特許第6532503号(P6532503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6532503
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】形象玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/14 20060101AFI20190610BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20190610BHJP
   A63H 3/02 20060101ALI20190610BHJP
   A63H 3/33 20060101ALI20190610BHJP
   A63H 3/52 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   A63H3/14
   A63H3/00 S
   A63H3/02
   A63H3/33 Z
   A63H3/52 A
【請求項の数】19
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-130634(P2017-130634)
(22)【出願日】2017年7月3日
(65)【公開番号】特開2019-13280(P2019-13280A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2018年1月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成29年5月17日 ウェブサイトのアドレス:http://p−bandai.jp/item/item−1000114801/?utm_source=google&utm_medium=pc&dmai=a53d6e89cbd9ce&rt=gopla&gclid=CJHmzIy98dQCFUx9vQodl68PQA
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成29年5月19日(A)/平成29年6月(B) ウェブサイトのアドレス:(A)http://tryworks.jp/toy/nuigurumi/003734.php (B)http://www.tryworks−shop.jp/shopdetail/000000001509 (B)http://www.tryworks−shop.jp/html/page62.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成29年6月15日 ウェブサイト:LINE株式会社が運営するLINE
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売月:平成29年6月 販売店舗名、店舗所在地: カピバラさん キュルッとショップ 各店舗
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】久々津 礼奈
【審査官】 奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−095390(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3077264(JP,U)
【文献】 実開昭59−122189(JP,U)
【文献】 実公昭44−002776(JP,Y1)
【文献】 米国特許第04504240(US,A)
【文献】 米国特許第04808139(US,A)
【文献】 ダッフィー&シェリーメイ☆ハンドパペットとポーチに合うコスチューム☆無料レシピ,無料型紙工房ことろ,2012年12月14日,[online], 2018年11月13日検索, 2012年12月14日時点のウェブアーカイブ,URL,https://web.archive.org/web/20121214095426/https://www.cotoro.net/archives/65577566.html
【文献】 Tシャツの型紙と作り方,ミントの日々 DollLeeKeの備忘録,2005年 9月 1日,[online], 2018年11月13日検索,URL,https://blog.goo.ne.jp/millinda_lemon/e/5a6016c7e0786cd81d0932f271f08c10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 3/00−3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部に装着して使用される形象玩具であって、
玩具本体と、前記玩具本体の表面の一部を覆う被覆部材とを備えており、
前記玩具本体は、前記被覆部材用の被取付部材を有しており、
前記被覆部材は、第1情報が設けられた一方面と、前記第1情報とは異なる第2情報が設けられた他方面と、前記被取付部材に取り付けるための取付部材とを有しており、
前記被覆部材は、前記玩具本体の表面の一部を覆っていない状態で前記他方面が前記玩具本体の表面の一部に接する第1被覆状態と、前記一方面が前記玩具本体の表面の一部に接する第2被覆状態と切り替えが行えるように構成されている、
形象玩具。
【請求項2】
前記被覆部材は、前記第1被覆状態で前記第1情報が提示され、前記第2被覆状態で前記第2情報が提示されるように構成されている、
請求項1に記載の形象玩具。
【請求項3】
前記第1情報および前記第2情報は、文字、記号、絵、図形および色の少なくとも1つを含んでいる、
請求項1または2に記載の形象玩具。
【請求項4】
前記被覆部材は、帯状を成していて、一端部分に第1接続部を有し、かつ、他端部分に前記第1接続部に着脱可能に接続される第2接続部を有しており、
前記被覆部材は、前記形象玩具に巻き付けて前記第1接続部と前記第2接続部とを接続することにより前記玩具本体の表面の一部を覆っている状態となり、前記第1接続部と前記第2接続部との接続を解くことにより前記玩具本体の表面の一部を覆っていない状態になるように構成されている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項5】
前記第1接続部と前記第2接続部は、互いの接続位置を変化させることにより前記被覆部材が前記玩具本体の表面の一部を覆っている状態における締め付け態様を調整できるように構成されている、
請求項4に記載の形象玩具。
【請求項6】
前記第1接続部と前記第2接続部は、面ファスナーである、
請求項4または5に記載の形象玩具
【請求項7】
前記取付部材は、前記被取付部材に着脱可能に取り付けられる、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項8】
前記取付部材は、輪状部材であり、
前記被取付部材は、前記輪状部材が着脱可能に取付可能な形状を有している、
請求項に記載の形象玩具。
【請求項9】
前記取付部材は、弾性を有している、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項10】
前記玩具本体は、少なくとも頭部と胴部を有しており、
前記被覆部材よって覆われる前記玩具本体の表面の一部は、前記胴部である、
請求項1〜のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項11】
前記形象玩具には、前記身体の一部を挿入可能な挿入部が前記胴部内から前記頭部内に及んで形成されている、
請求項10に記載の形象玩具。
【請求項12】
前記身体の一部は、手および前腕の一部である、
請求項11に記載の形象玩具。
【請求項13】
前記玩具本体は、前記胴部に腕部をさらに有しており、
前記被覆部材には、前記玩具本体の表面の一部を覆っている状態で前記腕部を挿入可能な孔が形成されている、
請求項10〜12のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項14】
前記玩具本体は、前記胴部に脚部をさらに有しており、
前記被覆部材は、前記玩具本体の表面の一部を覆っている状態で前記脚部によりその下縁位置が規制される、
請求項10〜13のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項15】
前記玩具本体は、ぬいぐるみである、
請求項10〜14のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項16】
前記被覆部材は、前記玩具本体の表面の一部を覆っている状態で前記玩具本体の自立を補助するように構成されている、
請求項10〜15のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項17】
前記玩具本体には、前記身体の一部により操作可能な音出力部材が内蔵されている、
請求項1〜16のいずれか1項に記載の形象玩具。
【請求項18】
前記音出力部材は、前記玩具本体内で変位可能に内蔵されている、
請求項17に記載の形象玩具。
【請求項19】
前記音出力部材は、鳴き笛である、
請求項17または18に記載の形象玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の一部に装着して使用される形象玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、手指を挿入可能な開口部を有するハンドパペット(動物のキャラクタ人形)が開示されている。このハンドパペットは手指を開口部から内部に挿入し、手指の操作によってハンドパペットに動きを生じさせることによって、所期の遊戯を行うものである。
【0003】
しかしながら、前記のハンドパペットは、手指の操作によってハンドパペットに動きを生じさせることを主眼としたものであるため、それ以外の楽しさおよび面白さを使用者に感じさせることは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3189104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る形象玩具は、身体の一部に装着して使用される形象玩具であって、玩具本体と、前記玩具本体の表面の一部を覆う被覆部材とを備えており、前記玩具本体は、前記被覆部材用の被取付部材を有しており、前記被覆部材は、第1情報が設けられた一方面と、前記第1情報とは異なる第2情報が設けられた他方面と、前記被取付部材に取り付けるための取付部材とを有しており、前記被覆部材は、前記玩具本体の表面の一部を覆っていない状態で前記他方面が前記玩具本体の表面の一部に接する第1被覆状態と、前記一方面が前記玩具本体の表面の一部に接する第2被覆状態と切り替えが行えるように構成されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る形象玩具は、身体の一部に装着して使用される形象玩具であって、玩具本体と、前記玩具本体の表面の一部を覆う被覆部材とを備えており、前記被覆部材は、第1情報が設けられた一方面と、前記第1情報とは異なる第2情報が設けられた他方面とを有しており、前記被覆部材は、前記他方面が前記玩具本体の表面の一部に接する第1被覆状態と、前記一方面が前記玩具本体の表面の一部に接する第2被覆状態とに切り替えられるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る形象玩具によれば、形象玩具の動き以外の楽しさおよび面白さを使用者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(A)は本発明を適用した形象玩具(第1被覆状態)の前面図、図1(B)は同右側面図、図1(C)は同後面図、図1(D)は同下面図である。
図2図2図1に示した玩具本体の縦断面図である。
図3図3(A)は図1に示した被覆部材の一方面を示す図、図3(B)は同他方面を示す図である。
図4図4(A)および図4(B)は図1に示した被覆部材を第1被覆状態から第2被覆状態に切り替える手順の説明図である。
図5図5(A)は形象玩具(第2被覆状態)の前面図、図5(B)は同後面図である。
図6図6図1および図5に示した形象玩具の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図6を用いて、本発明を適用した形象玩具10、すなわち、玩具本体11とその表面の一部を覆う被覆部材12とを備えた形象玩具10について説明する。なお、この説明では、便宜上、図1(A)の手前側を前、奥側を後、左側を左、右側を右、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0010】
まず、図1および図2を用いて、玩具本体11について説明する。
【0011】
この玩具本体11は、胴部11aと頭部11bとを連続して有するぬいぐるみである。胴部11aの前側には2個の腕部11cと2個の脚部11dが上下方向に間隔をおいて設けられている。また、頭部11bの上側には2個の耳部11eが設けられ、前側には2個の眼部11fが設けられている他、耳部11eの間には帽子部11gが設けられ、胴部11aの後側には後述する被取付部材11hが設けられている。なお、実際の玩具本体11の左面、右面および後面には胴部11aと頭部11bとの境界線は明瞭に現れないが、図面には、説明の便宜上、両者の境界線を描いてある。
【0012】
さらに、胴部11aおよび頭部11bの内側には、胴部11a内から頭部1b内に及んで袋状の内側部材11iが設けられている。この内側部材11iにより空洞(符号省略)が形成されている。この内側部材11iには、胴部11a内の下端部分に開口部分が形成されていて、その開口部分から身体の一部、例えば手および前腕の一部を挿入可能な挿入部11jが形成されている。すなわち、挿入部11jは、胴部11a内から頭部1b内に及んで形成されており、挿入された身体の一部の動きに対して変形できるような態様にある。
【0013】
さらに、胴部11aおよび頭部11bと内側部材11iとの間には、挿入部11jに挿入された身体の一部の動きを許容するクッション材11kが充填されているとともに、挿入部11jに挿入された身体の一部によって操作可能な音出力部材13、例えば鳴き笛が内蔵されている。この音出力部材13の内蔵位置は、胴部11aおよび頭部11bと内側部材11との間において任意に変化させることができる。
【0014】
なお、玩具本体11は、ぬいぐるみであるため、胴部11aと頭部11bと各腕部11cと各脚部11dと各耳部11eには、ボア系生地やフェルト系生地等が用いられている。また、挿入部11jを構成する内側部材11iには、挿入部11jに挿入された身体の一部の動きを支障無く行えるような合成樹脂系生地や絹系生地等が用いられている。さらに、クッション材11kには、挿入部11jに挿入された身体の一部の動きを支障無く行え、かつ、音出力部材13の位置が変化できるような綿類やビーズ類やパイプ類等が用いられている。ちなみに、図1には、玩具本体11として動物を模したものを示しているが、この玩具本体11はアニメーションや漫画や小説等に登場するキャラクターを模したもの等であっても良い。
【0015】
次に、図1および図3を用いて、被覆部材12について説明する。
【0016】
この被覆部材12は帯状(上縁または下縁に凸部や凹部を有するものも含む)を成しており、第1情報12a1および12a2が設けられた一方面12aと、第1情報12a1および12a2とは異なる第2情報12b1および12b2が設けられた他方面12bとを有している。この第1情報12a1および12a2と第2情報12b1および12b2については後に詳述する。
【0017】
また、被覆部材12は、一端部分に第1接続部12c1を有し、かつ、他端部分に第1接続部12c1に着脱可能に接続される第2接続部12c2を有している。これら第1接続部12c1および第2接続部12c2は、好ましくは互いの接続位置を変化可能なもの、例えば面ファスナーによって構成されている。さらに、被覆部材12には、玩具本体11の各腕部11cを挿入可能な孔12dが2個形成されている。
【0018】
さらに、被覆部材12は、玩具本体11の被取付部材11h、例えば円形状ボタンへの取り付けを可能とした取付部材12eを上縁中央に有している。ちなみに、被取付部材11hが円形状ボタンである場合、この円形状ボタンは玩具本体11に直接縫い付けることによって当該玩具本体11に設けられている。また、被取付部材11hが円形状ボタンである場合の被覆部材12の取付部材12eには、好ましくはこの円形状ボタンに着脱可能に取り付けることができる輪状部材、例えば輪状紐が使用できる他、弾性を有する輪状ゴム紐を使用できる。
【0019】
ここで、被覆部材12の一方面12aに設けられた第1情報12a1および12a2と、他方面に設けられた第2情報12b1および12b2について説明する。一方面12a側の第1情報12a1および12a2うち、12a1は図1(第1被覆状態)において玩具本体11の前面側に現れる情報を指し、12a2は玩具本体11の後面側に現れる情報を指している。また、他方面12b側の第2情報12b1および12b2うち、12b1は図5(第2被覆状態)において玩具本体11の前面側に現れる情報を指し、12b2は玩具本体11の後面側に現れる情報を指している。
【0020】
一方面12aの第1情報12a1および12a2はいずれも「A B C」の文字列であり、他方面12bの第2情報12b1および12b2はいずれも「X Y Z」の文字列であって第1情報12a1および12a2とは異なっている。また、一方面12aの第1情報12a1および12a2うちの12a1と、他方面12bの第2情報12b1および12b2うちの12b1は、いずれも第1接続部12c1および第2接続部12c2の接続位置と重なっているため、12a1は「A]を有する分割部分12a11と「B C]を有する分割部分12a12とに分けられており、12b1も「X]を有する分割部分12b11と「Y Z]を有する分割部分12b12とに分けられている(図4を参照)。
【0021】
次に、図1図4および図5を用いて、玩具本体11に対する被覆部材12の被覆状態、ならびに、被覆状態の切り替え手順について説明する。ちなみに、図1は被覆部材12の第1被覆状態を示し、図5は被覆部材12の第2被覆状態を示す。
【0022】
図1に示した第1被覆状態では、被覆部材12は玩具本体11の表面の一部、具体的には胴部11aに巻き付けられて当該胴部11aの表面を覆っている。この第1被覆状態では被覆部材12の他方面12bが胴部11aの表面に接しており、被覆部材12の一方面12aが露出している。また、被覆部材12の第1接続部12c1と第2接続部12c2が玩具本体11の前面側で接続されている。さらに、被覆部材12の2個の孔12dには玩具本体11の2個の腕部11cがそれぞれ挿入されており、当該挿入によって被覆部材12の上下左右方向の位置決めが為されている。さらに、被覆部材12の下縁は玩具本体11の2個の脚部11dによってその位置が規制されており、これにより被覆部材12の下方向の位置決めが為されている。つまり、この第1被覆状態では、第1情報12a1および12a2のうちの12a1が玩具本体11の前面側で露出し、かつ、12a2が後面側で露出するため、第1情報12a1および12a2(「A B C」)が外部に提示される。
【0023】
図1に示した被覆部材12を第1被覆状態から第2被覆状態に切り替えるときには、図4(A)に示したように、第1接続部12c1と第2接続部12c2との接続を解いて被覆部材12を胴部11aの表面を覆っていない状態とした後、図4(B)に示したように、取付部材12eを基準として被覆部材12を回転させて当該被覆部材12を反転させる。そして、図5に示したように、反転後の被覆部材12を胴部11aに巻き付けつつ、被覆部材12の2個の孔12dに玩具本体11の2個の腕部11cをそれぞれ挿入し、第1接続部12c1と第2接続部12c2を玩具本体11の前面側で接続する。
【0024】
すなわち、図5に示した第2被覆状態では、先に述べた第1被覆状態と同様に、被覆部材12は玩具本体11の表面の一部、具体的には胴部11aに巻き付けられて当該胴部11aの表面を覆っている。この第2被覆状態では被覆部材12の一方面12aが玩具本体11の胴部11aの表面に接しており、被覆部材12の他方面12bが露出している。また、被覆部材12の第1接続部12c1と第2接続部12c2が玩具本体11の前面側で接続されている。さらに、被覆部材12の2個の孔12dには玩具本体11の2個の腕部11cがそれぞれ挿入されており、当該挿入によって被覆部材12の上下左右方向の位置決めが為されている。さらに、被覆部材12の下縁は玩具本体11の2個の脚部11dによってその位置が規制されており、これにより被覆部材12の下方向の位置決めが為されている。つまり、この第2被覆状態では、第2情報12b1および12b2のうちの12b1が玩具本体11の前面側で露出し、かつ、12b2が後面側で露出するため、第2情報12b1および12b2(「X Y Z」)が外部に提示される。
【0025】
なお、図5に示した被覆部材12を第2被覆状態から第1被覆状態に切り替えるときの手順は、図1に示した被覆部材12を第1被覆状態から第2被覆状態に切り替えるときの手順と同様であるため、その説明を省略する。
【0026】
次に、図6を用いて、図1に示した第1被覆状態と図5に示した第2被覆状態における形象玩具10の使用方法を、実用上の作用効果を交えて説明する。
【0027】
使用者は、玩具本体11の挿入部11j(図2を参照)に一方の手および前腕の一部ULを挿入した状態にて、他方の手で第1被覆状態と第2被覆状態の切り替えを行うことができるため、切り替えの際に改めて挿入部11jから手を抜く必要がなく、容易に取り扱うことができる。なお、勿論、使用者は、第1被覆状態と第2被覆状態の切り替えを行った後、図6に示したように、玩具本体11の挿入部11j(図2を参照)に手および前腕の一部ULを挿入してもよい。この挿入状態では、手の動きによって玩具本体11の特に頭部11bを変形できるため、使用者はこの変形に伴う遊戯を楽しむこともできる。
【0028】
また、図6に示した挿入状態では、被覆部材12が第1被覆状態にあるときに第1情報12a1および12a2(「A B C」)が外部に提示され、第2被覆状態にあるときに第1情報12a1および12a2とは異なる第2情報12b1および12b2(「X Y Z」)が外部に提示される。すなわち、使用者はこれら第1情報12a1および12a2と第2情報12b1および12b2を選択的に利用して、野球やサッカー等の競技の応援グッズとして用いることによる楽しさおよび面白さを味わうことができる。
【0029】
さらに、被覆部材12を玩具本体11に着脱可能に構成しておけば、被覆部材12を別の被覆部材と交換することも可能となるため、外部に提示可能な情報のバリエーションを増加できるとともに、この増加に基づく汎用性も高めて、前記の楽しさおよび面白さをより一層のものとすることができる。
【0030】
さらに、図1に示した第1被覆状態と図5に示した第2被覆状態では、第1接続部12c1と第2接続部12c2との接続位置を変化させることによって被覆部材12の締め付け状態を調整することができる。すなわち、使用者の手および前腕の一部ULの太さに合わせて玩具本体11の挿入部11jの内形を調整できるため、図6に示した挿入状態で形象玩具10を振り動かしたときに当該形象玩具10が抜け落ちることを抑制することができる。また、使用者が手および前腕の一部ULを挿入部11jに挿入しつつ音出力部材13(鳴き笛)を把持することで、使用者の手および前腕の一部ULから当該形象玩具10が抜け落ちることをさらに抑制することができる。
【0031】
さらに、図6に示した挿入状態では、手によって音出力部材13(鳴き笛)を操作して音を発することもできるため、この音発生によって前記応援グッズとしての付加価値を高めることができる。
【0032】
さらに、図1に示した第1被覆状態と図5に示した第2被覆状態では、形象玩具10を卓上等に自立させて観賞用として用いることもできる。この場合、被覆部材12は玩具本体11の胴部11aの形を整え、かつ、補強する役割を果たすため、玩具本体11が柔軟であっても前記自立を補助することができる。
【0033】
次に、図1図6を用いて説明した形象玩具10の変形例について説明する。
【0034】
〈変形例1〉被覆部材12の一方面12aの第1情報12a1および12a2、ならびに、他方面12bの第2情報12b1および12b2として文字列を例示したが、第1情報および第2情報は文字以外の記号や絵や図形や色、または、これらの組み合わせであっても良い。例えば、情報が文字、記号、絵または図形の場合には、異なる文字、記号、絵または図形を一方面12aと他方面12bに設ける他、同じ文字、記号、絵または図形で色が異なるものを一方面12aと他方面12bに設けるようにしても良い。また、文字、記号、絵または図形を設けずに、被覆部材12の一方面12aと他方面12bの地色を異ならせるだけでも良い。すなわち、被覆部材12の一方面12aで提示される第1情報と一方面11bで提示される第2情報とが異なっていれば、各々の態様に特段の制限は無い。
【0035】
〈変形例2〉被覆部材13の第1接続部12c1と第2接続部12c2として面ファスナーを例示したが、面ファスナーに代えて複数のスナップボタン等を用いて互いの接続位置を変化できるようにしても良い。
【0036】
〈変形例3〉被覆部材12の上縁中央に取付部材12eを設けたものを例示したが、取付部材12eとして長さが長いものや弾性を有するものを用いる場合には、被覆部材12の上縁中央から少しずれた位置に取付部材12eを設けることも可能である。なお、被覆部材12に設けた取付部材12eと玩具本体11に設けた被取付部材11hは、使用途中で両者が分離しないようにするための配慮でもあるため、被覆部材12の交換が不要であれば、取付部材12eを被取付部材11hに着脱可能に取り付けられるようにする必要は無い。
【0037】
〈変形例4〉玩具本体11として2個の腕部11cを有するものを例示するとともに、被覆部材12としてこの2個の腕部11cが挿入可能な2個の孔12dが形成されるものを例示したが、玩具本体11から2個の腕部11cを排除し、かつ、被覆部材12から2個の孔12dを排除しても良い。この場合、孔12dへの腕部11cの挿入による位置決めは行えなくなるものの、被覆部材12の第1接続部12c1と第2接続部12c2の接続位置を調整することによって当該被覆部材12の被覆態様を略同じようにすることは可能である。また、この場合、玩具本体11の表面の一部を被覆部材12によって被覆するときに腕部11cと孔12dとの位置合わせが不要になるため、第1接続部12c1と第2接続部12c2とが玩具本体11の前面側以外で接続されるような態様、例えば玩具本体11の被取付部材11hを胴部11aの後側以外の位置にずらした態様や、被覆部材12の取付部材12eを当該被覆部材12の上縁中央から大きくずらした態様や端部にずらした態様等を採用することも可能となる。
【0038】
〈変形例5〉玩具本体11として2個の脚部11dを有するものを例示したが、玩具本体11から2個の脚部11dを排除しても良い。この場合、被覆部材12の下縁位置を玩具本体11の2個の脚部11dによって規制することによる位置決めは行えなくなるものの、被覆部材12の締め付けを利用して当該被覆部材12の被覆態様を略同じようにすることは可能である。
【符号の説明】
【0039】
10…形象玩具、11…玩具本体、11a…胴部、11b…頭部、11c…腕部、11d…脚部、11h…被取付部材、11j…挿入部、12…被覆部材、12a…一方面、12a1…第1情報、12b…他方面、12b1…第2情報、12c1…第1接続部、12c2…第2接続部、12d…孔、12e…取付部材、13…音出力部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6