【実施例】
【0026】
本発明のディスク搬送装置に係る実施例を図面に基づいて説明する。
【0027】
(装置構成)
図1においてディスク搬送装置1は、リフター部10、2つのマガジン20、12台の光ディスクドライブ30、マザーボード41、メカコントロール基板42及びキャリア部43を備えて構成されている。
【0028】
各マガジン20は、
図2に示すように、マガジンケース21と、複数枚(本実施例では、12枚)の光ディスク50を収納するマガジンベース22と、光ディスク50が互いに接しないように、該光ディスク50を積層状態で保持する2つのスクリューガイド23と、を備えている。各マガジン20のマガジンベース22は、キャリア部43により、リフター部10直下まで搬送される。
【0029】
リフター部10は、
図3に示すように、リフターアッセンブリ10a及びリフターユニット部10bを備えている。リフターユニット部10bは、ボールねじ14を有している。リフターアッセンブリ10aは、ボールねじ14の回転に伴い、上下(即ち、
図1におけるz軸方向)に移動される。
【0030】
リフターアッセンブリ10aは、光ディスク50のセンターホールに挿入されるセンターガイド11と、夫々対応するスクリューガイド23と嵌合する2つのスクリューコア12と、マガジンベース22とリフターアッセンブリ10aとの位置合わせに用いられる2つのマガジンガイド13とを有する。
【0031】
各光ディスクドライブ30は、光ディスク50に対して情報の記録又は再生を行う装置である。各光ディスクドライブ30は、トレイを用いて光ディスク50をローディングするトレイ方式の光ディスクドライブである。各光ディスクドライブ30は、
図1に示すように、z軸方向に積層されている。本実施例では、積層された6台の光ディスクドライブ30を1ユニットとして、2つのユニットが互いに対向するように配置される。2つのユニットの間を、リフターアッセンブリ10aが上下移動するように、リフター部10が配置される。
【0032】
マザーボード41及びメカコントロール基板42は、リフター部10、光ディスクドライブ30及びキャリア部43の制御、並びにマガジン20の管理、等を行う。以降の説明では、マザーボード41及びメカコントロール基板42を、適宜「制御部」と称する。
【0033】
当該ディスク搬送装置1は、マガジン20内に収納された12枚の光ディスク50を常にひとまとまりとして取り扱う。12台の光ディスクドライブ30各々に光ディスク50が搬送され、各光ディスクドライブ30により光ディスク50の記録又は再生が行われることにより、大容量データの記録を可能とすると共に、記録されたデータに比較的高速にアクセスすることができる。
【0034】
(装置動作)
当該ディスク搬送装置1の動作時には、制御部は、2つのマガジン20のうち1つのマガジン20を選択する。続いて、制御部は、選択されたマガジン20のマガジンケース21からマガジンベース22を引き出し、該マガジンベース22をリフター部10直下まで搬送するように、キャリア部43を制御する。尚、マガジンベース22の位置は、キャリア部43に設けられた位置センサにより検出される。
【0035】
マガジンベース22がリフター部10の直下まで搬送された後、制御部は、リフターアッセンブリ10aが、マガジンベース22まで下降するようにリフター部10を制御する。尚、マガジンベース22及びリフターアッセンブリ10a各々の位置は、例えばリフター部10に設けられたフォトインタラプタ(図示せず)等により検出されてよい。
【0036】
次に、制御部は、リフターアッセンブリ10aのスクリューコア12(
図3参照)と、マガジンベース22内のスクリューガイド23とが嵌合するようにリフター部10を制御する。
【0037】
スクリューコア12及びスクリューガイド23が嵌合した後(即ち、光ディスク50がリフターアッセンブリ10aにより搬送可能となった後)、制御部は、リフターアッセンブリ10aが所定位置まで上昇するようにリフター部10を制御する。その後、制御部は、リフターアッセンブリ10aの位置に対応する光ディスクドライブ30のトレイが排出されるように該光ディスクドライブ30を制御する。
【0038】
その後、制御部は、排出されたトレイ近傍(例えば、光ディスク50を適切にトレイ上に配置可能な位置)までリフターアッセンブリ10aが下降するようにリフター部10を制御する。続いて、制御部は、スクリューガイド23が所定方向に360度だけ回転するようにリフター部10を制御する。この結果、最も下に位置する光ディスク50がスクリューガイド23から外れトレイ上に配置される。
【0039】
光ディスク50がトレイ上に配置された後、制御部は、該トレイを引き戻すように光ディスクドライブ30を制御する。その後制御部は、残りの光ディスクドライブ30各々に光ディスク50が搬送されるように、同様の処理を繰り返し実行する。
【0040】
光ディスク50の回収時には、制御部は、先ず、スクリューガイド23がトレイ上の光ディスク50の端部に接する位置にリフターアッセンブリ10aが位置するようにリフター部10を制御する。次に、制御部は、スクリューガイド23が、上記所定方向とは反対方向に360度だけ回転するようにリフター部10を制御する。この結果、トレイ上の光ディスク50がスクリューガイド23により拾い上げられる。
【0041】
(スクリューガイド及びスクリューコア)
次に、スクリューガイド23及びスクリューコア12について、
図4を参照して説明を加える。
図4は、実施例に係るスクリューガイド及びスクリューコアを示す図である。
【0042】
図4(a)及び(b)に示すように、スクリューガイド23は、テーパのついた螺旋状のリブを有している。このリブにより、スクリューガイド23には、長手方向に延びる螺旋状の溝部が形成されている。この溝部により光ディスク50の端部が支持される。本実施例では、
図2に示すように、2つのスクリューガイド23により、光ディスク50が積層状態で保持されている。スクリューガイド23のリブにより、スクリューガイド23に保持された光ディスク50同士の接触が防止される(
図5参照)。
【0043】
スクリューガイド23には、更に、スクリューコア12が挿入される、長手方向に延びる貫通孔23aが形成されている。この貫通孔23aの内側には、
図4(c)に示すスクリューコア12の先端に形成されたリブ12aと嵌合する、リブ23bが形成されている。
【0044】
図4(d)及び(e)は、スクリューコア12及び貫通孔23a内部各々の展開図である。
図4(d)に示すように、リブ12a及びリブ23bは、120度毎に形成されている。
【0045】
スクリューコア12がスクリューガイド23に嵌合される際には、先ず、スクリューガイド23の貫通孔23aにスクリューコア12が挿入される(
図4(e)の点線矢印(i)参照)。次に、貫通孔23aに挿入されたスクリューコア12が所定方向に60度だけ回転される(
図4(e)の点線矢印(ii)参照)。最後に、スクリューコア12が、少しだけ引き上げられることにより、リブ23bとリブ12aとが嵌合する(
図4(e)の点線矢印(iii)参照)。
【0046】
(光ディスクの搬送)
次に、光ディスク50の搬送について、
図5及び
図6を参照して説明を加える。
図5は、ディスク搬送時の状態を示す部分断面図である。
図6は、ディスクを分離するときのスクリューガイドの動作を示す図である。
【0047】
光ディスク50の搬送時には、リフターアッセンブリ10aのセンターガイド11が、光ディスク50のセンターホールに挿入され、リフターアッセンブリ10aのスクリューコア12が、スクリューガイド23の貫通孔23aに挿入される。
【0048】
スクリューガイド23により支持された光ディスク50が、光ディスクドライブ30のトレイ上に配置されるときには、
図6に示すように、スクリューガイド23が所定方向(
図6では、図面左から右方向)に360度だけ回転される。この結果、最も下に位置する光ディスク50がスクリューガイド23のリブから外れ、それ以外の光ディスク50は、1枚分下に移動する。
【0049】
(光ディスクの回収)
次に、光ディスク50の回収について、
図7を参照して説明を加える。
図7は、ディスクを回収するときのスクリューガイドの動作を示す図である。
【0050】
光ディスクドライブ30のトレイ上に配置された光ディスク50が回収されるときには、
図7に示すように、スクリューガイド23が、上記所定方向とは反対方向(
図7では、図面右から左方向)に360度だけ回転される。この結果、トレイ上に配置された光ディスク50の下に、スクリューガイド23のリブが挿入され、該光ディスク50がスクリューガイド23により拾い上げられる。
【0051】
(技術的効果)
図2に示すように、積層状態の光ディスク50は、その端部が2つのスクリューガイド23に支持された状態で、マガジン20内に収納されている。加えて、
図5に示すように、光ディスク50の搬送中も、光ディスク50はスクリューガイド23により支持されている。従って、当該ディスク搬送装置1では、光ディスク50同士が接触することはない。このため、光ディスク50の記録面の傷つきを抑制することができる。加えて、光ディスク50同士が接触しないので、静電気により光ディスク50同士が張り付くことはない。
【0052】
光ディスク50の端部がスクリューガイド23により支持されるので、例えば光ディスク50のセンターホールを支持する場合に比べて、光ディスク50の形状について特別な管理が不要となる。このため、例えば光ディスク50の製造コストを抑制することができる。また、スクリューガイド23と光ディスク50との接触面積が抑制されるので、スクリューガイド23による光ディスク50へのダメージも抑制することができる。
【0053】
スクリューガイド23を回転させるだけで、光ディスク50を脱離又は回収することができる。つまり、光ディスク50の脱離及び回収の動作が比較的単純である。このため、光ディスク50の搬送及び回収にかかる時間を短縮することができる。加えて、例えばリフターアッセンブリ10aの故障を抑制することができる。
【0054】
スクリューガイド23は、マガジン20の部品であるので、その使用頻度を抑制することができる。このため、例えばスクリューガイド23の摩耗や粉吹きを低減することができる。
【0055】
実施例に係る「リフター部10」、「マガジン20」、「スクリューガイド23」及び「スクリューコア12」は、夫々、本発明に係る「搬送部」、「収納部」、「ガイド部材」及び「嵌合部」の一例である。実施例に係る「マガジン20」は、本発明に係る「ディスク収納装置」の一例である。
【0056】
(変形例)
上述の実施例では、2つのスクリューガイド23により積層状態の光ディスク50が保持されているが、3つ以上のスクリューガイド23により積層状態の光ディスク50が保持されてもよい。このように構成すれば、搬送時の光ディスク50の姿勢の乱れをより抑制することができる。
【0057】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うディスク搬送装置、ディスク収納装置及びディスク搬送方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。