 301Z
   G07G1/01 301Z
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-43902(P2016-43902)
(22)【出願日】2016年3月7日
(65)【公開番号】特開2017-162029(P2017-162029A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 優子
【審査官】 仁木 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−59490(JP,A)
【文献】 特開2012−173961(JP,A)
【文献】 特開2008−197826(JP,A)
【文献】 特開2014−59903(JP,A)
【文献】 特開2012−173864(JP,A)
【文献】 特開2010−93554(JP,A)
【文献】 特開2014−132396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 5/00
G06Q 10/00 − 10/10
G06F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声再生可能な第1のデータ形式のメッセージを送信する第1の注文端末装置と、
前記第1の注文端末装置とネットワークを介して接続され、表示部を備える第2の注文端末装置と、
前記第2の注文端末装置と接続される通話装置と、
前記ネットワークを介して接続され、前記第1の注文端末装置が送信した前記第1のデータ形式のメッセージを格納し、前記第1のデータ形式のメッセージを文字表示可能な第2のデータ形式のメッセージに変換し、前記第1のデータ形式のメッセージと前記第2のデータ形式のメッセージを前記第2の注文端末装置に送信する注文管理装置と、
を備え、
前記第2の注文端末装置は、前記第1及び第2のデータ形式のメッセージを取得し、取得した前記第1及び第2のデータ形式のメッセージを記憶し、当該第2の注文端末装置が使用されていない場合に前記第1のデータ形式のメッセージを前記通話装置から再生し、当該第2の注文端末装置が使用されている場合に前記第2のデータ形式のメッセージを前記表示部に表示させる、注文管理システム。
【請求項2】
前記注文管理装置は、メッセージと、使用者識別子と、未再生未読判定情報を対応付けて記憶する管理テーブルを有する、請求項1に記載の注文管理システム。
【請求項3】
前記注文管理装置は、使用者識別子を付加したメッセージ要求を受信すると、前記使用者識別子を送信した前記第2の注文端末装置に、前記使用者識別子に対応する第1及び第2のデータ形式のメッセージを送信する、請求項2に記載の注文管理システム。
【請求項4】
前記注文管理装置は、格納した前記第1及び第2のデータ形式のメッセージを、所定時間経過後に削除する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の注文管理システム。
【請求項5】
前記第2の注文端末装置は、蓋体の開閉を検出する開閉検出部を備え、
前記開閉検出部の検出出力により、前記第2の注文端末装置が使用されている状態か否かを判別する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の注文管理システム。
【請求項6】
前記第2の注文端末装置は、前記通話装置が接続されているか否かを判別し、前記通話装置が接続されていない場合に、前記第2のデータ形式のメッセージを前記表示部に表示させる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の注文管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レストラン、居酒屋、カラオケ店など飲食物を提供する店舗では、フロアスタッフ(以下、単にスタッフという)が客から受けた注文をハンディターミナルと称される注文端末装置に入力し、入力された注文を注文端末装置から注文管理装置に送信する注文管理システムが提案されている(例えば特許文献1)。また、このような店舗では、インカムと呼ばれるヘッドセット型通話装置を装着したスタッフへ、品切れの情報やラストオーダーの連絡などを、店長が行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−176414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘッドセット型通話装置は、品切れの情報やラストオーダーの連絡など、リアルタイムで確認したい情報を伝達するのに使われる。しかしながら、ヘッドセット型通話装置を装着していると、客からの注文を聞くことが難しくなる。このため、スタッフが接客中で、客からの注文を聞いている間、スタッフは、ヘッドセット型通話装置を外していることが多い。ところが、ヘッドセット型通話装置を外していると、その間に、ヘッドセット型通話装置を使って品切れの情報やラストオーダーの連絡などが行われても、スタッフがその情報を聞き漏らし、連絡が行き渡らないことになる。このため、スタッフが客からの品切れの注文を受けてしまったり、ラストオーダーを過ぎて注文を受けてしまったりすることになる。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、通話装置を外しているときにも、通話装置により送受される音声情報を伝達することができる注文管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る注文管理システムは、音声再生可能な第1のデータ形式のメッセージを送信する第1の注文端末装置と、前記第1の注文端末装置とネットワークを介して接続され、表示部を備える第2の注文端末装置と、前記第2の注文端末装置と接続される通話装置と、前記ネットワークを介して接続され、前記第1の注文端末装置が送信した前記第1のデータ形式のメッセージを格納し、前記第1のデータ形式のメッセージを文字表示可能な第2のデータ形式のメッセージに変換し、前記第1のデータ形式のメッセージと前記第2のデータ形式のメッセージを前記第2の注文端末装置に送信する注文管理装置と、を備え、前記第2の注文端末装置は、前記第1及び第2のデータ形式のメッセージを取得し、取得した前記第1及び第2のデータ形式のメッセージを記憶し、当該第2の注文端末装置が使用されていない場合に前記第1のデータ形式のメッセージを前記通話装置から再生し、当該第2の注文端末装置が使用されている場合に前記第2のデータ形式のメッセージを前記表示部に表示させる。
本発明によれば、スタッフが通話装置を装着しているときには、音声メッセージを通話装置から聞くことができ、スタッフが通話装置を外して注文端末装置を使用中には、文字メッセージにより、音声メッセージの内容を確認できる。
【0007】
また、本発明の一態様に係る注文管理システムであって、前記注文管理装置は、メッセージと、使用者識別子と、未再生未読判定情報を対応付けて記憶する管理テーブルを有するようにしてもよい。
本発明によれば、管理テーブルを用いることで、どのスタッフがどのメッセージを未再生或いは未読であるかを確認できる。
【0008】
また、本発明の一態様に係る注文管理システムであって、使用者識別子を付加したメッセージ要求を受信すると、前記使用者識別子を送信した前記第2の注文端末装置に、前記使用者識別子に対応する第1及び第2のデータ形式のメッセージを送信するようにしてもよい。
本発明によれば、注文端末装置を使用するスタッフが要求するメッセージを送信することができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る注文管理システムであって、前記注文管理装置は、格納した前記第1及び第2のデータ形式のメッセージを、所定時間経過後に削除するようにしてもよい。
本発明によれば、注文端末装置を使用するスタッフが必要となるメッセージだけを残し、不要なメッセージを削除することができる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る注文管理システムであって、蓋体の開閉を検出する開閉検出部を備え、前記開閉検出部の検出出力により、前記第2の注文端末装置が使用されている状態か否かを判別するようにしてもよい。
本発明によれば、注文端末装置の蓋体の開閉を検出する開閉検出部の検出出力により、注文端末装置が使用されている状態かどうかが判別できる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る注文管理システムであって、前記通話装置が接続されているか否かを判別し、前記通話装置が接続されていない場合に、前記第2のデータ形式のメッセージを前記表示部に表示させるようにしてもよい。
本発明によれば、通話装置が接続されていない場合にも、文字メッセージにより、音声メッセージの内容を確認できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スタッフが通話装置を装着しているときには、第1のデータ形式のメッセージから音声でメッセージを聞くことができ、スタッフが通話装置を外して注文端末装置を使用中には、文字表示可能な第2のデータ形式のメッセージから、文字メッセージを読むことで、メッセージの内容を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る注文管理システムの概略構成図である。
図2】本実施形態に係る注文端末装置の概略のブロック図である。
図3】本実施形態に係る注文端末装置の外観構成を示す図である。
図4】本実施形態に係る音声メッセージを受信したときの表示部の表示の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係るヘッドセット型通話装置の概要を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係る注文管理装置の概略のブロック図である。
図7】本実施形態に係る注文管理システムにおいてメッセージの送受信を行うときの概略プロセスを示すシーケンス図である。
図8】本実施形態に係る注文管理システムにおいてメッセージの送受信を行うときの形態の説明図である。
図9】本実施形態に係る使用者IDを登録、注文管理システムにおいてメッセージを送受信するときの注文管理システムの処理を示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係る注文端末装置のメッセージを受信して確認した後に削除するまで処理を示すフローチャートである。
図11】本実施形態に係る注文管理システムにおける管理テーブルの一例を示す図である。
図12】本実施形態に係る注文管理システムにおいてメッセージを送受信するときの注文管理装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る注文管理システム1の概略構成図である。図1に示すように、注文管理システム1は、注文端末装置10−1〜10−n(nは1以上の整数)、無線中継装置20−1〜20−m(mは1以上の整数)、注文管理装置40、及び伝票出力装置50−o(oは1以上の整数)を備えている。注文端末装置10には、ヘッドセット型通話装置60−p(pは1以上の整数)(通話装置)を接続できる。無線中継装置20と注文管理装置40とは、ネットワーク30を介して接続されている。ここで、ネットワーク30は、例えばLAN(Local Area Network)等の有線ネットワークである。なお、ネットワーク30は、無線ネットワークであってもよい。
【0015】
以下の説明において、注文端末装置10−1〜10−nを特定しない場合、注文端末装置10という。無線中継装置20−1〜20−mを特定しない場合、無線中継装置20という。伝票出力装置50−oを特定しない場合、伝票出力装置50という。ヘッドセット型通話装置60−pを特定しない場合、ヘッドセット型通話装置60という。また、本実施形態では、注文端末装置10−1を店舗の店長やフロアマネージャー等が用いる送信側の注文端末装置10とし、他の端末(注文端末装置10−2〜10−n)をフロアスタッフ(以下、スタッフという)が用いる受信側の注文端末装置10とする。また、本実施形態では、ヘッドセット型通話装置60−1を店舗の店長やフロアマネージャー等が用いる送信側のヘッドセット型通話装置60とし、他のヘッドセット型通話装置60(ヘッドセット型通話装置60−2〜60−p)をスタッフが用いる受信側のヘッドセット型通話装置60とする。
【0016】
注文端末装置10は、無線中継装置20、ネットワーク30を介して注文管理装置40と通信を行う。
送信側の注文端末装置10は、店長やフロアマネージャーがヘッドセット型通話装置60を介して発生した音声信号である音声メッセージを取得し、取得した音声メッセージを無線中継装置20、ネットワーク30を介して注文管理装置40へ送信する。送信側の注文端末装置10が送信する音声メッセージには、例えばラストオーダーをとる指示、商品の残り数を示す情報、商品が品切れであることを示す情報等が含まれている。
【0017】
受信側の注文端末装置10は、スタッフが各種の入力キーにより入力又は選択された情報を検出し、検出した情報を無線中継装置20、ネットワーク30を介して注文管理装置40へ送信する。受信側の注文端末装置10が送信する情報は、新規注文開始を示す情報、追加注文を示す情報、商品名とその個数を示す情報、一連の注文が完了したことを示す情報等である。
【0018】
無線中継装置20は、送信側及び受信側の注文端末装置10が送信した情報を受信し、受信した情報を、ネットワーク30を介して注文管理装置40に送信する。また、無線中継装置20は、ネットワーク30を介して注文管理装置40が送信したお客が支払いを行うための伝票情報を受信し、受信した伝票情報を伝票出力装置50に送信する。
【0019】
また、注文端末装置10には、ヘッドセット型通話装置60を接続することができる。店長やフロアマネージャーが送信側のヘッドセット型通話装置60に音声メッセージを発話したとき、送信側のヘッドセット型通話装置60は、この音声メッセージを送信側の注文端末装置10に送信する。注文管理装置40は、受信した音声メッセージを、無線中継装置20を介して、受信側の注文端末装置10に送信する。受信側の注文端末装置10に受信側のヘッドセット型通話装置60が接続されていれば、受信側のヘッドセット型通話装置60で、この音声メッセージを聞くことができる。
【0020】
なお、注文端末装置10とヘッドセット型通話装置60との接続は、例えばBluetooth(登録商標) Low Energy(以下、BLEという)等の近距離無線通信が用いられる。また、注文端末装置10とヘッドセット型通話装置60とは、有線で接続してもよい。
【0021】
注文管理装置40は、無線中継装置20及びネットワーク30を介して、注文端末装置10からの情報を受信する。注文管理装置40は、受信した情報を自装置内に記憶させる。また、注文管理装置40は、無線中継装置20及びネットワーク30を介して、送信側の注文端末装置10からの音声メッセージを受信する。注文管理装置40は、音声認識により、音声メッセージを文字メッセージに変換する機能を有し、受信した音声メッセージを周知の手法によって文字メッセージに変換する。注文管理装置40は、音声メッセージと文字メッセージを、無線中継装置20及びネットワーク30を介して、受信側の注文端末装置10に送信する。
【0022】
伝票出力装置50は、注文管理装置40から受信した情報に応じて、お客が支払いを行うための伝票を発行する。伝票出力装置50は、例えばプリンタである。
【0023】
図2は、本実施形態に係る注文端末装置10の概略のブロック図である。図2に示すように、注文端末装置10は、CPU(中央演算処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、不揮発性メモリ104、表示部105、入力部106、通信制御部107、近距離無線通信部108、及び開閉検出部109を備えている。
【0024】
CPU101は、ROM102が記憶する制御プログラムと、RAM103及び不揮発性メモリ104が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。また、CPU101は、必要な情報をRAM103及び不揮発性メモリ104に記憶させる。CPU101は、バスを介して注文端末装置10が備える各部と互いにデータの入出力が可能な状態で接続している。CPU101は、入力部106が検出した入力情報をRAM103に記憶させる。またCPU101は、入力部106が検出した入力情報を表示部105に表示させる。
【0025】
ROM102は、CPU101が用いる制御プログラムを記憶する記憶領域である。RAM103は、CPU101が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。不揮発性メモリ104は、CPU101が用いる情報を記憶する記憶領域である。また、不揮発性メモリ104は、注文端末装置10が使用されていないとき、注文管理装置40が送信した音声メッセージを受信した時刻と関連付けて記憶する。不揮発性メモリ104は、例えばフラッシュメモリ等である。
【0026】
表示部105は、CPU101の制御に応じて各種情報を表示する。表示部105は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ等である。
【0027】
入力部106は、スタッフにより操作されたキーを検出し、検出したキーを示す情報をCPU101に出力する。また、表示部105上には、タッチパネルが設けられる。入力部106は、このタッチパネルからの入力を含んでいる。
【0028】
通信制御部107は、CPU101から出力された入力情報を無線中継装置20に送信する。また、通信制御部107は、無線中継装置20から受信した信号をCPU101に出力する。近距離無線通信部108は、例えばBLE等の近距離無線通信により、注文端末装置10とヘッドセット型通話装置60とを無線で接続する。
【0029】
開閉検出部109は、注文端末装置10の蓋体の開閉を検出する。開閉検出部109としては、例えば、注文端末装置10の本体と蓋体とに互いに対向するように導体を取り付け、注文端末装置10の蓋体の開閉に応じて、互いの導体を接触および離間させるように、電気的なスイッチを構成することで実現できる。また、開閉検出部109は、注文端末装置10に、蓋体のヒンジと連動して開閉するスイッチを設けることで実現できる。
【0030】
図3は、本実施形態に係る注文端末装置10の外観構成を示す。図3に示すように、注文端末装置10は、開閉自在の蓋体110により、本体111を覆う構成となっている。注文端末装置10の本体111には、表示部105、開始キー106−1、終了キー106−2、テンキー106−3等が配置される。
【0031】
表示部105には、各種の情報が表示される。開始キー106−1は、注文の入力を開始するキーである。終了キー106−2は、注文の入力を終了するキーである。テンキー106−3は、商品の個数等の数字を入力するキーである。
【0032】
蓋体110には、メニューキー106−4等が配置される。メニューキー106−4は、客へ提供する商品を選択するキーである。また、表示部105上にはタッチパネルが装着されており、このタッチパネルにより、各種の入力を行うことができる。
【0033】
図4は、本実施形態に係る音声メッセージを受信したときの表示部105の表示の一例を示す図である。開閉検出部109が出力する検出結果に基づいて注文端末装置10が使用されているとCPU402が検出した場合、図4に示すように、表示部105の最上部には、注文管理装置40が送信した文字メッセージ150が表示される。また、表示部105には、再生ボタン151と削除ボタン152が表示される。なお、後述するように、開閉検出部109が出力する検出結果に基づいて注文端末装置10が使用されていないとCPU402が検出した場合、CPU402は、表示部105の最上部に文字メッセージ150を表示せず、注文管理装置40が送信した音声メッセージをヘッドセット型通話装置60へ送信する。
【0034】
ここで、再生ボタン151が押されると、受信側の注文端末装置10のCPU101は、不揮発性メモリ104から音声メッセージが読み出し、読み出した音声メッセージをヘッドセット型通話装置60に出力する。削除ボタン152が押されると、CPU101は、不揮発性メモリ104が記憶する音声メッセージ及び文字メッセージのうち、少なくとも選択された音声メッセージ及び文字メッセージを消去する。なお、これらの動作については、後述する。
【0035】
なお、不揮発性メモリ104が複数の音声メッセージを記憶している場合、CPU101は時刻が最も新しい音声メッセージが読み出すようにしてもよく、または時刻の新しい順に所定の個数の音声メッセージが読み出して表示部105に表示し、利用者が複数のメッセージの中から選択したメッセージに対して再生ボタン151、削除ボタン152を表示するようにしてもよい。なお、表示部105の最上部の領域には限りがあり、メッセージが長い場合には、この領域にメッセージの文字を全て表示できないことがある。この場合は、文字が流れるように、メッセージの文字を表示してもよく、文字メッセージのうち先頭から所定の文字数であってもよい。
【0036】
図5は、本実施形態に係るヘッドセット型通話装置60の概要を示すブロック図である。図5に示すように、ヘッドセット型通話装置60は、近距離無線通信部601、音声処理部602、マイクロホン603、及びスピーカ604を備えている。
近距離無線通信部601は、例えばBLE等の近距離無線通信により、注文端末装置10と無線で接続する。近距離無線通信部601は、注文端末装置10が送信した音声メッセージを受信し、受信した音声メッセージを音声処理部602に出力する。また、近距離無線通信部601は、音声処理部602が出力した音声メッセージを注文端末装置10へ送信する。
【0037】
音声処理部602は、マイクロホン603から入力されたアナログ信号の音声信号をA/D(アナログ−デジタル)変換して音声信号処理を行い、音声信号処理した音声メッセージを近距離無線通信部601に出力する。また、音声処理部602は、近距離無線通信部601が出力したデジタル信号の音声メッセージをD/A(デジタル−アナログ)変換して、スピーカ604に出力する。マイクロホン603は、入力された話者の音声を音声信号に変換して音声処理部602に入力する。スピーカ604は、音声処理部602が出力する音声メッセージを音声信号として出力する。
【0038】
次に、注文管理装置40の構成について説明する。図6は、本実施形態に係る注文管理装置40の概略のブロック図である。図6に示すように、注文管理装置40は、通信制御部401、CPU402、ROM403、RAM404、不揮発性メモリ405、及び表示部406を備えている。なお、注文管理装置40は、操作部407を備えていてもよい。なお、操作部407は、例えば機械式のキーであってもよく、表示部406上にタッチパネルとして組み込まれていてもよい。
【0039】
通信制御部401は、無線中継装置20及びネットワーク30を介して注文端末装置10から受信した入力情報を、CPU402に出力する。なお、入力情報には、音声メッセージが含まれる。通信制御部401は、CPU402が出力した出力情報を、ネットワーク30、無線中継装置20を介して伝票出力装置50へ送信する。なお、出力情報には、音声メッセージと文字メッセージが含まれている。
【0040】
CPU402は、ROM403が記憶する制御プログラムと、RAM404及び不揮発性メモリ405が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。CPU402は、バスを介して注文管理装置40が備える各部と互いにデータの入出力が可能な状態で接続している。CPU402は、無線中継装置20、ネットワーク30及び通信制御部401を介して注文端末装置10から入力情報を受信する。CPU402は、受信した音声メッセージに対して周知の手法を用いて音声認識を行い、音声メッセージを文字メッセージに変換する。CPU402は、変換した文字メッセージに音声メッセージを関連付けて、通信制御部401に出力する。
【0041】
ROM403は、CPU402が用いる制御プログラムを記憶する記憶領域である。RAM404は、CPU402が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。不揮発性メモリ405は、音声メッセージや文字メッセージ等の情報を記憶するようにしてもよい。不揮発性メモリ405としては、フラッシュメモリやハードディスクメモリが用いられる。
【0042】
表示部406は、CPU402の制御に応じて各種情報を表示する。表示部406は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイである。
【0043】
上述のように、本実施形態に係る注文管理システム1では、注文端末装置10にヘッドセット型通話装置60を接続することで、各スタッフ間で、音声メッセージを送受できる。図7は、本実施形態に係る注文管理システム1においてメッセージの送受信を行うときの概略プロセスを示すシーケンス図である。なお、図7に示す例では、注文端末装置10−1、10−2、10−3、10−4が使用されているとする。
【0044】
注文管理システム1においてメッセージの送受信を行うときの処理手順の一例を説明する。
(ステップS1)注文端末装置10−1のスタッフがヘッドセット型通話装置60のマイクロホン603に向かって音声でメッセージを発話する。続けて、ヘッドセット型通話装置60は、注文端末装置10−1に音声メッセージを送信する。続けて、注文端末装置10−1は、音声メッセージ(第1のデータ形式のメッセージ)を注文管理装置40に送信する。
【0045】
(ステップS2)注文管理装置40は、注文端末装置10−1からの音声メッセージを受信すると、この音声メッセージを記憶する。
(ステップS3)注文管理装置40は、受信した音声メッセージの音声認識を行い、音声メッセージを文字メッセージ(第2のデータ形式のメッセージ)に変換する。
(ステップS4)注文管理装置40は、この音声メッセージと文字メッセージとを、注文端末装置10−2、10−3、10−4に送信する。
【0046】
(ステップS5)注文端末装置10−2のCPU101は、メッセージを受信する。
(ステップS6)注文端末装置10−2のCPU101は、受信した音声メッセージと文字メッセージとを記憶する。
(ステップS7)注文端末装置10−2のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60が接続されているか否かを判別する。注文端末装置10−2のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60が接続されていると判別した場合(ステップS7;YES)、ステップS8の処理に進め、ヘッドセット型通話装置60が接続されていないと判別した場合(ステップS7;NO)、ステップS12の処理に進める。
【0047】
(ステップS8)注文端末装置10−2のCPU101は、蓋体110が開かれている状態であるか否かを判別することで、注文端末装置10が使用されている状態であるか否かを判別する。注文端末装置10−2は、蓋体110が開かれている状態であると判別した場合(ステップS8;YES)、ステップS9の処理に進め、蓋体110が開かれていない状態であると判別した場合(ステップS8;NO)、ステップS11の処理に進める。
【0048】
(ステップS9)注文端末装置10−2のCPU101は、表示部105に、文字メッセージを表示する。
【0049】
(ステップS10)注文端末装置10−2のCPU101は、再生ボタン151(図4参照)が押されたか否かを判別する。注文端末装置10−2のCPU101は、再生ボタン151が押されたと判別した場合(ステップS10;YES)、ステップS11の処理に進め、再生ボタン151が押されていないと判別した場合(ステップS10;NO)、ステップS10の処理を繰り返す。
【0050】
(ステップS11)注文端末装置10−2のCPU101は、音声メッセージをヘッドセット型通話装置60へ送信する。続けて、ヘッドセット型通話装置60は、スピーカ604から、音声メッセージを再生する。再生後、注文端末装置10−2のCPU101は、処理を終了する。
(ステップS12)注文端末装置10−2のCPU101は、表示部105に、文字メッセージを表示する。表示後、注文端末装置10−2のCPU101は、処理を終了する。
【0051】
(ステップS13)注文端末装置10−3のCPU101は、ステップS5〜S12の処理を行う。再生後、注文端末装置10−3のCPU101は、処理を終了する。
(ステップS14)注文端末装置10−4のCPU101は、ステップS5〜S12の処理を行う。再生後、注文端末装置10−4のCPU101は、処理を終了する。
【0052】
以下に具体例を、図7を参照しつつ説明する。
図8は、本実施形態に係る注文管理システム1においてメッセージの送受信を行うときの形態の説明図である。図8(A)に示すように、注文端末装置10−1(第1の注文端末装置)は送信側の端末であり、注文端末装置10−1のスタッフは、ヘッドセット型通話装置60のマイクロホン603に向かって、音声メッセージを発話している。他の注文端末装置10−2、10−3、10−4(第2の注文端末装置)は、受信側の端末である。また、図8(B)に示すように、注文端末装置10−2には、ヘッドセット型通話装置60が接続されていない。ここでは、注文端末装置10−2の蓋体110は開かれているが、注文端末装置10−2の蓋体110は閉じられていてもよい。図8(C)に示すように、注文端末装置10−3にはヘッドセット型通話装置60が接続されており、また、注文端末装置10−3の蓋体110は閉じていて、注文端末装置10−3が使用されていない。このとき、注文端末装置10−3のスタッフは、ヘッドセット型通話装置60を装着している。図8(D)に示すように、注文端末装置10−4にはヘッドセット型通話装置60が接続されており、また、注文端末装置10−4の蓋体110は開いていて、注文端末装置10−3が使用されている。注文端末装置10−4のスタッフは、ヘッドセット型通話装置60を装着または外して、注文端末装置10−4を使用して、顧客の注文を聞いている状態である。
【0053】
図8(B)に示したように、注文端末装置10−2にヘッドセット型通話装置60が接続されていないので、注文端末装置10−2のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60が接続されていないと判別する(ステップS7:NO)。続けて、注文端末装置10−2のCPU101は、注文端末装置10−2の表示部105に、文字メッセージが表示される(ステップS9)。続けて、再生ボタンが押された場合(ステップS10;YES)、注文端末装置10−2のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、音声メッセージを再生する(ステップS11)。
【0054】
注文端末装置10−3のCPU101は、注文端末装置10−2のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60が接続されていると判別する(ステップS7:YES)。続けて、注文端末装置10−3のCPU101は、図8(C)に示したように、注文端末装置10−3の蓋体110は閉じられているので、蓋体110が開かれている状態ではないと判別する(ステップS8;NO)。続けて、注文端末装置10−3のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、音声メッセージを再生する(ステップS11)。
【0055】
注文端末装置10−4のCPU101は、図8(D)に示したように、注文端末装置10−4にはヘッドセット型通話装置60が接続されているので、ヘッドセット型通話装置60が接続されていると判別する(ステップS7:YES)。続けて、注文端末装置10−4のCPU101は、図8(D)に示したように、注文端末装置10−3の蓋体110は開かれているので、蓋体110は開かれていると判別する(ステップS8:YES)。続けて、注文端末装置10−4のCPU101は、注文端末装置10−4の表示部105に、文字メッセージを表示する(ステップS9)。また、再生ボタン151が押されると(ステップS10:YES)、注文端末装置10−4のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、音声メッセージを再生する(ステップS11)。
【0056】
このように、本実施形態では、送信側の注文端末装置10−1からの音声メッセージを、注文管理装置40が、音声認識により文字メッセージに変換する。そして、注文管理装置40は、音声メッセージと文字メッセージを、受信側の各注文端末装置10−2、10−3、10−4に送信する。受信側の各注文端末装置10−2、10−3、10−4のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60が接続されているか否かを判別し、ヘッドセット型通話装置60が接続されていれば、蓋体110が開かれている状態か否か、すなわち注文端末装置10が使用されているか否かを判別する。そして、CPU101は、受信側の各注文端末装置10−3、10−4は、蓋体110が閉じられていて、注文端末装置10が使用されていない状態であれば、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、音声メッセージを出力する。CPU101は、蓋体110が開かれていて、注文端末装置10が使用されていない状態であれば、表示部105に文字メッセージを表示する。これにより、スタッフが注文端末装置10を使用中で、ヘッドセット型通話装置60を外している場合でも、そのスタッフは音声メッセージを聞き漏らすことがなくなり、店長やフロアマネージャーが各スタッフに音声メッセージを確実に伝えることができる。
【0057】
例えば、枝豆が品切れになった場合、店長やフロアマネージャーは、注文端末装置10−1から、「枝豆が品切れです」の音声メッセージを発声する。注文端末装置10−1は、この音声メッセージを、注文管理装置40に送信する。注文管理装置40は、音声認識により、この「枝豆が品切れです」の音声メッセージを文字メッセージに変換する。そして、注文管理装置40は、この「枝豆が品切れです」の音声メッセージと文字メッセージを、他のスタッフの注文端末装置10−2、10−3、10−4に送信する。注文端末装置10−2にヘッドセット型通話装置60が接続されていなくても、注文端末装置10−2を使用しているスタッフは、表示部105の「枝豆が品切れです」の文字メッセージから、商品の品切れを確認できる。注文端末装置10−3を使用しているスタッフは、ヘッドセット型通話装置60を装着中であり、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、「枝豆が品切れです」の音声メッセージをリアルタイムに聞くことができる。注文端末装置10−4を使用しているスタッフが接客中で、ヘッドセット型通話装置60を外していても、注文端末装置10−4を使用しているスタッフは、表示部105の「枝豆が品切れです」の文字メッセージから、枝豆の品切れを確認できる。これにより、全てのスタッフが品切れの状況を確認でき、接客途中のテーブルでも、オーダーミスがなくなる。また、例えばスタッフが休憩中であり、注文端末装置10を使用していず、さらにヘッドセット型通話装置60も使用していない状態であっても、スタッフは、注文端末装置10に記憶されている音声メッセージを休憩から戻った後に再生することで、休憩中に店長やフロアマネージャーからの指示を確認することができる。
【0058】
また、例えばラストオーダーの時間になると、店長やフロアマネージャーは、注文端末装置10−1から、「ラストオーダーを取って下さい」の音声メッセージを発声する。注文管理装置40は、音声認識により、この「ラストオーダーを取って下さい」の音声メッセージを文字メッセージに変換する。そして、注文管理装置40は、この「ラストオーダーを取って下さい」の音声メッセージと文字メッセージを、他のスタッフの注文端末装置10−210−3、10−4に送信する。注文端末装置10−2にヘッドセット型通話装置60が接続されていなくても、注文端末装置10−2を使用しているスタッフは、表示部105の「ラストオーダーを取って下さい」の文字メッセージから、ラストオーダーであることを確認できる。注文端末装置10−3を使用しているスタッフは、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、「ラストオーダーを取って下さい」の音声メッセージをリアルタイムに聞くことができる。注文端末装置10−4を使用しているスタッフが接客中で、ヘッドセット型通話装置60を外していても、注文端末装置10−4を使用しているスタッフは、表示部105の「ラストオーダーを取って下さい」の文字メッセージから、ラストオーダーを確認できる。これにより、ラストオーダーの時間後に、余分なオーダーを受け付けることがなくなる。
【0059】
そして、ラストオーダーを受け付けると、注文端末装置10のラストオーダーボタンをスタッフが入力する。ラストオーダーボタンが入力された後、注文端末装置10は、ラストオーダーボタンが押されたテーブルに対して、その後のオーダーを受け付けない。ここで、例えば、注文端末装置10−4を使用しているスタッフが接客中に、ラストオーダーの音声メッセージを聞き逃してしまい、ラストオーダーボタンの入力を行わないと、ラストオーダーの時間後の余分なオーダーを受け付けてしまうことになる。本実施形態では、注文端末装置10−4を使用しているスタッフが接客中であっても、文字メッセージからラストオーダーを確認できる。このため、注文端末装置10−4を使用しているスタッフは、ヘッドセット型通話装置60からの音声メッセージを聞かなくても、接客中のテーブルについて、ラストオーダーボタンの入力を行うことができる。これにより、ラストオーダー後の余分なオーダーを受け付けてしまうことが回避できる。
【0060】
図9は、本実施形態に係る使用者IDを登録、メッセージを送受信するときの注文管理システム1の処理を示すフローチャートである。
レストランや居酒屋での実際の運用では、スタッフの勤務シフトにより、ひとつの注文端末装置10を複数のスタッフが使用することが考えられる。このため、勤務を開始するときに、各スタッフは、スタッフ登録を行う。なお、スタッフ登録は、例えば注文端末装置10で、登録ボタンを押した後、スタッフを識別する使用者IDを入力することで行う。
【0061】
(ステップS101)スタッフは、注文端末装置10の入力部106を操作して、使用者IDを入力する。続けて、注文端末装置10のCPU101は、入力部106から入力された使用者IDを読み込む。なお、スタッフが所持するIDカードにICチップ等が埋め込まれていたり近距離通信が可能なチップが埋め込まれている場合、注文端末装置10は、IDカードから使用者IDを読み取るようにしてもよい。
【0062】
(ステップS102)CPU101は、機器IDを読み込む。
(ステップS103)CPU101は、通信制御部107を介して、使用者ID及び機器IDを注文管理装置40に送信する。
【0063】
(ステップS104)注文管理装置40のCPU402は、不揮発性メモリに記憶されている情報を受信した使用者IDを用いて参照し、受信した使用者IDの未読のメッセージが有るか否かを判別する。なお、注文端末装置10のCPU101は、ヘッドセット型通話装置60へ直接音声メッセージを送信した場合、および注文端末装置10に記憶された音声メッセージが再生された場合、メッセージが既読であることを示す再生情報、またはメッセージを削除したことを示す削除情報を注文管理装置40へ送信する。なお、再生情報と削除情報については、後述する。そして、CPU402は、受信した削除情報及び再生情報に基づいて、使用者ID毎にメッセージ(音声メッセージ、文字メッセージ)が既読であるか未読であるかを不揮発性メモリに記憶する。注文管理装置40のCPU402は、未読のメッセージが有ると判別した場合(ステップS104;YES)、ステップS105に処理を進め、未読のメッセージが無いと判別した場合(ステップS104;NO)、処理を終了する。
【0064】
(ステップS105)注文管理装置40のCPU402は、未読のメッセージを、受信した機器IDの注文端末装置10へ送信する。なお、CPU402は、未読メッセージうち、現在時刻から所定の時間(例えば60分)以内の未読のメッセージのみを送信するようにしてもよい。
(ステップS106)注文端末装置10のCPU101は、注文管理装置40が送信した未読のメッセージを受信する。CPU101は、処理を終了する。
なお、注文端末装置10及び注文管理装置40は、処理終了後、注文端末装置10−1から音声メッセージが送信された場合、図7に示したステップS1〜S11の処理を行う。
【0065】
ここで、具体例を説明する。例えば、注文端末装置10の蓋を閉じたままの状態が継続した後に注文端末装置10の利用者であるスタッフが蓋を開けたときや、注文端末装置10の電池が消耗して交換した後にスタッフが自分のIDを入力したときに、CPU101は、上述したステップS104とステップS105の処理により、未読のメッセージを受信した機器IDの注文端末装置10へ送信する。これにより、スタッフは、仕事始めの時や休憩後や交換後等に、注文管理装置に蓄積された音声メッセージ等をまとめて確認することができる。
【0066】
図10は、本実施形態に係る注文端末装置10のメッセージを受信して確認した後に削除するまで処理を示すフローチャートである。なお、注文端末装置10のCPU101は、ステップS201〜S216の処理を、例えばメッセージの受信毎に行う。
(ステップS201)CPU101は、通信制御部107から、音声メッセージ及び文字メッセージを受信する。
(ステップS202)この音声メッセージ及び文字メッセージを不揮発性メモリ104に記憶する。
(ステップS203)CPU101は、ヘッドセット型通話装置60が接続されているか否かを判別する。ヘッドセット型通話装置60が接続されているか否かは、例えば、近距離通信のペアリングが行われているかどうかにより判別できる。CPU101は、ヘッドセット型通話装置60が接続されていると判別した場合(ステップS203;YES)、ステップS208の処理に進め、ヘッドセット型通話装置60が接続されていないと判別した場合(ステップS203;NO)、ステップS204の処理に進める。
【0067】
(ステップS204)CPU101は、不揮発性メモリ104から音声メッセージを読み出し、表示部105に文字メッセージを表示する。
(ステップS205)CPU101は、削除ボタン152が押されたか否かを判別する。CPU101は、削除ボタン152が押されたと判別した場合(ステップS205;YES)、ステップS206に処理を進め、削除ボタン152が押されていないと判別した場合(ステップS205;NO)、ステップS204に処理を戻り、文字メッセージを表示させる。
【0068】
(ステップS206)CPU101は、不揮発性メモリ104から音声メッセージ及び文字メッセージを削除する。
(ステップS207)CPU101は、注文管理装置40に、削除情報を送信する。CPU101は、ステップS207終了後、処理を終了する。
【0069】
(ステップS208)CPU101は、開閉検出部109の検出出力から、蓋体110が開かれている状態であるか否かを判別することで、注文端末装置10が使用されているか否かを判別する。CPU101は、蓋体110が開かれている状態であると判別した場合(ステップS208;YES)、ステップS210の処理に進め、蓋体110が開かれている状態ではないと判別した場合(ステップS208;NO)、ステップS209の処理に進める。
【0070】
(ステップS209)CPU101は、不揮発性メモリ104から音声メッセージを読み出し、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、音声メッセージを再生する。
(ステップS210)CPU101は、不揮発性メモリ104から音声メッセージを読み出し、表示部105に文字メッセージを表示する。
【0071】
(ステップS211)CPU101は、再生ボタン151が押されたか否かを判別する。CPU101は、再生ボタン151が押されたと判別した場合(ステップS211;YES)、ステップS212に処理を進め、再生ボタン151が押されていないと判別した場合(ステップS211;NO)、ステップS214に処理を進める。
【0072】
(ステップS212)CPU101は、不揮発性メモリ104から音声メッセージを読み出し、ヘッドセット型通話装置60のスピーカ604から、音声メッセージを再生する。(ステップS213)CPU101は、メッセージを再生すると、注文管理装置40に、再生情報を送信する。CPU101は、ステップS213終了後、処理を終了する。
【0073】
(ステップS214)CPU101は、削除ボタン152が押されたか否かを判別する。CPU101は、削除ボタン152が押されたと判別した場合(ステップS214;YES)、ステップS215に処理を進め、削除ボタン152が押されていないと判別した場合(ステップS214;NO)、ステップS210に処理を戻り、文字メッセージを表示させる。
【0074】
(ステップS215)CPU101は、不揮発性メモリ104から音声メッセージ及び文字メッセージを削除する。
(ステップS216)CPU101は、メッセージを削除すると、注文管理装置40に、削除情報を送信する。CPU101は、ステップS216終了後、処理を終了する。
【0075】
次に、メッセージを送受信するときの注文管理装置40の処理手順を説明する。
まず、注文管理装置40が使用する管理テーブルについて説明する。ここで、管理テーブルは、メッセージを管理するためのテーブルであり、不揮発性メモリ405に設けられる。図11は、本実施形態に係る注文管理システム1における管理テーブルの一例を示す図である。
【0076】
図11に示すように、管理テーブルには、メッセージに対応付けて、メッセージの時刻、機器ID、使用者ID、再生情報、削除情報が格納される。機器IDは、注文端末装置10の固有の識別子である。使用者IDは、注文端末装置10を使用するスタッフの固有の識別子である。再生情報は、注文端末装置10の再生ボタン151が押されたかどうかを識別する情報である。再生ボタン151が押されたら、再生情報は「1」となり、再生ボタン151が押されていなければ、再生情報は「0」となる。削除情報は、注文端末装置10の削除ボタン152が押されたかどうかを識別する情報である。削除ボタン152が押されたら、削除情報は「1」となり、削除ボタン152が押されていなければ、削除情報は「0」となる。例えば、管理テーブルには、17時45分に登録されたメッセージ3に、注文端末装置10−1の使用者(ID=Aさん)が、メッセージを再生も削除しておらず、注文端末装置10−2の使用者(ID=Jさん)は、再生していて且つ削除もしていることが対応付けられて記憶され、管理されている。また、管理テーブルには、一番遅い時間の18時40分に登録されたメッセージ6に、注文端末装置10−1の使用者(ID=Gさん)が、メッセージを再生した(既読、既再生)が削除しておらず、注文端末装置10−2の使用者(ID=Jさん)は、再生も削除もしていない(未読、未再生)ことが対応付けられて記憶され、管理されている。
【0077】
図9におけるステップS104で示したように、各スタッフは、注文端末装置10の使用を開始する際に、機器IDと使用者IDとを注文管理装置40に送信する。注文管理装置40は、注文端末装置10からの使用者ID及び機器IDを受信して、管理テーブルの使用者IDと機器IDとの項目を更新する。
【0078】
次に、注文管理装置40の処理手順の一例を説明する。
図12は、メッセージを送受信するときの注文管理装置40の処理を示すフローチャートである。なお、CPU402は、ステップS301〜S312の処理を、使用者IDの受信毎に行う。
【0079】
(ステップS301)注文管理装置40のCPU402は、通信制御部401で注文端末装置10から送られてきた機器ID及び使用者IDを受信する。
(ステップS302)CPU402は、管理テーブルの更新を行う。続けて、CPU402は、受信した機器IDや使用者IDに基づき、管理テーブルにおいて再生情報または削除情報のうち少なくとも1つが「0」のメッセージを、「0」が記憶されている機器IDに対応する注文端末装置10に対して送信する。
【0080】
(ステップS303)CPU402は、注文端末装置10から送られてきた音声メッセージを受信したか否かを判別する。CPU402は、音声メッセージを受信したと判別した場合(ステップS303;YES)、ステップS304に処理を進め、音声メッセージを受信していないと判別した場合(ステップS303;NO)、ステップS309に処理を進める。
(ステップS304)CPU402は、受信した音声メッセージを記憶する。
【0081】
(ステップS305)CPU402は、この音声メッセージを音声認識により文字メッセージに変換する。
(ステップS306)CPU402は、音声認識して生成された文字メッセージを不揮発性メモリ405に記憶する。
(ステップS307)CPU402は、この音声メッセージ及び文字メッセージを、送信側の注文端末装置10以外の全ての受信側の注文端末装置10に送信する。
(ステップS308)CPU402は、このときのメッセージ及びメッセージの送信時刻に基づいて、管理テーブルのメッセージ及び時刻の項目を更新する。CPU402は、ステップS308終了後、処理を終了する。
【0082】
(ステップS309)CPU402は、注文端末装置10から再生情報を受信したか否かを判別する。CPU402は、再生情報を受信したと判別した場合(ステップS309;YES)、ステップS310に処理を進め、再生情報を受信していないと判別した場合(ステップS309;NO)、ステップS311に処理を進める。
(ステップS310)CPU402は、管理テーブルの再生情報の項目を更新する。CPU402は、ステップS310終了後、処理を終了する。
【0083】
(ステップS311)CPU402は、注文端末装置10から削除情報を受信したか否かを判別する。CPU402は、削除情報を受信したと判別した場合(ステップS311;YES)、ステップS312に処理を進め、削除情報を受信していないと判別した場合(ステップS311;NO)、ステップS301に処理を戻す。
(ステップS312)CPU402は、管理テーブルの再生情報の項目を更新する(ステップS312)。
【0084】
このように、図10におけるステップS213で示したように、注文端末装置10で再生ボタン151が押されると、注文端末装置10から注文管理装置40に、再生情報が送信される。注文管理装置40のCPU402は、この再生情報を受信すると、管理テーブルの再生情報を例えば「1」に更新する。また、図10におけるステップS216で示したように、注文端末装置10で削除ボタン152が押されると、注文端末装置10から注文管理装置40に、削除情報が送信される。注文管理装置40のCPU402は、この削除情報を受信すると、管理テーブルの削除情報を例えば「1」に更新する。
【0085】
これら再生情報や削除情報は、スタッフがメッセージを未読或いは未再生の再生未読判定情報として用いることができる。すなわち、スタッフがメッセージを読んでいる或いは再生していれば、そのスタッフは、注文端末装置10の再生ボタン151又は削除ボタン152を操作している。注文端末装置10の再生ボタン151と削除ボタン152との何れも操作していなければ、そのスタッフは、メッセージを未読或いは未再生であると判別できる。
【0086】
例えば、注文管理装置40は、図11に示す管理テーブルから、再生情報及び削除情報を解析することで、どのスタッフがどのメッセージが未読或いは未再生であるかを判別し、店長やフロアマネージャーの注文端末装置10に送る。これにより、店長やフロアマネージャーは、どのスタッフがどのメッセージが未読或いは未再生であるかを把握できる。一例として、店長やフロアマネージャーが注文端末装置10で確認することで、18時40分に登録されたメッセージ6を注文端末装置10−2の使用者(ID=Jさん)が再生も削除もしていない(未読、未再生)ことを把握することができる。これにより、店長やフロアマネージャーは、注文端末装置10−2の使用者(ID=Jさん)にメッセージの再生を促す等の指示を行うことができるので、業務への支障を回避することができる。
【0087】
また、注文管理装置40は、図11に示す管理テーブルから、再生情報及び削除情報が例えば「0」であるものを検索し、メッセージの時刻から所定時間経過しても、再生情報及び削除情報が共に例えば「0」である注文端末装置10に、確認メッセージを送るようにしてもよい。
【0088】
また、注文端末装置10や注文管理装置40に蓄積されているメッセージは、所定時間経過後、例えば1時間経過後、注文端末装置10の不揮発性メモリ104や注文管理装置40の不揮発性メモリ405から削除するようにしてもよい。このように、メッセージを所定時間経過後に削除しておくと、各スタッフは、必要なメッセージだけを再生することができる。
【0089】
例えば、開店が19時の店で仕事始めが21時のスタッフにとって、例えば1時間前までのメッセージは有用であるが、開店当初のメッセージは、殆どが不要である。注文端末装置10や注文管理装置40に全てのメッセージを蓄積しておくと、仕事始めが21時のスタッフが注文管理装置40を使い始めたときに、開店当初の不要なメッセージから聞くことになってしまう。また、メッセージを全て削除してしまうと、直前の有用なメッセージを聞き漏らしてしまう。これに対して、例えば、1時間でメッセージを削除するようにすれば、仕事始めが21時のスタッフが注文端末装置10を使い始めた時、21時になった時点では20時より前の不必要なメッセージは削除されているが、1時間前までのメッセージは保存されていることになる。このため、このスタッフは、例えば、20時〜21時の有用なメッセージだけを再生することができる。同様に、注文端末装置10や注文管理装置40に蓄積されているメッセージを所定時間経過後に削除するようにすれば、各スタッフは、休憩中のメッセージを聞くことができる。
【0090】
また、使用者IDと再生情報及び削除情報とを対応付けておくと、再生情報及び削除情報から未読或いは未再生のメッセージを判別できる。このため、例えば注文端末装置10が故障や電池切れした場合に、他の注文端末装置10に交換した場合であっても、すでに再生したメッセージが再度表示されることがない。
【0091】
また、レストランや居酒屋での実際の運用では、スタッフの勤務シフトにより、ひとつの注文端末装置10を複数のスタッフが使用することが考えられる。この場合、次に、勤務に入るスタッフにとっても、直近のメッセージは有用である。そこで、勤務に入るスタッフが注文端末装置10の使用を開始した際に、スタッフが注文端末装置10を操作して、注文管理装置40に、使用者IDと機器IDとを付加したメッセージ要求を行うようにしてもよい。
【0092】
注文管理装置40は、使用者IDと機器IDとを付加したメッセージ要求を受信すると、図11に示した管理テーブルの使用者IDと機器IDとから、そのスタッフが使用する注文端末装置10を特定する。そして、注文管理装置40は、管理テーブルの再生情報及び削除情報から、未読或いは未再生のメッセージを特定し、所定時間以内にそのスタッフが未読或いは未再生のメッセージを検索する。そして、所定時間以内に未読或いは未再生のメッセージがあれば、注文管理装置40は、この未読の音声メッセージと文字メッセージとを不揮発性メモリ405から読み出し、使用者IDと機器IDとに対応する注文端末装置10に送信する。
【0093】
また、上述の例では、スタッフがヘッドセット型通話装置60のマイクロホン603に向かって音声で発音して、音声メッセージを入力しているが、注文端末装置10からテキスト入力、又は注文端末装置10のボタン等に割り当てられている定型文を音声として選択するようにしてもよい。テキストメッセージの場合、注文管理装置40がテキストを音声に変換して、注文端末装置10へ送信するようにしてもよい。
【0094】
なお、上述した例では、店長やフロアマネージャーが使用する注文端末装置10から音声メッセージを注文管理装置40へ送信する例を説明したが、これに限られない。例えば、スタッフから店長、フロアマネージャー、または他のスタッフへの連絡事項がある場合、スタッフが受信側のヘッドセット型通話装置60に音声メッセージを発話したとき、受信側のヘッドセット型通話装置60は、この音声メッセージを受信側の注文端末装置10に送信するようにしてもよい。そして、受信側の注文端末装置10は、受信した音声メッセージを、無線中継装置20を介して注文管理装置40に送信するようにしてもよい。なお、連絡事項とは、例えば、食器を落としてしまったので掃除の応援を依頼する場合や、トラブルが発生した場合等の連絡である。
【0095】
なお、注文管理システム1の全部又は一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(或いは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0096】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1…注文管理システム、10、10−1〜10−n…注文端末装置、20、20−1〜20−m…無線中継装置、30…ネットワーク、40…注文管理装置、50、50−1〜50−o…伝票出力装置、60、60−1〜60−p…ヘッドセット型通話装置、101、402…CPU、150:文字メッセージ、151…再生ボタン、152…削除ボタン、603…マイクロホン、604…スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12