(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533596
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】自己適応ディスプレイ調整方法及びヘッドマウントディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20190610BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-560648(P2017-560648)
(86)(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公表番号】特表2018-518707(P2018-518707A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】CN2015080327
(87)【国際公開番号】WO2016191953
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2017年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】516013631
【氏名又は名称】シェンジェン ロイオル テクノロジーズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN ROYOLE TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ チョン
(72)【発明者】
【氏名】シュン ジャソン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ズホン
【審査官】
越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−534655(JP,A)
【文献】
特開平09−261556(JP,A)
【文献】
特開2015−084150(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0250322(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00−27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドマウントディスプレイデバイスであって、記憶ユニットと、表示ユニットと、検出ユニット、判断ユニットと、取得ユニットと、調整ユニットと、瞳孔検出ユニットとを備え、
前記記憶ユニットは調整記録を記憶するように構成され、前記調整記録は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータ、およびユーザの特徴情報を含み、
前記表示ユニットは、二組の表示モジュールを含み、各表示モジュールは、マイクロディスプレイデバイスと、前記マイクロディスプレイデバイスに接続する光学モジュールとを含み、
前記検出ユニットは、ユーザの特徴を検出し、検出したユーザの特徴によってアクティブ信号を動作させるように構成され、
前記判断ユニットは、前記アクティブ信号に応じて前記記憶ユニットにおいて対応する調整記録があるか否かを判断し、前記記憶ユニットにおいて対応する調整記録がある場合、クエリ要求を動作させるように構成され、
前記取得ユニットは、前記クエリ要求に応じて前記記憶ユニットに対応する調整記録を問い合わせ、対応する調整パラメータを取得するように構成され、
前記調整ユニットは、取得した調整パラメータによって駆動信号を生成し、前記マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離を調整するように構成され、
前記瞳孔検出ユニットは、ユーザの瞳孔間距離を検出して瞳孔間距離の調整パラメータを生成するように構成され、
前記調整ユニットは、前記瞳孔検出ユニットによる瞳孔間距離の調整パラメータによって駆動信号を生成し、二組の表示モジュールの間の距離を調整し、
前記検出ユニットは前記調整ユニットによる二組の表示モジュールの間の距離の調整の後に前記ユーザの特徴を検出し、前記判断ユニットは前記ユーザの特徴によって前記記憶ユニットにおいて前記ユーザの特徴を含むユーザの特徴情報があるか否かを判断する、
ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項2】
新しい調整記録を獲得するように構成される獲得ユニットをさらに備え、
前記判断ユニットは、前記記憶ユニットにおいて対応する調整記録がないと判断した場合、獲得ユニットを動作させるように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記ユーザの特徴情報は、ユーザ識別及び/又は音声記録及び/又は指紋記録及び/又は顔記録及び/又は虹彩記録を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記獲得ユニットが新しい調整記録を獲得することは、その時点での前記マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離を獲得し、調整パラメータに変換することを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記新しい調整記録を記憶ユニットに保存するように構成される保存ユニットをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記調整ユニットは、前記取得ユニットが取得するジオプトリーの調整パラメータによって駆動信号を生成し、前記マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離を調整するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【請求項7】
自己適応ディスプレイ調整方法であって、
二組の表示モジュールを含む電子装置に適用し、表示モジュールのそれぞれは、マイクロディスプレイデバイスと、マイクロディスプレイデバイスに接続する光学モジュールとを含み、前記自己適応ディスプレイ調整方法は、
ユーザの瞳孔間距離を検出して瞳孔間距離の調整パラメータを生成することと、
前記瞳孔間距離の調整パラメータによって駆動信号を生成し、二組の表示モジュールの間の距離を調整することと、
二組の表示モジュールの間の距離を調整した後にユーザの特徴を検出し、検出したユーザの特徴によってアクティブ信号を動作させることと、
前記アクティブ信号に応じて前記ユーザの特徴を含む調整記録があるか否かを判断し、対応する調整記録がある場合、クエリ要求を動作させることと、
前記クエリ要求に応じて対応する調整記録を問い合わせ、対応する調整パラメータを取得することと、
取得した調整パラメータによって駆動信号を生成し、前記マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離を調整することと、を含み、
前記調整記録は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータ、および前記ユーザの特徴を含むユーザの特徴情報を含む、
ことを特徴とする自己適応ディスプレイ調整方法。
【請求項8】
対応する調整記録がないと判断した場合、新しい調整記録を獲得することを
特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザの特徴情報は、ユーザ識別及び/又は音声記録及び/又は指紋記録及び/又は顔記録及び/又は虹彩記録を含むことを
特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記新しい調整記録を獲得することは、その時点での前記マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離を獲得し、調整パラメータに変換することを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記新しい調整記録を保存することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、クエリ要求に応じてジオプトリーに対応する調整記録を問い合わせ、対応する調整パラメータを取得することと、
取得した調整パラメータによって駆動信号を生成し、前記マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離を調整することと、を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイ調整技術に関し、特に自己適応ディスプレイ調整方法及び該ディスプレイ調整方法を有するヘッドマウントディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイデバイスは、ビデオ眼鏡、眼鏡ディスプレイ、ホームシアターとも呼ばれている。ヘッドマウントディスプレイデバイスは、3D動画などを含むマルチメディアファイルを再生することを実現できる。近眼表示技術を利用して没入型のシアター効果を実現し、ポータブルなホームシアターの概念を製品化とする。
【0003】
しかし、人それぞれ視力が異なるため、近視、遠視、老眼などの問題により、該ヘッドマウントディスプレイデバイスを最適に体験することができません。そのため、従来技術は、手動調整機構を設け、ユーザが自分でジオプトリー又は瞳孔間距離を調整することができるディスプレイ調整形態を提供する。しかし、該形態において、手動調整機構は、誤操作またはタッチにより、容易に調整変動をもたらし、または他のユーザの着用により調整変動をもたらす。ユーザは、再び使用する時、繰り返し手動で調整する必要があり、製品の使用に不都合を感じる。
【0004】
これによって、前記技術問題を効果的に解決するヘッドマウントディスプレイデバイスを提供する必要があり、製品のディスプレイ調整の使いやすさを向上させる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態によるヘッドマウントディスプレイデバイスは、記憶ユニットと、表示ユニットと、取得ユニットと、調整ユニットとを含む。
【0006】
記憶ユニットは調整記録を記憶するように構成される。調整記録は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを含む。
【0007】
表示ユニットは、二組の表示モジュールを備え、各表示モジュールは、マイクロディスプレイデバイスと、マイクロディスプレイデバイスに接続する光学モジュールとを含む。
【0008】
取得ユニットは、クエリ要求に応じて記憶ユニットに対応する調整記録を問い合わせ、対応する調整パラメータを取得するように構成される。
【0009】
調整ユニットは、調整パラメータによって駆動信号を生成し、マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離を調整するように構成される。
【0010】
本発明は自己適応ディスプレイ調整方法をさらに提供し、該方法は二組の表示モジュールを含む電子装置に適用する。表示モジュールのそれぞれは、マイクロディスプレイデバイスと、マイクロディスプレイデバイスに接続する光学モジュールと、を含む。
【0011】
該方法は、クエリ要求に応じて対応する調整記録を問い合わせ、対応する調整パラメータを取得することと、調整パラメータによって駆動信号を生成し、マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離を調整することと、を備え、該調整記録は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを含む。
【0012】
本発明の実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイス及び自己適応ディスプレイ調整方法は、調整記録においてジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを取得することによって、マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離の調整を自動的に駆動して、ヘッドマウントディスプレイデバイスの自己適応ディスプレイ調整を実現し、異なるユーザの視覚要求に適応するインテリジェントな調整形態を提供する。
【0013】
以下、添付の図面は具体的な実施形態と共に、本発明を詳しく説明するためのものである。添付図面に示される各要素は、実際のサイズ及び縮尺比を表するものではないと理解されるべきである。概略図は説明を明瞭にするために示されるのであって、本発明を制限するものと理解されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の第一実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイスのブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第二実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイスのブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第三実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイスのブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の第四実施例による自己適応ディスプレイ調整方法のフロー図である。
【
図5】
図5は、本発明の第五実施例による自己適応ディスプレイ調整方法のフロー図である。
【
図6】
図6は、本発明の第六実施例による自己適応ディスプレイ調整方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、技術手段及び利点を一層明瞭にするために、以下に、若干の実施形態及び図面を参照しながら、本発明を一層詳しく説明する。ここで記載される実施形態は、本発明を説明するためのものだけであるが、本発明を制限するものではないと理解される。
【0016】
図1は、本発明の第一実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイスのブロック図であり、該ヘッドマウントディスプレイデバイス10は、調整記録を記憶するように構成される記憶ユニット11と、表示ユニット12と、取得ユニット13と、調整ユニット14とを含む。調整記録は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを含む。
【0017】
具体的に、調整記録は、ヘッドマウントディスプレイデバイス10の具体的な機構配置によってジオプトリー及び/又は瞳孔間距離の調整を柔軟に提供する。すなわち、ヘッドマウントディスプレイデバイス10は、ジオプトリーの調整、瞳孔間距離の調整、または両者の調整を提供することができる。それに応じて、調整記録は、ジオプトリーの調整パラメータ、または瞳孔間距離の調整パラメータ、またはジオプトリーの調整パラメータ及び瞳孔間距離の調整パラメータを含む。該調整記録は、予め記憶された固定記録であってもよく、例えば、調整記録は、異なるジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを含むことができるため、ユーザは自分のジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に応じて調整記録における対応のジオプトリー及び/又は瞳孔間距離を選択することができる。これにより、調整ユニット14は、該ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータによって自動的に表示ユニット12を調整することができ、ユーザの要求に適合する最適な表示効果を提供することができる。ユーザの選択形態は、ユーザがヘッドマウントディスプレイデバイス10によって表示し出力するすべての調整記録を選択し操作する形態であってもよく、ユーザがジオプトリー及び/又は瞳孔間距離を直接に入力する形態であってもよいことが理解されるべきである。好ましくは、該調整記録は、動的に構築される拡張可能な記録であってもよい。例えば、前記選択形態、又はヘッドマウントディスプレイデバイスがその時点で着用しているユーザのジオプトリー及び/又は瞳孔間距離を自動的に検出することによって、該ユーザに対応する調整記録を構築することができ、記憶ユニット11に記憶され得る。これによって、該ユーザは、該ヘッドマウントディスプレイデバイスを使用する時、ユーザに自動的に合わせてその調整記録を取得し、自動的に適応することができる。そのため、同一のヘッドマウントディスプレイデバイスでは、ユーザが該デバイスを使用する度に設置操作を繰り返し行う必要がなく、異なるユーザの間で使用される時の自己適応を実現することができる。好ましくは、該記憶ユニットは、ヘッドマウントディスプレイデバイスの物理的な記憶に制限されず、ネット接続によって構築するクラウドストレージ形態であってもよい。それにより、ユーザが異なるヘッドマウントディスプレイデバイスを使用する時、クラウドストレージからユーザに対応する調整記録を自動的に獲得し、自己適応を実現する。
【0018】
表示ユニット12は、二組の表示モジュール120を備え、各表示モジュール120は、マイクロディスプレイデバイス121と、マイクロディスプレイデバイス121を接続する光学モジュール122とを含む。
【0019】
具体的に、二組の表示モジュール120は、ユーザが両眼で見る表示内容をそれぞれに提供するように構成される。マイクロディスプレイデバイス121は、対応の光学モジュール122に可動的に接続され、二組の表示モジュール120のマイクロディスプレイデバイス121が生成する映像は、それぞれに対応する光学モジュール122によって、所定の方向に向いてユーザの両眼に投射する。そのため、ユーザはマイクロディスプレイデバイス121の表示内容の拡大虚像を見ることができる。
【0020】
取得ユニット13は、クエリ要求に応じて記憶ユニット11に対応する調整記録を問い合わせ、対応する調整パラメータを取得するように構成される。
【0021】
調整ユニット14は、調整パラメータによって駆動信号を生成し、マイクロディスプレイデバイス121とそれに対応する光学モジュール122との間の距離及び/又は二組の表示モジュール120の間の距離を調整するように構成される。
【0022】
具体的に、調整ユニット14は調整パラメータによって二組の表示モジュール120の間の距離の変更を駆動し、瞳孔間距離の調整を実現することができる。二組の表示モジュール120のマイクロディスプレイデバイス121とそれに対応する光学モジュール122との間の距離の変更をそれぞれに駆動することによって、二組の表示モジュール120のジオプトリー調整をそれぞれに実現する。該実施例において、動力源としてのモーターによって調整ユニット14の駆動を実現することができる。モーターの動力駆動の原理は従来技術に属するため、詳しい説明がここで省略される。
【0023】
本発明の第一実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイス10は、調整記録からジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを取得することによって、マイクロディスプレイデバイス121とそれに対応する光学モジュール122との間の距離及び/又は二組の表示モジュール120の間の距離の調整を自動的に駆動して、ヘッドマウントディスプレイデバイス10の自己適応ディスプレイ調整を実現し、異なるユーザの視覚要求に適応するインテリジェントな調整形態を提供する。
【0024】
図2は、本発明の第二実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイスのブロック図である。該ヘッドマウントディスプレイデバイス20は、第一実施例のヘッドマウントディスプレイデバイス10に基づいて、検出ユニット21と、判断ユニット22と、獲得ユニット23と、保存ユニット24とをさらに含む。検出ユニット21は、ユーザの特徴を検出し、検出したユーザの特徴によってアクティブ信号を動作させるように構成される。判断ユニット22は、アクティブ信号に応じて記憶ユニット11において対応する調整記録があるか否かを判断し、記憶ユニット11において対応する調整記録がある場合、クエリ要求を動作させ、記憶ユニット11において対応する調整記録がない場合、獲得ユニット23を動作させるように構成される。
【0025】
該実施形態において、調整記録は、ユーザの特徴情報をさらに含む。判断ユニット22は、ユーザの特徴によって記憶ユニット11において該ユーザの特徴を有するユーザの特徴情報があるか否かを判断する。ユーザの特徴情報は、ユーザ識別及び/又は音声記録及び/又は指紋記録及び/又は顔記録及び/又は虹彩記録を含むがこれらに限定されない。そのため、ユーザは該ヘッドマウントディスプレイデバイス20を着用した後、ユーザが、例えば、ユーザの名前などのユーザ識別を出力または選択して、調整パラメータを自動的に取得することを実現し、自己適応の調整を実現することに限定されず、指紋識別装置、顔識別装置、虹彩識別装置などを設けることによって、関連するユーザの調整記録に合わせることを実現し、ユーザの如何なる操作が必要なく、調整パラメータを取得して自己適応の調整を実現する。
【0026】
獲得ユニット23は、新しい調整記録を獲得するように構成される。
【0027】
該実施形態において、ユーザは着用した後、マイクロディスプレイデバイス121とそれに対応する光学モジュール122との間の距離及び/又は二組の表示モジュール120の間の距離を手動で調整することができる。最適な表示効果を調整した時、獲得ユニット23はその時点でのマイクロディスプレイデバイス121とそれに対応する光学モジュール122との間の距離及び/又は二組の表示モジュール120の間の距離を、調整パラメータに変換することができる。他の実施形態において、センサなどを設けることによってユーザのジオプトリー及び/又は瞳孔間距離を自動的に識別することができるため、調整パラメータに変換することができる。該センサの識別技術は従来技術であるため、詳しい説明がここで省略される。
【0028】
保存ユニット24は、新しい調整記録を記憶ユニット11に保存するように構成される。
【0029】
前記獲得するユーザの調整パラメータによって、例えば、ユーザの名前、音声記録及び/又は指紋記録及び/又は顔記録及び/又は虹彩記録及び調整パラメータを含み得るユーザの調整記録を構築する。
【0030】
本発明の第二実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイス20は、ユーザの特徴を検出することによって関連のユーザの記録を自動的に合わせることをさらに提供し、ヘッドマウントディスプレイデバイスが瞳孔間距離、ジオプトリーを自動的に適応に調整することを実現する。
【0031】
本発明の第三実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイス30は、前記ヘッドマウントディスプレイデバイス10、20に基づいて、ユーザの瞳孔間距離を検出して瞳孔間距離の調整パラメータを生成するように構成される瞳孔検出ユニット31をさらに含む。調整ユニット14は、瞳孔検出ユニット31の瞳孔間距離の調整パラメータによって、駆動信号を生成し、二組の表示モジュール120の間の距離を調整することに用いられる。調整ユニット14は、更に取得ユニット13がジオプトリーの調整パラメータを取得することによって駆動信号を生成し、マイクロディスプレイデバイス121とそれに対応する光学モジュール122との間の距離を調整することに用いられる。
【0032】
本発明の第三実施例によるヘッドマウントディスプレイデバイス30は、瞳孔検出ユニット31をさらに備え、瞳孔間距離の自動的検出及び調整を実現し、さらなるインテリジェントな自己適応ディスプレイ調整を提供する。
【0033】
図4は、本発明の第四実施例による自己適応ディスプレイ調整方法のフロー図である。該方法は、二組の表示モジュールを含む電子装置に応用することができる。各表示モジュールは、マイクロディスプレイデバイス及びマイクロディスプレイデバイスに接続する光学モジュールを含む。該電子装置は、ヘッドマウントビデオプレーヤ、ヘッドマウントゲーム装置、ヘッドマウントナビゲーション装置または医療用表示装置などを含むがこれらに限定されない。
【0034】
該方法400は、以下のステップを含む。
ステップS401において、クエリ要求に応じて対応する調整記録を問い合わせ、対応する調整パラメータを取得する。該調整記録は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを含む。
ステップ402において、調整パラメータによって駆動信号を生成し、マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離を調整する。
【0035】
本発明の第四実施例による自己適応ディスプレイ調整方法は、調整記録からジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを取得することによって、マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離の調整を自動的に駆動して、自己適応ディスプレイ調整を実現し、異なるユーザの視覚要求に適応するインテリジェントな調整形態を提供する。
【0036】
図5は、本発明の第五実施例による自己適応ディスプレイ調整方法のフロー図である。該方法500は、以下のステップを含む。
【0037】
ステップS501において、ユーザの特徴を検出して、検出したユーザの特徴によってアクティブ信号を動作させる。
好ましい実施形態において、例えば音声識別装置及び/又は指紋識別装置及び/又は顔識別装置及び/又は虹彩識別装置などのセンサを設けることによって、前記実施例におけるステップS401を自動的に動作させるスタートステップとしてユーザを自動的に識別する。そのため、ユーザは如何なる操作も実行せずにユーザに対応する調整記録を自動的に取得することができる。そこで、音声識別装置は、マイクによってユーザが発する音声を録音することができる。それに応じて、調整記録は、予め設定された音声記録を含み、該録音した音声に合わせる音声記録によって、該音声記録を含む調整記録を検索することを実現する。具体的に、音声記録は、ユーザが自分の調整記録を作成する時、録音した音声であってもよく、該音声は、ユーザの名前、ニックネームなどの如何なる音声情報であってもよい。音声記録は、異なるジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する音声であってもよい。それにより、ユーザは所望のジオプトリー及び/又は瞳孔間距離を直接言うことができ、音声識別装置は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離の音声を録音することによって、該音声に合わせる音声記録があるか否かを検索する。該実施形態において、調整記録は、音声記録及び調整パラメータを含むことができる。具体的に、音声記録は、ジオプトリーの音声記録及び/又は瞳孔間距離の音声記録を含むことができる。顔識別装置は、カメラによって、その時点での着用しているユーザの顔画像を撮ることができる。それに応じて、調整記録に含まれる顔の記録は、該ユーザが予め記憶された顔画像、顔画像特徴であってもよい。調整記録における顔の記録と比較することによって、顔の記録に対応する調整記録を探し出せる。
【0038】
ステップS502において、アクティブ信号に応じて対応の調整記録があるか否かを判断し、対応の調整記録がある場合、ステップS503に進み、対応の調整記録がない場合、ステップS505に進む。
具体的に、調整記録は、ユーザの特徴情報を含むことができ、ユーザの特徴情報は、ユーザ識別及び/又は音声記録及び/又は指紋記録及び/又は顔記録及び/又は虹彩記録を含むがこれらに限定されない。アクティブ信号は、ステップS501が検出したユーザの特徴を含むことができる。それに応じて、ステップS502は、具体的に、ステップS501で検出したユーザの特徴によってユーザの特徴を含むユーザの特徴情報があるか否かを判断することを含む。
【0039】
ステップS503において、クエリ要求を動作させる。
クエリ要求に応じて対応の調整記録を問い合わせ、対応の調整パラメータを取得する。調整記録は、ジオプトリー及び/又は瞳孔間距離に対応する調整パラメータを含む。
【0040】
ステップS504において、調整パラメータによって駆動信号を生成し、マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び二組の表示モジュールの間の距離を調整する。
【0041】
ステップS505において、新しい調整記録を獲得する。
具体的に、ステップS505は、その時点でのマイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離及び/又は二組の表示モジュールの間の距離を獲得し、調整パラメータに変換することを含む。
【0042】
ステップS506において、新しい調整記録を保存する。
【0043】
図6は、本発明の第六実施例による自己適応ディスプレイ調整方法のフロー図である。該方法600は、以下のステップを含む。
【0044】
ステップS601において、ユーザの瞳孔間距離を検出し、瞳孔間距離の調整パラメータを生成する。
【0045】
ステップS602において、瞳孔間距離の調整パラメータによって駆動信号を生成し、二組の表示モジュールの間の距離を調整する。
【0046】
ステップS603において、ユーザの特徴を検出して、検出したユーザの特徴によってアクティブ信号を動作させる。
【0047】
ステップS604において、アクティブ信号に応じて対応の調整記録があるか否かを判断する。
具体的に、調整記録は、ユーザの特徴情報をさらに含むことができ、ユーザの特徴情報は、ユーザ識別及び/又は指紋記録及び/又は顔記録及び/又は虹彩記録を含むがこれらに限定されない。それに応じて、ステップS604は、ステップS603が検出したユーザの特徴によってユーザの特徴を含むユーザの特徴情報があるか否かを判断し、ユーザの特徴を含むユーザの特徴情報がある場合、所望の調整記録が存在することを含む。
【0048】
ステップS605において、クエリ要求を動作させる。
該実施例において、クエリ要求は、ステップS604が確認した所望の調整記録に対するジオプトリークエリ要求である。所望の調整記録を問い合わせ、該調整記録に対応するジオプトリー調整パラメータを取得する。
【0049】
ステップS606において、新しい調整記録を獲得する。
具体的に、ステップS606は、その時点でのマイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離を獲得し、調整パラメータに変換することを含む。
【0050】
ステップS607において、新しい調整記録を保存する。
【0051】
ステップS608において、調整パラメータによって駆動信号を生成し、マイクロディスプレイデバイスとそれに対応する光学モジュールとの間の距離を調整する。
【0052】
本発明の自己適応ディスプレイ調整方法は、前記ステップ順番に限定されず、当業者が前記実施例の原理についての説明によって、以下の順番をさらに含むことが理解されるべきである。S501→S502→S502で判断結果は対応の調整記録がある場合にS503→S504を実行し、S502で判断結果は対応の調整記録がない場合にステップS601→S602→S606→S608を実行する。好ましくは、S608とS607と同期に実行してもよく別々に実行してもよい。
【0053】
第四〜第六実施例の方法は、前記ヘッドマウントディスプレイデバイスの対応の特徴に対応して、それらの具体的な原理は、第一〜第三実施例の原理を参照することができるため、詳しい説明がここで省略される。
【0054】
以上は、本発明の好適な実施方式に過ぎなく、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神及び要旨を逸脱しない場合行われる変更、均等置換及び改良などは、いずれも本発明の範囲に属するものである。