特許第6533744号(P6533744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6533744細断されたプラスチックから不純物を除去するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533744
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】細断されたプラスチックから不純物を除去するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/04 20060101AFI20190610BHJP
   B08B 3/04 20060101ALI20190610BHJP
   B08B 7/04 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   B08B1/04
   B08B3/04 A
   B08B7/04 A
【請求項の数】23
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-552100(P2015-552100)
(86)(22)【出願日】2014年1月15日
(65)【公表番号】特表2016-506862(P2016-506862A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2014050680
(87)【国際公開番号】WO2014111412
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】102013000593.0
(32)【優先日】2013年1月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509139298
【氏名又は名称】シーブイピー クリーン バリュー プラスティクス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CVP Clean Value Plastics GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】ゲルッケ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ウェルムター カールステン
【審査官】 吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−532762(JP,A)
【文献】 特開2009−174108(JP,A)
【文献】 特表平02−502389(JP,A)
【文献】 実公昭37−006407(JP,Y1)
【文献】 特開2009−024317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/04
B08B 3/04
B08B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細断されたプラスチック(56)から不純物を除去するための装置であって、第1の洗浄表面(12、12’)を形成する少なくとも断面的に先細り状および/または円筒状の外側表面を有する少なくとも1つの第1の洗浄本体(10、10’)と、第2の洗浄表面(42)を形成する少なくとも断面的に先細り状および/または円筒状の内側表面を有する少なくとも1つの第2の洗浄本体(40)とを備え、前記第2の洗浄本体は、前記第1の洗浄本体を収容するように設計され、前記洗浄表面(12、12’、42)は、互いに対向し、互いの間に洗浄空隙(44)を画定し、前記装置は、さらに、前記洗浄本体(10、10’、40)の少なくとも1つがその長手方向軸(16)周りで駆動装置によって回転され得る該駆動装置と、前記細断されたプラスチック(56)が、供給装置によって前記洗浄空隙(44)に供給され得る該供給装置とを備える、装置において、
前記洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄表面(12、12’、42)各々が、その洗浄表面(12、12’、42)上に前記長手方向軸に沿って延びる複数の洗浄リブ(18、46)であって、前記洗浄リブ(18、46)の少なくとも1つの側面(24、28)が、傾けられまたは湾曲される、洗浄リブを有すること、および
前記洗浄リブ(18、46)の延長の方向に対して横断方向に通る複数の洗浄バー(20、48)が、互いに隣り合う少なくとも一部の洗浄リブ(18、46)間に配置されること、および
前記第1および/または第2の洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄バー(20、48)が、前記洗浄リブの長手方向に対して平行な方向に傾斜様に上昇することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1および/または第2の洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄リブ(18、46)の前記傾けられたまたは湾曲された側面(24、28)が、回転中、少なくとも1つの洗浄本体(10、10’、40)の進み側の側面(24、28)になることができることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記洗浄本体(10、10’、40)が、圧送効果が生成されるように設計されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および/または第2の洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄リブ(18、46)が、その長手方向に対して垂直に通る方向に鋸歯状のプロファイルを形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1および/または第2の洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄リブ(18、46)が、その少なくとも1つの傾けられたまたは湾曲された側面(24、28)と、その高くなった表面(26)との間の少なくとも移行部において曲線状になることができることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および/または第2の洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄リブ(18、46)が、その縦方向軸(22)対して垂直の高くなった表面(26)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の洗浄本体(10,10’)の前記洗浄バー(20、48)が、前記第1の洗浄本体(10、10’)の前記洗浄リブ(18、46)より低い高さを有することができ、および/または、前記第2の洗浄本体(40)の前記洗浄バー(20、48)が、前記第2の洗浄本体(40)の前記洗浄リブ(18、46)より低い高さを有することができることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の洗浄表面の前記洗浄リブ(18、46)の前記高くなった表面(26)と、前記第2の洗浄表面の前記洗浄リブ(18、46)の前記高くなった表面(26)との間には、距離が存在し、前記距離は、前記供給装置によって供給された、前記細断されたプラスチック(56)の平均厚さにほぼ対応することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1および/または第2の洗浄本体(10、10’、40)が、単一の部分として設計され、または複数の洗浄本体セグメントからなることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
液体供給装置をさらに備え、液体、特に水または水溶液の液体が、前記洗浄空隙(44)内に前記液体供給装置によって供給され得ることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1および第2の洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄バー(20、48)
は、前記第1および第2の洗浄本体(10、10’、40)の前記洗浄バー(20、48)が、前記少なくとも1つの洗浄本体(10,10’、40)が回転する間、正対位置をとらない、または永久的にとらないように配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記洗浄バー(20、48)が、前記第1および第2の洗浄表面上に、いずれの場合も前記それぞれの洗浄表面上の複数の周囲通路に沿って配置されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の洗浄表面(12、12’)上の前記洗浄バー(20、48)の前記周囲通路が、前記第2の洗浄表面(42)上の前記洗浄バー(20、48)の前記周囲通路とは異なる経路を有することができることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記洗浄バー(20、48)が、隣り合う洗浄リブ(18、46)の各々の対間の前記周囲通路に沿って配置されることを特徴とする、請求項12または13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記洗浄バー(20、48)が、前記第1および第2の洗浄表面上に、いずれの場合も前記それぞれの洗浄表面上の複数の周囲通路に沿って配置され、
前記第1の洗浄表面(12、12’)上の前記周囲通路および前記第2の洗浄表面(42)上の前記周囲通路の少なくとも一部が、同じ経路を有することができ、少なくとも前記同じ経路を備えた前記周囲通路に沿った前記洗浄バー(20、48)が、いずれの場合も、隣り合う洗浄リブ(18、46)の対間に一つ置きに配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
請求項10に記載の装置を用いて細断されたプラスチック(56)から不純物を除去するための方法であって、少なくとも1つの洗浄本体(10、10’、40)が、前記駆動装置によってその長手方向軸(16)の周りで回転式に駆動され、特に水または水溶液などの液体が、前記液体供給装置によって前記洗浄空隙(44)内に供給され、前記細断されたプラスチック(56)が、前記供給装置によって前記洗浄空隙(44)に供給され、前記細断されたプラスチック(56)が、前記洗浄空隙(44)を通って搬送されることを特徴とする、方法。
【請求項17】
洗浄される前記細断されたプラスチックが、前記洗浄空隙(44)内に供給されるとともに、前記装置の前記洗浄空隙(44)を通って搬送される前に事前洗装置内で事前洗浄にかけられ、前記事前洗浄装置が、第1の洗浄表面を備えた第1の洗浄ディスクと、第2の洗浄表面を備えた第2の洗浄ディスクとを備え、前記洗浄表面が、互いに対向するとともに、互いの間に、前記細断されたプラスチックから不純物を除去するためにその後使用される前記装置の前記洗浄空隙(44)より大きい洗浄空隙を画定することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記事前洗浄装置の前記洗浄空隙が、前記洗浄ディスク間の距離を調整することによって選択され、それにより、前記事前洗浄中に前記細断されたプラスチックから除去された不純物は、基本的には破壊されないことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
洗浄される前記細断されたプラスチックが、前記洗浄空隙(44)に供給されるとともに、前記装置の前記洗浄空隙(44)を通って搬送される前に事前洗浄装置内で事前洗浄にかけられ、前記事前洗浄装置が、その円筒状の内側表面上に第1の洗浄表面を備えた中空の洗浄シリンダと、その円筒状の外側表面上に第2の洗浄表面を備えた、前記中空の洗浄シリンダ内に配置された洗浄シリンダとを備え、前記洗浄表面は、互いの間に、前記細断されたプラスチックから不純物を除去するためにその後使用される装置の前記洗浄空隙(44)より大きい洗浄空隙を画定することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記事前洗浄装置の前記洗浄空隙が、前記中空の洗浄シリンダと前記洗浄シリンダの間の距離を調整することによって選択され、それにより、前記事前洗浄中に前記細断されたプラスチックから除去された不純物が、基本的には破壊されないことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
洗浄される前記細断されたプラスチックが、前記洗浄空隙(44)に供給されるとともに、前記装置の前記洗浄空隙(44)を通って搬送される前に事前洗装置内で事前洗浄にかけられ、前記事前洗浄装置は、第1の洗浄表面を形成する少なくとも断面的に円錐の外側表面を備えた少なくとも1つの事前洗浄本体と、第2の洗浄表面を形成する少なくとも1つの断面的に円錐状の内側表面を備えた少なくとも1つの第2の事前洗浄本体とを備え、前記洗浄表面が、互いの間に、前記細断されたプラスチックから不純物を除去するためにその後使用される前記装置の前記洗浄空隙(44)より大きい洗浄空隙を画定することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記事前洗浄装置の前記洗浄空隙が、前記第1の事前洗浄本体と前記第2の事前洗浄本体の間の距離を調整することによって選択することができ、それにより、前記事前洗浄中に前記細断されたプラスチックから除去された不純物は、基本的には破壊されないことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記除去された不純物が、その後、前記装置での洗浄プロセスを経たプロセス液体からろ過するおよび/または濾すことによって除去されることを特徴とする、請求項1820、または22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細断されたプラスチックから不純物を除去するための装置であって、第1の洗浄表面を形成する少なくとも断面的に先細り状および/または円筒状の外側表面を有する少なくとも1つの第1の洗浄本体と、第2の洗浄表面を形成する少なくとも断面的に先細り状および/または円筒状の内側表面を有する少なくとも1つの第2の洗浄本体とを備え、第2の洗浄本体は、第1の洗浄本体を収容するように設計され、洗浄表面は、互いに対向し、互いの間に洗浄空隙を画定し、装置は、さらに、洗浄本体の少なくとも1つを長手方向軸周りで駆動装置によって回転させることができる該駆動装置と、細断されたプラスチックを洗浄空隙内に供給装置によって供給することができる該供給装置とを備える、装置に関する。
【0002】
本発明はまた、そのような装置によって、細断されたプラスチックから不純物を除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
PET飲料瓶、PETから作製されたブリスターパッケージ(熱成形されたPETフィルム)、ポリオレフィンからなるプラスチック廃棄物などのプラスチック廃棄物は、再資源化中に洗浄されなければならない。非常に高い品質要求事項が、満たされなければならない。許容可能な不純物は、ppm範囲内で変動する。洗浄のために、プラスチック廃棄物は、最初に、細断されたプラスチック、特にいわゆるプラスチックフレークになるように粉砕される。予め最適に粉砕された、細断されたプラスチックは、洗浄システムの洗浄プロセスおよび連続的供給のための要求事項である。
【0004】
特に、細断されたプラスチックは、少量の細粒子でできる限り均一に生成されなければならない。このためにせん断機(ブレートと、対向するブレードと、ストレイナバスケットとを備えたロータ)または切断ミルなどの他の粉砕集合体を使用することが知られている。生成されたフレークサイズは、ストレイナバスケット内の穴直径によって影響される。金属は、磁気および渦電流セパレータによって事前分類する間にプラスチック廃棄物から除去される。
【0005】
従来技術では、色および/またはプラスチックタイプによる分類は、プラスチック廃棄物の粉砕前に行われる。しかし、これは、汚染された材料の識別率はきれいな材料より下回るため、プラスチック廃棄物の汚染による制限事項に関連付けられる。さらに、いくつかの洗い出しラインが、個々の断片を洗浄するために、洗浄前の分類時に作動される必要がある。しかし、最初に、異なる色および/または異なるプラスチックタイプのプラスチック廃棄物を粉砕し、次いで、これを洗浄し、プロセスの終了時にだけ、色認識またはNIR、レーザ、またはX線分光法によって色および/またはプラスチックタイプによる分類を実施することも可能である。これは、入射光プロセスおよび/または徹照プロセスにおいて、適切な光学検出装置(カメラ)によって行われ得る。
【0006】
プラスチックフレーク、特にPETフレークを再資源化するとき、以下の要求事項が、満たされなければならない:
1. フィルムおよびセルロースラベルの除去
2. セルロースの除去
3. フレークから、内容物からの汚染物質(飲料残留物など)を洗浄する
4. フレークから、接着汚染物質(ラベルからの接着剤など)を洗浄する
5. (波形金属およびアルミニウムカンなどの)金属の除去
6. プラスチック異物の除去
7. 色による分類(透明PETおよび色付けされたPETなど)。
【0007】
類似の要求事項(しかし、より高い閾値を有する)が、プラスチックの機械的再資源化に適用される。しかし、色による分類は、一般的には省略される。
廃棄プラスチック、特に、混合されたプラスチックを再資源化する間、セルロースおよび他の接着材料を除去するための方法が、国際公開第2008/058750 A2号パンフレットから知られている。歯付きディスクミルが、ディスクと共に使用されることが可能であり、このディスクは、同心円上に離間されて配置された係合歯を有する。円の歯の間において、その空隙は、より厚いまたはしっかりした材料からなる部片が自由に通り抜けるのに十分大きいものである。ディスクミルはまた、独国特許第10 2005 013 693 Al号明細書からも知られている。
【0008】
しかし、プラスチック廃棄物からの不純物の十分な洗浄は、実際には、常に達成されているわけではない。これは、特に平坦な細断されたプラスチックの洗浄の場合にあてはまる。そのような平坦な細断されたプラスチックまたはフレークでは、洗浄中、折り畳みが起こる可能性があり、それにより、外側表面のみが洗浄され、一方で内側は汚れたままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記で説明された従来技術に基づき、本発明の目的は、最初に引用されたタイプの装置および方法を提供することであり、それによって細断されたプラスチックの改良された洗浄を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、請求項1の主題および請求項17の主題によって本目的を達成する。有利な設計は、従属請求項、説明、および図において見出され得る。
【0011】
最初に引用されたタイプの装置に関して、本発明は、洗浄本体の洗浄表面各々が、その洗浄表面上に延びる複数の洗浄リブであって、洗浄リブの少なくとも1つの側面が、傾けられまたは湾曲される、洗浄リブを有するという点において、および洗浄リブの延長の方向に対して垂直に通る複数の洗浄バーが、互いに隣り合う少なくとも一部の洗浄リブ間に配置される点において、本目的を達成する。
【0012】
上記で留意されたように、装置は、細断されたプラスチックを洗浄する働きをする。これもまた上記で留意されたように、細断されたプラスチックは、飲料瓶のようなプラスチックパッケージなどのようなプラスチック廃棄物の粉砕から生じる。細断されたプラスチックは、事前に粉砕された平坦なプラスチック廃棄物を含み、このプラスチック廃棄物は、フレークの形態(薄壁のハードプラスチック、フィルムなど)またはプラスチック塊の形態(厚壁のハードプラスチック)で、ほとんど定められたサイズを有して存在し得る。
【0013】
これもまた上記で留意されたように、除去される不純物は、特に、残留セルロース、残留接着剤、残留ラベル、または有機汚染物質などの表面接着物になることができる。
【0014】
本発明による装置は、第1および第2の洗浄本体を有する。洗浄本体各々は、少なくとも断面的に、特に先細り状、または円錐状である、および/または(定形の)円筒状の洗浄表面を有する。洗浄表面は、完全に先細りにする、または円錐状にする、または完全に円筒状にすることができる。
【0015】
しかし、洗浄表面が、先細り状、または円錐状であるとともに円筒状のセクションを有することも可能である。また、洗浄表面が、複数の、たとえば2つの先細り状、または円錐状のセクションを有することも可能であり、これらのセクションは、異なる、先細り状または円錐状の角度を有する。洗浄表面各々は、洗浄本体の外側もしくは内側表面の全体上を延びることができ、または洗浄本体の外側または内側表面の1つまたは複数のセクション上にだけ延びることができる。
【0016】
第1の洗浄本体は、円錐形もしくは円錐台形、または円シリンダの形状を有することができる。第2の洗浄本体は、中空の円錐形もしくは中空の円錐台形、または中空のシリンダの形状を有することができる。作動中、第1の洗浄本体は、その長手方向軸に沿って第2の洗浄本体内に挿入され、この場合、対向する洗浄表面は、これらの間に洗浄空隙を画定し、この洗浄空隙もまた、先細り状であり、または円錐状であり、および/または円筒状である。
【0017】
第1の洗浄本体および/または第2の洗浄本体は、適切な駆動装置によって、作動中、その長手方向軸の周りを回転式に駆動される。装置は、故に、いわゆる円錐精製機またはドラム精製機を形成する。駆動装置は、電気駆動装置とすることができる。洗浄空隙の幅は、第1および/または第2の洗浄本体をその長手方向軸に沿って移動させることによって容易に調整され得る。しかし、洗浄空隙の幅を調整する他の方法もまた、可能である。また、洗浄空隙が固定される、すなわち調整可能でないことも想定され得る。
【0018】
本発明による装置の洗浄本体は、洗浄表面上、特に洗浄表面の周囲上を通る洗浄リブを有する。このリブは、特に、連続的に、すなわちその延長方向に中断することなく設計され得る。洗浄リブは、真っすぐに通ることができ、または湾曲させることができる。これらは、さらに、それぞれの洗浄表面上をそれぞれの洗浄本体の長手方向に通ることができる。しかし、これらが長手方向軸の方向に対して傾けられるまたは湾曲される、たとえば、ねじ形状されるまたはらせん状にされることも可能である。様々なゾーンもまた、洗浄表面上に形成することができ、この場合、洗浄リブは、少なくとも2つ、特に3つ以上の、互いに異なる経路を備えたゾーンを有する。反対方向のゾーンもまた、材料戻しのために形成され得る。洗浄リブの側面の少なくとも1つは、本発明によって傾けられまたは湾曲され、特に、断面は、それぞれの洗浄リブの縦方向軸に対して傾けられまたは湾曲される。
【0019】
洗浄リブの断面では、洗浄リブの縦方向軸は、直角にあり、または、洗浄リブが表面から延びる領域内でそれぞれの洗浄本体の表面上で、それぞれ垂直である。この点に関して、洗浄リブの縦方向軸は、表面垂線に対応する。洗浄リブの断面では、縦方向軸は、特に、洗浄リブの関連する側面が洗浄リブの表面から開始する点を貫通して通る。縦方向軸は、したがって、洗浄リブの延長の長手方向に垂直に立つ。対応する側面各々は、平坦なまたは湾曲された表面内に位置することができる。この文脈では、洗浄リブの両方の側面が、特に断面内で、それぞれの洗浄リブの縦方向軸に対して傾けられるまたは湾曲されることも可能である。
【0020】
さらに、本発明による洗浄バーが、少なくとも一部、特にすべての互いに隣接して通る洗浄リブ間に配置される。洗浄バーは、洗浄リブの延長の方向に対して横断方向に通る。洗浄バーは、延長リブの延長の方向に対して垂直に通ることができる。しかし、洗浄バーはまた、洗浄リブの延長の方向に対して横断する方向に、洗浄リブの延長の方向に対して90°未満または90°を超える角度で通ることもできる。
【0021】
本発明は、細断されたプラスチック、特にプラスチックフレークを処理するとき、圧縮または変形からの強い機械的応力を有することなく、細断されたプラスチックを洗浄することが非常に重要であるという認識に基づく。細断されたプラスチックの改良された洗浄は、機械的応力(圧縮)を低減することによって達成される。特に、細断されたプラスチックを褶曲またはもつれることが、回避される。
【0022】
したがって、接着成分を有する細断されたプラスチックの表面は、洗浄にアクセスできるままである。加えて、平滑な細断されたプラスチックは、より大きいかさ密度を有し、かみ合いにくく、したがってその搬送性を改良する。加えて、平滑な細断されたプラスチックは、特に、細断されたプラスチックが、重力効果の下で上部から底部に降下する分類装置において、分類することがより容易である。したがって、平滑な細断されたプラスチックは、均一な「細断されたプラスチックカーテン」を形成する。最後に、細粒子の生成は、機械的応力の低減によって防止される。
【0023】
特に洗浄リブの側面の少なくとも1つが傾くまたは湾曲する、本発明による洗浄本体の外形は、そのような低減された機械的応力を生み出すことが明らかにされている。本発明による洗浄本体の外形の場合、細断されたプラスチックは、洗浄本体間、特に洗浄リブ間に引き寄せられる。細断されたプラスチックの褶曲または折り畳みが、回避される。理想的には、細断されたプラスチックの単一粒子層が、洗浄本体間に存在し、こうして、表面不純物を細断されたプラスチックから最適に洗浄することを可能にする。洗浄リブの表面は、細断されたプラスチックを洗浄するために必要な摩擦を生成する。
【0024】
特に、本発明による洗浄本体外形の場合、基本的には細断されたプラスチックの全体表面が、こすり取られ、それによってすべての接着汚染物質が放出される。水酸化ナトリウム溶液などの化学物質の添加は、従来技術での洗浄に必要となることが多いが、本発明によれば不必要である。その代わり、本発明による洗浄本体または洗浄表面の外形の結果、細断されたプラスチックの粉砕を行うことなくまたは必ずしも行うことなく、細断されたプラスチックを十分に洗浄する。
【0025】
さらに、本発明による外形の場合、細断されたプラスチックは、わずかに伸張され、したがって平坦に引っ張られ、任意の褶曲、(たとえば、最初の粉砕からの)細断されたプラスチックのいかなるものも、広げられる。特に、本発明による装置内で細断されたプラスチックをこすり取る、故に洗浄するための摩擦の大部分は、洗浄リブの傾けられた、または湾曲された側面の領域内で起こる。述べられたように、対応する側面は、必ずしも平坦な平面内に位置する必要はない。その代わり、側面は湾曲されることが可能であり、したがって高くなった表面への滑らかな移行を生み出すことができる。洗浄リブが、十分な洗浄効果を生み出すために十分に大きい摩擦表面を有することが重要である。本発明による洗浄リブ間のチャネル内に配置された洗浄バーは、障壁として機能し、細断されたプラスチックを洗浄本体間に、特に洗浄本体の洗浄リブ間に押し込む。
【0026】
本発明による装置によって達成される細断されたプラスチックのこすり取りは、洗浄を超える追加の有利な効果を有する。細断されたプラスチックには、したがって、光をあまり強く反射しないマット表面が設けられる。これは、洗浄プロセス後、細断されたプラスチックを光学的に分類することをより容易にする。色を認識するための入射光方法によって機能する光学的分類装置では、極めて光沢のある、故に反射表面が、欠点となる。したがって、細断されたプラスチックの改良された認識は、本発明による細断されたプラスチックのこすり取りによって達成される。
【0027】
また、本発明による細断されたプラスチックは、特に平坦なプラスチック粒子を含むことにも留意されたい。特に、HDPEなどのあまり頑丈ではないプラスチックでは、特定の割合のより厚いプラスチック粒子もまた、得ることができ、これらの粒子は、本発明による装置で洗浄される。
【0028】
傾けられたまたは湾曲された側面から生じる比較的幅広い洗浄リブを備えた、本発明によるやり方で設計された洗浄本体は、作動中、従来の洗浄本体よりゆっくりと摩耗する。加えて、洗浄リブの傾けられた、または湾曲された側面の本発明による配置は、洗浄本体間の相対的な回転移動と共に、圧送効果を生成する。洗浄される細断されたプラスチックは、洗浄空隙を通って搬送され、洗浄本体の外形および相対的な回転移動のみによって洗浄される。従来技術において設けられることが多い関連するポンプサンプを備えたソリッドポンプは、したがって、外形の対応する設計の場合、不要にされ得る。
【0029】
1つの設計によれば、第1および/または第2の洗浄本体の洗浄リブの傾けられたまたは湾曲された側面は、少なくとも1つの洗浄本体の回転中、進み側の側面になることができる。回転式に駆動されない洗浄本体では、洗浄リブの進み側の側面が、洗浄本体間の相対回転中の進み側の側面である。この設計では、細断されたプラスチックのこすり取り、故に本発明による洗浄は、特に効果的な方法で実施される。
【0030】
本発明による側面の傾きまたは湾曲の程度は、ほとんどは、洗浄されるプラスチックのタイプ、細断されたプラスチックの形状、および洗浄される細断されたプラスチックの量内のサイズ分布によって決まる。細断されたプラスチックの粉砕または圧縮は、ほとんど起こらないことも明白である。それと同時に、細断されたプラスチックは、洗浄するのに十分である摩擦にかけられなければならない。故に、洗浄される細断されたプラスチックを収容するために、隣り合う洗浄リブの対向する側面間に十分な空間が存在しなければならない。平坦にされた細断されたプラスチックでは、縦方向軸に対して、傾きのより大きい角度または湾曲のより大きい角度を有する側面が適している。
【0031】
特に、細断されたプラスチックは、除々に傾斜する側面を備えた洗浄本体間に特に効果的に引き寄せられる。加えて、大きいこすり取り表面が利用可能であり、したがって特に好適な洗浄効果を生み出す。塊状の細断されたプラスチックでは、縦方向軸に対して、傾きのより小さい角度または湾曲のより小さい角度が、適している。たとえば、第1および/または第2の洗浄本体の洗浄リブの傾けられた側面が、それぞれの洗浄本体の縦方向軸に対して、少なくとも10°、好ましくは少なくとも30°、より好ましくは少なくとも45°の傾きの角度を有することも可能である。洗浄リブの側面が湾曲される場合、湾曲された側面の開始部および終了部を連結するラインが、洗浄リブの延長方向に対して垂直に見たときの断面において、それぞれの洗浄リブの縦方向軸に対して、少なくとも10°、好ましくは少なくとも30%、およびより好ましくは少なくとも45°の傾き角度を有することが、もたらされ得る。引用された角度の上限は、たとえば、少なくとも45°、好ましくは少なくとも60°、より好ましくは少なくとも80°とすることができる。
【0032】
別の設計によれば、第1および/または第2の洗浄本体の洗浄リブは、(各々が、)その長手方向延長に対して垂直に通る方向に鋸歯状のプロファイルを形成する。この方向では、たとえば、1つまたは複数の真っすぐまたは湾曲された、または他のタイプの通路に沿って、洗浄リブは、断面内に鋸歯状のプロファイルを形成することができる。洗浄リブは、したがって、引用された方向に見たとき、基本的には互いに直接的に移行することができる。これは、隣り合う洗浄リブ間の(水平の)基部表面を防止し、この基部表面内では、望ましくないことに細断されたプラスチックが集まる可能性がある。しかし、隣り合う洗浄リブ間に基部表面を設けることも常に可能である。
【0033】
別の設計によれば、第1および/または第2の洗浄本体の洗浄リブは、その少なくとも1つの傾けられたまたは湾曲された側面と、その高くなった表面との間の少なくとも移行部において曲線状になることができる。さらに、第1および/または第2の洗浄本体の洗浄リブは、その縦方向軸に対して垂直である高くなった表面を有することができる。高くなった表面はまた、洗浄リブが表面から延びる領域内でそれぞれの洗浄本体の表面に対して平行である平面内に位置することができる。当然ながら、洗浄リブはまた、場合によっては傾けられないまたは湾曲されない第2の側面への移行部において曲線状になることもできる。鋭敏な縁、特に鋭敏なバリは、側面と高くなった表面との間の移行部では形成されないため、細断されたプラスチックのカーリングは回避される。その代わり、曲線状の高くなった表面は、細断されたプラスチックが、洗浄本体間に引き寄せられ、そこで広げられた平坦な状態で洗浄されることを確実にする。
【0034】
第1および/または第2の洗浄本体の洗浄バーは、洗浄リブの長手方向延長、または長手方向軸に対して平行な方向に傾斜様に上昇することができる。この設計は、細断されたプラスチックを洗浄本体間の処理領域内に特に効果的なやり方で引き込む。別の設計によれば、第1の洗浄本体の洗浄バーは、第1の洗浄本体の洗浄リブより低い高さを有することができ、ならびに/または第2の洗浄本体の洗浄バーは、第2の洗浄本体の洗浄リブより低い高さを有することができる。この設計では、細断されたプラスチックは、洗浄本体間でより優しく処理され、その理由は、細片のすべてが、各々の洗浄バーにおいて洗浄本体間に押し込まれるわけではないためである。特に、洗浄リブ間の洗浄空隙より大きい壁厚さを有するフレークは、洗浄リブによって細かく砕かれることなく、結果として生じた空隙をすり抜けることができる。
【0035】
別の設計によれば、第1の洗浄表面の洗浄リブの高くなった表面と、第2の洗浄表面の洗浄リブの高くなった表面との間には距離を設けることができ、この場合、その距離は、供給装置によって供給された、特に主に粒子クラスの細断されたプラスチックの平均厚さに対応する。洗浄本体間の距離、故に洗浄空隙の厚さは、したがって、平均の予測されるプラスチック細片の厚さに適合される。洗浄本体間の距離は、可能であれば、個々のプラスチック細片のみが洗浄本体間を通ることができるように、調整されなければならない。この結果、プラスチック細片の上側および底側のこすり取りによって最適な洗浄がもたらされる。
【0036】
また、洗浄される細断されたプラスチックが、厚さにおいて非常に狭い変動を有するときもまた、有利である。厚さの変動が存在する場合、洗浄バーの高さは、対向する洗浄バー間の距離が、洗浄本体が作動状態にあるときに最も厚いプラスチック細片の平均厚さに対応するように選択され得る。洗浄空隙の最適な閾値厚さの達成は、駆動装置の電力消費によって決定され得る。電力消費は、細断されたプラスチックの厚さが閾値以下に降下したとき、突然跳ねあがる。使い捨て可能なPET瓶の処理のための0.25mmの洗浄空隙、再利用可能なPET瓶(より厚い壁)を処理するための0.50mmの洗浄空隙、およびフイルム細片を処理するための0.1mmの洗浄空隙が、例として引用される。それぞれの適切な距離は、材料に応じて決定され、適合されなければならない。
【0037】
第1および/または第2の洗浄本体は、基本的に、単一の部分として設計可能であり、または複数の洗浄本体セグメントからなることができる。装置は、さらに、液体供給装置を有することができ、それによって、特に水または水溶液の液体が、洗浄空隙内に供給され得る。液体供給は、細断されたプラスチックを洗浄空隙を通して搬送し、洗浄プロセス中に生じたこすり取られた材料を除去する働きをする。水力学プロセスが、本発明による洗浄本体の外形によって生成される。水の流れ内に乱流が生じ、この乱流は、次に、洗浄空隙を通る液体の非常に速い流速を生成する。洗浄される、細断されたプラスチックは、洗浄リブに対して、特に傾けられたまたは湾曲された側面および高くなった表面に対して非常に強く押しつけられる。これは、細断されたプラスチックの洗浄を改良する。本発明による装置では、明示された最小限の固形濃度(液体の量に対する、固形の量、特に細断されたプラスチックの量の比)は存在しない。低い固形濃度もまた、本発明による装置によって実行可能である。特に、10%未満の固形濃度が、使用され得る。最大固形濃度は、汚染度、または使用される洗浄本体の最大処理能力によって決まる。最大固形濃度は、より大きい洗浄本体を用いて増大され得る。利用される液体の量は、洗浄される細断されたプラスチックの汚染度およびプロセスにおいて生成される熱に適合される。
【0038】
別の設計によれば、第1および第2の洗浄本体の洗浄バーは、これらが、少なくとも1つの洗浄本体が回転する間、正対位置をとらない、または永久的にとらないように配置され得る。さらに、洗浄バーが、それぞれの洗浄表面周りのいくつかの周囲通路に沿って第1および第2の洗浄表面上に配置され得る。第1の洗浄表面上の洗浄バーの周囲通路は、第2の洗浄表面上の洗浄バーの周囲通路とは異なる経路を有することができる。
【0039】
さらに、洗浄バーが、隣り合う洗浄リブの各々の対間の周囲通路に沿って配置されることが、もたらされ得る。周囲通路各々は、それぞれの洗浄本体の長手方向軸の周りをリング様に通ることができる。複数のそのような平行な、リング形状の周囲通路が、次いで、形成され得る。第1および第2の洗浄表面上に異なる周囲通路を有することにより、洗浄バーは、洗浄本体の相対回転中、互いに正対になることはできない。したがって、リング形状の周囲通路は、たとえば、洗浄本体の長手方向軸の方向に見て、互いからずらされて配置され得る。これは、細断されたプラスチック上の機械的応力を低減する。洗浄本体は、故に、互いから異なって設計され得る。しかし、洗浄本体は、いずれも、それらの外側および/または内側縁に沿って、洗浄バーを備えた正対する周囲通路を有することができる。
【0040】
あるいは、洗浄本体の洗浄表面を互いに同一に形成することも可能である。第1の洗浄表面上の周囲通路および第2の洗浄表面上の周囲通路の少なくとも一部が、同じ経路を有することができ、この場合、同じ経路を有する周囲通路に沿った少なくとも洗浄バーは、いずれの場合も、隣り合う洗浄リブの各々の第2の対間にのみ配置される。特に、第1の洗浄表面上の周囲通路および第2の洗浄表面上の周囲通路のすべてが、同じ経路を有することができる。
【0041】
さらに、特に、同じ経路を有する周囲通路に沿った洗浄バーは、いずれの場合も、隣り合う洗浄リブの各々の第2の対間にのみ配置され得る。代替の配置が、それによって提供され、この場合、洗浄バーは、隣り合う洗浄リブ間の各々の第2のチャネル内にのみ設けられる。洗浄本体が互いに回転するとき、洗浄バーは、処理時間の50%の間正対される。この設計は、洗浄本体の生産コストに関して有利であるが、これは、細断されたプラスチック上により大きい応力を招く。これは、特に、非常に薄い細断されたプラスチック(プラスチックフィルム細片)に極めて適切である。
【0042】
本発明はまた、本発明による装置を用いて細断されたプラスチックから不純物を除去するための方法であって、少なくとも1つの洗浄本体を駆動装置によってその長手方向軸の周りで回転式に駆動し、特に水または水溶液の液体を液体供給装置によって洗浄空隙内に供給し、細断されたプラスチックを供給装置によって洗浄空隙に供給し、細断されたプラスチックを洗浄空隙を通して搬送する、方法に関する。洗浄空隙を通る細断されたプラスチックの搬送は、洗浄本体の互いに対する相対回転および液体の供給から起こる。
【0043】
本発明による方法では、事前に粉砕された、細断されたプラスチック(フレーク)の形態のプラスチック廃棄物が、装置に加えられる。細断されたプラスチックは、上記で説明されたやり方で、特有の洗浄本体摩擦によって洗浄され、この場合、摩擦の量は、洗浄本体距離を調節することによって調整され得る。上記で述べられたように、この距離は、洗浄本体の長手方向軸に沿った互いに対する相対的シフトによって容易に実現され得る。水などの供給液体、洗浄された、細断されたプラスチック、および(接着剤、セルロース、ラベル、有機汚染物質などの)プラスチックからこすり取られた物質を含む成分を有する懸濁液が、生成される。洗浄後、不純物を有するこの懸濁液は、洗浄された、細断されたプラスチックから分離される。
【0044】
別の設計によれば、洗浄される、細断されたプラスチックが、洗浄空隙内に供給され、実際に不純物を除去するために設けられた装置の洗浄空隙を通って搬送される前に、事前洗浄装置内で事前洗浄にかけられることが、もたらされ得る。事前洗浄装置は、第1の洗浄表面を備えた第1の洗浄ディスクと、第2の洗浄表面を備えた第2の洗浄ディスクとを有し、この場合、洗浄表面は、互いに対向するとともに、互いの間に、細断されたプラスチックから不純物を除去するためにその後使用される装置の洗浄空隙より大きい洗浄空隙を画定する。たとえば、円筒状洗浄ディスクの少なくとも1つを、同時にその円筒軸でもある回転軸の周りで回転させることができ、特に水または水溶液の液体を事前洗浄装置の洗浄空隙内に供給することができ、洗浄される、細断されたプラスチックを事前洗浄装置の洗浄ディスク間に供給し、洗浄空隙を通って搬送することが可能である。次いで、洗浄される、細断されたプラスチックは、上記で説明された(主要な)洗浄装置に供給される。したがって、2ステップの洗浄プロセスが、起こる。
【0045】
事前洗浄装置の寸法は、その後使用される主要洗浄装置より小さくなることができる。事前洗浄装置の洗浄空隙は、主要洗浄装置のものより大きいため、その結果、細断されたプラスチックのこすり取り処理はわずかしか、または基本的には全く行うことはできない。特に、事前洗浄装置の洗浄空隙は、洗浄ディスク間の距離を調整することによって選択され、それにより、除去されたセルロースなどの、事前洗浄中に細断されたプラスチックから除去された不純物は、基本的には破壊されない。これにより、細断されたプラスチックを主要洗浄装置内でその後洗浄することが極めて容易になる。
【0046】
また、洗浄される、細断されたプラスチックを、洗浄空隙に送られ、装置の洗浄空隙を通って搬送される前に事前洗装置内で事前洗浄にかけることも可能であり、この場合、事前洗浄装置は、その円筒状の内側表面上に第1の洗浄表面を備えた中空の洗浄シリンダと、円筒状の外側表面上に第2の洗浄表面を備えた、中空の洗浄シリンダ内に配置された洗浄シリンダとを備え、この場合、洗浄表面は、互いの間に、細断されたプラスチックから不純物を除去するためにその後使用される装置の洗浄空隙より大きい洗浄空隙を画定する。中空の洗浄シリンダおよび/または洗浄シリンダは、回転式に駆動される。事前洗浄装置の洗浄空隙はまた、中空の洗浄シリンダと洗浄シリンダの間の距離を調整することによって選択することができ、それにより、事前洗浄中に細断されたプラスチックから除去された不純物は、基本的には破壊されない。
【0047】
最後に、洗浄される、細断されたプラスチックを、洗浄空隙に送り、装置の洗浄空隙を通って搬送する前に事前洗装置内で事前洗浄にかけることも可能であり、この場合、事前洗浄装置は、第1の洗浄表面を形成する少なくとも断面的に円錐状の外側表面を備えた少なくとも1つの事前洗浄本体と、第2の洗浄表面を形成する少なくとも断面的に円錐状の内側表面を備えた少なくとも1つの第2の事前洗浄本体とを備え、この場合、洗浄表面は、互いの間に、細断されたプラスチックから不純物を除去するためにその後使用される装置の洗浄空隙より大きい洗浄空隙を画定する。第1の事前洗浄本体および/または第2の事前洗浄本体は、回転式に駆動される。事前洗浄装置の洗浄空隙もまた、第1の事前洗浄本体と第2の事前洗浄本体との間の距離を調整することによって選択することができ、それにより、事前洗浄中に細断されたプラスチックから除去された不純物は、基本的には破壊されない。
【0048】
上述された3つの代替的設計のすべては、特に、主要洗浄中、細断されたプラスチックから除去されたセルロースなどの不純物が、基本的には破壊されず、すなわち、無傷の構造体(セルロース繊維など)として存在することを確実にすることができる。これらは、次いで、プロセス液体から、特にプロセス水から、ろ過および/または濾すことによって容易に除去され得る。不純物が、これとは反対に、過剰に破壊される場合(たとえば、セルロース繊維が過剰に潰れる場合)、これらは、合成プロセス水精製方法によってのみ除去され得る。
【0049】
本発明の例示的な実施形態は、図を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】第1の例示的な実施形態による、本発明による装置の第1の洗浄本体の斜視図である。
図2】正面から見た、図1からの第1の洗浄本体を示す図である。
図3】本発明による装置の第2の洗浄本体の斜視図である。
図4】正面から見た、図3からの第2の洗浄本体を示す図である。
図5】部分的に組み立てられた状態の、図1および3からの洗浄本体の斜視図である。
図6】第2の例示的な実施形態による、本発明による装置の第1の洗浄本体の斜視図である。
図7図1からの第1の洗浄本体の長手方向軸の方向の断面図である。
図8】洗浄本体の長手方向軸に対して垂直な周囲方向の切断図における、図1からの第1の洗浄本体および図3からの第2の洗浄本体の断面図である。
図9】第1の作動状態にある図8からの図である。
図10】第2の作動状態にある図8からの図である。
図11】第3の作動状態にある図8からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
別途明記されない限り、同じ参照番号は、図内の同じ対象物を示す。図1は、第1の例示的な実施形態による、本発明による装置の第1の洗浄本体10の斜視図を示す。図2は、正面からの、図1からの第1の洗浄本体10の正面図を示す。洗浄本体10は、断面的に先細り状、または円錐状の第1の洗浄表面12を備えた中空の円錐台の基本形状を有する。図1の正面領域内では、洗浄表面12の先細り状、または円錐のセクションは、定形の円筒状セクション14へと移行する。同時に洗浄本体10の回転軸でもある長手方向軸は、図2では、参照番号16によって示される。洗浄本体10の長手方向軸に延びる複数の洗浄リブ18が、洗浄表面12上に配置される。洗浄リブ18は、洗浄本体10の長手方向の円錐状の先細りを考慮に入れて、互いにほぼ平行に配置されることを見ることができる。当然ながら、隣り合う洗浄リブ間の間隔は、洗浄本体または洗浄表面の先細りが増大するにつれて低減する。
【0052】
したがって、たとえば、洗浄表面の強力に先細りになるセクション内において先細りの特有の角度で開始する各々の第2の洗浄リブを除去することが必要になり得る。描かれた例では、複数の洗浄バー20が、隣り合う洗浄リブ18のすべての間に配置され、洗浄リブの延長の方向に対して横断方向に通る。洗浄バー20は、複数のリング形状通路に沿って、洗浄本体10または洗浄表面12の長手方向軸16の周りに配置される。洗浄バー20は、必ずしもリング形状通路に沿って配置される必要がないことに留意されたい。たとえば、洗浄バー20を、たとえば、洗浄リブ18間に形成された各々の第2のチャネル内で洗浄本体10の長手方向にずらすことも考えられ得る。
【0053】
図3および4に示される第2の洗浄本体40は、さらに、図1および2に示される第1の洗浄本体に属する。円錐状およびドラムの精製機に関して知られているように、この第2の洗浄本体は、第2の洗浄表面42を形成する少なくとも断面的に円錐状の内側表面を有し、この場合、第2の洗浄本体40は、図5に示されるように第1の洗浄本体10を収容するように設計される。第1および第2の洗浄表面12、42は、次いで、互いに対向して位置し、互いの間に洗浄空隙44を画定する。洗浄本体の少なくとも1つは、適切な回転駆動装置によって回転式に駆動され得る。第2の洗浄本体40の長手方向軸は、図4内で、参照番号43によって示される。第2の洗浄本体40の第2の洗浄表面42は、第1の洗浄本体10の第1の洗浄表面12とほとんど同一であるように設計され得る。特に、第2の洗浄表面42はまた、第1の洗浄本体10の洗浄リブ18と同一に設計された洗浄リブ46を有する。加えて、第2の洗浄本体40はまた、複数の洗浄バー48を有し、複数の洗浄バー48は、互いに隣り合う洗浄リブ46すべての間にあり、さらに、複数のリング形状通路に沿って、第2の洗浄本体40または洗浄表面42の長手方向軸の周りに配置される。
【0054】
図6は、第1の洗浄本体10’の代替の実施形態を示す。その設計は、図1および2に示される洗浄本体にほとんど対応する。これはまた、断面的に先細り状、または円錐状の第1の洗浄表面12’を備えた中空の円錐台の基本形状を有する。図6の正面領域内では、洗浄表面12’の先細り状、または円錐状のセクションは、ここでも定形の円筒状セクション14’へと移行する。図1および2の例示的な実施形態とは対照的に、図6における例示的な実施形態における洗浄リブ18は、洗浄表面12’上をらせん形状で通る。ここでも、複数の洗浄バー20’が、隣り合う洗浄リブ18’のすべての間に配置され、洗浄リブ18’の延長の方向に対して横断方向に延びる。洗浄バー20’は、らせん通路に沿って、洗浄本体10’または洗浄表面12’の長手方向軸の周りに配置される。洗浄バー20’はまた、複数のらせん通路に沿って配置され得ることにも留意されたい。
【0055】
加えて、洗浄バー20’は、たとえば、洗浄リブ18’間に形成された各々の第2のチャネル内で洗浄本体10’の長手方向にずらされて配置され得る。図6に示される第1の洗浄本体10’はまた、第2の洗浄本体(図示せず)も有し、この第2の洗浄本体は、第1の例示的な実施形態に関して図5に示されるように、同様に第1の洗浄本体10’と相互作用する。第2の洗浄本体は、その内側表面上に、第1の洗浄本体10’の第1の洗浄表面12’と同一に設計された洗浄表面を有することができる。
【0056】
図1および2に示される洗浄本体10の洗浄リブ18および洗浄バー20の設計は、図7から11により詳細に示される。当然ながら、図6に示される洗浄本体10’の洗浄リブ18および洗浄バー20の設計は、図7から11に示された設計にほとんど対応する。たとえば、図8では、洗浄リブ18各々が、図8で参照番号22によって描かれた、洗浄リブ18の縦方向軸に対して傾けられた第1の側面24を有することを見ることができる。第1の側面24は、縦方向軸22に対して垂直な高くなった表面26内で終端する。高くなった表面26は、次に、洗浄リブ18の第2の側面28内で終端し、第2の側面28は、描かれた例では、縦方向軸22に対してほぼ平行である平面内に位置する。
【0057】
図7は、洗浄バー20各々が、表面30を有することを示し、表面30は、第1の洗浄体10の周囲方向に見て、傾斜様に上昇し、高くなった表面32内で終端し、高くなった表面32は、図7において参照番号33で示された第1の洗浄本体10の表面上の垂線に対して垂直な平面内に位置する。表面30の反対側の洗浄バーの表面34もまた、垂線33に対してほぼ平行である平面内に配置される。洗浄バー20、特にその高くなった表面32の高さは、洗浄リブ18、特にその高くなった表面26の高さより小さい。さらに、平坦な基部表面52が、いずれの場合も、連続的に配置された洗浄バー20間に形成されることが認められる。
【0058】
図8は、図3および4に示される第2の洗浄本体40を伴った図1および2に示される第1の洗浄本体10のセクションを示す。洗浄空隙44が、対応して、第1および第2の洗浄本体10および40の洗浄表面12と42の間に形成される。すでに留意されたように、第2の洗浄本体40の第2の洗浄表面42は、第1の洗浄本体10の第1の洗浄表面12とほとんど同一に設計され得る。しかし、第1および第2の洗浄本体10、40の洗浄リブのリング形状通路は、洗浄本体10、40の長手方向に互いからずらすことができ、それにより、洗浄バー20、48は、これらが、洗浄本体10、40間の相対回転時に互いに正対する位置に移動することはない。
【0059】
本発明による装置は、さらに、たとえば、第1の洗浄本体10をその回転軸周りで駆動装置によって回転させることができる該駆動装置(図示せず)を備える。さらに、装置は、洗浄される細断されたプラスチックを、プラスチック供給装置によって洗浄空隙44内に供給することができる該プラスチック供給装置(これもまた図示せず)を備える。最後に、装置は、水を、示される例において洗浄空隙44に液体供給装置によって誘導することができる該液体供給装置(これもまた図示せず)を備える。
【0060】
さらに、図8では、洗浄リブ18は、直接配列で配置され、それにより、これらは、図8の断面図では、長手方向延長部に対して横断方向の鋸歯状のプロファイルを生み出すことを見ることができる。最後に、第2の洗浄本体40の洗浄リブ46は、したがって、第1の洗浄本体10の洗浄リブ18と同一に設計されることを見ることができる。駆動装置によって回転される間の第1の洗浄本体40の回転方向が、図8において矢印54によって示される。洗浄リブ18、46の傾けられた側面24は、第1の洗浄本体10が回転するとき、常に進み側の側面であることを見ることができる。また、洗浄リブ18、46の傾けられた側面24各々は、45°より大きい、縦方向軸22に対する角度αであることに留意されたい。これにより、傾けられた側面24上で、洗浄効果を改良する比較的大きい研磨表面が利用可能になる。
【0061】
図8の図に基づき、細断されたプラスチック56の断片、特にプラスチックフレーク56の洗浄が、図9から11を参照して示される。図9は、図8に示される、洗浄本体10、40の互いに対する相対位置を示す。プラスチックフレーク56は、例示のため、図9から11に示される円58内に位置する。図9では、プラスチックフレーク56は、わずかにねじられた、または曲げられた形状で、対向する洗浄リブ18、46間の自由領域内にある。第1の洗浄本体10の矢印54に沿った回転移動中、プラスチックフレーク56は、次いで、図10および11に示されるように洗浄リブ18、48の高くなった表面間を通る。プラスチックフレーク56は、それによって、伸張され、関与する洗浄リブ18、46の湾曲された側面および高くなった表面とこすり取られるように接触する。これによって、プラスチックフレーク56の表面に接着する不純物のこすり取りを導く。この効果は、本体10、40を洗浄する外形から生じる洗浄空隙44を通って導かれた非常に高速の水の流れによって高められる。
【0062】
また、洗浄される細断されたプラスチックが、洗浄空隙内に供給され、上記で説明されたように不純物を除去するために実際に設けられた装置の洗浄空隙(44)を通って搬送される前に、洗浄装置(図示せず)内で事前洗浄にかけられることももたらされ得る。
【符号の説明】
【0063】
10、10’ 第1の洗浄本体
12、12’ 第1の洗浄表面
16 長手方向軸
18、46 洗浄リブ
20、48 洗浄バー
22 縦方向軸
24、28 洗浄リブの側面
40 第2の洗浄本体
42 第2の洗浄表面
44 洗浄空隙
56 細断されたプラスチック



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11