(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6532172
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】バルブ用の二段シール
(51)【国際特許分類】
F16J 15/18 20060101AFI20190610BHJP
F16J 15/48 20060101ALI20190610BHJP
F16K 1/36 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
F16J15/18 C
F16J15/48
F16K1/36 A
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-501112(P2016-501112)
(86)(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公表番号】特表2016-512867(P2016-512867A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】US2014022964
(87)【国際公開番号】WO2014150328
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月21日
(31)【優先権主張番号】61/800,093
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/185,821
(32)【優先日】2014年2月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】リンサー,マーク ジェイ.
【審査官】
竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】
実開平01−109660(JP,U)
【文献】
特開2008−267449(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0202428(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/18
F16J 15/48
F16K 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧プロセスライン中の第1のシール表面と第2のシール表面との間の摺動接触面に沿って、静的横シール及び動的横シールを形成するための二段シールであって、前記シールは、
動的シール部材及び静的シール部材を画定する、本体であって、前記動的シール部材及び前記静的シール部材のそれぞれは、前記第1のシール表面を密封係合するように配置され、前記第1の表面は、前記本体と関連してシフトするように配置され、前記本体はベース部材を備える形状を有する、前記本体と、
前記本体によって担持されるばね部材であって、前記ばね部材は前記ベース部材内に収容されるばね部材と、
を備え、前記動的シール部材は、前記第1のシール表面と動的シールを形成するように配置され、
前記静的シール部材は、前記加圧プロセスライン中の増加した圧力に反応して、前記第1のシール表面と静的シールを形成するように配置され、かつ前記静的シールを解放するように配置され、
前記動的シール部材は、前記静的シール部材とは実質的に無関係に機能する、二段シール。
【請求項2】
前記本体の前記形状は、
第1の方向に前記ベース部材から延在する、第1のシール壁であって、前記動的シール部材を画定する、前記第1のシール壁と、
前記ベース部材に隣接し、かつ前記第1のシール壁に隣接する、溝と、
第2の方向に前記ベース部材から横方向に延在する、ワイパーシールであって、前記静的シール部材を画定する、前記ワイパーシールと、
を備える、形状を有し、前記溝中の増加した流体圧力は、前記ワイパーシールを前記第2の方向に横方向にシフトさせる、請求項1に記載の二段シール。
【請求項3】
前記ベース部材は、前記溝から外向きに離れて湾曲し、前記増加した圧力に反応して、前記第2の方向に横方向に前記ワイパーシールをシフトする、請求項2に記載の二段シール。
【請求項4】
前記ばね部材は、前記ベース部材によって担持され、前記第2の方向と反対の第3の方向に、横方向に前記ワイパーシールを付勢するように配置される、請求項2または3に記載の二段シール。
【請求項5】
前記ばね部材は、前記ベース部材にわたって横方向にアーチを形成し、前記アーチは、前記溝に向かって凸状である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の二段シール。
【請求項6】
前記シールは、リングシールを備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二段シール。
【請求項7】
縦軸に沿って延在する形状を有する、二段シールであって、前記形状は、
第1の端部から第2の端部に横方向に延在する、ベース部材と、前記ベース部材の前記第1の端部から上向きに延在する、第1のシール壁と、前記ベース部材の前記第2の端部から上向きに延在する、第2のシール壁と、前記ベース部材の前記第1の端部から外向きに横方向に延在する、第1のワイパーシールと、を画定する、本体であって、前記ベース部材ならびに前記第1及び第2のシール壁は、前記第1のワイパーシールの反対側に溝を画定する、前記本体と、
前記ベース部材によって担持される、横ばね部材であって、前記ベース部材の前記第1の端部から前記第2の端部に延在する、第2の形状を有する、前記横ばね部材と、
を備え、前記ベース部材及び前記横ばね部材は、前記溝内の増加した圧力に反応して、静的シール位置に向かって外向きに、横方向に前記ワイパーシールを付勢し、前記横ばね部材は、前記静的シール位置から内向きに、横方向に前記ワイパーシールを付勢する、二段シール。
【請求項8】
前記ワイパーシールは、前記ベース部材から下向きにオフセットされる、請求項7に記載の二段シール。
【請求項9】
前記横ばね部材は、凸状側面が前記溝に向かって上向きに方向付けられた、アーチ形状を有する、請求項7または8に記載の二段シール。
【請求項10】
前記横ばね部材は、前記形状に沿ってヒンジ部分を備える、請求項7〜9のいずれか1項に記載の二段シール。
【請求項11】
前記本体はさらに、
前記ベース部材から下向きに突出する、第1の支持レールと、
前記ベース部材から下向きに突出する、第2の支持レールと、
を備え、前記ベース部材ならびに前記第1及び第2の支持レールは、空洞を画定する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の二段シール。
【請求項12】
前記本体はさらに、
前記空洞を包囲する底壁
を備える、請求項11に記載の二段シール。
【請求項13】
さらに、
前記空洞内に配設される、発泡体
を備える、請求項11または12に記載の二段シール。
【請求項14】
前記底壁は、前記第1の支持レールから前記第2の支持レールに延在し、前記空洞を密封する、請求項12に記載の二段シール。
【請求項15】
前記横ばね部材は、前記縦軸に沿って連続的に延在する、請求項7〜14のいずれか1項に記載の二段シール。
【請求項16】
前記本体は、リングシールを形成し、前記本体は、第1の材料を備え、前記横ばね部材は、第2の材料を備え、前記第2の材料は、前記第1の材料よりも剛性である、請求項7〜15のいずれか1項に記載の二段シール。
【請求項17】
加圧プロセスフローラインのためのバルブアセンブリであって、前記バルブアセンブリは、
入口から出口に延在する流路を画定する、バルブ本体と、
前記流路中に配設される、流量制御部材であって、前記流量制御部材は、前記流路を開放及び閉鎖するために、前記流路に沿って固定された表面に関連してシフトするように配置される、前記流量制御部材と、
シール本体及びばね部材を有する、二段シールであって、前記シール本体は、前記流量制御部材と前記固定された表面との間の接触面にわたって、動的シール及び静的シールを形成するように配置され、シール本体は、前記流路中の圧力スパイクに反応して、前記静的シールを係合するように配置され、前記ばね部材は、前記静的シールを係合解除するように配置される、二段シールと、
を備える、バルブアセンブリ。
【請求項18】
前記シール本体は、
第1の端部及び第2の端部を有する、ベース部材であって、前記流量制御部材と前記固定された表面との間の前記接触面にわたって横方向に延在する、前記ベース部材と、
前記ベース部材から延在し、前記動的シールを形成する、第1のシール壁と、
前記ベース部材から外向きに横方向に延在し、前記静的シールを形成するように配置される、ワイパーシールと、
前記ベース部材及び前記第1のシール壁に隣接する、溝と、
を備え、前記ばね部材は、前記ベース部材によって担持され、前記ばね部材は、前記ベース部材の前記第1の端部から前記第2の端部に横方向に延在し、
前記ベース部材及び前記ばね部材は、前記溝内の増加した圧力に反応して、前記流量制御部材と前記固定された表面との間の静的シール位置に向かって外向きに、横方向に前記ワイパーシールを付勢し、前記ばね部材は、前記静的シール位置から内向きに、横方向に前記ワイパーシールを付勢する、請求項17に記載のバルブアセンブリ。
【請求項19】
前記固定された表面は、ケージを備え、前記流量制御部材は、ランドを備え、前記二段シールは、前記ランド内に配設される、請求項17または18に記載のバルブアセンブリ。
【請求項20】
前記バルブアセンブリは、摺動ステムバルブを備える、請求項17〜19のいずれか1項に記載のバルブアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、プロセス制御バルブで使用可能であるシールなど、二段シールに関する。
【背景技術】
【0002】
加圧プロセスフローラインにおいて、多くの場合、第1の表面と、2つ以上の異なる静的位置間で第1の表面に沿って摺動する第2の表面との間に、シールを配置することが必要である。これらの状況において、シールは、多くの場合、複数の機能基準を満たす必要がある。シールは、プロセス流体が2つの表面間に漏れることを防止するために、特に2つ以上の異なる静的位置で、第1及び第2の表面のうちの一方または両方に対して強力な静的シールを提供する必要がある。シールはまた、シールが反対側のシール表面に沿って摺動している間、プロセス流体が2つの表面間に漏れることを防止するために、表面のうちの一方または両方に対して動的シールを維持する必要がある。しかしながら、動的シールが、過剰な摩擦によって第1及び第2の表面の移動を過度に妨げるほど強力に、2つの表面に対して作用することは、一般的に望ましくない。
【0003】
図1は、動的シール及び静的シールの両方を形成するシール12を含む、加圧プロセスフローラインの例示的な摺動ステムバルブ10を示す。摺動ステムバルブ10は、入口18から出口20に延在する流路16を画定する、バルブ本体14と、バルブ本体14に取り付けられる、ボンネット22と、流路16中にあり、流路16を開放及び/または閉鎖するように配置される、流量制御部材24と、流量制御部材24に取り付けられ、バルブアクチュエータ(図示せず)との動作可能な連結のためのボンネット22を通って外に延在する、バルブステム26とを含む。流量制御部材24は、閉鎖位置で流路16を包囲するバルブシート28に対して密封係合することによって、流路16を閉鎖する。流量制御部材24は、バルブシート28から離れて開放位置に移動することによって、流路16を開放する。バルブステム26は、流量制御部材24をバルブシート28と密封係合及び密閉係合解除するように移動させるために、上下に摺動する、すなわち、直線的に往復運動する。管状、例えば、円筒状部材の形態のケージ30は、流量制御部材24をシート28と整合して保持するために、流量制御部材24を包囲する。流量制御部材24は、流量制御部材24の外周面(例えば、外径)が、ケージ30の内周面(例えば、内径)よりもほんのわずかに小さく、例えば、100分の数インチ未満または10分の数ミリメートル未満の、それらの間の間隙を形成するように、ケージ30の中に納まるようにサイズ決定される。
【0004】
シール12は、流量制御部材24とケージ30との間の間隙中に流体シールを維持するように配置される。過去、シール12は、ゴムまたは同様の材料などの弾性シール材料から形成され、円形または矩形の断面形状を有する、Oリングなどのリングシールであることが慣習的であった。Oリングシール12は、流量制御部材24の外周面に溝を形成するランド32に配設される。シール12は、ランド32内の流量制御部材24の外周面及びケージ30の内周面の両方に対して密封係合する。
【0005】
しかしながら、Oリングシール12は、静的シール及び動的シールの両方を提供するために、単一のシール機構、すなわち、Oリングの最外及び最内直径表面のみを提供する。したがって、Oリング型シール12は、動的シールを形成しながらも、ケージ32内の開放及び閉鎖位置間の流量制御部材24の動きを損なう、または妨げる可能性がある過剰な摩擦力を引き起こすことなく、流量制御部材24とケージ30との間に強力な静的シールを提供するその能力には限界がある。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの態様によると、加圧プロセス流体ライン、例えば、プロセス制御バルブで使用するためのリングシールなどの二段シールは、動的シール部材及び静的シール部材を有し、それらは、好ましくは、少なくとも部分的に互いとは無関係に、個々に動的シール及び静的シールを形成することができる。
【0007】
1つの例示的な配置では、加圧プロセスライン中の第1のシール表面と第2のシール表面との間の摺動接触面に沿って、静的横シール及び動的横シールを形成するための二段シールが開示される。シールは、動的シール部材及び静的シール部材を画定する本体を含む。動的シール部材及び静的シール部材のそれぞれは、第1のシール表面を密封係合するように配置される。第1の表面は、本体に関連してシフトするように配置される。ばね部材は、本体によって担持される。動的シール部材は、第1のシール表面と動的シールを形成するように配置される。静的シールは、加圧プロセスライン中の増加した圧力に反応して、第1のシール表面と静的シールを形成するように配置され、静的シールを解放するように配置される。動的シール部材は、静的シール部材とは実質的に無関係に機能する。
【0008】
別の例示的な配置によると、二段シールは、縦軸に沿って延在する形状を有する。形状は、本体及び横ばね部材を含む。本体は、第1の端部から第2の端部から横方向に延在する、ベース部材と、ベース部材の第1の端部から上向きに延在する、第1のシール壁と、ベース部材の第2の端部から上向きに延在する、第2のシール壁と、ベース部材の第1の端部から外向きに横方向に延在する、第1のワイパーシールとを画定する。ベース部材ならびに第1及び第2のシール壁は、第1のワイパーシール、ベース部材によって担持される横ばね部材の反対側に溝を画定する。横ばね部材は、ベース部材の第1の端部から第2の端部に延在する、第2の形状を有する。ベース部材及び横ばね部材は、溝内の増加した圧力に反応して、静的シール位置に向かって外向きに、横方向にワイパーシールを付勢する。横ばね部材は、静的シール位置から内向きに、横方向にワイパーシールを付勢する。
【0009】
さらなる例示的な態様によると、加圧プロセスフローライン用のバルブアセンブリが開示される。バルブは、入口から出口に延在する流路を画定する、バルブ本体と、流路を開放及び閉鎖するために、流路中に配置され、流路に沿って固定された表面に関連してシフトするように配置される、流量制御部材と、二段シールとを含む。二段シールは、シール本体及びばね部材を有する。シール本体は、流量制御部材と固定された表面との間の接触面にわたって動的シール及び静的シールを形成するように配置される。シール本体は、流路中の圧力スパイクに反応して、静的シールを係合するように配置される。ばね部材は、静的シールを係合解除するように配置される。シールは、好ましくは、円形シール、楕円形シール、または多角形シールなどのリングシールの形態である。
【0010】
本開示の教示によると、二段シール及び/またはバルブアセンブリの上記の態様及び/または例示的な態様のうちのいずれか1つ以上が、以下の任意の形態のうちのいずれか1つ以上をさらに含んでもよい。
【0011】
いくつかの任意の形態では、シールの本体は、ベース部材、第1の方向にベース部材から延在し、動的シール部材を画定する、第1のシール壁、ベース部材に隣接し、かつ第1のシール壁に隣接する、溝、及び/または第2の方向にベース部材から横方向に延在し、静的シール部材を画定する、ワイパーシールを含む、形状を有する。好ましくは、溝中の増加した流体圧力は、ワイパーシールを第2の方向に横方向にシフトさせる。形状は、縦軸に沿って延在し、好ましくは、リングの形態で湾曲している。
【0012】
いくつかの任意の形態では、本体は、第1の端部から第2の端部に横方向に延在する、
ベース部材と、ベース部材の第1の端部から上向きに延在する、第1のシール壁と、ベース部材の第2の端部から上向きに延在する、第2のシール壁と、ベース部材の第1の端部から外向きに横方向に延在する、第1のワイパーシールとを画定し、ベース部材及び第1及び第2のシール壁は、第1のワイパーシールの反対側に溝を画定する。
【0013】
いくつかの任意の形態では、ベース部材は、溝から外向きに離れて湾曲する。ベースは、増加した圧力に反応して、第2の方向に横方向にワイパーシールをシフトしてもよい。
【0014】
いくつかの任意の形態では、ばね部材は、ベース部材によって担持される。ばね部材は、第2の方向と反対の第3の方向に、横方向にワイパーシールを付勢するように配置されてもよい。ばね部材は、ベース部材にわたって横方向にアーチを形成してもよい。アーチは、溝に向かって凸状であってもよい。ばね部材は、ベース部材内に収容されてもよい。横ばね部材は、凸状側面が溝にむかって上向きに方向付けられた、アーチ形状を有してもよい。ばね部材は、形状に沿ってヒンジ部分を含んでもよい。
【0015】
いくつかの任意の形態では、ワイパーシールは、ベース部材から下向きにオフセットされる。
【0016】
いくつかの任意の形態では、二段シールの本体は、ベース部材から下向きに突出する、第1の支持レールと、ベース部材から下向きに突出する、第2の支持レールとを含む。ベース部材ならびに第1及び第2の支持レールは、空洞を画定する。底壁は、空洞を包囲してもよい。底壁は、第1の支持レールから第2の支持レールに延在してもよい。底壁は、空洞を密封してもよい。発泡体が空洞内に配設されてもよい。
【0017】
いくつかの任意の形態では、横ばね部材は、二段シールの本体の縦軸に沿って連続的に延在する。
【0018】
いくつかの任意の形態では、本体は、第1の材料から形成され、横ばね部材は、第2の材料から形成される。第2の材料は、第1の材料よりも剛性であってもよい。
【0019】
いくつかの任意の形態では、シールのベース部材は、第1の端部及び第2の端部を有し、流量制御部材と固定された表面との間の接触面にわたって横方向に延在する。第1のシール壁は、ベース部材からであってもよく、動的シールを形成する。第1のワイパーシールは、ベース部材から外向きに横方向に延在してもよく、好ましくは、静的シールを形成するように配置されてもよい。溝は、ベース部材及び第1のシール壁に隣接してもよい。ばね部材は、ベース部材の第1の端部から第2の端部に横方向に延在してもよい。ベース部材及びばね部材は、好ましくは、溝内の増加した圧力に反応して、流量制御部材と固定された表面との間で、静的シール位置に向かって外向きに、横方向にワイパーシールを付勢する。横ばね部材は、好ましくは、静的シール位置から内向きに、横方向にワイパーシールを付勢する。固定された表面は、ケージによって形成されてもよい。流量制御部材は、ランドを含んでもよい。二段シールは、ランド内に配設されてもよい。
【0020】
いくつかの任意の形態では、バルブアセンブリは、摺動ステムバルブである。
【0021】
さらなる任意の態様、配置、及び特徴が開示され、それらは、本開示の教示に従って、単独で、あるいは任意の機能的に実行可能な組み合わせで、任意の機能的に適切な方法で配置されてもよい。他の態様及び利点が、以下の発明を実施するための形態を考慮した上で明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来技術に従った、リングシールを用いた加圧プロセス制御ライン用の摺動ステムバルブの断面図である。
【
図2】本開示の教示に従った、二段シールの部分切り取り等角図である。
【
図3】
図2のシールの係止作用を示す、概略断面図である。
【
図4】
図1の摺動ステムバルブランド中に配設される、
図2のシールの詳細断面図である。
【
図5】シールの解放作用を示す、
図2のシールの拡大断面詳細図である。
【
図6】
図1の摺動ステムバルブのランド中に配設される、本出願の別の態様に従った二段シールの詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで図を参照すると、
図2は、本開示の少なくともいくつかの原理に従ったある特定の態様を例示する、二段シール50を示す。シール50は、シールに垂直に隣接して往復運動することなどによって摺動する、隣接するシール表面に対して、1つの段階として動的シール、及び別の段階として解放可能な静的シールを形成するように配置される。(「上」、「下」、「左」、「右」などの全ての方向の修飾語句は、参照及び説明を簡単にするためにのみ、図面の参照で使用され、別の方法で本開示を制限することを意図していない。)シール50は、縦軸52に沿って延在する細長い断面形状を有する。縦軸は、直線であっても、または湾曲していても、または分割していてもよい。
図2の例示的な配置では、シール50は、円形リングを形成する円形縦軸52を有し、それによりシール50はリングシールを形成する。他の配置では、縦軸は、例えば、楕円形、直線、曲線、または多角形であってもよい。
【0024】
シールは、動的シールを形成するように配置される、1つ以上の動的シール部材と、静的シールを形成するように配置される、1つ以上の静的シール部材と、静的シール部材の外側への膨張及び/または収縮を弾性的に制御するための横ばね部材56とを有する、外側シェルまたは本体54を有する。本体54は、バルブ流量制御部材、バルブ本体、ケージ、ピストン、及び/または円筒壁など、隣接する本体に対して液体またはガスシールを形成するのに好適な、可撓性シール材料から作られる。シール材料は、例えば、ネオプレン、シリコンゴム、ゴム、及び/またはプラスチックを含んでもよい。ばね部材56は、可撓性及び弾性であり、好ましくは、本体を形成する材料よりも剛性である、ばね材料から作られる。ばね材料は、例えば、鋼もしくはステンレス鋼などのばね金属、他の弾性金属及び金属合金、弾性熱可塑性物質、または本開示の原理に従って横向きばね部材として機能するための可撓性及び弾性を有する、任意の他の材料を含んでもよい。
【0025】
本体は、ベース部材60と、ベース部材の第1の外側端から延在する、第1のシール壁62と、ベース部材の第2の外側端から延在する、第2のシール壁64と、ベース部材60の第1の外側端に沿って配設される、第1のワイパーシール66と、ベース部材60の第2の外側端に沿って配設される、第2のワイパーシール68とを有する。シール壁62、64は、動的シール部材を形成し、ワイパーシール64、66は、動的シール部材を形成する。ベース部材60は、好ましくは横断面上で、外側端間で横方向に延在する。第1及び第2のシール壁62、66のそれぞれは、ベース部材60の頂部表面から上向きに突出し、開口部が縦軸52に沿って延在する、一緒に溝70を一緒に画定する。第1及び第2のシール壁62、64は、溝68の反対側に配設され、ベース部材60は、口の反対側の溝68の底部にわたって延在する。第1及び第2のワイパーシール66、68は、ベース部材60を下向きに押し付ける溝68中の増加した圧力が、外向きに横方向に屈曲する及び転がることなどによって、ワイパーシール66、68をシフトさせるように、外側端よりも下にオフセットされること、及び/またはベース部材60を溝70に向かって上向きに凸状にアーチ状にすることなどによって、ベース部材60の外側端よりも下に配設される。各ワイパーシール66、68は、好ましくは、本体54から外向きに横方向に突出
するリブとして形成され、円形の形状を有してもよく、または例えば
図3に示される、角度がついた遠位縁69を有してもよい。
【0026】
横ばね部材56は、ベース部材60にわたって横方向に延在し、内向きに横方向に、ワイパーシール66、68を非屈曲位置に弾性的に戻すように配置される。好ましくは、横ばね部材56は、ベース部材60及びワイパーシール66、68内に収容される。横ばね部材56は、第1のワイパーシール66中に、またはそれに沿って配設される、第1の端部と、第2のワイパーシール68中に、またはそれに沿って配設される、第2の端部とを有し、溝70に向かって上向きに凸状に方向付けられるアーチを形成する。あるいは、横ばね部材56は、本体54の外面に固定されてもよく、及び/または横ばね部材56のいくつかの部分は、本体54内に収容されてもよく、横ばね部材56の他の部分は、本体54の外側に露出されてもよい。アーチは、例えば
図2〜4に示される区分56a、56b、56cなどの複数の線形区分から、及び/または1つ以上の湾曲した区分によって形成されてもよい。ヒンジ56d及び56eなどのヒンジは、アーチの区分を連結するために使用されてもよい。第1のヒンジ56dは、区分56a及び56bを連結し、第2のヒンジ56eは、区分56b及び56cを連結する。好ましい配置では、横ばね部材56は、縦軸52に沿って本体54の全長を延在する連続部材である。シール50がリングシールを形成する場合、横ばね部材56は、例えば、概して平面的なリングを形成する打ち抜きばね鋼の単一部品であってもよい。ヒンジ56d及び56eは、ばね部材56に形成されるリビングヒンジとして形成されてもよい。あるいは、例えば
図6に示されるように、横ばね部材56のアーチは、第1のワイパーシール66から第2のワイパーシール68に延在し、溝70に向かって上向きに方向付けられた隆起部を形成する、円形または楕円形の弧など、連続的な湾曲部分であってもよい。この配置では、横ばね部材56は、単一の弓状部分を有し、横ばね部材56は、任意のヒンジ部分を有しない。しかしながら、他の配置では、ヒンジ部分は、連続的な湾曲部分に沿って含まれてもよい。任意に、横ばね部材56は、横ばね部材56の外側端のいずれかまたは両方に沿って配設されるビーズ56f、56gなど、本体54に対する横ばね部材56の滑りを防止するために、1つ以上の拡張した部分を含んでもよい。
【0027】
図3に概略的に示されるように、流体圧力F2が、ワイパーシール66、68と平面または線形整合するように、下向きにベース部材60を押されるにつれて、ワイパーシール66、68は、ベース部材60及び横ばね部材56の湾曲によって、外向きに横方向に変位される。開放位置において、ベース部材60及び横ばね部材56は、非屈曲位置にあり、ワイパーシール66、68は、内向きに横方向に引かれ、好ましくは、個々のシール壁62、64の最外表面と横方向に整合されるか(例えば、垂直に)、あるいは個々のシール壁62、64の最外表面から内向きに横方向に変位される。溝70中の増加した流体圧力F2は、ベース部材60及び横ばね部材56を、溝70から離れて下向きに湾曲するように、最初に中間または「遮断」位置まで、及び最終的には「係止」位置まで押す。中間位置において、ベース部材60及び横ばね部材56は平らにされ、例えば、ワイパーシール66、68、ベース部材60、及び横ばね部材56は、概して水平に、または横断面などで整合される。中間位置において、ワイパーシール66、68は、強力な静的シールを形成するために、外向きに横方向に最大限変位される。係止位置において、横ばね部材56のアーチの中心部分は、横ばね部材の端部との線形整合を過ぎて、すなわち、中心を過ぎた位置で下向きに湾曲し、横ばね部材56は、アーチの中心を過ぎた変形によって、横方向に外向きに変位された配置に、ワイパーシール66及び68を係止する(少なくともある程度まで)。ワイパーシール66、68は、ワイパーシール66、68のいずれかまたは両方に印加される反対方向の回転力F5など、撓みにモーメント生成力を印加することによって、横ばね部材56及びベース部材60を再び非屈曲、アーチ形位置に、1つの配置において内向きに横方向に引き戻すように「係止」され得る。
【0028】
図2に戻ると、溝76、78などの凹部が、シール壁62、64のうちの一方または両方と、個々の隣接するワイパーシール66、68との間に任意に配設される。例えば、シール壁62、64のそれぞれは、ワイパーシール66、68に隣接する溝76、78を形成する、図中に示される湾曲した壁によって形成されるような凸状外面を有してもよい。そのような凹部は、いくつかの配置において、例えば、シール壁62、64によって形成される1つ以上の動的シールの摩擦抵抗を低減すること、ならびに/またはワイパーシール66、68が中間及び/または係止位置にシフトするとき、ワイパーシール66、68がより容易に転がるか、もしくは外向きに回転及びシフトすることを可能にすることを含む、複数の利点を有し得る。
【0029】
第1及び第2の支持レール72、74は、ベース部材60の底面に沿って任意に配設される。支持レール72、74は、好ましくは、ベース部材60が溝70内の増加した流体圧力F2に反応して下向きに屈曲することを可能にする、ベース部材60の底面に沿った空洞76を画定する。支持レール72、74のそれぞれは、ベース部材60から下向きに突出する。第1の支持レール72は、ベース部材60の第1の外側端に沿って延在し、第2の支持レール74は、ベース部材60の第2の外側端に沿って延在する。第1の支持レール72は、第1のシール壁62と整合される。第2の支持レール74は、第2のシール壁64と整合される。支持レール72、74のそれぞれは、ベース部材60の長さに沿って切断なしで連続的に延在してもよい。あるいは、支持レール72、74のうちのいずれかまたは両方は、例えば、空洞76内の過剰な圧力または真空の任意の増加を低減または防止し得る、縦方向の長さに沿った1つ以上の切断または間隙(図示せず)を有するなど、非連続的であってもよい。
【0030】
第1のシール壁62は、ベース部材60の第1の端部に隣接して配設される第1のシール表面に対して外向きに横方向に(すなわち、溝70から離れて)密封係合するように配置される。第2のシール壁64もまた、好ましくは、ベース部材60の第2の端部に隣接して配設される第2のシール表面に対して外向きに横方向に密封係合するように配置される。好ましくは、第1及び第2のシール壁62、64は、溝70への口の反対側に配設される上縁または遠位縁でベース部材60から片持ちされることなどによって、隣接するシール表面に対して1つ以上の動的シールを形成するために、隣接するシール表面からの圧力に反応して、内向きに横方向に(すなわち、溝70に向かって)弾性的に屈曲するように配置される。第1及び第2のシール壁62、64はまた、好ましくは、溝70内の増加した流体圧力に反応して、外向きに横方向に弾性的に屈曲するように配置される。第1及び第2のシール壁62、64のうちの一方または両方は、図中に示される湾曲した凸状外面、及び/またはシール壁の外面に沿った1つ以上の水平リブ(図示せず)を有することなどによって、シール壁の長さよりも短い個々の隣接するシール表面と、単一のシール線を形成するように配置されてもよい。
【0031】
ここで
図4を参照すると、シール50は、
図1の摺動ステムバルブ10の流量制御部材24のランド32中に動作可能に取り付けられて示される。バルブ10の全ての部分(シール12を除く)は、
図1に関して図示及び記載されるものと実質的に同一であり、ここでは繰り返されない。しかしながら、シール50は、動的シール及び/または静的シールを必要とする接触面を有する、他の種類のバルブまたは他の機構で使用され得ることが理解される。さらに、シール50は、バルブの他の部品によって担持されてもよい。例えば、他の配置におけるシール50は、ケージ30中に配設されるランド中で担持されてもよく、またはシール50は、流量制御部材24と本体14及び/またはボンネット22との間で直接、接触面においてシールを形成するために使用されてもよいなどである。図中に示される実施例は、摺動ステムバルブのものであるが、いくつかの配置において、シール50が回転バルブでの使用に適応され得ることが予想される。
【0032】
シール壁64は、ケージ30の隣接する表面に対して動的シールを形成する。好ましくは、シール壁62もまた、ランド32の内周壁80に対してシールを形成する。動的シール及び内周壁とのシールは、好ましくは、シール壁62及び64の外側凸状表面の横方向に最外の部分に沿って形成されるような線シールである。しかしながら、他の配置では、これらのシールは、シール壁の外面に沿った隆起部によって形成されてもよく、またはシール壁は、より長いシール接触面または表面シールを形成するために、平面を有してもよい。シール壁64は、横力F3でケージ30に対して密封する。好ましくは、横力F3は、流量制御部材24に対するケージ30の摺動を減速させるまたは妨害する、必要以上のまたは過剰な摩擦を引き起こすことなく、ケージ30に対して十分な流体シールを提供するのに十分である。
【0033】
第1及び第2のワイパーシール66、68は、バルブ10の遮断中などに、溝70中の圧力の増加に反応して、個々の内周壁80及びケージ30に対して1つ以上の解放可能な静的シールを形成する。例えば、加圧流体ライン中のバルブが開放位置から閉鎖位置に急速に移動させられるとき、「ハンマー」もしくは「流動エネルギースパイク」または単純に「圧力スパイク」として既知のプロセス流体背圧の急激な増加が、バルブの上流側で流体ライン中に一時的に生じることが一般的である。プロセス流体中の圧力スパイクの大きさは、当該技術分野においてよく知られているような、バルブ遮断の速度、バルブを通る流速、ライン中の定常状態圧力などの多くの異なる変数により得る。
図4に示される配置において、第1及び第2のワイパーシール66、68は、好ましくは、周壁80及びケージ30の隣接する表面から離間するか、あるいは流量制御部材24の移動中、隣接する表面との摩擦力を最小限に抑えるために、開放非屈曲位置で隣接する表面とごくわずかに係合する。しかしながら、流量制御部材24が急速に閉鎖されるときなど、プロセス流体中の圧力スパイクがバルブの上流で生じるとき、圧力スパイクは、溝70中の増加した流体圧力F2に、ベース部材60及び横ばね部材56を遮断位置に向かって下向きに、好ましくは上記の通り係止位置まで屈曲させる。遮断及び係止位置において、ワイパーシール66及び68は、シール壁62、64単独によって形成されるよりも、隣接するシール表面とより強力な静的シールをもたらすために、隣接するシール表面に対してより力強く係合する。好ましくは、ワイパーシール68は、静的シール力F4で、ケージ30の隣接するシール表面と解放可能な静的シールを形成するために、外向きに横方向に屈曲するように配置され、ワイパーシール66は、内周壁80の隣接するシール表面と解放可能な静的シールを形成するために、外向きに横方向に屈曲するように配置される。したがって、ワイパーシール66、68は、そうでなければシールアーム62、64によって形成される動的シールに打ち勝つ可能性がある漏れを防止するために、好ましくは圧力スパイクに反応してのみ、1つ、2つ、またはそれ以上の解放可能な静的シールを提供する。さらに、ワイパーシール66、68は、横ばね部材56が係止位置から付勢されてはずされるまで、より強力な静的シールを維持するために、係止位置で係止されてもよい。
【0034】
プロセス流体中の圧力スパイクからの溝70内の増加した圧力はまた、シール壁64及び/またはシール壁62に対して横シール圧力F1を増加させ、かつケージ30及び/または内周壁80の個々の隣接するシール表面に対して動的シール圧力F3を増加させてもよい。したがって、第1及び第2のシール壁62、64は、好ましくは、溝70内の流体圧力の増加に反応して、縦軸52から外向きに横方向に屈曲するまたは撓むように配置される。しかしながら、シール壁62及び64は、増加したシール圧力を維持するための係止機構を有さず、動的シール圧力F3は、プロセス流体圧力スパイクが低下した後に低下し得る。
【0035】
図5に直径方向に示される1つの配置において、ワイパーシール66及び/または68は、再び開放位置に向かった流量制御部材24の移動によって係止解除されてもよい。ワイパーシール68に対するケージ30の摩擦は、ワイパーシール68上にモーメント力F
5を生成し、ベース60を戻すために、かつ上記の通り非屈曲開放位置まで、横ばね部材56及びベース60を右回り運動で回転させる。この配置では、横ばね部材56は、空洞76中に引き起こされる任意の吸引または真空に打ち勝ち、それによりワイパーシール66、68によって形成される静的シールを係止解除するために必要とされる開口力の任意の増加を排除または実質的に低減するために特に役立ち得る。ベース60及び横ばね部材56が非屈曲開放位置に戻るとき、ワイパーシール66、68は、隣接するシール表面から離れて退くか、それに対して静的シール圧力F4を少なくとも実質的に減少させ、それにより、バルブ10の開口運動中に、静的シールを解放し、流量制御部材24の動きに対する摩擦抵抗を再び最小限に抑える。
【0036】
ここで
図6を参照すると、本願の1つ以上の原理に従った別の二段シール150が示される。シール150は、以下に詳述されることを除いて、概してシール50と同様であり、シール150は、
図4に示される位置と同様のバルブ10中の動作位置で示される。シール150上の対応する構造は、シール50と同じ参照番号が示され、そのような対応する構造は、再び詳細に記載されず、むしろ読者が上記を参照する。
【0037】
シール50とは異なり、シール150の空洞76は包囲される。本体54は、支持レール72から支持レール74に横方向に広がり、空洞76を包囲する、底壁82を有する。好ましくは、ベース部材60、底壁82、ならびに支持レール72及び74は、空洞76を包囲及び密封する。底壁82は、ランド32の底壁との係合のための平らな底面84を有してもよい。リングシール配置において、底壁82、ベース部材60、ならびに支持部材72及び74は、縦軸52の全長に沿って連続的であってもよい。他の配置では、空洞76は、例えば、本体54を通って空洞76中へと延在する1つ以上の開口部(図示せず)を有することによって、密封されなくてもよい。空洞76は、発泡体などの充填材86で部分的または完全に充填されてもよく、または実質的に空であってもよい。使用中、シール150は、実質的に上記の通り機能する。いくつかの配置における底壁82の追加は、そうでなければワイパーシール66及び68によって形成される解放可能な静的シールの解放を妨害するまたは遅らせる可能性がある、空洞76中の真空の形成を防止または低減し得る。
【0038】
シール50及び150のそれぞれは、縦軸52を通る垂直中心線に対して実質的に対称的な形状を有するが、シールは、対称的である必要はない。他の配置では、本願の原理に従ったシールは、シール壁62または64のうちの1つのみと動的シールを形成してもよく、及び/またはワイパーシール66または68のうちの1つのみと解放可能な静的シールを形成してもよい。例えば、シール壁64及びワイパーシール68のみが、ケージ壁またはバルブプラグなど、摺動シール表面に対する係合のために、本体54の右側に沿って形成されてもよく、本体の左側は、受容溝の内面など、静的シール表面に対する係合のために、平らな横方向外面などと単純な壁を形成してもよい。
【0039】
いくつかの配置で本明細書に図示及び記載されるシール50、150は、流量制御部材24がバルブ10内で開放または閉鎖しているときなど、反対表面が互いを過ぎて摺動しているか、またはシフトする間、最小の摩擦損失で動的シールを提供する働きをする。いくつかの配置におけるシール50、150はまた、流量制御部材24がプロセス流体フローを停止するためにバルブ10を閉鎖したとき、及び/またはプロセス流体フローを可能にするためにバルブ10を開放したときなど、反対表面が静止しているとき、増加したシール圧力を用いて係止静的シールを提供する。有利に、解放可能な静的シールは、反対表面が互いに対して移動している間、係合しないか、またはより少ない力で係合し、それにより潜在的に望ましくない摩擦損失を最小限に抑えるが、反対表面が互いに対して移動していない間、圧力スパイクがシールを破壊することを防止するために、プロセスフロー圧力スパイクに反応して係合するか、またはより大きい力で係合する。いくつかの好ましい
配置では、動的シール及び静的シールの機能は、互いとは無関係に作用し、シール50または150など、単一のシールに組み合される。したがって、シール50または150は、すでに既知の二段プロセスシール配置に対して改善された代替手段を提供し得る。シール50または150は、動的シール圧力に有意な摩擦を加えることなく、改善された静的シール圧力を提供し得る。
【0040】
本明細書に記載される任意の配置のそれぞれは、本明細書に提供される記載によって示唆される1つ以上の機能の任意の組み合わせを提供するのに十分な、組み合わせまたは並べ替えの任意のセットで配置されてもよい。さらに、各例示的な配置に関して開示される特徴のそれぞれが、当業者によって理解され得るように、機能の任意の有用な組み合わせを提供するなどのために、任意の機能的な組み合わせで組み合わされ得ることが理解される。
【0041】
本明細書に開示される種々の態様、配置、及び/または選択肢のうちのいずれか1つ以上を組み込む、二段シール及び二段シールを含むバルブは、多くの異なるプロセス制御用途で有用であり、そのいくつかの例は、石油化学精製装置、化学プロセス配管及び化学プラント、水配管、蒸気配管などの工業用配管配置を含む。しかしながら、本明細書に記載されるシール及びバルブは、任意の特定の工業利用に限定されず、所望に応じて任意の方法または用途で使用され得る。
【0042】
本明細書に開示されるシール及び/またはバルブへの多くの修正が、上記を考慮して当業者に明らかとなるであろう。したがって、本記載は、単に例示的であると解釈されるものであり、当業者が本発明を作製及び使用すること、かつそれを実施する好ましいモードを教示することを可能にする目的で提示される。本開示及び添付の特許請求の範囲内の全ての修正に対する独占権が留保される。