(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る表示処理装置における画像表示画面を示す図である。
図1に示す画像表示画面1は、本実施形態に係る表示処理装置10と接続される表示装置(ディスプレイ)に表示される。
画像表示画面1は、複数のレイヤーを含むフレームを含む動画像の編集データ(本実施形態では一例として「プロジェクトデータ」と称する)を、読み込み対象として選択するための「プロジェクト選択」ボタン2と、読み込んだ編集データに含まれるフレームを時系列順に並べて表示するフレーム表示領域40と、フレーム表示領域40で選択されたフレームを構成する複数のレイヤー(画像レイヤー)から表示対象レイヤーを選択するための「レイヤー選択」ボタン3と、選択された表示対象レイヤーを重ねた画像を表示するための画像表示領域4と、を備えている。
【0010】
図1は、既に「プロジェクト」ボタンが操作されて一のプロジェクトデータが読み込まれ、フレーム表示領域40で選択されたフレームが画像表示領域4に表示されている状態を示している。
「レイヤー選択」ボタン3による選択が行われない場合、フレームを構成する全てのレイヤーを重ねた画像が画像表示領域4に表示される。
図1の表示はあくまで一例に過ぎないが、本実施形態の表示処理装置10では、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機や、その他ゲーム機において用いられる動画像を作成する際に、動画像を構成する1単位の画像(フレーム)について下記に説明する手法によってレイヤー構造の確認、レイヤー上のオブジェクトの確認を容易に行うことができる。
【0011】
さらに、本実施形態の表示処理装置10では、フレーム表示領域40に表示されるフレームを選択して、フレームの画像を画像表示領域4に表示させていくことにより、プロジェクトデータに含まれる各フレームについて、レイヤー構造を順次確認していくことができる。
もちろん、
図1のようなかたちによらず、動画像を1単位(1フレーム)毎に切り出したデータを用意し、それを順次読み込みながら本実施形態の手法によるレイヤー構造の確認を行うようにしてもよい。
【0012】
本明細書でいう一のレイヤー群は、画像表示装置に表示される動画像を構成する例えば1フレームの画像を構成するものである。
一連の動画像は、一のレイヤー群からなるフレームが連続して(例えば、1秒間に60フレーム)表示されることで実現される。
本実施形態の表示処理装置10は、一連の動画像ではなく、1フレームを構成する多数のレイヤーの奥行き構造を容易に確認するためのものである。
動画像全体として構成を確認していくには、本実施形態に係る方法による確認作業を、1フレームずつ行っていくことになる。
【0013】
また、本実施形態に係る表示処理装置は、一連の動画像を構成するフレームのレイヤーの構造を容易に確認可能として、遊技機やゲーム機に用いる動画像の設計支援に寄与する設計支援装置である。
表示処理装置10が備える編集ツール(画像編集手段)を呼び出して、レイヤー毎、あるいはフレーム単位で、画像の編集が行えるようにしてもよい。
【0014】
図2は、
図1に示す画像表示画面において、「レイヤー選択」ボタンが操作された場合の表示を示す図である。
「レイヤー選択」ボタン3がマウス等の入力手段を用いて選択(操作)されると、例えばレイヤー選択領域3aとしてのドロップダウンリストが表示されて、現在、画像表示領域4に表示されているフレームを構成するレイヤー群が一覧表示される。
レイヤー選択領域3aは、ボタン操作に応じて表示されるドロップダウンリストとしてはではなく、画像表示画面1内に常に表示されていてもよい。その場合、「レイヤー選択」ボタン3は不要である。
ここで、一例として、読み込まれたフレーム(レイヤー群)は、最も奥行き側から最も手前側までのレイヤーL1からレイヤーL10までの10のレイヤーから構成されているものとする。
【0015】
図2に示すように、レイヤー選択領域3aにおいて、各レイヤーに対して例えばチェックボックスが配置され、表示の有無をレイヤー個々に選択可能になっている。
図2(a)は、初期状態(最初に1フレーム分のレイヤー群を読み込んだ状態)におけるレイヤーの選択状態を示している。
図2(a)に示す状態では、ドロップダウンリスト3aにおいて全てのチェックボックスにチェックが入っており、全てのレイヤー(レイヤーL1からレイヤーL10)が表示対象となっている。
その結果、画像表示領域4には、レイヤーL1〜L10が、奥行き方向から順に、全て重ねられた画像が表示される。
【0016】
本実施形態の表示処理装置10の利用者は、表示対象としないレイヤーについてはチェックボックスのチェックを外していくことで、表示させたいレイヤーのみからなる画像を画像表示領域4に表示させることが出来る。
【0017】
あるいは、初期状態(最初にレイヤー群を読み込んだ状態)では、全てのレイヤーが非表示対象となっており、全てのチェックボックスにチェックが入っていない状態となっていてもよい。
この場合、表示処理装置10の利用者は、表示対象としたいレイヤーについてチェックボックスにチェックを入れていくことで、表示させたいレイヤーのみからなる画像を画像表示領域4に表示させることが出来る。
【0018】
図2(b)は、利用者による選択後のレイヤーの選択状態を示している。
図2(b)に示す状態では、レイヤー選択領域としてのドロップダウンリスト3aにおいて、レイヤーL4、レイヤーL5、レイヤーL10のチェックボックスのチェックが外され、レイヤーL1、レイヤーL2、レイヤーL3、レイヤーL6、レイヤーL7、レイヤーL8、レイヤーL9のチェックボックスにチェックが入っている。
その結果、画像表示領域4には、レイヤーL1、レイヤーL2、レイヤーL3、レイヤーL6、レイヤーL7、レイヤーL8、レイヤーL9が、奥行き方向から手前側に順に、全て重ねられた画像が表示される。
【0019】
本実施形態の表示処理装置10では、画像表示画面1における画像表示領域4内に、あるいは画像表示領域4に隣接して、スケール状の目盛り画像5を有している。
この目盛り画像5は、読み込まれたレイヤー群、あるいはそこから表示のためにさらに選択されたレイヤーの数に応じた目盛り数を有する。
例えば、
図2(a)のチェックボックスで選択されているレイヤー数が「10」である場合、目盛り画像5の目盛りは「0」から「10」までである。
なお、表示対象となるレイヤー数が多い場合には、表示される目盛りの数も、非常に多くなってしまう。その場合、下記(
図5)で説明するように、目盛り画像5の一部のみが表示されるようにしてもよい。
【0020】
また、
図2(b)のチェックボックスで選択されたレイヤー数が「7」である場合、目盛り画像5の目盛りは、「0」から「7」までである。
さらに、目盛り画像5に隣接して、目盛りの値を指定するためのポインタ画像6が表示されている。
本実施形態の表示処理装置10では、目盛り画像5においてポインタ画像6で示される目盛りの値に応じた数のレイヤーが、画像表示領域4に表示される。
【0021】
そして、下記に説明するように、ポインタ画像6をマウス操作等によって目盛り画像5に対して移動させることで、表示するレイヤーの数を増減させることが出来る。
ポインタ画像6を移動表示する操作を順次行っていき、表示するレイヤーの数を漸減あるいは漸増させることで、オブジェクト(画像)を描画した透明なセル画用紙を重ね、セル画用紙を一枚ずつ捲って画像の重なり具合を確認する作業を画面内で再現することが出来る。
【0022】
上記のように、本実施形態の表示処理装置10は、重ね合せる画像(レイヤー)の数に対応する値を有する目盛り画像5を表示装置に表示させ、目盛り画像5の目盛り値の指定を受け付ける。そして、表示処理装置10は、指定された目盛りの値に応じた数のレイヤーを並べて表示装置に表示させる。これにより、重ねて表示された各レイヤーの確認を容易にすることができる。
特に、本実施形態の表示処理装置10は、指定された目盛り画像5の目盛り値と同じ数の画像を前後に並べて画像表示画面1(表示装置)に表示させる。これにより、表示処理装置10は、レイヤーの順番と目盛りの数とを対応させて表示装置に表示するので、重ねて表示された各レイヤーの確認を容易にすることができる。
【0023】
さらに、本実施形態の表示処理装置10は、目盛り画像5の目盛り値の指定するためのポインタ画像6を、画像表示画面1(表示装置)に表示させる。
そして、表示処理装置10はマウス等の入力装置(操作手段)の操作に応じたポインタ画像6の移動表示を受け付け、目盛り画像5に対するポインタ画像6の位置に基づいて目盛り画像5の目盛り値の指定を受け付ける。
表示処理装置10は、指定された目盛り画像5の目盛り値に応じた数の画像を並べて表示装置に表示させる。
これにより、重ねて表示された各レイヤーの確認を、GUI(Graphics User Interface)を用いた直感的な操作によってより容易に行うことが出来る。
【0024】
さらに、本実施形態の表示処理装置10は、後述するようにレイヤーの重ね合せの順番を記憶しており、記憶されている順番に応じて背面(奥行き側)から順番にレイヤーを重ねる。これにより、表示処理装置10は、重ねられたレイヤーの前後関係を表現し、重ねて表示された各レイヤーの確認を容易にすることができる。
【0025】
ポインタ画像6の移動に応じたレイヤーの表示態様を詳細に説明する。
図3、
図4は、ポインタ画像の移動に応じて変更されるレイヤーの表示数を説明する図である。
ここでは、
図2(b)に示した操作によって、選択されたレイヤー群(フレーム)の中から7つのレイヤーが表示対象として選択された場合を説明する。
【0026】
図3(a)は、初期状態を示しており、ポインタ画像6は、目盛り画像5における整数の目盛り値(以下、整数値)「7」を指し示す位置に表示されている。整数値は、表示対象となるレイヤーの数を示す値である。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から(奥行き側から)順に7枚重ねて表示される。
すなわち、画像表示領域4において、奥行き側から手前側(下側から上側)に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6、5枚目のレイヤーL7、6枚目のレイヤーL8、7枚目のレイヤーL9よりなる画像が表示される。
図中、説明のために各レイヤーをずらして表示しているが、実際には、必ずしもこのように表示されるとは限らず、同サイズのレイヤーが重なって表示される場合が通常である。このことは下記の説明においても同じである。
【0027】
図3(b)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「6」に移動された場合を示している。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から(奥行き側から)順に6枚重ねて表示される。
すなわち、画像表示領域4において、奥行き側から手前側(下側から上側)に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6、5枚目のレイヤーL7、6枚目のレイヤーL8よりなる画像が表示される。
【0028】
図3(c)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「4」に移動された場合を示している。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から(奥行き側から)順に4枚重ねて表示される。
すなわち、画像表示領域4において、奥行き側から手前側(下側から上側)に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6よりなる画像が表示される。
【0029】
図4(d)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「1」に移動された場合を示している。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から(奥行き側から)順に1枚表示される。
すなわち、画像表示領域4において、1枚目のレイヤーL1の画像が表示される。
図4(e)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が値「0」に移動された場合を示している。この場合、画像表示領域4に表示されるレイヤーはなくなる。
【0030】
なお、本実施形態において、ポインタ画像6が、複数の整数値の間の目盛り値(小数の値)を指し示す場合、大きい方の値に対応する数のレイヤーを重ねて表示させるとともに最前面のレイヤーを透過(半透明)表示させる。
換言すると、小さい方の値に対応する数のレイヤーを重ねて表示させるとともに、さらに、その上に次のレイヤーを透過(半透明)表示させる。
例えば、
図4(f)に示すように、ポインタ画像6が整数値「5」と整数値「6」の間の目盛り値を指し示す場合、最も奥行き側から5枚目までのレイヤーが重ねて表示されるとともに、その上に6枚目のレイヤーが透過表示される。
【0031】
その他には、ポインタ画像6が、「0」と整数値「1」の間の目盛り値を指し示す場合、整数値「1」に対応する1枚目のレイヤーは透過表示(半透明表示)される。
ポインタ画像6が整数値「1」と整数値「2」の間の値を指し示す場合、1枚目のレイヤーの上に2枚目のレイヤーが半透明表示される。
ポインタ画像6が整数値「2」と整数値「3」の間の値を指し示す場合、最も奥行き側の1枚目から2枚目までのレイヤーが重ねて表示されるとともにその上に3枚目のレイヤーが透過表示される。
【0032】
また、ポインタ画像6が整数値「3」と整数値「4」の間の目盛り値を指し示す場合、最も奥行き側の1枚目から3枚目までのレイヤーが重ねて表示されるとともにその上に4枚目のレイヤーが透過表示される。
ポインタ画像6が整数値「4」と整数値「5」の間の目盛り値を指し示す場合、最も奥行き側の1枚目から4枚目までのレイヤーが重ねて表示されるとともに、その上に5枚目のレイヤーが透過表示される。
【0033】
ポインタ画像6が整数値「6」と整数値「7」の間の目盛り値を指し示す場合、最も奥行き側の1枚目から6枚目までのレイヤーが重ねて表示されるとともに、その上に7枚目のレイヤーが透過表示される。
【0034】
このように、本実施形態の表示処理装置10は、目盛り値が、表示するレイヤーの数を表す値よりも小さい単位で指定されたとき(表示数を示す整数値の目盛り値の間の値(小数値)が指定された場合には)、この指定値よりも大きい表示数を示す目盛り値に応じた数のレイヤーを重ねて表示装置に表示させるとともに、最前面のレイヤーを透過させて表示させる。
これにより、本実施形態の表示処理装置10は、重なる画像を透過して確認可能となり、重ねて表示された各レイヤーの確認を容易にすることができる。
【0035】
透過表示する(手前側の)レイヤーの透明度は、ポインタ画像6が指し示す、整数値の間の目盛り値(小数の値)によって異なってもよい。
例えば、ポインタ画像6が整数値「6」と整数値「7」の間の目盛り値を指し示した場合、目盛り値が「6」に近いほど透明度が上がり、「7」に近いほど透明度が下がるようにすることが出来る。
もちろん、透過表示する(手前側の)レイヤーの透明度は、ポインタ画像6が指し示す整数値の間の目盛り値(小数の値)によらず、一定の透明度であってもよい。
【0036】
なお、ポインタ画像6が、複数の整数値の間の目盛り値(小数の値)を指し示す場合、半透明表示を行うことなく、何れか近い方の整数値を指し示す位置にポインタ画像6が移動されるようにしてもよい。
特に、整数値の前後では、(整数値に吸い付くように)ポインタ画像6を整数値の位置に移動表示させる(マグネット表示)。
【0037】
例えば、ポインタ画像6が、操作によって目盛り画像5の整数値「5」と整数値「6」間の「5」寄りの値を示す位置に移動された場合、ポインタ画像6は整数値「5」を指し示す位置に移動表示される。その一方で、操作によって目盛り画像5の整数値「5」と整数値「6」間の「6」寄りの値を示す位置に移動された場合、ポインタ画像6は整数値「6」を指し示す位置に移動表示される。
ポインタ画像6が、操作によって整数値同士の中間位置を示す場合には、上記のように、大きい方の整数値に対応するレイヤーを透過(半透明)表示させるようにしてもよい。
【0038】
ところで、レイヤー自体に半透明処理が施されている場合には、本実施形態の半透明化と混同されることが考えられる。
表示対象レイヤーに半透明レイヤーを含まない場合には、整数値の間の目盛り値が指し示されることによる本実施形態の半透明化を許可するが、表示対象レイヤーに半透明レイヤーを含む場合には、整数値の間の目盛り値が指し示された場合に半透明化を行わない(整数値に対応する数のレイヤーを重ねる)ように制御してもよい。
【0039】
図5は、表示対象レイヤーの数が、目盛り画像に表示可能な目盛り数の上限を超える場合の表示態様を示す図である。
目盛り画像5に表示可能な目盛り数の上限を「5」とし、表示対象レイヤーの数が「10」であるとする。
表示可能な部分と、表示不可能な部分を含め、実質的に目盛り画像5の目盛りは「0」から「10」まで存在する。
【0040】
この場合、
図5(a)に示す初期表示では、目盛り画像5には、「0」から「10」までの整数値のうち、「0」から「5」が表示されている。「5」以降「10」までの整数値は非表示である。
すなわち、目盛り画像5のうち、「0」から「5」を含む部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。
この状態で、ポインタ画像6は、「0」から「5」までの目盛り画像5の目盛り値の間で移動表示が可能である。
【0041】
ポインタ画像6が、
図5(a)では非表示とされていた「5」以降の値まで移動された場合、目盛り画像5には、
図5(b)や
図5(c)のような表示が行われる。
例えば、
図5(b)に示すように、目盛り画像5には、「3」から「8」までの目盛り値が表示される。「0」以降「3」未満の値、「8」以降の「10」までの目盛り値は非表示である。
すなわち、目盛り画像5のうち、「3」から「8」を含む部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。
この状態で、ポインタ画像6は「3」から「8」までの目盛りの値間の移動表示が可能である。
【0042】
あるいは
図5(c)に示すように、目盛り画像5には、「5」以降から「10」までの目盛り値が表示される。「0」以降「5」未満の目盛り値は非表示である。
すなわち、目盛り画像5のうち、「5」以降から「10」を含む部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。
この状態で、ポインタ画像6は「5」から「10」までの目盛りの値間の移動表示が可能である。
【0043】
下記に詳述するが、
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)における目盛り画像5の表示領域内でポインタ画像6が移動されている限りは、表示領域は変更されない。
ただし、例えば
図5(a)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限(表示領域の下側)を超えて移動されようとした場合には、下限を超えた分だけ表示領域は下方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した、表示領域のスクロール表示がなされる。
下方へのスクロール表示の結果、表示領域は、
図5(b)のような状態となる。
新たな表示領域が設定されているので、
図5(b)の表示領域内で上下にポインタ画像6を移動表示しても、表示領域は変更されない(スクロール表示されない)。
【0044】
なお、例えば
図5(a)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限(表示領域の上側)を超えて移動されようとした場合でも、すでに目盛り画像5の最上部を表示しているので、表示領域のスクロール表示は行われない。
【0045】
図5(b)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限(表示領域の下側)を超えて移動されようとした場合には、下限を超えた分だけ表示領域はさらに下方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した表示領域のスクロール表示が行われる。
また、
図5(b)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限(表示領域の上側)を超えて移動されようとした場合には、上限を超えた分だけ表示領域は上方に移動していく。すなわち、ポインタ画像6の移動に追随した、表示領域のスクロール表示が行われる。
移動範囲の上限(表示領域の上側)を超えたポインタ画像6の移動表示を続けると、
図5(a)の状態に戻る。
【0046】
移動範囲の下限(表示領域の下側)を超えたポインタ画像6の移動表示を続けると、
図5(c)の状態に至る。
図5(c)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限(表示領域の下側)を超えて移動されようとした場合、すでに目盛り画像5の最下部を表示しているので、表示領域のスクロール表示は行われない。
図5(c)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限(表示領域の上側)を超えて移動されようとした場合には、上限を超えた分だけ表示領域は上方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した、表示領域のスクロール表示がなされ、
図5(b)のような状態に至る。
【0047】
このように、本実施形態の表示処理装置10は、ポインタ画像6の移動に応じて、目盛り画像5の一部を表示装置に表示させる。
これにより、表示処理装置10では、重ね合せるレイヤーの数が多くなっても、目盛り画像5の一部を拡大表示することにより目盛り値の指定を容易にすることができる。
【0048】
図6は、本実施形態に係る表示処理装置10の機能構成を示す図であり、(a)はハードウェア構成を示すブロック図、(b)はソフトウェアによる機能構成を示すブロック図である。
図6(a)に示すように、表示処理装置10は、装置全体の制御を行う汎用のオペレーティングシステムを実行するとも情報配信処理を実現するプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)11と、CPU11による処理のために各種のプログラムや一時データ、変数が展開されるRAM(Random Access Memory)12と、マウスやキーボード、タッチパネルなどの入力装置13と、プログラムやデータが格納されるHDD(Hard Disk Drive)14及び不図示のROM(Read Only Memory)と、液晶モニタなどの表示装置15と、を備えている。表示処理装置10は、表示装置15を含まず、任意の表示装置15と接続されてもよい。
【0049】
HDD14には、動画像データ(プロジェクトデータ)が格納される。
表示処理装置10は、HDD14に替えて、SSD(Solid State Drive)等を備えていてもよい。
動画像データは、表示処理装置10とは異なるハードウェアにおいて格納されていてももちろんよく、表示処理装置10がネットワークを介して接続可能なファイルサーバに格納されていてもよい。
【0050】
CPU11は、
図6(b)に示す、処理部として機能する。処理部は、プロジェクト選択処理部20、フレーム選択処理部21、レイヤー選択処理部22、表示対象レイヤー設定処理部23、目盛り表示処理部24、ポインタ表示処理部25、表示レイヤー数決定処理部26、及びレイヤー表示処理部27を含む。
また、HDD14と、RAM12によって構成される記憶部には、表示対象レイヤー情報記憶部31、ポインタ位置情報記憶部32、及び表示レイヤー数情報記憶部33が設定される。
また、HDD14には、複数のレイヤーを含むフレームを時系列で並べた編集データとしての動画像データ(プロジェクトデータ)を1以上格納可能であり、適宜プロジェクトデータを呼び出して、表示装置15に表示することが出来る。
【0051】
プロジェクト選択処理部20は、HDD14に格納されているプロジェクトデータを、利用者に選択させるダイアログ画面(不図示)を、画像表示画面1の一部として表示装置15に表示し、ダイアログ画面を介して選択されたプロジェクトデータをRAM12に読み出す処理を行う。
フレーム選択処理部21は、読み出されたプロジェクトデータに含まれるフレームを一覧表示するフレーム表示領域40を、画像表示画面1の一部として表示し、フレーム表示領域40においてフレームが選択されると、選択に係るフレームをプロジェクトデータから読み出す。
レイヤー選択処理部22は、RAM12に読み出されたフレームに含まれるレイヤーのうち、表示対象とするレイヤーを利用者に選択させるダイアログ画面(
図2のドロップダウンリスト等)を、画像表示画面1の一部として表示装置15に表示し、選択されたチェックリストの情報をRAM12に格納する処理を行う。
【0052】
表示対象レイヤー設定処理部23は、読み込まれたフレーム、及びレイヤー選択処理部22によって選択された情報に基づいて、表示対象とするレイヤーの情報を記憶部に設定された表示対象レイヤー情報記憶部31に格納する処理を行う。
表示レイヤー情報記憶部31には、表示対象レイヤーの奥行き方向の前後関係(重ね順)の情報も記憶される。
レイヤー選択処理部22による表示対象レイヤーの選択が行われなかった場合には、表示対象レイヤー設定処理部は、レイヤー群に含まれる全てのレイヤーを表示対象レイヤーとして設定し、レイヤー選択処理部22による選択が行われた場合には、その選択に係るレイヤーを表示対象レイヤーとして設定する処理を行う。
【0053】
目盛り表示処理部24は、表示対象レイヤー情報記憶部31に格納された表示対象レイヤー情報に基づく表示対象レイヤー数に基づく目盛り値を有する目盛り画像5を、表示装置15に表示する処理を行う。
ポインタ表示処理部25は、目盛り画像5に付随して、ポインタ画像6を表示装置15に表示する処理を行う。
また、ポインタ表示処理部25は、マウス等の入力装置13を用いた操作に基づいてポインタ画像6を移動表示し、ポインタ画像6が指し示す目盛り画像5の目盛り値を、ポインタ位置情報記憶部32に格納する。ポインタ表示処理部25は、ポインタ画像の表示処理を行うとともに目盛り画像の目盛り値を指定する指定手段として機能しうる。
【0054】
表示レイヤー数決定処理部26は、ポインタ位置情報記憶部32に格納された目盛り画像5の目盛り値に基づいて、実際に表示する表示レイヤーの数を決定し、決定した表示レイヤーの数を、表示レイヤー数情報記憶部33に格納する。
レイヤー表示処理部27は、表示対象レイヤー情報記憶部31に格納された表示対象レイヤー情報に応じたレイヤーを、表示レイヤー数情報記憶部33に格納された表示レイヤー数に応じた数だけ表示装置15上の画像表示領域4に表示する処理を行う。
【0055】
図7は、本実施形態の表示処理装置のCPUが実行する初期表示処理を説明するフローチャートである。
なお、ここでは、プロジェクト選択処理部20によって、プロジェクトデータが読み込まれ、
図1に示す状態でフレームが展開表示されているものとする。
ステップS101において、CPU11(フレーム選択処理部21)は、
図1に示したフレーム表示領域40で一のフレームが選択されたか否かを判定する。
選択が行われたと判定した場合(ステップS101でYes)、CPU11(フレーム選択処理部21)は、ステップS102において、選択されたフレームのデータをHDD14からRAM12に読み出す。
【0056】
そして、CPU11(表示対象レイヤー設定処理部23)は、ステップS103において、該当のフレームに含まれる全てのレイヤーを表示対象として設定した表示対象レイヤー情報を、表示対象レイヤー情報記憶部31に格納する。
次に、CPU11(表示レイヤー数決定処理部26)は、ステップS104において、表示対象として設定されたレイヤーの数を表示レイヤー数情報として設定し、表示レイヤー数情報記憶部33に格納する。
【0057】
次に、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS105において、表示レイヤー数に応じた目盛り数の目盛りを表示する。
さらに、CPU11(ポインタ表示処理部25)、ステップS106において、目盛りの初期表示位置にポインタ画像6を表示する。
初期表示位置は、例えば、目盛り画像5の最大の目盛り値である。
そして、CPU11(レイヤー表示処理部27)は、ステップS107において、表示対象として設定されている全てのレイヤーを、最も奥行き側の1枚目から手前側に重ねて画像表示領域4に表示させる。
【0058】
フレームの選択がないと判定した場合(ステップS101でNo)、CPU11(表示対象レイヤー設定処理部23)は、ステップS108において、レイヤー選択処理部22によってレイヤー選択領域3aを用いた表示対象レイヤーの選択が行われたか否かを判定する。
表示対象レイヤーの選択が行われたと判定した場合(ステップS108でYes)、CPU11(表示対象レイヤー設定処理部23)は、ステップS109において、選択されたレイヤーを表示対象として設定した表示対象レイヤー情報を、表示対象レイヤー情報記憶部31に格納する。
その後、CPU11は、表示対象レイヤー情報に基づいて、ステップS104〜S107の処理を実行する。すなわち、選択されたレイヤー数に応じた目盛り数の目盛り画像5を表示し、ポインタ画像6を初期表示位置に表示し、選択されたレイヤーを1枚目から手前側に重ねて表示する。
表示対象レイヤーの選択が行われたと判定した場合(ステップS108でNo)、CPU11は、何もせずに処理を終了する。あるいは、フレームの選択を待機する。
【0059】
図8は、本実施形態の表示処理装置のCPUが実行するポインタ移動時処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の表示処理装置10では、
図3、
図4に示したように、ポインタ画像6の移動に伴って、ポインタ画像6が指し示す目盛り画像5の目盛り値に応じた数の表示対象レイヤーを重ねて表示する。
そして、目盛り画像5は、
図5で説明したように、その一部が(拡大されて)表示されており、ポインタ画像6の移動に応じて、表示する領域を変化させていく。
CPU11(ポインタ表示処理部25)は、ステップS201において、マウス等の入力装置13によるポインタ画像6の移動操作がなされたか否かを判定する。
ポインタ画像6の移動操作がされていないと判定した場合(ステップS201でNo)、CPU11(ポインタ表示処理部25)は、そのまま処理を終了する。あるいは、CPU11は、ポインタ画像6の移動操作を待機する。
【0060】
ポインタ画像6の移動操作がなされたと判定した場合(ステップS201でYes)、CPU11(ポインタ表示処理部25)は、ステップS202において、移動操作に追随したポインタ画像6の移動表示を開始する。
そして、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS203において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上であるか否か、すなわち、
図2、
図3における上方向に行われたマウス等操作によるポインタ画像6の移動が、
図5に示した目盛り画像5の表示領域の上限を超えたか否かを判定する。
【0061】
ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上でない、すなわち、ポインタ画像6の移動先が現在の目盛り画像5の表示領域内に留まっていると判定した場合(ステップS203でNo)、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS204において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下であるか否か、すなわち、
図2、
図3における下方向に行われたマウス等操作によるポインタ画像6の移動が、
図5に示した目盛り画像5の表示領域の下限を超えたか否かを判定する。
【0062】
ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下ではない、すなわち、ポインタ画像6の移動先が、
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)に示す現在の目盛り画像5の表示領域内に留まっていると判定した場合(ステップS204でNo)、CPU11(表示レイヤー数決定処理部26)は、ステップS205において、表示領域内で移動した後のポインタ画像の目盛り画像5に対する位置情報(目盛り値)に基づいて表示レイヤー数を決定する。
そして、CPU11(レイヤー表示処理部27)は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0063】
ステップS203において、ポインタの移動量が移動範囲上限以上の移動量である、すなわち、ポインタ画像6の移動が、
図5に示した目盛り画像5の表示領域の上限を超えたと判定した場合(ステップS203でYes)、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS207において、移動範囲(表示領域)の上限を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、目盛り画像5の表示領域を上側に移動(シフト)する。
すなわち、ポインタ画像6が現在の表示領域を超えて移動表示されようとすると、目盛り画像5は、それに追随し、表示領域を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、スクロール表示される。
【0064】
そして、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS208において、目盛り画像5の表示領域が、目盛り画像5の上限に到達したか否かを判定する。
表示領域が目盛り画像5の上限に到達したと判定した場合(ステップS208でYes)、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS209において、目盛り画像5の表示領域の移動を固定する。これは、
図5(a)の状態に相当する。
そして、CPU11(表示レイヤー数決定処理部26)は、ステップS205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対する位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定し、CPU11(レイヤー表示処理部27)は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0065】
図5(b)に示されるように表示領域が目盛り画像5の上限に到達していないと判定した場合(ステップS208でNo)、CPU11(表示レイヤー数決定処理部26)は、ステップS205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対するポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定し、CPU11(レイヤー表示処理部27)は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0066】
ステップS204において、ポインタの移動量が移動範囲下限以上の移動量である、すなわち、ポインタ画像6の移動が、
図5に示した目盛り画像5の表示領域の下限を超えたと判定した場合(ステップS204でYes)、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS210において、移動範囲(表示領域)の下限を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、目盛り画像5の表示領域を下側に移動(シフト)する。
すなわち、ポインタ画像6が現在の表示領域を超えて移動表示されようとすると、目盛り画像5は、それに追随し、表示領域を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、スクロール表示される。
【0067】
そして、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS211において、目盛り画像5の表示領域が、目盛り画像5の下限に到達したか否かを判定する。
表示領域が目盛り画像5の下限に到達したと判定した場合(ステップS211でYes)、CPU11(目盛り表示処理部24)は、ステップS209において、目盛り画像5の表示領域の移動を固定する。これは、
図5(c)の状態に相当する。
そして、CPU11(表示レイヤー数決定処理部26)は、ステップS205において、ポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定し、CPU11(レイヤー表示処理部27)は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0068】
図5(b)に示されるように表示領域が目盛り画像5の下限に到達していないと判定した場合(ステップS211でNo)、CPU11(表示レイヤー数決定処理部26)は、ステップS205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対するポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定し、CPU11(レイヤー表示処理部27)は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
CPU11(レイヤー表示処理部27)は、上記の処理により、ポインタ画像6の移動に合わせて逐次出力されるポインタ画像6の目盛り画像5に対する位置情報に合わせて、順次表示レイヤー数を変化させる。
【0069】
本実施形態の表示処理装置10は、2次元動画像のプレビューアとして用いたときに、2次元動画像のレイヤー構成を分かり易く表示させることが出来る。
また、3次元モデルのプレビューアとして用いたときに、3次元モデル単位の構成を分かり易く表示させることが出来る。
【0070】
なお、目盛り画像5は、図示したものに限らず、横方向に長い態様であってもよい。
また、目盛り画像5は、図示したスケール状のものに限らず、ダイヤル状のものであってもよい。その場合、利用者は、マウス等の入力装置13を用いて、ダイヤルを回転させる操作を行うことにより、表示されるレイヤーの数を変更することが出来る。
レイヤー上の画像は、静止画像であっても、動画像(のフレーム)であってもよい。
【0071】
図1〜
図3において、各レイヤーは互いにずれて表示されているが、これはレイヤーの重なり、及び重ねられているレイヤーを説明するための便宜上の表示である。
実際には、必ずしも
図1〜
図3のように各レイヤーがずれて表示される必要は無い。
ただし、本実施形態の表示処理装置10を実現する場合に、レイヤーの重なり具合を強調表示するために
図1〜
図3のように各レイヤーを互いにずらして表示するようにしてもよい。
【0072】
上記に説明したように、本実施形態の表示処理装置によれば、複数のレイヤーからなる画像について、目盛り画像に対するポインタ画像の移動表示を行うことによって表示レイヤーの数を増減させることが出来る。
連続的にポインタ画像の移動表示を行うことにより、あたかも重ねられた画像を1枚ずつ捲りながら閲覧していくような操作感で、画像のレイヤー構造や、レイヤー上のオブジェクトの確認を容易に行うことが出来る。
【課題】複数の表示物を重ねて構成された表示物が、どのような構造で構成されているのかをわかりやすく表示し、重ねて表示された各レイヤーの確認を容易とする表示処理装置を提供する。
【解決手段】複数の画像レイヤーの数に対応する数の値を有する目盛り画像を表示装置15に表示させる目盛り画像表示手段(目盛り表示処理部)24と、目盛り画像が有する値を指定させる指定手段(ポインタ表示処理部)25と、指定手段25によって指定された目盛り画像の値に応じて、複数の画像レイヤーのうち表示装置15に重ねて表示させる画像レイヤーの数を決定する表示数決定手段(表示レイヤー数決定処理部)26と、を備える。