特許第6533310号(P6533310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6533310充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533310
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/04 20060101AFI20190610BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20190610BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20190610BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20190610BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20190610BHJP
【FI】
   H01M2/04 F
   H02J7/02 V
   H02J7/00 301
   H01M2/08 S
   H01M10/058
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-562345(P2017-562345)
(86)(22)【出願日】2015年12月8日
(65)【公表番号】特表2018-518808(P2018-518808A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】CN2015096610
(87)【国際公開番号】WO2016197565
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2018年1月25日
(31)【優先権主張番号】201510324116.5
(32)【優先日】2015年6月12日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520406542.9
(32)【優先日】2015年6月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517413144
【氏名又は名称】福建南平南孚電池有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】常 海涛
(72)【発明者】
【氏名】陳 進添
(72)【発明者】
【氏名】蘇 盛
(72)【発明者】
【氏名】叶 永鋒
(72)【発明者】
【氏名】余 佑鋒
(72)【発明者】
【氏名】徐 小春
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−031258(JP,U)
【文献】 特開2008−181855(JP,A)
【文献】 特開2007−305323(JP,A)
【文献】 特表2003−516604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/04
H01M 2/08
H01M 10/058
H02J 7/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電気化学電池の電池ケースの開口部を封止し、負極キャップと、回路基板モジュールと、絶縁ワッシャとを備える充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体であって、
前記負極キャップが前記電池封口体の最外側に位置し、前記回路基板モジュールは、前記負極キャップの内側に位置し、前記負極キャップと連結部を介して連結され、
前記回路基板モジュールの上の前記負極キャップのエッジに対応する箇所に、前記充電指示ランプが設置され、
前記負極キャップのエッジに前記充電指示ランプの光透過口である切欠を含み、前記切欠により、前記負極キャップと前記回路基板モジュールとの連結箇所が形状として「C」字形の環状構造になり、前記切欠は、前記充電指示ランプを露出するように、前記負極キャップの高さ以下の所定の高さを有し、かつ前記回路基板モジュールの上の前記充電指示ランプに対応する位置に設けられ、
前記絶縁ワッシャは、前記電池ケースと、前記回路基板モジュールと前記負極キャップとの隙間に配置され、一部分によって前記回路基板モジュールを押圧して固定し、他の部分によって前記電池ケースと前記負極キャップを引き離す、可撓性及び弾性を持ち、断面がクランク形状の環状の絶縁ガスケットであって、前記絶縁ワッシャは、前記充電指示ランプの光透過口を完全に覆い、前記負極キャップと、前記電池ケースと、前記回路基板モジュールとを封止し、前記絶縁ワッシャの材料として、前記充電指示ランプからの光が前記絶縁ワッシャ全体を透過するように、透光材料を使用する、充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項2】
前記充電指示ランプの色は、少なくとも一色である、請求項1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項3】
前記充電指示ランプの色が一色である場合、前記充電指示ランプは、充電中に点灯し、充電完了時に消灯する、請求項2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項4】
前記充電指示ランプの色が二色である場合、前記充電指示ランプは、充電中に一色で点灯し、充電完了時に他方の一色で点灯する、請求項2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項5】
充電中に、故障により充電が正常に行われなくなった場合、前記充電指示ランプが点滅する、請求項2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項6】
充電中の前段、中段、後段の3つの期間の経過に従って、前記充電指示ランプの点滅頻度が徐々に低減し、充電が完了すると、前記充電指示ランプが点灯する、請求項2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項7】
前記回路基板モジュールと前記負極キャップは、半田付けによって連結される、請求項1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項8】
前記回路基板モジュールの回路の負極出力端は、負極出力と回路の接地とが同一線に配置されるように、前記負極キャップと回路基板との連結箇所に設置される、請求項1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項9】
前記絶縁ワッシャと前記電池ケースの内部との接触箇所は、前記電池ケースの円弧構造に対応する円弧形である、請求項1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【請求項10】
請求項1に記載の電池封口体を含む二次電気化学電池であって、前記封口体が、前記二次電気化学電池の電池ケースの開口部を封止し、前記二次電気化学電池は、さらにセルと正極キャップとを備え、
前記正極キャップと前記電池ケースとが連結されて前記二次電気化学電池の正極を構成し、
前記セルが、前記正極キャップと前記回路基板モジュールとの間に位置するように、前記電池ケース内に設置される、充電指示ランプ付きの二次電気化学電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関し、具体的には、充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池(充電電池とも言う)は、様々な携帯式電気機器や電子機器、例えばおもちゃ、手持ち機器などに広く利用され、二次電池の蓄積エネルギー量に対する要望が益々高くなっている。リチウムイオン二次電池は、高エネルギー量を有し、放電性能が高効率であり、環境負荷が低いなどの利点を有するので、上記の分野において、広く利用されている。
【0003】
充電電池は、望ましい動作効果を得るために、他の機能を持つ集積回路チップと協働して動作することが多い。通常、充電電池は、充電電池と集積回路チップが、個別にパッケージされ回路基板やリード線を介して連結されて、一体にされてから使用される。このような構成は、周辺素子の数が多く、生産工程が煩雑で、コストが高く、かつ充電電池と集積回路チップの体積が大きく、性能が低下するので、小型化や微細化にとって不利である。
【0004】
リチウムイオン二次電池のパッケージを行う場合、リチウムイオン二次電池における各部分の占有空間は、ほぼ一定であり、ポリマーセルの内部に、正極板とセパレータと負極板を含み、かつ正極板のセパレータから離反する一端にパッケージ用の所定の高さのセルトップシールを有するので、ポリマーセルにおけるセルトップシールの高さの占有分、ポリマーセルの内部の有効空間が減少する。ポリマーセルの空間利用率は、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度及び容量と密接な関係にあるので、一般的に、ポリマーセルの空間利用率が大きいほど、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度及び容量も大きく、よって、従来のリチウムイオン二次電池には、ポリマーセルの空間利用率が低いことによる、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度及び容量が低いという問題がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体を提供し、前記封口体が前記二次電気化学電池の電池ケースの開口部を封止し、前記封口体は、負極キャップと、回路基板モジュールと、絶縁ワッシャとを備え、前記負極キャップが前記封口体の最外側に位置し、前記回路基板モジュールは、前記負極キャップの内側に位置し、前記負極キャップと連結部を介して連結され、前記回路基板モジュールの上の前記負極キャップのエッジに対応する箇所に、前記充電指示ランプが設置され、前記負極キャップと前記回路基板モジュールとの連結箇所が形状として「C」字形の環状構造になり、前記負極キャップのエッジに前記充電指示ランプの光透過口である切欠を含み、前記切欠は、前記充電指示ランプを露出するように、前記負極キャップの高さ以下の所定の高さを有し、かつ前記回路基板モジュールの上の前記充電指示ランプに対応する位置に設けられ、前記絶縁ワッシャは、前記電池ケースと、前記回路基板モジュールと前記負極キャップとの隙間に配置され、一部分によって前記回路基板モジュールを押圧して固定し、他の部分によって前記電池ケースと前記負極キャップとを引き離す、可撓性及び弾性を持つ環状の絶縁ガスケットであって、前記絶縁ワッシャは、前記充電指示ランプの光透過口を完全に覆い、前記負極キャップと、前記電池ケースと、前記回路基板モジュールとを封止し、前記絶縁ワッシャの材料として、前記充電指示ランプからの光が前記絶縁ワッシャ全体を透過するように、透光材料を使用する。
【0006】
好ましくは、前記充電指示ランプの色は、少なくとも一色である。
【0007】
好ましくは、前記充電指示ランプの色が一色である場合、前記充電指示ランプは、充電中に点灯し、充電完了時に消灯する。
【0008】
好ましくは、前記充電指示ランプの色が二色である場合、前記充電指示ランプは、充電中に一色で点灯し、充電完了時に他方の一色で点灯する。
【0009】
好ましくは、充電中に、故障により充電が正常に行われなくなった場合、前記充電指示ランプは点滅する。
【0010】
好ましくは、充電中の前段、中段、後段の3つの期間の経過に従って、前記充電指示ランプの点滅頻度が徐々に低減し、充電が完了すると、前記充電指示ランプが点灯する。
【0011】
好ましくは、前記回路基板モジュールと前記負極キャップは、半田付けによって連結される。
【0012】
好ましくは、前記回路基板モジュールの回路の負極出力端は、負極出力と回路接地とが同一線に配置されるように、前記負極キャップと回路基板との連結箇所に設置される。
【0013】
好ましくは、前記絶縁ワッシャと前記電池ケースの内部との接触箇所は、前記電池ケースの円弧構造に対応する円弧形である。
【0014】
好ましくは、前記封口体が、前記二次電気化学電池の電池ケースの開口部を封止し、前記電池は、さらにセルと正極キャップとを備え、前記正極キャップと前記電池ケースとが連結されて前記二次電池の正極を構成し、前記セルが、前記正極キャップと前記回路基板モジュールとの間に位置するように、前記電池ケースの内に設置される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体によれば、部品構造の設計が巧妙であり、合理的で、電気化学電池の回路基板上に充電指示ランプが設置され、かつ電池の負極の絶縁ワッシャが透光性であるので、電池の充電中に絶縁ワッシャ全体が光を透過させ、より容易に充電提示光を見ることができる。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の更なる目的、作用及び効果が本発明の実施の形態の説明によって、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1a】本発明の電気化学電池用の封口体部品の断面分解図である。
図1b】本発明の電気化学電池用の封口体部品の斜視図である。
図1c】本発明の電気化学電池用の封口体部品の平面図である。
図2a】本発明の電気化学電池の構造を模式的に示す模式図である。
図2b】本発明の電気化学電池の分解斜視図である。
図2c図1aのA−A方向に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態を参照することによって、本発明の目的及び作用並びにこれらの目的及び作用を実現するための方法を説明する。しかしながら、本発明は、以下のような実施の形態で限定されるものではなく、他の形態で実現され得る。明細書は、当業者が本発明の具体内容を統合して理解することに寄与するものである。
【0019】
前記の概略説明及び以下の詳しい説明は、すべて例示的な説明及び解釈であり、特許請求の範囲の発明を制限するものではないことが、理解される。
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。図面では、同一または類似の部材、或は同一または類似の工程に、同一の符号を付している。
【0021】
本発明は、充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体を提供する。図1aは、本発明の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体100の断面分解図である。図1bは、本発明の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体部品100の斜視図である。図1aに示すように、封口体部品100は、負極キャップ101と、絶縁ワッシャ102と、回路基板モジュール103とを備える。負極キャップ101は、電池封口体100の最外側に位置し、回路基板モジュール103は、負極キャップ101の内側に位置し、連結部を介して、負極キャップ101に連結される。絶縁ワッシャ102は、回路基板モジュール103と負極キャップ101との隙間に配置される。
【0022】
回路基板モジュール103上の負極キャップ101のエッジに対応する箇所に、充電指示ランプ105が設置される。充電指示ランプ105は、少なくとも1色の指示ランプである。充電指示ランプ105の色が一色であるの場合、充電指示ランプ105は、充電中に点灯し、充電完了時に消灯し、充電指示ランプ105の色が二色である場合、充電指示ランプ105は、充電中に一色で点灯し、充電完了時に他方の一色で点灯する。電池の充電中に、故障により充電が正常に行われなくなった場合、充電指示ランプは、例えば1秒ごとに5回点滅する。充電中の前段(例えば30%)、中段(例えば30%−60%)、後段(例えば60%−99%)の3つの期間の経過に従って、充電指示ランプの点滅頻度は徐々に低減し、充電が完了すると、充電指示ランプは点灯する。例えば、充電中の電池容量が30%になるまでに、充電指示ランプ105は1秒ごとに3回点滅し、容量が30%−60%である期間、充電指示ランプ105は1秒ごとに2回点滅し、容量が60%−99%である期間、充電指示ランプ105は1秒ごとに1回点滅し、満充電の場合、充電指示ランプ105は点灯する。
【0023】
負極キャップ101と回路基板モジュール103との連結箇所は、形状として「C」字形の環状構造になり、つまり、負極キャップのエッジに、充電指示ランプ105の光透過口である切欠104を含み、切欠104は、充電指示ランプ105を露出するように、負極キャップの高さ以下の所定の高さを有し、かつ回路基板モジュール103上の充電指示ランプ105に対応する位置に設けられる。絶縁ワッシャ102は、可撓性及び弾性を持つ環状の絶縁ガスケットであって、充電指示ランプ105の光透過口を完全に覆うことができ(図1cに示すように)、絶縁ワッシャ102の材料として、充電指示ランプ105からの光が絶縁ワッシャ全体を透過できるように、透光材料が使用される。
【0024】
図2a、2bは、それぞれ、本発明の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体を含む電気化学電池200の模式図及び分解斜視図である。図2a、2bに示すように、電気化学電池100は、電池ケース201と、電池ケース201内に設置されるセル202と、負極キャップ203と、セル202と負極キャップ203との間の空間に設置される回路基板モジュール204と、正極キャップ205とを備える。セル202は、電池ケース201によって外装され、かつ正極キャップ205と回路基板モジュール204の間に位置する。電池ケース201は、円筒体または直方体構造の金属製の筐体であって、正極を出力し、回路基板モジュール204を固定する。本発明の一実施例によれば、正極キャップ205が右旋回して電池ケース201と共に一体的な構造になり、二次電池200の正極を構成する。
【0025】
回路基板モジュール204は、少なくとも1層のプリント配線板(PCB)であって、電気化学電池200に対して負極キャップ203に対向する第1の面と、電気化学電池200に対してセル202に対向する第2の面とを有する。PCBは、その上に配線パターンが印刷された回路基板であって、電池200のケースの内径と概ね対応する寸法を有する。複数のプリント配線及び部品が、回路基板モジュール204の第1の面または第2の面に配置されている。
【0026】
回路基板モジュール204は、電池200の負極キャップ203側に寄って、セル202と負極キャップ203との間に位置する。回路基板モジュール204上に、負極キャップ203を回路基板モジュール204上に固定するように、連結部が設けられ、例えば、負極キャップ203を半田付けによって回路基板モジュール204上に連結してもよく、係止などによって固定してもよい。回路基板モジュール204の回路の負極出力端は、負極出力と回路接地とが同一線に配置されるように、負極キャップ203と回路基板との連結箇所に設置される。
【0027】
回路基板モジュール204とセル202との間に、電池の正極と負極をそれぞれ引き出すために、電極連結線208a、208bが設置され、208aは正極連結線で、208bは負極連結線である。図2cは、図2aのA−A方向に沿う断面図である。回路基板モジュール204と電池ケース201の間、負極キャップ203と電池ケース201の間に、絶縁ワッシャ206が設置される。絶縁ワッシャ206は、可撓性及び弾性を持つ環状の絶縁ガスケットであって、絶縁ワッシャ206によって第1の電極である電池ケース201と第2の電極である負極キャップ203とを引き離すことができ、かつ、絶縁ワッシャ206によって、回路基板モジュール204を押圧して固定し、電池ケース201と負極キャップ203との間の隙間を封止できる。具体的には、図2cに示すように、絶縁ワッシャ206の一部分によって、回路基板モジュール204をターン207と電池ケース201の間に押圧して固定し、他の部分によって、電池ケース201と負極キャップ203とを引き離す。
【0028】
電池ケース201の外表面上の、セル202とプリント配線板206の間に対応する位置に、内方へ窪み一周する環状凹部であるターン207が設けられる。セル202が、正極キャップ205とターン207の間に位置するように、電池ケース201内に設置される。絶縁ワッシャ206とターン207が設置されることによって、回路基板モジュール204が電池ケース201の環状凹部と電池ケース201の底部の間に固定され、これによって、電池ケース201と負極キャップ203の連結が、半田付けに依らずに行われる。
【0029】
ターン207構造が、回路基板モジュール204を位置決めするために設置され、具体的に、回路基板モジュール204の直径の大きさがターン207構成の環状凹部の内径と電池ケース201の内径の間に設定され、電池を組み立てる場合、まずセル202を電池ケース201中に設置してから、回路基板モジュール204を電池ケース201中に組み立て、回路基板モジュール204が以上のような大きさを有するので、回路基板モジュール204がターン207構造に引っ掛り、セル202との接続を避け、そして、絶縁ワッシャ206によって、電池ケース201と負極キャップ203とを引き離し、電池200の組み立てが完了する。上記の構造によれば、回路基板モジュール204が、ターン207構造により電池ケース201の内部に1つの密閉空間を形成してセル202を収容することによって、セル202の体積を増加でき、二次電池の容量を高めることができる。なお、セル202は、密閉構造であり、その内部から正極と負極が引き出され、対応する電池の正極と負極に接続されて、動作することが好ましい。
【0030】
また、電池ケース201の表面からの、ターン207の凹部の深さは0.2〜1.2mmであることが好ましい。
【0031】
本発明の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体によれば、部品構造の設計が巧妙であり、合理的で、電気化学電池の回路基板上に充電指示ランプが設置され、かつ電池の負極の絶縁ワッシャが透光性であるので、電池の充電中に絶縁ワッシャ全体が光を透過させ、より容易に充電提示光を見ることができる。
【0032】
今回開示した本発明の説明及び実施例によれば、当業者が本発明の他の実施例を容易に想定又は理解できる。説明及び実施例は単に例示的なものであって、本発明の範囲及び趣旨は特許請求の範囲により限定される。
【0033】
(付記)
(付記1)
二次電気化学電池の電池ケースの開口部を封止し、負極キャップと、回路基板モジュールと、絶縁ワッシャとを備える充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体であって、
前記負極キャップが前記電池封口体の最外側に位置し、前記回路基板モジュールは、前記負極キャップの内側に位置し、前記負極キャップと連結部を介して連結され、
前記回路基板モジュールの上の前記負極キャップのエッジに対応する箇所に、前記充電指示ランプが設置され、
前記負極キャップと前記回路基板モジュールとの連結箇所が形状として「C」字形の環状構造になり、前記負極キャップのエッジに前記充電指示ランプの光透過口である切欠を含み、前記切欠は、前記充電指示ランプを露出するように、前記負極キャップの高さ以下の所定の高さを有し、かつ前記回路基板モジュールの上の前記充電指示ランプに対応する位置に設けられ、
前記絶縁ワッシャは、前記電池ケースと、前記回路基板モジュールと前記負極キャップとの隙間に配置され、一部分によって前記回路基板モジュールを押圧して固定し、他の部分によって前記電池ケースと前記負極キャップを引き離す、可撓性及び弾性を持つ環状の絶縁ガスケットであって、前記絶縁ワッシャは、前記充電指示ランプの光透過口を完全に覆い、前記負極キャップと、前記電池ケースと、前記回路基板モジュールとを封止し、前記絶縁ワッシャの材料として、前記充電指示ランプからの光が前記絶縁ワッシャ全体を透過するように、透光材料を使用する、充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0034】
(付記2)
前記充電指示ランプの色は、少なくとも一色である、付記1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0035】
(付記3)
前記充電指示ランプの色が一色である場合、前記充電指示ランプは、充電中に点灯し、充電完了時に消灯する、付記2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0036】
(付記4)
前記充電指示ランプの色が二色である場合、前記充電指示ランプは、充電中に一色で点灯し、充電完了時に他方の一色で点灯する、付記2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0037】
(付記5)
充電中に、故障により充電が正常に行われなくなった場合、前記充電指示ランプが点滅する、付記2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0038】
(付記6)
充電中の前段、中段、後段の3つの期間の経過に従って、前記充電指示ランプの点滅頻度が徐々に低減し、充電が完了すると、前記充電指示ランプが点灯する、付記2に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0039】
(付記7)
前記回路基板モジュールと前記負極キャップは、半田付けによって連結される、付記1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0040】
(付記8)
前記回路基板モジュールの回路の負極出力端は、負極出力と回路の接地とが同一線に配置されるように、前記負極キャップと回路基板との連結箇所に設置される、付記1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0041】
(付記9)
前記絶縁ワッシャと前記電池ケースの内部との接触箇所は、前記電池ケースの円弧構造に対応する円弧形である、付記1に記載の充電指示ランプ付きの二次電気化学電池封口体。
【0042】
(付記10)
付記1に記載の電池封口体を含む二次電気化学電池であって、前記封口体が、前記二次電気化学電池の電池ケースの開口部を封止し、前記電池は、さらにセルと正極キャップとを備え、
前記正極キャップと前記電池ケースとが連結されて前記二次電池の正極を構成し、
前記セルが、前記正極キャップと前記回路基板モジュールとの間に位置するように、前記電池ケース内に設置される、充電指示ランプ付きの二次電気化学電池。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c