(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の面に電気部品の端子を接続するための複数の端子差込口が配列され、他方の面に前記複数の端子差込口に対応する複数の配線接続用の端子片が配列されている第1ジャック盤と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片の間隔よりも広い間隔で一方の面に複数の差込口が配列され、他方の面に前記複数の差込口に対応する配線接続用の複数のコネクタが配列されている第2ジャック盤と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片が接続される第1基板、前記第2ジャック盤の前記複数の差込口に差し込み可能な複数の導電部材、前記複数の導電部材が接続される第2基板、並びに、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれて両者を結ぶ配線群が設けられた配線ブロックを有する中間部品と、
を備え、
前記第1基板には、前記複数の端子片が接続される第1群の電極、前記配線ブロックの配線群が接続される第2群の電極、および、前記第1群の電極と前記第2群の電極を結ぶプリント配線が設けられ、
前記第2基板には、前記複数の導電部材が接続される第3群の電極、前記配線ブロックの配線群が接続される第4群の電極、および、前記第3群の電極と前記第4群の電極とを結ぶプリント配線が設けられ、
前記第1基板の前記プリント配線と前記配線ブロックの配線群と前記第2基板の前記プリント配線と前記導電部材とを介して、前記第1ジャック盤と前記第2ジャック盤とが電気的に接続されていることを特徴とする端子板装置。
各々の一方の面に電気部品の端子を接続するための複数の端子差込口が配列され、各々の他方の面に前記複数の端子差込口に対応する複数の配線接続用の端子片が配列されている、複数の第1ジャック盤と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片の間隔よりも広い間隔で一方の面に複数の差込口が配列され、他方の面に前記複数の差込口に対応する配線接続用の複数のコネクタが配列されている第2ジャック盤と、
前記第2ジャック盤の前記複数の差込口に差し込まれる複数の導電部材、並びに、前記第1ジャック盤の複数の端子片と前記複数の導電部材との対応するもの同士を電気的に接続する配線群を有する中間部品と、
を備え、
前記複数の第1ジャック盤の前記端子片の数は、前記第2ジャック盤の前記差込口の数より多く、
前記複数の第1ジャック盤の前記複数の端子片の何れかが、前記第2ジャック盤の前記差込口の電極と電気的に接続される対象から除外されていることを特徴とする端子板装置。
一方の面に電気部品の端子接続用の複数の端子差込口が配列され、他方の面に複数の配線接続用の端子片が配列され、前記複数の端子差込口の電極と前記複数の端子片とが電気的にそれぞれ接続されている第1ジャック盤と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片が接続される第1基板と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片の間隔よりも広い間隔で配列され、他のジャック盤の複数の差込口に差し込み可能な複数の導電部材と、
前記複数の導電部材が接続される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とに挟まれて両者を結ぶ配線群が設けられた配線ブロックと、
を備え、
前記第1基板には、前記複数の端子片が接続される第1群の電極、前記配線ブロックの配線群が接続される第2群の電極、および、前記第1群の電極と前記第2群の電極を結ぶプリント配線が設けられ、
前記第2基板には、前記複数の導電部材が接続される第3群の電極、前記配線ブロックの配線群が接続される第4群の電極、および、前記第3群の電極と前記第4群の電極とを結ぶプリント配線が設けられ、
前記第1基板の前記プリント配線と前記配線ブロックの配線群と前記第2基板の前記プリント配線とを介して、前記第1ジャック盤の前記複数の端子片と前記複数の導電部材との対応するもの同士が電気的に接続されていることを特徴とするアダプタ装置。
各々の一方の面に電気部品の端子を接続するための複数の端子差込口が配列され、各々の他方の面に前記複数の端子差込口に対応する複数の配線接続用の端子片が配列されている、複数の第1ジャック盤と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片の間隔よりも広い間隔で配列され、他のジャック盤の複数の差込口に差し込み可能な複数の導電部材と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片と前記複数の導電部材との対応するもの同士を電気的に接続する配線部品と、
を備え、
前記複数の第1ジャック盤の前記端子片の数は、前記複数の導電部材の数よりも多く、
前記複数の第1ジャック盤の前記複数の端子片の何れかが、前記複数の導電部材と電気的に接続される対象から除外されていることを特徴とするアダプタ装置。
【背景技術】
【0002】
鉄道における信号または踏切の制御は、各種のリレーを用いて行われる。リレーは、信号機器室または踏切器具箱において、ジャック盤に取り付けられる。ジャック盤は、前面に電気部品の端子を差し込む差込口が設けられ、背面に配線接続用のコネクタ端子が設けられている。信号機器室又は踏切器具箱には、多くのジャック盤がマウントフレームによって整然と設置され、これにより多くの電気部品の接続と、配線の接続とを整然と行うことができる。
特許文献1には、リレー取付用のジャック盤にセンサを取り付け可能とした構造が開示されている。特許文献2には、階段状に曲げられた金属片を用いて、一方の面の端子間隔より他方の面の端子間隔を大きくしたジャック盤が開示されている。
【0003】
鉄道信号または踏切の制御では、例えば、特定の論理状態を作業員に知らせる点検用の論理回路が組み込まれることがある。例えば、所定の論理異常または所定の電源異常が生じたときに、信号機器室内または踏切器具箱内の表示器に所定の点灯を行わせて、これらの状態を確認することができる。従来、このような点検用の論理回路には、小型のリレーが小型のジャック盤に取り付けられて用いられていた。また、ジャック盤が小型であることから、マウントフレームの1つの固定スペースに、複数(例えば2個又は3個)のジャック盤を固定して用いるのが通常であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小型のジャック盤は、配線接続用の端子の間隔が狭く、配線を接続するためにコネクタを用いることが困難であった。このため、ジャック盤の端子には半田付けにより配線接続を行うのが通常であった。この場合、配線接続の作業時間が長くなり、配線接続に熟練技術を要するなどの課題が生じる。
このような課題を解消するために、例えば、配線接続用の端子間隔を広くした、小型のリレー専用の新たなジャック盤を製造することが考えられる。例えば、特許文献2に示される技術を用いて、リレー側の端子間隔より配線側の端子間隔を広くしたジャック盤を用意することで、配線の接続用にコネクタを用いることが可能となる。
しかしながら、小型のリレー専用に新たなジャック盤を製造すると、その分、システムのコストを増大させるという課題が生じる。また、特許文献2に示されるように、階段状の金属片を用いると、ジャック盤の端子の組み付けが煩雑であるため、ジャック盤自体の製造コストが大きくなる。
【0006】
また、現状、小型のリレーを用いる場合、マウントフレームの1つの固定スペースに複数のジャック盤を並べて、複数の小型のリレーを取り付けている。よって、マウントフレームの1つの固定スペースに取り付けられる小型のリレーの全端子数が多くなる。よって、ジャック盤の全ての端子の間隔を広くして各々にコネクタを設けると、コネクタの配列面が、マウントフレームの1つの固定スペースの面積を超えてしまうか、或いは、ぎりぎりになる。このため、新たなジャック盤を1つの固定スペースに設置することが困難になるという課題が生じる。
本発明は、端子間隔の狭い電気部品であってもコネクタを用いて容易に配線接続することのできる端子板装置およびアダプタ装置を、低いコストで実現することを目的としている。さらに、電気部品の端子の総数が多くても配線接続用のコネクタが所定のスペースに収まることを容易に保証できる端子板装置およびアダプタ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の端子板装置は、上記目的を達成するために、
一方の面に電気部品の端子を接続するための複数の端子差込口が配列され、他方の面に前記複数の端子差込口に対応する複数の配線接続用の端子片が配列されている第1ジャック盤と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片の間隔よりも広い間隔で一方の面に複数の差込口が配列され、他方の面に前記複数の差込口に対応する配線接続用の複数のコネクタが配列されている第2ジャック盤と、
前記第2ジャック盤の前記複数の差込口に差し込まれる複数の導電部材と、前記第1ジャック盤の複数の端子片と前記複数の導電部材との対応するもの同士を電気的に接続する配線群とを有する中間部品と、
を備えていることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、第1ジャック盤と第2ジャック盤とを中間部品により電気的に接続することで、第1ジャック盤に取り付けられる電気部品に対して、第2ジャック盤のコネクタを用いて配線の接続を行うことができる。また、第1ジャック盤および第2ジャック盤として、既存の構成を適用すれば、中間部品を新規に製造することで、本発明の端子板装置を実現できる。よって、所定の電気部品に合うように、新たに専用のジャック盤を開発および製造するよりも、低い開発コストおよび低い製造コストで端子板装置を実現できる。さらに、第2ジャック盤として、所定のマウントフレームに適合するジャック盤を選定することで、端子数が多くても配線接続用の複数のコネクタがマウントフレームに収まることを容易に保証できる。
【0009】
好ましくは、前記中間部品は、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片が接続される第1基板と、
前記第2ジャック盤の前記複数の差込口に差し込み可能な複数の導電部材と、
前記複数の導電部材が接続される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とに挟まれて両者を結ぶ配線群が設けられた配線ブロックと、
を備え、
前記第1基板には、前記複数の端子片が接続される第1群の電極、前記配線ブロックの配線群が接続される第2群の電極、および、前記第1群の電極と前記第2群の電極を結ぶプリント配線が設けられ、
前記第2基板には、前記複数の導電部材が接続される第3群の電極、前記配線ブロックの配線群が接続される第4群の電極、および、前記第3群の電極と前記第4群の電極とを結ぶプリント配線が設けられ、
前記第1基板の前記プリント配線と前記配線ブロックの配線群と前記第2基板の前記プリント配線と前記導電部材とを介して、前記第1ジャック盤と前記第2ジャック盤とが電気的に接続されるように構成されるとよい。
【0010】
この構成によれば、第1ジャック盤の端子片の間隔と、第2ジャック盤の差込口の間隔が異なっていても、容易に、且つ、低コストに、両者を電気的に接続することができる。また、第1ジャック盤の端子片が接続される基板と、導電部材が接続される基板とが別なので、組み立て時の作業性がよく、さらに、組み立て時に端子片と導電部材とが干渉することを回避し易い。また、プリント配線を設けるスペースが、第1基板と第2基板とに確保されるので、1つの基板のみを使用する場合と比較して、プリント配線の設計も容易になる。
【0011】
また、好ましくは、複数の前記第1ジャック盤が設けられ、
前記複数の第1ジャック盤の前記端子片の数は、前記第2ジャック盤の前記差込口の数より多く、
前記複数の第1ジャック盤の前記複数の端子片の何れかが、前記第2ジャック盤の前記差込口の電極と電気的に接続される対象から除外される構成にするとよい。
鉄道の信号或いは踏切を制御する分野では、第1ジャック盤に接続される小型リレー等の電気部品については、全端子を使用することが稀であり、何れか一部の端子のみを使用することが殆どである。このような状況では、上記構成のように、第1ジャック盤の端子片の何れかを、第2ジャック盤の差込口に割り当てる対象から除外しても、不都合が生じない。さらに、複数の電気部品の全端子をコネクタ化した場合に、所定のマウントフレームに収まらないような場合でも、上記の構成によれば、第2ジャック盤として、所定のマウントフレームに収まるジャック盤を採用することができる。
さらに、上記構成を採用する場合には、第2ジャック盤の差込口の電極と電気的に接続される端子片の組み合わせが異なる複数種類の中間部品を用意しておくとよい。これにより、電気部品のうち、破壊等により何れかの端子が使えなくなったときに、中間部品を交換することで、破壊された端子から破壊されていない端子へ、使用される端子を変更することができる。
【0012】
或いは、第1ジャック盤に取り付けられる部品が、複数の接点を有するリレーである場合、空きの接点端子と、別の接点の接点端子とを、互いに並列に配線接続されるような中間部品を用意しておいてもよい。ここで、空き予定の接点端子とは、第2ジャック盤の差込口の電極と電気的に接続される対象から除外されていた接点端子を意味している。そして、リレーの1つの接点では接点容量が不足したときに、このような中間部品に変更することで、1つの接点の制御によって、互いに並列接続された複数の接点が同時に動作することとなり、接点容量の不足に対処することができる。
【0013】
また、本発明のアダプタ装置は、
一方の面に電気部品の端子接続用の複数の端子差込口が配列され、他方の面に複数の配線接続用の端子片が配列され、前記複数の端子差込口の電極と前記複数の端子片とが電気的にそれぞれ接続されている第1ジャック盤と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片の間隔よりも広い間隔で配列され、他のジャック盤の差込口に差し込み可能な複数の導電部材と、
前記第1ジャック盤の前記複数の端子片と前記複数の導電部材との対応するもの同士を電気的に接続する配線部品と、
を備えているとよい。
この構成によれば、アダプタ装置と、配線接続の容易な他のジャック盤とを組み合わせることで、第1ジャック盤に取り付けられる電気部品の配線の接続を、他のジャック盤の配線端子を用いて行うことができる。また、このような構成を、低いコストで実現できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の端子板装置およびアダプタ装置によれば、小型のリレーなどの電気部品であってもコネクタを用いて容易に配線接続することができる。さらに、電気部品の端子の総数が多くても配線接続用のコネクタが所定のスペースに収まることを容易に保証することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る端子板装置の電気部品の取付け側を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る端子板装置の配線接続側を示す斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態に係るアダプタ装置と第2ジャック盤とリレーとを分離した状態を示す下面図である。
図3は、アダプタ装置30の外装と第2ジャック盤20の外装とを外した状態を示している。
図4は、本発明の実施の形態に係るアダプタ装置の背面図である。
図5は、第2ジャック盤を示す正面図である。
図6は、第2ジャック盤を示す背面図である。
本発明の実施の形態に係る端子板装置1は、電気部品として小型のリレー41を前面側に取り付け、背面側において電気部品の配線接続を可能とする端子板である。端子板装置1は、マウントフレーム2の1つの固定スペースに取り付けられる。
【0017】
端子板装置1は、複数の第1ジャック盤10を有するアダプタ部品30と、第2ジャック盤20とを備えている。アダプタ部品30は、本発明に係るアダプタ装置の一例に相当する。
アダプタ部品30は、小型のリレー41と第2ジャック盤2との間に介在して、両者をつなげる部品である。アダプタ部品30は、複数の第1ジャック盤10と、第1基板31と、複数の導電部材(金属片など)32と、第2基板33と、第1基板31と第2基板33との間の配線ブロック34と、端子台35とを有する。これらのうち、第1基板31と第2基板33と配線ブロック34と複数の導電部材32とが、本発明に係る中間部品の一例に相当する。また、第1基板31と第2基板33と配線ブロック34とが、本発明に係る配線部品の一例に相当する。
【0018】
第1ジャック盤10は、前面に、小型のリレー41の端子42が差し込まれる複数の端子差込口12を有し(
図1を参照)、背面に、配線接続用に突出した複数の端子片13を有している(
図3を参照)。複数の端子片13と複数の端子差込口12とは一対一に対応している。端子片13と、これに対応する端子差込口12とは、前後対称の位置にそれぞれ設けられている。端子差込口12の中には端子と接触する電極が設けられ、この電極と端子片13とは、一体的な金属片により構成されるか圧着されるかして導通している。
具体的には、リレー41は、6つの独立した接点を有し、複数の端子42として、接点毎に接点を切り替えるコイル端子と2つの接点端子とを有している。さらに、リレー41の複数の端子42には、2つの電源端子が含まれる。第1ジャック盤10には、これらの20個の端子42が差し込まれる20個の端子差込口12と、これに対応した20個の端子片13とが設けられている。
【0019】
端子台35は、バリスタ45を接続するためのものであり、例えばバネ接続式の端子台を採用できる。バネ接続式では、ドライバーを一方の差込口に差し込むことでバネを緩めた後、バリスタ45の配線端子46を他方の差込口に差し込み、その後、ドライバーを抜くことで、バリスタ45の配線端子46を端子台35の電極に圧着することができる。その他、端子台35としては、ねじ式の端子台を採用してもよい。
【0020】
第2ジャック盤20は、前面に複数の差込口22が設けられ、背面に複数の配線接続用のコネクタ23が設けられている。複数の差込口22と複数のコネクタ23とは一対一に対応している。コネクタ23と、これに対応する差込口22とは、前後対称の位置にそれぞれ設けられている。複数の差込口22の間隔および複数のコネクタ23の間隔は、第1ジャック盤10の複数の端子差込口12の間隔および複数の端子片13の間隔よりも広い。具体的には、最も狭い部分を比較した場合に、ジャック盤10の端子片13の間隔よりも第2ジャック盤20の差込口22の間隔のほうが広い。差込口22の中には、差し込まれた導電部材と接触する電極が設けられ、差込口22の電極とコネクタ23の電極とは、一体的な金属片により構成されるか圧着されるかして導通している。
第2ジャック盤20は、具体的には、マルチジャック盤と呼ばれるものであり、20個の差込口22と20個のコネクタ23とを有している。コネクタ23は、例えばファストン端子などの圧着端子の雄雌の何れか一方である。1つのコネクタ23には、電気的に共通の2つのコネクタ端子23a、23bが設けられ(
図6を参照)、2つの配線が接続可能になっている。
【0021】
配線ブロック34は、配線群として、内部に基板面と交差する方向に延びる複数の配線34eが設けられたブロックである。配線ブロック34は、配線34eが延びる方向を上下方向として、上下半分に分離および接合可能に設けられている。上半分の配線ブロック34aと下半分の配線ブロック34bとが連結したときに、両者の複数の配線34eがそれぞれ圧接して導通する。配線ブロック34の基板固定側には、各配線34eの先端が突出している。
【0022】
図7は、本発明の実施の形態に係るアダプタ装置の第1基板を示すもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
図7(b)は部品が実層された状態を示している。
図8は、本発明の実施の形態に係るアダプタ装置の第2基板を示すもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
図8(b)は部品が実装された状態を示している。
図9は、第1基板のプリント配線の一部を示す図である。
図10は、第2基板のプリント配線の一部を示す図である。
【0023】
第1基板31は、
図7(a)〜
図7(c)および
図9に示すように、一方の面に3つの第1ジャック盤10と、3つの端子台35とが搭載され、他方の面に配線ブロック34aが搭載される。
第1基板31には、第1ジャック盤10と接続するための複数の貫通孔f1および複数の電極e1と、端子台35と接続するための複数の貫通孔f2および複数の電極e2と、配線ブロック34aを接続するための複数の貫通孔f3および複数の電極e3とが設けられている。第1ジャック盤10の各端子片13は、先端部分が貫通孔f1に通され、半田付けにより電極e1に接合されている。端子台35の各配線端子35eは貫通孔f2に通されて電極e2に半田付けされている。配線ブロック34aの各配線34eは、一端が貫通孔f2に通され、半田付けにより電極e3に接合されている。
【0024】
第1基板31には、
図9に示すように、さらに複数の電極e1と複数の電極e3とを結ぶプリント配線n1が設けられている。プリント配線n1により、第1ジャック盤10の複数の端子片13と、配線ブロック34の複数の配線34eとが電気的に接続される。また、第1基板31には、電極e2と電極e1とを結ぶプリント配線n2が設けられている。プリント配線n2により、端子台35の特定の配線端子35eと、第1ジャック盤10の特定の端子片13とが電気的に接続される。プリント配線n2は、バリスタ45がリレー41の電源端子間に接続されるように設けられている。なお、プリント配線n1、n2は、全て第1基板31の表面に設けてもよいし、第1基板31を多層基板として、一部を他の層に設けてもよい。なお、
図9には、煩雑を避けるために、複数のプリント配線n1、n2の一部しか示していない。
【0025】
第2基板33は、
図8(a)〜
図8(c)および
図10に示すように、一方の面に配線ブロック34bが搭載され、他方の面に複数の導電部材32が搭載される。
第2基板33には、複数の導電部材32を接続するための複数の貫通孔f4および複数の電極e4と、配線ブロック34bを接続するための複数の貫通孔f5および複数の電極e5とが設けられている。
導電部材32は、第2ジャック盤20の差込口22に差し込まれて、差込口22の電極と電気的に接続される一方に長い金属片である。導電部材32は、一端部が貫通孔f4に通され、電極e4に半田付けされて固定される。さらに、導電部材32は、根本側が樹脂等からなる支持ブロック32sにより支持されて、第2基板33に固定される。複数の導電部材32は、
図4および
図5に示すように、第2ジャック盤20の複数の差込口22の配置に対応して、複数の差込口22と同一の間隔で固定されている。
配線ブロック34bは、複数の配線34eの根本側の一端が、貫通孔f5に通され、且つ、電極e5に半田付けされて、第2基板33に固定されている。
【0026】
第2基板33には、
図10に示すように、さらに電極e4と電極e5とを結ぶプリント配線n3が設けられている。プリント配線n3により、第2ジャック盤20に差し込まれる複数の導電部材32と、配線ブロック34bの複数の配線34eとが電気的に接続される。なお、プリント配線n3は、全て第2基板33の表面に設けてもよいし、第2基板33を多層基板として、一部を他の層に設けてもよい。なお、
図10には、煩雑を避けるために、複数のプリント配線n3の一部しか示していない。
【0027】
上記のように構成された各構成要素は、次のように組み付けられている。第1基板31と第2基板33とは、各々部品が搭載された状態で、上下の配線ブロック34a、34bが連結するように接続され、アダプタ部品30のブラケット等に固定される。これによりアダプタ部品30が構成される。また、アダプタ部品30は、複数の導電部材32が第2ジャック盤20の差込口22に差し込まれて、第2ジャック盤20に固定される。これにより、第1ジャック盤10の複数の端子差込口12の電極が、複数の端子片13と、第1基板31のプリント配線n1と、配線ブロック34の配線34eと、第2基板33のプリント配線n3と、導電部材32とを介して、第2ジャック盤20と電気的に接続される。これにより、端子板装置1が構成される。
【0028】
次に、3つの第1ジャック盤10の各端子差込口12と第2ジャック盤20の各コネクタ23との対応関係について説明する。
図11は、第1ジャック盤の端子差込口と第2ジャック盤の配線接続用のコネクタとの対応関係を説明する図である。
3つの第1ジャック盤10には、合計60個の端子差込口12がある。このうち共通化できるのは、電源のマイナス端子の端子差込口12である。一方、第2ジャック盤20には、40個のコネクタ23が設けられている。よって、3つの第1ジャック盤10の全ての端子差込口12を、第2ジャック盤20の複数のコネクタ23に割り当てることができない。
【0029】
そこで、本実施の形態の端子板装置1では、6つの接点を有する小型のリレー41のうち、2つの接点に関係する端子について、第2ジャック盤20の複数のコネクタ23へ割り当てることから除外している。
図11では、端子番号「N*、C*、R*」(「*」は1〜6の何れか)の3端子が、1つの接点に関係する端子であり、「−」端子と「+」端子とが電源端子を示している。
図11の例では、各第1ジャック盤10の端子番号「N3、C3、R3」、「N4、C4、R4」の端子が、コネクタ23へ割り当てることから除外されている。これにより、3つの第1ジャック盤10において、4つの接点に関係する端子と、プラスの電源端子と、3つの第1ジャック盤10で共通化されたマイナスの電源端子とを、第2ジャック盤20の40個のコネクタ23へ割り当てることができる。
【0030】
鉄道信号或いは踏切の制御装置の分野では、第1ジャック盤10に接続される小型のリレー41の6つの接点のうち、全ての接点を使用することが殆ど無く、多くても3つの接点が使用されるに留まる。このような状況では、第1ジャック盤10の全ての端子差込口12のうち、何れか一部を第2ジャック盤20のコネクタ23への割り当てから除外しても、現状の論理回路を組む上で不都合が生じない。よって、第2ジャック盤20のコネクタ23に配線接続を用いて、現状と同様の論理回路を組むことができる。
さらに、このような構成においては、アダプタ部品30としては、割り当てから除外される端子番号の組み合わせが異なる複数種類のアダプタ部品30を用意しておくとよい。例えば、6つの接点を有するリレー41のうち、第1と第2の接点に必要な端子が割り当てから除外されるアダプタ部品30と、第5と第6の接点に必要な端子が割り当てから除外されるアダプタ部品30を、さらに用意するとよい。これにより、例えば、使用しているリレー41の或る接点が故障した場合に、アダプタ部品30を交換して、使用するリレー41の接点を変えることで、この故障に対応することができる。
【0031】
以上のように、本実施の形態の端子板装置1およびアダプタ部品30によれば、第1ジャック盤10と第2ジャック盤20とが中間部品により電気的に接続されている。よって、第1ジャック盤10に取り付けられる小型のリレー41に対して、第2ジャック盤20のコネクタ23を用いて配線の接続を行うことができる。また、第1ジャック盤10と第2ジャック盤20として既存の構成を適用すれば、アダプタ部品30を新規に製造することで、本発明の端子板装置1を実現できる。よって、小型のリレー41に合うように、新たに専用のジャック盤を開発および製造するよりも、開発コストおよび製造コストを低くできる。さらに、第2ジャック盤20として、所定のマウントフレームに適合するジャック盤を選定することで、配線接続用の複数のコネクタ23がマウントフレームに収まることを容易に保証することができる。
【0032】
また、本実施の形態の端子板装置1およびアダプタ部品30によれば、第1ジャック盤10と第2ジャック盤20とを電気的に接続する構成として、第1基板31と第2基板33と配線ブロック34とを用いている。よって、第1ジャック盤10の端子片13の間隔と、第2ジャック盤20の差込口22の間隔とが異なっていても、容易に、且つ、低コストに、両者を電気的に接続することができる。また、第1ジャック盤10の端子片13の接続先の基板と、第2ジャック盤20の差込口22に差し込まれる導電部材32の接続先の基板とが別なので、組み立て時の作業性がよく、さらに、組み立て時に端子片13と導電部材32とが干渉することを回避し易い。また、プリント配線を設けるスペースが、第1基板31と第2基板33とに確保されるので、1つの基板のみを使用する場合と比較して、プリント配線n1〜n3の設計も容易になる。
【0033】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではない。例えば、上記実施の形態では、第1ジャック盤10と第2ジャック盤20との間の配線を、2つの基板と基板間の配線ブロックとを用いて構成した例を説明した。しかしながら、このような配線は1つの基板により構成することも可能である。例えば、第1ジャック盤10の複数の端子片13と、第2ジャック盤20に対応する複数の導電部材32とが、正面から見て、位置の重ならない配置であれば、1つの基板に両者を接続する貫通孔と電極とを設け、これらの電極の間に適宜必要なプリント配線を設ければよい。また、第1ジャック盤10の複数の端子片13と、第2ジャック盤20に対応する複数の導電部材32とが、正面から見て、一部位置の重なる配置であれば、1つの基板の第1面に複数の端子片13を接続し、第2面に複数の導電部材32を接続し、これらの間に、必要なプリント配線と、層間で配線を導通させるビアとを設ければよい。この場合、端子片13と導電部材32とは、基板を貫通させずに、基板の表面に半田接合すればよい。
【0034】
また、上記の実施の形態では、第1ジャック盤10が第1基板31に半田等により接合される構成を示した。しかしながら、圧着端子を第1基板31に半田接合し、第1ジャック盤10の端子片13を圧着端子に接続または分離させることで、アダプタ部品30から第1ジャック盤10を着脱自在な構成を採用してもよい。
また、上記の実施の形態では、1つの端子板装置1に3つの第1ジャック盤10が取り付けられる構成を示したが、例えば、2つのジャック盤が取り付けられる構成としてもよい。
その他、取付け対象の電気部品の種類または端子数、第2ジャック盤のコネクタの種類、第2ジャック盤の差込口と導電部材との形態など、実施の形態で示した細部構造は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
さらに、実施の形態においては、本発明の端子板装置およびアダプタ装置が、鉄道の信号または踏切の制御を行うシステムに使用される例を示したが、特に制限されることなく、様々なシステムに使用されてもよい。