特許第6532123号(P6532123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カーメイトの特許一覧

特許6532123ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム
<>
  • 特許6532123-ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム 図000002
  • 特許6532123-ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム 図000003
  • 特許6532123-ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム 図000004
  • 特許6532123-ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム 図000005
  • 特許6532123-ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム 図000006
  • 特許6532123-ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6532123
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】ウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20190610BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20190610BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301B
   B60R25/24
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-83685(P2015-83685)
(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-216634(P2015-216634A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】特願2014-88811(P2014-88811)
(32)【優先日】2014年4月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(72)【発明者】
【氏名】山崎 康晴
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−110687(JP,A)
【文献】 特開2013−232842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q9/00
B60R25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報端末と、第2の情報端末と、中継器と、車両遠隔始動装置とを有するウェアラブル情報端末機を用いた車両遠隔始動システムであって、上記第1の情報端末は、車両エンジンの遠隔始動信号を短距離無線通信によって発信可能であり上記第2の情報端末は、上記第1の情報端末からの短距離無線通信に基づいて遠隔始動信号を短距離無線通信により発信可能であり上記中継器は、上記短距離無線通信による遠隔始動信号の受信部と、当該受信部で受信した上記遠隔始動信号を長距離無線信号に変換する変換部と、上記長距離無線信号に変換した遠隔始動信号を長距離無線通信で発信する発信部と、を有上記車両遠隔始動装置は、車両エンジンの始動回路に接続されるとともに、上記中継器からの長距離無線通信による遠隔始動信号の受信部と、当該受信部で受信した上記遠隔始動信号に基づき、車両エンジンを始動可能にする手段を有、上記第1の情報端末が、身体に装着可能に構成されていることを特徴とするウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システム
【請求項2】
車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により上記中継器に発信可能な上記第2の情報端末を複数台用いることを特徴とする請求項1記載のウェアラブル情報端末を用いた車両遠隔始動システム
【請求項3】
車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により上記第2の情報端末に発信可能な上記第1の情報端末を複数台用いることを特徴とする請求項1または2記載のウェアラブル情報端末器を用い車両遠隔始動システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル情報端末器を用いて、車両エンジンのスターターやカーセキュリティーシステムの遠隔操作を行うことができる車両遠隔始動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両遠隔始動システムの基本的構成を図4に示す。同図において、41は長距離無線通信(特定小電力電波を用いた無線通信)による遠隔始動信号の受信部、42は受信した上記遠隔始動信号に基づき車両のエンジンを始動可能にする手段を有する車載機、43は前記車載機42に前記長距離無線通信により遠隔始動信号を送信するリモコンである。しかし、この装置はリモコン43を所持携行しなければならので、リモコン43の落下よる破損、置き忘れによる紛失が多いという欠点があった。
【0003】
また、最近の車両遠隔始動システムとして、特開2013−239969号公報に開示されたような構成のものがある。これは、これまでの車載機42にスマートフォンと同様の通信機能を有する通信ユニットを接続しておく。そして、ユーザーが所有するスマートフォンから公衆回線を介して前記通信ユニットに遠隔始動信号を含む信号波を送り、これを上記車載機42でエンジン始動開始に必要な信号波に変換してエンジンを始動させる。しかし、この装置も前記リモコン43と同様に、スマートフォンの落下、紛失に加えて、車載機42にスマートフォンと同様の通信機能を有する通信ユニットを設置するため、高価になるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−239969号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでの車両遠隔始動システムを操作するのに使われてきた長距離無線通信で遠隔始動信号を送受信するリモコン43に代えて、所持しやすい、忘れにくい、落としにくい等の特長を有するウェアラブル情報端末器を使用できるようにする。その情報端末による短距離無線通信の遠隔始動信号を中継器によって、長距離無線通信の遠隔始動信号に変換することにより、従来の車載機42でも車両遠隔操作ができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両遠隔始動システムは、第1の情報端末と、第2の情報端末と、中継器と、車両遠隔始動装置とを有するウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システムであって、上記第1の情報端末は、車両エンジンの遠隔始動信号を短距離無線通信によって発信可能であり、上記第2の情報端末は、上記第1の情報端末からの短距離無線通信に基づいて遠隔始動信号を短距離無線通信により発信可能であり、上記中継器は、上記短距離無線通信による遠隔始動信号の受信部と、当該受信部で受信した上記遠隔始動信号を長距離無線信号に変換する変換部と、上記長距離無線信号に変換した遠隔始動信号を長距離無線通信で発信する発信部と、を有し、上記車両遠隔始動装置は、車両エンジンの始動回路に接続されるとともに、上記中継器からの長距離無線通信による遠隔始動信号の受信部と、当該受信部で受信した上記遠隔始動信号に基づき、車両エンジンを始動可能にする手段を有し、上記第1の情報端末が、身体に装着可能に構成されていることを特徴とするウェアラブル情報端末器を用いる。
【0007】
更に、車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により上記中継器に発信可能な上記第2の情報端末を複数台用いることができる。
【0008】
また、車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により上記第2の情報端末に発信可能な上記第1の情報端末を複数台用いることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システムは、操作用の情報端末を無くしたり、落としたりする恐れが少ない。
情報端末により遠隔始動操作を行えるので、これまでのリモコンを別に所持する必要がない。
長距離無線通信を用いて操作する従来の遠隔始動システムの車載機を変更することなく、リモコンをウェアラブル情報端末器に変更し、情報端末側の近くに中継器を接近させることにより、従来設置済の車両遠隔始動システムの一部をそのまま利用することができ、経済的である。
車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により中継器に発信可能な第2の情報端末を複数台用いることができる。また、車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により第2の情報端末に発信可能なウェアラブル情報端末器110からなる情報端末を複数台用いることもでき、複数人での利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システムの実施例を示すブロック構成図。
図2】本発明に使用する短距離無線通信と長距離無線通信の中継器のブロック構成図。
図3】本発明に用いるウェアラブル情報端末器の一例の外観図。
図4】従来の車両遠隔始動装置のブロック構成図。
図5図1のウェアラブル情報端末器と中継器、当該中継器と車両遠隔始動装置の間における通信方式の実施例を示すブロック構成図。
図6図1のウェアラブル情報端末器と中継器との間に第2の情報端末を介在させた実施例を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
図1は本発明に係るウェアラブル情報端末器を用いた車両遠隔始動システムの実施例を示すブロック構成図である。同図において、11は車両エンジンの遠隔始動信号を短距離無線通信(例えば2.5GHz周波数帯による短距離無線通信)によって発信可能な情報端末である。また、12は、図2に示すように、上記短距離無線通信による遠隔始動信号の受信部121と、当該受信部121で受信した上記遠隔始動信号を長距離無線信号(例えば400MHz周波数帯による無線信号)に変換する変換部122と、上記長距離無線信号に変換した遠隔始動信号を長距離無線通信で発信する発信部123と、を有する中継器である。さらに、図1において、13は車両エンジンの始動回路に接続されるとともに、上記長距離無線通信による遠隔始動信号の受信部と、当該受信部で受信した上記遠隔始動信号に基づき、車両エンジンを始動可能にする手段を有する車両遠隔始動装置である。本発明は、このような構成において、上記情報端末11を例えば図3に示すような腕時計型のウェアラブル情報端末器110をもって構成するものである。なお、上記情報端末11は、車両エンジンの遠隔制御信号の制御用ソフトウェアを外部から取得する手段を有する。すなわち、図3に示すように、車両エンジンの遠隔始動信号を発受信するアプリケーションソフト111をインストールすることができる。
【実施例2】
【0012】
上記実施例1では、情報端末11から中継器12を介して車両エンジンを始動可能にする車両遠隔始動装置13に遠隔始動信号を送信する構成を示したが、車両エンジンが始動し、あるいは始動しない場合にその状態を情報端末に返信するようにするために、図1に示した通信経路を双方向性にすることもできる。この場合は、図2に示すように、中継器12に上記長距離無線通信による遠隔始動信号の受信部124と、当該受信部124で受信した上記遠隔始動信号を短距離無線信号に変換する変換部125と、上記短距離無線信号に変換した遠隔始動信号を発信する発信部126を設けておけばよい。
【0013】
情報端末11はウェアラブル情報端末器110として、図3のような腕時計型のものを示したが、手のひらで保持することなく身体に装着可能な構造をなす端末であれば、その装着位置は実施例に限定されることは無く、例えば眼鏡型などにすることもできる。
【実施例3】
【0014】
本発明における典型的な実施例は、図5に示すように、ウェアラブル情報端末器110からなる情報端末11と中継器12との間の通信を行う手段が、たとえばBluetooth(登録商標)のような短距離無線通信であり、中継器12と車両遠隔始動装置13との間の通信を行う手段が特定小電力通信のような長距離無線通信であることを特徴としている。このような通信方式を使用することにより、中継器を含む通信機器・制御機器の動作を確実に行うことができる。
【実施例4】
【0015】
図6の実施例は、車両エンジンの遠隔始動信号を短距離無線通信によって発信可能なウェアラブル情報端末器110からなる情報端末11と、当該ウェアラブル情報端末器110からなる情報端末11からの短距離無線通信に基づいて遠隔始動信号を短距離無線通信により発信可能な第2の情報端末14を有し更に上記短距離無線通信による遠隔始動信号の受信部と、当該受信部で受信した上記遠隔始動信号を長距離無線信号に変換する変換部と、上記長距離無線信号に変換した遠隔始動信号を長距離無線通信で発信する発信部と、を有する中継器12と、車両エンジンの始動回路に接続されるとともに、上記中継器12からの長距離無線通信による遠隔始動信号の受信部と、当該受信部で受信した上記遠隔始動信号に基づき、車両エンジンを始動可能にする手段を有することを特徴とする。
このような構成にすると、車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により上記中継器12に発信可能な上記第2の情報端末14を複数台用いることができる。また、車両エンジンの始動信号を短距離無線信号により上記第2の情報端末14に発信可能なウェアラブル情報端末器110からなる情報端末11を複数台用いることもでき、複数人での利用が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
時計型、眼鏡型に限らず、様々な型のウェアラブル情報端末を用いるとともに、自動車のみならず車両全般の遠隔始動システムにもちいることができる。
【符号の説明】
【0017】
11:情報端末
12:中継器
13:車両遠隔始動装置
14:第2の情報端末
41:受信部
42:車載機
43:リモコン
110:ウェアラブル情報端末
111:アプリケーションソフト
121:短距離無線通信による遠隔始動信号の受信部
122:遠隔始動信号を長距離無線信号に変換する変換部
123:遠隔始動信号を長距離無線通信で発信する発信部
124:長距離無線通信による遠隔始動信号の受信部
125:遠隔始動信号を短距離無線信号に変換する変換部
126:短距離無線信号に変換した遠隔始動信号を発信する発信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6