特許第6533243号(P6533243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6533243提供装置、提供方法、及び提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533243
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法、及び提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20190610BHJP
   G16Z 99/00 20190101ALI20190610BHJP
【FI】
   G16H50/30
   G06F19/00 100
【請求項の数】13
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-38325(P2017-38325)
(22)【出願日】2017年3月1日
(65)【公開番号】特開2018-147023(P2018-147023A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2017年5月22日
【審判番号】不服2018-2854(P2018-2854/J1)
【審判請求日】2018年2月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 篤慎
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴之
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 宮久保 博幸
【審判官】 相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−311158(JP,A)
【文献】 特開2014−089582(JP,A)
【文献】 特開2005−050212(JP,A)
【文献】 特開2015−219617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H50/00
G06F19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの環境に関する環境情報であって、インターネット上におけるユーザの行動情報に基づいて推定されるユーザの人間関係に関する情報を含む環境情報と、前記ユーザに発症する疾病を予測する予測モデルとを取得する取得部と、
前記ユーザに対応付けられた疾病のうち、前記取得部により取得された前記環境情報を前記予測モデルに入力することにより出力されるスコアと、前記ユーザに類似する類似ユーザの情報により決定され、疾病に対応する閾値とに基づいて、当該ユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供する提供部と、
を備えることを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記ユーザの生体情報を取得し、
前記提供部は、
前記ユーザの生体情報及び前記環境情報を前記予測モデルに入力することにより出力される前記スコアに基づいて、当該ユーザに発症すると予測される前記予測疾病に関するサービスを提供する
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項3】
所定のユーザにおいて発症した疾病と、当該疾病の発症時における前記所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて生成される前記予測モデルが出力する前記スコアを用いて、前記ユーザに発症する疾病を予測する予測部、
をさらに備え、
前記提供部は、
前記予測部により前記ユーザに発症すると予測される前記予測疾病に関するサービスを提供する
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項4】
前記予測部は、
所定のユーザにおいて発症した複数の疾病と、各疾病の発症時における前記所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて、前記複数の疾病の各々について生成される複数の前記予測モデルを用いて、前記ユーザに発症する疾病を予測する
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記ユーザが位置する地点の気象に関する気象情報を含む前記環境情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記予測疾病に対する対処に関する情報である対処法情報を提供する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記予測疾病に関する情報を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記予測疾病に対する対処に関する情報である対処法情報を提供する
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項9】
前記提供部は、
前記対処法情報として、所定のネットワークにおいて取得される前記予測疾病への対処法に関する情報を提供する
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項10】
前記提供部は、
前記対処法情報として、前記ユーザの位置から所定範囲内の医薬機関であって、前記予測疾病に対応する医薬機関に関する情報を提供する
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項11】
前記提供部は、
前記予測疾病に対応する医療機関の予約サービスを提供する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する提供方法であって、
ユーザの環境に関する環境情報であって、インターネット上におけるユーザの行動情報に基づいて推定されるユーザの人間関係に関する情報を含む環境情報と、前記ユーザに発症する疾病を予測する予測モデルとを取得する取得工程と、
前記ユーザに対応付けられた疾病のうち、前記取得工程により取得された前記環境情報を前記予測モデルに入力することにより出力されるスコアと、前記ユーザに類似する類似ユーザの情報により決定され、疾病に対応する閾値とに基づいて、当該ユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供する提供工程と、
を含むことを特徴とする提供方法。
【請求項13】
ユーザの環境に関する環境情報であって、インターネット上におけるユーザの行動情報に基づいて推定されるユーザの人間関係に関する情報を含む環境情報と、前記ユーザに発症する疾病を予測する予測モデルとを取得する取得手順と、
前記ユーザに対応付けられた疾病のうち、前記取得手順により取得された前記環境情報を前記予測モデルに入力することにより出力されるスコアと、前記ユーザに類似する類似ユーザの情報により決定され、疾病に対応する閾値とに基づいて、当該ユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法、及び提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに応じて情報提供等の種々のサービスを行う技術が提供されている。例えば検索ログ等の情報に基づいて、各ユーザの身体特性に適した経路を検索・案内する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−194795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができるとは限らない。上記の従来技術では、車椅子利用者などの障害者や高齢者等のユーザの身体特性を対象としており、例えば、気象病や天気痛等のような、ユーザに不定期に発症する疾病等について対応することは難しい。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供する提供装置、提供方法、及び提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る提供装置は、ユーザの環境に関する環境情報を取得する取得部と、前記ユーザに対応付けられた疾病のうち、前記取得部により取得された前記環境情報に基づいて、当該ユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供する提供部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る提供システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る提供装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る環境情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る生体情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る予測モデル情報記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る医薬機関情報記憶部の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る対処情報記憶部の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る予測モデルの生成の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る提供処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法、及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法、及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.提供処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る提供処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。図1の例では、提供装置100は、ユーザに対応付けられた疾病のうち、ユーザの置かれている環境に関する情報(以下、「環境情報」ともいう)やユーザの生体情報に基づいて、ユーザに発症すると予測される疾病(以下、「予測疾病」ともいう)を予測する場合を示す。なお、環境情報には、ユーザが置かれている環境に関する情報であれば、図1に示すセンサ等により取得される気温や気圧等の気象(現象)に関する情報に限らず、種々の情報が含まれてもよい。例えば、環境情報には、ユーザの職場環境や人間関係等の種々の環境に関する情報が含まれてもよい。
【0011】
また、図1の例では、ユーザに対応付けられた疾病は、ユーザの持病であるものとする。また、図1の例では、ユーザ自身により提供システム1に登録されたり、提供装置100がユーザの生体情報や行動情報等に基づいて予測されたりしてもよい。例えば、提供装置100はユーザの通院歴や医薬品の購入履歴等の行動情報に基づいて、ユーザの持病を予測してもよい。
【0012】
また、図1の例では、提供装置100は、各疾病の各々に対応する複数の予測モデルを用いて、ユーザの予測疾病を予測する場合を示す。また、図1の例では、提供装置100は、予測モデルを用いて予測したユーザの予測疾病に基づいて、ユーザに予測疾病に関するサービスを提供する場合を示す。
【0013】
〔提供システムの構成〕
図1の説明に先立って、図2を用いて提供システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る提供システムの構成例を示す図である。図2に示すように、提供システム1は、端末装置10と、提供装置100とが含まれる。端末装置10と、提供装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図2に示した提供システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の提供装置100が含まれてもよい。
【0014】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。図1は、端末装置10がスマートフォンである場合を示す。また、端末装置10は、GPS(Global Positioning System)センサ等の機能を有し、ユーザの位置を検知し、取得可能であるものとする。また、端末装置10は、温度センサや気圧センサ等の種々の機能を有し、ユーザの置かれている環境情報を検知し、取得可能であるものとする。また、端末装置10は、心拍センサ等の種々の機能を有し、ユーザの生体情報を検知し、取得可能であるものとする。例えば、端末装置10を利用するユーザは、端末装置10と通信可能なウェアラブルデバイスを身に付けることにより、端末装置10によりユーザ自身の生体情報を取得可能としてもよい。例えば、端末装置10を利用するユーザは、端末装置10と通信可能なリストバンド型のウェアラブルデバイスを身に付けることにより、端末装置10によりユーザ自身の心拍(脈拍)に関する情報を端末装置10が取得可能としてもよい。
【0015】
また、端末装置10は、提供装置100に種々の情報等を送信する。例えば、端末装置10は、ユーザに関する位置情報や環境情報や生体情報等の各種情報を提供装置100へ送信する。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。端末装置10は、ユーザによる種々の操作を受け付ける。図1の例では、端末装置10を利用するユーザがユーザID「U1」により識別されるユーザ(以下、「ユーザU1」と記載する)である場合を示す。
【0016】
また、図1の例では、端末装置10における表示内容の変更に応じて、端末装置10を端末装置10−1、10−2として説明する。なお、端末装置10−1、10−2は同一の端末装置10である。また、以下では、端末装置10−1、10−2について、特に区別なく説明する場合には、端末装置10と記載する。
【0017】
提供装置100は、ユーザに対応付けられた疾病(以下、「持病」ともいう)のうち、ユーザの環境情報や生体情報に基づいてユーザに発症すると予測される予測疾病を予測する情報処理装置である。また、提供装置100は、各疾病の各々に対応する複数の予測モデルを用いて、ユーザの予測疾病を予測する。また、提供装置100は、予測モデルを用いて予測したユーザの予測疾病に基づいて、ユーザに予測疾病に関するサービスを提供する。
【0018】
ここから、図1を用いて、提供処理の流れについて説明する。図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。例えば、図1は、各疾病に各々対応する複数の予測モデルを用いて、ユーザに予測疾病に関するサービスを提供する提供処理の一例を示す図である。なお、図1の例では、予測モデル情報記憶部124に示すような、各疾病に対応する予測モデルM1〜M3が生成済みであるものとする。
【0019】
図1中の予測モデル情報記憶部124に示す各予測モデルM1〜M3等は、疾病IDにより識別される疾病が対応付けて記憶される。また、図1中の予測モデル情報記憶部124に示す各予測モデルM1〜M3等には、「素性1」〜「素性3」等の各重み(値)が対応付けて記憶される。
【0020】
例えば、図1の例では、予測モデルM1に関する予測モデル情報は、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」に対応する予測モデルであることを示す。また、例えば、図1の例では、予測モデルM2に関する予測モデル情報は、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」に対応する予測モデルであることを示す。
【0021】
例えば、図1の例では、予測モデルM1に関する予測モデル情報は、素性1の重みが「0.5」、素性2の重みが「−0.4」、素性3の重みが「0.2」等であることを示す。図1の例では、提供装置100は、このように予測モデル情報記憶部124に記憶された予測モデルM1〜M3等に基づいて、ユーザU1の予測疾病を予測するものとする。なお、各モデルの生成は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。また、例えば、モデルの生成は、教師なし学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、DNN(Deep Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。なお、上記モデルの生成に関する記載は例示であり、モデルの生成は、取得可能な情報等に応じて適宜選択された学習手法により行われてもよい。
【0022】
ここで、図1に示すマップ情報MP1について、簡単に説明する。図1に示すマップ情報MP1は、ユーザU1についての位置や各医薬機関の位置等を模式的に示す図である。例えば、マップ情報MP1には、エリアID「AR11」により識別されるエリアA、エリアID「AR12」により識別されるエリアB、及びエリアID「AR13」により識別されるエリアCの3つのエリアが含まれることを示す。
【0023】
また、図1のマップ情報MP1中のエリアAには、医薬機関ID「ES11」により識別される医薬機関であるHA総合病院(図8参照)や医薬機関ID「ES22」により識別される医薬機関であるPB薬局(図8参照)が位置することを示す。なお、ここでいうエリアの大きさは、処理の目的等に応じて適宜設定されてもよい。例えば、エリアは、「県」、「市」、「区」、「町」等の種々の大きさのエリアが適宜設定されてもよい。
【0024】
また、図1のマップ情報MP1中のエリアBには、医薬機関ID「ES12」により識別される医薬機関であるHBクリニック(図8参照)や医薬機関ID「ES21」により識別される医薬機関であるPAドラッグストア(図8参照)が位置することを示す。
【0025】
また、図1の例では、ユーザU1がマップ情報MP1中の地点LC1に位置する場合を示す。図1の例では、ユーザU1が利用する端末装置10は、温度センサTMPや気圧センサATP等の種々のセンサにより、ユーザU1の環境情報を取得するものとする。また、図1の例では、ユーザU1が利用する端末装置10は、心拍センサHTR等の種々のセンサにより、ユーザU1の生体情報を取得するものとする。なお、図1の示す温度センサTMP、気圧センサATP、心拍センサHTRのアイコンは、各センサが検知する情報に対応するアイコンであり、各センサの形状を示すものではない。
【0026】
図1では、提供装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10−1からユーザU1の環境情報や生体情報を取得する(ステップS11)。例えば、提供装置100は、端末装置10−1から、温度センサTMPにより検知されたユーザU1が位置する地点LC1における温度(気温)に関する情報を取得する。また、例えば、提供装置100は、端末装置10−1から、気圧センサATPにより検知されたユーザU1が位置する地点LC1における気圧に関する情報を取得する。また、例えば、提供装置100は、端末装置10−1から、心拍センサHTRにより検知されたユーザU1の心拍に関する情報を取得する。
【0027】
また、提供装置100は、端末装置10−1から取得したユーザU1が位置する地点LC1に関する情報に基づいて、ユーザU1が位置するエリアの天候に関する情報を取得する。例えば、ユーザU1の環境情報は、端末装置10から取得される位置情報及びその取得日時(時刻)に基づいて、提供装置100が推定してもよいし、気象情報を提供する外部の情報処理装置から取得してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザU1が位置するエリアの天候に関する情報を、気象情報を提供する外部の情報処理装置から取得してもよい。
【0028】
そして、提供装置100は、ユーザU1の予測疾病を予測する。まず、提供装置100は、ユーザU1の持病を特定する(ステップS12)。図1の例では、提供装置100は、ユーザ情報記憶部121に記憶された情報に基づいて、ユーザU1の持病を特定する。
【0029】
図1中のユーザ情報記憶部121に示す「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、ユーザU1に対応する。また、図1中のユーザ情報記憶部121に示す「年齢」は、ユーザの年齢を示す。図1中のユーザ情報記憶部121に示す「性別」は、ユーザの性別を示す。また、図1中のユーザ情報記憶部121に示す「持病情報」が、ユーザの持病に関する情報を示す。
【0030】
図1中のユーザ情報記憶部121に示す「疾病ID」は、疾病を識別するための識別情報を示す。また、図1中のユーザ情報記憶部121に示す「名称」は、対応する疾病の名称を示す。また、図1中のユーザ情報記憶部121に示す「閾値」は、対応する疾病がユーザに発症したかどうかの判定に用いる閾値を示す。
【0031】
例えば、図1の例では、ユーザU1は、20代男性であることを示す。また、ユーザU1は、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」や疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」を持病としていることを示す。また、図1の例では、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」がユーザU1に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.5」であることを示す。また、図1の例では、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」がユーザU1に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.7」であることを示す。
【0032】
例えば、図1の例では、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」については、ユーザU1に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.7」であり、ユーザU2に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.4」である。図1の例では、各疾病について、各ユーザの症状や重症度(発症歴等)等に応じて、各ユーザの閾値を異ならせる場合を示す。
【0033】
図1の例では、ユーザ情報記憶部121に示すように、各ユーザには、そのユーザの持病に関する情報が対応付けられており、提供装置100は、各ユーザと持病との対応付けに基づいて、ユーザの持病を特定する。具体的には、提供装置100は、ユーザ情報記憶部121に示すように、ユーザU1に対応付けられた疾病「頭痛」及び疾病「腰痛」の2つの疾病をユーザU1の持病として特定する。また、提供装置100は、ユーザ情報記憶部121に示すように、ユーザU1について、疾病「頭痛」の閾値が「0.5」であり、疾病「腰痛」の閾値が「0.7」であること特定する。
【0034】
そして、提供装置100は、ユーザに持病について、各持病に対応する予測モデル及び閾値を用いて、ユーザの予測疾病を予測する。例えば、提供装置100は、ある持病に対応する予測モデルにユーザの環境情報や生体情報を入力し、予測モデルが出力したスコア(以下、「予測スコア」ともいう)とそのユーザのその持病の閾値とに基づいて、その持病がユーザに発症するかどうかを予測する。具体的には、提供装置100は、ある持病に対応する予測モデルにユーザの環境情報や生体情報を入力し、予測モデルが出力した予測スコアがそのユーザのその持病の閾値以上である場合、その持病がユーザに発症すると予測する。
【0035】
図1の例では、提供装置100は、ユーザU1に持病である頭痛及び腰痛について、各持病に対応する予測モデルM1、M2及び閾値を用いて、ユーザの予測疾病を予測する。例えば、提供装置100は、ユーザU1に持病である頭痛について、頭痛に対応する予測モデルM1及び閾値「0.5」を用いて、ユーザU1に頭痛が発症するかを予測する。具体的には、提供装置100は、ステップS11において取得したユーザU1の環境情報及び生体情報を予測モデルM1に入力することにより、ユーザU1の頭痛に関する予測スコアを算出する。そして、提供装置100は、算出した頭痛に関する予測スコアが閾値「0.5」以上であれば、頭痛をユーザU1の予測疾病として予測する。
【0036】
また、例えば、提供装置100は、ユーザU1に持病である腰痛について、腰痛に対応する予測モデルM2及び閾値「0.7」を用いて、ユーザU1に腰痛が発症するかを予測する。具体的には、提供装置100は、ステップS11において取得したユーザU1の環境情報及び生体情報を予測モデルM2に入力することにより、ユーザU1の腰痛に関する予測スコアを算出する。そして、提供装置100は、算出した腰痛に関する予測スコアが閾値「0.7」以上であれば、腰痛をユーザU1の予測疾病として予測する。
【0037】
図1の例では、ステップS11において取得したユーザU1の環境情報及び生体情報を予測モデルM1に入力することにより算出された予測スコアが「0.6」であり、閾値「0.6」以上であるため、提供装置100は、頭痛をユーザU1の予測疾病として予測する(ステップS13)。また、図1の例では、ステップS11において取得したユーザU1の環境情報及び生体情報を予測モデルM2に入力することにより算出された予測スコアが「0.65」であり、閾値「0.7」未満であるため、提供装置100は、腰痛をユーザU1の予測疾病ではないと予測する(ステップS14)。そのため、図1の例では、提供装置100は、ユーザU1の持病のうち、頭痛をユーザU1の予測疾病として予測する(ステップS15)。
【0038】
そして、提供装置100は、予測疾病「頭痛」に基づいたサービスをユーザU1に提供する。図1の例では、提供装置100は、予測疾病「頭痛」に対応する医薬機関に関する情報や自己対処に関する情報等の情報提供サービスをユーザU1に対して行うものとする。まず、提供装置100は、ユーザU1に提供する医薬機関に関する情報を決定する。例えば、提供装置100は、医薬機関情報記憶部125(図8参照)に記憶された医薬機関に関する情報に基づいて、ユーザU1に提供する医薬機関に関する情報を決定する。
【0039】
図1の例では、提供装置100は、ユーザU1がエリアAに位置し、予測疾病が頭痛であるため、エリアAに位置し、頭痛に対応可能な医薬機関に関する情報をユーザU1に提供する医薬機関に関する情報として決定する。図1の例では、エリアAに位置するHA総合病院及びPB薬局の対応疾病(図8参照)に疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」が含まれるため、提供装置100は、HA総合病院及びPB薬局に関する情報を、ユーザU1に提供する医薬機関に関する情報として決定する。
【0040】
また、提供装置100は、ユーザU1に提供する自己対処に関する情報を決定する。例えば、提供装置100は、対処情報記憶部126(図9参照)に記憶された対処情報に関する情報に基づいて、ユーザU1に提供する対処情報に関する情報を決定する。例えば、提供装置100は、図9に示す対処情報記憶部126においてユーザの予測疾病に対応付けて記憶されたコンテンツを、ユーザU1に提供する自己対処に関する情報として決定する。図1の例では、提供装置100は、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」に対応付けて記憶されたコンテンツCT11(図9参照)をユーザU1に提供する自己対処に関する情報として決定する。具体的には、提供装置100は、頭痛を発症しそうなユーザU1に対して、頭痛の予防方法に関する内容が含まれるコンテンツCT11をユ提供すると決定する。なお、提供装置100がユーザに提供する自己対処に関する情報としては、上記に限らず、所定のネットワーク上で取得可能案情報や所定のネットワークにおいて行うことができる行動に関する情報等の種々の情報であってもよい。
【0041】
そして、提供装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10へ情報提供を行う(ステップS16)。図1の例では、提供装置100は、医薬機関ID「ES11」により識別されるHA総合病院や医薬機関ID「ES22」により識別されるPB薬局に関する情報や、コンテンツCT11をユーザU1が利用する端末装置10へ提供する。例えば、提供装置100は、図1中のエリアA中にHE眼科医院(図示省略)がある場合であっても、頭痛に対応可能な病院ではないとして、HE眼科医院に関する情報をユーザU1に提供しない。このように、提供装置100は、ユーザU1の予測疾病に対応出る医薬機関のみに関する情報をユーザU1に提供することにより、ユーザU1に適切なサービスを提供することができる。
【0042】
そして、提供装置100から情報提供を受けた端末装置10は、提供装置100から提供された情報を表示する(ステップS17)。図1の例では、端末装置10−2は、ユーザU1の予測疾病やその対応方法等に関する情報を含む提供情報INF11を表示する。例えば、端末装置10−2は、ユーザU1に持病の頭痛の発症が予測されることを示す予測情報PIL11を表示する。また、例えば、端末装置10−2は、ユーザU1が位置するエリアAには、医薬機関ID「ES11」により識別されるHA総合病院や医薬機関ID「ES22」により識別されるPB薬局があることを示す案内情報PES11を表示する。また、例えば、端末装置10−2は、ユーザU1が頭痛の予防方法として地震で行うことができる対象法を示す自己対処情報PCW11を表示する。
【0043】
このように、提供装置100は、ユーザの各持病に対応する予測モデル及び閾値を用いて、予測モデルが出力するスコアが閾値以上である持病をユーザの予測疾病として予測する。そして、提供装置100は、予測疾病として予測したユーザの持病に対応可能な医薬機関や、ユーザ自身が処理することができる対応情報をユーザに提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0044】
〔1−1.提供サービス〕
なお、上述した例では、提供装置100がユーザへ提供するサービスの一例として情報提供を示したが、提供装置100は、ユーザの予測疾病に関するサービスであれば、どのようなサービスを提供してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザの予測疾病に関する医薬機関の予約サービスを提供してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザの予測疾病に関する病院の受診予約サービスを提供してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザの予測疾病に関する病院の予約サイトをユーザの端末装置10に表示させたり、病院の受診可能時間等をユーザの端末装置10に表示させたりすることにより、病院の受診予約サービスを提供してもよい。また、例えば、提供装置100は、ユーザの予測疾病に関する病院に電話を掛けることにより、病院の受診予約サービスを提供してもよい。
【0045】
図1の例では、提供装置100は、頭痛の発症が予測されるユーザU1に対して、ユーザU1が位置するエリアAにおいて頭痛に対応可能なHA総合病院の受診予約サービスを提供してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザU1の端末装置10にHA総合病院のWeb予約ページを表示させることにより、ユーザU1に病院の受診予約サービスを提供してもよい。
【0046】
〔1−2.予測モデル〕
図1の例では、提供装置100は、予測モデルM1〜M3等を生成したり、予測モデルM1〜M3等を外部の情報処理装置から取得したりしてもよい。例えば、提供装置100は、ユーザに関する情報を用いて、予測モデルM1〜M3等を生成してもよい。
【0047】
例えば、提供装置100は、環境情報及び生体情報が取得可能な各ユーザについて、ユーザに疾病が発症した際の環境情報及び生体情報を取得し、その情報に基づいて、予測モデルM1〜M3等を生成してもよい。例えば、提供装置100は、所定のユーザについて、ユーザに疾病が発症した場合に疾病の発症を示す情報を送信させることにより、ユーザにおける疾病の発症時点を特定し、その時点に対応するユーザの環境情報及び生体情報に基づいて、予測モデルM1〜M3等を生成してもよい。
【0048】
また、提供装置100は、環境情報及び生体情報が取得可能な各ユーザについて、ユーザの行動情報に基づいてユーザにおける疾病の発症を推定し、疾病が発症したと推定される時点に対応するユーザの環境情報及び生体情報に基づいて、予測モデルM1〜M3等を生成してもよい。提供装置100は、ユーザが病院を受信したり、薬を購入したりした行動情報に基づいて、ユーザにおける疾病の発症を推定してもよい。
【0049】
また、図1の例では、各疾病について1つのモデルが対応する場合を示したが、各疾病に複数のモデルが対応付けられてもよい。例えば、提供装置100は、属性が類似するユーザ群ごとに、各疾病のモデルを生成してもよい。例えば、提供装置100は、性別ごとに分類したユーザ群ごとに、各疾病のモデルを生成してもよい。
【0050】
〔1−2−1.閾値〕
また、図1の例では、各疾病について、各ユーザの症状や重症度(発症歴等)等に応じて、各ユーザの閾値を異ならせる場合を示したが、提供装置100は、各疾病についてユーザに共通の閾値を用いてもよい。
【0051】
例えば、提供装置100は、所定のユーザについて、ユーザに疾病が発症した場合に疾病の発症を示す情報を送信させることにより、ユーザにおける疾病の発症時点を特定し、その時点に対応するユーザの環境情報及び生体情報を、疾病に対応する予測モデルに入力した場合に出力される予測スコアに応じて、ユーザの閾値を決定してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザU1が疾病「頭痛」の発生を示す情報を送信した場合、ユーザU1における疾病「頭痛」の発症時点に対応するユーザU1の環境情報及び生体情報を、疾病「頭痛」に対応する予測モデルM1に入力し、予測スコア「0.5」を算出する。この場合、提供装置100は、ユーザU1の疾病「頭痛」に対応する閾値を「0.5」に決定してもよい。また、例えば、提供装置100は、ユーザU1による疾病「頭痛」の発生を示す情報の送信を複数回行わせることにより、その各時点で算出した予測スコアの平均値や最低値をユーザU1の疾病「頭痛」に対応する閾値に決定してもよい。
【0052】
また、例えば、提供装置100は、ユーザU1の疾病「頭痛」に対応する閾値をユーザU1に類似するユーザの情報に基づいて、決定してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザU1以外の属性「男性」であるユーザU50の疾病「頭痛」に対応する閾値が「0.6」である場合、ユーザU1に属性が類似するユーザU50の疾病「頭痛」に対応する閾値「0.6」をユーザU1の疾病「頭痛」に対応する閾値に決定してもよい。また、例えば、提供装置100は、属性が類似するユーザ群ごとに、各疾病に対応する閾値を決定してもよい。
【0053】
〔1−3.環境情報〕
図1の例では、提供装置100は、端末装置10からユーザU1の環境情報を取得する場合を示したが、提供装置100は、端末装置10以外の外部の情報処理装置からユーザU1の環境情報を取得してもよい。例えば、提供装置100は、気象に関する種々のオープンデータを提供する外部の情報処理装置からユーザU1の環境情報を取得してもよい。例えば、提供装置100は、ユーザU1が利用する端末措置10からユーザU1の位置情報を取得し、位置情報及びその取得日時に基づいて、気象に関する種々のオープンデータからユーザU1の環境情報に対応する情報を取得してもよい。
【0054】
また、上述したように、環境情報には、図1に示すセンサ等により取得される気温や気圧等の気象(現象)に関する情報に限らず、種々の情報が含まれてもよい。例えば、環境情報には、ユーザの職場環境や人間関係等の種々の環境に関する情報が含まれてもよい。例えば、環境情報には、ユーザが会社等において抱えるストレス等に関する情報等が含まれてもよい。
【0055】
例えば、提供装置100は、インターネット上における、ユーザの種々の行動情報に基づいて、ユーザの職場環境や人間関係等の種々の環境に関する情報を推定し、推定した情報を環境情報として用いてもよい。例えば、提供装置100は、ソーシャルネットワーキングサービス(以下、「SNS」と記載する場合がある)において、ユーザが投稿した情報に基づいて、ユーザの職場環境や家庭環境等を推定し、推定した情報を環境情報として用いてもよい。例えば、提供装置100は、Twitter(登録商標)やFacebook(登録商標)等、SNSサービスにおいて、ユーザが職場の不満や家庭の不満に関する投稿を行っている場合、ユーザがストレスを抱える環境にいると推定し、推定した情報を環境情報として用いてもよい。また、例えば、提供装置100は、ブログやLINE(登録商標)等のメッセージサービス等において、ユーザが職場の不満や家庭の不満に関する投稿を行っている場合、ユーザがストレスを抱える環境にいると推定し、推定した情報を環境情報として用いてもよい。なお、上記の情報の取得元は一例であり、提供装置100は、インターネット上におけるユーザの種々の行動情報に基づいて、ユーザの職場環境や人間関係等の種々の環境に関する情報を推定し、推定した情報を環境情報として用いてもよい。
【0056】
〔2.提供装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る提供装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る提供装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、提供装置100は、提供装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0057】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0058】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図3に示すように、ユーザ情報記憶部121と、環境情報記憶部122と、生体情報記憶部123と、予測モデル情報記憶部124と、医薬機関情報記憶部125と、対処情報記憶部126とを有する。
【0059】
(ユーザ情報記憶部121)
実施形態に係るユーザ情報記憶部121は、ユーザに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部121は、ユーザ属性に関する各種情報を記憶する。図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。図4に示すユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「年齢」、「性別」、「持病情報」といった項目が含まれる。また、「持病情報」には、「疾病ID」、「名称」、「閾値」といった項目が含まれる。
【0060】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、図1の例に示したユーザU1に対応する。また、「年齢」は、ユーザIDにより識別されるユーザの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザIDにより識別されるユーザの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、ユーザIDにより識別されるユーザの性別を示す。
【0061】
また、「持病情報」中の「疾病ID」は、疾病を識別するための識別情報を示す。また、「持病情報」中の「名称」は、対応する疾病の名称を示す。また、「持病情報」中の「閾値」は、対応する疾病がユーザに発症したかどうかの判定に用いる閾値を示す。
【0062】
例えば、図4の例では、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)の年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、ユーザU1は、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」や疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」を持病としていることを示す。また、図4の例では、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」がユーザU1に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.5」であることを示す。また、図4の例では、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」がユーザU1に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.7」であることを示す。
【0063】
例えば、図4の例では、ユーザID「U2」により識別されるユーザ(ユーザU2)の年齢は、「20代」であり、性別は、「女性」であることを示す。また、例えば、ユーザU2は、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」や疾病ID「IL13」により識別される疾病「喘息」を持病としていることを示す。また、図4の例では、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」がユーザU2に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.4」であることを示す。また、図4の例では、疾病ID「IL13」により識別される疾病「喘息」がユーザU2に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.6」であることを示す。
【0064】
例えば、図4の例では、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」については、ユーザU1に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.7」であり、ユーザU2に発症したかどうかの判定に用いる閾値が「0.4」である。このように、各疾病について、各ユーザの症状や重症度(発症歴等)等に応じて、各ユーザの閾値を異ならせてもよい。
【0065】
なお、ユーザ情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、デモグラフィック属性情報やサイコグラフィック属性情報等の種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、氏名、家族構成、収入等の情報を記憶してもよい。
【0066】
(環境情報記憶部122)
実施形態に係る環境情報記憶部122は、ユーザの環境に関する環境情報に関する各種情報を記憶する。図5は、実施形態に係る環境情報記憶部の一例を示す図である。例えば、環境情報記憶部122は、環境情報として、ある時点(時刻)のユーザの位置におけるユーザの置かれている環境に関する情報を記憶する。例えば、環境情報記憶部122は、環境情報として、ある時点(時刻)のユーザの位置における気象情報を記憶する。図5に示す環境情報記憶部122には、「ユーザID」、「環境情報」といった項目が含まれる。また、「環境情報」には、「時刻」、「位置」、「気温(℃)」、「気圧(hPa)」、「天候」といった項目が含まれる。
【0067】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。また、「環境情報」中の「時刻」は、その環境情報が取得された時刻(日時)を示す。なお、図5の例では、「TM11−1」等で図示するが、「日時」には、「2017年2月13日21時38分56秒」等の具体的な日時が記憶されてもよい。また、「環境情報」中の「位置」は、その環境情報が取得された位置を示す。「位置」は、「LC11−1」といった抽象的な符号を図示するが、緯度や経度を示す情報であってもよい。また、例えば、「位置」は、位置の役割(家、オフィス等)や地域名や住所等を含んでもよい。
【0068】
また、「環境情報」中の「気温(℃)」は、対応する時刻及び位置において取得された温度に関する情報を示す。また、「環境情報」中の「気圧(hPa)」は、対応する時刻及び位置において取得された気圧に関する情報を示す。また、「環境情報」中の「天候」は、対応する時刻及び位置において取得された天候に関する情報を示す。
【0069】
例えば、図5の例では、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)は、日時「TM11−1」に位置「LC11−1」に位置したことを示す。また、例えば、図5の例では、ユーザU1の位置LC11−1の周囲は、日時「TM11−1」に気温が「5(℃)」、すなわち摂氏5度であったことを示す。また、例えば、図5の例では、ユーザU1の位置LC11−1の周囲は、日時「TM11−1」に気圧が「1000(hPa)」、すなわち1000ヘクトパスカル(hectopascal)であったことを示す。また、例えば、図5の例では、ユーザU1の位置LC11−1の周囲は、日時「TM11−1」に天候が「曇り」であったことを示す。
【0070】
なお、図5の例に示すように、「気温(℃)」、「気圧(hPa)」、「天候」等の各環境指標値は、全てが同時に取得される必要はなく、各環境指標値は、異なるタイミングで取得されてもよい。例えば、図5の例では、「気温(℃)」、「気圧(hPa)」、「天候」等の各環境指標値のうち、ユーザU2の位置LC12−2の周囲は、日時「TM12−2」に気圧が「1005(hPa)」であったことを示す環境指標値のみが取得されたことを示す。また、環境情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0071】
(生体情報記憶部123)
実施形態に係る生体情報記憶部123は、ユーザの生体情報に関する各種情報を記憶する。図6は、実施形態に係る生体情報記憶部の一例を示す図である。例えば、生体情報記憶部123は、生体情報として、ある時点(時刻)のユーザの心拍や血圧等に関する情報を記憶する。図6に示す生体情報記憶部123には、「ユーザID」、「生体情報」といった項目が含まれる。また、「生体情報」には、「時刻」、「心拍(bpm)」、「血圧(mmHg)」といった項目が含まれる。
【0072】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。また、「生体情報」中の「時刻」は、その生体情報が取得された時刻(日時)を示す。なお、図6の例では、「TM21−1」等で図示するが、「日時」には、「2017年2月13日21時38分56秒」等の具体的な日時が記憶されてもよい。
【0073】
また、「生体情報」中の「心拍(bpm)」は、対応する時刻において取得されたユーザの心拍に関する情報を示す。また、「生体情報」中の「血圧(mmHg)」は、対応する時刻において取得されたユーザの血圧に関する情報を示す。
【0074】
例えば、図6の例では、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)は、日時「TM21−1」に心拍が「75(bpm)」、すなわちユーザU1の1分間の拍動の数(beats per minute)が「75」であることを示す。また、例えば、図6の例では、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)は、日時「TM21−1」に血圧が「110/80(mmHg)」、すなわちユーザU1の上の血圧(収縮期血圧)が「110水銀柱ミリメートル」であり、下の血圧(拡張期血圧)が「80水銀柱ミリメートル」であることを示す。
【0075】
なお、図6の例に示すように、「心拍(bpm)」、「血圧(mmHg)」等の各生体指標値は、全てが同時に取得される必要はなく、各生体指標値は、異なるタイミングで取得されてもよい。例えば、図6の例では、「心拍(bpm)」、「血圧(mmHg)」等の各生体指標値のうち、日時「TM21−1」にユーザU2の血圧が「102/70(mmHg)」であったことを示す生体指標値のみが取得されたことを示す。また、生体情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0076】
(予測モデル情報記憶部124)
実施形態に係る予測モデル情報記憶部124は、予測モデルに関する情報を記憶する。例えば、予測モデル情報記憶部124は、生成処理により生成された予測モデル情報を記憶する。図7は、実施形態に係る予測モデル情報記憶部の一例を示す図である。図7に示す予測モデル情報記憶部124では、各疾病に対応する予測モデルが記憶される。図7に示す予測モデル情報記憶部124は、予測モデル情報として、各予測モデルM1〜M3等に対応させて「素性1」〜「素性3」等といった項目を有する。
【0077】
例えば、図7の例では、予測モデルM1に関する予測モデル情報は、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」に対応する予測モデルであることを示す。また、例えば、図7の例では、予測モデルM2に関する予測モデル情報は、疾病ID「IL12」により識別される疾病「腰痛」に対応する予測モデルであることを示す。
【0078】
例えば、図7の例では、予測モデルM1に関する予測モデル情報は、素性1の重みが「0.5」、素性2の重みが「−0.4」、素性3の重みが「0.2」等であることを示す。例えば、モデルの素性(特徴量)がm次元のベクトルで表現される場合、素性数はm個になり、素性1〜素性mの重みが記憶される。例えば、図7の例では、予測モデルの素性は、環境情報や生体情報やユーザ情報に対応する素性であってもよい。例えば、図7の例では、予測モデルの素性は、素性1が環境情報「気圧」に対応し、素性2が生体情報「心拍」に対応してもよい。
【0079】
なお、予測モデル情報記憶部124は、上記に限らず、目的に応じて種々の予測モデル情報を記憶してもよい。
【0080】
(医薬機関情報記憶部125)
実施形態に係る医薬機関情報記憶部125は、医薬機関に関する各種情報を記憶する。図8は、実施形態に係る医薬機関情報記憶部の一例を示す図である。例えば、医薬機関情報記憶部125は、病院や薬局等を含む医薬機関に関する情報を記憶する。図8に示す医薬機関情報記憶部125には、「機関ID」、「種別」、「名称」、「エリア」、「対応疾病」といった項目が含まれる。
【0081】
「機関ID」は、医薬機関を識別するための識別情報を示す。また、「種別」は、対応する医薬機関の種別を示す。また、「名称」は、対応する医薬機関の名称を示す。また、「エリア」は、対応する医薬機関が位置するエリアを示す。また、「対応疾病」は、医薬機関が対応可能な疾病を示す。
【0082】
例えば、図8の例では、機関ID「ES11」により識別される医薬機関は、種別が「病院」であり、名称が「HA総合病院」であることを示す。また、例えば、図8の例では、機関ID「ES11」により識別される医薬機関は、エリアAに位置し、対応疾病が種別ID「IL11」により識別される疾病(頭痛)等であることを示す。
【0083】
また、例えば、図8の例では、機関ID「ES21」により識別される医薬機関は、種別が「薬局」であり、名称が「PAドラッグストア」であり、エリアCに位置することを示す。
【0084】
なお、医薬機関情報記憶部125は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0085】
(対処情報記憶部126)
実施形態に係る対処情報記憶部126は、ユーザに提供する対処情報を記憶する。例えば、対処情報記憶部126は、医薬機関に行くことなくユーザ自身により実施可能な対処情報を記憶する。図9は、実施形態に係る対処情報記憶部の一例を示す図である。図9に示す対処情報記憶部126は、「疾病ID」、「対処情報」といった項目が含まれる。また、「対処情報」には、「コンテンツ」、「内容」といった項目が含まれる。
【0086】
「疾病ID」は、疾病を識別するための識別情報を示す。「対処情報」中の「コンテンツ」は、対処情報が含まれるコンテンツを示す。図9では「コンテンツ」に「CT11」等といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、文字情報や画像や動画等の種々の情報を含む具体的なコンテンツ、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。また、「対処情報」中の「内容」は、コンテンツに含まれる対処情報の内容を示す。
【0087】
例えば、図9の例では、疾病ID「IL11」により識別される疾病については、対処情報として、コンテンツCT11やコンテンツCT12があることを示す。例えば、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」については、医薬機関に行くことなくユーザ自身により実施可能な対処情報として、コンテンツCT11やコンテンツCT12があることを示す。
【0088】
なお、対処情報記憶部126は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0089】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、提供装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0090】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、予測部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0091】
(取得部131)
取得部131は、種々の情報を取得する。取得部131は、端末装置10等の外部装置から各種情報を取得する。また、取得部131は、ユーザ情報記憶部121や、環境情報記憶部122や、生体情報記憶部123や、予測モデル情報記憶部124や、医薬機関情報記憶部125や、対処情報記憶部126等から各種情報を取得する。
【0092】
例えば、取得部131は、ユーザの環境に関する環境情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザが位置する地点の気象に関する気象情報を含む環境情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザの生体情報を取得する。
【0093】
図1の例では、取得部131は、ユーザU1が利用する端末装置10からユーザU1の環境情報や生体情報を取得する。例えば、取得部131は、端末装置10から、温度センサTMPにより検知されたユーザU1が位置する地点LC1における温度(気温)に関する情報を取得する。また、例えば、取得部131は、端末装置10から、気圧センサATPにより検知されたユーザU1が位置する地点LC1における気圧に関する情報を取得する。また、例えば、取得部131は、端末装置10から、心拍センサHTRにより検知されたユーザU1の心拍に関する情報を取得する。
【0094】
また、取得部131は、端末装置10から取得したユーザU1が位置する地点LC1に関する情報に基づいて、ユーザU1が位置するエリアの天候に関する情報を取得する。例えば、ユーザU1の環境情報は、端末装置10から取得される位置情報及びその取得日時(時刻)に基づいて、取得部131が推定してもよいし、気象情報を提供する外部の情報処理装置から取得してもよい。例えば、取得部131は、ユーザU1が位置するエリアの天候に関する情報を、気象情報を提供する外部の情報処理装置から取得してもよい。
【0095】
(生成部132)
生成部132は、種々の情報を生成する。例えば、生成部132は、予測モデル等の各種モデルを生成する。例えば、予測部133は、予測モデル情報記憶部124(図7参照)に記憶された予測モデルM1〜M3を生成する。
【0096】
例えば、生成部132は、所定のユーザにおいて発症した疾病と、当該疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて予測モデを生成する。例えば、生成部132は、所定のユーザにおいて発症した複数の疾病と、各疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて、複数の疾病の各々に対応する複数の予測モデルを生成する。
【0097】
例えば、生成部132は、ユーザに疾病が発症した際の環境情報及び生体情報と、疾病が発症したユーザのユーザ情報に基づいて、疾病に対応する予測モデルを生成する。例えば、生成部132は、環境情報記憶部122(図5参照)に記憶されたユーザに疾病が発症した際の環境情報や、生体情報記憶部123(図6参照)に記憶されたユーザに疾病が発症した際の生体情報や、ユーザ情報記憶部121(図4参照)に記憶された疾病が発症したユーザのユーザ情報に基づいて、疾病に対応する予測モデルを生成する。例えば、生成部132は、環境情報記憶部122(図5参照)に記憶されたユーザに疾病が発症した際の環境情報や、生体情報記憶部123(図6参照)に記憶されたユーザに疾病が発症した際の生体情報や、ユーザ情報記憶部121(図4参照)に記憶された疾病が発症したユーザのユーザ情報に基づいて、予測モデル情報記憶部124(図7参照)に記憶された予測モデルM1〜M3を生成する。
【0098】
なお、提供装置100が予測モデルM1〜M3等を外部の情報処理装置から取得する場合、提供装置100は、生成部132を有しなくもよい。
【0099】
(予測部133)
予測部133は、種々の情報を予測する。例えば、予測部133は、生成部132により生成された各種モデルを用いて、種々の情報を予測する。例えば、予測部133は、予測モデル情報記憶部124に記憶された予測モデルM1〜M3等を用いて、ユーザに発症する疾病を予測する。
【0100】
例えば、予測部133は、所定のユーザにおいて発症した疾病と、その疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて生成される予測モデルを用いて、ユーザに発症する疾病を予測する。例えば、予測部133は、所定のユーザにおいて発症した複数の疾病と、各疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて、複数の疾病の各々について生成される複数の予測モデルを用いて、ユーザに発症する疾病を予測する。
【0101】
図1の例では、予測部133は、ユーザU1の予測疾病を予測する。図1の例では、予測部133は、ユーザU1の持病を特定する。図1の例では、予測部133は、ユーザ情報記憶部121に記憶された情報に基づいて、ユーザU1の持病を特定する。
【0102】
図1の例では、予測部133は、ユーザに持病について、各持病に対応する予測モデル及び閾値を用いて、ユーザの予測疾病を予測する。例えば、予測部133は、ある持病に対応する予測モデルにユーザの環境情報や生体情報を入力し、予測モデルが出力した予測スコアとそのユーザのその持病の閾値とに基づいて、その持病がユーザに発症するかどうかを予測する。具体的には、予測部133は、ある持病に対応する予測モデルにユーザの環境情報や生体情報を入力し、予測モデルが出力した予測スコアがそのユーザのその持病の閾値以上である場合、その持病がユーザに発症すると予測する。
【0103】
図1の例では、予測部133は、ユーザU1に持病である頭痛及び腰痛について、各持病に対応する予測モデルM1、M2及び閾値を用いて、ユーザの予測疾病を予測する。図1の例では、予測部133は、ユーザU1に持病である頭痛について、頭痛に対応する予測モデルM1及び閾値「0.5」を用いて、ユーザU1に頭痛が発症するかを予測する。図1の例では、予測部133は、取得部131により取得されたユーザU1の環境情報及び生体情報を予測モデルM1に入力することにより、ユーザU1の頭痛に関する予測スコアを算出する。図1の例では、予測部133は、算出した頭痛に関する予測スコアが閾値「0.5」以上であれば、頭痛をユーザU1の予測疾病として予測する。
【0104】
また、図1の例では、予測部133は、ユーザU1に持病である腰痛について、腰痛に対応する予測モデルM2及び閾値「0.7」を用いて、ユーザU1に腰痛が発症するかを予測する。図1の例では、予測部133は、取得部131により取得されたユーザU1の環境情報及び生体情報を予測モデルM2に入力することにより、ユーザU1の腰痛に関する予測スコアを算出する。図1の例では、予測部133は、算出した腰痛に関する予測スコアが閾値「0.7」以上であれば、腰痛をユーザU1の予測疾病として予測する。
【0105】
図1の例では、予測部133は、頭痛をユーザU1の予測疾病として予測する。また、図1の例では、予測部133は、腰痛をユーザU1の予測疾病ではないと予測する。そのため、図1の例では、予測部133は、ユーザU1の持病のうち、頭痛をユーザU1の予測疾病として予測する。
【0106】
図1の例では、予測部133は、予測疾病「頭痛」に基づいてユーザU1に提供するサービスを決定する。図1の例では、予測部133は、予測疾病「頭痛」に対応する医薬機関に関する情報や自己対処に関する情報等の情報提供サービスをユーザU1に対して行うものとする。図1の例では、予測部133は、ユーザU1に提供する医薬機関に関する情報を決定する。図1の例では、予測部133は、医薬機関情報記憶部125(図8参照)に記憶された医薬機関に関する情報に基づいて、ユーザU1に提供する医薬機関に関する情報を決定する。
【0107】
図1の例では、予測部133は、ユーザU1がエリアAに位置し、予測疾病が頭痛であるため、エリアAに位置し、頭痛に対応可能な医薬機関に関する情報をユーザU1に提供する医薬機関に関する情報として決定する。図1の例では、予測部133は、HA総合病院及びPB薬局に関する情報を、ユーザU1に提供する医薬機関に関する情報として決定する。
【0108】
図1の例では、予測部133は、ユーザU1に提供する自己対処に関する情報を決定する。図1の例では、予測部133は、対処情報記憶部126(図9参照)に記憶された対処情報に関する情報に基づいて、ユーザU1に提供する対処情報に関する情報を決定する。図1の例では、予測部133は、図9に示す対処情報記憶部126においてユーザの予測疾病に対応付けて記憶されたコンテンツを、ユーザU1に提供する自己対処に関する情報として決定する。図1の例では、予測部133は、疾病ID「IL11」により識別される疾病「頭痛」に対応付けて記憶されたコンテンツCT11(図9参照)をユーザU1に提供する自己対処に関する情報として決定する。図1の例では、予測部133は、頭痛を発症しそうなユーザU1に対して、頭痛の予防方法に関する内容が含まれるコンテンツCT11を提供すると決定する。
【0109】
(提供部134)
提供部134は、端末装置10等の外部装置に各種情報を提供する。例えば、提供部134は、生成部132により生成された各種情報を外部装置に提供してもよい。また、提供部134は、予測部133により予測された各種の予測情報を外部装置に提供してもよい。
【0110】
例えば、提供部134は、ユーザに対応付けられた疾病のうち、取得部131により取得された環境情報に基づいて、そのユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供する。例えば、提供部134は、ユーザの生体情報に基づいて、そのユーザに発症すると予測される予測疾病に関するサービスを提供する。例えば、提供部134は、予測部133によりユーザに発症すると予測される予測疾病に関するサービスを提供する。
【0111】
例えば、提供部134は、予測疾病に対する対処に関する情報である対処法情報を提供する。例えば、提供部134は、対処法情報として、ユーザの位置から所定範囲内の医薬機関であって、予測疾病に対応する医薬機関に関する情報を提供する。例えば、提供部134は、対処法情報として、所定のネットワークにおいて取得される予測疾病への対処法に関する情報を提供する。例えば、提供部134は、予測疾病に対応する医療機関の予約サービスを提供する。
【0112】
図1の例では、提供部134は、ユーザU1が利用する端末装置10へ情報提供を行う。図1の例では、提供部134は、医薬機関ID「ES11」により識別されるHA総合病院や医薬機関ID「ES22」により識別されるPB薬局に関する情報や、コンテンツCT11をユーザU1が利用する端末装置10へ提供する。
【0113】
〔3.予測モデルの生成処理のフロー〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る提供システム1による提供処理の手順について説明する。図10は、実施形態に係る予測モデルの生成の一例を示すフローチャートである。具体的には、図10は、予測モデルの生成に関する予測モデルの生成の一例を示すフローチャートである。
【0114】
図10に示すように、提供装置100は、ユーザに疾病が発症した際の環境情報及び生体情報を取得する(ステップS101)。例えば、提供装置100は、環境情報及び生体情報が取得可能な各ユーザについて、ユーザに疾病が発症した際の環境情報及び生体情報を取得する。
【0115】
また、提供装置100は、疾病が発症したユーザのユーザ情報を取得する(ステップS102)。例えば、提供装置100は、ユーザ情報記憶部121(図4参照)から疾病が発症したユーザのユーザ情報を取得する。
【0116】
その後、提供装置100は、ユーザに疾病が発症した際の環境情報及び生体情報と、疾病が発症したユーザのユーザ情報に基づいて、疾病に対応する予測モデルを生成する(ステップS103)。例えば、提供装置100は、環境情報記憶部122(図5参照)に記憶されたユーザに疾病が発症した際の環境情報や、生体情報記憶部123(図6参照)に記憶されたユーザに疾病が発症した際の生体情報や、ユーザ情報記憶部121(図4参照)に記憶された疾病が発症したユーザのユーザ情報に基づいて、疾病に対応する予測モデルを生成する。
【0117】
〔4.提供処理のフロー〕
次に、図11を用いて、実施形態に係る提供システム1による提供処理の手順について説明する。図11は、実施形態に係る提供処理の一例を示すフローチャートである。具体的には、図11は、予測モデルを用いた提供処理の一例を示すフローチャートである。
【0118】
図11に示すように、提供装置100は、ユーザの環境情報及び生体情報を取得した場合(ステップS201:Yes)、ユーザの持病のうち、予測スコアが閾値以上の疾病が有るかどうかを判定する(ステップS202)。図1の例では、提供装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10からユーザU1の環境情報及び生体情報を取得する。そして、提供装置100は、予測モデル情報記憶部124(図7参照)に記憶された予測モデルのうち、ユーザ情報記憶部121(図4参照)に記憶されたユーザU1の持病に対応する予測モデルを用いて、ユーザU1の持病の予測スコアを算出する。そして、提供装置100は、ユーザU1の持病のうち、予測スコアが閾値以上の疾病が有るかどうかを判定する。
【0119】
そして、ユーザの持病のうち、予測スコアが閾値以上の疾病が有る場合(ステップS202:Yes)、提供装置100は、予測スコアが閾値以上の疾病に関するサービスを提供する(ステップS203)。
【0120】
また、提供装置100は、ユーザの環境情報及び生体情報を取得ていない場合(ステップS201:No)や、ユーザの持病のうち、予測スコアが閾値以上の疾病がない場合(ステップS202:No)、ステップS201に戻って処理を繰り返す。
【0121】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る提供装置100は、取得部131と、提供部134とを有する。取得部131は、ユーザの環境に関する環境情報を取得する。提供部134は、ユーザに対応付けられた疾病のうち、取得部131により取得された環境情報に基づいて、当該ユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供する。
【0122】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、ユーザに対応付けられた疾病のうち、ユーザの環境情報に基づいて、当該ユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0123】
また、実施形態に係る提供装置100において、取得部131は、ユーザが位置する地点の気象に関する気象情報を含む環境情報を取得する。
【0124】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、ユーザが位置する地点の気象に関する気象情報を含む環境情報に基づいて、当該ユーザに発症すると予測される疾病である予測疾病に関するサービスを提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0125】
また、実施形態に係る提供装置100において、取得部131は、ユーザの生体情報を取得する。提供部134は、ユーザの生体情報に基づいて、当該ユーザに発症すると予測される予測疾病に関するサービスを提供する。
【0126】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、ユーザの生体情報に基づいて、当該ユーザに発症すると予測される予測疾病に関するサービスを提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0127】
また、実施形態に係る提供装置100は、予測部133を有する。予測部133は、所定のユーザにおいて発症した疾病と、当該疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて生成される予測モデルを用いて、ユーザに発症する疾病を予測する。提供部134は、予測部133によりユーザに発症すると予測される予測疾病に関するサービスを提供する。
【0128】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、所定のユーザにおいて発症した疾病と、当該疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて生成される予測モデルを用いて、当該ユーザに発症すると予測される予測疾病に関するサービスを提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0129】
また、実施形態に係る提供装置100において、予測部133は、所定のユーザにおいて発症した複数の疾病と、各疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて、複数の疾病の各々について生成される複数の予測モデルを用いて、ユーザに発症する疾病を予測する。
【0130】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、所定のユーザにおいて発症した複数の疾病と、各疾病の発症時における所定のユーザの生体情報及び環境情報とに基づいて、複数の疾病の各々について生成される複数の予測モデルを用いて、ユーザに発症する疾病を予測することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0131】
また、実施形態に係る提供装置100において、提供部134は、予測疾病に対する対処に関する情報である対処法情報を提供する。
【0132】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、予測疾病に対する対処に関する情報である対処法情報を提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0133】
また、実施形態に係る提供装置100において、提供部134は、対処法情報として、ユーザの位置から所定範囲内の医薬機関であって、予測疾病に対応する医薬機関に関する情報を提供する。
【0134】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、対処法情報として、ユーザの位置から所定範囲内の医薬機関であって、予測疾病に対応する医薬機関に関する情報を提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0135】
また、実施形態に係る提供装置100において、提供部134は、対処法情報として、所定のネットワークにおいて取得される予測疾病への対処法に関する情報を提供する。
【0136】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、対処法情報として、所定のネットワークにおいて取得される予測疾病への対処法に関する情報を提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0137】
また、実施形態に係る提供装置100において、提供部134は、予測疾病に対応する医療機関の予約サービスを提供する。
【0138】
これにより、実施形態に係る提供装置100は、予測疾病に対応する医療機関の予約サービスを提供することにより、ユーザに応じて疾病に関するサービスを適切に提供することができる。
【0139】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る提供装置100は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図12は、提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0140】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0141】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0142】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0143】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0144】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0145】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0146】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0147】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0148】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0149】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0150】
1 提供システム
100 提供装置
121 ユーザ情報記憶部
122 環境情報記憶部
123 生体情報記憶部
124 予測モデル情報記憶部
125 医薬機関情報記憶部
126 対処情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 生成部
133 予測部
134 提供部
10 端末装置
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12