(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態のウエブWの接続装置10について
図1〜
図21に基づいて説明する。接続装置10は、吸引装置100、切断装置46、負圧装置150を用いている。なお、「ウエブW」とは、長尺状のシートであり、布帛、紙、フィルム、金属箔などをいう。なお、接続装置10において、「搬入側」は、ウエブWが搬送されてくる上流を意味し、「搬出側」は、ウエブWが搬送される下流を意味する。
【0010】
接続装置10は、
図1に示すように古い芯1に巻き付けた旧ウエブW1が残り少なくなり、そのためこの旧ウエブW1の後に新しい芯2に巻き付けた新ウエブW2を接続する。
【0011】
旧ウエブW1と新ウエブW2は、
図1と
図2に示すように水平方向の搬送路を搬送されている。旧ウエブW1は、
図1に示すようにガイドロール3を通り、搬入ロール4を経て接続装置10を通過し、その後に搬出ロール5を通過し、ガイドロール6を経て塗工装置などに案内される。一方、新しい芯2に巻き付けられた新ウエブW2は、ガイドロール7を通過し、搬入ロール4の下方に設けられている押圧ロール8の上方を通過し、その先端部は接続装置10に固定されている。
【0012】
また、搬出ロール5の下方にも押圧ロール9が配されている。
図3に示すように、押圧ロール8と押圧ロール9は、押圧アクチュエータ72,74によってそれぞれ上下動する。押圧ロール8と押圧ロール9は、それぞれブレーキ機能を有し、双方のニップによって押圧ロール8と押圧ロール9間のウエブWの張力を保持し、その上流と下流から受ける張力変動を遮断する。
【0013】
(1)接続装置10の構造
接続装置10の構造について
図3〜
図5に基づいて説明する。接続装置10は、上移動体12と下移動体14とより構成されている。
【0014】
(1−1)上移動体12
まず、上移動体12について
図3、
図4に基づいて説明する。上移動体12は、旧ウエブW1の上方に配され、水平方向に移動自在に配されている。上移動体12の本体(以下、「上本体」という)16は、搬入側から旧ウエブ巻き付け体18、上テープ貼り付け体20、上接合吸引部22より構成されている。旧ウエブ巻き付け体18、上テープ貼り付け体20、上接合吸引部22を有する上本体16は、左右一対の上レール36,36の間に配され、上アクチュエータ38が、上本体16を上レール36,36に沿って水平に移動させる。
【0015】
旧ウエブ巻き付け体18は、円柱状に形成され、回転軸24によって旧ウエブW1の搬送方向に沿って回転する。旧ウエブ巻き付け体18の外周面一部には旧ウエブ吸引部26の吸引面27が形成され、この旧ウエブ吸引部26の端部にカッター58が通過する上移動溝部28が形成されている。すなわち、旧ウエブ巻き付け体18の幅方向に設けられた上移動溝部28の上流側近傍に旧ウエブ吸引部26の吸引面27が形成されている。吸引面27には、複数の吸引孔が開口している。
図4に示すように、旧ウエブ巻き付け体18の回転軸24の両側にはピニオンギア76,76が設けられ、ピニオンギア76,76は上移動体12の両側に設けられている直線状でかつ水平に配されたラック78,78と螺合して回転する。このラック78は、接続装置10を固定するためのフレーム86に支持されている。上レール36,36、上アクチュエータ38、後から説明する下レール68,68と下アクチュエータ70もこのフレーム86に固定されている。これにより、上移動体12が移動するとラック78上をピニオンギア76,76が回転して、旧ウエブ巻き付け体18も回転する。
【0016】
上テープ貼り付け体20は、円柱状に形成され、回転軸30によって旧ウエブW1の搬送方向に沿って回転する。上テープ貼り付け体20の外周面一部には上テープ仮吸引部32が設けられ、この上テープ仮吸引部32の吸引面35には、複数の吸引孔が開口し、上テープ34の非接着面を吸引して仮止めしている。
図4に示すように、旧ウエブ巻き付け体18の回転軸24,24の片側には、ホイール80が設けられ、上テープ貼り付け体20の回転軸30にもホイール82が設けられている。
図3に示すように、ホイール80とホイール82が無端状のベルト84によって架け渡され、旧ウエブ巻き付け体18が回転すると上テープ貼り付け体20も同じ方向に回転する。
【0017】
上接合吸引部22は、縦断面が台形状の直方体である。上接合吸引部22の下面は平らであって、吸引面23が形成され、吸引面23には、複数の吸引孔が開口している。吸引面23は旧ウエブW1の搬送路に面しており、吸引によって旧ウエブW1と新ウエブW2の接合部を固定し、下テープ貼り付け体42が、下テープ52を貼り付けときにその貼り付けを安定化させる。
【0018】
(1−2)下移動体14
次に、下移動体14について
図3、
図5に基づいて説明する。下移動体14は、新ウエブW2の下方に配され、水平方向に移動自在に配されている。下移動体14の本体(以下、「下本体」という)40は、下テープ貼り付け体42、新ウエブ固定部44、切断装置46、端部固定部材66より構成されている。
【0019】
下テープ貼り付け体42は、円柱状に形成され、回転軸48によって新ウエブW2の搬送方向に沿って回転する。下テープ貼り付け体42の外周面一部には下テープ仮吸引部50が形成され、下テープ仮吸引部50の吸引面53には、複数の吸引孔が開口し、下テープ52の非接着面を吸引している。なお、図では記載していないが、下テープ貼り付け体42の回転軸48の両端部にピニオンギアが設けられ、フレームに固定されたラックに螺合して回転する。これにより、下移動体14が移動するとラック上をピニオンギアが回転して、下テープ貼り付け体42も回転する。
【0020】
新ウエブ固定部44は、新ウエブW2の搬送路に面した下前吸引部54と下後吸引部56とを有し、下前吸引部54と下後吸引部56とで新ウエブW2をそれぞれ吸引する。下前吸引部54の吸引面57と下後吸引部56の吸引面61には、複数の吸引孔がそれぞれ開口している。
【0021】
切断装置46は、下前吸引部54と下後吸引部56との間に設けられ、カッター58が、重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2を幅方向に同時に切断する。詳しい構成については後から説明する。
【0022】
端部固定部材66は、新ウエブ固定部44の下後方に設けられ、新ウエブW2の先端部を巻き付けて固定している。
【0023】
下テープ貼り付け体42、新ウエブ固定部44、切断装置46、端部固定部材66が左右一対の板状の上下部材60,60の間に設けられている。また、下本体40の前後にはそれぞれ左右一対の上下レール64,64が設けられ、中アクチュエータ62が、上下レール64,64に沿って左右一対の上下部材60を上下動させる。
【0024】
下本体40は、水平方向に不図示のフレームに設けられた下レール68に沿って水平方向に移動可能であり、フレームに設けられた下アクチュエータ70が、下本体40を水平方向に移動させる。
【0025】
(2)切断装置46
重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2とを同時に切断する切断装置46について
図16と
図17に基づいて説明する。
【0026】
(2−1)切断装置46の構造
切断装置46の構造を
図16と
図17に基づいて説明する。下前吸引部54と下後吸引部56との間に
図16に示すように切断装置46のカッター支持部88が設けられ、このカッター支持部88からカッター58が立設されている。カッター58は、
図17に示すように平行四辺形の板状であって、上ほどカッター58の進行側に傾斜している。カッター支持部88は、下前吸引部54と下後吸引部56の間に設けられた左右一対の横レール90,90の間をエアシリンダなどの移動手段によって水平に移動する。すなわち、旧ウエブW1と新ウエブW2の幅方向に沿って移動する。以下では説明を簡単にするために、
図17に示すようにカッター移動手段であるカッター支持部88は旧ウエブW1と新ウエブW2の左から右に移動するものとする。
【0027】
カッター支持部88の上方であって、下前吸引部54と下後吸引部56の上端部より下方に、隔壁シート92が、下移動体14に水平に取り付けられている。隔壁シート92には、左右方向に沿って通過スリット94が設けられ、この通過スリット94をカッター58が移動する。隔壁シート92は、ゴム製のシートにより形成されている。
【0028】
図16に示すように、下前吸引部54の側面と下後吸引部56の側面と隔壁シート92とにより囲まれた空間を、以下では「下移動溝部96」と呼ぶ。また、上移動溝部28と旧ウエブW1によって囲まれた筒状の空間を、以下では「切断空間98」と呼び、新ウエブW2と下移動溝部96によって囲まれた筒状の空間を、以下では「切断空間99」と呼ぶ。
図17に示すように、筒状の切断空間98,99の右側には、塵吸引部102が取り付けられている。塵吸引部102は略筒状であって、上塵吸引口104と下塵吸引口106とを有している。切断空間98,99の左側は開放されている。また、下前吸引部54の側面と下後吸引部56から右側に延びた区画板部97によって切断空間98,99が上下に区画されている。そして、重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2とを切断するときには、塵吸引部102の上塵吸引口104から切断空間98の空気を吸引し、下塵吸引口106から切断空間99の空気を吸引しながら、カッター58が、
図16と
図17に示すように、上移動溝部28と下移動溝部96によって囲まれた筒状の切断空間98,99を左から右に水平に移動する。
【0029】
(2−2)切断装置46の動作状態
切断装置46の動作状態について
図16と
図17に基づいて説明する。まず、下前吸引部54と下後吸引部56によって旧ウエブW1を水平に吸引して固定し、その上に新ウエブW2を配し、旧ウエブ巻き付け体18によって旧ウエブW1と新ウエブW2とを重ねて挟んだ状態で固定する。このとき、旧ウエブW1と新ウエブW2の切断したい箇所は、上移動溝部28と下移動溝部96によって囲まれた切断空間98,99内に位置している。
【0030】
次に、吸引二方弁120−1を開状態にして、塵吸引部102の上塵吸引口104から切断空間98の空気と下塵吸引口106から切断空間99から空気を吸引すると、
図17に示すように、空気が左から右に吸引される。これは、切断空間98,99の左が開放されているからである。
【0031】
次に、カッター支持部88を横レール90に沿って移動させるとカッター58が隔壁シート92の通過スリット94を移動しつつ、重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2とを幅方向に切断していく。切断によって発生した塵は、塵吸引部10が吸引して、旧ウエブW1や新ウエブW2の表面に付着しない。
【0032】
次に、カッター58が重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2の切断が終了すると、塵吸引部102の吸引を停止させる。
【0033】
これによって、切断装置46は、旧ウエブW1と新ウエブW2の表面に塵が付着することなく切断が終了し、接続装置10は、次の工程に移行できる。
【0034】
(3)吸引装置100と負圧装置150の構造
次に、本実施形態の接続装置10の吸引装置100と負圧装置150の構造について
図19に基づいて説明する。吸引装置100は、負圧ポンプ110、動力シリンダ112,第1逆止弁108、第2逆止弁116、7個の二方弁118−1〜118−7、7個の負圧タンク114−1〜114−7、1個の吸引二方弁120−1、6個の吸引三方弁120−2〜120−7、7個の圧力計122−1〜122−7、塵吸引部102、上接合吸引部22、旧ウエブ吸引部26、上テープ仮吸引部32、下テープ仮吸引部50、下前吸引部54、下後吸引部56の7系統からなる。この中で負圧ポンプ110、動力シリンダ112,第1逆止弁108、第2逆止弁116、7個の二方弁118−1〜118−7、7個の負圧タンク114−1〜114−7によって負圧装置150が構成されている。
【0035】
負圧ポンプ110は、中空筒のケーシングシリンダ128内をピストン130が摺動し、ケーシングシリンダ128内はピストン130によって第1空間132と第2空間134とによって区切られている。ピストン130は、動力シリンダ112によって摺動する。ケーシングシリンダ128の第1空間132には、主接続管123の一端が接続されている。
【0036】
主接続管123の他端は、2つに分岐し、一方には第1接続管124の一端が接続され、他方には第2逆止弁116の一端が接続されている。第1逆止弁108の他端は外部に開放され、第1逆止弁108における空気の流れは、主接続管123内部から外部への方向である。第2逆止弁116の他端は第1接続管124の一端に接続され、第1接続管124の他端は7個に分岐し、分岐した各他端と7個の二方弁118−1〜118−7の一端がそれぞれ接続されている。第2逆止弁116における空気の流れは、二方弁118−1〜118−7から負圧ポンプ110の方向である。二方弁118−1〜118−7の他端には負圧タンク114−1〜114−7がそれぞれ接続されている。
【0037】
第2接続管126が、第1〜第7系統の吸引部と負圧タンク114−1〜114−7とにそれぞれ接続されている。また、第2接続管126−1〜126−7の間には、吸引二方弁120−1、吸引三方弁120−2〜120−7と圧力計122−1〜122−7がそれぞれ設けられている。各圧力計122は、各負圧タンク114内の圧力を測定する。なお、圧力計122−1〜122−7は、この圧力測定と共に所定の設定圧で制御装置200に通知機能がある。吸引二方弁120−1は、負圧タンク114−1と塵吸引部102の間に接続され、吸引三方弁120−2〜120−7の入口は各負圧タンク114−2〜114−7にそれぞれ接続され、吸引三方弁120−2〜120−7の各第1出口は各吸引部22,26,32,50,54,56にそれぞれ接続され、各第2出口は外部にそれぞれ開放されている。
【0038】
(4)負圧装置150の動作状態
次に、負圧装置150が有する負圧ポンプ110によって負圧タンク114を設定負圧−P1にする動作状態について説明する。
【0039】
まず、初期状態において、吸引二方弁120−1を閉状態、吸引三方弁120−2〜120−7の入口が閉状態、第1出口と第2出口が導通状態、二方弁118を開状態とする。負圧タンク114内は、大気圧とする。
【0040】
次に、動力シリンダ112が、負圧ポンプのピストン130を摺動させ、第1空間132を広げる。これによって、負圧ポンプ110が、負圧タンク114内の空気を第2逆止弁116と二方弁118を介して吸引する。これにより負圧タンク114内が、大気圧からΔPだけ圧力が下がる。但し、第1逆止弁108からは空気の流れが逆方向のため空気は吸引されない。
【0041】
次に、動力シリンダ112が負圧ポンプ110のピストン130を摺動させ、第1空間132を最も狭くした状態にする。第1空間132内の空気は、第1逆止弁108から外部に放出される。但し、負圧タンク114には、第2逆止弁116の空気の流れは逆方向のため、負圧タンク114に空気は送られない。
【0042】
次に、動力シリンダ112が、ピストン130を再び摺動させ、第1空間132を広げる。これによって、負圧ポンプ110が、負圧タンク114内の空気を第2逆止弁116と二方弁118を介して吸引する。これにより負圧タンク114内が、前回の負圧値からさらにΔPだけ圧力が下がる。
【0043】
次に、上記のような動作を複数回繰り返し、1回についてΔPだけ圧力を下げて負圧を高めていき、圧力計122が設定負圧−P1を測定すると、負圧ポンプ110と動力シリンダ112の動作を停止させ、二方弁118を閉状態とする。
【0044】
以上の動作により、負圧タンク114内を設定負圧−P1に下げることができる。
【0045】
(5)吸引部の構造
7系統の各吸引部について
図18に基づいてそれぞれ説明する。
【0046】
第1系統は、上記で説明した略筒状の塵吸引部102であり、塵吸引部102の吸引体は塵であり、吸引空間は筒状の切断空間98,99であり、上塵吸引口104が吸引面に相当し、下塵吸引口106が吸引面に相当し、第2接続管126−1が接続されている。上塵吸引口104は、旧ウエブW1と上移動溝部28によって囲まれた上方の空切断空間98から空気と共に塵を吸引し、下塵吸引口106は、新ウエブW2と下移動溝部96によって囲まれた下方の切断空間99から空気と共に塵を吸引する。
【0047】
第2系統の上接合吸引部22は、吸引空間21と吸引面23とを有し、吸引体は旧ウエブW1と新ウエブW2の接合部である。吸引空間21は、上接合吸引部22内に形成され、第2接続管126−2が接続されている。吸引面23は、上接合吸引部22の下面に形成され、複数の吸引孔が開口している。
【0048】
第3系統の旧ウエブ巻き付け体18の旧ウエブ吸引部26は、吸引空間25と吸引面27とを有し、吸引体は旧ウエブW1である。吸引面27は、旧ウエブ巻き付け体18の外周面の約1/4に形成され、複数の吸引孔が開口している。吸引空間25は、旧ウエブ巻き付け体18内に軸方向に沿って設けられ、吸引面27に対応した大きさを有し、回転軸24に設けられた吸引口に通じ、この吸引口に第2接続管126−3が接続されている。
【0049】
第4系統の上テープ貼り付け体20の上テープ仮吸引部32は、吸引空間33と吸引面35とを有し、吸引体は上テープ34である。吸引面35は上テープ34の長さに合わせて上テープ貼り付け体20の外周面に形成され、複数の吸引孔が開口している。吸引空間33は、吸引面35に対応した大きさを有し、上テープ貼り付け体20内に軸方向に沿って設けられ、回転軸30に設けられた吸引口に通じ、この吸引口には、第2接続管126−4が接続されている。
【0050】
第5系統の下テープ貼り付け体42の下テープ仮吸引部50は、吸引空間51と吸引面53とを有し、吸引体は下テープ52である。吸引面53は下テープ52の長さに合わせて下テープ貼り付け体42の外周面に形成され、複数の吸引孔が開口している。吸引空間51は、吸引面53に対応した大きさを有し、下テープ貼り付け体42内に軸方向に沿って設けられ、回転軸48に設けられた吸引口に通じ、この吸引口には、第2接続管126−5が接続されている。
【0051】
第6系統の下前吸引部54は、吸引空間55と吸引面57とを有し、吸引体は新ウエブW2である。吸引面57は、下前吸引部54の上面に形成され、複数の吸引孔が開口している。吸引空間55は、下前吸引部54内に形成され、第2接続管126−6が接続されている。
【0052】
第7系統の下後吸引部56は、吸引空間59と吸引面61とを有し、吸引体は新ウエブW2である。吸引面61は、下後吸引部56の上面に形成され、複数の吸引孔が開口している。吸引空間59は、下後吸引部56内に形成され、第2接続管126−7が接続されている。
【0053】
(6)吸引部の吸引方法
次に、7系統の中の1系統である下前吸引部54が新ウエブW2を吸引する方法について
図19に基づいて説明する。
【0054】
初期状態において、負圧タンク114−6内は、上記したように設定負圧−P1に下げられている。吸引三方弁120−6は、入口が閉状態、第1出口と第2出口が導通状態である。そのため、下前吸引部54内の吸引空間55は、複数の吸引孔が開口しているため大気圧である。
【0055】
まず、新ウエブW2によって下前吸引部54の複数の吸引孔が閉塞され、下前吸引部54の吸引空間55が閉塞空間となる。
【0056】
次に、吸引三方弁120−6の入口と第1出口を導通状態にし、第2出口を閉状態にすると、負圧タンク114−6と下前吸引部54の吸引空間55との間で負圧タンク114−6の内圧と下前吸引部54の吸引空間55の内圧が平衡状態となる。すなわち、負圧タンク114の内圧は、設定負圧−P1から−P4に上がり、下前吸引部54の吸引空間55の内圧が大気圧から−P4に下がる。このように下前吸引部54の吸引空間55の内圧が−P4に下がると、新ウエブW2を吸引できる。この吸引のタイミングは、吸引三方弁120−6を操作することにより即時に対応できる。
【0057】
次に、新ウエブW2の吸引が終了するタイミングになると、吸引三方弁120−6の入口を閉状態、第1出口と第2出口を導通状態とすることにより、下前吸引部54の吸引空間55の内圧が大気圧に上がり、吸引を終了させることができる。
【0058】
以上により、下前吸引部54の吸引空間55を−P4に簡単に下げることができ、新ウエブW2を吸引できる。
【0059】
(7)接続装置10の電気的構造
次に、接続装置10の電気的構造について
図20のブロック図に基づいて説明する。接続装置10には、コンピュータよりなる制御手段である制御装置200が設けられている。制御装置200は、旧ウエブW1と新ウエブW2の搬送開始、搬送速度での搬送、搬送停止を行う。
【0060】
制御装置200には、上移動体12を移動させる上アクチュエータ38、下移動体14を移動させる下アクチュエータ70、下移動体14の上下部材60を上下動させる中アクチュエータ62、切断装置46、押圧アクチュエータ72、押圧アクチュエータ74が接続されている。また、制御装置200には、吸引装置100の動力シリンダ112、7個の二方弁118−1〜118−7、1個の吸引二方弁120−1、6個の吸引三方弁120−2〜120−7、7個の圧力計122−1〜122−7が接続されている。
【0061】
(8)接続装置10の接続工程
次に、
図1、
図2及び
図6〜
図15に基づいて、接続装置10が旧ウエブW1と新ウエブW2を接続する工程について順番に説明する。
【0062】
まず、
図1に示すように、制御装置200は、古い芯1に巻き付けられた旧ウエブW1を、ガイドロール3、搬入ロール4、接続装置10の上移動体12の下方、搬出ロール5、ガイドロール6を通過させて水平状態で搬送している。そして、制御装置200は、この古い芯1に巻き付けられている旧ウエブW1の残量が少なくなると、接続装置10の動作を開始する。なお、作業者は、上テープ貼り付け体20の吸引面35に上テープ34の非接着面を予め吸引させ、また、下テープ仮吸引部50の吸引面53に下テープ52の非接着面を予め吸引させておく。
【0063】
第1工程において、
図1と
図6に示すように、制御装置200は、旧ウエブW1を上記したように搬入ロール4、上移動体12の下方、搬出ロール5の位置を水平に搬送している。一方、新ウエブW2は、旧ウエブW1と同様に水平に配された状態で押圧ロール8を経て下移動体14の上方に位置しつつ、下移動体14に設けられている端部固定部材66に巻き付けられた状態で固定されている。すなわち、この第1工程において、制御装置200は、旧ウエブW1は水平方向に一定の搬送速度で搬送し、新ウエブW2は、旧ウエブW1と平行に、かつ、下方の位置で停止している。また、制御装置200は、下移動体14の上面から突出したカッター58の位置に、上移動体12の旧ウエブ巻き付け体18の上移動溝部28が位置するように、上移動体12と下移動体14をそれぞれ上アクチュエータ38と下アクチュエータ70によって水平方向に位置合わせしている。このときの位置合わせは、旧ウエブ巻き付け体18が旧ウエブW1の表面を転がるように回転させる。以下、この位置を「初期位置」と呼ぶ。
【0064】
第2工程において、
図7に示すように、制御装置200は、旧ウエブW1の搬送を停止させた後に、押圧アクチュエータ72,74によって押圧ロール8,9を上方に移動させ、旧ウエブW1と新ウエブW2を、搬入ロール4と押圧ロール8、搬出ロール5と押圧ロール9とによって挟んで固定する。すなわち、搬入ロール4と搬出ロール5にそれぞれに圧着される押圧ロール8,9はニップすることによりブレーキ機能を発揮し、上流の旧ウエブW1と新ウエブW2、下流から旧ウエブW1の張力変動を遮断し、接続装置10内のウエブ張力を安定化させる。また、制御装置200は、初期位置において中アクチュエータ62によって下移動体14の上下部材60を待機高さから上方に移動させ、制御装置200は、新ウエブ固定部44の下前吸引部54と下後吸引部56の吸引を開始し、下前吸引部54と下後吸引部56によって新ウエブW2の下面を吸引させる。
【0065】
第3工程において、
図8に示すように、新ウエブW2は、新ウエブ固定部44の下前吸引部54と下後吸引部56とによって吸引されて固定されているので、制御装置200は、その上にある旧ウエブW1を、新ウエブW2と重ねて、旧ウエブ巻き付け体18によって挟んで固定する。この状態において旧ウエブ巻き付け体18の上移動溝部28が、カッター58の位置にあるため、制御装置200は、切断装置46がカッター58を重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2の幅方向に沿って移動させ、旧ウエブW1と新ウエブW2の両方を同時に幅方向に切断する。但し、切断されても、上記したように旧ウエブW1と新ウエブW2は固定されている。また、切断装置46のカッター58が、旧ウエブW1と新ウエブW2を重ねた状態で切断する前の工程において、制御装置200は、吸引二方弁120−1を開状態にして、塵吸引部102の上塵吸引口104と下塵吸引口106を切断空間98,99の右側に接続する。次に、
図17に示すように、制御装置200は、塵吸引部102の上塵吸引口104を用いて旧ウエブW1と上移動溝部28によって囲まれた筒状の切断空間98(吸引空間)から切断によって発生した塵を吸引し、下塵吸引口106を用いて新ウエブW2と下移動溝部96によって囲まれた筒状の切断空間99(吸引空間)から切断によって発生した塵を吸引する。次に、切断が終了すると、制御装置200は、塵吸引部102を停止させる。
【0066】
第4工程において、
図9に示すように、下移動体14は停止した状態で、制御装置200は、上アクチュエータ38によって上移動体12のみを初期位置から搬入側に上レール36,36に沿って移動させる。上移動体12の移動と共に旧ウエブ巻き付け体18と上テープ貼り付け体20が、
図9において反時計回りの方向に回転する。すなわち、上移動体12が水平方向に移動すると、ピニオンギア76がラック78によって回転し、旧ウエブ巻き付け体18が回転する。旧ウエブ巻き付け体18が回転するとベルト84によって上テープ貼り付け体20も回転する。
【0067】
第5工程において、
図10に示すように、制御装置200は、旧ウエブ巻き付け体18の旧ウエブ吸引部26の吸引を開始し、旧ウエブ巻き付け体18が反時計回りの方向に回転すると、切断された旧ウエブW1の前端部が旧ウエブ吸引部26に吸引され巻き付けられる。これによって新ウエブW2の上面が露出し、新ウエブW2の前端部が、切断された旧ウエブW1の後端部と接合し、この接合位置を後続の上テープ仮吸引部32が、上テープ34で跨ぐように転がり接合する。すなわち、上テープ貼り付け体20の上テープ仮吸引部32に設けられている上テープ34の接着面が、切断された旧ウエブW1の後端部と新ウエブW2の前端部の上面に上から上テープ貼り付け体20によって押圧されて貼り付けられる。制御装置200は、上テープ34を貼り付けると、上テープ仮吸引部32の吸引を停止する。そして、制御装置200は、上移動体12を引き続き移動させる。
【0068】
第6工程において、
図11に示すように、旧ウエブ巻き付け体18は、旧ウエブW1の前端部の巻き付けを引き続き行い、上テープ貼り付け体20は上テープ34を貼り付けた後も反時計回りの方向に回転する。そして、制御装置200は、上接合吸引部22の吸引面23によって、上テープ34を貼り付けた旧ウエブW1の後端部と新ウエブW2の前端部の上面の接合部を吸引した後に、制御装置200は、上移動体12の移動を停止する。この状態までは、制御装置200は、下移動体14を固定し、その後、制御装置200は、新ウエブ固定部44の下前吸引部54のみ新ウエブW2の吸引を停止し、下後吸引部56は吸引を継続する。
【0069】
第7工程において、
図12に示すように、制御装置200は、停止している上移動体12の上接合吸引部22によって、上テープ34が貼り付けられた旧ウエブW1と新ウエブW2の接合部を吸引した状態において、制御装置200は、下アクチュエータ70によって下移動体14をレール68,68に沿って搬出側に移動させる。すると、下移動体14の下テープ貼り付け体42が、下移動体14の移動と共に回転し、下テープ仮吸引部50に仮止めされている下テープ52が、接合部に至る。下テープ52が、この接合部に至ると、下テープ52の接着面によって旧ウエブW1の後端部と新ウエブW2の前端部の下面を接続していく。
【0070】
第8工程において、
図13に示すように、制御装置200は、上移動体12の移動を停止したまま、下移動体14のみを搬出側にさらに移動させる。その際、下前吸引部54の吸引のみを停止しているため、下移動体14の移動によって、新ウエブ固定部44の下後吸引部56(吸引継続中)と端部固定部材66によって保持された新ウエブW2の切断端は、その切断位置から離されて、旧ウエブW1と新ウエブW2の接合部が整えられる。そして回転している下テープ貼り付け体42の下テープ仮吸引部50が下テープ52を伴い、旧ウエブW1の後端部と新ウエブW2の前端部の下面の接合部を跨いで転がり、押圧して、下テープ52を貼付けて接続を完了する。その後に制御装置200は、下テープ仮吸引部50の吸引を停止させる。
【0071】
第9工程において、
図14に示すように、制御装置200は、上移動体12の上接合吸引部22の吸引も停止した後、下移動体14の降下並びに押圧ロール8,9の降下(すなわち、それぞれのブレーキ解除)、下移動体14の上下部材60を下方に移動させて元の待機高さに復帰させる。そして、その過程で、制御装置200は、接続された新ウエブW2の搬送を再開する。なお、新ウエブW2の搬送再開は、時間短縮のため、制御装置200は、下移動体14の上下部材60を下方に移動(離脱)し押圧ロール8,9がニップ開放、又は、ニップ状態のまま、双方のブレーキが解除した瞬間から始める。また、旧ウエブW1と新ウエブ切断端の接触による静電気などの離脱阻害要因があるため、これに影響されないように、制御装置200は、新ウエブ固定部44の下後吸引部56の吸引を継続し、第10工程で行われる残存する不要な新ウエブW2の先端部を除去する時点で解除する。
【0072】
第10工程において、
図2及び
図15に示すように、制御装置200は、旧ウエブ吸引部26の吸引を解除し、上移動体18の位置を初期位置に復帰させる。この動作によって旧ウエブ巻き付け体18の旧ウエブ吸引部26で吸引されていた旧ウエブW1の前端部が巻き戻され、搬入ロール4とガイドロール3を介して、巻き戻された旧ウエブW1の残りを古い芯1に逆転して巻き戻す。また、制御装置200は、新ウエブ固定部44の吸引を解除して、作業者は、端部固定部材66に固定された残存する新ウエブW2の先端部を除去する。その後に制御装置200は、下部移動体14の位置を初期位置に復帰させ、第2貼り付け体42の回転位置も初期位置に復帰させる。以上により旧ウエブW1と新ウエブW2の接続並びに同残存処理が完了する。
【0073】
(9)負圧装置150と吸引装置100の吸引工程
次に、負圧装置150と吸引装置100の中で、下前吸引部54が新ウエブW2を吸引する工程について、
図19の説明図と
図21のフローチャートに基づいて説明する。
【0074】
ステップS1において、制御装置200は、全ての吸引三方弁120−1〜120−7の入口を閉状態、第1出口と第2出口を導通状態にする。
【0075】
ステップS2において、制御装置200は、全ての二方弁118−1〜118−7を開状態にし、ステップS3に進む。
【0076】
ステップS3において、制御装置200は、動力シリンダ112により負圧ポンプ110のピストン130を摺動させて第1空間132を広げ、負圧タンク114−1〜114−7内をΔP下げる。そしてステップS4に進む。
【0077】
ステップS4において、制御装置200は、負圧タンク114−1〜114−7内が設定負圧−P1になったか否かを圧力計122−1〜122−7で測定し、全ての負圧タンク114−1〜114−7内が設定負圧−P1まで下がっていればステップS5に進み(yの場合)、設定負圧−P1まで下がっていなければステップS3に戻り、負圧ポンプ114によってΔPだけ再び下げる(nの場合)。なお、7系統の中で設定負圧−P1まで下がった負圧タンク114については、その負圧タンク114に繋がった二方弁118のみを閉状態にする。
【0078】
ステップS5において、負圧タンク114−1〜114−7内が設定負圧−P1に全て下がっているため、制御装置200は、全ての二方弁118を閉状態にして、負圧ポンプ110を停止させる。そして、ステップS6に進む。
【0079】
ステップS6において、制御装置200は、全ての吸引部の吸引を待機状態とし、ステップS7に進む。
【0080】
ステップS7において、制御装置200は、上記の第2工程になると下前吸引部54の吸引開始指示を行う。
【0081】
ステップS8において、制御装置200は、吸引三方弁120−6の入口と第1出口を導通状態、第2出口を閉状態にする。すると下前吸引部54の吸引空間55の内圧が下がって平衡状態になりステップS11に進む。負圧タンク114の容積をV1、設定圧力を−P1、下前吸引部54の吸引空間55の容積をV2、吸引圧力を−P2とすると、V1:V2=|−P1|:|−P2|となる。なお、吸引圧力−P2とは、吸引三方弁120−6を導通して下前吸引部54と負圧タンク114−6の内圧が平衡状態となったときの圧力である。但し、流動抵抗要因は除いている。この式の動作を具体例で詳しく説明する。なお、これら数字はあくまでも例示である。
P1=−80kPaとすると空気の量は0.2気圧であり、負圧タンク114−6の容量を5L(リットル)とすれば、1L分の空気(大気)が残留していることになる。一方 下前吸引部54の容積が1Lとすれば、吸引三方弁120−6が開放されている場合には大気圧であるが、旧新ウエブW1,W2によって吸引面57を遮蔽した状態で、吸引三方弁120−6によって下前吸引部54と負圧タンク114−6と導通させると、下前吸引部54と負圧タンク114−6の内圧は(1L+1L)/(5L+1L)=2/6気圧、すなわち、−P2=約−67
kPaで平衡状態を保つことになる。これにより、設定圧力−P1は、下前吸引部54と負圧タンク114−6に存在する空気の量の和と容積の和から決まる。
【0082】
ステップS9において、下前吸引部54の吸引空間55の内圧が−P2に下がっているので新ウエブW2の吸引を実行でき、ステップS10に進む。
【0083】
ステップS10において、制御装置200は、上記の第6工程になると吸引の終了を指示し、ステップS11に進む。
【0084】
ステップS11において、制御装置200は、吸引三方弁120−7の入口を閉状態、第1出口と第2出口を導通状態にする。これにより、下前吸引部54の吸引空間55の内圧が大気圧に上がり、ステップS12に進む。
【0085】
ステップS12において、下前吸引面の吸引空間の内圧が大気圧になったため、新ウエブW2の吸引が終了し、ステップS2に戻る。
【0086】
なお、下前吸引部54以外の系統の吸引部についても、それぞれの吸引開始タイミングと吸引終了タイミングでステップS6〜S12の動作をそれぞれ並行に行う。
【0087】
(10)効果
本実施形態の切断装置46によれば、旧ウエブW1と新ウエブW2を重ねてカッター58で切断する空間は、旧ウエブW1と上移動溝部28で囲まれた筒状の切断空間98、新ウエブW2と下移動溝部96で囲まれて筒状の切断空間99であり、その右側に塵吸引部102を接続して、切断により発生した塵を吸引する。そのため、旧ウエブW1と新ウエブW2の表面に塵が付着しない。
【0088】
また、本実施形態の負圧装置150によれば、負圧ポンプ110は、動力シリンダ112によってピストン130を複数回摺動させて負圧タンク114内を設定負圧−P1まで下げることができるため、構造が簡単となり、かつ、コストを低減できる。特に、設定負圧−P1を、大気圧より低く中真空度−100
hPaよりも高い値、例えば−80〜−60
hPaに設定すると、より簡単に負圧タンク114内の圧力を下げることができる。
【0089】
また、本実施形態の吸引装置100によれば、吸引三方弁120を動作させ、負圧タンク114と吸引部の吸引空間の内圧を平衡させることによって、塵、旧ウエブW1、新ウエブW2、上テープ34、下テープ52などの吸引体を簡単に吸引できる。
【0090】
(11)変更例
上記実施形態では、上移動体12にある旧ウエブ巻き付け体18の上移動溝部28と、下移動体14の新ウエブ固定部44にある下移動溝部96によって筒状の切断空間98.99を形成したが、これ以外の部材で切断空間98,99を形成し、カッター58で旧ウエブW1と新ウエブW2とを同時に切断してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、負圧ポンプ110、動力シリンダ112、第1逆止弁108、第2逆止弁116の吸引装置100によって、負圧タンク114内を負圧に下げたが、これに限らず他の負圧空間部を負圧にしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、負圧ポンプ110の第1空間132をピストン130で広くするときに負圧タンク114内を負圧にしたが、これに限らず第2空間134を広くするとき、又は、第1空間132と第2空間134を交互に広くするときに、負圧タンク114内を負圧にしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、上移動体12と下移動体14を用いた接続装置10において、吸引装置100を用いたが、これに代えて従来よりある吸引構造を有する接続装置に本実施形態の吸引装置100を適用してもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、負圧ポンプ110のピストン130を動力シリンダ112で摺動させたが、動力シリンダ112以外の装置でピストン130を摺動させてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、1個の負圧タンク114内を設定負圧−P1に下げたが、吸引部がより大きい吸引力を必要とする場合には、負圧タンク114に補助タンクを接続し、負圧タンク114の容積V1に補助タンクの容積V3を追加する。そして、負圧ポンプ110は、負圧タンク114内と補助タンク内を設定負圧−P1に下げることにより、吸引部がより大きい吸引力を得ることができる。
【0096】
また、上記実施形態では、7系統の負圧タンク114−1〜114−7を第1接続管124で全て並列に接続したが、7系統の吸引部を例えば、高い吸引力が必要な4系統の吸引部からなる第1並列系統と、低い吸引力でよい3系統の吸引部からなる第2並列系統を形成し、さらに第1並列系統と第2並列系統を並列に接続して主並列回路を形成し、この形成した主並列配管と1個の負圧ポンプ110とを第1接続管124で接続してもよい。
【0097】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。