【課題を解決するための手段】
【0028】
驚くべきことに、この課題は、主請求項に記載したような上位概念としての感圧接着ストリップを用いて本発明により解消される。この際、下位の請求項の対象は、該感圧接着ストリップの有利な実施形態である。
【0029】
応じて、本発明は、マイクロバルーンで発泡されたビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとする自着剤からなる少なくとも一つの層SK1、好ましくは正確に一つの層SK1を含む感圧接着ストリップであって、自着剤層SK1中のマイクロバルーンから形成された中空空間の平均径が45〜110μmである感圧接着ストリップに関する。
【0030】
本発明による感圧接着ストリップは、高い接着強度及び高い耐衝撃性の他に、更に向上した熱せん断強度を有する。例えば、これは、高められた温度での静的せん断試験において高いせん断強度を示し、かつSAFT試験(「せん断接着破壊温度」)で分かるように更に高い耐熱性を有する。
【0031】
自着剤層中のマイクロバルーンによって形成された中空空間の平均径を45〜110μmに選択することによって、マイクロバルーンで発泡されたビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとする自着剤層において、向上した熱せん断強度を達成できることが図らずしも見出された。少なくとも一つのこのような層を含む感圧接着ストリップは、応じて向上した熱せん断強度を示す。
【0032】
好ましくは、該感圧接着ストリップは唯一の自着剤層SK1からなり、そのため該感圧接着ストリップは単層システムである。このような単層の両面自着性接着テープ、すなわち両面接着テープは、「転写式テープ」とも称される。該転写式テープの自着剤層は、好ましくは45〜5000μm、好ましくは80〜2500μm、更に好ましくは100μm〜2000μm、特に100〜300μm、例えば150μmの厚さを有する。
【0033】
更に別の好ましい実施形態の一つでは、該感圧接着ストリップは、層SK1の他に、フィルムキャリアからなる層Fを含み、ここで層SK1は、フィルムキャリア層Fの表面の一つの上に配置される。このような感圧接着ストリップの一つは片面接着テープである。特に好ましくは、この片面接着テープは、層SK1及びフィルムキャリア層Fから排他的になる。
【0034】
フィルムキャリアからなる層Fは、本明細書の枠内では同義語として単にフィルムキャリア、フィルム層としてまたはフィルムキャリア層とも称する。
【0035】
特に好ましい実施形態の一つでは、更に、該感圧接着ストリップは、層SK1とは反対側のフィルムキャリア層Fの表面に配置された、ビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとする自着剤からなる層SK2を含む。好ましくは、層SK2は、(特に好ましくはマイクロバルーンで)発泡された組成物をベースとし、この際、層SK2中においてマイクロバルーンによって形成された中空空間の平均径は特に45〜110μmである。このような感圧接着ストリップの一つは両面接着テープである。特に、該両面接着テープは、層SK1、SK2及びフィルムキャリア層Fから排他的になる。
【0036】
本明細書において、フィルムキャリア層の表面上への層SK1またはSK2の「配置」とは、層SK1及び/またはSK2が、フィルムキャリア層の表面と直接接触している、すなわちこの表面上に直接配置される配置を意味し得る。それ故、代替的に、層SK1と表面キャリア層Fの一方の表面との間に及び/または層SK2と、層SK1とは反対側のフィルムキャリア層Fの表面との間に少なくとも一つの層が存在するような配置も意味され得る。好ましくは、本発明によるフィルムキャリア層Fを備えた感圧接着ストリップでは、層SK1及び存在する場合にはSK2は、フィルムキャリア層Fの表面の一つとまたは層SK1とは反対側のフィルムキャリア層Fの表面と直接接触している。
【0037】
自着剤からなる一つ超の層を備えた本発明による感圧接着ストリップでは、好ましくは全部の含まれる自着剤層は、マイクロバルーンを用いて発泡されたビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとする自着剤層であり、この際、これらの自着剤層中のマイクロバルーンによって形成された中空空間の平均径がそれぞれ45〜110μmである。このような感圧接着剤ストリップは、特に高い熱せん断強度を有する。
【0038】
両方の自着剤層SK1及びSK2が、両方の自着剤層SK1及びSK2中のマイクロバルーンで形成された中空空間がそれぞれ45〜110μmとなるようにマイクロバルーンで発泡されている本発明によるフィルムキャリア付きの両面接着テープは、相応して特に高い熱せん断強度を有する。両面接着テープにおいて、層SK1の他に更に層SK2も発泡されていると、更に接着テープの耐衝撃性が向上する。
【0039】
自着剤からなる層SK1及びSK2は、本明細書の枠内において、自着剤層SK1及びSK2とも、単に層SK1及びSK2とも、または外側層、接着剤−及び感圧接着剤層SK1及びSK2とも称される。この際、「外側」という記載は、場合により設けられた自着剤層の外面上のライナー(以下参照)とは関係なく、フィルムキャリアと層SK1及びSK2とからなる本発明による両面接着テープの好ましくは三層の構造に関連するものである。
【0040】
このような片面または両面接着テープの一つでは、フィルムキャリア層は、とりわけ5μmと125μmとの間、好ましくは10μmと60μmとの間、更に好ましくは10μmと50μmとの間、特に好ましくは10μmと40μmとの間の厚さを有する。更に、このような片面もしくは両面接着テープの一つでは、自着剤層SK1は、とりわけ45〜1000μm、より好ましくは45と200μmとの間、特に60〜150μmの厚さを有する。更に、このような片面もしくは両面接着テープの一つでは、自着剤層SK2は、存在する場合には、とりわけ20〜1000μm、好ましくは45〜1000μm、更により好ましくは45μmと200μmとの間、特に60〜150μmの厚さを有する。片面接着テープの形の感圧接着ストリップは、とりわけ50μm〜1125μm、好ましくは100〜1000μm、特に150μm〜300μmの厚さを有する。フィルムキャリアを備えた両面接着テープの形態の感圧接着ストリップは、とりわけ70μm〜2125μm、より好ましくは95μm〜2125μm、更により好ましくは100〜1000μm、特に150μm〜300μmの厚さを有する。
【0041】
フィルムキャリアを備えた両面接着テープにおいて、自着剤層SK2は好ましくはマイクロバルーンで発泡されており、この際、自着剤層SK2中のマイクロバルーンで形成された中空空間の平均径は好ましくは45〜110μmである。感圧接着ストリップの特に好ましい実施形態の一つでは、両方の自着剤層SK1及びSK2の発泡ビニル芳香族ブロックコポリマー組成物が化学的に同一であり、及び有利には、それらに添加剤が加えられている場合には、これらの添加剤が同一でありかつ同じ量で使用されていることによって、これは層の組成に関して対照的な構成を有する。特に、フィルムキャリアFの両表面が同一に前処理され及び両方の自着剤層SK1及びSK2が同じ厚さ及び密度を有するようにすることによって、該感圧接着ストリップは完全に対照的に構成される、すなわち両方の発泡した自着性ビニル芳香族ブロックコポリマー組成物層SK1及びSK2(場合により存在する添加剤も含める)の化学組成に関してばかりでなく、その構造的な構成に関しても完全に対照的に構成される。この際、「完全に対照的に」とは、特に、感圧接着ストリップのz−方向(感圧接着ストリップ面に対して垂直な「厚さ」方向)に関するが、更には当然に平面の形状(感圧接着ストリップのx及びy方向、すなわち長さ及び幅)にも関し得る。
【0042】
好ましくは、フィルムキャリアを備えた両面接着テープは、両方の自着剤層SK1及びSK2が同じ厚さを有し及び/または同じ密度を有することによって、z方向に構造的に対照的な構成を有する。本発明では、自着剤層SK1及びSK2が同じ厚さであり及び/または同じ密度を有するが、化学的に異なっている両面接着テープも実現可能である。
【0043】
感圧接着ストリップの接着に利用される外側面は、好ましくは、(特にマイクロバルーンを用いて)発泡された自着剤層から形成されている。というのも、そうすることで、x、y面、並びに特にz面での高い耐衝撃性が特に良好に実現できるからである。この際、特に、自着剤層中に形成された中空空間が耐衝撃性にとって中心的な意味を持つ。
【0044】
応じて、本発明による片面接着テープは、好ましくは、フィルムキャリア層Fと、フィルムキャリア層Fの表面の一つ上に配置された自着剤層SK1とからなる感圧接着ストリップである。そこでは、感圧接着ストリップの接着に利用される外側面は、本発明に従い発泡された自着剤層SK1から形成されている。
【0045】
また同様に、応じて、本発明によるフィルムキャリアを備えた両面接着テープは、好ましくは、フィルムキャリア層Fと、フィルムキャリア層Fの表面の一つの上に配置された自着剤層SK1と、層SK1とは反対側のフィルムキャリア層Fの表面上に配置された自着剤層SK2とからなる感圧接着ストリップである。そこでは、感圧接着ストリップの接着に利用される両方の外側面は、本発明に従い発泡された自着剤層SK1から形成されている。特に好ましくは、層SK2は、マイクロバルーンを用いて発泡されたビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとし、ここで、自着剤層SK2中においてマイクロバルーンによって形成された中空空間の平均径は特に45〜110μmである。
【0046】
以下の説明は、明らかに例外なく、本発明による両面接着テープの完全に対称的な実施態様に関するものである。
【0047】
層SK1及びSK2の自着剤は、それぞれ感圧接着剤である(PSA:英語:「pressure sensitive adhesives」)。「自着」及び「感圧接着」という用語は、本明細書の枠内では同義語として使用される。
【0048】
感圧接着剤とは、(場合によっては更なる成分、例えば粘着樹脂を添加配合することによって)使用温度(他に定義がなければ、室温)で持続的に粘着性かつ接着可能であり、かつ数多くの表面に接触した時に付着し、特に直ぐに付着する(いわゆる「タック」[接着性または付着性とも称する]を示す)ポリマー組成物のことである。これらは、溶媒や熱によって活性化することもなく使用温度で既に(しかし、通常は、程度の差はあれ高い圧力の作用下に)、接着すべき基材を十分に濡らすことができ、それによって、接着剤と基材との間に付着のために十分な相互作用を形成することができる。このための本質的な影響パラメータは中でも圧力及び接触時間である。該感圧接着剤のこの格別な特性は、中でも特にその粘弾性に帰するものである。例えば、弱付着性または強付着性接着剤を調製でき;更に、一回で及び持続的に接着可能であり、そうして接着が、接着剤及び/または基材の破壊無く接着を剥がすことができないようなこのような接着剤、または簡単に再剥離可能でありかつ場合により複数回接着可能であるこのような接着剤を調製できる。
【0049】
感圧接着剤は、基本的に、異なる化学的性質のポリマーを基礎として製造できる。感圧接着性の特性は、中でも、感圧接着剤の基礎となるポリマーの重合の時の使用モノマーの種類及び量比、それの平均モル質量及びモル質量分布によって、並びに感圧接着剤の添加物質、例えば粘着樹脂、可塑剤及び類似物の種類及び量によって影響を受ける。
【0050】
粘弾性特性の達成のためには、感圧接着剤の基礎となるポリマーがベースとするモノマー、並びに場合により存在する感圧接着剤の更なる成分を、特に、感圧接着剤が使用温度未満(すなわち通常は室温未満)のガラス転移温度(DIN53765準拠)を有するように選択する。
【0051】
場合によっては、適切な凝集制御手段、例えば架橋反応(巨大分子間のブリッジ形成性結合の形成)によって、ポリマー組成物が感圧接着性特性を示すようになる温度範囲を拡大及び/またはシフトすることが有利であり得る。それ故該感圧接着剤の使用範囲は、接着剤の流動性と凝集力との間の調節によって最適化できる。
【0052】
感圧接着剤は、室温で永続的に感圧接着性に作用し、つまり十分に低い粘度および高い初期粘着性を有しており、従って感圧接着剤は、それぞれの被接着下地の表面を、低い押圧力で既に濡らすものである。接着剤の貼付性はその接着特性に、および再剥離性はその凝集特性に基づいている。
【0053】
本発明の好ましい実施形態についての以下の説明では、単数形もしくは複数形の「自着剤層」または単数形もしくは複数形の「ビニル芳香族ブロックコポリマー組成物」と言う時には、他に明示がなければ、これは層SK1、層SK2または両方の層に関し得る。
【0054】
本発明で使用可能な自着剤層
本発明による感圧接着ストリップの層SK1は、マイクロバルーンを用いて発泡されたビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとする。フィルムキャリアを備えた両面接着テープの形態の本発明による感圧接着ストリップの層SK2も同様に、ビニル芳香族ブロックコポリマー組成物を、場合によってはマイクロバルーンを用いた発泡されたビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとする。
【0055】
(a)ビニル芳香族ブロックコポリマー組成物をベースとする自着剤層
好ましくは、層SK1及び/または層SK2中は、ビニル芳香族ブロックコポリマーとして、A−B、A−B−A、(A−B)
n、(A−B)
nXまたは(A−B−A)
nXの構成を持つブロックコポリマーの形の少なくとも一種の合成ゴムが使用され、
ここで、
− ブロックAは、互いに独立して、少なくとも一種のビニル芳香族化合物の重合によって形成されたポリマーを表し、
− ブロックBは、互いに独立して、炭素原子数4〜18の共役ジエンの重合によって形成されたポリマー、またはこのようなポリマーの部分水素化誘導体を表し、
− Xは、カップリング試薬または開始剤の残部を表し、そして
− nは≧2の整数を表す。
【0056】
特に好ましくは、本発明による自着剤層の全ての合成ゴムは、上に説明したようなA−B、A−B−A、(A−B)
n、(A−B)
nXまたは(A−B−A)
nXの構成を持つブロックコポリマーである。それ故、本発明による自着剤層は、上述のような構成を持つ異なるブロックコポリマーの混合物を含むこともできる。
【0057】
すなわち、適当なブロックコポリマー(ビニル芳香族ブロックコポリマー)は、一つ以上のゴム様ブロックB(軟質ブロック)及び一つ以上のガラス様ブロックA(硬質ブロック)を含む。特に好ましくは、本発明による自着剤層の少なくとも一種の合成ゴムは、A−B、A−B−A、(A−B)
2X、(A−B)
3Xまたは(A−B)
4Xの構成を持つブロックコポリマーであり、ここでA、B及びXについては上述の意味が適用される。中でも特に好ましくは、本発明による自着剤層の全ての合成ゴムは、A−B、A−B−A、(A−B)
2X、(A−B)
3Xまたは(A−B)
4Xの構成を持つブロックコポリマーであり、ここでA、B及びXについては上述の意味が適用される。特に、本発明による自着剤層の合成ゴムは、A−B、A−B−A、(A−B)
2X、(A−B)
3Xまたは(A−B)
4Xの構成を持つブロックコポリマーの混合物であり、これは、好ましくは、ジブロックコポリマーA−B、及び/またはトリブロックコポリマーA−B−A及び/または(A−B)
2Xを少なくとも含む。
【0058】
更に、ジブロック−及びトリブロックコポリマー、及び(A−B)
n−または(A−B)
nXブロックコポリマー(nは3以上である)からなる混合物が有利である。
【0059】
更に、ジブロック−及びマルチブロックコポリマー、及び(A−B)
n−または(A−B)
nXブロックコポリマー(nは3以上である)からなる混合物が有利である。
【0060】
それ故、ビニル芳香族ブロックコポリマーとしては、例えばジブロックコポリマーA−Bを、上記のブロックコポリマーの内の他のものと組み合わせて利用できる。ジブロックコポリマーの割合を介して、自着剤の流動挙動及びそれの接着強度を調節できる。本発明に従い使用されるビニル芳香族ブロックコポリマーは、とりわけ0重量%〜70重量%、より好ましくは15重量%〜50重量%の割合でジブロックコポリマーを含む。ビニル芳香族ブロックコポリマー中のジブロックコポリマーの割合が高いほど、接着剤の凝集力が明らかに低下する。
【0061】
自着剤としては、好ましくは、(i)主としてビニル芳香族化合物、好ましくはスチレンから形成されたポリマーブロック(A−ブロック)、及び同時に、(ii)主として1,3−ジエンの重合によって形成されたポリマーブロック(B−ブロック)、例えば主としてブタジエン及びイソプレンの重合によって形成されたポリマーブロック、またはこれら両者のコポリマーを含むブロックコポリマーをベースとする自着剤が使用される。
【0062】
特に好ましくは、本発明による自着剤はスチレンブロックコポリマーをベースとし、例えば自着剤のブロックコポリマーはポリスチレンブロックを有する。
【0063】
Aブロック及びBブロックから生じるブロックコポリマーは、同じまたは異なるBブロックを含むことができる。該ブロックコポリマーは線状A−B−A構造を有することができる。また同様に、放射状形態のブロックコポリマー、並びに星型及び線状マルチブロックコポリマーも使用し得る。他の成分としては、A−B−Z二元ブロックコポリマーが存在することができる。上記のポリマーの全てを、単独でまたは互いの混合物として利用することができる。
【0064】
本発明に従い使用されるビニル芳香族ブロックコポリマーの一つ、例えば特にスチレンブロックコポリマーでは、ポリビニル芳香族類、例えば特にポリスチレンの割合は、とりわけ少なくとも12重量%、より好ましくは少なくとも18重量%、及び特に好ましくは少なくとも25重量%、並びに同様にとりわけ多くとも45重量%、より好ましくは多くとも35重量%である。
【0065】
好ましいポリスチレンブロックの代わりに、ビニル芳香族類としては、75℃超のガラス転移温度を有する他の芳香族類含有ホモ−及びコポリマー(好ましくはC
8〜C
12芳香族類)をベースとするポリマーブロック、例えばα−メチルスチレン含有芳香族類ブロックを利用することができる。更に、同一のまたは異なるAブロックも含まれていてよい。
【0066】
この際、好ましくは、ブロックAの構成のためのビニル芳香族類は、スチレン、α−メチルスチレン及び/または他のスチレン誘導体を含む。それ故、ブロックAは、ホモポリマーまたはコポリマーとして存在することができる。特に好ましくは、ブロックAはポリスチレンである。
【0067】
軟質ブロックBのためのモノマーとしての好ましい共役ジエンは、特に、ブタジエン、イソプレン、エチルブタジエン、フェニルブタジエン、ピペリレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、エチルヘキサジエン、及びジメチルブタジエン並びにこれらのモノマーの任意の混合物からなる群から選択される。ブロックBもホモポリマーとしてまたはコポリマーとして存在し得る。
【0068】
特に好ましくは、軟質ブロックBのためのモノマーとしての共役ジエンは、ブタジエン及びイソプレンから選択される。例えば、軟質ブロックBは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、またはこれら両者のポリマーの部分水素化誘導体、例えば特にポリブチレンブタジエン、またはブタジエン及びイソプレンからなる混合物でできたポリマーである。非常に特に好ましくは、ブロックBはポリブタジエンである。
【0069】
Aブロックは、本発明に関連しては、「硬質ブロック」とも称される。応じて、Bブロックは、「軟質ブロック」または「エラストマーブロック」とも称される。これは、それらのガラス転移温度(Aブロックでは少なくとも25℃、特に少なくとも50℃、ブロックBでは高くとも25℃、特に高くとも−25℃)に応じた本発明によるブロックの選択を反映している。
【0070】
ビニル芳香族ブロックコポリマー、例えば特にスチレンブロックコポリマーの割合は、とりわけ総自着剤層を基準にして合計で少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、更に好ましくは少なくとも35重量%である。ビニル芳香族ブロックコポリマーの割合が少ないほど、感圧接着剤の凝集力が比較的小さくなるという結果となる。
【0071】
ビニル芳香族ブロックコポリマー、例えば特にスチレンブロックコポリマーの最大割合は、総自着剤層を基準にして合計で、最大で75重量%、好ましくは最大で65重量%、とりわけ特に好ましくは最大で55重量%である。他方、ビニル芳香族ブロックコポリマーの割合が多いほど、感圧接着剤が殆ど感圧接着性でなくなるという結果となる。
【0072】
応じて、ビニル芳香族ブロックコポリマー、例えば特にスチレンブロックコポリマーの割合は、とりわけ、総自着剤を基準にして合計して、少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、更に好ましくは少なくとも35重量%であり、かつ同時に、最大で75重量%、より好ましくは最大で65重量%、とりわけ特に好ましくは最大で55重量%である。
【0073】
自着剤の感圧接着性は、エラストマー相と混合可能な粘着樹脂の添加によって達成できる。該自着剤は、一般的に少なくとも一種のビニル芳香族ブロックコポリマーの他に、接着性を望ましいように高めるために、少なくとも一種の粘着樹脂を含む。粘着樹脂は、ブロックコポリマーのエラストマーブロックと相溶性であるべきである。
【0074】
「粘着樹脂」とは、当業者の一般的な理解に一致して、粘着樹脂は含まないものの他は同じ感圧接着剤と比べた場合に感圧接着剤の接着力(タック、固有粘着性)を高めるオリゴマー性またはポリマー性樹脂のことと解される。
【0075】
自着剤中に粘着樹脂が含まれている場合には、応じて、0℃超、好ましくは10℃超のDACP(ジアセトンアルコール曇点)、及び70℃以上、好ましくは100℃以上の軟化温度(環球式)を有する樹脂が、(総樹脂割合を基準にして)少なくとも75重量%の割合で選択される。特に好ましくは、上記の粘着樹脂は、同時に、イソプレンブロックがエラストマー相中に存在しない場合には最大45℃のDACP値を有し、またはイソプレンブロックがエラストマー相中に存在する場合には最大60℃のDACP値を有する。特に好ましくは、上記の粘着樹脂の軟化温度は最大150℃である。
【0076】
特に好ましくは、(総樹脂割合を基準にして)少なくとも75重量%の粘着樹脂は、炭化水素樹脂またはテルペン樹脂またはこれらの混合物である。
【0077】
感圧接着剤(複数可)のための粘着性付与剤としては、特に非極性炭化水素樹脂、例えばジシクロペンタジエンの水素化もしくは非水素化ポリマー、C
5−、C
5/C
9−もしくはC
9−モノマー流をベースとする水素化されていないかまたは部分的、選択的もしくは完全に水素化された炭化水素樹脂、α−ピネン及び/またはβ−ピネン及び/またはδ−リモネンをベースとするポリテルペン樹脂を有利に使用し得ることが判明した。前述の粘着樹脂は、単独でまたは混合物としても使用し得る。この際、室温で固形の樹脂も、または室温で液状の樹脂も使用し得る。場合により、酸素も含む水素化または非水素化粘着樹脂、例えばロジン樹脂及び/またはロジンエステル樹脂及び/またはテルペンフェノール樹脂を、接着剤中の樹脂の総量を基準にして好ましくは最大25%の割合までで使用できる。
【0078】
場合により使用可能な室温で液状の樹脂または軟化剤の割合は、好ましい態様の一つでは、自着剤全体を基準にして15重量%まで、好ましくは10重量%までである。
【0079】
好ましい実施形態の一つでは、自着剤層中には、自着剤層の総重量を基準にして20〜60重量%の少なくとも一種の粘着樹脂、好ましくは自着剤層の総重量を基準にして30〜50重量%の少なくとも一種の粘着樹脂が含まれる。
【0080】
更なる添加剤として、典型的には下記のものを利用することができる:
・自着剤の総重量を基準に好ましくは0.2〜5重量%の割合の、可塑剤、例えば軟化剤油または低分子量液状ポリマー、例えば低分子量ポリブテン、
・自着剤の総重量を基準に好ましくは0.2〜1重量%の割合の、一次酸化防止剤、例えば立体障害性フェノール、
・自着剤の総重量を基準にして好ましくは0.2〜1重量%の割合の、二次酸化防止剤、例えばホスファイト、チオエステルまたはチオエーテル、
・自着剤の総重量を基準にして好ましくは0.2〜1重量%の割合の、プロセス安定化剤、例えばCラジカルスカベンジャー、
・自着剤の総重量を基準に好ましくは0.2〜1重量%の割合の、光保護材、例えばUV吸収剤または立体障害性アミン、
・自着剤の総重量を基準にして好ましくは0.2〜1重量%の割合の、加工助剤、
・自着剤の総重量を基準にして好ましくは0.2〜10重量%の割合の、末端ブロック強化樹脂、並びに
・場合によっては、自着剤の総重量を基準にして好ましくは0.2〜10重量%の割合の、好ましくはエラストマー性質のさらなるポリマー;これに対応して利用可能なエラストマーに含まれるのは、なかでも純粋な炭化水素をベースとするエラストマー、例えば天然のもしくは合成されたポリイソプレンもしくはポリブタジエンのような不飽和ポリジエン、化学的に実質的に飽和状態のエラストマー、例えば飽和エチレンプロピレンコポリマー、α−オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、および化学的に官能化された炭化水素、例えばハロゲン含有の、アクリレート含有の、アリル含有の、もしくはビニルエーテル含有のポリオレフィンである。
【0081】
混合成分の種類及び量は必要に応じて選択することができる。
【0082】
接着剤が上記の添加物質の一部、好ましくは全てをそれぞれ含まないことも本発明の範囲内である。
【0083】
本発明の実施形態の一つでは、該自着剤は、更に別の添加剤も含み、限定はされないが、例えば、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、スズ、亜鉛、鉄またはアルカリ(土類)金属の結晶性もしくは非晶質の酸化物、水酸化物、炭酸塩、窒化物、ハロゲン化物、炭化物または混合酸化物−/水酸化物−/ハロゲン化物化合物が挙げられる。前記更なる添加剤は、本質的に、礬土、例えば酸化アルミニウム類、ベーマイト、バイヤライト、ギブサイト、ダイアスポア及び類似物である。中でも特に適したものは、層状シリケート、例えばベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、ヘクトライト、カオリナイト、ベーマイト、マイカ、バーミキュライトまたはこれらの混合物である。しかし、カーボンブラックまたは炭素の他の変態、例えばカーボンナノチューブも使用できる。
【0084】
接着剤は、染料または顔料で着色してもよい。接着剤は、白色、黒色または有彩色であることができる。
【0085】
軟化剤としては、例えば鉱油、(メタ)アクリレートオリゴマー、フタレート、シクロヘキサンジカルボン酸エステル、水溶性軟化剤、軟化樹脂、ホスフェートまたはポリホスフェートを計量添加できる。
【0086】
自着剤の熱せん断強度を更に高めるためには、シリカ、有利にはジメチルジクロロシランで表面変性された沈降シリカの添加を利用できる。
【0087】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、接着剤は、ビニル芳香族ブロックコポリマー、粘着樹脂、マイクロバルーン、場合により及び上記の添加剤のみからなる。
【0088】
更に好ましくは、接着剤は以下の組成からなる。
−ビニル芳香族ブロックコポリマー 20〜75重量%
−粘着樹脂 24.6〜60重量%
−マイクロバルーン 0.2〜10重量%
−添加剤 0.2〜10重量%
更に好ましくは、接着剤は以下の組成からなる。
−ビニル芳香族ブロックコポリマー 35〜65重量%
−粘着樹脂 34.6〜45重量%
−マイクロバルーン 0.2〜10重量%
−添加剤 0.2〜10重量%
更に好ましくは、接着剤は以下の組成からなる。
−ビニル芳香族ブロックコポリマー 30〜75重量%
−粘着樹脂 24.8〜60重量%
−マイクロバルーン 0.2〜10重量%
本発明による自着剤SK1は発泡され、そして本発明による自着剤SK2も好ましくは発泡される。好ましくは、上記発泡はそれぞれ、マイクロバールを配合し、その後、膨張させて行われる。
【0089】
「マイクロバルーン」とは、弾性で、それ故それの通常の根底状態において膨張可能であり、かつ熱可塑性のポリマーシェルを有するマイクロ中空球体と理解される。これらの球体には、低沸点の液体または液化したガスが充填される。シェル材料としては、特に、ポリアクリロニトリル、PVDC、PVCまたはポリアクリレートが使用される。低沸点の液体としては、特に、低級アルカンの炭化水素、例えばイソブタンまたはイソペンタンが適しており、これらは、液化したガスとして加圧下にポリマーシェル中に封入される。
【0090】
特に熱の作用によってマイクロバルーンに作用を及ぼすことにより、外側のポリマーシェルが柔らかくなる。同時に、シェル中に存在する液状の発泡剤ガスがそれの気体の状態に変わる。この際、マイクロバルーンが不可逆的に拡大し、三次元的に膨張する。内圧と外圧が等しくなった時に膨張が終了する。ポリマーシェルは維持されるため、独立気泡型の発泡体が得られる。
【0091】
多種の未膨張マイクロバルーンを商業的に入手でき、これは、本質的に、それらのサイズ及びそれらの膨張に必要な開始温度(75〜220℃)によって区別される。商業的に入手可能な未膨張マイクロバルーンの一例は、Akzo Nobel社のExpancel(登録商標)DUタイプ(DU=乾燥未膨張品)である。この際、類型表示Expancel xxx DU yy(乾燥未膨張品)では、「xxx」はマイクロバルーン混合物の組成を表し、そして「yy」は膨張した状態でのマイクロバルーンのサイズを表す。
【0092】
未膨張マイクロバルーンは、固形物またはマイクロバルーン含有率が約40〜45重量%の水性分散液としても入手でき、更には、ポリマー結合型マイクロバルーン(マスターバッチ)、例えばエチルビニルアセテート中にマイクロバルーン濃度約65重量%のポリマー結合型マイクロバルーンとしても入手できる。例えばDUタイプのようなマイクロバルーン分散液もマスターバッチも、発泡された本発明による自着剤の製造のために適している。
【0093】
発泡された本発明による自着剤SK1及び/またはSK2は、いわゆる予膨張マイクロバルーンを用いても生成することができる。この部類のものにおいては、膨張は、ポリマーマトリックス中に混入する前に既に行われる。予膨張マイクロバーンは、例えばDualite(登録商標)の名称でまたはAkzo Nobel社の類型表示Expancel xxx DE yy(乾燥膨張品)で商業的に入手可能である。「xxx」は、マイクロバーン混合物の組成を表し、「yy」は膨張した状態でのマイクロバルーンのサイズを表す。
【0094】
既に膨張しているタイプのマイクロバルーンの加工では、マイクロバルーンは、それらが配合されるべきポリマーマトリックス中でのそれらの小さい密度の故に、浮揚する傾向があり、すなわちポリマーマトリックス中で加工プロセスの間に「上方に」浮かび上がるということが起こり得る。これは、層中でのマイクロバルーンの不均一な分布を招く。層の上側領域(z−方向)では、層の下側領域中よりもより多くのマイクロバルーンが存在し、それによって層厚にわたって密度勾配が生じる。
【0095】
このような密度勾配を大幅にまたはほぼ完全に避けるようにするためには、本発明では好ましくは、予膨張していないまたは僅かにだけ予膨張したマイクロバルーンを、層SK1またはSK2のいずれかのあるいは好ましくは層SK1及びSK2の両方のポリマーマトリックス中に配合する。層中に配合してから始めて、マイクロバルーンを膨張させる。このようにして、マイクロバルーンのより均一な分布がポリマーマトリックス中に得られる。
【0096】
好ましくは、マイクロバルーンは、ポリマーマトリックスの密度と、ポリマーマトリックス中に配合するべき(予膨張していないまたは僅かに予膨張した)マイクロバルーンの密度との比率が1と1:6との間になるように選択される。配合後に始めてまたは配合の際に直接、膨張を行う。溶媒含有組成物の場合には、マイクロバルーンは、好ましくは配合、コーティング、乾燥(溶媒蒸発)後に始めて膨張させる。それ故、本発明においては、好ましくはDU−タイプが使用される。
【0097】
本発明では、発泡自着剤層SK1中のマイクロバルーンによって形成された中空空間の平均径は45〜110μmであり、そしてマイロバルーンを用いて発泡された自着剤層SK2も、好ましくは、平均径が45〜110μmの範囲の中空空間を有する。
【0098】
好ましくは、発泡した自着剤層SK1及び/またはSK2中でのマイクロバルーンによって形成された中空空間の平均径は、60〜100μm、特に好ましくは70〜90μm、例えば80μmである。上記の範囲では、特に良好な熱せん断強度を達成できる。応じて、このような自着剤層を含む感圧接着ストリップは、優れた熱せん断強度を特徴とする。
【0099】
この際、発泡された自着剤層中でのマイクロバルーンで形成された中空空間の直径が測定されるため、これらの直径は、膨張されたマイクロバルーンによって形成された中空空間の直径である。この場合、平均径とは、各々の自着剤層SK1またはSK2中でのマイクロバルーンによって形成された中空空間の直径の算術平均を意味する。
【0100】
自着剤層中のマイクロバルーンによって形成される中空空間の平均径の決定は、感圧接着ストリップの凍結割断縁に基づいて走査電子顕微鏡(REM)で500倍拡大で行った。感圧接着ストリップの5つの異なる凍結割断縁のREM写真上に見える、試験すべき自着剤層のマイクロバルーンから、それぞれ図的に直径を求め、この際、求められた全ての直径の算術平均は、本出願の意味における自着剤層のマイクロバルーンで形成された中空空間の平均径を表す。写真上に見えるマイクロバルーンの直径は、試験する自着剤層のあらゆる個々のマイロバルーンについてのREM写真から、任意の(二次元の)方向のその最大寸法を取り出し、そしてその直径と見なすようにして、図的に求められる。
【0101】
マイクロバルーンを用いて発泡する場合には、マイクロバルーンは、バッチ、ペーストとしてまたは未切断もしくは切断粉末として調合物に供給することができる。更に、マイクロバルーンは溶媒中に懸濁した状態で存在し得る。
【0102】
自着剤層SK1及び/または(マイクロバーンで発泡されている場合は)自着剤層SK2中のマイクロバルーンの割合は、本発明の好ましい態様の一つでは、それぞれ自着剤層の組成物全体を基準にして、12重量%まで、好ましくは0.25重量%と5重量%との間、より好ましくは0.5と4重量%の間、更により好ましくは1と3.5重量%との間、特に2.0〜3.0重量%である。これらの範囲内で、格別良好な耐衝撃性の他に、特に優れた熱せん断強度を持つ自着剤層を提供できる。それ故、このような自着剤層を含む感圧接着ストリップは、格別良好な耐衝撃性の他に、特に、優れた熱せん断強度を特徴とする。
【0103】
本発明による膨張可能なマイクロ中空球を含む自着剤SK1またはSK2は、追加的に非膨張可能なマイクロ中空球を含んでもよい。唯一重要なことは、ガスを含むほぼ全ての空洞が永久的に緻密な膜によって閉じられていることであり、この際、この膜が、弾性でかつ熱可塑性伸張性ポリマー混合物のみからなるかまたは例えば弾性でかつ−プラスチック加工において可能な温度の範囲において−非熱可塑性のガラスからなるかには関係ない。
【0104】
本発明による自着剤にとって適しているのは、更に−独立して他の添加剤から選択されて−ポリマー中実球、ガラス中空球、ガラス中実球、セラミック中空球、セラミック中実球及び/または炭素中実球(「カーボンマイクロバルーン」)である。
【0105】
発泡された本発明による自着剤層SK1及び/またはSK2の絶対密度は、好ましくは400〜990kg/m
3、より好ましくは450〜900kg/m
3、更により好ましくは500〜800kg/m
3、特に500〜750kg/m
3、例えば600〜700kg/m
3である。
【0106】
これらの範囲内で、非常に良好な耐衝撃性の他に、特に、優れた熱せん断強度を持つ自着剤層を提供できる。このような絶対密度を有する自着剤層を含む本発明による感圧接着ストリップについても同様のことが言える。
【0107】
相対密度とは、発泡された本発明による自着剤の密度と、同じ処方の未発泡の本発明による自着剤の密度との比率を記載するものである。本発明による自着剤の相対密度は、好ましくは0.35〜0.99、より好ましくは0.45〜0.97、特に0.50〜0.90である。
【0108】
フィルムキャリア
本発明による感圧接着ストリップ中に場合により含まれるフィルムキャリアFは、非伸張性フィルムキャリアまたは伸張性フィルムキャリアであることができる。
【0109】
「非伸張性フィルムキャリア」とは、本発明によれば、好ましくは長さ方向だけでなく横方向にも300%未満の破断伸びを有するフィルムキャリアが意味される。更に、非伸張性フィルムキャリアは、好ましくは互いに独立して長さ方向だけでなく横方向にも、好ましくは200%未満、より好ましくは150%未満、更により好ましくは100%未満、特に70%未満、例えば50%未満の破断伸びを有する。上記の値は、それぞれ、以下に記載の測定法R1に関連する値である。
【0110】
「伸張性フィルムキャリア」とは、本発明によれば、好ましくは長さ方向だけでなく横方向にも少なくとも300%の破断伸びを有するフィルムキャリアが意味される。更に、伸張性フィルムキャリアは、好ましくは互いに独立して長さ方向だけでなく横方向にも、少なくとも500%、例えば少なくとも800%の破断伸びを有する。上記の値は、それぞれ、以下に記載の測定法R1に関連する値である。
【0111】
該フィルムキャリア層の厚さは、好ましい実施形態の一つでは、5と125μmとの間、より好ましくは10と60μmとの間、更により好ましくは10と50μmとの間、特に好ましくは10と40μmとの間である。
【0112】
フィルムキャリアの製造のためには、追加的に単軸もしくは二軸配向できるフィルム形成性または押出可能なポリマーが使用される。
【0113】
フィルムキャリアは単層または多層であることができ、好ましくは単層である。更に、フィルムキャリアはカバー層、例えば遮断層を有することができ、後者は、接着剤からフィルムへのまたは逆の方向での成分の進入を防止するものである。これらのカバー層は、水蒸気及び/または酸素の拡散を防止するためにバリア特性を有することもできる。
【0114】
フィルムキャリアの裏面は、抗接着性物理的処理またはコーティングに付すことができる。
【0115】
フィルムキャリアの製造のためには、フィルム形成特性を向上し、結晶性セグメントの形成傾向を減少し及び/または機械的特性を的確に向上しまたは場合により悪化させる添加剤及び更に別の成分を添加することが適切であり得る。
【0116】
本発明による感圧接着ストリップ中に非伸張性フィルムキャリアを使用することによって、生じる感圧接着ストリップの加工性が容易化され、特にダイカットプロセスを容易化できる。更に、本発明による感圧接着ストリップ中での(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなる)非伸張性フィルムキャリアの使用は、伸張性フィルムキャリアの使用と比べて、改善された耐衝撃性をもたらし得る。本発明による感圧接着ストリップの耐衝撃性には、単に発泡された自着剤層(複数可)によってだけでなく、驚くべきことに使用するフィルムキャリアの種類及びその厚さによっても影響を及ぼし得る。
【0117】
非伸張性フィルムキャリアFのフィルムの材料としては、好ましくはポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)または単軸もしくは二軸延伸ポリプロピレン(PP)が使用される。同様に、特に上記の材料からできた、多層ラミネートまたは共押出物の使用も可能である。好ましくは、非伸張性フィルムキャリアは単層である。
【0118】
特に好ましくは、非伸張性フィルムキャリアはポリエチレンテレフタレートからなりそして10と50μmとの間の厚さを有する。
【0119】
有利な方策では、非伸張性フィルムキャリア層Fの片面または両面は、物理的及び/または化学的に前処理されている。このような前処理は、例えばエッチング及び/またはコロナ処理及び/またはプラズマ前処理及び/または下塗り処理によって、好ましくはエッチングによって行うことができる。フィルム層の両面が前処理される場合には、各々の表面は異なる前処理に付すことができまたは特に両面を同じ前処理に付すことができる。
【0120】
粗面化に非常に良好な結果を達成するためには、フィルムのエッチングのための試薬として、トリクロロ酢酸(Cl
3C−COOH)を使用するかまたはトリクロロ酢酸を不活性の粉末状化合物、好ましくはケイ素化合物、特に好ましくは[SiO
2]
xと組み合わせて使用することが推奨される。不活性化合物の意義は、フィルム、特にPETフィルムの表面中に組み込む点にあり、そうして粗さ及び表面エネルギーが増強される。
【0121】
コロナ処理は、ポリマー性基材の表面張力/表面エネルギーを高めるための化学的−熱的方法である。二つの電極間で、高電圧放電において電子が強く加速され、これが空気のイオン化をもたらす。プラスチック基材がこれらの加速された電子の軌道中に置かれると、こうして生成した加速電子が、大概の基材の分子結合を表面上で解裂するのに必要であろうよりも2〜3倍のエネルギーを持って基材表面上に衝突する。これは、ガス状の反応生成物及び高反応性のフリーラジカルの発生をもたらす。これらのフリーラジカルは、酸素及び上記の反応生成物の存在下に迅速に反応し得、そして様々な化学的官能基を基材表面上に形成し得る。これらの酸化反応から生じた官能基は、表面エネルギーの上昇に最大限寄与する。コロナ処理は二電極装置で行うことができるが、単電極装置でも行い得る。コロナ前処理では、(通常の空気の他に)保護ガス雰囲気を形成するかまたはコロナ前処理を援助する異なるプロセスガス、例えば窒素を使用できる。
【0122】
プラズマ処理、特に低圧プラズマ処理は、接着剤の表面前処理のための既知の方法である。プラズマは、より高い反応性という意味での表面の活性化をもたらす。この際、表面の化学的変化が起こり、それによって例えば、極性及び非極性表面に対する接着剤の挙動に影響を与えることができる。この前処理は本質的に表面現象である。
【0123】
特に付着促進作用及び/または不動態化作用及び/または腐食防止作用を有するコーティング剤または下地剤が一般的にプライマーと称される。本発明の枠内では、特に付着促進作用が重要である。付着促進剤もしくは接着プロモーターとも称される付着促進性プライマーは、商業的な製品の形でまたは技術文献から様々なものが知られている。
【0124】
適当な非伸張性キャリアフィルムは、Hostaphan(登録商標)RNKの商品名で入手できる。このフィルムは、高透明性であり、二軸配向されており、そして三つの共押出層から構成されている。
【0125】
非伸張性フィルムキャリアの引張強さは、本発明では、長手方向に好ましくは100N/mm
2超、より好ましくは150N/mm
2超、更により好ましくは180N/mm
2超、特に200N/mm
2超、例えば250N/mm
2超であり、そして横方向に好ましくは100N/mm
2超、より好ましくは150N/mm
2超、更により好ましくは180N/mm
2超、特に200N/mm
2超、例えば250N/mm
2超である(上記の値は、それぞれ、以下に記載する測定法R1に関連する値である)。フィルムキャリアは、感圧接着ストリップの引張強さを決定的に定める。好ましくは、感圧接着ストリップは、使用したフィルムキャリアと同じ引張強さの値を有する。
【0126】
非伸張性フィルムキャリアの弾性率は、好ましくは長手方向及び横方向の両方で、好ましくは0.5GPa超、より好ましくは1GPa超、特に2.5GPa超である。
【0127】
本発明による感圧接着ストリップに伸張性フィルムキャリアが使用される場合は、感圧接着ストリップの残渣及び破壊の無い剥離を本質的に接着面における伸張性延伸によって保証するためには、好ましくはフィルムキャリアの伸張性で十分である。中間キャリアとしては、例えば非常に伸張性の高いフィルムを使用できる。有利に使用可能な伸張性中間キャリアの例は、WO2011/124782A1(特許文献9)、DE102012223670A1(特許文献10)、WO2009/114683A1(特許文献11)、WO2010/077541A1(特許文献12)、WO2010/078396A1(特許文献13)に記載の種のものである。
【0128】
伸張性フィルムキャリアの好ましい実施形態の一つでは、ポリオレフィンが使用される。好ましいポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブチレン及び/またはヘキシレンから製造され、この際、それぞれの場合に純粋なモノマーを重合することができ、または上記のモノマーの混合物が共重合される。重合方法によって及びモノマーの選択によって、ポリマーフィルムの物理的及び機械的特性、例えば軟化温度及び/または引裂き強度を制御できる。
【0129】
更に、伸張可能なフィルムキャリアの原料としてポリウレタンを有利に使用できる。ポリウレタンは、化学的及び/または物理的に架橋された重縮合物であり、これは典型的にはポリオール及びイソシアネートから構成されている。個々の成分の種類及び使用比に応じて、本発明の意味において有利に使用できる伸張性材料を得ることができる。処方者が利用できる原料は、例えばEP0894841B1(特許文献14)及びEP1308492B1(特許文献15)に記載されている。本発明による伸張性フィルムキャリアから構成できる他の原料も当業者には既知である。更に、伸張性を実現化するために、ゴムをベースとする材料を伸張性フィルムキャリアに使用することが有利である。ゴムまたは合成ゴムまたはこれらから生成されたブレンドが伸張性キャリアフィルムの原料として使用される場合には、合成ゴムは、基本的に、必要な純度と粘度レベルに応じて、全ての入手可能な品質等級、例えばクレープタイプ、RSSタイプ、ADSタイプ、TSRタイプまたはCVタイプから選択することができ、そして合成ゴムまたは複数種の合成ゴムは、統計的に共重合されたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(XIIR)、アクリレートゴム(ACM)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)またはポリウレタンおよび/またはこれらのブレンドの群から選択できる。
【0130】
伸張性フィルムキャリアのための材料として特に有利に使用可能なものはブロックコポリマーである。この際、個々のポリマーブロックは互いに共有結合されている。ブロックの結合は、線形で存在することができるか、星型またはグラフトコポリマー型でも存在できる。有利に使用可能なブロックコポリマーの一例は、二つの末端ブロックが少なくとも40℃、好ましくは少なくとも70℃の軟化温度を有し及び中間ブロックが最高でも0℃、好ましくは最高でも−30℃の軟化温度を有する線形トリブロックコポリマーである。より高級のブロックコポリマー、例えばテトラブロックコポリマーも同様に使用可能である。重要な点は、同一かまたは異なる種類の少なくとも二種のポリマーブロックがブロックコポリマー中に含まれており、これらのポリマーブロックが、それぞれ少なくとも40℃、好ましくは少なくとも70℃の軟化温度を有し、そして軟化温度が最大でも0℃、好ましくは最大でも−30℃の少なくとも一種のポリマーブロックを介してポリマー鎖中で互いに隔てられていることである。ポリマーブロックの例は、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラヒドロフラン、ポリジエン、例えばポリブタジエンまたはポリイソプレン、水素化ポリジエン、例えばポリエチレンブチレンまたはポリエチレンプロピレン、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブタンジオールアジペートまたはポリヘキサンジオールアジペート、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ビニル芳香族モノマーのポリマーブロック、例えばポリスチレンまたはポリ−[α]−メチルスチレン、ポリアルキルビニルエーテル、ポリビニルアセテート、[α],[β]不飽和エステルのポリマーブロック、例えば特にアクリレートまたはメタクリレートである。当業者にはこれらの対応する軟化温度は既知である。その代わりに、これらは、例えばPolymer Handbook[J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke(Hrsg.),Polymer Handbook,4.Aufl.1999,Wiley,New York](非特許文献1)に提案されている。ポリマーブロックはコポリマーから構成されていることができる。
【0131】
更に、伸張性フィルムキャリアとしては、ウェブ上の発泡材(例えばポリエチレン及びポリウレタンでできた発泡材)も考えられるが、本発明の意味においては好ましくない。
【0132】
伸張性フィルムキャリア上への自着剤のより良好な固定のためには、フィルムキャリアを、コロナ、プラズマまたは火炎などの既知の措置で前処理することができる。プライマーも利用も可能である。しかし、理想的には、前処理は無しで済ませることができる。
【0133】
特に有利には、伸張性フィルムキャリアは、単層フィルムキャリア、好ましくはポリウレタンでできた単層フィルムキャリアであり、この際、該キャリアは、少なくとも300%、好ましくは少なくとも500%、特に少なくとも800%の破断伸び、及び場合により50%を超える復元力を有する。好ましくは、該フィルムキャリアは、長手方向だけでなく、横方向でも上記の破断伸び及び/または上記の復元力を有する。
【0134】
好ましくは、伸張性キャリア材料の引張強さは、感圧接着ストリップが伸張性延伸によって接着アセンブリから破壊なく再び剥がすことができるように調整される。
【0135】
感圧接着ストリップの製造及び構成
本発明に従い使用可能な自着剤SK1またはSK2の製造及び加工は、溶液からでも、または溶融物からでも行うことができる。フィルムキャリア層への本発明に従い使用可能な自着剤SK1またはSK2の施用は、直接的なコーティングによってまたはラミネーション、特に熱ラミネーションによって行うことができる。
【0136】
有利には、本発明による感圧接着ストリップの外側の接着剤層の外側の自由面には、両面が抗接着性にコーティングされた材料、例えば剥離紙または剥離フィルム(ライナーとも称される)を、詳しくは一次的なキャリアとして装備することができる。ライナー(剥離紙、剥離フィルム)は、感圧接着ストリップの構成要素ではなく、その製造、保存及び/またはダイカットによる二次加工のための補助手段に過ぎない。更に、接着テープキャリアとは異なり、ライナーは接着剤層とは強く接合されない。
【0137】
本発明による感圧接着ストリップの典型的な製造形態は、接着テープロール並びに例えばダイカット品の形で得られるような接着ストリップである。
【0138】
好ましくは、全ての層が本質的に直方体の形態を有する。更に好ましくは、全ての層が全面的に互いに接合している。この接合は、フィルム表面の前処理によって最適化できる。
【0139】
「接着ストリップ」(感圧接着ストリップ)(同義語として「接着テープ」(感圧接着テープ)とも言う)という一般的な表現には、本発明の意味において、二次元に伸びたフィルムまたはフィルム断片、伸びた長さ及び限られた幅を有するテープ、テープ断片及び類似物、最後にダイカットまたはラベルのような全ての平坦な形成物が含まれる。
【0140】
それ故、感圧接着ストリップは、長さの延び(x方向)及び幅の延び(y方向)を有する。感圧接着ストリップは、両方の延びに対して垂直に延在する厚さ(z方向)も有し、この際、幅の伸び及び長さの伸びは、厚さよりも数倍大きい。厚さは、長さ及び幅によって決定される感圧接着ストリップの面積全体にわたって、できるだけ同じ、好ましくは正確に同じである。
【0141】
本発明による感圧接着ストリップは特にウェブ状の形で存在する。ウェブとは、長さ(x方向での延び)が幅(y方向での延び)よりも数倍長く、かつ幅が、長さ全体に沿ってほぼ、但し好ましくは正確に同一に一定となるように形成されている物品のことと解される。
【0142】
本発明による感圧接着ストリップにおける非伸張性フィルムキャリアの使用は、感圧接着ストリップの、特に繊細なダイカット品もの有利な取り扱い性をもたらす。本発明による感圧接着ストリップに使用可能な非伸張性フィルムキャリアは、ダイカット品において顕著な剛性をもたらし、それによってダイカットプロセス及びダイカット品の配置が容易になる。非伸張性フィルムキャリアを備えた本発明による感圧接着ストリップから形成されるダイカット品は、特に、外側のダイカット縁部及び内側の空所を有して、フレームの形態で存在することができる。この際、個々の枠は、5mm未満の幅または2.5mm未満の幅または1mm未満の幅さえも有することができる。
【0143】
本発明による感圧接着ストリップにおける伸張性フィルムキャリアの使用は、他の有利な製品形態を可能にする。伸張性延伸によって破壊無く接着から剥がすことができる感圧接着ストリップを得ることができる。
【0144】
特にウェブ形態の感圧接着ストリップは、ロールの形態で、すなわちそれ自体に巻回したアルキメデス螺旋の形で製造できる。
【0145】
本発明による感圧接着ストリップの特性
本発明による感圧接着ストリップは、優れた使用プロフィル、すなわち非常に良好な使用特性及び接着技術的特性を特徴とする。
【0146】
特に、本発明で設定した課題が解決される。例えば、本発明による感圧接着ストリップが、高い接着強度及び高い耐衝撃性の他に、更に、向上した熱せん断強度も有することが判明した。
【0147】
例えば、これは、高められた温度での静的せん断試験において高いせん断強度を示し、かつ更にはSAFT試験(「せん断接着破壊温度」)で分かるように高い耐熱性を有する。
【0148】
本発明による感圧接着ストリップの高い耐衝撃性は、z方向だけでなく、x、y−面でも高い衝撃靱性(すなわち横方向衝撃靱性)の形で現れる。更に、これは、落球試験(衝撃靱性、落球)においても非常に良好な値を示す。更に、これは、高いプッシュアウト強度(z面)も特徴とする。
【0149】
その他、本発明による感圧接着剤は、例えば有利な座屈/硬化挙動及び非常に良好な圧縮性を有する。
【0150】
更に、本発明による感圧接着剤は、粗い下地に対する良好な接着力、良好な減衰及び/または封止特性または平らでない下地に対する良好な密着性を有する。
【0151】
本発明による感圧接着剤の熱せん断強度のより詳しい説明は実施例で行う。
【0152】
以下に記載の図面に基づいて、本発明の特に有利な形態をより詳しく説明するが、それによって本発明を無用に限定することを意図するものではない。
【0153】
図1には、三つの層1、2、3からなる本発明による三層型感圧接着ストリップの図解による構成を横断面図として示す。
【0154】
このストリップは、両面がエッチングされたPETフィルムの形の非伸張性フィルムキャリア1(層F)を含む。このPETフィルム1の上面及び下面には、二つの外側の自着性接着剤層2、3(層SK1及び層SK2)が存在する。自着性接着剤層2、3(層SK1及びSK2)は、図示した例示的な形態では、それぞれライナー4、5で覆われている。
【0155】
更に、
図2には、層2からなる本発明による単層型感圧接着ストリップの図解による構成を横断面図として示す。
【0156】
このストリップは、自着性接着剤層2(層SK1)を含む。自着性接着剤層2(層SK1)は、図示した例示的な形態では、それぞれライナー4、5で覆われている。
【0157】
更に、本発明は、本発明による自着剤層の製造のための方法を含む。
図3を参照されたい。ここで、
・ポリマー、樹脂または充填材及び未膨張マイクロバルーンなどの接着剤形成のための構成分を第一の混合装置中で混合し、そして過圧下に膨張温度まで加熱し、
・マイクロバルーンを、混合装置からの出口で膨張し、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒にロールコータで層に成形し、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒に場合によりウェブ状キャリア−またはリリース材料上に施与する。
【0158】
更に、本発明は、本発明による自着剤層の製造のための方法を含む。同様に
図3を参照されたい。ここで、
・ポリマー、樹脂または充填材及び未膨張マイクロバルーンなどの接着剤形成のための構成分を第一の混合装置中で混合し、そして膨張温度まで加熱し、
・マイクロバルーンを混合中に少なくとも部分的に、好ましくは完全に膨張し、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒にロールコータで層に成形し、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒に場合によりウェブ状キャリア−またはリリース材料上に施与する。
【0159】
また同様に、本発明は、本発明による自着剤層の製造のための方法を含む。
図4を参照されたい。ここで、
・ポリマー、樹脂または充填材などの接着剤形成のための構成分を、未膨張マイクロバルーンと一緒に第一の混合装置中で過圧下に混合し、そしてマイクロバルーンの膨張温度未満の温度に温度調節し、
・混合した(特には均一の)接着剤を、第一の混合装置から第二のユニットに移し、そして膨張温度に加熱し、
・マイクロバルーンを第二の装置中でまたは第二の装置からの出口で膨張させ、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒にロールコータで層に成形し、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒に場合によりウェブ状キャリア−またはリリース材料上に施与する。
【0160】
また同様に、本発明は、本発明による自着剤層の製造のための方法を含む。
図5を参照されたい。ここで、
・ポリマー、樹脂または充填材などの接着剤形成のための構成分を第一の混合装置中で混合し、
・混合した(特には均一の)接着剤を、第一の混合装置から第二の混合装置に移し、そこで未膨張のマイクロバルーンも装入し、
・マイクロバルーンを第二の混合装置中でまたは第二の混合装置からの出口で膨張させ、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒にロールコータで層に成形し、
・接着剤混合物を膨張したマイクロバルーンと一緒に場合によりウェブ状キャリア−またはリリース材料上に施与する。
【0161】
それ故、
図3〜5中に図解する、本発明による自着剤層の製造方法は、それぞれ、唯一の自着剤層からなる感圧接着ストリップ、すなわち転写式テープを製造できる方法である。任意選択的に、この際、自着剤層は、ウェブ状のリリース材料、すなわちライナーで覆うことができる。好ましくは、自着剤層は、両方の面がライナーで覆われている。
【0162】
図3〜5の方法において、含まれる自着剤層がウェブ状のキャリア材料、すなわちフィルムキャリアF上に施与されている場合には、片面接着テープとなる。次いで任意選択的に、フィルムキャリア層Fとは反対側の自着剤層の表面を、ウェブ状リリース材料、すなわちライナーで覆うことができる。
【0163】
フィルムキャリア層F、自着剤層及びライナーからなる三層システムにおいて、次いで、自着剤層とは反対側の、フィルムキャリア層Fの表面上に更に別の自着剤層を施与すると、フィルムキャリアを備えた本発明による両面接着テープとなる。次いで任意選択的に、フィルムキャリア層Fとは反対側の自着剤層の表面を、ウェブ状リリース材料、すなわちライナーで覆うことができる。
【0164】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、接着剤をローラコータで成形しそしてキャリア材料上に施与する。
【0165】
マイクロバルーンを用いて発砲した接着剤を用いる場合は、均一な閉じたコーティングの外観を得るためには、一般的にコーティングの前に脱気する必要はない。膨張性マイクロバルーンは、コンパウンド化の間に接着剤中に閉じ込められた空気を排除する。それでもなお、処理量が多い場合は、ロール間隙中に均一な接着剤の仕込み物(Massevorlage)を得るためには、接着剤をコーティング前に脱気することが得策である。脱気は、理想的には、ロールコータの直前に混合温度及び周囲圧と比べて少なくとも200mbarの差圧で行う。
【0166】
更に、
・第一の混合装置が連続式装置、特に遊星ローラ押出機、二軸スクリュー押出機またはピンタイプ押出機である場合、
・第一の混合装置が非連続式装置、特に、Z−混練機またはインターナルミキサーである場合、
・第二の混合装置が遊星ローラ押出機、単軸スクリュー押出機もしくは二軸スクリュー押出機またはピン型押出機である場合、及び/または
・接着剤を膨張したマイクロバルーンと一緒にキャリア層に成形する成形装置が、カレンダ、ローラコータ、またはローラと固定ドクタブレードから形成された間隙である場合、
に有利である。
【0167】
本発明による方法を用いることにより、全ての従前既知で文献記載の接着剤成分を、特に自着性に溶剤不含に加工できる。
【0168】
以下には、本発明の思想の内にある上記方法を、特に優れて構成された変形で図解するが、描写した図面の選択によって不要に限定することを意図するものではない。