(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Yが、モノイソシアネート(m=1)、ポリイソシアネート(m>1)またはイソシアネート基含有プレポリマー(m=1〜20)のm個のNCOラジカルが減った構造単位である分子ラジカルを表し、R1はプロピルを表し、R2およびR3はそれぞれ互いに独立に、メチルまたは得エチルを表し、nは0〜2の整数を表す、請求項1または2に記載の化合物。
金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムの接着接合および/またはシーリングのための、請求項6に記載の反応性1液型接着剤システムの使用。
金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムの接着接合および/またはシーリングのための、請求項6に記載の反応性1液型接着剤システムを含むキット。
金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムのコーティングのための、請求項10に記載の反応性1液型コーティングシステムの使用。
金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムのコーティングのための、請求項10に記載の反応性1液型コーティングシステムを含むキット。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明によれば、式(I)の化合物を提供する:
【化2】
【0015】
式(I)中:
Yは、モノイソシアネート(m=1)、ポリイソシアネート(m>1)またはイソシアネート含有プレポリマー(m=1〜20)のm個のNCOラジカルが減った構造単位であるm価の分子ラジカルを表す;
R
1は、1〜12個の炭素原子を有する、少なくとも2価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位を表し、1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれ、OまたはSによって置き換えられることができる;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、1〜12個の炭素原子を有する置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族基を表す;
nは、0〜2の整数を表す;および
mは、1〜20の数を表す。
【0016】
本発明に従う1つの実施形態において、式(I)の化合物が結果として提供される。
【0017】
本発明に従うさらなる実施形態において、式(I)の化合物の調製のためのプロセスが提供され、式(Ia)のシラン変性ホルムアミドを式Y−(NCO)
mのイソシアネートと反応させる工程を含む:
【化3】
【0018】
式中、基Y、R
1、R
2、R
3、nおよびmは、請求項1に記載される通りである。
【0019】
本発明に従うさらなる実施形態において、式(I)の少なくとも1つの化合物を含む反応性1液型接着剤システムおよび/またはコーティングシステムが提供される。
【0020】
本発明によれば、式(I)の化合物は、接着剤およびシーリング材料、ラッカー、コーティング、サイズ、インクおよび/または印刷インクの製造のために使用される。
【0021】
本発明に従うさらなる実施形態において、金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムの接着接合および/またはシーリングのための本発明に従う反応性1液型接着剤システムの使用が記載される。
【0022】
本発明に従う1液型接着剤システムによって接合される複合体が本発明に従ってさらに開示される。
【0023】
定義
本願で使用される場合、用語「脂環式」は、芳香族化合物に属さない炭素環式または複素環式化合物、たとえばシクロアルカン、シクロアルケン、またはオキサ−、チア−、アザ−またはチアザ−シクロアルカンを示す。これらの具体的な例は、シクロヘキシル基、シクロペンチル基であり、さらに1つまたは2つのNまたはO原子よって妨げられるこれらの誘導体であり、たとえばピリミジン、ピラジン、テトラヒドロピラン、またはテトラヒドロフランである。
【0024】
本願で使用される場合、用語「芳香脂肪族」は、アリール基によって置換されるアルキルラジカル、たとえばベンジル、フェニルエチル、ビフェニルなどを示す。
【0025】
本願において使用される場合、表現「置換されていてもよい」または「置換される」は、特に、−F、−Cl、−I、−Br、−OH、−OCH
3、−OCH
2CH
3、−O−n−プロピルまたは−O−イソプロピル、−OCF
3、−CF
3、−S−C
1−6−アルキルおよび/またはヘテロ原子を介して連結されていてもよい、1〜12個の炭素原子を有する、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位による関連構造単位の置換を指す。好ましくは、これは、ハロゲン(特に−F、−Cl)、C
1−6−アルコキシ(特にメトキシおよびエトキシ)、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシによる置換を示す。
【0026】
本願において使用される場合、表現「低分子量」は、分子質量が、約800g・mol
−1を超えない化合物を示す。
【0027】
本願において使用される場合、表現「高分子量」は、分子質量が、約800g・mol
−1を超える化合物を示す。
【0028】
分子質量が正確に規定された構造式に従わない化合物の場合、たとえばポリマーの場合、分子質量は、それぞれの場合において重量平均分子量であると理解されるべきである。
【0029】
本願に使用される場合、用語「モノイソシアネート」は、A−NCOによって表される化合物を示し、式中、Aは、6〜50個の炭素原子を有する芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環式を表す。
【0030】
本願で使用される場合、用語「ポリイソシアネート」は、好ましくは≧2のNCO官能性を有する芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネート、特にジ−およびトリ−イソシアネートを示す。
【0031】
本願で使用される場合、用語「モノマー」は、オリゴマーおよび/または(プレ)ポリマーの合成に関与し、規定されたモル質量を有する官能基を有する低分子量化合物を示す。
【0032】
本願に使用される場合、用語「オリゴマー」は、同じタイプまたは異なるタイプのほんの少しのモノマーが互いに繰り返して連結される化合物を示す。
【0033】
本願において使用される場合、用語「プレポリマー」は、ポリマーの最終合成に関与する官能基を有するオリゴマー化合物を示す。
【0034】
本願に使用される場合、用語「ポリマー」は、同じタイプまたは異なるタイプのモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーが互いに繰り返して連結され、重合度、モル質量分布または鎖長の観点で異なり得る高分子量化合物を示す。
【0035】
本発明に従う実施形態
本発明に従う実施形態を、以降に詳細に記載する。
【0036】
式(I)の化合物
1つの実施形態において、一般式(I)の化合物が提供される:
【化4】
【0037】
式(I)中:
Yは、モノイソシアネート(m=1)、ポリイソシアネート(m>1)またはイソシアネート含有プレポリマー(m≧1)のm個のNCOラジカルが減った構造単位であるm価の分子ラジカルを表す;
R
1は、1〜12個の炭素原子を有する、少なくとも2価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位を表し、1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれ、OまたはSによって置き換えられることができる;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、1〜12個の炭素原子を有する置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族基を表す;
nは、0〜2の整数を表す;および
mは、1〜20の数を表し、ここでmはまた分数であることができる。
【0038】
本発明に従う1つの実施形態において、構造単位Yは、モノイソシアネートから誘導されるラジカルである。こうしたモノイソシアネートの例は、ヘキシルイソシアネート、6−クロロヘキシルイソシアネート、n−オクチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、2,3,4−メチルシクロヘキシルイソシアネート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、2−ノルボルニル−メチルイソシアネート、デシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、3−ブトキシプロピルイソシアネート、3−(2−エチルヘキシルオキシ)−プロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、クロロフェニルイソシアネート(2,3,4−異性体)、ジクロロフェニルイソシアネート、4−ニトロフェニルイソシアネート、3−トリフルオロメチル−フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート(市販の混合物および個々の異性体)、4−ドデシルフェニルイソシアネート、4−シクロヘキシル−フェニルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート、1molのジイソシアネートおよび1molのモノカルボン酸、好ましくはトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートと好ましくは少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸のイソシアナト−アミド、たとえば(6−イソシアナト−ヘキシル)−ステアリン酸アミド、(3−イソシアナトトリル)−ステアリン酸アミド、(6−イソシアナト−ヘキシル)−ベンズアミド(それぞれの場合にこれら単独または複数のモノイソシアネートとの混合物)である。
【0039】
本発明に従うさらなる実施形態において、構造単位Yは、ポリイソシアネートから誘導されるラジカルである。好適なポリイソシアネートとして、当業者にとってこれ自体既知の好ましくは≧2のNCO官能性を有する芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートが使用される。これらはまた、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ウレトジオン、ウレタン、アロファネート、ビウレット、尿素、オキサジアジントリオン、オキサゾリジノン、アシル尿素および/またはカルボジイミド構造を有することができる。
【0040】
上述のポリイソシアネートは、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族接合したイソシアネート基を有するジ−またはトリ−イソシアネートに基づき、これらは当業者に既知であるが、ホスゲンを用いてまたはホスゲンを含まないプロセスによって調製されているかどうかは重要ではない。こうしたジ−およびトリ−イソシアネートの例は、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、2−メチル−1,5−ジイソシアナトペンタン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、2,2,4−または2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,10−ジイソシアナトデカン、1,3−および1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−および1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロ−ヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(Desmodur(登録商標)W,Bayer AG,Leverkusen,DE)、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタンジイソシアネート(トリイソシアナトノナン,TIN)、ジイソシアナト−1,3−ジメチルシクロヘキサン(H6XDI)、1−イソシアナト−1−メチル−3−イソシアナト−メチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−1−メチル−4−イソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス−(イソシアナト−メチル)−ノルボルナン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,3−および1,4−ビス−(2−イソシアナト−プロパ−2−イル)−ベンゼン(TMXDI)、2,4−および2,6−ジイソシアナトトルエン(TDI)、特に2,4−および2,6−異性体および2つの異性体の市販の混合物、2,4’−および4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、1,5−ジイソシアナトナフタレン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)および記述化合物の任意の混合物である。
【0041】
特に好ましくは、ポリイソシアネートは、2.0〜5.0、最も特に好ましくは2.3〜4.5の平均NCO官能性、および好ましくは5.0〜27.0重量%、特に好ましくは14.0〜24.0重量%のイソシアネート基の含有量、および好ましくは1重量%未満、特に好ましくは0.5重量%未満のモノマー性ジイソシアネート含有量を有する。
【0042】
好ましくは、脂肪族および/または脂環式にのみ結合したイソシアネート基を有する上述のタイプのポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物が使用される。
【0043】
特に好ましくは、上述のタイプのポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、異性体ビス−(4,4’−イソシアナト−シクロヘキシル)−メタン、TDI、MDIおよびこれらの混合物に基づく。
【0044】
本発明に従うさらなる実施形態において、構造単位Yは、イソシアネート基を保持するプレポリマーから誘導されるラジカルである。これは、特にポリウレタンプレポリマーであることができる。イソシアネート基Y−(NCO)
mを保持するポリウレタンプレポリマーの本発明に従う調製は、
既に記述された1つ以上のポリイソシアネートと
1つ以上のポリオール
との反応を含む。
【0045】
ポリウレタン化学の当業者にこれ自体が既知のすべてのポリオールが好適なポリオールとして使用でき、これらのポリオールは、好ましくは≧1.5、特に好ましくは1.8〜2.5のOH官能性を有する。
【0046】
これらは、たとえば低分子量ジオール(たとえば1,2−エタンジオール、1,3−または1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール)、トリオール(たとえばグリセロール、トリメチロールプロパン)およびテトラオール(たとえばペンタエリスリトール)、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオールならびにポリカーボネートポリオールであることができる。好ましいポリオールは、ポリエーテルに基づく上述のタイプの物質である。
【0047】
ポリエーテルポリオールが使用される場合、好ましくは300〜20,000g/mol、特に好ましくは1000〜12,000g/mol、最も特に好ましくは2000〜6000g/molの数平均分子量Mnを有するポリエーテルポリオールが使用される。
【0048】
さらに、これらは、好ましくは≧1.9、特に好ましくは≧1.95の平均OH官能性を有する。
【0049】
これらのポリエーテルのOH官能性は、好ましくは<6、特に好ましくは<4、最も特に好ましくは<2.2である。
【0050】
同様に好適なポリオールは、好適なアルコールおよび酸の縮合反応からのポリエステルポリオールである。一級アルコールおよびジ一級ジオールとして、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはネオペンチルグリコール、ならびに多価アルコール、たとえばトリメチロールプロパン、トリメチロールエタンまたはペンタエリスリトールが使用される。好適な縮合パートナーは、酸構成成分、たとえばアジピン酸またはフタル酸である。金属触媒、たとえばSn(II)エチルヘキサノエートまたはチタンテトラアルコキシレートおよびスターターとしての上述のタイプのジオールまたはトリオールを用いてε−カプロラクトンまたはメチル−ε−カプロラクトンの開環重合によりまた、好適なポリエステルポリオールが得られる。ポリエステルポリオールの長さは、それによって使用されるカプロラクトン単位の数によって決定できる。
【0051】
ポリエステルポリオールの好ましい分子量(数平均)は、≦1000g/molである。ポリエステルポリオールの好ましい官能性は、2〜3である。
【0052】
ポリアクリレートポリオールはまた、本発明に従うプレポリマーの調製に好適である。ポリアクリレートポリオールは、200〜10,000g/mol、特に好ましくは200〜6000g/mol、最も特に好ましくは200〜2500g/molの数平均分子量を有する。使用されるポリアクリレートポリオールの官能性は、好ましくは1.6〜3.8、特に好ましくは1.8〜3.5である。これらのポリアクリレートポリオールのOH価は、好ましくは15〜150、特に好ましくは20〜100、最も特に好ましくは40〜80mgKOH/gである。たとえばAcryflow(登録商標)P60およびP90(Lyondell,USからの市販製品)が好適である。
【0053】
脂肪族ポリカーボネートポリオールはまた、本発明に従うプレポリマーの合成のために考慮される。ポリカーボネートポリオールは、既知であるように、ホスゲンとポリオールとの縮合反応から、または好適な有機カーボネートのポリオールとのエステル交換から得ることができる。有機カーボネートとして、アリール、アルキルおよびアルキレンカーボネートおよびこれらの混合物が考慮される。挙げることができる例は、ジフェニルカーボネート(DPC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)およびエチレンカーボネートである。ポリオールとして、ポリエステルポリオールの項において上述されたポリオールが考慮される。使用されるポリカーボネートポリオールの官能性は、好ましくは1.6〜3.8、特に好ましくは1.8〜3.5である。これらのポリカーボネートポリオールは、好ましくは100〜6000g/mol、特に好ましくは100〜4000g/molの数平均モル量を有する。OH価は、ポリカーボネートポリオールの官能性に依存し、通常、20〜900mgKOH/gである。
【0054】
さらに好適なポリオールはまた、たとえば脂肪族または芳香族ポリオールとのエポキシ化脂肪酸エステルのエポキシド開環を伴う反応によって得ることができる、たとえばEP−A0689556およびEP−A0937110に記載される特定のポリオールである。
【0055】
ヒドロキシル基含有ポリブタジエンは、同様にポリオールとして使用できる。
【0056】
本発明に従うポリウレタンプレポリマーY−(NCO)
mの調製は、原理上ポリウレタン化学から既知の様式で行われる。ポリオール(個々にまたは混合物の形態で)は、それに関して、触媒および/または補助物質および添加剤の存在下であってもよいが、過剰のポリイソシアネート(個々にまたは混合物の形態)と反応する。均質反応混合物を、一定のNCO値に到達するまで撹拌する。次いでいずれかの未反応ポリイソシアネートは、連続蒸留によって除去できる。
【0057】
本発明の意味内において連続蒸留プロセスは、上述のプロセス工程から一部の量だけのプレポリマーが一時的に高温に曝される一方で、蒸留プロセスにはまだない量は顕著に低い温度のままである。高温は、対応して選択された圧力において揮発性構成要素の蒸発のための温度として理解されるべきである。
【0058】
蒸留は、好ましくは170℃未満、特に好ましくは110〜170℃、最も特に好ましくは125〜145℃の温度にて、20mbar未満、特に好ましくは10mbar未満、最も特に好ましくは0.05〜5mbarの圧力で行われる。
【0059】
蒸留プロセスにはまだないプレポリマー含有反応混合物の量の温度は、好ましくは0〜60℃、特に好ましくは15〜40℃、最も特に好ましくは20〜40℃である。
【0060】
本発明の好ましい実施形態において、蒸留温度と、蒸留プロセスにはまだないプレポリマー含有反応混合物の温度との間の温度差は、少なくとも5℃、特に好ましくは少なくとも15℃、最も特に好ましくは15〜40℃である。
【0061】
蒸留は、蒸留されるべきプレポリマー含有反応混合物の体積増加分が10分未満、特に好ましくは5分未満の間蒸留温度に曝されるような割合で行われるのが好ましく、次いで強制冷却によってもよいが、蒸留の前にプレポリマー含有反応混合物の出発温度に戻される。温度負荷は、好ましくは、蒸留前の反応混合物の温度または蒸留後のプレポリマーの温度が、適用される蒸留温度より少なくとも5℃、特に好ましくは少なくとも15℃、最も特に好ましくは15〜40℃高くなるようにする。
【0062】
好ましい連続蒸留技術は、分子、流下薄膜型および/または膜蒸留である(たとえばChemische Technik,Wiley−VCH,Volume 1,5th edition,pages333−334)。
【0063】
流下薄膜エバポレーターは、蒸発されるべき液体が頂部にて導入され、膜として下方に流れる長い管の静止バンドルからなる。加熱は、スチームによってシェルにて行われる。蒸気泡が管中に形成し、液体と共に下方に流れ、乱流状態を確実にする。蒸気および液体は、セパレータ容器の底端部にて分離する。
【0064】
膜エバポレーターは、短時間でのみ熱に曝され得る温度感受性物質の蒸発に好適な装置である。蒸発されるべき液体は、ジャケット加熱を伴う管に頂部にて導入される。それは膜として管の下方に流れる。管の内側では、シャフトにつるしたワイパーが回転し、一定の膜厚さを確実にする。上述されたパラメータをもつ膜蒸留は、好ましくは連続蒸留技術として使用される。
【0065】
反応中のポリイソシアネートのNCO基とポリオールのOH基との当量比は、好ましくは10:1〜2:1、特に好ましくは7:1〜2:1である。
【0066】
選択された反応温度は、0℃〜250℃、好ましくは20℃〜140℃、最も特に好ましくは40℃〜100℃である。
【0067】
本発明に従うプロセスはまた、溶媒、たとえば芳香族化合物、塩素化芳香族化合物、エステルまたは塩素化炭化水素の存在下で行われることができる。
【0068】
ウレタン化を促進するために、これ自体が既知の触媒、たとえば有機金属化合物、アミン(たとえば三級アミン)または金属化合物、たとえばオクタン酸鉛、コハク酸水銀、トリフル酸亜鉛、オクタン酸スズまたはジラウリン酸ジブチルスズを使用できる。触媒を併用する場合、これらは、到達されるべきポリイソシアネートおよびポリオールの総量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、特に0.002〜2重量%の量で添加される。
【0069】
式(I)および(III)における好ましい置換基の意味
式(I)および(III)の化合物が好ましくは提供され、ここで各場合において:
Rは、メチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、イソホリレン、4,4’−ジシクロヘキシルメチレン、ビス(シクロヘキシレン)、4,4’−ビスフェニレン、o−、m−またはp−トリレン、またはヘキシレン(特に−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)、および特に好ましくはn−ヘキシレンを表す;
R
1は、メチレン(−CH
2−)またはプロピレン(特にn−プロピレン−CH
2CH
2CH
2−)、特に好ましくはn−プロピレンを表す;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、メチルまたはエチル、好ましくはエチルを表す;および
nは、0〜2の整数を表す。
【0070】
式(I)および/または(III)の化合物が特に好ましくは提供され、ここで各場合において:
Rは、イソホリレン、4,4’−ジシクロヘキシルメチレン、ビス(シクロヘキシレン)、ビスフェニレン、トリレンまたはn−ヘキシレンを表す;
R
1はn−プロピレンを表す;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、メチルまたはエチルを表す;および
nは、0〜2の整数を表す。
【0071】
式(III)の化合物が最も特に好ましくは提供され、式中、Rは、イソホリレン、トリレンまたはn−ヘキシレンであり、R
1は、n−プロピレンであり、R
2およびR
3はメチルであり、n=0である。
【0072】
本発明に従う式(I)の化合物は、コーティング材料、接着剤および/またはシーリング材料のためのバインダーとして好適である。
【0073】
式(I)の化合物は、100〜1,000,000mPa・s、好ましくは1000〜500,000mPa・s、特に好ましくは5000〜300,000mPa・sの範囲の粘度(23℃)を有する。
【0074】
存在するアシル尿素基の理由で、本発明に従う式(I)の化合物は、尿素基を含有する同類生成物と比較して、低い粘度を有する。これが結果として、当業者に既知であるように、改善された扱い易さまたは顔料着色コーティングへのさらなる加工処理あるいは接着剤またはシーリング材料の配合のためのフィラー、たとえばチョークの良好な組み込みをもたらす。
【0075】
式(I)の化合物の調製のためのプロセス
本発明に従う式(I)の化合物は、以下の2段階プロセスによって調製できる:
【化5】
【0076】
過剰のギ酸アルキルエステルR’O−CHOを好ましくはまず、アミンH
2N−R
1−Si(R
2)
n(OR
3)
3−nに滴下するが、R’は、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。ギ酸メチルまたはギ酸エチルは、ギ酸アルキルエステルR’O−CHOとして特に好ましい。好ましくは1molのアミンを、過剰の1.01mol〜6mol、特に好ましくは1.05〜4molのギ酸アルキルエステルR’O−CHOと、ギ酸アルキルの沸点にて反応させる。反応が完了したとき、過剰のギ酸アルキルエステルR’O−CHOおよび得られたアルコールR’−OHを膜蒸留によって留去し、得られた生成物(Ia)を濾去してもよい。
【0077】
次いで式(Ia)の化合物を、好ましくは不活性条件下、20〜200℃、好ましくは40〜160℃の温度にてY−(NCO)
mと反応させる。2つの構成成分は、それによって少なくとも1:10〜40:1以下、好ましくは1:5〜30:1以下、特に好ましくは1:2〜25:1以下のイソシアネート基とホルムアミド基との当量比で使用される。反応は、溶液中でまたは溶媒を含まずに行うことができる。
【0078】
式(I)を有する化合物の調製は、触媒を使用することなく行うことができる。しかし、既知の触媒が、反応を加速させるために添加されることもできる。たとえば三級アミン、たとえばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラ−メチルジアミノジエチルエーテル、ビス−(ジメチルアミノプロピル)−尿素、N−メチル−またはN−エチル−モルホリン、N−ココモルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルピペリジン、N−ジメチル−アミノエチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルイミダゾール−β−フェニルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン(DABCO)およびビス−(N,N−ジメチルアミノエチル)アジペート、アミジン、たとえば1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセ−7−エン(DBU)および2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、アルカノールアミン化合物、たとえばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル−ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールおよび2−(N,N−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N’,N’’−トリス−(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン、たとえばN,N’,N’’−トリス−(ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルおよび同様に金属塩、たとえば金属の通常の酸化状態における鉄、鉛、ビスマス、亜鉛および/またはスズの無機および/または有機化合物、たとえば塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、ビスマス(III)2−エチルヘキサノエート、ビスマス(III)オクトエート、ビスマス(III)ネオデカノエート、塩化亜鉛、亜鉛2−エチルカプロエート、亜鉛(II)トリフルオロメタンスルホネート(亜鉛トリフレート)、スズ(II)オクトエート、スズ(II)エチルカプロエート、スズ(II)パルミテート、ジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)、ジブチルスズ(IV)ジクロライドまたは鉛オクトエートが使用できる。
【0079】
使用されるべき好ましい触媒は、上述のタイプの三級アミン、アミジンおよびスズ化合物または亜鉛化合物である。特に好ましい触媒は、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセ−7−エン(DBU)ならびにジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)および亜鉛(II)トリフルオロメタンスルホネート(亜鉛トリフレート)である。
【0080】
上記の例によって述べられた触媒は、個々にまたは任意に混合物の形態で反応に使用でき、あるとしても、使用される出発化合物の総量に基づいて、使用される触媒の総量として計算される場合、0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で使用される。
【0081】
反応の進行は、たとえば滴定法によりNCO含有量を決定することによってモニターできる。所望のNCO含有量に到達したら、反応を終了する。
【0082】
この様式で調製された式(I)の化合物は、クリアで、実質的に無色の生成物であり、選択された出発材料に依存して、低粘度から高粘度の液体であり、反応生成物の総質量に基づいて1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.3重量%未満のモノマー出発ジイソシアネートの残留含有量を有する。
【0083】
依然として検出可能ないずれかの残留NCO含有量は、メタノールの添加によって取り込まれることができる。
【0084】
本発明に従う調製の間に式(I)の化合物のシラン基の早期架橋を防止するために、水受容体を添加することが有利であり得る。たとえばオルトギ酸エステル、たとえばトリエチルオルトホルメート、ビニルシラン、たとえばビニルトリメトキシシランまたは有機ホスフェート、たとえばジブチルホスフェートが使用できる。水受容体は、必要に応じて、出発材料の総量に基づいて、5重量%まで、好ましくは2重量%までの量で使用される。
【0085】
触媒および/または水受容体が使用される場合、これらは実際の反応の開始前に出発化合物に添加できる。しかし、反応の間にいずれかの所望の時点において反応混合物にこれらの補助物質を添加することもできる。
【0086】
好ましい実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、保護ガス雰囲気、たとえば窒素下で行われる。
【0087】
本明細書に開示される式(I)のシラン変性ポリマーは、接着剤およびシーリング材料、ラッカー、コーティング、サイズ、インクおよび/または印刷インクの製造のために本発明に従って使用できる。
【0088】
このプロセスの利点は、式(I)のシラン変性ポリマーの特性が、使用される式Y−(NCO)
mの構造を介して多数の全く異なる用途に適合できることである。
【0089】
反応性1液型接着剤システム
本発明によれば、式(I)の化合物は、反応性1液型接着剤システムのために使用される。反応性1液型接着剤システムは、式(I)の少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする。
【0090】
湿分または水の作用下、シラン基の加水分解性ラジカルの加水分解が行われ、この後水の開裂を伴ってそれによって形成されたシラノールの架橋(硬化)を行う。
【0091】
シラノール基の加水分解および縮合を加速する触媒も併用して使用できる。こうした触媒は当業者に既知である。たとえば酸、たとえば硫酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸およびジブチルホスフェート、塩基、たとえばN置換アミジン、たとえば1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)および1,5−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)だけでなく、金属塩および金属キレート、たとえばテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタン(IV)アセチルアセトネート、アルミニウムトリ−secブチレート、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムトリフレートまたはスズトリフレートが使用できる。
【0092】
これらの触媒は、あるとしても、使用されるシラン変性プレポリマーの重量に基づいて、5重量%まで、好ましくは2重量%までの量で使用される。使用される触媒の特性および量に依存して、本発明に従う式(I)の化合物から配合された1液型接着剤システムの硬化は、広範囲の温度、たとえば−20〜200℃、好ましくは0〜180℃、特に好ましくは20〜160℃にわたって行うことができる。
【0093】
本発明に従う反応性1液型接着剤システムに、反応パートナーとして、いずれかの所望のさらなる加水分解性シラン化合物、たとえばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−メチルジエトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランまたはUS4499150に記述されるタイプのシラン−官能性コポリマーまたはこうしたシラン化合物の混合物も添加できる。
【0094】
本発明の反応性1液型接着剤システムは、同様に、先行技術において既知であるさらなる添加剤および/または補助物質を含むことができる。たとえば顔料、酸化防止剤、水受容体、フィラー、スリップ剤、フロー剤、レオロジー添加剤、発泡安定剤、疎水化剤、気泡形成剤、接着向上添加剤(接着促進剤)、コンパウンド剤、可塑剤、アンチエイジング剤、難燃剤および/またはUV安定剤を挙げることができる。
【0095】
好適なフィラー剤として、たとえばカーボンブラック、沈澱シリカ、焼成シリカ、鉱物チョークおよび沈澱チョークを挙げることができる。挙げることができる好適な可塑剤の例は、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、フェノールのアルキルスルホン酸エステル、リン酸エステルまたは高分子量ポリプロピレングリコールである。
【0096】
水受容体として、特にアルコキシシリル化合物、たとえばビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシランを挙げることができる。
【0097】
接着促進剤として、既知の官能性シラン、たとえば上記で挙げたタイプのアミノシランだけでなく、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリメトキシ−および/またはN−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシ−シラン、エポキシシランおよび/またはメルカプトシランが使用できる。
【0098】
1液型接着剤システムとして使用できるだけでなく、本発明に従う式(I)の化合物はまた、従来の1液型および/または2成分ポリウレタン接着剤システムに、たとえば添加剤として添加できる。
【0099】
上記で記載されるような本発明に従う反応性1液型接着剤システムは、接合されるべき基材に予め適用される場合、基材の永久接合またはシーリングは上述の架橋の結果として生じる。
【0100】
接合されるべき基材の表面が、物理的、化学的および/または物理化学的プロセスによってプレ処理されることが必要な場合がある。たとえばプライマーまたは接着促進剤組成物の適用は有利ではあるが、本発明によれば完全には必要ではない。そのため、1つの実施形態において省略できる。
【0101】
基材
本発明に従う反応性1液型接着剤システムによって接着接合および/またはシーリングに好適である好適な基材は、金属、ガラス、木材、コンクリート、石、セラミック、繊維製品および/またはプラスチック材料である。接合されるべき基材は、同じまたは異なることができる。
【0102】
好ましい実施形態において、本発明に従う反応性1液型接着剤システムは、金属、ガラスおよび/またはプラスチック材料の接着接合および/またはシーリングのために使用される。
【0103】
好適な金属基材は、一般に、分野で慣習的であるすべての金属または金属合金から製造できる。金属、たとえばアルミニウム、ステンレススチール、スチール、チタン、鉄含有金属および合金が、好ましくは使用される。接合されるべき基材はさらに、異なる金属を含むことができる。
【0104】
接合されるべきプラスチック基材は、たとえばポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリビニルクロリド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリアクリレートまたはポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンおよび/またはポリエステル、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)および/またはポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0105】
基材はさらに、ラッカー塗りできまたは印刷できる。
【0106】
接合されるべき基材はさらに、得られた複合体の使用のために必要とされるいずれかの所望の形態を有することができる。最も単純な形態において、基材は平坦である。しかし3次元基材はまた、本発明に従う反応性1液型接着剤システムを用いて接合できる。
【0107】
複合体
同様に、上記で定義される本発明に従う反応性1液型接着剤システムによって接合される複合体が本発明に従って提供される。
【0108】
[実施例]
以下の実施例は、本発明を例示するように作用するが、保護の範囲の限定であると解釈されるべきではない。
【0109】
すべてのパーセンテージは、特に断らない限り、重量に関する。
【0110】
NCO含有量は、DIN EN ISO11909に従って滴定により決定した。
【0111】
OH価は、DIN53240−2:2007−11に従って滴定決定し、酸価はDIN36825に従って決定した。示されたOH含有量は、分析決定されたOH価から計算した。
【0112】
残留モノマー含有量は、内部標準を用いるガスクロマトグラフィによってDIN EN ISO10283に従って測定された。
【0113】
分子量は、ポリスチレン標準に対して、1.0ml/分の代わりに0.6ml/分の流速を使用した以外はDIN55672−1に従うゲル透過クロマトグラフィ(ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)−パート1:溶出液としてテトラヒドロフラン(THF))によって決定した。
【0114】
すべての粘度測定は、DIN EN ISO3219に従ってAnton Paar Germany GmbH(DE)からのPhysica MCR51レオメーターを用いて行われた。
【0115】
式(Ia)を有するシラン変性ホルムアミドの合成:
[実施例1]:N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド
1075.8g(6mol)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、378.6g(6.3mol)のギ酸メチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸メチルおよび得られたメチルアルコールを減圧下(50℃にて0.1mbar)で留去する。23℃にて11mPa・sの粘度を有する無色の液体が得られる。
【0116】
[実施例2]:N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ホルムアミド
99.6g(0.6mol)の3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、40.3g(0.67mol)のギ酸メチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸メチルおよび得られたメチルアルコールを減圧下(50℃にて0.1mbar)で留去する。無色液体が得られる。
【0117】
[実施例3]:N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ホルムアミド
221.4g(1mol)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコ中に、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、77.8g(1.05mol)のギ酸エチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸エチルおよび得られたエチルアルコールを減圧下(80℃にて0.1mbar)で留去する。23℃にて13mPa・sの粘度を有する無色の液体が得られる。
【0118】
[実施例4]:N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)ホルムアミド
497.9g(2.6mol)の3−アミノプロピルメチルジエトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、212.1g(2.8mol)のギ酸エチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸エチルおよび得られたエチルアルコールを減圧下(80℃にて0.1mbar)で留去する。23℃にて12mPasの粘度を有する無色の液体が得られる。
【0119】
一般式(I)を有するシラン変性化合物の合成:
[実施例5]:
154.5g(0.915mol)のHDIおよび25mg(30ppm)の亜鉛(II)トリフレートを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、60℃にて入れる。次いで469.5gのポリプロピレングリコール(OH価:112mgKOH/g)および201gのポリエーテル(OH価:52mgKOH/g)を滴下する。一定イソシアネート含有量(3.0重量%)に到達するまで、反応混合物を60℃で撹拌する。次いで142.8g(0.69mol)のN−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド(実施例1から)を計量し、さらなるイソシアネート含有量が滴定により検出不可能になるまで、反応混合物を80℃で撹拌する。32mgのジブチルホスフェートを添加して、得られたシラン末端処理プレポリマーを安定化させ、2.14gのビニルトリメトキシシランを水受容体として添加する。得られたバインダーはクリアな無色生成物であり、23℃で21,000mPa・sの粘度を有する。
【0120】
[実施例6]:(実施例5に対する比較例)
154.5g(0.915mol)のHDIおよび25mg(30ppm)のDBTL(ジブチルスズジラウレート)を、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、60℃にて入れる。次いで469.5gのポリプロピレングリコール(OH価:112mgKOH/g)および201gのポリエーテル(OH価:52mgKOH/g)を滴下する。一定イソシアネート含有量(3.0重量%)に到達するまで、反応混合物を60℃で撹拌する。次いで123.7g(0.69mol)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを計量し、さらなるイソシアネート含有量が滴定により検出不可能になるまで、反応混合物を80℃で撹拌する。32mgのジブチルホスフェートを添加して、得られたシラン末端処理プレポリマーを安定化させ、2.14gのビニルトリメトキシシランを水受容体として添加する。得られたバインダーは曇った白っぽい生成物であり、23℃で100,000mPa・sの粘度を有する。
【0121】
[実施例7]:
519.0gのDesmodur(登録商標)N75BA(Bayer MaterialSciece AGからのポリイソシアネート(ジブチルアセテート中のHDI75%に基づくビウレット;イソシアネート含有量16.5重量%)を、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて50ppmのDABCOと共に入れる。次いで518.0g(2.8mol)のN−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド(実施例1から)を撹拌しながら滴下する。添加が完了したとき、さらなるイソシアネート含有量が滴定により検出できなくなるまで、反応混合物を80℃で撹拌する。得られたバインダーは、23℃で6240mPa・sの粘度を有する。
【0122】
さらなる加工処理のために、バインダーは、酢酸ブチルを用いた50%の固形分含有量に調節し、0.25%のBASFからのLupragen(登録商標)N700(1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセ−7−エン)を添加する;その全体は、50μmの層厚さ(湿潤)でガラスプレートにナイフで適用する。23℃および50%の相対湿度で4時間の乾燥時間の後、コーティングはタッチドライであり、4日後にはキシレン、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、エチルアセテートおよびアセトンに対する良好な溶媒耐性を示す。
【0123】
[実施例8]:
578.0gのDesmodur(登録商標)L75(Bayer MaterialSciece AGからの酢酸エチル中のTDI75%に基づくポリイソシアネート;イソシアネート含有量13.3重量%)を、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて50ppmのDABCOと共に入れる。522.0g(2.5mol)のN−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド(実施例1から)を撹拌しながら滴下する。添加が完了したとき、さらなるイソシアネート含有量が滴定により検出できなくなるまで、反応混合物を80℃で撹拌する。得られたバインダーは、23℃で92,000mPa・sの粘度を有する。
【0124】
さらなる加工処理のために、バインダーは、エチルアセテートを用いた50%の固形分含有量に調節し、0.25%のBASF SEからのLupragen(登録商標)N700(1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセ−7−エン)を添加する;その全体は、50μmの層厚さ(湿潤)でガラスプレートにナイフで適用する。23℃および50%の相対湿度で4時間の乾燥時間の後、コーティングはタッチドライであり、4日後にはキシレン、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、エチルアセテートおよびアセトンに対する良好な溶媒耐性を示す。
【0125】
[実施例9]:
201.6g(1.2mol)のHDIを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて入れ、87.6g(0.6mol)の2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールを分けて添加する。次いで溶媒としての346gの酢酸ブチルおよび触媒としての52mgのトリエチルアミンを計量する。一定のイソシアネート含有量(8.2重量%)に到達したら、248.4g(1.2mol)のN−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド(実施例1から)を滴下し、さらなるイソシアネート含有量が滴定により検出できなくなるまでバッチを80℃で撹拌する。得られたクリアなバインダーは、50%の固形分含有量にて、41mPa・sの粘度を有する。
【0126】
さらなる加工処理のために、0.25%のBASF SEからのLupragen(登録商標)N700(1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセ−7−エン)をバインダーに添加する;その全体は、50μmの層厚さ(湿潤)でガラスプレートにナイフで適用する。23℃および50%の相対湿度で4時間の乾燥時間の後、コーティングはタッチドライであり、4日後にはキシレン、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、エチルアセテートおよびアセトンに対する良好な溶媒耐性を示す。
【0127】
[実施例10]:(実施例9の比較実施例)
201.6g(1.2mol)のHDIを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて入れ、87.6g(0.6mol)の2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールを分けて添加する。次いで溶媒としての346gの酢酸ブチルおよび触媒としての52mgのトリエチルアミンを計量する。一定イソシアネート含有量(8.2重量%)に到達したとき、215.1g(1.2mol)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを滴下する。添加の開始直後に、反応混合物は曇り、バッチは50%未満の固形分含有量へさらなる希釈にもかかわらず、バッチは室温にて固化する。ラッカーバインダーとしてのバッチのさらなる加工処理は、不可能である。
【0128】
接着剤およびシーリング材料のための適用実施例
実施例9からのプレポリマーの適用特性を評価するために、以下の配合物に加工処理される:
【表1】
【0129】
配合物を調製するために、フィラー(SolvayからのSocal(登録商標)U1S2)、可塑剤(ExxonからのJayflex(商標)DINP)および乾燥剤(EvonikからのDynasylan(登録商標)VTMO)を、バインダーに添加し、混合をウォールスクレーパーで真空ディゾルバーにて3000rpmで行う。接着促進剤(EvonikからのDynasylan(登録商標)1146)を次いで添加し、1000rpmで5分間の撹拌により組み込む。最後に触媒(BASF SEからのLupragen(登録商標)N700)は、1000rpmにて撹拌し、最終混合物は、最終的に真空中で空気に曝される。
【0130】
物理的特性を測定するために、ガラス基材上にて2mmの厚さを有する膜およびテスト試験片の両方を、DIN EN ISO11600に従って調製する。Shore硬度の試験を、DIN53505に従って膜にて行った。50%伸びでの弾性率は、23℃でDIN EN ISO11600に従って測定される。