(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、一定範囲の入力電力にわたる前記抵抗スイッチの抵抗を、前記第1の抵抗値から前記第2の抵抗値に増大させるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
前記第1の状態は、前記抵抗スイッチが第1の抵抗値を有するようにし、前記第2の状態は、前記抵抗スイッチが第2の抵抗値を有するようにする、請求項9に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面において、同様の参照符号は別個の図全体を通じて同一または機能的に類似の要素を指しており、当該図面は下記の詳細な説明とともに本明細書に組み込まれてその一部を形成しているが、添付の図面は、様々な実施形態をさらに例示し、すべて本発明の主題に応じた様々な原理および利点を説明する役割を果たす。
【0011】
概して、本開示は、効率を改善することができる増幅器、より具体的には、増幅器の動作を制御するための可変抵抗またはスイッチを利用した、ターンオン特性を改善することができる増幅器に関する本発明の主題の実施形態を説明する。
【0012】
本開示において、システムの実施形態がドハティ増幅器に関連して説明されているが、本開示において、ドハティ増幅器は他の実施形態において代替的なデュアルパスまたはマルチパス増幅器に置き換えてもよいことが諒解されるべきである。
【0013】
本開示は、出願時において本発明に応じた様々な実施形態を作成および使用する最良の形態を可能にする様式をさらに説明するために提供されている。本開示はさらに、本発明の範囲を決して限定するものではなく、本発明の原理およびその利点の理解および認識を高めるために提供される。
【0014】
第1、第2の、上部および底部などのような関係語が使用されている場合、それらは、1つの実体または動作を別のものから区別するためにのみ使用されており、必ずしもそのような実体または動作の間に任意の実際のそのような関係または順序があることを必要としまたは示唆するものではないことをさらに理解されたい。
【0015】
本発明の機能の多くおよび本発明の原理の多くは、可能性として特定用途向けICまたは集積処理もしくは制御または他の構造を有するICを含む集積回路(IC)を用いてまたはその中で最良に実装される。当業者は、たとえば、利用可能な時間、現行の技術および経済的事情によって動機づけされる相当の努力および多くの設計選択にかかわらず、本明細書に開示されている概念および原理によって指針を与えられれば、最小限の実験でそのようなICおよび構造を生成することが容易に可能になることが予測される。それゆえ、簡潔にすること、および、本発明の下記に記載する実施形態に応じた原理および概念を曖昧にする一切の危険性を最小限に抑えることを目的に、そのような構造およびICがさらに説明されている場合、それは、様々な実施形態の原理および概念に関連する要点に限定されることになる。
【0016】
ドハティ増幅器は、広い出力電力範囲にわたって高い効率を可能にし、様々な線形化方式を使用して所望の線形性を達成することができるため、いくつかの無線用途に使用されている。多くの実施態様において、ドハティ増幅器は、2つの増幅器、すなわち、キャリアまたはメイン増幅器と、ピーク増幅器とを含む。対称ドハティ増幅器(symmetric Doherty amplifier)において、キャリア増幅器およびピーク増幅器は同じサイズである。対称ドハティ増幅器は、現在、一般的に使用されているが、キャリア増幅器よりも大きいピーク増幅器を利用する非対称性ドハティ増幅器は、さらに効率を改善する可能性を提供する。
【0017】
ドハティ増幅器において、入力信号が入力または電力分配器(input or power splitter)において、メイン増幅経路または回路とピーク増幅経路または回路との間で分配される。その後、分配信号がドハティ増幅器のメイン増幅器およびピーク増幅器によって別個に増幅されて、出力段において組み合わされる。メイン増幅器およびピーク増幅器の出力を組み合わせるとき、各経路の出力の間に最適な平衡をもたらすために、ドハティデバイスの入力分配器の位相および振幅または減衰に微調整を行うことが望ましい場合がある。この調整を容易にするために、ドハティ増幅器は、メイン増幅器およびピーク増幅器の両方に対する入力信号の構成を微調整するのに使用することができる調整可能電力分割器または分配器を含み得る。ドハティ増幅器は、ドハティ増幅器の1つ以上の経路のうちの1つの位相シフトおよび/または振幅を選択的に変更するように構成されている調整可能位相遅延および/または振幅調整をも含み得る。
【0018】
図1は、メイン経路およびピーク経路を含む従来のドハティ増幅器配列10を示す。図示のような
図1において、調整可能電力分配器または無線周波数電力分配器のような電力分配器12が、ドハティ増幅器10のメイン経路14およびピーク経路16に結合されている。電力分配器12は、入力信号18(たとえば、無線周波数入力(RFIN)を、複数の信号に分割するように構成されている。複数の信号の各々は、異なる増幅経路に沿って送信される。各増幅経路は、いくつかの減衰器、位相調整器、および/または増幅器を含んでもよい。
図1において電力分配器12は2つの出力信号を生成する。
【0019】
一実施態様において、電力分配器12は、入力無線周波数信号を受信するための入力、ならびに第1の分割器出力および第2の分割器出力を有する電力分割器を含むことができる。対称ドハティ増幅器に接続されると、電力分配器12は、入力18において受信される入力信号を、非常に類似した、いくつかの実施形態では等しい電力を有する2つの信号に分割または分配することができる。しかしながら、他の場合において、電力分配器12は、等しくない電力を有する信号を出力してもよい。
【0020】
電力分配器12の出力は、メインまたはキャリア増幅器20およびピーク増幅器22に接続される。キャリア増幅器20は、マッチングネットワークまたは回路(matching network or circuit、図示せず)を介して電力分配器12の第1の出力に結合されている。ピーク増幅器22は、マッチングネットワークまたは回路(図示せず)を介して電力分配器12の第2の出力に結合されている。本明細書の記載に基づいて当業者には諒解されるように、キャリア増幅器20およびピーク増幅器22は、相対的に低い電力レベルの増幅および相対的に高い電力レベルの増幅の1つ以上の段からなり得る。
【0021】
インピーダンスインバータ(impedance inverter)またはλ/4伝送線路位相シフト要素24が、キャリア増幅器20の出力と加算ノードとの間に接続されており、ピーク増幅器22の出力も加算ノードに結合されている。要素24によって導入される位相シフトは、いくつかの実施形態では、位相シフト要素26によって導入される経路16上に存在する90度相対位相シフトによって補償される。
【0022】
インピーダンス28を含むインピーダンスネットワークは、キャリア増幅器20およびピーク増幅器22の各々に適切な負荷インピーダンスを提供するように機能し、共通出力ノードにおいて各増幅器から生成される信号を組み合わせる。出力負荷30(たとえば、50オーム)は、キャリア増幅器20およびピーク増幅器22の出力に接続される。
【0023】
増幅器10は、キャリア増幅器20がより低いレベルの入力信号に対する増幅を提供し、増幅器20および22の両方が協働して高入力レベル信号に対する増幅を提供するように構成されている。一実施態様において、キャリア増幅器20は、メイン経路14から受信される信号を増幅するように構成されており、一方で、ピーク増幅器22は、ピーク経路16から受信される信号が所定閾値を超える場合にのみ、ピーク経路16から受信される信号を増幅するように構成されている。
【0024】
このことは、たとえば、キャリア増幅器20がAB級モードで動作するようにキャリア増幅器20をバイアスし、ピーク増幅器22がC級モードで動作するようにピーク増幅器22をバイアスすることによって達成され得る。
【0025】
図1に示すドハティ増幅器10のアーキテクチャは、アーキテクチャが、拡大した入力信号範囲にわたって高い効率をもたらすことができることに起因して、通信システムに広く使用されている。このアーキテクチャは、デジタル歪補償(Digital Pre-Distortion : DPD)技法を使用して良好に線形化することもできる。
【0026】
図2Aおよび
図2Bは、キャリア増幅器およびピーク増幅器が理想的な電圧および電流源としてモデル化されている、従来のドハティ増幅器の理想化された動作を示すグラフである。
図2Aにおいて、垂直軸は
図1のキャリア増幅器20およびピーク増幅器22の出力ノードにおける電圧V
carrierおよびV
peakingを表し、一方で水平軸は、正規化入力電圧V
in/V
in_max(
図1に示す)を表す。V
inは最大入力電圧V
in_maxに正規化される。
図2Bにおいて、垂直軸は電流I
peakingおよびI
carrier(
図1に示す)を表し、一方で水平軸は正規化入力電圧V
in/V
in_maxを表す。電流I
carrierおよびI
peakingは、入力電力を、ゼロから、単位元(unity)に等しいV
in/V
in_maxをもたらすより高い値まで掃引した結果である。両方のグラフにおいて、電圧および電流値はそれぞれ1.0ボルト(V)またはアンペア(A)の値付近で正規化されている。
図2Aおよび
図2Bに示す曲線は、理想化されたキャリア増幅器およびピーク増幅器のすべての可能な動作点を表す。
図2Aにおいて、線200は、キャリア増幅器の電圧を示し、一方で線202はピーク増幅器の電圧を示す。
図2Bにおいて、線204は、キャリア増幅器の電流を示し、一方で線206はピーク増幅器の電流を示す。
【0027】
図2Aおよび
図2Bに示すドハティ増幅器の動作は、キャリア増幅器20およびピーク増幅器22が飽和していないときの電流源および飽和しているときの電圧源としてモデル化されている既知の一次概念に基づいている。低入力電力レベルにおいて、増幅器10のピーク増幅器22はピーク増幅器22のC級バイアスに起因して非伝導である。そのため、増幅器10によって生成されるすべての増幅は、キャリア増幅器20のみを使用して達成される。入力電力レベルが増大すると、無線周波数(RF)入力信号が十分に大きく、それによって、キャリア増幅器20が飽和の始まりにあり、1V(正規化)の一貫したRF出力電圧を生成する、
図2Aの線200の水平部分参照、という点(すなわち、
図2Aおよび
図2Bの両方にラベリングされている遷移点α)に達する。飽和すると、キャリア増幅器20は、入力電力がさらに増大してもV
carrierが単位元(正規化)にあるままであるような電圧源としての一次原理によって表現およびモデル化することができる。インピーダンスインバータ24,28(
図1に示す)に起因して、電圧V
peakingは単位元よりも小さい。入力電力がさらに増大することによって、キャリア増幅器20およびピーク増幅器22の動作は点αを超えて移動する。キャリア増幅器は、キャリア増幅器20で見られるインピーダンスを変調する効果を有する電流I
peakingを伝導し(conduct)始めて該電流I
peakingに寄与(contribute)し、その後、さらに、キャリア増幅器20がさらなるRF電流に寄与することを可能にする。V
in/V
in_maxが単位元に等しいフル駆動状態下では、キャリア増幅器20およびピーク増幅器22の両方が飽和しており、最大電力を生成している。
【0028】
遷移点αの値は、キャリア増幅器およびピーク増幅器の電力容量に関係する所望の負荷変調によって決定することができる。一般的に、遷移点αは1/(1+Pp/Pc)として選択され、PpおよびPcはそれぞれピーク増幅器およびキャリア増幅器の電力容量である。これは、水平軸上の点αの上での
図2Bの線206に示すピーク増幅器22からの電流の増大によって示されている。
【0029】
ドハティ増幅器の性能を評価するとき、入力電力レベルが遷移点α付近である、それよりも上、およびそれよりも下であるときの増幅器の動作、ならびに、その領域におけるドハティ増幅器の全体的な効率が考慮され得る。キャリア増幅器およびピーク増幅器が理想的な電圧および電流源として表現されているドハティのアーキテクチャの従来の分析は、遷移点αにおいて、ドハティ増幅器全体の効率が、キャリア増幅器のみによって決定されることを示唆しており、キャリア増幅器についてB級動作を仮定して、π/4の効率値はV
in/V
in_max=αにおいて示唆される。この分析は、理想化されたモデルにおいてI
peakingが遷移点αにおいてゼロであるため、ピーク増幅器が不寄与(non-contributing)であると仮定している。
【0030】
現実には、ピーク増幅器は理想的な電圧および電流源ではない。ピーク増幅器がC級動作することに起因して、V
in/V
in_maxがαより下からαより上へと遷移するときにI
peakingがゼロから急激にゼロより上に遷移することはない。言い換えれば、
図2Aおよび
図2Bの遷移点αにおける線200,202,204,206における鋭角は、現実のドハティ増幅器の動作を正確に描写していない。実際には、応答はI
peakingおよびV
carrierの両方についてより漸進的である。
【0031】
図3Aおよび
図3Bは、遷移点α周辺のドハティ増幅器の実際の動作を描写するように修正された、それぞれ
図2Aおよび
図2Bのグラフを示す。
図3Aに見られるように、遷移点α周辺で、キャリア増幅器の電圧(線202によって示す)は、増大から1.0Vの最大値に達するまで急激に遷移していない。そうではなく、破線302によって示すように、遷移は漸進的である。そのため、現実の増幅器において、たとえ遷移点αよりもいくらか大きい出力電力レベルにあっても、ここでも理想化されたモデルに反して、キャリア増幅器は依然として完全な飽和には達していない。
【0032】
同様に、
図3Bに示すように、ピーク増幅器の電流(線206によって示す)は、ピーク増幅器が遷移点α付近で伝導を始めるときに急激に遷移しない。そうではなく、破線304によって示すように、遷移は漸進的である。そのため、現実の増幅器において、たとえ遷移点αよりもいくらか小さい出力電力にあっても、理想化されたモデルに反して、ピーク増幅器はすでに伝導している。
【0033】
これらの効果は、遷移動作点αの辺りでの全体的なドハティ効率にとって有害である。
本発明のシステムおよび方法において、ピーク増幅器の入力におけるRF電圧が、可変抵抗または抵抗スイッチ要素を使用して変調される。この変調は、ピーク増幅器の動作を制御し、ドハティ増幅器の全体的な効率を改善する。様々な実施態様において、抵抗スイッチは、1つ以上のトランジスタ、たとえば、ガリウムヒ素(GaAs)を使用して製造されてもよいP型高電子移動度トランジスタ(P-high-electron-mobility transistors : pHemt)、シリコン・オン・インシュレータ技術を使用したFET(電界効果トランジスタ)、または他のタイプのトランジスタを含んでもよい。一実施態様において、抵抗スイッチは、2つの端子を有し、当該2つの端子の間に調整可能抵抗を有する回路要素である。制御入力が、2つの端子の間の抵抗を制御するように構成されている信号を受信する。入力は、2つの候補値(たとえば、ローおよびハイ電圧)に制限され得、この場合、2つの入力値によって、調整可能抵抗は2つの候補値のうちの1つに等しくされる。代替的に、入力はアナログであってもよく、入力信号の大きさが抵抗スイッチの抵抗を決定する。同様に、入力はデジタル値であってもよく、デジタル入力信号が抵抗スイッチによって特定の抵抗値に変換される。抵抗スイッチは、1つの抵抗値から別の抵抗値へ遷移すると、抵抗が突然に変化するのではなく、スイッチは抵抗を一定期間にわたって漸進的に(たとえば、いくつかの中間抵抗状態を通じて)変化させるように構成されてもよい。代替的に、抵抗スイッチの抵抗は、スイッチに対する入力電圧の関数であってもよい。その場合、
図5に関連して下記に説明するように、入力電圧が第1の閾値を下回るとき、スイッチの抵抗は第1の値に設定され得る。同様に、入力電圧が第2の閾値を上回るとき、スイッチの抵抗は第2の値に設定され得る。入力信号が第1の閾値と第2の閾値との間に入るとき、スイッチの抵抗は入力電圧の関数になり得る。一実施態様において、関数は線形関数である。
【0034】
図4は、メイン経路およびピーク経路とピーク経路に接続されている抵抗スイッチとを含むドハティ増幅器配列400を示す。
図4において、電力分配器402がドハティ増幅器400のメイン経路404およびピーク経路406に結合されている。電力分配器402は、入力信号408(RFIN)を、複数の信号に分割するように構成されている。複数の信号の各々が異なる増幅経路に沿って送信される。各増幅経路は、いくつかの減衰器、位相調整器、および/または増幅器を含んでもよい。
【0035】
電力分配器402の出力は、メインまたはキャリア増幅器410およびピーク増幅器412に接続される。キャリア増幅器410は、マッチングネットワークまたは回路(図示せず)を介して電力分配器402の第1の出力に結合されている。ピーク増幅器412は、マッチングネットワークまたは回路(図示せず)を介して電力分配器402の第2の出力に結合されている。
【0036】
インピーダンスインバータまたはλ/4線路位相シフト要素414が、キャリア増幅器410の出力と加算ノードとの間に接続されており、ピーク増幅器412の出力も加算ノードに接続されている。要素414によって導入される位相シフトは、いくつかの実施形態では、位相シフト要素416によって導入される経路406上に存在する90度相対位相シフトによって補償される。代替の実施形態において、デバイス400は、「反転ドハティ(inverted Doherty)」構成を有してもよい。そのような構成においては、インピーダンスインバータまたはλ/4線路位相シフト要素414が、キャリア増幅器410の出力と加算ノードとの間ではなく、ピーク増幅器412の出力と加算ノードとの間に接続されている。加えて、反転ドハティ実施態様においては、要素414によって導入される位相シフトは、経路406上ではなく、経路404上に存在する90度相対位相シフトによって補償することができる。インピーダンス(impedance)418,420を含むインピーダンスネットワークは、キャリア増幅器410およびピーク増幅器412の各々に適切な負荷インピーダンスを提示するように機能し、共通出力ノードにおいて各増幅器から生成される結合信号を出力する。
【0037】
抵抗スイッチ422は、シャント構成においてピーク経路406に接続されている。スイッチ422の第1の通電端子が、電力分配器402の出力とピーク増幅器412の入力との間でピーク経路406に接続されている。スイッチ422は、信号V
controlを受信するための制御入力424を含む。スイッチ422の第2の通電端子は、たとえば、グランド電圧ノードを通じて電圧基準(たとえば、Vddまたはグランド)に接続されている。制御入力424は、プログラムされたマイクロプロセッサまたは他のコントローラのような、適切に構成されているコントローラ(図示せず)によって、スイッチ422を通電端子間の所望の抵抗レベルに設定するのに利用されてもよい。
【0038】
一実施態様において、スイッチ422は2値であり、2つの入力のみをV
controlとして受け入れてもよい。その場合、入力424における第1の入力値または電圧が、スイッチ422を低抵抗または伝導状態(すなわち、通電端子間の相対的に低い抵抗)にし、第2の入力値または電圧が、スイッチ422を高抵抗または非伝導状態(すなわち、通電端子間の相対的に高い抵抗)にする。代替的に、スイッチ422の入力424における入力V
controlはアナログであってもよい。その場合、スイッチ422の抵抗は、V
controlが特定のアナログ電圧値に設定されるのに応答して設定され得る。その後、アナログ電圧値がスイッチ422によって特定の抵抗値にマッピングされ得る。また他の実施態様において、スイッチ422は、いくつかの異なる抵抗に構成可能であってもよく、スイッチ422の入力424におけるV
controlは、それらの異なる抵抗のうちの特定の1つを選択するための2進値であってもよい。
【0039】
一実施態様において、α未満のV
in/V
in_maxの入力信号レベルについて、スイッチ422は、C級バイアスピーク増幅器412がオンになって電流を伝導するのを妨げるために低抵抗に設定される。具体的には、ピーク増幅器への入力に存在するRF電圧が低減され、それによって、ピーク増幅器を非伝導状態のままにする。この状態における抵抗スイッチの等価な抵抗はゼロオームに近くある必要がなく、事実、スイッチング動作に起因するRF電圧定在波比(VSWR)不整合効果を制限するように、ゼロオームよりも大きい値が利用され得る。したがって、抵抗スイッチは、より低い抵抗値が数十オーム以内(たとえば、約5オーム〜約50オーム以上)であり得、高い抵抗値が数桁大きい(たとえば、約1000オーム〜約5000オーム以上)ものであり得る2つの抵抗値または状態の間で切り替わる抵抗要素として操作される。これによって、キャリア増幅器410が、ピーク増幅器412から干渉を受けることなくその飽和電圧(たとえば、
図3Aおよび
図3Bに示すような)に達することが可能になり、結果として遷移点αにおけるドハティ効率がより高くなる。逆に、入力信号レベルがαよりも大きくなると、その点においてキャリア増幅器410は飽和するが、スイッチ422は相対的に高い抵抗に設定され、ピーク増幅器412が動作を開始することが可能になる。
【0040】
概して、低抵抗から高抵抗へ遷移するとき、スイッチ422は相対的に小さい遷移電圧範囲にわたって遷移を行う。電圧遷移範囲はV
in_maxの約1%〜約10%であり得る。スイッチ422の抵抗が増大すると、ピーク増幅器412はピーク増幅器412の入力における入力信号の増大量を検出し、伝導を開始する。スイッチ422の抵抗が相対的に小さい遷移電圧にわたって低から高へ遷移する結果として、ピーク増幅器412が平滑にではあるが相対的に突然にオンになり、それによって、ドハティ増幅器400全体の平滑な利得応答が保持される。しかしながら、スイッチ422が瞬間的にまたはほぼ瞬間的に低抵抗から高抵抗に変化したとすると、そのような抵抗の変化はドハティ増幅器の信号経路に過渡信号を導入する可能性がある。
【0041】
スイッチ422の抵抗を、遷移点αよりも下の入力レベルにおいて低いままにすることによって、ピーク増幅器412に対する入力信号は、スイッチ412の抵抗が低いことに起因して信号の多くがスイッチ412を通過するため、小さいままである。それゆえ、入力信号振幅は、キャリア増幅器410が飽和に達する前にピーク増幅器412が伝導することを妨げるのに十分小さいままである。フル駆動状態で入力レベルが遷移点αを超えるとき、スイッチ422は高抵抗にあり、通常ドハティ動作が実施される。一実施態様において、スイッチ422の低抵抗値は約10オームよりも大きく、約10〜約20オームであってもよい。代替の実施形態において、スイッチ422の低抵抗値は約20オーム〜約100オーム以上の範囲内にあってもよい。高抵抗値は1,000オームよりも大きく、場合によっては、増幅器構成が許容する限りの高い抵抗値である(たとえば、最大約5,000オーム以上)。
【0042】
本実施形態において、スイッチ422の低抵抗値は約0オームに等しくないか、またはほぼ等しくないことが望ましい。スイッチ422の低抵抗が短絡回路を近似したとすると、状態が変化する(たとえば、低抵抗から高抵抗へ、または高抵抗から低抵抗へ)とき、スイッチは増幅器の複雑な利得応答に望ましくない過渡グリッチを発生させ、増幅器線形性を劣化させるおそれがある。その過渡は増幅器の利得、振幅変調/位相変調、線形性などにおいて検出され得る。線形性性能および増幅器線形化可能性(たとえば、DPDを使用した)は、携帯電話インフラ送信機用途にとって重要である。したがって、本システムにおいて、スイッチ422は、低抵抗状態にあるとき、50オームシステムについて少なくとも10オームの抵抗を呈する。
【0043】
いくつかの実施形態において、スイッチ422はV
in/V
in_maxの関数である抵抗を呈する。
図5は、スイッチ422の抵抗対V
in/V
in_maxを示しているグラフである。
図5に示すように、スイッチ422の応答は区分的に線形であり、ただし、他の関数も使用されてもよい。遷移点αを下回るV
in/V
in_maxレベルにおいて、スイッチ422の抵抗は低い値に設定される。V
in/V
in_maxの値が遷移点αを上回って遷移すると、スイッチ422の抵抗はV
transitionと示す遷移範囲にわたって線形的に増大する。遷移範囲の終わりに、スイッチ422は高い(たとえば、最大)抵抗に設定される。様々な他の実施態様において、スイッチ422の抵抗は、V
in/V
in_maxの値によって決定されるのではなく、代わりに、ドハティ増幅器に対する入力信号のエンベロープの振幅の関数であってもよい。たとえば、エンベロープ振幅が相対的に低いとき、スイッチ422は第1の抵抗状態(たとえば、低抵抗状態)に設定されてもよく、エンベロープ振幅が相対的に高いとき、スイッチ422は第2の抵抗状態(たとえば、高抵抗状態)に設定されてもよい。
【0044】
ドハティ増幅器400の代替的な実施態様は、スイッチ422が、
図4に示すシャント構成ではなく、電力分配器402とピーク増幅器412との間に直列に接続されることを必要とする。直列に接続されると、スイッチ422は、スイッチ422がシャント構成にある上述のものと反対の抵抗特性を呈することになる。したがって、直列であるとき、遷移点αを下回るV
in/V
in_maxレベルについて、スイッチの抵抗は高い値に設定され、遷移範囲にわたり線形的に低減することになる。遷移範囲の終わりにおいて、スイッチの抵抗は低(たとえば、最小)抵抗値に設定されることになる。ただし、直列構成において、上述のシャント構成とは対照的に、低抵抗状態はゼロオームに、またはゼロオーム付近になってもよく(たとえば、約0オームと約5オームとの間)、一方で高抵抗状態は、たとえば、増幅器利得または位相の断続につながるVSWR不整合効果を妨げるために、約200オームのような最大のより高い値(たとえば、約100オーム〜約300オーム以上)に制限され得る。
【0045】
上述の方法に応じてスイッチ422をドハティ増幅器400に組み込み、スイッチ422の可変抵抗を制御することによって、ドハティ増幅器400の性能を、従来のデバイスと比較して理想的な増幅器のものを密接に近似するようにすることができる。
【0046】
そのため、
図6Aおよび
図6Bは、理想化されたドハティ増幅器、従来のドハティ増幅器、および
図4に示すドハティ増幅器の動作を示しているグラフである。各グラフは、ドハティ増幅器のキャリア増幅器およびピーク増幅器のデータを示している。
図6Aにおいて、線200は、キャリア増幅器の電圧を示し、一方で線202はピーク増幅器の電圧を示す。
図6Bにおいて、線204は、キャリア増幅器の電流を示し、一方で線206はピーク増幅器の電流を示す。両方のグラフにおいて、電圧および電流値は1.0の値付近で正規化されている。
図3Aおよび
図3Bにおけるもののように、破線302および304は、遷移点αの辺りで従来のドハティ増幅器の実際の電圧および電流曲線を表している。曲線602および604は、
図4に応じて構成されているドハティ増幅器の遷移点αの辺りの電圧および電流曲線を表している。
【0047】
図6Aから分かるように、スイッチ422を組み込んでいるデバイスにおいて、キャリア増幅器は、従来のデバイスと比較して低減した、遷移点αを超える出力において飽和電圧に達する(線602参照)。同様に、
図6Bに関連して、スイッチ422を組み込んでいるデバイスにおいて、ピーク増幅器は、従来のデバイスと比較してより大きい入力電力レベルにおいて伝導を開始する(線604参照)。ドハティ増幅器400のこれら2つの属性は、ピーク増幅器の有効ターンオン特性を高めることによって、より理想的でより効率的なドハティ電力増幅器を実現することができる。
【0048】
図7は、
図4に示すドハティ増幅器400のスイッチ422に対するコントローラの機能構成要素を示すブロック図である。この実施態様において、スイッチ422は2つの状態、すなわち、低抵抗状態および高抵抗状態を有する。これらの状態は、高い値または低い値のいずれかを有することができる入力V
controlによって制御される。V
controlが高い値に設定されると、スイッチ422は高抵抗状態に遷移する。V
controlが低い値に設定されると、スイッチ422は低抵抗状態に遷移する。ただし、他の実施態様において、スイッチ422は入力V
controlに応答して異なる挙動を呈してもよく、ここで、高い値のV
controlによってスイッチ422の抵抗が低くなり、その逆も起こる。
【0049】
入力700において、コントローラは、ドハティ増幅器(たとえば、
図4のドハティ増幅器400)が送信するためのデジタル入力信号を受信する。一実施態様において、入力信号は、JESD204または低電圧差動伝送(LVDS)信号の形態で受信されてもよい。入力700において受信された信号は、その後、インターフェース(I/F)ブロック702によって処理される。I/Fブロック702は、JESDまたはLVDSインターフェースプロトコルおよび信号レベルをコントローラの内部論理に適切なものに変換する。たとえば、JESDの場合I/Fブロック702は、デバイスピンにおける差動伝送レベルを内部論理レベルに変換し、シリアル・ビット・ストリームに同期させ、シリアル・ビット・ストリームをデジタルフィルタ704に渡されることになる並列データワード(parallel data word)に変換する。デジタルフィルタ704は、一般的に、データワードを、デジタル−アナログ変換器(DAC)706によって必要とされるより高いデータレートに補間する。デジタルフィルタ704は、DACまたは後続の回路要素内の任意の非線形性をも補償し得る。場合によっては、デジタルフィルタ704は任意選択である。コントローラ内に含まれる場合、デジタルフィルタ704は、シリアル周辺機器インターフェース(SPI)を使用して構成されてもよい。フィルタリングされると、フィルタリングされた信号がDAC706に渡され、信号はアナログ信号に変換される。その後、アナログ信号は1つ以上のアナログフィルタ708によってフィルタリングして、ノード710においてドハティ増幅器に送信するために出力することができる。その後、信号は、ドハティ増幅器のキャリア増幅器のみによって、またはキャリア増幅器およびピーク増幅器の両方によって増幅され、送信のためにアンテナに印加されることになる。
【0050】
比較器712は、処理中にデジタル信号を受信するように構成されている。
図7に示すように、比較器712は、デジタル信号が任意選択のデジタルフィルタ704によってフィルタリングされた後にデジタル信号を受信するが、比較器712は、処理の任意の時点においてデジタル入力信号を受信してもよい。その後、デジタル信号の値がレジスタ714内に記憶されている閾値と比較される。レジスタ714は、動的または静的のいずれであってもよい電子メモリ内に値を記憶するように構成されている任意のメモリ構成要素であってもよい。デジタル信号の値が、ピーク増幅器が伝導しないべきであるよう十分低い(すなわち、遷移点α未満の値)場合、コントローラの出力は、スイッチ422がピーク増幅器が伝導しないようにする抵抗値に設定されるようなものである。逆に、デジタル信号の値が、ピーク増幅器が伝導すべきであるよう十分高い(すなわち、遷移点α以上の値)場合、コントローラの出力は、スイッチ422がピーク増幅器が伝導するようにする抵抗値に設定されるようなものである。
【0051】
一実施態様において、比較器712に対する入力の1つを形成するデジタルフィルタ704の出力は、デジタル形式で表現される、送信すべきベースバンド信号である。その場合、レジスタ714は、ピーク増幅器が伝導すべきである以上のベースバンド信号レベルを記述する値を記憶する。ベースバンド信号値はその後、比較器712によって、レジスタ714内に記憶されている値と比較される。比較器712はその後、比較に基づいて、出力718が高い値に設定されるべきか、または低い値に設定されるべきかを判定する。ベースバンド信号レベルが、ピーク増幅器がオンになるべきである値を超える(たとえば、値がレジスタ714に記憶されている値以上である)場合、出力718は、ピーク増幅器を伝導させる値に設定される。一方、ベースバンド信号レベルが、ピーク増幅器がオンになるべきである値を超えない(たとえば、値がレジスタ714に記憶されている値未満である)場合、出力718は、ピーク増幅器を伝導させない値に設定される。レジスタ714内の閾値はまた、たとえば、SPIを使用して設定されてもよい。概して、比較器712によって実行される比較がDAC706を通じて電力増幅器に流れるデータと同期していることを保証するために、比較器712のクロックはDAC706のクロックと同期している。
【0052】
デジタル入力信号がレジスタ714内に記憶されている閾値を超えるか否かに応じて、比較器712の出力はハイまたはローのいずれかになる。比較器712の出力は遅延要素716によって遅延され得、遅延要素は、遅延された信号を出力718において出力する。出力718における信号はその後、たとえば、スイッチ422の状態を制御するためにスイッチ422の入力に供給される。出力718がハイである場合、スイッチ422は高抵抗状態に遷移する。一方、出力718がローである場合、スイッチ422は低抵抗状態に遷移する。代替的に、スイッチ422、および比較器712の動作を両方とも、同じ性質を達成するのに逆にしてもよい。
【0053】
代替の実施形態において、比較器712は、スイッチ422のための一定範囲の抵抗値を表すマルチビット値を出力してもよい。そのとき、比較器出力は、スイッチ422が低インピーダンス状態から高インピーダンス状態に、またはその逆に遷移することができる所望のスイッチ点の周囲のプログラム可能な範囲に対するものになる。スイッチの抵抗遷移を複数のより小さいステップに分解することによって、ピーク増幅器をオンにすることへのより精細な制御が可能になり得る。また別の実施態様において、マルチビット比較器出力が、事前設定されたレートで開始抵抗値から終了抵抗値までの所定のまたはプログラム可能なステップシーケンスを通じて自動的に配列される。
【0054】
遅延要素716によって具体化される遅延は、ドハティ増幅器および接続されている構成要素内で発生し得るいくつかの可能性のある遅延を補償するよう慎重に選択されるべきである。たとえば、ドハティ増幅器内でいくつかのフィルタおよびプリドライバが伝搬遅延を導入する場合がある。遅延要素716によってもたらされる遅延は、比較器712によって出力される信号上の遅延と同様の遅延を導入すべきである。これによって、スイッチ422の動作がドハティ増幅器400の残りの部分の動作と時間的に整合することが可能になる。遅延要素716はまた、比較器712が処理チェーンのより前、たとえば、デジタルフィルタ704の前に挿入される場合、デジタル処理チェーンを通じた伝搬を補償するのに使用されてもよい。その場合、遅延要素716は、デジタルフィルタ704、DAC706、アナログフィルタ708、およびスイッチ422までのドハティ増幅器経路を通じた遅延の総合計を含み得る。
【0055】
それゆえ、本発明のシステムおよび方法の実施形態は、ドハティ増幅器のピーク増幅器の有効ターンオン特性を高めることによって、より理想的でより効率的なドハティ電力増幅器を提供することができる。遷移電圧を下回る信号レベルについて、スイッチは、ピーク増幅器の入力におけるRF信号を減衰させ、それによって、ピーク増幅器をオフ状態のままにする。遷移電圧を上回る入力信号レベルにおいて、スイッチ抵抗が変化し(たとえば、シャント実施形態については増大し、または直列実施形態においては低減し)、ピーク増幅器が迅速にオンになることが可能になる。
【0056】
シミュレーションにおいて、本開示に応じて構成されているドハティ増幅器は、効率の改善を実証した。
図8は、従来のドハティ増幅器および本発明のドハティ増幅器デバイスの一実施形態の効率対デシベル単位の増幅器の出力電力を示しているグラフである。線802は、従来のデバイスの効率を示しており、一方で線804は、本発明のドハティ増幅器デバイスの一実施形態の効率を示している。
図8から分かるように、遷移点αの辺りで、本発明のドハティ増幅器デバイスの一実施形態(線804)は、従来のデバイスと比較して効率の改善を実証している。
【0057】
いくつかの実施形態において、3つ以上の(たとえば、1つのキャリア増幅器および1つのピーク増幅器を超える)増幅器を含むドハティ増幅器が実装されてもよい。これらの増幅器はNウェイドハティ増幅器と称され、3つ以上の増幅器を含むことができる。たとえば、3ウェイドハティは、1つのキャリア増幅器および2つのピーク増幅器回路から成ることになる。そのような実施形態において、抵抗スイッチ要素は、各ピーク増幅器の入力側に配置され得、各スイッチ要素は、別個の独立した制御信号によって制御され得る。
図4に示す2つの増幅器ドハティ配列と同様に、Nウェイドハティ増幅器においてN個の増幅器の各々が異なる入力電力レベルにおいて伝導を開始するように構成されてもよい。その場合、Nウェイドハティ増幅器内に含まれている増幅器の1つ以上は、本明細書に記載のように、増幅器の動作を制御するためのスイッチ(たとえば、
図4のスイッチ422)を含んでもよい。
【0058】
そのような実施形態において、Nウェイドハティ増幅器内の増幅器の1つ以上に結合されている抵抗スイッチは、同じく本明細書に記載のように、シャント配列において、または増幅器と直列に構成されてもよい。様々なスイッチは、同様の低および高抵抗特性を有して各々が同様に構成されてもよく、または、異なる抵抗特性を有してもよい。スイッチの各々は、スイッチが低抵抗状態に置かれるか、または高抵抗状態におかれるかを制御するための入力(たとえば、V
control)を有することができる。
【0059】
各スイッチのための制御信号は、増幅器に対する入力信号を、関連増幅器が動作すべきか否かを判定するため、閾値と比較するように構成されている1つ以上のコントローラによって供給されてもよい。そうである場合、関連するスイッチが、増幅器が動作することを可能にする抵抗状態に置かれる。そうでない場合、関連するスイッチが、増幅器の動作をディセーブルする抵抗状態に置かれる。
【0060】
デバイスの一実施形態は、キャリア経路およびピーク経路を有するドハティ増幅器を含む。ドハティ増幅器は、キャリア経路から受信される信号を増幅するように構成されているキャリア増幅器と、ピーク経路から受信される信号を増幅するように構成されているピーク増幅器とを含む。デバイスは、ピーク経路に接続されている第1の端子、および、電圧基準に接続されている第2の端子を有する抵抗スイッチと、ドハティ増幅器の入力電力が閾値を下回る場合に抵抗スイッチを第1の抵抗値に設定し、ドハティ増幅器の入力電力が閾値を上回る場合に第2の抵抗値に設定するように構成されているコントローラとを含む。
【0061】
デバイスの一実施形態は、第1の経路および第2の経路を有する増幅器を含む。第1の経路は第1の増幅器を有し、第2の経路は第2の増幅器を有する。デバイスは、第2の経路に接続されている第1の端子を有する抵抗スイッチと、増幅器の入力電力が閾値を下回る場合に抵抗スイッチを第1の状態に設定し、増幅器の入力電力が閾値を上回る場合に第2の状態に設定するように構成されているコントローラとを含む。
【0062】
コントローラの一実施形態は、デジタル入力信号を受信するように構成されている入力を含む。デジタル入力信号は、マルチパス増幅器によって送信されるように構成されている。マルチパス増幅器は、抵抗スイッチであって、抵抗スイッチの抵抗を第1の抵抗状態または第2の抵抗状態に設定するための制御信号を受信するように構成されている、抵抗スイッチを含む。抵抗スイッチは、第1の抵抗状態にある場合にマルチパス増幅器内の増幅器の動作を抑制し、第2の抵抗状態にある場合にマルチパス増幅器内の増幅器が動作することを可能にする。コントローラは、閾値を記憶するように構成されているレジスタと、デジタル入力信号を閾値と比較し、デジタル入力信号が閾値未満である場合に、抵抗スイッチが第1の抵抗値を有するようにする第1の出力信号を生成し、デジタル入力信号が閾値よりも大きい場合に、抵抗スイッチが第2の抵抗値を有するようにする第2の出力信号を生成するように構成されている比較器とを含む。
【0063】
本開示は、本発明に応じた様々な実施形態を、その真の、意図される、公正な範囲および精神を限定するのではなく、適合および使用する方法を説明するように意図されている。上記の説明は、網羅的であるようにも、本発明を開示されている厳密な形態に限定するようにも意図されていない。上記の教示に照らして変更および変形が可能である。実施形態(複数の場合もあり)は、本発明の原理およびその実際の適用の最良の例示を提供し、当業者が、様々な実施形態において、および、企図する特定の用途に適するように様々な変更を加えて本発明を利用することを可能にするために選択および記載された。すべてのそのような変更および変形は、それらが公正に、合法に、かつ公平に権利付与される範囲に応じて解釈されるときに、本出願が特許を求め係属している間に補正され得る添付の特許請求の範囲、およびそのすべての均等物によって定められるような本発明の範囲内にある。