特許第6533668号(P6533668)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6533668画像表示装置、画像表示方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533668
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】画像表示装置、画像表示方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/2252 20180101AFI20190610BHJP
   G01N 23/223 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   G01N23/2252
   G01N23/223
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-42160(P2015-42160)
(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公開番号】特開2016-161471(P2016-161471A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】橘 和広
【審査官】 佐藤 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−249688(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/022793(WO,A1)
【文献】 特開2014−130407(JP,A)
【文献】 特開2014−219896(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0233692(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01,3/048
G01N 23/00−23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録部と、
を含み、
前記ポインティング手段は、タッチパネルであり、
前記サブ画像表示制御部は、
複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記ポインティング手段が前記元素ボタンへの接触が一定時間継続したことを検出した場合に、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択するための操作ボタンを前記表示部に表示させる制御を行い、
前記分析条件登録部は、
前記ポインティング手段が、前記元素ボタンへの接触を検出して前記元素ボタンが選択された状態において、選択された前記元素ボタンにおいてタッチアップ操作が行われたことを検出した場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記操作ボタンを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる、画像表示装置。
【請求項2】
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録部と、
を含み、
前記ポインティング手段は、マウスであり、
前記サブ画像表示制御部は、複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記マウスのホイールを回転させることで、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択可能であり、
前記分析条件登録部は、
前記マウスによって操作されるマウスカーソルが前記元素ボタンに重なって前記元素ボタンが選択された状態において、前記マウスがクリックされた場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記ホイールを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる、画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含む、画像表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記分析条件情報は、定性分析および定量分析での分析条件の情報を含む、画像表示装置。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか1項において、
前記分析条件情報は、マップ分析において割り当てられた色の情報を含む、画像表示装置。
【請求項6】
請求項1または2において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含み、
選択された前記元素ボタンに対応する元素、および選択された前記特性X線の種類の情報に基づいて、定量分析および定性分析を行い、定量分析および定性分析の結果を、前記表示部に表示に表示させる制御を行う分析結果表示制御部を含む、画像表示装置。
【請求項7】
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御工程と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御工程と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録工程と、
を含み、
前記ポインティング手段は、タッチパネルであり、
前記サブ画像表示制御工程では、
複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記ポインティング手段が前記元素ボタンへの接触が一定時間継続したことを検出した場合に、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択するための操作ボタンを前記表示部に表示させる制御を行い、
前記分析条件登録工程では、
前記ポインティング手段が、前記元素ボタンへの接触を検出して前記元素ボタンが選択された状態において、選択された前記元素ボタンにおいてタッチアップ操作が行われたことを検出した場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記操作ボタンを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる、画像表示方法。
【請求項8】
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御工程と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御工程と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録工程と、
を含み、
前記ポインティング手段は、マウスであり、
前記サブ画像表示制御工程では、複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記マウスのホイールを回転させることで、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択可能であり、
前記分析条件登録工程では、
前記マウスによって操作されるマウスカーソルが前記元素ボタンに重なって前記元素ボタンが選択された状態において、前記マウスがクリックされた場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記ホイールを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる、画像表示方法。
【請求項9】
請求項7または8において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含む、画像表示方法。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれか1項において、
前記分析条件情報は、定性分析および定量分析での分析条件の情報を含む、画像表示方法。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれか1項において、
前記分析条件情報は、マップ分析において各元素に割り当てられた色の情報を含む、画像表示方法。
【請求項12】
請求項7または8において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含み、
選択された前記元素ボタンに対応する元素、および選択された前記特性X線の種類の情報に基づいて、定量分析および定性分析を行い、定量分析および定性分析の結果を、前記表示部に表示に表示させる制御を行う分析結果表示制御工程を含む、画像表示方法。
【請求項13】
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録部と、してコンピューターを機能させ、
前記ポインティング手段は、タッチパネルであり、
前記サブ画像表示制御部は、
複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記ポインティング手段が前記元素ボタンへの接触が一定時間継続したことを検出した場合に、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択するための操作ボタンを前記表示部に表示させる制御を行い、
前記分析条件登録部は、
前記ポインティング手段が、前記元素ボタンへの接触を検出して前記元素ボタンが選択された状態において、選択された前記元素ボタンにおいてタッチアップ操作が行われたことを検出した場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記操作ボタンを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる、プログラム。
【請求項14】
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録部と、してコンピューターを機能させ、
前記ポインティング手段は、マウスであり、
前記サブ画像表示制御部は、複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記マウスのホイールを回転させることで、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択可能であり、
前記分析条件登録部は、
前記マウスによって操作されるマウスカーソルが前記元素ボタンに重なって前記元素ボタンが選択された状態において、前記マウスがクリックされた場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記ホイールを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、画像表示方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー分散型X線分析装置(energy dispersive X−ray spectrometer、EDS)が搭載された電子顕微鏡や、波長分散型X線分析装置(wavelength−dispersive X−ray spectrometer、WDS)が搭載された電子顕微鏡、蛍光X線分析装置等では、得られたスペクトルから定性分析や定量分析等を行うことができる。定量分析や定性分析を行う場合、ユーザーがこれらの分析装置で得られたスペクトルの形状を確認し、分析対象となる元素やその元素の分析条件を指定して分析を行うことが可能である。
【0003】
近年、このような分析条件の選択を行うために、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)が用いられている。例えば、特許文献1に記載の波長分散型X線分析装置では、複数の分光素子がそれぞれ表示されたボタンを縦に配列した分光素子選択部と、分光素子が分光可能な元素をそれぞれ表示する複数のボタンを周期表に沿って配列された元素選択部と、を備えた分析条件選択画面を表示装置に表示させ、マウスやキーボード等の入力装置によって前記ボタンを選択することで、所望の分光素子および元素を選択可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−249688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11および図12は、従来の選択画面(GUI)1Aの一例を示す図である。選択画面1Aは、X線分析で利用する元素を選択するための画面である。選択画面1Aでは、図11に示すように、複数の元素ボタン2Aが、周期表に沿って配列されている。
【0006】
図12に示すように、ユーザーが選択画面1AにおいてX線分析で利用する元素に対応する元素ボタン2AをマウスカーソルCでクリックすると、分析対象となる元素が選択される。
【0007】
また、X線分析で利用する元素ライン(特性X線の種類、K線、L線、M線等)を選択する場合には、例えば、あらかじめ元素ラインを選択して選択画面1Aで元素を選択する方法と、選択画面1Aで元素を指定した後に元素ラインを選択する方法と、がある。
【0008】
しかしながら、上記のような選択画面では、分析対象となる元素が周期表に沿って配置されているため、元素ボタンの数が多く、元素ボタンが小さく表示されてしまう場合が多い。そのため、ユーザーが誤って元素ボタンを選択してしまう場合がある。特に、タッチパネルでの入力では、元素ボタンが小さくて所望の元素ボタンを正確に押せない、押している元素ボタンが指先やタッチペンで隠れて見えない、といった理由で誤選択が増加する。
【0009】
このような問題に対して、タッチパネルでの入力に対応するために元素ボタンを大きくすることも考えられるが、元素ボタンを大きくすると、表示領域の多くを占有してしまう
【0010】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、ユーザーに分析対象となる元素の分析条件を把握させ易くすることが可能な画像表示装置、画像表示方法、およびプログラムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係る画像表示装置は、
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を記憶部に記憶させる分析条件登録部と、
を含み、
前記ポインティング手段は、タッチパネルであり、
前記サブ画像表示制御部は、
複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記ポインティング手段が前記元素ボタンへの接触が一定時間継続したことを検出した場合に、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択するための操作ボタンを前記表示部に表示させる制御を行い、
前記分析条件登録部は、
前記ポインティング手段が、前記元素ボタンへの接触を検出して前記元素ボタンが選択された状態において、選択された前記元素ボタンにおいてタッチアップ操作が行われたことを検出した場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記操作ボタンを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる
(2)本発明に係る画像表示装置は、
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録部と、
を含み、
前記ポインティング手段は、マウスであり、
前記サブ画像表示制御部は、複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記マウスのホイールを回転させることで、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択可能であり、
前記分析条件登録部は、
前記マウスによって操作されるマウスカーソルが前記元素ボタンに重なって前記元素ボタンが選択された状態において、前記マウスがクリックされた場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記ホイールを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる。
【0012】
このような画像表示装置では、元素の分析条件の指定や確認を行う際に、元素の分析条件を拡大して表示部に表示させることができる。これにより、ユーザーに分析対象となる元素の分析条件を把握させ易くすることができる。
【0013】
)本発明に係る画像表示装置において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含んでいてもよい。
【0014】
このような画像表示装置では、ユーザーに分析対象となる元素の分析可能な特性X線の種類を把握させ易くすることができる。
【0015】
)本発明に係る画像表示装置において、
前記分析条件情報は、定性分析および定量分析での分析条件の情報を含んでいてもよい。
【0016】
このような画像表示装置では、ユーザーに分析対象となる元素の定性分析および定量分析での分析条件を把握させ易くすることができる。
【0017】
)本発明に係る画像表示装置において、
前記分析条件情報は、マップ分析において割り当てられた色の情報を含んでいてもよい。
【0018】
このような画像表示装置では、ユーザーに分析対象となる元素の、マップ分析において割り当てられた色を把握させ易くすることができる。
【0019】
)本発明に係る画像表示装置において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含み、
選択された前記元素ボタンに対応する元素、および選択された前記特性X線の種類の情報に基づいて、定量分析および定性分析を行い、定量分析および定性分析の結果を、前記表示部に表示に表示させる制御を行う分析結果表示制御部を含んでいてもよい。
【0024】
)本発明に係る画像表示方法は、
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御工程と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御工程と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録工程と、
を含み、
前記ポインティング手段は、タッチパネルであり、
前記サブ画像表示制御工程では、
複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記ポインティング手段が前記元素ボタンへの接触が一定時間継続したことを検出した場合に、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択するための操作ボタンを前記表示部に表示させる制御を行い、
前記分析条件登録工程では、
前記ポインティング手段が、前記元素ボタンへの接触を検出して前記元素ボタンが選択された状態において、選択された前記元素ボタンにおいてタッチアップ操作が行われたことを検出した場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記操作ボタンを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる
(8)本発明に係る画像表示方法は、
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御工程と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御工程と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録工程と、
を含み、
前記ポインティング手段は、マウスであり、
前記サブ画像表示制御工程では、複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記マウスのホイールを回転させることで、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択可能であり、
前記分析条件登録工程では、
前記マウスによって操作されるマウスカーソルが前記元素ボタンに重なって前記元素ボタンが選択された状態において、前記マウスがクリックされた場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記ホイールを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる。
【0025】
このような画像表示方法では、元素の分析条件の指定や確認を行う際に、元素の分析条件を拡大して表示部に表示させることができる。これにより、ユーザーに分析対象となる元素の分析条件を把握させ易くすることができる。
【0026】
(9)本発明に係る画像表示方法において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含んでいてもよい。
【0027】
(10)本発明に係る画像表示方法において、
前記分析条件情報は、定性分析および定量分析での分析条件の情報を含んでいてもよい。
【0028】
(11)本発明に係る画像表示方法において、
前記分析条件情報は、マップ分析において各元素に割り当てられた色の情報を含んでいてもよい。
【0029】
(12)本発明に係る画像表示方法において、
前記分析条件情報は、分析可能な特性X線の種類の情報を含み、
選択された前記元素ボタンに対応する元素、および選択された前記特性X線の種類の情報に基づいて、定量分析および定性分析を行い、定量分析および定性分析の結果を、前記表示部に表示に表示させる制御を行う分析結果表示制御工程を含んでいてもよい。
【0032】
13)本発明に係るプログラムは、
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録部と、してコンピューターを機能させ、
前記ポインティング手段は、タッチパネルであり、
前記サブ画像表示制御部は、
複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記ポインティング手段が前記元素ボタンへの接触が一定時間継続したことを検出した場合に、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択するための操作ボタンを前記表示部に表示させる制御を行い、
前記分析条件登録部は、
前記ポインティング手段が、前記元素ボタンへの接触を検出して前記元素ボタンが選択された状態において、選択された前記元素ボタンにおいてタッチアップ操作が行われたことを検出した場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記操作ボタンを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる
(14)本発明に係るプログラムは、
分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部に表示させる制御を行う選択画面表示制御部と、
ポインティング手段を用いて選択された前記元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部から読み出し、前記分析条件情報を前記元素ボタンよりも拡大されたサブ画像として、前記表示部に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部と、
選択された前記元素ボタンに対応する元素および前記分析条件情報を前記記憶部に記憶させる分析条件登録部と、してコンピューターを機能させ、
前記ポインティング手段は、マウスであり、
前記サブ画像表示制御部は、複数の前記分析条件情報に対応して、複数の前記サブ画像を前記表示部に表示させ、
前記マウスのホイールを回転させることで、複数の前記サブ画像から1つの前記サブ画像を選択可能であり、
前記分析条件登録部は、
前記マウスによって操作されるマウスカーソルが前記元素ボタンに重なって前記元素ボタンが選択された状態において、前記マウスがクリックされた場合に、選択された前記元素ボタンに対応する元素、および前記ホイールを用いて選択された前記サブ画像の前記分析条件情報を、前記記憶部に記憶させる。
【0033】
これによれば、元素の分析条件の指定や確認を行う際に、元素の分析条件を拡大して表
示部に表示させることができる。これにより、ユーザーに分析対象となる元素の分析条件を把握させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本実施形態に係る画像表示装置を含む分析システムの機能ブロック図の一例を示す図。
図2】タッチパネルディスプレイの表示部に表示される選択画面の一例を示す図。
図3】タッチパネルディスプレイの表示部に表示される選択画面の一例を示す図。
図4】タッチパネルディスプレイの表示部に表示される選択画面の一例を示す図。
図5】タッチパネルディスプレイの表示部に表示される選択画面の一例を示す図。
図6】タッチパネルディスプレイの表示部に表示される選択画面の一例を示す図。
図7】本実施形態に係る画像表示装置の処理の一例を示すフローチャート。
図8】タッチパネルディスプレイの表示部に表示される選択画面の一例を示す図。
図9】タッチパネルディスプレイの表示部に表示される選択画面の一例を示す図。
図10】第3変形例に係る画像表示装置を含む分析システムの機能ブロック図の一例を示す図。
図11】従来の選択画面の一例を示す図。
図12】従来の選択画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0036】
1. 画像表示装置
まず、本実施形態に係る画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る画像表示装置100を含む分析システム1000の機能ブロック図の一例を示す図である。
【0037】
分析システム1000は、画像表示装置100と、分析装置101と、を含む。
【0038】
分析装置101は、例えば、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)が搭載された電子顕微鏡、波長分散型X線分析装置(WDS)が搭載された電子顕微鏡、蛍光X線分析装置等の分析装置である。以下では、分析装置101が、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)が搭載された電子顕微鏡である例について説明する。
【0039】
画像表示装置100では、分析装置101で得られた測定結果(スペクトル等)を受け取り、当該測定結果から定性分析や定量分析等を行う際に、分析対象となる元素や、その元素の分析条件を示す画像を表示部30に表示させることができる。また、画像表示装置100では、例えば、分析結果を表示部30に表示させたり、ユーザーによって指定された分析条件を記憶部40に記憶させたりすることもできる。
【0040】
画像表示装置100は、処理部10と、タッチパネル20と、表示部30と、記憶部40と、情報記憶媒体50と、を含む。
【0041】
タッチパネル(ポインティング手段の一例)20は、ユーザーが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部10に出力する。タッチパネル20は、タッチパネルに対する接触操作(指定操作)によって入力された入力情報を処理部10に出力する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などがある。タッチパネル20は、表示部30
の表示領域に設けられ、表示部30とともにタッチパネルディスプレイを構成する。タッチパネル20への接触操作は、指先を用いて行ってもよいし、タッチペンなどを用いて行ってもよい。
【0042】
表示部30は、処理部10によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRT、タッチパネル20を備えたタッチパネルディスプレイなどにより実現できる。
【0043】
記憶部40は、処理部10のワーク領域となるものであり、その機能はRAMなどにより実現できる。情報記憶媒体50(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD,DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、あるいはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部10は、情報記憶媒体50に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体50には、処理部10の各部としてコンピューターを機能させるためのプログラムを記憶することができる。
【0044】
記憶部40には、各元素ごとの分析条件の情報が記憶されている。例えば、記憶部40には、各元素ごとに定量分析可能な特性X線の種類(K線、L線、M線など)の情報が記憶されている。
【0045】
処理部10は、分析対象となる元素を選択するための選択画面を表示部30に表示する制御を行う処理や、タッチパネル20を用いて(タッチパネル20を用いた入力により)選択された元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を元素ボタンよりも拡大されたサブ画像(アイコン)として表示部30に表示させる処理、タッチパネル20を用いて選択された分析条件情報を記憶部40に記憶させる処理、分析装置101の測定結果の分析を行う処理などの処理を行う。処理部10の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部10は、選択画面表示制御部12と、サブ画像表示制御部14と、分析条件登録部16と、分析結果表示制御部18と、を含む。
【0046】
選択画面表示制御部12は、分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面を表示部30に表示させる制御を行う。
【0047】
サブ画像表示制御部14は、タッチパネル20を用いて選択された元素ボタンに対応する元素の分析条件情報を記憶部40から読み出し、当該分析条件情報を元素ボタンよりも拡大されたサブ画像(アイコン)として、表示部30に表示させる制御を行う。元素の分析条件情報は、例えば、定量分析可能な特性X線の種類(K線、L線等)の情報である。
【0048】
また、サブ画像表示制御部14は、複数のサブ画像を切り替えるための操作ボタン(サブ画像切り替えボタン)を表示部30に表示させる制御を行ってもよい。
【0049】
分析条件登録部16は、タッチパネル20を用いて選択された分析条件情報(サブ画像に表示された分析条件情報)を記憶部40に記憶させる処理を行う。これにより、ユーザーによって指定された分析条件を記憶部40に記憶させることができる。
【0050】
分析結果表示制御部18は、分析装置101の測定結果(EDSスペクトルやEDSマップ分析結果等)を表示部30に表示させる制御を行う。また、分析結果表示制御部18は、例えば、分析装置101の測定結果に対する分析(定量分析、定性分析等)を行い、その結果を表示部30に表示させる制御を行う。分析結果表示制御部18は、分析条件登
録部16によって記憶部40に記憶された分析条件情報を読み出し、当該分析条件情報に基づき分析を行う。
【0051】
2. 本実施形態の手法
次に、本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0052】
図2図6は、タッチパネルディスプレイ(タッチパネル20を備えた表示部30)の表示部30に表示される選択画面(GUI:グラフィカルユーザーインタフェース)1の一例を示す図である。
【0053】
選択画面1には、図2に示すように、分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタン2が配列されている。複数の元素ボタン2は、周期表に沿って配列される。
【0054】
図2に示すように、ユーザーが指先FG(タッチペン等でもよい)を元素ボタン2に接触させる操作を行うことで、元素ボタン2が選択される。元素ボタン2が選択されると、選択された元素ボタン2に対応する元素の、定量分析に利用可能な特性X線の種類の情報が、サブ画像(アイコン)4に表示される。サブ画像4は、選択画面1上の選択された元素ボタン2の近傍に表示される。サブ画像4には、特性X線の種類の情報が元素ボタン2よりも拡大されて表示される。また、利用可能な特性X線の種類が複数ある場合、複数のサブ画像4が表示される。すなわち、特性X線の種類ごとに、サブ画像4が表示される。複数のサブ画像4は、少なくとも一部が重なるように表示される。これにより、表示領域を節約することができる。
【0055】
図2に示す例では、ユーザーが指先FGをFeの元素ボタン2に接触させる操作を行うことで、Feの元素ボタン2が選択され、Feの定量分析に利用可能な「Fe−K線」、「Fe−L線」がそれぞれサブ画像4に表示される。なお、元素の選択操作を中断する場合は、指先FGを選択画面1に接触させたまま、元素ボタン2の表示領域外へ移動させる。このような操作を行うことでサブ画像4は消去され、元素の選択操作は中断される。
【0056】
図3に示すように、ユーザーが指先FGを選択画面1に接触させたまま移動させる操作を行うと、移動させている間はその位置に対応した元素ボタン2が順次選択され、選択された元素ボタン2に対応する元素の、定量分析に利用可能な特性X線の種類の情報が、サブ画像4に順次表示される。
【0057】
図3に示す例では、ユーザーが指先FGを接触させた状態でFeの元素ボタン2からZnの元素ボタン2まで移動させる操作を行うことで、Fe、Co、Ni、Cu、Znの定量分析に利用可能な特性X線の種類が順次サブ画像4に表示される。
【0058】
図4に示すように、元素ボタン2が選択されて複数のサブ画像4が表示されている状態で、ユーザーが指先FGを選択されている元素ボタン2に一定時間接触させ続けることで、操作ボタン6が表示される。
【0059】
そして、図4および図5に示すように、ユーザーが指先FGを操作ボタン6に接触させる操作を行うことで、重なって表示されている複数のサブ画像4の重なり順が変わり、手前側(最上面)に表示されていたサブ画像4を他のサブ画像4に切り替えることができる。
【0060】
図4に示す例では、Feの元素ボタン2が選択されてFeの定量分析に利用可能な「Fe−K線」、「Fe−L線」がそれぞれサブ画像4に表示されている状態で、ユーザーが指先FGをFeの元素ボタン2に一定時間接触させ続けることで、操作ボタン6が表示さ
れる。そして、ユーザーが指先FGを操作ボタン6に接触させる操作を行うことで、図4に示す「Fe−K線」が表示されているサブ画像4が手前側(最上面)にあり「Fe−L線」が表示されているサブ画像4が後側にある状態から、図5に示す「Fe−K線」が表示されているサブ画像4が手前側にあり「Fe−L線」が表示されているサブ画像4が後側にある状態に切り替わる。そして、再び、ユーザーが指先FGを操作ボタン6に接触させる操作を行うことで、図5に示す状態から、図4に示す状態へと切り替わる。
【0061】
選択画面1では、サブ画像4が表示されている状態で、ユーザーが指先FGを選択されていた元素ボタン2から離す操作(タッチアップ)を行うことで、当該選択されていた元素ボタン2に対応する元素と、最も手前側(最上面)のサブ画像4に表示されていた特性X線(元素ライン)と、が指定される。このように画像表示装置100では、元素の指定と、元素ラインの指定と、を同時に行うことができる。そのため、元素および元素ラインの指定を行うための操作回数を減らすことができる。
【0062】
例えば、図4に示す状態でタッチアップされた場合には、Feと、Fe−K線と、が指定され、図5に示す状態でタッチアップされた場合には、Feと、Fe−L線と、が指定される。
【0063】
そして、図6に示すように、ユーザーが指先FGを指定済みの元素に対応する元素ボタン2に接触させる操作を行うことで、指定された特性X線(元素ライン)がサブ画像4に表示される。このように画像表示装置100では、ユーザーが利用している元素ラインを容易に認識することができる。
【0064】
図6に示す例では、ユーザーが指先FGを指定済みのCuの元素ボタン2に接触させる操作を行うことで、指定された特性X線の種類である「Cu−L線」がサブ画像4に表示される。
【0065】
3. 処理
次に、本実施形態に係る画像表示装置100の処理の一例について説明する。図7は、本実施形態に係る画像表示装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、選択画面表示制御部12は、分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタン2が配列された選択画面1を表示部30に表示させる制御を行う(ステップS100)。
【0067】
次に、処理部10は、ユーザーによって選択画面1の元素ボタン2が選択されたか否かを判断する(ステップS102)。処理部10は、タッチパネル20によって元素ボタン2への接触が検出された場合(接触操作が行われた場合)に、元素ボタン2が選択されたと判断する。
【0068】
元素ボタン2が選択されたと判断された場合(ステップS102の「Y」)、サブ画像表示制御部14は、選択された元素ボタン2に対応する元素の分析条件情報(分析可能な特性X線の種類の情報)を記憶部40から読み出す。そして、サブ画像表示制御部14は、記憶部40から読み出した分析条件情報を、元素ボタン2よりも拡大したサブ画像4として表示部30に表示させる制御を行う(ステップS104)。
【0069】
次に、処理部10は、ユーザーによって元素ボタン2の表示領域外が選択されたか否かを判断する処理を行う(ステップS105)。処理部10は、タッチパネル20によって元素ボタン2の表示領域外への接触が検出された場合に、元素ボタン2の表示領域外が選択されたと判断する。元素ボタン2の表示領域外が選択されたと判断された場合(ステッ
プS105の「Y」)、サブ画像表示制御部14は、表示中のサブ画像を消去し(ステップS107)、新たな元素ボタン2の選択を待つ(ステップS102)。
【0070】
一方、元素ボタン2の表示領域外が選択されていないと判断された場合(ステップS105の「N」)、処理部10は、ユーザーによって、選択状態にある元素ボタン2とは異なる他の元素ボタン2が選択されたか否かを判断する処理を行う(ステップS106)。処理部10は、タッチパネル20によって他の元素ボタン2への接触が検出された場合に、他の元素ボタン2が選択されたと判断する。
【0071】
他の元素ボタン2が選択されたと判断された場合(ステップS106の「Y」)、サブ画像表示制御部14は、ユーザーによって選択された元素ボタン2(他の元素ボタン2)に対応する元素の分析条件情報を表示部30に表示させる制御を行う(ステップS104)。
【0072】
一方、他の元素ボタン2が選択されていないと判断された場合(ステップS106の「N」)、処理部10は、ユーザーによって特定の元素ボタン2への指先FGの接触が一定時間継続したか否かを判断する処理を行う(ステップS108)。
【0073】
特定の元素ボタン2への指先FGの接触が一定時間継続したと判断された場合(ステップS108の「Y」)、サブ画像表示制御部14は、操作ボタン6を表示部30に表示させる制御を行う(ステップS110)。
【0074】
次に、処理部10は、ユーザーによって操作ボタン6が選択されたか否かの判断を行う(ステップS112)。処理部10は、タッチパネル20によって操作ボタン6への接触が検出された場合には、操作ボタン6が選択されたと判断する。操作ボタン6が選択されたと判断された場合(ステップS112の「Y」)、サブ画像表示制御部14は、重なって表示されている複数のサブ画像4の重なり順を変えて、手前側に表示されていたサブ画像4を他のサブ画像4に切り替えて表示部30に表示させる制御を行う(ステップS114)。
【0075】
サブ画像4を切り替えて表示部30に表示させる制御が行われた後(ステップS114)、特定の元素ボタン2への指先FGの接触が一定時間継続していないと判断された場合(ステップS108の「N」)、および操作ボタン6が選択されなかったと判断された場合(ステップS112の「N」)、処理部10は、ユーザーによって選択状態にある元素ボタン2の選択が解除されたか否かの判断を行う(ステップS116)。処理部10は、タッチパネル20によって選択状態にある元素ボタン2への接触が検出されなくなった場合に、選択が解除されたと判断する。
【0076】
選択が解除されていないと判断された場合(ステップS116の「N」)、上述したステップS105に戻って、ステップS105、S106、S108、S110、S112、S114、S116の処理が行われる。
【0077】
選択が解除されたと判断された場合(ステップS116の「Y」)、分析条件登録部16は、タッチパネル20を用いて選択された分析条件情報を記憶部40に記憶させる処理を行う(ステップS118)。すなわち、分析条件登録部16は、選択状態にあった元素ボタン2に対応する元素の情報と、最も手前側(最上面)のサブ画像4に表示されていた特性X線(元素ライン)の情報と、を記憶部40に記憶させる。
【0078】
そして、このようにして記憶部40に記憶された分析条件情報を、分析結果表示制御部18が読み出し、この分析条件に基づいて分析装置101の測定結果の分析(定量分析、
定性分析等)を行う。分析結果表示制御部18は、分析結果を表示部30に表示させる制御を行う。
【0079】
画像表示装置100は、例えば、以下の特長を有する。
【0080】
画像表示装置100では、選択画面表示制御部12が分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタン2が配列された選択画面1を表示部30に表示させる制御を行い、サブ画像表示制御部14がタッチパネル20を用いて選択された元素ボタン2に対応する元素の分析条件情報を記憶部40から読み出し、分析条件情報を元素ボタン2よりも拡大されたサブ画像4として、表示部30に表示させる制御を行う。そのため、元素の分析条件の指定や確認を行う際に、元素の分析条件を拡大して表示部30に表示させることができる。これにより、ユーザーに分析対象となる元素の分析条件を把握させ易くすることができる。したがって、画像表示装置100によれば、ユーザーの誤指定を減少させることができる。さらに、選択画面1が表示させる領域を小さくしても入力が容易であるため、選択画面1を小さくして表示領域を節約することができる。さらに、タッチパネル20を備えた表示部30において、元素ボタンが小さくて所望の元素ボタンを正確に押せない、押している元素ボタンが指先やタッチペンで隠れて見えない、といった問題を解消することができる。
【0081】
画像表示装置100では、サブ画像表示制御部14が複数の分析条件情報を複数のサブ画像4に表示させる。また、画像表示装置100では、複数のサブ画像4の少なくとも一部が重なるように表示部30に表示させる。これにより、表示領域を節約することができる。
【0082】
画像表示装置100では、分析条件登録部16がタッチパネル20により選択された分析条件情報を記憶部40に記憶させる。そのため、画像表示装置100では、元素の分析条件情報の確認と、元素の分析条件の指定(記録)と、を行うことができる。
【0083】
本実施形態に係る画像表示方法では、分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタン2が配列された選択画面1を表示部30に表示させる制御を行う工程(選択画面表示制御工程、ステップS100)と、タッチパネル20を用いて選択された元素ボタン2に対応する元素の分析条件情報を記憶部40から読み出し、分析条件情報を元素ボタン2よりも拡大されたサブ画像4として、表示部30に表示させる制御を行う工程(サブ画像表示制御工程、ステップS104)と、を含む。そのため、上述したように、ユーザーに分析対象となる元素の分析条件を把握させ易くすることができる。
【0084】
また、本実施形態に係るプログラムでは、分析対象となる元素を選択するための複数の元素ボタンが配列された選択画面1を表示部30に表示させる制御を行う選択画面表示制御部12と、タッチパネル20を用いて選択された元素ボタン2に対応する元素の分析条件情報を記憶部40から読み出し、分析条件情報を元素ボタン2よりも拡大されたサブ画像4として、表示部30に表示させる制御を行うサブ画像表示制御部14と、してコンピューターを機能させる。そのため、上述したように、ユーザーに分析対象となる元素の分析条件を把握させ易くすることができる。
【0085】
4. 変形例
次に、本実施形態に係る画像表示装置の変形例について説明する。なお、上述した本実施形態に係る画像表示装置の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
【0086】
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。上述した実施形態では、分析条件情報は定量分析可能な特性X線の種類の情報であった。これに対して、第1変形例では、分析条件情報は定性分析および定量分析での分析条件の情報である。図8は、タッチパネルディスプレイの表示部30に表示される選択画面1の一例を示す図である。
【0087】
図8に示すように、ユーザーが指先FGを元素ボタン2に接触させる操作を行うことで、元素ボタン2が選択され、選択された元素ボタン2に対応する元素の、定性分析および定量分析での分析条件情報がサブ画像4に表示される。
【0088】
図8に示す例では、ユーザーが指先FGをFeの元素ボタン2に接触させる操作を行うことで、Feの元素ボタン2が選択され、Feの定性分析および定量分析での分析条件がサブ画像4に表示されている。図示の例では、定性分析および定量分析の分析条件として、「手動定性元素」、「定量固定元素」、「定量除外元素」、「基準ピーク」、「残渣元素」がそれぞれサブ画像4に表示される。
【0089】
ここで、手動定性元素とは、ユーザーが定性元素として登録した元素である。また、定量固定元素とは、あらかじめ定量値が登録された元素である。例えばユーザーが定量固定元素と表示されたサブ画像4を選択すると、定量値入力画面(図示せず)が表示され、ユーザーが定量値を登録することができる。また、定量除外元素とは、定量分析(定量計算)から除外される元素である。また、基準ピークとは、定量計算の基準ピークとなる元素であることを表している。すなわち、選択された元素が基準ピークである場合、この元素(元素ラインの強度)を1としたときの他の元素の割合を求める定量計算が行われる。残渣元素とは、定量分析(定量計算)に含められずにその他の元素で定量分析が行われた後に、残った分として設定される元素である。
【0090】
本変形例に係る画像表示装置の処理は、上述した図7に示す画像表示装置100の処理と、ステップS104において、サブ画像表示制御部14が選択された元素ボタン2に対応する元素の分析条件情報(定性分析および定量分析での分析条件情報)を記憶部40から読み出し、元素ボタン2よりも拡大したサブ画像4として表示部30に表示させる制御を行う点を除いて同様でありその説明を省略する。
【0091】
本変形例によれば、ユーザーに分析対象となる元素の定性分析および定量分析での分析条件を把握させ易くすることができる。
【0092】
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。上述した実施形態では、分析条件情報は定量分析可能な特性X線の種類の情報であった。これに対して、第2変形例では、分析条件情報はマップ分析(EDSマッピング)において割り当てられた色の情報である。図9は、タッチパネルディスプレイの表示部30に表示される選択画面1の一例を示す図である。
【0093】
図9に示すように、ユーザーが指先FGを元素ボタン2に接触させる操作を行うことで、元素ボタン2が選択され、選択された元素ボタン2に対応する元素の、マップ分析において割り当てられた色の情報がサブ画像4に表示される。
【0094】
図9に示す例では、ユーザーが指先FGをFeの元素ボタン2に接触させる操作を行うことでFeの元素ボタン2が選択され、Feに対して、マップ分析において割り当てられた色である「赤」がサブ画像4に表示されている。また、サブ画像4には、さらに、Feに対して、割り当てることが可能な色である「青」、「黄色」、がサブ画像4に表示されている。
【0095】
本変形例に係る画像表示装置の処理は、上述した図7に示す画像表示装置100の処理と、ステップS104において、サブ画像表示制御部14が選択された元素ボタン2に対応する元素の分析条件情報(マップ分析において割り当てられた色の情報)を記憶部40から読み出し、元素ボタン2よりも拡大したサブ画像4として表示部30に表示させる制御を行う点を除いて同様であり、その説明を省略する。
【0096】
本変形例によれば、ユーザーにマップ分析において割り当てられた色を把握させ易くすることができる。
【0097】
(3)第3変形例
次に、第3変形例について説明する。図10は、第3変形例に係る画像表示装置200を含む分析システムの機能ブロック図の一例を示す図である。以下、第3変形例に係る画像表示装置200において、上述した画像表示装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
上述した画像表示装置100では、図1に示すように、ポインティング手段は、タッチパネル20であった。これに対して画像表示装置200では、図10に示すようにポインティング手段は、マウス22である。
【0099】
例えば、図2に示す例では、ユーザーがマウス22を用いてマウスカーソルを元素ボタン2に重ねることで元素ボタン2が選択され、選択された元素ボタン2に対応する元素の、定量分析に利用可能な特性X線の種類の情報がサブ画像4に表示される。
【0100】
例えば、図3に示す例では、ユーザーがマウスカーソルを移動させると、移動させている間はその位置に対応した元素ボタン2が順次選択され、選択された元素ボタン2に対応する元素の、定量分析に利用可能な特性X線の種類の情報が、サブ画像4に順次表示される。
【0101】
なお、ポインティング手段がマウス22の場合、図4および図5に示す操作ボタン6は表示されず、マウス22のホイールを回転させることで、重なって表示されている複数のサブ画像4の重なり順が変わり、手前側(最上面)に表示されていたサブ画像4を他のサブ画像4に切り替えることができる。
【0102】
また、サブ画像4が表示されている状態で、ユーザーがマウス22を用いて選択状態にある元素ボタン2をクリックすることで、当該選択状態にある元素ボタン2に対応する元素と、最も手前側(最上面)のサブ画像4に表示されていた特性X線(元素ライン)と、が指定される。そして、図6に示す例では、ユーザーがマウス22を用いて指定済みの元素に対応する元素ボタン2にマウスカーソルを重ねることで、指定された特性X線(元素ライン)がサブ画像4に表示される。
【0103】
画像表示装置200によれば、上述した画像表示装置100と同様の作用効果を奏することができる。
【0104】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0105】
例えば、上述した実施形態および変形例では、画像表示装置100,200と分析装置101とが分析システム1000を構成している例について説明したが、本発明に係る画像表示装置は、分析装置とともにシステムを構成しなくてもよい。例えば、本発明に係る画像表示装置は、情報記憶媒体やネットワークを介して、EDSやWDS等の測定結果の
データを取得して、上述した処理を行ってもよい。
【0106】
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
【0107】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0108】
1…選択画面、1A…選択画面、2…元素ボタン、2A…元素ボタン、4…サブ画像、6…操作ボタン、10…処理部、12…選択画面表示制御部、14…サブ画像表示制御部、16…分析条件登録部、18…分析結果表示制御部、20…タッチパネル、22…マウス、30…表示部、40…記憶部、50…情報記憶媒体、100…画像表示装置、101…分析装置、200…画像表示装置、1000…分析システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12