(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533605
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】磁界通信システムおよび磁界通信方法
(51)【国際特許分類】
H04B 5/02 20060101AFI20190610BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
H04B5/02
G08C15/00 D
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-51895(P2018-51895)
(22)【出願日】2018年3月20日
(65)【公開番号】特開2018-160893(P2018-160893A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2018年3月20日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0036997
(32)【優先日】2017年3月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514122557
【氏名又は名称】トサン ヘビー インダストリーズ アンド コンストラクション カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ゾン ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ,スン チョル
【審査官】
前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0215684(US,A1)
【文献】
特開2003−139155(JP,A)
【文献】
特開平07−273697(JP,A)
【文献】
特開2015−114803(JP,A)
【文献】
特開2005−301645(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0159674(US,A1)
【文献】
特開2008−065660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 5/02
G08C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属装備の内部に配置され、前記金属装備の内部の状態を測定するセンサと、
測定した検知信号を磁界信号に変換し、前記金属装備の外部に送信するインタフェースと、
前記磁界信号を用いて電源を生成し、前記磁界信号を分析して前記金属装備の内部の状態を判断するアダプタと、を備え、
前記アダプタは、
前記磁界信号を受信する磁界受信部と、
前記磁界信号を分析して前記金属装備の内部の状態を判断する制御部と、
前記磁界信号を用いて電源を生成し、前記電源を貯蔵する電源部と、
前記制御部が判断した前記金属装備の内部の状態を別の通信装備に送信する磁界送信部と、を含み、
前記磁界送信部は、前記金属装備の内部の状態を、磁界を用いて別の通信装備に送信することを特徴とする磁界通信システム。
【請求項2】
前記インタフェースは、前記金属装備の内部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の磁界通信システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源部をモニタリングして前記電源部に貯蔵された電源の容量を判断し、前記電源部に貯蔵された電源の容量に基づいて前記磁界信号を制御することを特徴とする請求項1に記載の磁界通信システム。
【請求項4】
前記電源部に貯蔵された電源の容量が第2容量以下である場合、前記制御部は、前記磁界信号を前記電源部に供給して電源を生成するのに用いることを特徴とする請求項1に記載の磁界通信システム。
【請求項5】
前記電源部に貯蔵された電源の容量が第1容量以上である場合、前記制御部は、前記磁界信号を前記金属装備の内部の状態を判断するのに用いることを特徴とする請求項1に記載の磁界通信システム。
【請求項6】
前記電源部の充電が完了された後、前記電源部に貯蔵された電源の容量が第2容量以下に減少する場合、前記制御部は、受信する前記磁界信号を前記電源部を充電するのに用いることを特徴とする請求項1に記載の磁界通信システム。
【請求項7】
センサが金属装備の内部の状態を測定する測定ステップと、
インタフェースが前記センサが測定した検知信号を磁界信号に変換し、前記金属装備の外部に送信する外部送信ステップと、
アダプタが前記磁界信号を受信し、受信した前記磁界信号を用いて電源を生成、および前記磁界信号を分析して前記金属装備の内部の状態を判断する電源生成及び状態判断ステップと、を有し、
前記アダプタは、
前記磁界信号を受信する磁界受信部と、
前記磁界信号を分析して前記金属装備の内部の状態を判断する制御部と、
前記磁界信号を用いて電源を生成し、前記電源を貯蔵する電源部と、
前記制御部が判断した前記金属装備の内部の状態を別の通信装備に送信する磁界送信部と、含み、
前記磁界送信部が、前記金属装備の内部の状態を、磁界を用いて別の通信装備に送信するステップをさらに含むことを特徴とする磁界通信方法。
【請求項8】
前記電源生成及び状態判断ステップは、
前記制御部が、前記電源部に貯蔵される電源の容量が第1容量以上になるまで、受信する前記磁界信号を電源を生成するために用いるステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の磁界通信方法。
【請求項9】
前記電源生成及び状態判断ステップは、
前記電源部に貯蔵された電源の容量が前記第1容量以上に充電された後、前記制御部が、受信する前記磁界信号を前記金属装備の内部の状態を判断するために用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の磁界通信方法。
【請求項10】
前記電源生成及び状態判断ステップは、
前記第1容量以上であった前記電源部に貯蔵された電源の容量が第2容量以下に減少すると、前記制御部が、前記電源部の電源の容量が再び前記第1容量以上になるように、前記磁界信号を前記電源部に供給するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の磁界通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界通信システムおよび磁界通信方法に関し、より詳細には、金属装備の内部の状態を示す信号を、磁界を用いて通信し、磁界を用いて通信した信号を電源に変換して金属装備の内部の状態を分析する磁界通信システムおよび磁界通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、金属装備の内部の状態を検知するための方法として、金属装備の外部にセンサを配置して金属装備の外部の状態を検知した後、金属装備の外部の状態を判断することで、金属装備の内部の状態を予測する方法がある。
かかる方法は、金属装備の内部の状態を正確に判断することが困難であり、金属装備の内部にセンサを配置するとしても、センサの検知値を正確に通信することが困難であるという欠点がある。また、金属装備の状態を持続的に検知するために、電池を周期的に交換しなければならないという不便さがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−108187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述従来の検知方法の問題点を解決するためのものであって、その目的は、金属装備の内部などのように検知が困難な環境で、金属装備の内部の状態情報を収集することができる磁界通信システムおよび磁界通信方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、磁界を用いて独自に電源を生成し、電池を交換することなく金属装備の内部の状態を点検する磁界通信システムおよび磁界通信方法を提供することにある。
上記で言及した本発明の技術的課題の他にも、本発明の他の特徴および利点を以下で記述するが、かかる技術および説明から、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の実施形態による磁界通信システムは、金属装備の内部に配置され、金属装備の内部の状態を測定するセンサと、測定した検知信号を磁界信号に変換し、金属装備の外部に送信するインタフェースと、磁界信号を用いて電源を生成し、磁界信号を分析して金属装備の内部の状態を判断するアダプタと、を含むことを特徴とする。
【0006】
ここで、前記インタフェースは、前記金属装備の内部に配置されることが好ましい。
前記アダプタは、前記磁界信号を受信する磁界受信部と、前記磁界信号を分析して前記金属装備の内部の状態を判断する制御部と、前記磁界信号を用いて電源を生成し、前記電源を貯蔵する電源部と、を含むことが好ましい。
【0007】
また、前記電源部が充電されていない場合、前記制御部は、前記磁界信号を前記電源部に供給して電源を生成するのに用いることが好ましい。
前記電源部に充電された電源の容量が第1容量以上であると、前記制御部は、前記磁界信号を前記金属装備の内部の状態を判断するのに用い、第1容量は電源部の充電が完了された容量であることが好ましい。
【0008】
また、前記電源部の充電が完了された後、前記電源部に貯蔵された電源の容量が第2容量以下に減少する場合に、前記制御部は、受信する前記磁界信号を、前記電源部を充電するのに用いる。
前記アダプタは、前記制御部が分析した前記磁界信号を別の通信装備と通信することができる磁界送信部をさらに含み、前記磁界送信部は、磁界を用いて前記磁界信号を送信することが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の実施形態による磁界通信方法は、センサが金属装備の内部の状態を測定するステップと、センサが測定した検知信号を磁界信号に変換し、金属装備の外部に送信するステップと、磁界信号を受信し、受信した磁界信号を用いて電源を生成、および磁界信号を分析して金属装備の内部の状態を判断するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記金属装備の内部の状態を判断するステップにおいて、前記制御部は、前記電源部に充電される電源の容量が第1容量以上になるまで、受信する前記磁界信号を電源を生成するために用いることが好ましい。
前記金属装備の内部の状態を判断するステップにおいて、前記電源部に充電された電源の容量が前記第1容量以上に充電された後、前記制御部は、受信する前記磁界信号を前記金属装備の内部の状態を判断するために用いる。
【0011】
また、前記金属装備の内部の状態を判断するステップにおいて、前記第1容量以上であった前記電源部に貯蔵された電源の容量が第2容量以下に減少すると、前記制御部は、前記電源部の電源の容量が再び前記第1容量以上になるように前記磁界信号を前記電源部に供給するステップをさらに含むことが好ましい。
前記金属装備の内部の状態を、磁界を用いて別の通信装備に送信するステップをさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態による磁界通信システムおよび磁界通信方法は、金属装備の内部などのように検知が困難な環境で、金属装備の内部の状態情報を収集することができる。
また、磁界を用いて独自に電源を生成するため、電池の交換なしに金属装備の内部の状態を点検することができ、別の電池が不要であるため、通信システムの構成を単純化することができる。
その他にも、本発明の実施形態によって、本発明のさらに他の特徴および利点が新しく把握されることもできるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による磁界通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態によるインタフェースの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態による磁界通信方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
本発明を明確に説明するために、説明に関係のない部分は省略し、明細書の全体にわたって、同一または類似の構成要素には同一の参照符号を付す。
【0015】
明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとする場合、これは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、その間に他の素子を介して「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
ある部分が他の部分の「上に」あると言及する場合、これは、他の部分の直上にある場合だけでなく、その間に他の部分が伴われる場合も含む。対照的に、ある部分が他の部分の「直上に」あると言及する場合、その間に他の部分が伴われない。
【0016】
第1、第2、および第3などの用語は、様々な部分、成分、領域、層、および/またはセクションを説明するために用いられ、これらに限定されるものではない。これら用語は、ある部分、成分、領域、層、またはセクションを、他の部分、成分、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ用いられる。したがって、以下で記述する第1部分、成分、領域、層、またはセクションは、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で、第2部分、成分、領域、層、またはセクションと言及され得る。
【0017】
ここで用いられる専門用語は、ただ特定実施形態を言及するためのものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。ここで用いられる単数の形態は、文脈上明白に反対の意味を有しない限り、複数の形態も含む。明細書で用いられる「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、ステップ、動作、要素、および/または成分を具体化し、他の特性、領域、整数、ステップ、動作、要素、および/または成分の存在や付加を除くのではない。
【0018】
「下」、「上」などの相対的な空間を示す用語は、図面で示された一部分と他の部分との関係をより容易に説明するために用いられることができる。かかる用語は、図面で意図した意味とともに、使用中の装置の他の意味や動作を含むように意図される。例えば、図面中の装置を倒立させると、他の部分の「下」にあると説明されたある部分が、他の部分の「上」にあると説明される。したがって、「下」という例示的な用語は、上と下の方向を両方とも含む。装置は、90°回転または他の角度で回転可能であり、相対的な空間を示す用語もこれに応じて解釈される。
【0019】
他に定義していないが、ここで用いられる技術用語および科学用語を含む全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。通常用いられる辞書に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容にかなう意味を有すると追加解釈され、定義されない限り、理想的または非常に公式的な意味に解釈されない。
【0020】
図1は本発明の実施形態による磁界通信システムの構成を示すブロック図であり、
図2は本発明の実施形態によるインタフェースの構成を示すブロック図である。
図1および
図2を参照すると、本発明の実施形態による磁界通信システムは、アダプタ100およびセンサユニット200を含む。アダプタ100は、アンテナ110、磁界受信部120、電源部130、磁界送信部140、および制御部150を含み、センサユニット200はセンサ210およびインタフェース220を含むことができる。
【0021】
センサ210は、地中施設、水中施設、および金属装備の内部に配置され、地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を測定することができる。具体的に、センサ210は、地中施設、水中施設、および金属装備の内部の温度、圧力、湿度、亀裂などの状態を測定する。ここで、センサ210は、温度、圧力、湿度、亀裂などをそれぞれ検出するように別々に配置することができる。
【0022】
インタフェース220は、地中施設、水中施設、および金属装備の内部に配置されており、センサ210が測定した地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を示す検知信号を磁界信号に変換し、地中施設、水中施設、および金属装備の外部に送信することができる。一例として、インタフェース220は、センサ210と別の構成として地中施設、水中施設、および金属装備の内部に配置されることができる。他の例として、インタフェース220はセンサ210の一構成であってもよい。
【0023】
インタフェース220は、信号変換部222および通信部224を含むことができる。信号変換部222は、センサ210が測定した地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を示す検知信号を磁界信号に変換することができる。通信部224は、変換した磁界信号を地中施設、水中施設、および金属装備の外部に送信することができる。
【0024】
アンテナ110は、インタフェース220が送信した磁界信号を受信し、磁界受信部120に伝達することができる。ここで、インタフェース220とアダプタ100との間の磁界通信において、インタフェース220とアダプタ100が同一の共振周波数を有するように設定して、最大電力が伝送されるようにすることができる。また、インタフェース220とアダプタ100の距離および位置が、特定距離または特定位置に配置されるように設定して、最大電力が伝送されるようにすることができる。
【0025】
磁界受信部120は、インタフェース220が送信した磁界信号をアンテナ110を介して受信し、受信した磁界信号を制御部150に提供することができる。
【0026】
電源部130は、制御部150が供給する磁界信号を用いて電源を生成し、生成された電源を貯蔵することができる。具体的に、電源部130は、磁界が印加される際に電流を生成することができるコイルと、生成された電流を貯蔵することができるキャパシタ(capacitor)と、を含むことができる。電源部130は、磁界信号を受信するにあたり、磁界により発生する電磁気誘導現象によって生成される電流をキャパシタに貯蔵する。
【0027】
ここで、キャパシタは、電流がそれ以上供給されないと、キャパシタの貯蔵された電流を電源として用いることができる。したがって、電源部130は、制御部150から磁界信号が供給されると、磁界信号によって生成された電流をキャパシタに貯蔵する。また、制御部150から磁界信号が供給されなくてキャパシタに電流がそれ以上供給されないと、電源部130は、キャパシタに貯蔵された電流を電源として用いることができる。
【0028】
制御部150は、磁界受信部120から受信した磁界信号を電源部130に供給し、受信した磁界信号を分析することができる。具体的に、制御部150は、電源部130に貯蔵された電源の容量に基づいて磁界信号を供給する。ここで、制御部150は、電源部130をモニタリングして電源部130に貯蔵された電源の容量を判断することができる。
【0029】
制御部150は、電源部130が充電されていない場合に、電源部130の容量が第1容量以上になるまで磁界信号を電源部130に供給する。制御部150は、電源部130の容量が第1容量以上になるまでは、磁界信号の分析を行わないようにしてもよい。この際、電源部130は、制御部150から供給された磁界信号を用いて電源を生成し、生成された電源を貯蔵する。例えば、第1容量は、電源部130の充電が完了された容量であり、電源部130の充電が完了されていなくても、磁界信号を分析できる程度の容量であるとしてもよい。
【0030】
制御部150は、電源部130に充電された電源の容量が第1容量以上になると、電源部130に磁界信号をそれ以上供給せず、磁界信号を分析して金属装備の内部の状態を判断するのに用いる。この際、制御部150は、電源部130から電源の供給を受けて金属装備の内部の状態を分析することができる。
【0031】
また、制御部150は、電源部130の充電が完了した後、電源部130に貯蔵された電源が第2容量以下に減少する場合に、磁界信号を電源部130に再び供給する。この際、制御部150は、磁界信号を金属装備の内部状態の分析には用いず、全ての磁界信号を電源部130に供給して電源を生成するように制御することができる。例えば、第2容量は、電源部130に貯蔵された電源が全て放電された容量であり、電源部130に貯蔵された電源が全て放電されていなくても、磁界信号を分析できない程度の容量であるとしてもよい。
【0032】
ここで、制御部150は、電源部130に貯蔵された電源の容量が第1容量以上になるように磁界信号を供給することができ、電源部130に貯蔵された電源の容量が第1容量以上になると、貯蔵された電源を用いて、磁界受信部120から受信した磁界信号を分析することができる。また、電源部130に貯蔵された電源の容量が第2容量以下に減少すると、制御部150は、磁界受信部120から受信した磁界信号を電源部130に再び供給することができる。すなわち、制御部150は、別の電源装置なしに、地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を判断することができる。そして、制御部150は、磁界信号の分析結果を磁界送信部140に提供する。
【0033】
磁界送信部140は、制御部150が磁界信号を分析した結果を別の通信装備に送信することができる。この際、磁界送信部140は磁界を用いて別の通信装備に送信し、別の通信装備は、センサユニット200でもよいし、センサユニット200以外の他の装備であってもよい。
【0034】
本発明の実施形態による磁界通信システムは、磁界を用いる通信方式を採択している。したがって、一般の通信システムでは通信が困難な、地中施設、水中施設、および金属装備の内部とその外部との通信が可能である。また、本発明の実施形態による磁界通信システムは、別の電源装置が不要であるため、構成を簡素化した通信システムを実現することができる。構成の簡素化により、空間が狭い地域にアダプタ100を提供することができる。
【0035】
図3は磁界通信を示す図である。
図3を参照すると、センサ210は、地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を測定し、インタフェース220は、センサ210が測定した地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を示す検知信号を磁界信号に変換することができる。また、インタフェース220は、変換した磁界信号を、磁界を用いて磁界受信部120に送信する。この際、インタフェース220は、アダプタ100とのインピーダンスマッチングのために別の受動素子を含むことができる。ここで、アンテナ110は、インタフェース220が送信する磁界信号を受信して磁界受信部120に伝達することができる。
【0036】
ここで、インタフェース220と磁界受信部120との間の磁界通信において、インタフェース220と磁界受信部120が同一の共振周波数を有するように設定し、インタフェース220と磁界受信部120との距離および位置が特定距離または特定位置に配置されるように設定して、最大電力が伝送されるようにすることができる。すなわち、アダプタ100とセンサユニット200とのインピーダンスマッチングにより、磁界通信の受信性能を向上させることができる。
【0037】
図4は本発明の実施形態による磁界通信方法を説明するためのフローチャートである。
図4を参照すると、センサ210は金属装備の内部の状態を測定して検知する(S410段階)。具体的に、センサ210は、金属装備の内部の温度、湿度、圧力、亀裂の程度を検知することができる。ここで、センサ210は、金属装備の状態だけでなく、地中施設、水中施設の状態も検知することができる。
【0038】
次に、インタフェース220は、センサ210が測定して検知した検知信号を磁界信号に変換し、変換された磁界信号を送信する(S420段階)。具体的に、信号変換部222は、センサ210が検知した検知信号を磁界信号に変換し、通信部224は、変換された磁界信号を地中施設、水中施設、および金属装備の外部に送信する。この際、通信部224は磁界を用いて磁界信号を送信する。
次いで、磁界受信部120は、インタフェース220から送信される磁界信号を受信する(S430段階)。磁界受信部120は受信した磁界信号を制御部150に提供する。
【0039】
次に、電源部130は、制御部150から磁界信号の供給を受けて電源を生成する(S440段階)。
具体的に、電源部130が充電されていない場合に、制御部150は電源部130に磁界信号を供給する。そして、電源部130は、供給された磁界信号を用いて電源を生成し、生成された電源を貯蔵する。ここで、電源部130は、磁界により発生する電磁気誘導現象によって生成される電流を貯蔵し、生成された電流はキャパシタに貯蔵される。
【0040】
次に、制御部150は、電源部130に貯蔵された電気信号を電源として用いて磁界信号を分析する(S450段階)。
具体的に、制御部150は、電源部130に貯蔵された電源の容量が第1容量以上であると、電源部130に磁界信号をそれ以上供給せず、磁界信号を分析する。ここで、制御部150は、磁界信号を分析して地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を判断する。一例として、金属装備の内部の温度を判断することで、金属装備の状態が正常であるか異常であるかを判断することができる。または、金属装備の内部の圧力を判断することで、金属装備の状態が正常であるか異常であるかを判断することができる。
【0041】
ここで、制御部150は、第1容量以上であった電源部130に貯蔵された電源の容量が第2容量以下に減少すると、電源部130に貯蔵された電源の容量が再び第1容量以上になるように磁界信号を供給する。
次に、磁界送信部140は、制御部150が分析した磁界信号を別の通信装備に送信することができる(S460段階)。具体的に、磁界送信部140は、磁界信号を用いて判断した地中施設、水中施設、および金属装備の内部の状態を別の通信装備に送信する。この際、磁界送信部140は磁界を用いて別の通信装備に送信することができ、別の通信装備はセンサユニット200であり得る。
【0042】
本発明の実施形態によると、金属装備の内部の状態を示す信号を磁界を用いて通信し、磁界を用いて通信した信号を電源に変換して金属装備の内部の状態を分析する磁界通信システムおよび磁界通信方法を実現することができる。
本発明が属する技術分野の当業者は、本発明をその技術的思想や必須特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施することができるため、以上で記述した実施形態は、全ての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は、詳細な説明よりは、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその等価の概念から導出される全ての変更または変形形態が、本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0043】
100 アダプタ
110 アンテナ
120 磁界受信部
130 電源部
140 磁界送信部
150 制御部
200 センサユニット
210 センサ
220 インタフェース
222 信号変換部
224 通信部