特許第6532379号(P6532379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6532379
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】電波腕時計
(51)【国際特許分類】
   G04R 60/10 20130101AFI20190610BHJP
   G04G 21/04 20130101ALI20190610BHJP
   G04G 17/06 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   G04R60/10
   G04G21/04
   G04G17/06
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-209820(P2015-209820)
(22)【出願日】2015年10月26日
(65)【公開番号】特開2017-83229(P2017-83229A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 健
(72)【発明者】
【氏名】加藤 明
(72)【発明者】
【氏名】金澤 誠人
(72)【発明者】
【氏名】田端 勇祐
(72)【発明者】
【氏名】仲 秀治
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−277575(JP,A)
【文献】 特開昭54−109473(JP,A)
【文献】 特開昭53−107366(JP,A)
【文献】 特開2005−348136(JP,A)
【文献】 特開2001−027681(JP,A)
【文献】 特開2012−248982(JP,A)
【文献】 特開2013−250139(JP,A)
【文献】 特開2013−061308(JP,A)
【文献】 特開2006−189379(JP,A)
【文献】 特開2009−145210(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/102752(WO,A1)
【文献】 特開2013−050349(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0092822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04R 60/10
G04R 20/02
G04G 17/02
G04G 17/06
G04G 21/00
G04G 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶を駆動する複数の表示電極を含む液晶パネルと、
前記液晶パネルに平面視で重なる位置にあるアンテナと、
を含み、
前記アンテナの少なくとも一部が前記表示電極から露出し、
前記アンテナの前記表示電極から露出している部分は、前記アンテナの放射端である、
電波腕時計。
【請求項2】
請求項に記載の電波腕時計において、
前記放射端は、前記アンテナにかかる電磁界強度の最大値を示す地点を含む、
電波腕時計。
【請求項3】
液晶を駆動する複数の表示電極を含む液晶パネルと、
前記液晶パネルに平面視で重なる位置にあるアンテナと、
を含み、
前記アンテナの全体が前記表示電極から露出している、
電波腕時計。
【請求項4】
液晶を駆動する複数の表示電極を含む液晶パネルと、
前記液晶パネルに平面視で重なる位置にあるアンテナと、
を含み、
前記アンテナの少なくとも一部が前記表示電極から露出し、
前記アンテナの前記少なくとも一部は、平面視で前記液晶パネルに設けられた非導電性のマーキングと重なる、
電波腕時計。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の電波腕時計において、
前記液晶パネルは、前記複数の表示電極と電気的に接続される複数の配線をさらに含み、
前記アンテナが平面視で前記複数の配線のいずれかと重なるとともに、前記アンテナの少なくとも一部は前記複数の配線から露出している、
電波腕時計。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載の電波腕時計において、
前記液晶パネルは配線基板上に、前記液晶パネルと前記配線基板との間に空間ができるように設けられ、
前記アンテナは、前記空間に設けられる、
電波腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
ケース内部にアンテナが配置される電波腕時計では、金属製の文字板や、文字板下に配置された太陽電池の電極が、電波の受信を妨げる場合がある。そこで、文字板や太陽電池の開口部に配置された液晶パネルの下にアンテナを重ねて配置することが知られている。
【0003】
特許文献1には、液晶パネルの下に衛星電波を受信するパッチアンテナを配置し、衛星電波を受信する間は液晶パネルの表示動作を停止する衛星電波腕時計が開示されている。特許文献2には、液晶パネル部とアンテナとの間に配線基板が設けられたリスト機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−27681号公報
【特許文献2】特開2013−61308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アンテナと液晶表示パネルとが重なって設けられた場合、液晶表示パネルの電極の影響や、表示動作により生じるノイズ等により送受信性能が低下する。そのため、高い利得を得ることは難しく、液晶表示をさせた状態で電波の送受信をすることは困難であった。
【0006】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであって、その目的は、液晶表示パネルとアンテナとを重ねて配置し、液晶表示をさせた状態での電波の送受信時に十分な利得が得られる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下のとおりである。
【0008】
(1)液晶を駆動する複数の表示電極を含む液晶パネルと、前記液晶パネルに平面視で重なる位置にあるアンテナと、を含み、前記アンテナの少なくとも一部が前記表示電極から露出している電波腕時計。
【0009】
(2)(1)において、前記アンテナの全体が前記表示電極から露出している、電波腕時計。
【0010】
(3)(1)または(2)において、前記液晶パネルは、前記複数の表示電極と電気的に接続される複数の配線をさらに含み、前記アンテナが平面視で前記複数の配線のいずれかと重なるとともに、前記アンテナの前記少なくとも一部は前記複数の配線から露出している、電波腕時計。
【0011】
(4)(1)から(3)のいずれかにおいて、前記アンテナの前記少なくとも一部は、平面視で前記液晶パネルに設けられた非導電性のマーキングと重なる、電波腕時計。
【0012】
(5)(1)から(4)のいずれかにおいて、前記液晶パネルは配線基板上に、前記液晶パネルと前記配線基板との間に空間ができるように設けられ、前記アンテナは、前記空間に設けられる、電波腕時計。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電波腕時計によれば、液晶表示パネルとアンテナとを重ねて配置し、液晶表示をさせた状態での電波の送受信時に十分な利得が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態にかかる電波腕時計の外観の一例を示す平面図である。
図2図1のII−II切断線における断面を示す断面図である。
図3】電波腕時計の第1表示部の表示領域を示す平面図である。
図4】第1表示部の表示電極および配線の配置の一例を示す平面図である。
図5】複数のアンテナの配置の例を示す図である。
図6】電波腕時計の他の一例における断面図である。
図7図6に示す例における第1表示部の表示電極、接続配線およびアンテナの配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
本発明の実施形態に係る電波腕時計1について説明する。本実施形態に係る電波腕時計1は、時刻情報を含んだ電波を受信し、当該受信した電波に含まれる時刻情報を用いて自身が計時している時刻の修正を行う。本実施形態にかかる電波腕時計1は、特に時刻情報を含んだ電波として、衛星電波を受信するものとする。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電波腕時計1の外観の一例を示す平面図である。図2は、図1のII−II切断線における断面を示す断面図である。電波腕時計1は、ケース50と、文字板51と、時針52と、分針53と、秒針54と、第1表示部55と、第2表示部56と、太陽電池58と、アンテナ71と、給電線72と、配線基板81とを含んで構成される。第1表示部55及び第2表示部56は液晶表示パネルである。第1表示部55はコネクタ57を介して配線基板81上に実装されている。より具体的には、配線基板81上にコネクタ57が実装されており、そのコネクタ57に第1表示部55が配置されている。これにより、第1表示部55と配線基板81とはその間に空間ができるように配置されている。
【0018】
アンテナ71は、時刻情報を含んだ電波として、衛星から送信される衛星信号を受信する。特に本実施形態では、アンテナ71は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される周波数約1.6GHzの電波を受信するチップアンテナであり、主に電波腕時計1の文字板側から入射する電波を受信するように構成されている。チップアンテナは、チップ状の部品として形成されたアンテナである。一般的には、誘電体の表面にアンテナとして働く配線が配置されたものがよく用いられており、図2に示すチップアンテナも同じである。アンテナ71は配線基板81上に接するように実装されており、アンテナ71の一端は給電線72に電気的に接続されている。給電線72は、図示しない受信回路に接続されている。
【0019】
第1表示部55や第2表示部56の上方には太陽電池58と、文字板51とが順に設けられている。太陽電池58は、光を受けて電力を生じる部材である。文字板51と太陽電池58とには同じ位置に開口が設けられており、その開口により第1表示部55の表示領域63が文字板51および太陽電池58から露出している。
【0020】
図3は、図1に示される電波腕時計1のうち第1表示部55の表示領域63を示す平面図である。第1表示部55の表示領域63には、複数の表示電極61(図3のうち斜線によりハッチされた部分)と、装飾的な模様であるマーキング62とが配置されている。また、図示していないが、複数の表示電極61の上には対向電極が設けられており、液晶は表示電極61と対向電極とに挟まれている。本実施形態に係る第1表示部55はノーマリホワイト型の液晶表示パネルであり、複数の表示電極61のいずれかに表示信号の電圧が印加されると、その電圧が印加された表示電極61と平面視で重なる領域では液晶の透過率が減少する。それにより、表示電極61の領域に黒いパターンが表示される。一方、マーキング62は非導電性であり、例えば何らかの色により印刷された模様である。第1表示部55の表示領域63には、都市表示領域64と、時刻表示領域65と、モード表示領域66とが配置されており、それらの領域のそれぞれには複数の表示電極61が配置されている。都市表示領域64は図3でみて表示領域63の上側にあり、時刻表示領域65は都市表示領域64の下側に配置されている。また、モード表示領域66は時刻表示領域65の右下に配置されている。都市表示領域64には、それぞれ1つの英数字を表示する文字領域が左右方向に3つ並んでいる。時刻表示領域65は2段になっており、上段にはそれぞれ1つの数字を表示する文字領域が4つ並んでおり、2つめの文字領域と3つめの文字領域の間にはコロンを表示するための表示電極61が設けられている。下段には、数字領域が左右方向に2つ並んでいる。この実施形態では、第1表示部55の表示領域63にはセグメント表示をするための表示電極61が配置されているが、セグメント表示のための表示電極61の代わりにドットマトリクス表示のための表示電極61が配置されてもよい。
【0021】
アンテナ71は、平面視で第1表示部55の表示領域63と重なり、かつ複数の表示電極61と重ならないように配置されている。アンテナ71は第1表示部55の下にあるので、言い換えれば、アンテナ71は複数の表示電極61から露出している。また、図3の例では、アンテナ71の一部は平面視でマーキング62と重なっている。また、アンテナ71は、都市表示領域64に含まれる表示電極61と、時刻表示領域65に含まれる表示電極61とに挟まれた領域に重なるように配置されている。
【0022】
図4は、第1表示部55の表示電極61および複数の接続配線67の配置の一例を示す平面図である。図4には、第1表示部55の表示領域63を囲む額縁領域も示されている。第1表示部55は、複数の表示電極61やマーキング62の他に、複数の接続配線67と、複数の端子電極70とを有する。複数の表示電極61のそれぞれは、複数の接続配線67のいずれかと電気的に接続されている。また複数の端子電極70は、額縁領域に配置され、複数の端子電極70の一部が複数の接続配線67と電気的に接続され、他の複数の端子電極70は図示しない対向電極等と電気的に接続されている。また、複数の端子電極70は、コネクタ57と配線基板81上の配線とを介して電波腕時計1に含まれる表示制御回路に接続されている。複数の接続配線67には、表示制御回路から表示信号が供給される。
【0023】
複数の表示電極61のうち1つであり、都市表示領域64にある一番右側の文字領域において右端かつ下側に配置される表示電極61aは、複数の接続配線67のうち1つである接続配線67aと直接的に接続されている。接続配線67aは、表示電極61aの右下端から右下に向けて延び、表示領域63の右端の手前で下方向へ延び、さらに右方向へ延びて端子電極70のうち1つに接続している。また、複数の表示電極61のうち1つであり、時刻表示領域65の上段かつ一番右側の文字領域において上端に存在する表示電極61bは、複数の接続配線67のうち1つである接続配線67bと直接的に接続されており、接続配線67bは右方向に延びて端子電極70のうち1つに接続している。接続配線67a、67bは、平面視でアンテナ71に重なっていない。
【0024】
一方、複数の表示電極61のうち1つであり、上段の右から2番目の文字領域のうち上端に存在する表示電極61cは、接続配線67cと直接的に接続されている。接続配線67cは図4において上方に延び、途中で少し左の方向へ曲がり、都市表示領域64の真ん中の文字領域に含まれる1つの表示電極61に接続されている。また、上段の右から2番目の文字領域のうち左端かつ上側に存在する表示電極61dは、接続配線67dと直接的に接続されている。接続配線67dは、図4において表示電極61dとの接続箇所から上方に延び、文字領域の手前から左へ延び、表示領域63の外へ達している。接続配線67dは表示領域63の外で屈曲し、端子電極70のうち1つと電気的に接続されている。接続配線67c、67dは、平面視でアンテナ71に重なっている。
【0025】
ここで、電波の送受信を可能とするために設けられるアンテナ71は、電波を多く放射する領域と、少ない領域とを有する。一般に、アンテナ71のようなチップアンテナでは、外縁部のいずれかにおいて電磁界強度の最大値を示す地点があらわれ、かかる地点を含む領域が電波を多く放射する領域となるので、以下では、かかる電磁界強度の最大値を示す地点を含むアンテナ71の端部を放射端と記載する。放射端の位置は、給電点の位置に依存し、チップアンテナであるアンテナ71の場合、給電線72と接続される給電点から最も離れた端部が放射端となる。例えば、本実施形態では、放射端は、アンテナ71の長手方向の2つの端部のうち、給電線72に接続されていない方となり、図中右側の端部が該当する。
【0026】
なお、対向電極は、複数の表示電極61の上層、特に文字領域や数字領域の上層に設けられているが、平面視でアンテナ71と重なる領域には設けられておらず、アンテナ71による電波の送受信を阻害することはない。
【0027】
本実施形態では、接続配線67のうちいずれか(接続配線67c,67d)は、アンテナ71と重なっているが、放射端とは重なっていない。一方、接続配線67aは、平面視でアンテナ71の放射端と重ならないように、アンテナ71を避けて配置されている。アンテナ71による電波の送受信性能の劣化を避けるためには、可能な限り、平面視において表示電極61及び接続配線67とが重ならないような配置を取ることが好ましい。
【0028】
一方、第1表示部55のような液晶表示パネルでは、表示領域63のうち表示電極61が配置されていない領域にも接続配線67が張り巡らされており、完全に避けることは容易でない。そこで、やむを得ず表示電極61及び接続配線67とアンテナ71とを重ねて配置する際には、アンテナ71の放射端を避ける配置とすると、電波の送受信性能の劣化を最小限にとどめることができる。一般に、平面視において表示電極61が占有する面積に対して接続配線67が占有する面積をより小さいものとできるため、表示電極61に比して、接続配線67がアンテナ71と重なることによる電波の送受信性能への影響は小さい。本実施形態では、接続配線67のうち一部を、アンテナ71のうち電波の送信または受信への影響が比較的小さい領域と重ねることで、第1表示部55とアンテナ71とを重ねて配置し、液晶表示をさせた状態での電波の送受信時に十分な利得を得ることを可能としている。なお、ここで示した例ではアンテナ71の放射端を避けて、接続配線67のみがアンテナ71と重なっているが、必要とする利得によっては、これに替えて、又は加えて、表示電極61がアンテナ71の放射端を避けて、部分的にアンテナ71と重なっていてもよい。
【0029】
なお、接続配線67を配置するスペースに余裕がある場合には、アンテナ71と接続配線67や表示電極61とを重ねなくてもよい。また、アンテナ71が平面視で表示領域63と重なるように設けられることで、アンテナ71のためだけに太陽電池58が配置されない領域を設ける必要がなくなり、発電効率やデザイン上の自由度を向上させることが可能になる。
【0030】
これまでに説明した実施形態では、アンテナ71は1つしか配置されていないが、アンテナの数は多くても本発明を適用できる。図5は、複数のアンテナ71,73の配置の例を示す図である。アンテナ71,73はチップアンテナであり、アンテナ71は第1表示部55に配置されており、アンテナ73は第2表示部56に配置されている。アンテナ71と、第1表示部55に含まれる表示電極61および接続配線67との関係は図3図4に示すものと同じである。また、第2表示部56の表示領域には、第1表示部55と同様に、表示電極とそれに接続する接続配線とが配置されている。平面視で第2表示部56の表示領域と重なるアンテナ73は、第2表示部56の表示領域に配置されている表示電極から露出するように配置されており、また表示電極に接続されている接続配線と放射端を避けて重なるように設けられている。ここで、平面視でアンテナ73の放射端を含む少なくとも一部が第2表示部56に含まれる表示電極から露出していれば、当該表示電極とアンテナ73とが重なっていてもよい。
【0031】
ここで、チップアンテナではないアンテナが第1表示部55の表示領域63と重なるように配置されてもよい。図6は、電波腕時計1の他の一例における断面図である。図7は、図6に示す例における第1表示部55の表示電極61、複数の接続配線67およびアンテナ74の配置を示す平面図である。図6,7に示す電波腕時計1の外観は図1に示すものと同じであり、図6,7はそれぞれ図2,4に対応する図である。以下では図6,7に示す変形例と図2,4の例との相違点を中心に説明する。この変形例では、図2の例におけるアンテナ71の代わりに、第1表示部55の裏側に設けられた配線パターンからなるアンテナ74(パターンアンテナとも呼ばれる)が設けられている。
【0032】
アンテナ74も、平面視で第1表示部55の表示領域63と重なり、かつ複数の表示電極61と重ならないように配置されている。アンテナ74は、平面視で、都市表示領域64に含まれる表示電極61と、時刻表示領域65に含まれる表示電極61とに挟まれた領域に配置されている。アンテナ74は、図7において、その挟まれた領域の中央の左寄りに端部を有し、その端部から右側へ延びた後に下側へ曲がって延び、時刻表示領域65に含まれる表示電極61より少し手前から左へ向かって延び、上へ曲がって延びた後に都市表示領域64に含まれる表示電極61の少し下を右へ向かって第1表示部55の端まで延びている。
【0033】
また、平面視で、接続配線67a、67b、67dはアンテナ74に重ならず、接続配線67cはアンテナ74に重なっている。図7の例でも、アンテナ74には電磁界強度の最大値を示す地点があり、その地点を含むアンテナ74の端部を放射端とすると、放射端は接続配線67aから67dと重なっていない。これにより、アンテナ74の送受信性能の劣化が抑えられている。なお、アンテナ74の一部は平面視でマーキング62と重なっている。図6の例ではアンテナ74は第1表示部55の裏面に配置されているが、アンテナ74が配線基板81上かつ平面視で図7と同様の位置に配置されてもよい。
【0034】
以上説明した実施形態に示した具体的な構成は例示として示したものであり、本明細書にて開示される発明をこれら具体例の構成そのものに限定するものではない。当業者はこれら開示された実施形態に種々の変形、例えば、各部材あるいはその部分の形状や数、配置等を適宜変更したり、例示された実施形態を互いに組み合わせたりしてもよい。本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0035】
1 電波腕時計、50 ケース、51 文字板、52 時針、53 分針、54 秒針、55 第1表示部、56 第2表示部、57 コネクタ、58 太陽電池、61,61a,61b,61c,61d 表示電極、62 マーキング、63 表示領域、64 都市表示領域、65 時刻表示領域、66 モード表示領域、67,67a,67b,67c,67d 接続配線、70 端子電極、71,73,74 アンテナ、72 給電線、81 配線基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7