【実施例1】
【0023】
図1は、複数個の光ノードND0〜NDdと、それらの間を接続する光ファイバとからなる光ネットワークNWの一部を例示している。dは、任意の正の整数であり、本実施例では光ノードND0に隣接する光ノードの個数を示す4であるが、他の整数であってもよい。光ノードND0〜ND4は同様に構成されているので、
図2には光ノードND0に代表させて以下に説明する。
【0024】
図2に示すように、光ノードND0内に配置された光クロスコネクト装置OXCは、サブシステムとして機能するs個の光クロスコネクト部OXC1〜OXCsを備えている。光クロスコネクト装置OXCを構成する光クロスコネクト部(サブシステム)OXC1〜OXCs(sは個数を示す整数)に関して、
図2ではs=4であり、光クロスコネクト装置OXCが4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4から構成されている。なお、光クロスコネクト部OXC1〜OXCsの個数sは、光ノードND0と隣接する光ノードNDの個数dと一致している必要は無く、隣接するノードの個数とは独立に設定することができるが、本実施例では光ノードND0と隣接する光ノードNDの個数と一致している。
図2には、光クロスコネクト装置OXCの入出力接続と、光クロスコネクト装置OXC内の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4間の内部接続とが示されている。
【0025】
光クロスコネクト装置OXCの入力側には、光ノードND0に隣接する各光ノードND1〜光ノードNDdからの各m本すなわち合計M(=m×d)本の光入力ファイバFi1〜Fim、Fim+1〜Fi2m、Fi2m+1〜Fi3m、Fi3m+1〜Fi4mが接続されている。また、光クロスコネクト装置OXCの出力側には、光ノードND0に隣接する各光ノードND1〜光ノードNDdへの各n本すなわち合計N(=n×d)本の光出力ファイバFo1〜Fon、Fon+1〜Fo2n、Fo2n+1〜Fo3n、Fo3n+1〜Fo4nが、接続されている。光入力ファイバFi1〜Fim、Fim+1〜Fi2m、Fi2m+1〜Fi3m、Fi3m+1〜Fi4mからは、波長分割多重光がそれぞれ伝送されて、光クロスコネクト装置OXCに入力される。上記光入力ファイバFi1〜Fi4mは合計でm×d本であり、光出力ファイバFo1〜Fo4nは合計で
n×d本であり、それら光入力ファイバFi1〜Fi4mおよび光出力ファイバFo1〜Fo4nは、ノード間接続用光ファイバとして機能している。
【0026】
上記光クロスコネクト装置OXCは、上記波長分割多重光に含まれる波長群毎或いは波長毎に方路切換(ルーティング)して、光出力ファイバFo1〜Fon、Fon+1〜Fo2n、Fo2n+1〜Fo3n、Fo3n+1〜Fo4nのうちの1つへ出力する。
【0027】
本実施例では、所定の通信波長帯のたとえば100GHz毎に分割された複数の波長チャネル(wave channel or light path)にそれぞれ対応する複数波長たとえば16波長の光が合波されることにより1つの波長群WBが構成される場合も有り、その波長群WBが合波されて1つの波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光が構成され、その波長分割多重光が1本の光ファイバ毎に並列的に伝送される場合もある。この波長分割多重光の波長群WBに含まれる波長チャンネルの波長は、順次連続的に増加するものであってもよいし、分散的なものであってもよい。上記波長分割多重光は、連続する波長チャンネルのうちから選択された互いに連続する16波長毎に1群を構成するように順次選択された複数の波長群が設定されている連続配置型波長群から成るものであってもよい。また、上記波長分割多重光は、連続する複数波長の組の各々から分散的に選択された波長から1つの波長群が設定された分散配置型波長群から成るものであってもよい。また、波長群を利用しない場合も有る。また、波長分割多重信号を構成する波長チャンネルは、相互いに同じビットレートの光信号であってもよいし、一部または全部が相互いに異なるビットレートの光信号であってもよい。また、波長チャンネルは必ずしも等間隔でなくてもよく、一部または全部が不等間隔の波長チャンネルであってもよい。
【0028】
図2に戻って、光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は、外部接続用として、光入力ファイバFi1〜Fim、Fim+1〜Fi2m、Fi2m+1〜Fi3m、Fi3m+1〜Fi4mにそれぞれ接続されたノード間接続用入力ポートPi1〜Pim、Pim+1〜Pi2m、Pi2m+1〜Pi3m、Pi3m+1〜Pi4mと、光出力ファイバFo1〜Fon、Fon+1〜Fo2n、Fo2n+1〜Fo3n、Fo3n+1〜Fo4nにそれぞれ接続されたノード間接続用出力ポートPo1〜Pon、Pon+1〜Po2n、Po2n+1〜Po3n、Po3n+1〜Po4nとをそれぞれ有している。
【0029】
また、光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は、内部接続用として、内部接続用入力ポートPni1〜Pni2、Pni3〜Pni4、Pni5〜Pni6、Pni7〜Pni8と、内部接続用出力ポートPno1〜Pno2、Pno3〜Pno4、Pno5〜Pno6、Pno7〜Pno8とをそれぞれ有している。なお、光クロスコネクト部OXC1のノード間接続用入力ポートPi1〜Pimには、光ノードND1からの光入力ファイバFi1〜Fimが接続されていてもよいが、光ノードND1〜ND4からの合計M本のうちのいずれかm本が接続されていればよい。同様に、光クロスコネクト部OXC1のノード間接続用出力ポートPo1〜Ponには、光ノードND1への光出力ファイバFo1〜Fonが接続されていてもよいが、光ノードND1〜ND4への合計N本のうちのいずれかn本が接続されていればよい。そして、光クロスコネクト装置OXC内では、
図2に示すように、4(d)個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のいずれにおいても、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと直接に接続され、且つその光クロスコネクト部を介してさらに他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと間接的に接続されている。
【0030】
図2の例では、光クロスコネクト部OXC1では、光クロスコネクト部OXC1の内部接続用入力ポートPni1および内部接続用出力ポートPno1は、サブシステム増設のためにいずれの光クロスコネクト部にも内部接続されておらず、増設用の内部接続用入力ポートおよび内部接続用出力ポートとして機能している。同様に、光クロスコネクト部OXC4では、光クロスコネクト部OXC4の内部接続用入力ポートPni8および内部接続用出力ポートPno8は、サブシステム増設のためにいずれの光クロスコネクト部にも内部接続されておらず、増設用の内部接続用入力ポートおよび内部接続用出力ポートとして機能している。この増設用の内部接続用入力ポートおよび内部接続用出力ポートには、光トラフィックの増加に応じて、たとえば、
図3、
図5、或いは
図20に示す光クロスコネクト部OXCと同様の増設用光クロスコネクト部が接続されて、方路切換容量の増加を容易に図ることができる。なお、上記のような増設用の内部接続用入力ポートおよび内部接続用出力ポートは、光クロスコネクト部OXC1或は光クロスコネクト部OXC2或は光クロスコネクト部OXC3或は光クロスコネクト部OXC4のどれか1つ或は2つ以上に設けられていてもよい。
【0031】
光クロスコネクト部OXC1の内部接続用出力ポートPno2は、隣接する他の光クロスコネクト部OXC2の内部接続用入力ポートPni3と内部接続用光ファイバFn2を介して直接に接続され、且つ、さらに他の光クロスコネクト部OXC3の内部接続用入力ポートPni5と、その他の光クロスコネクト部OXC2および内部接続用光ファイバFn4を介して間接的に接続されている。
【0032】
光クロスコネクト部OXC2の内部接続用出力ポートPno3は、隣接する他の光クロスコネクト部OXC1の内部接続用入力ポートPni2と内部接続用光ファイバFn3を介して直接に接続されている。また、光クロスコネクト部OXC2の内部接続用出力ポートPno4は、隣接する他の光クロスコネクト部OXC3の内部接続用入力ポートPni5と内部接続用光ファイバFn4を介して直接に接続され、且つ、さらに他の光クロスコネクト部OXC4の内部接続用入力ポートPni7と、その他の光クロスコネクト部OXC
3および内部接続用光ファイバFn6を介して間接的に接続されている。
【0033】
光クロスコネクト部OXC3の内部接続用出力ポートPno5は、隣接する光クロスコネクト部OXC2の内部接続用入力ポートPni4と内部接続用光ファイバFn5を介して直接に接続され、且つ、さらに他の光クロスコネクト部OXC1の内部接続用入力ポートPni2と、その他の光クロスコネクト部OXC2および内部接続用光ファイバFn3を介して間接的に接続されている。また、光クロスコネクト部OXC3の内部接続用出力ポートPno6は、隣接する他の光クロスコネクト部OXC4の内部接続用入力ポートPni7と内部接続用光ファイバFn6を介して直接に接続されている。
【0034】
本実施例では、上記の接続方法により、4個の光クロスコネクト
部OXC1〜OXC4は、それらが直鎖状に連なるように相互接続される。少なくとも
2個以上であれば、同様である。
図2に示すように、4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のうち、相互に隣接するいずれの1対においても、一方の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが他方の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートに接続され、且つ他方の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが一方の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートに接続されている。たとえば、一対の光クロスコネクト部OXC1および光クロスコネクト部OXC2では、一方の光クロスコネクト部OXC1の内部接続用出力ポートPno2が他方の光クロスコネクト部OXC2の内部接続用入力ポートPni3に内部接続用光ファイバFn2を介して接続され、且つ他方の光クロスコネクト部OXC2の内部接続用出力ポートPno3が一方の光クロスコネクト部OXC1の内部接続用入力ポートPni2に内部接続用光ファイバFn3を介して接続されている。また、一対の光クロスコネクト部OXC2および光クロスコネクト部OXC3では、一方の光クロスコネクト部OXC2の内部接続用出力ポートPno4が他方の光クロスコネクト部OXC3の内部接続用入力ポートPni5に内部接続用光ファイバFn4を介して接続され、且つ他方の光クロスコネクト部OXC3の内部接続用出力ポートPno5が一方の光クロスコネクト部OXC2の内部接続用入力ポートPni4に内部接続用光ファイバFn5を介して接続されている。また、一対の光クロスコネクト部OXC3および光クロスコネクト部OXC4では、一方の光クロスコネクト部OXC3の内部接続用出力ポートPno6が他方の光クロスコネクト部OXC4の内部接続用入力ポートPni7に内部接続用光ファイバFn6を介して接続され、且つ他方の光クロスコネクト部OXC4の内部接続用出力ポートPno7が一方の光クロスコネクト部OXC3の内部接続用入力ポートPni6に内部接続用光ファイバFn7を介して接続されている。
【0035】
このように、内部接続用光ファイバFn2〜Fn7により相互接続された光クロスコネクト部OXC1〜光クロスコネクト部OXC4を有する光クロスコネクト装置OXCでは、光クロスコネクト部OXC1〜光クロスコネクト部OXC4のうち所定の光クロスコネクト部から出力された波長は他のいずれの光クロスコネクト部にも入力されるようになっているので、光入力ファイバFi1〜Fim、Fim+1〜Fi2m、Fi2m+1〜Fi3m、Fi3m+1〜Fi4mのうちのいずれかから、光出力ファイバFo1〜Fon、Fon+1〜Fo2n、Fo2n+1〜Fo3n、Fo3n+1〜Fo4nいずれへも方路切換が可能となっている。たとえば、光入力ファイバFi1を介して光クロスコネクト部OXC1へ入力された波長分割多重光に含まれる所定の波長をたとえばノード間接続用光出力ファイバFo3nへ方路切換する場合は、先ず、光クロスコネクト部OXC1においてその所定波長が選択されてその内部接続用出力ポートPno2から光クロスコネクト部OXC2の内部接続用入力ポートPni3へ出力される。次いで、光クロスコネクト部OXC2においてもその所定波長が選択されてその内部接続用出力ポートPno4から光クロスコネクト部OXC3の内部接続用入力ポートPni5へ出力される。そして、光クロスコネクト部OXC3においてその所定波長が選択されてそのノード間接続用出力ポートPo3nから光出力ファイバFo3nへ出力される。このように、光入力ファイバおよび光出力ファイバの本数に比較して入力端子数が少ない小規模の複数の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4を用いる場合、光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のいずれかから出力された所定波長を他の光クロスコネクト部へ入力することでその所定波長を往復させて、各光クロスコネクト部内で繰り返しルーティングすることで、所定波長を方路切換することができる。
【0036】
なお、
図2に示す光クロスコネクト装置OXCでは、通常、電気レイヤのルータから所定波長で送信されるアド信号を4n本の光出力ファイバFo1〜Fo4nのうち、そのアド信号が指向する所望の光出力ファイバ内の波長分割多重光へ送出するためのアド用波長選択スイッチWSS或は光カプラと、4m本の光入力ファイバFi1〜Fi4mからの波長分割多重光に含まれる所定波長のドロップ信号を電気レイヤの所望のルータへドロップさせるためのドロップ用波長選択スイッチWSSとが、必要に応じて設けられる。
【0037】
上記光クロスコネクト装置OXCを構成する4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のうち光クロスコネクト部OXC1は
図3に示すように、光クロスコネクト部OXC2は
図4に示すように、光クロスコネクト部OXC3も光クロスコネクト部OXC2と同じく
図4に示すように、光クロスコネクト部OXC4は
図5に示すように、それぞれ構成されている。それら4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は、(m+2)個の1×(m+2)光カプラPCと、(n+2)個の1×(n+2)波長選択スイッチWSSとを備える点で、互いに略同様に基本構成されている。
【0038】
上記光カプラPCは、例えば
図3では、光ファイバ或いは導波路を分岐させた分岐型カプラなどが用いられる。光カプラPCは、光入力ファイバFi1〜Fim(=Fi4)からそれぞれ入力された波長分割多重光、波長群又は波長を分岐してそのまま(n+2)個の波長選択スイッチWSSへ分配してそれぞれ入力させるものである。波長選択スイッチWSSは、光カプラPCから分配された波長分割多重光、波長群又は波長から所定の波長を選択して、光出力ファイバFo1〜Fon(=Fo4)へ択一的に出力する。
【0039】
上記波長選択スイッチWSSは、たとえば
図6の概略図に示す三次元MEMS光スイッチ、又は
図7に示す平面式波長選択スイッチから構成される。
図6において、三次元MEMS光スイッチは、1本の光入力ファイバFinおよび4本の光出力ファイバFout1〜Fout4を用いて1×4或いは4×1の規模で説明されている。この三次元MEMS光スイッチは、光入力ファイバFinから入力された波長分割多重光を波長単位で分光する分光素子である分光用グレーティング(回折格子)Gと、図示しないアクチュエータにより姿勢制御される波長数m個(図
6では4個に省略して示されている)のMEMSミラー(マイクロミラー)MMと、それらの間に配置されて分光された波長を1つのMEMSミラーMM上に集光させる集光レンズLとを備え、光入力ファイバFinから入力された波長分割多重光或いは波長群が分光用グレーティングGで波長単位に分光された後に集光レンズLにより波長毎にMEMSミラーMM上に集光され、MEMSミラーMMからの反射光が光出力ファイバFout1〜Fout4のうちの所望のファイバに入射するように駆動されることで、波長選択スイッチ機能が得られるようになっている。このような三次元MEMS光スイッチにより、1×9程度の規模まで実用に構成される。
【0040】
図7に示される波長選択スイッチWSSは、たとえばプレーナー光導波回路(PLC)技術により共通の半導体或は石英などの基板上に導波路および素子が集積化されることにより平面型に構成され得る。この平面型の波長選択スイッチWSSは、たとえば、光カプラPCからの光ファイバに接続されてそれから入力される波長分割多重光を波長毎に分波する1個の1×q(qはファイバ当たりの波長数)分波器AWGと、その1×q分波器AWGでそれぞれ分波された波長毎に方路切り換えを行なうq個の1×(n+2)光スイッチPWCと、それらの1×(n+2)光スイッチPWCからの出力波長をそれぞれ受けて合波し、N本の光出力ファイバFout1、Fout2、・・・Fout(n+2)(
図3ではPno1、Pno2、Fo1〜Fonに相当)へ出力するq×1合波器AWGとで構成される。
【0041】
図8は、各光ノードND0〜ND4が、たとえば入力或は出力ファイバ総数28本の光ファイバで構成されている場合における、光ノードND0およびそれに備えられた光クロスコネクト装置OXCと、その光クロスコネクト装置OXCを構成している光クロスコネクト部OXC1〜OXC4の構成を代表的に示す光クロスコネクト部OXC2とを、示している。この場合、m=n=7となって、光入力ファイバFim+1〜Fi2mおよび光出力ファイバFon+1〜Fo2nは各7本となり、2本の内部接続用光ファイバFn3およびFn4が入力側に、2本の内部接続用光ファイバFn2およびFn5が出力側に接続されるので、光クロスコネクト部OXC2は9×9の規模となる。このため、光クロスコネクト部OXC2は、9個の1×9光カプラPCと、9個の1×9波長選択スイッチWSSとから構成される。従って、光クロスコネクト装置OXCは、全体で、36個の1×9光カプラPCと36個の1×9波長選択スイッチWSSとから構成されることになる。すなわち、本実施例の光クロスコネクト装置OXCは、たとえば
図9に示す、1個の大規模な波長選択スイッチWSSから成る従来の光クロスコネクト装置OXCに比較して、必要とする1×9波長選択スイッチWSSの個数が約1/3となる。
【0042】
これに対して、上記と同じ光ネットワークNWにおいて、光ノードND0に備えられた光クロスコネクト装置OXCが単一の光クロスコネクト部から構成されている従来の場合は、
図9に示すように、相互接続がなく、光クロスコネクト部の規模が28×28となることから、光クロスコネクト装置OXCは、28個の1×28光カプラPCと28個の1×28波長選択スイッチWSSとから構成されることになる。この1×28波長選択スイッチWSSは、前述のように非現実的規模であるので、可及的に少ない個数で現実的に構成しようとすると、たとえば
図10に示すように、1×28波長選択スイッチWSSは4個の1×9波長選択スイッチWSSを用いて構成される。この場合の規模は1×33となるが、必要なポートを用いることにより1×28として用いることができる。このような従来の構成の光クロスコネクト装置OXCは、(4×28=112)個の1×9波長選択スイッチWSSを必要とする。
【0043】
次に、本発明者等が、
図11において26個の●で示される光ノードNDが接続されるパンユ−ロピアンネットワークにおいて、各光ノードNDの光クロスコネクト装置OXCが、
図9に示すように一個の大規模な波長選択スイッチWSSから成る従来の光クロスコネクト装置OXCを基準とした場合に、および、たとえば
図8に示すように相互接続された複数の光クロスコネクト部を備える本実施例の光クロスコネクト装置OXCの場合(本発明構成)について、以下のシミュレーション条件下で、規格化トラフィック収容率(Accepted traffic demand(normalized))を算出した。
図12は
図8に示すように相互接続された複数の光クロスコネクト部を備える本実施例の光クロスコネクト装置OXCについての算出結果を示している。
【0044】
(シミュレーション条件)
・トポロジ:パンユ−ロピアンネットワーク(ノ−ド数:26)
・ファイバ1本当たりの多重光:80波多重光
・トラフィック:ノード間平均パス需要=14
トラフィック分布=一様ランダム
需要の発生=ポアソン分布
【0045】
図12は、一個の大規模な波長選択スイッチWSSから成る光クロスコネクト装置の場合のトラフィック収容率(Accepted traffic demand)を「1」として正規化した正規化トラフィック収容率を表わす縦軸と、光パスのサブシステム間の経由数制限本数(F_intra=0、1、2、4or8)を表わす横軸としたグラフである。従来の光クロスコネクト装置OXCに対して、本実施例の光クロスコネクト装置OXCでは、たとえば、F_intra=4において、規格化トラフィック収容率の低下が1%に満たない。すなわち、本実施例の光クロスコネクト装置OXCでは、通信性能がそれほど損なわれておらず、従来の光クロスコネクト装置OXCと殆ど同じである。
【0046】
上述のように、本実施例の光クロスコネクト装置OXCによれば、複数本の光入力ファイバ(ノード間接続用光ファイバ)Fi1〜Fi4mおよび光出力ファイバ(ノード間接続用光ファイバ)Fo1〜Fo4nにそれぞれ接続された、ノード間接続用入力ポートPi1〜Pim、Pim+1〜Pi2m、Pi2m+1〜Pi3m、Pi3m+1〜Pi4mおよびノード間接続用出力ポートPo1〜Pon、Pon+1〜Po2n、Po2n+1〜Po3n、Po3n+1〜Po4nと、内部接続用入力ポートPni1〜Pni2、Pni3〜Pni4、Pni5〜Pni6、Pni7〜Pni8および内部接続用出力ポートPno1〜Pno2、Pno3〜Pno4、Pno5〜Pno6、Pno7〜Pno8とをそれぞれ有する複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4を備え、それら複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のいずれにおいても、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと直接に接続され、且つさらに他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと該他の光クロスコネクト部を介して間接的に接続されている。このことから、複数の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4の相互間で往復させてルーティングできるので、同一ファイバ数での同様のブロッキング率を有する、相互接続された複数の光クロスコネクト部を有しない従来の光クロスコネクト装置と比較して、同程度のパス収容能力を有しつつ、光クロスコネクト部或いはそれ波長選択スイッチWSSなどのハードウエアの規模を大幅に削減できる。
【0047】
同時に、複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のうちの少なくとも1つの光クロスコネクト部(本実施例では光クロスコネクト部OXC1およびOXC4)は、他の光クロスコネクト部に接続されていない増設用の内部接続用入力ポートPni1、内部接続用出力ポートPno1、および内部接続用入力ポートPni8および内部接続用出力ポートPno8を備えているので、増設用光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートおよび内部接続用入力ポートをそれら増設用の内部接続用入力ポートおよび内部接続用出力ポートにそれぞれ接続することにより、光ノードに接続される光ファイバの増加に応じて、新たな光クロスコネクト部を安価に且つ容易に増設できる。
【0048】
また、本実施例の光クロスコネクト装置OXCによれば、複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のうちの互いに隣接する1対において一方の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが他方の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートに接続され、且つ他方の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが一方の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートに接続されている。このことから、結果として、複数個の光クロスコネクト部のいずれにおいても、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと直接に接続され、又は、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと直接に接続され且つさらに他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと該他の光クロスコネクト部を介して間接的に接続されていることになるので、同程度のパス収容能力を有する従来の光クロスコネクト装置と比較して、光クロスコネクト部或いは波長選択スイッチなどのハードウエアの規模を大幅に削減できる。また、光クロスコネクト装置OXC内において所定の光クロスコネクト部からそれに隣接する一対の他の光クロスコネクト部の一方および他方へ双方向に波長を伝送することができるので、一方向へ波長を伝送する場合に比較して、方路切換処理時間が短縮できる利点がある。
【0049】
また、本実施例の光クロスコネクト装置OXCによれば、複数個の光クロスコネクト部のうちの所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートは他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと直接に接続され、且つさらに他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと該他の光クロスコネクト部を介して間接的に接続されて、内部接続用光ファイバを介して連鎖状に連なって接続される。このようにすれば、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートから出力された波長を、その連鎖状に接続された光クロスコネクト部のうちの互いに隣接する一方の光クロスコネクト部へ一方向に伝送することができる。
【0050】
また、本実施例の光クロスコネクト装置OXCによれば、複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は、光入力ファイバFinから入力された波長分割多重光を波長単位で分光する分光素子である分光用グレーティングGと、図示しないアクチュエータにより姿勢制御される波長数m個(
図6では4個に省略して示されている)のMEMSミラーMMと、それらの間に配置されて分光された波長を1つのMEMSミラーMM上に集光させる集光レンズLとを備え、光入力ファイバFinから入力された波長分割多重光或いは波長群が分光用グレーティングGで波長単位に分光された後に集光レンズLにより波長毎にMEMSミラーMM上に集光され、MEMSミラーMMからの反射光が光出力ファイバFout1〜Fout4のうちの所望のファイバに入射するように駆動されることで、波長選択スイッチ機能が得られるようにする三次元MEMS光スイッチから構成されている。このため、このようにすれば、光入力ファイバ毎に設けられて波長分割多重光をそれぞれ波長毎に分波する分波器、その分波器で分波された波長毎に方路切換を行なう波長数個の1×n光スイッチ、光出力ファイバ毎に設けられてその1×n光スイッチで方路切換された波長を受けて合波し光出力ファイバへ出力する1×n合波器から構成された光クロスコネクト部に比較して、素子数が少なく、相対的に規模が小さくなる利点がある。
【0051】
また、本実施例の光クロスコネクト装置OXCによれば、複数個の光クロスコネクト部OXC1乃至OXC4は、
図3乃至
図5に示すように、ノード間接続用入力ポートおよび内部接続用入力ポートにそれぞれ接続された複数個の光カプラPCと、ノード間接続用出力ポートおよび前記内部接続用出力ポートにそれぞれ接続され、その光カプラからの波長分割多重光を受けてその波長分割多重光に含まれる波長を選択し、ノード間接続用出力ポートおよび前記内部接続用出力ポートへ択一的に出力する出力側波長選択スイッチWSSとを有するものである。このようにすれば、波長選択スイッチの数を半減させることができる。
【0052】
また、本実施例の光クロスコネクト装置OXCは、
2個以上の光クロスコネクト部
で構成される。図2では4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4から構成され、光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は前記内部接続用光ファイバFn
2〜Fn7を介して
連鎖状に接続される。このため、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートから出力された波長を、その
連鎖状に接続された光クロスコネクト部のうちの隣接する一対の光クロスコネクト部
の一方の光クロスコネクト部へ一方向に順次伝送することができる。
【実施例5】
【0056】
図17は、光クロスコネクト装置OXCの他の構成例を示している。この
図17の光クロスコネクト装置OXCは、
図2の光クロスコネクト装置OXCに比較して、光クロスコネクト部OXC1の内部接続用出力ポートPno1および内部接続用入力ポートPni1が、光クロスコネクト部OXC4の内部接続用入力ポートPni8および内部接続用出力ポートPno8と内部接続用光ファイバFn1およびFn8を介して直接に接続されていて、4つの光クロスコネクト部OXC1〜OXC4が内部接続用光ファイバを介してリング状に連なって接続されており、光クロスコネクト部OXC1に増設用の内部接続用入力ポートPni9および内部接続用出力ポートPno9がさらに加えられている点で、相違する。
【0057】
図18は、本実施例の光クロスコネクト装置OXCに備えられている光クロスコネクト部OXC1の構成を示している。本実施例の光クロスコネクト部OXC1は、複数個(m+3個)の1×(m+3)入力側光カプラPCと、複数個(n+3個)の1×(n+3)の出力側波長選択スイッチWSSとを有するものである。本実施例の光クロスコネクト部OXC1は、
図2の光クロスコネクト装置OXCに比較して、各1個の入力側光カプラPCおよび出力側波長選択スイッチWSSをさらに備え、これにより、増設用の内部接続用入力ポートPni9および内部接続用出力ポートPno9を備えている。
【0058】
図19は、本実施例の光クロスコネクト装置OXCを構成する複数の光クロスコネクト部OXC1乃至OXC4のうちの光クロスコネクト部OXC1の増設用の内部接続用入力ポートPni9および内部接続用出力ポートPno9に、増設用光クロスコネクト部(増設用サブシステム)OXCAが接続されている状態を示している。
図20に示すように、この増設用光クロスコネクト部OXCAは、
図3、
図4、
図5に示す光クロスコネクト部OXC1乃至4と同様に、(m+2)個の1×(m+2)光カプラPCと、(n+2)個の1×(n+2)波長選択スイッチWSSとを備える点で、略同様の基本構成を有している。しかし、増設用光クロスコネクト部OXCAは、光クロスコネクト部OXC1の増設用の内部接続用入力ポートPni9および内部接続用出力ポートPno9にそれぞれ接続される内部接続用入力ポートPni10および内部接続用出力ポートPno10を備える他に、光クロスコネクト装置OXCに備えられる複数個の光クロスコネクト部OXC1乃至4のいずれにも接続されない2段増設用の内部接続用入力ポートPni11および内部接続用出力ポートPno11をさらに備えている。
【0059】
図2の実施例によれば、光クロスコネクト装置OXCは、
4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4から構成され、それら
4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のいずれにおいても、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートが他の光クロスコネクト部の内部接続用入力ポートと直接に接続されて、内部接続用光ファイバを介して
連鎖状に連なって接続されている。
すなわち、光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は前記内部接続用光ファイバFn1〜Fn8を介して連鎖状に連ねて接続される。このため、所定の光クロスコネクト部の内部接続用出力ポートから出力された波長を、その
連鎖状に接続された光クロスコネクト部のうちの互いに隣接す
る光クロスコネクト部へ双方向に伝送することができる。
【0060】
また、本実施例によれば、光クロスコネクト装置OXCに増設される増設用光クロスコネクト部(サブシステム)OXCAは、その光クロスコネクト装置OXCに備えられる複数個の光クロスコネクト部OXC1乃至OXC4に接続されない2段増設用の内部接続用入力ポートPni11および内部接続用出力ポートPno11を備えている。このため、増設用光クロスコネクト部OXCAの2段増設用の内部接続用入力ポートPni11および内部接続用出力ポートPno11に、他の増設用光クロスコネクト部OXCAの内部接続用出力ポートPno10および内部接続用入力ポートPni10を接続することにより、光ノードND0に接続される光ファイバのさらなる増加に応じて、新たな光クロスコネクト部を安価に且つ容易に順次増設できる。
【実施例6】
【0061】
図21は、
図2の光クロスコネクト装置OXCを構成する複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4、或いは
図17の光クロスコネクト装置OXCを構成する複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4の他の構成例を示す図である。この
図21は、
図2の光クロスコネクト装置OXCを構成する光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は互いに同様に構成されているので、光クロスコネクト部OXC1を代表させて説明するものである。本実施例の光クロスコネクト部OXC1は、単一の(m+2)×(n+2)波長選択スイッチWSSから構成されている。この波長選択スイッチWSSは、たとえば
図22に示す三次元MEMS(Micro electro Mechanical Systems)光スイッチ、又は
図23に示すLCOS(Liquid Crystal on Silicon)スイッチなどから構成される。
【0062】
図22の波長選択スイッチWSSは、たとえば、端面が相互に直列させられた4本の光入力ファイバFin1〜Fin4およ
び4本の光出力ファイバFout1〜Fout4を有する4×4の規模の三次元MEMS光スイッチを用いてその原理が説明されている。この三次元MEMS光スイッチは、光入力ファイバFin1〜Fin4のいずれか1つから入力された波長分割多重光を波長単位で分光する分光素子である反射型回折格子Gと、図示しないアクチュエータにより姿勢制御される波長数k個(
図22では各4個)のマイクロミラーMMをそれぞれ有するファイバ数個(
図22では4組)のマイクロミラーアレイMMA1〜MMA4を備える3次元MEMSミラー3DMと、それらの間に配置されて分光された波長を1つのマイクロミラーMM上に集光させる集光レンズLとを含み、光入力ファイバFin1〜Fin4のいずれか1つから入力された波長分割多重光或いは波長群が分光用グレーティングGで波長単位或は波長群単位に分光された後に集光レンズLにより波長毎に所定のマイクロミラーMM上に集光され、マイクロミラーMMからの反射光が出力ファイバFout1〜Fout4のうちの所望のファイバに入射するようにマイクロミラーMMが駆動されることで、波長選択スイッチ機能が得られるようになっている。上記マイクロミラーアレイMMA1〜MMA4は、よく知られた3次元MEMS技術によって1つのシリコン基板やガラス基板上に形成されており、たとえば静電気、電歪力或いは電磁力を利用したアクチュエータによりその振幅が制御されるようになっている。
【0063】
図23の波長選択スイッチWSSは、たとえば4本の光入力ファイバFin1〜Fin4および4本の光出力ファイバFout1〜Fout4を有する4×4の規模のLCOS光スイッチを用いてその原理が説明されている。このLCOS光スイッチは、光入力ファイバFin1〜Fin4のいずれか1つから偏光素子P、集光レンズL1およびミラーMを経て入力された波長分割多重光を波長単位で分光する分光素子である反射型回折格子Gと、平行配向されたネマティ
ック液晶層を有する多数の画素が配列され、制御信号に従って入力光を変調することによりその位相変調を行なうとともに、波長数kの縦列反射画素群をx方向に有するファイバ数個(
図23では4個)の画素領域A1〜A4をy方向に有する集積化液晶板(反射素子)LCOSとを含み、光入力ファイバFin1〜Fin4のいずれか1つから入力された波長分割多重光或いは波長群が分光用グレーティングGで波長単位或は波長群単位に分光された後に補償板Cを経て集光レンズL2により波長毎に所定の画素群上に集光され、集積化液晶素子LCOSからの反射光が出力ファイバFout1〜Fout4のうちの所望のファイバに入射するように集積化液晶素子LCOSの画素により位相変調が行なわれることで、波長選択スイッチ機能が得られるようになっている。上記の集積化液晶素子LCOSは、たとえは、液晶駆動回路および画素電極を有するシリコン基板と対向する透明基板との間に液晶を閉じ込めた構造を有する高精
細度反射型液晶パネルから構成される。
【0064】
本実施例によれば、複数個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は、ノード間接続用入力ポートおよび前記内部接続用入力ポートの数に対応する複数入力(m+2)と、ノード間接続用出力ポートおよび前記内部接続用出力ポートの数に対応する複数出力(n+2)とを有する単一の(m+2)×(n+2)波長選択スイッチWSSからそれぞれ構成されているので、光クロスコネクト部OXC1〜OXC4が大幅に小型となるとともに、光カプラが不要となるので、光損失も大幅に減少させられる。
【0065】
また、本実施例によれば、単一の波長選択スイッチWSSは、複数入力および前記複数出力に対応する本数の、端面が直列となるように配置された複数本のファイバFin1〜Fin4およびFout1〜Fout4を有するファイバアレイと、複数本の光ファイバFin1〜Fin4およびFout1〜Fout4のうちの複数入力に対応する光ファイバFin1〜Fin4のいずれか1つから入力された波長分割多重光を受けて波長毎に分光する反射型回折格子G(分光素子)と、その分光素子により分光された波長を受けてその波長の反射方向が制御されることにより、複数本のファイバFin1〜Fin4およびFout1〜Fout4のうちの複数出力に対応する光ファイバFout1〜Fout4のいずれか1つへ択一的に入力させる複数のマイクロミラーアレイMMA1〜MMA4を有する3次元MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー3DMとを、含むものである。このため、光入力ファイバ毎に設けられて波長分割多重光をそれぞれ波長毎に分波する分波器、その分波器で分波された光パスを波長毎に方路切換を行なう波長数個の1×n光スイッチ、光出力ファイバ毎に設けられてその1×n光スイッチで方路切換された波長を受けて合波し光出力ファイバへ出力する1×n合波器から構成された光クロスコネクト部に比較して、素子数が少なく、相対的に規模が小さくなるだけでなく、上記
光分波器または光合波器として光カプラが用いられることがなくなるので、光損失が大幅に低減される。
【0066】
また、本実施例によれば、単一の波長選択スイッチWSSは、複数入力および前記複数出力に対応する本数の、端面が直列となるように配置された複数本のファイバFin1〜Fin4およびFout1〜Fout4を有するファイバアレイと、複数本の光ファイバFin1〜Fin4およびFout1〜Fout4のうちの複数入力に対応する光ファイバFin1〜Fin4のいずれか1つから入力された波長分割多重光を受けて波長毎に分光する反射型回折格子G(分光素子)と、その分光素子により分光された波長を受けて該波長の反射(回折)方向が制御されることにより、複数出力に対応する光ファイバFout1〜Fout4のいずれか1つへ択一的に入力させる複数の反射画素を有する集積化液晶素子LCOS(Liquid Crystal on Silicon)とを、含むものである。このため、光入力ファイバ毎に設けられて波長分割多重光をそれぞれ波長毎に分波する分波器、その分波器で分波された光パスを波長毎に方路切換を行なう波長数個の1×n光スイッチ、光出力ファイバ毎に設けられてその1×n光スイッチで方路切換された波長を受けて合波し光出力ファイバへ出力する1×n合波器から構成された光クロスコネクト部に比較して、素子数が少なく、相対的に規模が小さくなるだけでなく、上記
光分波器または光合波器として光カプラが用いられることがなくなるので、光損失が大幅に低減される。
【0067】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0068】
たとえば、前述の実施例の光クロスコネクト装置OXCにおいて、増設用光クロスコネクト部(サブシステム)OXCAを接続するための増設用の一対の内部接続用入力ポートおよび増設用の内部接続用出力ポートは、1つの光クロスコネクト部(サブシステム)に共に設けられていたが、片方ずつ別の光クロスコネクト部(サブシステム)に設けられていてもよい。
【0069】
また、
図17の光クロスコネクト装置OXCでは、光クロスコネクト部OXC1だけが増設用の一対の内部接続用入力ポートPni9および増設用の内部接続用出力ポートPno9を備えていたが、他の光クロスコネクト部OXC2〜4も備えていてもよい。
【0070】
また、
図17の光クロスコネクト装置OXCは、4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4から構成されていたが、1個の光クロスコネクト部OXC1、2個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC2、或いは3個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC3から構成されることができる。
【0071】
図17の実施例の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は、
図2に示すように双方向に相互接続されていたが、たとえば、内部接続用光ファイバFn1〜Fn8のうち、内部接続用光ファイ
バFn1、Fn3、Fn5、Fn7又は内部接続用光ファイ
バFn2、Fn4、Fn6、Fn8が省略されてもよい。このようにしても、光クロスコネクト部OXC1〜OXC4のうちの1つの光クロスコネクト部から出力された波長は他のいずれの光クロスコネクト部にも入力されることができる。
【0072】
また、内部接続用光ファイバFn1〜Fn8は、その本数は1本であったが、複数本から構成されたものであってもよい。
【0073】
また、前述の実施例では、前述の実施例の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4は内部接続用光ファイバFn1〜Fn8を介して内部接続されていたが、三次元導波路などを介して接続されてもよい。
【0074】
また、前述の実施例では、
図2或いは
図17光クロスコネクト装置OXCが4個の光クロスコネクト部OXC1〜OXC4から構成されていたが、5個以上の光クロスコネクト部から構成されてもよい。
【0075】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。