(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔概要〕
まず、本発明の概要について説明する。
図1は、本発明に係る情報処理装置の動作を概念的に示す図である。なお、
図1は、情報処理装置10の動作の理解を容易にすることを目的とする単なる例示である。よって、情報処理装置10の動作は
図1によって何ら限定されない。
【0013】
情報処理装置10を含むシステムの構成について概略的に説明する。
図1の例において、情報処理装置10には、商品読取装置20が接続されている。情報処理装置10は、レジ業務で使用される装置である。商品読取装置20は、顧客の購入する商品に付された商品識別シンボル(例えば、バーコード)や当該商品の外観画像といった、各商品から識別するための情報を取得するための装置である。
図1の例では、イメージスキャナタイプの商品読取装置20が描かれている。この場合、商品読取装置20は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を使用した撮像素子を有するカメラなどを有する。なお図示されていないが、商品を商品読取装置20に読み取らせる動きを映像に収めるための他の撮像装置が更に備えられていてもよい。この場合、撮像装置は、商品読取装置20の読取エリアの近傍(例えば、読取窓およびその周囲を含むエリア)を撮像範囲に含むように設置される。また、図示していないが、商品読取装置20の読取窓の周囲などに、複数のセンサ(例:赤外線センサ)が備えられていてもよい。この場合、情報処理装置10は、複数のセンサからの出力に基づいて、商品の移動方向を認識することができる。なお、商品の移動方向を認識するための複数のセンサが設けられている場合、撮像装置はなくてもよい。
【0014】
本発明における処理の流れを概略的に説明する。
図1に例示されるように、情報処理装置10は2つの情報を取得する。1つは、精算対象として登録する商品の移動方向を示す情報(以下、「第1情報」と表記)である。もう1つは、商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間および当該商品と商品読取装置20との間の距離の少なくともいずれか一方を示す情報(以下、「第2情報」と表記)である。なお、商品読取装置20は、精算対象の商品として登録する商品を読み取るための装置である。
図1の例において、商品読取装置20の読取エリアは点線の円で示されている。そして、情報処理装置10は、取得した第1情報と第2情報との組み合わせに応じて、異なる処理を実行する。
【0015】
本発明に係る情報処理装置10によれば、レジ担当の店員が、情報処理装置10のキーボードやタッチパネル等を使わない操作(短縮操作)によって、複数の異なる処理を状況に応じて使い分けることができる。これにより、レジ担当の店員の作業効率が向上する。また、本発明に係る情報処理装置10では、商品の移動方向を示す第1情報に加え、商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間および当該商品と商品読取装置20との間の距離の少なくとも一方を示す第2情報を用いて、実行すべき処理が決定される。これにより、商品の移動方向として認識される方向を増やさずに、短縮操作で実行可能な処理の数を増やすことができる。つまり、本発明に係る情報処理装置10によれば、レジ業務の作業をより円滑にすることができる。
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
【0017】
[第1実施形態]
〔機能構成例〕
図2は、第1実施形態における情報処理装置10の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図2に示されるように、情報処理装置10は、商品読取装置20と通信可能に接続されている。なお、情報処理装置10と商品読取装置20は1つの装置として構成されていてもよい。情報処理装置10は、第1取得部110、第2取得部120、および処理決定部130を有する。
【0018】
第1取得部110は、商品の移動方向を示す第1情報を取得する。第2取得部120は、商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間および当該商品と商品読取装置20との間の距離の少なくともいずれか一方を示す第2情報を取得する。処理決定部130は、第1取得部110により取得された第1情報と第2取得部120により取得された第2情報との組み合わせに基づいて、実行すべき処理を決定する。例えば、処理決定部130は、方向を示す情報と時間および距離の少なくともいずれか一方を示す情報との組み合わせ毎に実行すべき処理を定義している定義情報を参照することにより、第1情報および第2情報の組み合わせに対応する処理を特定できる。定義情報は、例えば、情報処理装置10のストレージデバイス(図示せず)などに予め記憶されている。
【0019】
〔ハードウエア構成例〕
情報処理装置10の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、情報処理装置10の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0020】
図3は、情報処理装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。情報処理装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0021】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0022】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0023】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0024】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は情報処理装置10の各機能(第1取得部110、120、処理決定部130など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0025】
入出力インタフェース1050は、情報処理装置10と各種入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。入出力インタフェース1050には、商品読取装置20が接続されている。商品読取装置20は、バーコードスキャナやイメージスキャナなどである。バーコードスキャナは、商品に付与されたコードシンボル(例えば、バーコードなど)から当該商品を識別するための情報を読み取る装置である。イメージスキャナは、読取窓の前方に位置する物体(商品)を撮影して当該物体の画像を生成する装置である。
【0026】
また、
図3の例では、入出力インタフェース1050には、撮像装置1052が更に接続されている。撮像装置1052は、商品読取装置20の近傍に配置されており、商品読取装置20に商品を読み取らせる際の動きを撮影する。第1取得部110は、撮像装置1052により生成された画像を解析することにより、商品の移動方向を特定することができる。なお、商品読取装置20がイメージスキャナである場合、商品読取装置20が生成する画像を商品の移動方向の解析に利用できるため、撮像装置1052はなくてもよい。また、商品読取装置20がイメージスキャナである場合、商品の移動方向を取得するための装置として、当該商品読取装置20の読取窓の周囲に複数のセンサ(赤外線センサなど)が設けられていてもよい。この場合、第1取得部110は、赤外センサからの出力に基づいて、商品読取装置20にかざされた商品についての移動方向を特定することができる。また、赤外線センサが設けられている場合、第2取得部120は、商品読取装置20によりある商品が読み取られた際の、その商品と商品読取装置20との間の距離を示す情報を取得することができる。また、商品読取装置20が深度(奥行方向の距離)の情報を有する画像を生成できるイメージスキャナである場合、第2取得部120は、商品読取装置20により生成された画像の深度情報に基づいて、商品と商品読取装置20との距離を特定することができる。また、商品読取装置20が、例えばCCD(Charge Coupled Device)方式のハンディスキャナである場合、第1取得部110は、読み取り対象の商品に対してハンディスキャナを動かした方向を商品の移動方向と見做して取得してもよい。
【0027】
ネットワークインタフェース1060は、情報処理装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0028】
なお、情報処理装置10のハードウエア構成は
図3に例示される構成に限定されない。例えば、入出力インタフェース1050には、商品読取装置20のほか、店舗の業務で利用するその他の装置が接続されていてもよい。店舗の業務で利用するその他の装置とは、例えば、マウスやキーボードなどの入力装置、業務画面を表示するディスプレイ、入力装置とディスプレイが一体となったタッチパネル、キャッシャ、ドロワ、自動釣銭機などである。
【0029】
〔処理の流れ〕
図4は、情報処理装置10により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。なお
図4では、第2取得部120が商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間を第2情報として取得する流れが例示されている。これに限らず、情報処理装置10は、商品の滞在時間に代えて(或いは加えて)、商品を読み取る際の商品と商品読取装置20との間の距離を示す情報を第2情報として取得してもよい。
【0030】
第1取得部110は、商品の移動方向を示す第1情報を取得する(S102)。例えば、商品読取装置20がイメージスキャナである場合、第1取得部110は、商品読取装置20により撮影された画像や動画を解析することにより、当該画像や動画の中で商品として認識された物体の動き(移動方向)を示す第1情報を取得することができる。例えば、第1取得部110は、商品を商品読取装置20にかざした際に撮影された複数の静止画または動画を解析することにより、商品の移動方向を特定することができる。具体的な例として、商品が画像の左側(商品読取装置20の撮像部は店員の正面に向けられているため、店員から見れば右側)から現れた場合、第1取得部110は、その商品の移動方向を「右から左」と特定することができる。また例えば、第1取得部110は、商品読取装置20の読取エリアに合わせて、読取窓の周囲に設けられた赤外線センサ(図示せず)の出力に基づいて、商品の移動方向を特定することができる。具体的な例として、第1取得部110は、商品読取装置20の読取窓の上側に設けられたセンサから物体(商品)を検出したことを示す信号を取得した場合、その商品の移動方向を「上から下」と特定することができる。なお、第1取得部110は、複数のセンサの出力に基づいて、商品の移動方向を特定してもよい。例えば、初めに商品読取装置20の読取窓の上側に設けられたセンサが商品を検出し、次に、当該読取窓の下側に設けられたセンサが商品を検出した場合に、第1取得部110は、商品の移動方向を「上から下」と特定してもよい。
【0031】
第2取得部120は、商品読取装置20の読取エリアでの商品の滞在時間および商品読取時の当該商品と商品読取装置20との距離の少なくとも一方を示す第2情報を取得する(S104)。例えば、商品読取装置20がイメージスキャナである場合、第2取得部120は、商品を商品読取装置20にかざした際に撮影された画像を解析することによって、商品読取装置20の読取エリア内に商品が滞在していた時間を算出することができる。具体的には、第2取得部120は、ある商品が商品読取装置20の撮像範囲に含まれてから撮像範囲外に出ていくまでの時間を、その商品の滞在時間として取得することができる。また例えば、商品読取装置20の読取窓の周囲に赤外線センサ(図示せず)が設けられている場合、第2取得部120は、当該赤外線センサの出力に基づいて第2情報を取得することができる。具体的には、第2取得部120は、商品と商品読取装置20との間の距離を示す情報を取得することができる。その他にも、第2取得部120は、商品読取装置20の読取窓の周囲に設けられた赤外線センサなどによって、物体(商品)が検出されてから、当該物体(商品)が検出されなくなるまでの時間を、商品の滞在時間として取得することができる。
【0032】
処理決定部130は、第1取得部110により取得された第1情報と、第2取得部120により取得された第2情報との組み合わせに基づいて、実行すべき処理を特定する(S106)。
【0033】
例えば、処理決定部130は、方向を示す情報と時間および距離の少なくともいずれか一方を示す情報との組み合わせ毎に実行すべき処理を定義している定義情報(例:
図5)を参照することにより、第1情報および第2情報の組み合わせに対応する処理を特定する。
図5は、定義情報の一例を示す図である。
図5に例示される定義情報は、方向を示す情報に対応付けて実行すべき処理を定義している。
図5に例示される定義情報は、実行すべき処理として、「商品の値段を変更する処理(値引き処理および割引処理)」を定義している。なお、
図5に例示される定義情報はあくまで一例であり、定義情報はこれに限定されない。例えば、定義情報は、「商品の値段を変更する処理」以外の任意の処理を定義していてもよい。また、商品と商品読取装置20との距離を示す情報を第2情報として利用する場合、定義情報には、時間を示す情報に代えて(或いは加えて)距離を示す情報が含まれていてもよい(例:
図6、
図7)。
図6および
図7は、定義情報の他の一例を示す図である。
図6は、方向を示す情報と、距離を示す情報との組み合わせ毎に実行すべき処理を定義している定義情報の一例である。また、
図7は、方向を示す情報、時間を示す情報、および距離を示す情報の組み合わせ毎に実行すべき処理を定義している定義情報の一例である。
図5乃至
図7に例示される定義情報は、例えばストレージデバイス1040などに予め記憶されている。この場合、ストレージデバイス1040は、定義情報記憶部と呼ぶこともできる。なお、情報処理装置10と通信可能に接続された外部装置(図示せず)が定義情報記憶部を有していてもよい。この場合、処理決定部130は、当該外部装置とネットワークインタフェース1060を介して通信することにより、定義情報を参照することができる。
【0034】
図5に示す定義情報に基づく処理決定部130の具体的な動作の例を説明する。第1の例として、第1取得部110が商品の移動方向として「上から下」を示す第1情報を取得し、第2取得部120が商品の滞在時間として「3秒」を示す第2情報を取得したとする。この場合、処理決定部130は、これら第1情報および第2情報の組み合わせと、
図5に例示される定義情報とに基づいて、「割引登録(2割引き)」という処理を「実行すべき処理」として特定することができる。また第2の例として、第1取得部110が商品の移動方向として「右から左」を示す第1情報を取得したとする。この場合、処理決定部130は、第2取得部120がどのような第2情報を取得したかに依らず、「通常登録」という処理を「実行すべき処理」として特定することができる。
【0035】
そして、処理決定部130は、S106の処理で決定した「実行すべき処理」を実行する(S108)。上述の段落で挙げた第1の例では、処理決定部130は、商品読取装置20で読み取った商品を精算対象の商品として登録する際、その商品の価格を2割引きにして登録する。上述の段落で挙げた第2の例では、処理決定部130は、商品読取装置20で読み取った商品を精算対象の商品として登録する際、その商品を通常の価格(値引きや割引を適用しない価格)で登録する。
【0036】
以上、本実施形態では、商品の移動方向を示す第1情報に加え、商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間および当該商品と商品読取装置20との距離の少なくともいずれか一方を示す第2情報を用いて、実行すべき処理が決定される。
【0037】
本実施形態の情報処理装置10によれば、キーボード等を使用しない短縮操作によって、レジ担当の店員の作業効率を向上させることができる。また、本実施形態によれば、1つの方向に対して複数の処理を登録できるようになる。これにより、短縮操作で実行可能な処理の数を増やして、レジ業務の作業をより円滑化することができる。
【0038】
また、本実施形態で説明した具体例では、商品の移動方向に応じて、商品価格に値引きや割引を適応するか否かを決定することができる。これにより、例えば、値引きや割引が適用されない商品に、値引きや割引に関するシールが誤って貼られていた場合であっても、店員が誤りに気付けば、商品の移動方向に応じて正しい価格で商品を登録することが可能となる。
【0039】
〔変形例〕
なお、本実施形態の構成は、上述の例に制限されない。例えば、第1取得部110は、商品の移動方向として、上下左右の方向に加えて斜め方向を認識するように構成されていてもよい。
【0040】
また例えば、第1取得部110および第2取得部120が、商品読取装置20により商品のコードが読み取られた後で、第1情報および第2情報を取得し、処理決定部130がその第1情報および第2情報の組み合わせに応じた処理を決定するように構成されていてもよい。この場合、情報処理装置10は例えば次のように動作する。まず、レジ担当の店員が、商品を右から左に動かして商品読取装置20の読取エリアに入れたとする。この段階では、第1取得部110および第2取得部120は、未だ第1情報および第2情報を取得しない。そして、商品のコードが商品読取装置20によりその商品が読み取られた後、店員が、商品を商品読取装置20の読取エリアに3秒間滞在させ、かつ、その商品を下から上方向に動かしたとする。この場合、第1取得部110は、商品の移動方向として「下から上」を示す第1情報を取得する。また、第2取得部120は、商品の滞在時間を示す情報として「3秒」を示す第2情報を取得する。そして、処理決定部130は、これら第1情報および第2情報の組み合わせと、
図5に例示される定義情報とに基づいて、「値引き登録(200円引き)」を実行すべき処理として決定する。このようにしても、上述したような作用および効果を得ることができる。
【0041】
[第2実施形態]
上述の第1実施形態で説明したように、本発明では、第1情報と第2情報との組み合わせに応じて実行すべき処理が変化する。ここで、商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間、または、商品と商品読取装置20との間の距離を把握することができれば、意図しない処理を誤って実行する可能性を低減できる。本実施形態では、これらの情報を把握可能とする構成を有する点において、上述の第1実施形態と相違する。
【0042】
〔機能構成例〕
図8は、第2実施形態における情報処理装置10の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図8に示されるように、本実施形態の情報処理装置10は、第1実施形態の構成に加え、表示制御部140を更に備える。
【0043】
表示制御部140は、第2取得部120により取得された第2情報を、ディスプレイ142に出力する。ディスプレイ142は、商品読取装置20に商品をかざしている人物(店員)に、各種情報を通知するための装置である。ディスプレイ142は。例えば、入出力インタフェース1050を介して情報処理装置10に接続されている。ここで、第2取得部120は、撮像装置30により生成された画像の解析結果や図示しない赤外線センサの出力を基に、商品の滞在時間または商品と商品読取装置20との間の距離を逐次更新している。表示制御部140は、第2取得部120から、商品の滞在時間または商品と商品読取装置20との距離の最新情報を取得する。そして、表示制御部140は、ディスプレイ142に第2情報を出力する。
【0044】
本実施形態によれば、情報処理装置10が認識している第2情報(商品の滞在時間および商品と商品読取装置20との間の距離の少なくとも一方)が、商品読取装置20に商品をかざしている人物に対して通知される。これにより、商品読取装置20に商品をかざしている人物は、情報処理装置10により認識されている、商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間および商品と商品読取装置20との間の距離の少なくとも一方を知ることができる。商品の滞在時間または商品と商品読取装置20との距離がわかることにより、商品読取装置20に商品をかざしている人物は、所望の処理を実行させるための操作を正確に行うことが可能となる。
【0045】
〔表示制御部140による表示の具体例〕
図9を用いて、表示制御部140による表示の具体例を説明する。
図9は、表示制御部140がディスプレイ142に表示する情報の一例を示す図である。なお
図9では、第2情報として「商品の滞在時間」が表示される例が示されている。この場合、表示制御部140は、例えば次のように動作する。まず、表示制御部140は、現時点での商品の滞在時間を示す第2情報を送信するよう、第2取得部120に要求する。そして、表示制御部140は、第2取得部120から取得した第2情報をディスプレイ142上に表示する(例えば、
図9の符号92)。なお、表示制御部140は、第2取得部120に定期的に第2情報の送信を要求する。表示制御部140が第2取得部120から第2情報を受け取る度に、画面上の滞在時間の表示が更新される。このようにディスプレイ142に表示される情報により、商品読取装置20に商品をかざしている人物が、情報処理装置10により認識されている、商品の滞在時間または商品と商品読取装置20との間の距離を容易に把握することができる。
【0046】
また、
図9に示されるように、表示制御部140は、第1取得部110によって取得された第1情報を、ディスプレイ142に更に表示するように構成されていてもよい。この場合、表示制御部140は、例えば次のように動作する。まず、表示制御部140は、消商品の移動方向を示す第1情報を送信するように第1取得部110に要求する。そして、表示制御部140は、第1取得部110から取得した第1情報をディスプレイ142上に表示する(例えば、
図9の符号94)。このようにディスプレイ142に表示される情報により、商品読取装置20に商品をかざしている人物が、情報処理装置10により認識されている、商品の移動方向を容易に把握することができる。また、
図9の例において、商品の移動方向を示す第1情報(符号94)は、商品の滞在時間または商品と商品読取装置20との間の距離を示す第2情報(符号92)と共に、ディスプレイ142上に表示されている。商品読取装置20に商品をかざしている人物は、
図9に例示されるようなディスプレイ142上の表示された第1情報および第2情報を確認することによって、現時点でどの処理が実行され得るかを把握することができる。
【0047】
また、
図9に例示されるように、表示制御部140は、「現時点の第1情報と第2情報との組み合わせに対応する処理」に関する情報を更に表示するように構成されていてもよい。この場合、表示制御部140は、例えば次のように動作する。まず、表示制御部140は、第1取得部110により取得された第1情報と、第2取得部120により取得された第2情報とを基に決定される「実行すべき処理」の情報を送信するよう、処理決定部130に要求する。そして、表示制御部140は、処理決定部130から取得した「実行すべき処理」に関する情報をディスプレイ142上に表示する(例えば、
図9の符号96)。このようにディスプレイ142上に表示される情報を確認することにより、商品読取装置20に商品をかざしている人物は、自身が行った操作に応じて実行される処理をより正確に把握することができる。
【0048】
なお、
図9において、表示制御部140が、第1情報、第2情報、および、第1情報と第2情報との組み合わせに対応する処理に関する情報とを含む画面をディスプレイ142に表示させる例を示したが、表示制御部140による表示は
図9の例に制限されない。例えば、表示制御部140は、第2情報および第1情報と第2情報との組み合わせに対応する処理に関する情報を含み、かつ、第1情報を含まない画面をディスプレイ142に表示するように構成されていてもよい。
【0049】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0050】
また、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0051】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.
商品の移動方向を示す第1情報を取得する第1取得手段と、
前記商品を認識する商品読取装置の読取エリアにおける前記商品の滞在時間および前記商品と前記商品読取装置との間の距離の少なくともいずれか一方を示す第2情報を取得する第2取得手段と、
前記第1情報および前記第2情報の組み合わせに基づいて、実行すべき処理を決定する処理決定手段と、
を備える情報処理装置。
2.
前記第1取得手段は、前記商品を前記商品読取装置に読み取らせる際の動きを撮影する撮像装置から取得した画像を解析することにより、前記商品の移動方向を特定する、
1.に記載の情報処理装置。
3.
方向を示す情報と時間および距離の少なくとも一方を示す情報との組み合わせ別に実行すべき処理を定義している定義情報を記憶する定義情報記憶手段を更に備え、
前記処理決定手段は、前記定義情報を用いて、前記第1情報が示す方向と前記第2情報が示す時間および距離の少なくとも一方との組み合わせに対応する処理を特定する、
1.または2.に記載の情報処理装置。
4.
前記第2取得手段により取得された前記第2情報をディスプレイに表示させる表示制御手段を更に備える、
1.から3.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
5.
前記表示制御手段は、前記第1取得手段により取得された前記第1情報を前記ディスプレイに更に表示させる、
4.に記載の情報処理装置。
6.
前記表示制御手段は、前記処理決定手段が決定した前記実行すべき処理を示す情報を前記ディスプレイに更に表示させる、
4.または5.に記載の情報処理装置。
7.
前記処理決定手段は、前記第1情報が示す方向と前記第2情報が示す時間および距離の少なくとも一方との組み合わせに対応する値段変更処理を、前記実行すべき処理として決定する、
1.から6.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
8.
コンピュータが、
商品の移動方向を示す第1情報を取得する第1取得手段と、
前記商品を読取する商品読取装置の読取エリアにおける前記商品の滞在時間および前記商品と前記商品読取装置との間の距離の少なくともいずれか一方を示す第2情報を取得し、
前記第1情報および前記第2情報の組み合わせに基づいて、実行すべき処理を決定する、
ことを含む情報処理方法。
9.
前記コンピュータが、
前記商品を前記商品読取装置に読み取らせる際の動きを撮影する撮像装置から取得した画像を解析することにより、前記商品の移動方向を特定する、
ことを含む8.に記載の情報処理方法。
10.
前記コンピュータが、
所定の記憶手段に記憶されている、方向を示す情報と時間および距離の少なくとも一方を示す情報との組み合わせ別に実行すべき処理を定義している定義情報を用いて、前記第1情報が示す方向と前記第2情報が示す時間および距離の少なくとも一方との組み合わせに対応する処理を特定する、
ことを含む8.または9.に記載の情報処理方法。
11.
前記コンピュータが、
取得された前記第2情報をディスプレイに表示させる、
ことを含む8.から10.のいずれか1つに記載の情報処理方法。
12.
前記コンピュータが、
取得された前記第1情報を前記ディスプレイに更に表示させる、
ことを含む11.に記載の情報処理方法。
13.
前記コンピュータが、
決定した前記実行すべき処理を示す情報を前記ディスプレイに更に表示させる、
ことを含む11.または12.に記載の情報処理方法。
14.
前記コンピュータが、
前記第1情報が示す方向と前記第2情報が示す時間および距離の少なくとも一方との組み合わせに対応する値段変更処理を、前記実行すべき処理として決定する、
ことを含む8.から13.のいずれか1つに記載の情報処理方法。
15.
コンピュータに8.から14.のいずれか1つに記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
【解決手段】情報処理装置10は、第1取得部110、第2取得部120、および、処理決定部130を備える。第1取得部110は、商品の移動方向を示す第1情報を取得する。第2取得部120は、商品を認識する商品読取装置20の読取エリアにおける商品の滞在時間および当該商品と商品読取装置20との間の距離の少なくともいずれか一方を示す第2情報を取得する。処理決定部130は、第1取得部110により取得された第1情報、および、第2取得部120により取得された第2情報の組み合わせに基づいて、実行すべき処理を決定する。