特許第6533338号(P6533338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6533338ディスク搬送装置、ディスク収納装置及びディスク搬送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533338
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】ディスク搬送装置、ディスク収納装置及びディスク搬送方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 17/22 20060101AFI20190610BHJP
   G11B 23/023 20060101ALI20190610BHJP
   G11B 23/03 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   G11B17/22
   G11B23/023 601B
   G11B23/03 602H
   G11B23/03 603A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-518045(P2018-518045)
(86)(22)【出願日】2016年5月20日
(86)【国際出願番号】JP2016065032
(87)【国際公開番号】WO2017199430
(87)【国際公開日】20171123
【審査請求日】2018年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】510130675
【氏名又は名称】パイオニアデジタルデザインアンドマニュファクチャリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】星仲 英司
(72)【発明者】
【氏名】石井 克美
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 彰
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀夫
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−110068(JP,A)
【文献】 特開平10−040634(JP,A)
【文献】 特開平10−040619(JP,A)
【文献】 特開平09−320165(JP,A)
【文献】 特開2001−250310(JP,A)
【文献】 特開2000−207806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 17/22
G11B 23/023
G11B 23/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のディスクドライブと、
複数枚のディスクを、互いに接しないように、積層状態で保持する収納部と、
前記複数枚のディスク相互の間隔を維持しつつ、前記複数枚のディスクを前記収納部から取り出し、前記取り出された複数枚のディスクを、夫々、前記複数のディスクドライブに搬送する搬送部と、
を備え
前記収納部は、夫々、長手方向に延びる螺旋状の溝部が形成された複数のガイド部材を有し、
前記複数枚のディスク各々の端部は、前記複数のガイド部材各々の溝部により支持されており、
前記搬送部は、前記複数のディスクドライブのうち一のディスクドライブのトレイ上に配置されたディスクの端部に、前記複数のガイド部材を接触させ、前記長手方向に延びる軸を中心として一の回転方向とは反対方向に前記複数のガイド部材を回転することにより、前記配置されたディスクを回収する
ことを特徴とするディスク搬送装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記軸まわりに前記複数のガイド部材を回転することにより、前記複数枚のディスク各々を、前記複数のディスクドライブ各々のトレイ上に配置することを特徴とする請求項に記載のディスク搬送装置。
【請求項3】
前記搬送部は、前記軸を中心として前記一の回転方向に前記複数のガイド部材を回転することにより、前記複数枚のディスクのうち最も下に位置するディスクを、前記一のディスクドライブのトレイ上に配置することを特徴とする請求項に記載のディスク搬送装置。
【請求項4】
前記複数のガイド部材各々は、前記長手方向に延びる貫通孔を有しており、
前記搬送部は、前記貫通孔に挿入され、前記貫通孔と嵌合する嵌合部を有する
ことを特徴とする請求項に記載のディスク搬送装置。
【請求項5】
複数のディスクドライブと、複数枚のディスクを、互いに接しないように、積層状態で保持する収納部と、を備え、前記収納部は、夫々、長手方向に延びる螺旋状の溝部が形成された複数のガイド部材を有し、前記複数枚のディスク各々の端部は、前記複数のガイド部材各々の溝部により支持されているディスク搬送装置におけるディスク搬送方法であって、
前記複数枚のディスク相互の間隔を維持しつつ、前記複数枚のディスクを前記収納部から取り出し、前記取り出された複数枚のディスクを、夫々、前記複数のディスクドライブに搬送する工程と、
前記複数のディスクドライブのうち一のディスクドライブのトレイ上に配置されたディスクの端部に、前記複数のガイド部材を接触させ、前記長手方向に延びる軸を中心として一の回転方向とは反対方向に前記複数のガイド部材を回転することにより、前記配置されたディスクを回収する工程と、
を有することを特徴とするディスク搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のディスクドライブにディスクを搬送するディスク搬送装置、複数枚のディスクを収納するディスク収納装置、及びディスク搬送方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、例えば、複数枚のディスクが互いに接するように積層された状態で、各ディスクに設けられた中心穴に挿入されるスピンドルユニットを備え、該スピンドルユニットが有する第1及び第2の支持爪がスピンドルユニットの内側と外側との間で進退移動することにより、複数枚のディスクから1枚のディスクを分離する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−13639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、複数枚のディスクが互いに接するように積層されているので、ディスクの記録面が傷つきやすい、更に、静電気によりディスクの分離が困難になる、可能性がある。加えて、特許文献1に記載の技術では、ディスクの分離動作が比較的複雑であったり、ディスクを分離するための機構を構成する部品点数が比較的多くなったりする可能性もある。
【0005】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、ディスクの記録面の傷つき及び静電気によるディスク同士の張り付きを抑制すると共に、比較的簡便な構成によりディスクを分離することができるディスク搬送装置、ディスク収納装置及びディスク搬送方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のディスク搬送装置は、上記課題を解決するために、複数のディスクドライブと、複数枚のディスクを、互いに接しないように、積層状態で保持する収納部と、前記複数枚のディスク相互の間隔を維持しつつ、前記複数枚のディスクを前記収納部から取り出し、前記取り出された複数枚のディスクを、夫々、前記複数のディスクドライブに搬送する搬送部と、を備える。
【0007】
本発明のディスク収納装置は、上記課題を解決するために、夫々螺旋状の溝部が形成された複数のガイド部材を備え、前記複数のガイド部材は、前記溝部により複数枚のディスク各々の端部を支持することによって、前記複数枚のディスクを、互いに接しないように、積層状態で保持する。
【0008】
本発明のディスク搬送方法は、上記課題を解決するために、複数のディスクドライブと、複数枚のディスクを、互いに接しないように、積層状態で保持する収納部と、を備えるディスク搬送装置におけるディスク搬送方法であって、前記複数枚のディスク相互の間隔を維持しつつ、前記複数枚のディスクを前記収納部から取り出し、前記取り出された複数枚のディスクを、夫々、前記複数のディスクドライブに搬送する工程を有する。
【0009】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例に係るディスク搬送装置を示す斜視図である。
図2】実施例に係るマガジンの構造を示す斜視図である。
図3】実施例に係るリフター部の構造を示す斜視図である。
図4】実施例に係るスクリューガイド及びスクリューコアを示す図である。
図5】ディスク搬送時の状態を示す部分断面図である。
図6】ディスクを分離するときのスクリューガイドの動作を示す図である。
図7】ディスクを回収するときのスクリューガイドの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のディスク搬送装置、ディスク収納装置及びディスク搬送方法各々に係る実施形態を説明する。
【0012】
(ディスク搬送装置)
実施形態に係るディスク搬送装置は、複数のディスクドライブと、複数枚のディスク(即ち、ディスク状の記録媒体)を、互いに接しないように、積層状態で保持する収納部と、複数枚のディスク相互の間隔を維持しつつ、複数枚のディスクを収納部から取り出し、該取り出された複数枚のディスクを、夫々、複数のディスクドライブに搬送する搬送部と、を備える。
【0013】
当該ディスク搬送装置では、収納時及び搬送時の両方で、複数枚のディスクが互いに接しないように、複数枚のディスク相互の間隔が維持される。このため、本実施形態によれば、ディスクの記録面の傷つきを抑制することができる。加えて、ディスクが互いに接しないので、静電気によりディスク同士が張り付くことはない。また、ディスクをディスクドライブのトレイ上に配置する際には、ディスク同士を容易に分離することが可能となる。また、比較的簡易な構成で複数枚のディスクを保持及び分離できるため、部品点数を削減することができる。
【0014】
実施形態に係るディスク搬送装置の一態様では、収納部は、夫々、長手方向に延びる螺旋状の溝部が形成された複数のガイド部材を有する。複数枚のディスク各々の端部は、複数のガイド部材各々の溝部により支持されている。
【0015】
この態様によれば、比較的容易にして、ディスク同士の接触を防止しつつ、複数枚のディスクを積層状態で保持することができる。
【0016】
収納部が複数のガイド部材を有する態様では、搬送部は、上記長手方向に延びる軸まわりに複数のガイド部材を回転することにより、複数枚のディスク各々を、複数のディスクドライブ各々のトレイ上に配置してよい。
【0017】
この態様では、搬送部は、上記軸を中心として一の回転方向に複数のガイド部材を回転することにより、複数枚のディスクのうち最も下に位置するディスクを、複数のディスクドライブのうち一のディスクドライブのトレイ上に配置してよい。
【0018】
この態様では、更に、搬送部は、一のディスクドライブのトレイ上に配置されたディスクの端部に、複数のガイド部材を接触させ、上記軸を中心として一の回転方向とは反対方向に複数のガイド部材を回転することにより、配置されたディスクを回収してよい。
【0019】
このように構成すれば、比較的容易にして、ディスクをディスクドライブのトレイ上に配置すること、及びトレイ上に配置されたディスクを回収することができる。
【0020】
収納部が複数のガイド部材を有する態様では、複数のガイド部材各々は、長手方向に延びる貫通孔を有しており、搬送部は、貫通孔に挿入され、該貫通孔と嵌合する嵌合部を有してよい。
【0021】
このように構成すれば、積層状態で収納されている複数枚のディスクを、そのまま、収納部から取り出すことができ、実用上非常に有利である。
【0022】
(ディスク収納装置)
実施形態に係るディスク収納装置は、夫々、長手方向に延びる螺旋状の溝部が形成された複数のガイド部材を備える。該複数のガイド部材は、上記溝部により複数枚のディスク各々の端部を支持することによって、複数枚のディスクを、互いに接しないように、積層状態で保持する。
【0023】
実施形態に係るディスク収納装置によれば、上述した実施形態に係るディスク搬送装置と同様に、ディスクの記録面の傷つきを抑制すると共に、静電気によるディスク同士の張り付きを抑制することができる。
【0024】
(ディスク搬送方法)
実施形態に係るディスク搬送方法は、複数のディスクドライブと、複数枚のディスクを、互いに接しないように、積層状態で保持する収納部と、を備えるディスク搬送装置におけるディスク搬送方法である。当該ディスク搬送方法は、複数枚のディスク相互の間隔を維持しつつ、複数枚のディスクを収納部から取り出し、該取り出された複数枚のディスクを、夫々、複数のディスクドライブに搬送する工程を有する。
【0025】
実施形態に係るディスク搬送方法によれば、上述した実施形態に係るディスク搬送装置と同様に、ディスクの記録面の傷つきを抑制すると共に、静電気によるディスク同士の張り付きを抑制することができる。尚、実施形態に係るディスク搬送方法においても、上述した実施形態に係るディスク搬送装置の各種態様と同様の各種態様を採ることができる。
【実施例】
【0026】
本発明のディスク搬送装置に係る実施例を図面に基づいて説明する。
【0027】
(装置構成)
図1においてディスク搬送装置1は、リフター部10、2つのマガジン20、12台の光ディスクドライブ30、マザーボード41、メカコントロール基板42及びキャリア部43を備えて構成されている。
【0028】
各マガジン20は、図2に示すように、マガジンケース21と、複数枚(本実施例では、12枚)の光ディスク50を収納するマガジンベース22と、光ディスク50が互いに接しないように、該光ディスク50を積層状態で保持する2つのスクリューガイド23と、を備えている。各マガジン20のマガジンベース22は、キャリア部43により、リフター部10直下まで搬送される。
【0029】
リフター部10は、図3に示すように、リフターアッセンブリ10a及びリフターユニット部10bを備えている。リフターユニット部10bは、ボールねじ14を有している。リフターアッセンブリ10aは、ボールねじ14の回転に伴い、上下(即ち、図1におけるz軸方向)に移動される。
【0030】
リフターアッセンブリ10aは、光ディスク50のセンターホールに挿入されるセンターガイド11と、夫々対応するスクリューガイド23と嵌合する2つのスクリューコア12と、マガジンベース22とリフターアッセンブリ10aとの位置合わせに用いられる2つのマガジンガイド13とを有する。
【0031】
各光ディスクドライブ30は、光ディスク50に対して情報の記録又は再生を行う装置である。各光ディスクドライブ30は、トレイを用いて光ディスク50をローディングするトレイ方式の光ディスクドライブである。各光ディスクドライブ30は、図1に示すように、z軸方向に積層されている。本実施例では、積層された6台の光ディスクドライブ30を1ユニットとして、2つのユニットが互いに対向するように配置される。2つのユニットの間を、リフターアッセンブリ10aが上下移動するように、リフター部10が配置される。
【0032】
マザーボード41及びメカコントロール基板42は、リフター部10、光ディスクドライブ30及びキャリア部43の制御、並びにマガジン20の管理、等を行う。以降の説明では、マザーボード41及びメカコントロール基板42を、適宜「制御部」と称する。
【0033】
当該ディスク搬送装置1は、マガジン20内に収納された12枚の光ディスク50を常にひとまとまりとして取り扱う。12台の光ディスクドライブ30各々に光ディスク50が搬送され、各光ディスクドライブ30により光ディスク50の記録又は再生が行われることにより、大容量データの記録を可能とすると共に、記録されたデータに比較的高速にアクセスすることができる。
【0034】
(装置動作)
当該ディスク搬送装置1の動作時には、制御部は、2つのマガジン20のうち1つのマガジン20を選択する。続いて、制御部は、選択されたマガジン20のマガジンケース21からマガジンベース22を引き出し、該マガジンベース22をリフター部10直下まで搬送するように、キャリア部43を制御する。尚、マガジンベース22の位置は、キャリア部43に設けられた位置センサにより検出される。
【0035】
マガジンベース22がリフター部10の直下まで搬送された後、制御部は、リフターアッセンブリ10aが、マガジンベース22まで下降するようにリフター部10を制御する。尚、マガジンベース22及びリフターアッセンブリ10a各々の位置は、例えばリフター部10に設けられたフォトインタラプタ(図示せず)等により検出されてよい。
【0036】
次に、制御部は、リフターアッセンブリ10aのスクリューコア12(図3参照)と、マガジンベース22内のスクリューガイド23とが嵌合するようにリフター部10を制御する。
【0037】
スクリューコア12及びスクリューガイド23が嵌合した後(即ち、光ディスク50がリフターアッセンブリ10aにより搬送可能となった後)、制御部は、リフターアッセンブリ10aが所定位置まで上昇するようにリフター部10を制御する。その後、制御部は、リフターアッセンブリ10aの位置に対応する光ディスクドライブ30のトレイが排出されるように該光ディスクドライブ30を制御する。
【0038】
その後、制御部は、排出されたトレイ近傍(例えば、光ディスク50を適切にトレイ上に配置可能な位置)までリフターアッセンブリ10aが下降するようにリフター部10を制御する。続いて、制御部は、スクリューガイド23が所定方向に360度だけ回転するようにリフター部10を制御する。この結果、最も下に位置する光ディスク50がスクリューガイド23から外れトレイ上に配置される。
【0039】
光ディスク50がトレイ上に配置された後、制御部は、該トレイを引き戻すように光ディスクドライブ30を制御する。その後制御部は、残りの光ディスクドライブ30各々に光ディスク50が搬送されるように、同様の処理を繰り返し実行する。
【0040】
光ディスク50の回収時には、制御部は、先ず、スクリューガイド23がトレイ上の光ディスク50の端部に接する位置にリフターアッセンブリ10aが位置するようにリフター部10を制御する。次に、制御部は、スクリューガイド23が、上記所定方向とは反対方向に360度だけ回転するようにリフター部10を制御する。この結果、トレイ上の光ディスク50がスクリューガイド23により拾い上げられる。
【0041】
(スクリューガイド及びスクリューコア)
次に、スクリューガイド23及びスクリューコア12について、図4を参照して説明を加える。図4は、実施例に係るスクリューガイド及びスクリューコアを示す図である。
【0042】
図4(a)及び(b)に示すように、スクリューガイド23は、テーパのついた螺旋状のリブを有している。このリブにより、スクリューガイド23には、長手方向に延びる螺旋状の溝部が形成されている。この溝部により光ディスク50の端部が支持される。本実施例では、図2に示すように、2つのスクリューガイド23により、光ディスク50が積層状態で保持されている。スクリューガイド23のリブにより、スクリューガイド23に保持された光ディスク50同士の接触が防止される(図5参照)。
【0043】
スクリューガイド23には、更に、スクリューコア12が挿入される、長手方向に延びる貫通孔23aが形成されている。この貫通孔23aの内側には、図4(c)に示すスクリューコア12の先端に形成されたリブ12aと嵌合する、リブ23bが形成されている。
【0044】
図4(d)及び(e)は、スクリューコア12及び貫通孔23a内部各々の展開図である。図4(d)に示すように、リブ12a及びリブ23bは、120度毎に形成されている。
【0045】
スクリューコア12がスクリューガイド23に嵌合される際には、先ず、スクリューガイド23の貫通孔23aにスクリューコア12が挿入される(図4(e)の点線矢印(i)参照)。次に、貫通孔23aに挿入されたスクリューコア12が所定方向に60度だけ回転される(図4(e)の点線矢印(ii)参照)。最後に、スクリューコア12が、少しだけ引き上げられることにより、リブ23bとリブ12aとが嵌合する(図4(e)の点線矢印(iii)参照)。
【0046】
(光ディスクの搬送)
次に、光ディスク50の搬送について、図5及び図6を参照して説明を加える。図5は、ディスク搬送時の状態を示す部分断面図である。図6は、ディスクを分離するときのスクリューガイドの動作を示す図である。
【0047】
光ディスク50の搬送時には、リフターアッセンブリ10aのセンターガイド11が、光ディスク50のセンターホールに挿入され、リフターアッセンブリ10aのスクリューコア12が、スクリューガイド23の貫通孔23aに挿入される。
【0048】
スクリューガイド23により支持された光ディスク50が、光ディスクドライブ30のトレイ上に配置されるときには、図6に示すように、スクリューガイド23が所定方向(図6では、図面左から右方向)に360度だけ回転される。この結果、最も下に位置する光ディスク50がスクリューガイド23のリブから外れ、それ以外の光ディスク50は、1枚分下に移動する。
【0049】
(光ディスクの回収)
次に、光ディスク50の回収について、図7を参照して説明を加える。図7は、ディスクを回収するときのスクリューガイドの動作を示す図である。
【0050】
光ディスクドライブ30のトレイ上に配置された光ディスク50が回収されるときには、図7に示すように、スクリューガイド23が、上記所定方向とは反対方向(図7では、図面右から左方向)に360度だけ回転される。この結果、トレイ上に配置された光ディスク50の下に、スクリューガイド23のリブが挿入され、該光ディスク50がスクリューガイド23により拾い上げられる。
【0051】
(技術的効果)
図2に示すように、積層状態の光ディスク50は、その端部が2つのスクリューガイド23に支持された状態で、マガジン20内に収納されている。加えて、図5に示すように、光ディスク50の搬送中も、光ディスク50はスクリューガイド23により支持されている。従って、当該ディスク搬送装置1では、光ディスク50同士が接触することはない。このため、光ディスク50の記録面の傷つきを抑制することができる。加えて、光ディスク50同士が接触しないので、静電気により光ディスク50同士が張り付くことはない。
【0052】
光ディスク50の端部がスクリューガイド23により支持されるので、例えば光ディスク50のセンターホールを支持する場合に比べて、光ディスク50の形状について特別な管理が不要となる。このため、例えば光ディスク50の製造コストを抑制することができる。また、スクリューガイド23と光ディスク50との接触面積が抑制されるので、スクリューガイド23による光ディスク50へのダメージも抑制することができる。
【0053】
スクリューガイド23を回転させるだけで、光ディスク50を脱離又は回収することができる。つまり、光ディスク50の脱離及び回収の動作が比較的単純である。このため、光ディスク50の搬送及び回収にかかる時間を短縮することができる。加えて、例えばリフターアッセンブリ10aの故障を抑制することができる。
【0054】
スクリューガイド23は、マガジン20の部品であるので、その使用頻度を抑制することができる。このため、例えばスクリューガイド23の摩耗や粉吹きを低減することができる。
【0055】
実施例に係る「リフター部10」、「マガジン20」、「スクリューガイド23」及び「スクリューコア12」は、夫々、本発明に係る「搬送部」、「収納部」、「ガイド部材」及び「嵌合部」の一例である。実施例に係る「マガジン20」は、本発明に係る「ディスク収納装置」の一例である。
【0056】
(変形例)
上述の実施例では、2つのスクリューガイド23により積層状態の光ディスク50が保持されているが、3つ以上のスクリューガイド23により積層状態の光ディスク50が保持されてもよい。このように構成すれば、搬送時の光ディスク50の姿勢の乱れをより抑制することができる。
【0057】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うディスク搬送装置、ディスク収納装置及びディスク搬送方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
1…ディスク搬送装置、10…リフター部、10a…リフターアッセンブリ、10b…リフターユニット部、11…センターガイド、12…スクリューコア、13…マガジンガイド、14…ボールねじ、20…マガジン、21…マガジンケース、22…マガジンベース、23…スクリューガイド、30…光ディスクドライブ、41…マザーボード、42…メカコントロール基板、43…キャリア部、50…光ディスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7