【文献】
MOELLERING, Jr. Robert C.,Rationale for use of antimicrobial combinations,The American Journal of Medicine,1983年 8月29日,Vol.75, Issue 2, Part 1,p.4-8,PMID: 6351605
【文献】
SWEENEY, Michael T. et al.,In vitro activities of linezolid combined with other antimicrobial agents against Staphylococci, Enterococci, Pneumococci, and selected gram-negative organisms,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,2003年 6月,Vol.47, No.6,p.1902-1906,PMID: 12760865/PMCID: PMC155858,URL,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC155858/pdf/1069.pdf
【文献】
DALHOFF, Axel,Quinolone-Oxazolidine Hybrids,Book of abstracts, 47th Interscience conference on antimicrobial agents and chemotherapy, Chicago,,American Society for Microbiology,2007年,Symposium F-638, Session 48
【文献】
BARBACHYN, Michael R.,CHPTER 17 Recent Advances in the Discovery of Hybrid Antibacterial Agents,Annual Reports in Medicinal Chemistry,2008年,Vol.43,p.281-290,DOI: https://doi.org/10.1016/S0065-7743(08)00017-1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
アルキルとは直鎖もしくは分枝鎖の飽和炭化水素基であり、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、n−ヘキシル、2,2−ジメチルブチル、n−オクチルまたはn−ペンチル基である。ここで定義されるようなアルキル基は1、2またはそれ以上の置換基、例えばF、Cl、Br、I、NH
2、OH、SHまたはNO
2で置換されていてもよい。
【0013】
アルケニルおよびアルキニルとは直鎖もしくは分枝鎖の不飽和炭化水素基(1、2またはそれ以上の二重結合および/または三重結合を有し、アルケニルは好ましくは1または2つの二重結合を有し、アルキニルは好ましくは1または2つの三重結合を有する)であり、2〜10、好ましくは2〜6個の炭素原子を含むのが好ましく、例えば、エテニル(ビニル)、プロペニル(アリル)、イソ−プロペニル、n−ペンテニル、ブテニル、イソプレニルまたはヘキサ−2−エニル;エチニル、プロピニルまたはブチニル基である。ここで定義されるようなアルケニルまたはアルキニル基は1、2またはそれ以上の置換基、例えばF、Cl、Br、I、NH
2、OH、SHまたはNO
2で置換されていてもよい。
【0014】
ヘテロアルキル基とは、1つ以上の炭素原子が酸素、窒素、リンまたは硫黄原子によって置き換えられているここで定義されるようなアルキル、アルケニルまたはアルキニル基であり、例えば、アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシまたはt−ブトキシ、アルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、1−メトキシエチル、1−エトキシエチル、2−メトキシエチルまたは2−エトキシエチル、アルキルアミノ基、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノまたはジエチルアミノ、アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオまたはイソプロピルチオあるいはシアノ基である。ケト基を含む上記の基の1つも指す。ヘテロアルキルはさらにカルボン酸またはカルボン酸アミドから誘導される基、例えばアセチル、プロピオニル、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、アセチルアミノまたはプロピオニルアミノ、カルボキシルアルキル基、例えばカルボキシメチル、カルボキシエチルまたはカルボキシプロピル、カルボキシアルキルエステル、アルキルチオカルボキシアミノ基、アルコキシイミノ基、アルキルアミノチオカルボキシアミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基を指す。ここで定義されるようなヘテロアルキル基は1、2またはそれ以上の置換基、例えばF、Cl、Br、I、NH
2、OH、SHまたはNO
2で置換されていてもよい。
【0015】
シクロアルキルとは、1、2またはそれ以上の環を有する飽和または部分不飽和の(1、2またはそれ以上の二重結合および/または三重結合を有する)環状基であり、3〜14個の炭素環原子、好ましくは5もしくは6〜10個の炭素環原子を有し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラリン、シクロペンテニルまたはシクロヘキシ−2−エニル基を指す。ここで定義されるようなシクロアルキル基は1、2またはそれ以上の置換基、例えばF、Cl、Br、I、OH、NH
2、SH、N
3、NO
2、アルキル基、例えばメチルまたはエチル、ヘテロアルキル基、例えばメトキシ、メチルアミノ、ジメチルアミノまたはシアニドで置換されていてもよい。
【0016】
ヘテロシクロアルキルとは、1、2またはそれ以上の炭素環原子が1、2またはそれ以上の酸素、窒素、リンもしくは硫黄原子またはS(O)
1-2基によって置き換えられているここで定義されるようなシクロアルキルであり、例えばピペリジノ、モルホリノまたはピペラジノ基である。
【0017】
アルキルシクロアルキルとは、上記の定義に従ったシクロアルキルと、さらに上記の定義に従ったアルキル、アルケニルまたはアルキニル基とを含む基、例えばアルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルケニル、アルケニルシクロアルキルおよびアルキニルシクロアルキル基を指す。アルキルシクロアルキル基は、好ましくは、3〜10(特に3、4、5、6または7)個の炭素環原子を有する1または2つの環を含むシクロアルキル基と、1もしくは2〜6個の炭素原子を有する1または2つのアルキル、アルケニルまたはアルキニル基(特にアルキル基)とを含む。
【0018】
ヘテロアルキルシクロアルキル基とは、1つ以上(好ましくは1、2または3個)の炭素原子が酸素、窒素、珪素、セレン、リンもしくは硫黄原子(好ましくは酸素、硫黄もしくは窒素原子)によって置き換えられた、上で定義されたアルキルシクロアルキル基である。ヘテロアルキルシクロアルキル基は、好ましくは、3〜10(特に3、4、5、6または7)個の環原子を有する1または2つの環、および1または2〜6個の炭素原子を有する1つまたは2つのアルキル、アルケニル、アルキニルまたはヘテロアルキル基(特にアルキルまたはヘテロアルキル基)を含む。そのような基の例は、アルキルヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルケニル、アルケニルヘテロシクロアルキル、アルキニルヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルヘテロシクロアルキルおよびヘテロアルキルヘテロシクロアルケニルであり、環状基は飽和またはモノ−、ジ‐もしくはトリ−不飽和されている。
【0019】
アリールとは、5〜14個の炭素環原子、好ましくは5または6〜10個の炭素環原子を有する1、2またはそれ以上の環を有する芳香族環状基、例えばフェニルまたはナフチル基を指す。ここで定義されたアリール基は1、2またはそれ以上の置換基、例えばF、Cl、Br、I、OH、NH
2、SH、N
3、NO
2、アルキル基、例えばメチルまたはエチル、ヘテロアルキル基、例えばメトキシ、メチルアミノ、ジメチルアミノまたはシアニドで置換されていてもよい。
【0020】
ヘテロアリールとは、酸素、窒素、ホウ素、リンまたは硫黄原子で置き換えられている、上で定義されたアリール基、例えばピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1、2、3−トリアゾリル、1、2、4−トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、インダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニル基である。
【0021】
アラルキル(またはアリールアルキルもしくはアルキルアリール)とは、アリールに加えてアルキル、アルケニル、アルキニルおよび/またはシクロアルキル基の両方を含む基を指す。
【0022】
ヘテロアラルキル(またはヘテロアリールアルキルもしくはヘテロアルキルアリールもしくはヘテロアルキルヘテロアリール等)とは、1、2、3またはそれ以上の炭素原子が1、2、3またはそれ以上の酸素、窒素、リンあるいは硫黄原子またはS(O)
1-2基によって置き換えられている、上で定義されちるアラルキルを指す。
【0023】
「置換されていてもよい」という表現は、特に、1、2、3またはそれ以上の水素原子がフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子によってあるいはOH、=O、SH、=S、NH
2、=NH、N
3またはNO
2基によって置き換えられている基を指す。この表現はさらに、1、2、3またはそれ以上の非置換C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6ヘテロアルキル、C
3-10シクロアルキル、C
2-9ヘテロシクロアルキル、C
7-12アルキルシクロアルキル、C
2-11ヘテロアルキルシクロアルキル、C
6-10アリール、C
1-9ヘテロアリール、C
7-12アラルキルまたはC
2-11ヘテロアラルキル基によって置換されていてもよい基をさす。
【0024】
好ましい態様では、上に記載の全てのアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラル基は置換されていてもよい。
【0025】
本発明において、抗菌剤、抗微生物剤、抗菌性化合物は、好ましくは、同じ意味を有する。
【0026】
好ましい式(I)の化合物は、R
1がHである。
【0027】
さらに好ましい式(I)の化合物は、R
2がFまたはH、特に好ましくはR
2がFである。
【0028】
さらにより好ましい式(I)の化合物は、R
3がエチル、2−プロピル、C
3-6シクロアルキル(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、フェニルまたはピリジル基である。これらの基はいずれも1、2、3またはそれ以上のフッ素原子またはアミノ基で置換されていてもよい。
【0029】
さらに好ましい式(I)の化合物は、R
3がシクロプロピル基である。
【0030】
さらに好ましい式(I)の化合物は、R
7およびR
3が一緒になって式−O−CH
2−N(Me)−または−O−CH
2−CH(Me)−(特に−O−CH
2−CH(Me)−)のブリッジを形成する。ここで、キラル中心での好ましい立体化学構造は最終化合物において(S)配置をもたらすものである。
【0031】
さらにより好ましい式(I)の化合物は、R
4が水素または式SO
3H、PO
3H
2、CH
2OCPO
3H
2またはCOCH
2CH
2COOHの基である。
【0032】
さらに好ましい式(I)の化合物は、R
4が天然のアミノ酸のエステルまたはその誘導体(例えば、式−COCHR´NH
2の基またはそのエステル、アミドまたはアルキルアミンのような誘導体(式中、R´はアスパラギン酸、グルタル酸、リシン等のような天然のアミノ酸の側鎖である)、例えばジメチルアミノグリシンOCOCH
2N(CH
3)
2である)である。
【0033】
特に好ましい式(I)の化合物は、R
4が水素または式PO
3H
2の基である。
【0034】
さらに好ましい式(I)の化合物は、R
5が次の構造:
【化3】
を有する。
【0035】
特に好ましい式(I)の化合物は、R
5が次の構造:
【化4】
を有する。
【0036】
さらに好ましい式(I)の化合物は、R
8がC
1-6アルキルまたはC
1-6ヘテロアルキル基である。
【0037】
さらにより好ましい式(I)の化合物は、R
8が式−CH
2NHCOCH=CHアリール、CH
2Oヘテロアリール(特に−オキサ−3−オキサゾール)、−CH
2NHSO
2Me、−CH
2NHCOOMe、−CH
2NHCOMe、−CH
2OH、−CH
2NHCS
2Me、−CH
2NHCSMe、−CH
2NHCSNH
2、−CH
2NHCSOMeまたは−NHCOMe、特に−CH
2OHまたは−CH
2NHCOMeの基である。
【0038】
特に好ましい式(I)の化合物は、R
5が次の構造:
【化5】
を有する。
【0039】
さらにより好ましい式(I)の化合物は、R
7がH、F、Cl、または1、2もしくは3個のフッ素原子で置換されていてもよいメトキシ基である。
【0040】
特に好ましい式(I)の化合物は、R
7がHまたはメトキシ基である。
【0041】
さらに好ましい式(I)の化合物は、XがNまたはCH、特に好ましくはXがCHである。
【0042】
さらにより好ましい式(I)の化合物は、YがCHである。
【0043】
さらに好ましい式(I)の化合物は、nが1または2である。
【0044】
さらにより好ましい式(I)の化合物は、mが2である。
【0045】
特に好ましい式(I)の化合物は、nが2であり、mが2である。
【0046】
さらに好ましい式(I)の化合物は、AがC
1-6アルキレン、C
2-6アルケニレン、C
2-6アルキニレン、C
1-6ヘテロアルキレン、シクロプロピレン、エポキシド、アジリジン、チオエポキシド、ラクタムまたはラクトンであり、これらの基はいずれも置換されていてもよい。
【0047】
さらに好ましい式(I)の化合物は、Aが式−O−B−の基であり、ここで、酸素はフェニルまたはピリジル基に結合し、Bは、1、2またはそれ以上のヒドロキシまたはアミノ基で置換されていてもよい、C
1-4アルキレン基、C
2-4アルケニレン基、C
2-4アルキニレン基またはC
1-4ヘテロアルキレン基である。
【0048】
特に好ましい式(I)の化合物は、Aが式−CH
2CH
2−、−OCH
2−、−OCH
2CH
2−、−SCH
2−、−SCH
2CH
2−、−CH≡CH−、−C≡C−、−CH(OH)CH(OH)−または−CH(NH
2)CH(OH)−の基である。
【0049】
特に好ましい式(I)の化合物は、BがCH
2またはCH
2CH
2である。
【0050】
特に好ましいオキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは式(II)の化合物またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
【化6】
(式中、残基は上で定義した通りである)
【0051】
好ましい態様では、BはCH
2またはCH
2CH
2であり;XはCH、NまたはC−OMeであり、R
3はシクロプロピルであるか、または、XはCR
7であり、かつ、R
7およびR
3は一緒になって式−O−CH
2−CH(Me)−のブリッジを形成しており、ここで、好ましいキラル中心の立体化学構造は最終化合物において(S)配置をもたらすものであり、nは1、2または3(好ましくは2)であり、mは2であり、R
4は水素または式PO
3H
2の基である。
【0052】
さらに好ましいのは、式(I)または(II)の化合物のモノ、ジまたはトリナトリウム塩(最も好ましくは、モノナトリウム塩)またはそれらの混合物である。特に好ましいのは、R
4がPO
3H
2である、式(I)または(II)の化合物のモノ、ジまたはトリナトリウム塩(最も好ましくは、モノナトリウム塩)またはそれらの混合物である。
【0053】
特に好ましいのは、R
3がシクロプロピル基であり、XがCHまたはNであり、nが2であり、mが2であり、R
4がPO
3H
2であり、BがCH
2である式(II)の化合物のモノナトリウム塩である。
【0054】
ここに記載の式(I)または(II)の特定の化合物が、ただ1つを具体的にあげうる互変形、様々な幾何学的異性体(通常シス/トランス異性体またはより一般的には(E)および(Z)異性体として示される)または1つ以上のキラル炭素原子の結果としての様々な光学異性体(カーン・インゴルド・プレローグまたはR/Sシステムで通常命名される)を有することは理解されるはずである。さらに、いくつかの化合物は多形体として示しうる。これらの全ての互変形、幾何学的または光学的異性体(並びにラセミ体およびジアステレオマー)および多形体は本発明に含まれる。
【0055】
特に好ましい式(I)または(II)の化合物の具体例は、下に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸:
【化7】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸:
【化8】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−(2,6−ジアミノ−ヘキサノイルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸:
【化9】
コハク酸モノ−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1‐(6−カルボキシ−8−シクロプロピル−3−フルオロ−4−オキソ−5,8−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−4−イル)エステル:
【化10】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化11】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化12】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化13】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化14】
9−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−8−フルオロ−3−メチル−6−オキソ−2,3−ジヒドロ−6H−1−オキサ−3a−アザ−フェナレン−5−カルボン酸:
【化15】
7−(3−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸:
【化16】
7−(3−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化17】
7−(3−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化18】
7−(3−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化19】
9−(3−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−8−フルオロ−3−メチル−6−オキソ−2,3−ジヒドロ−6H−1−オキサ−3a−アザ−フェナレン−5−カルボン酸:
【化20】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−アゼパン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化21】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−アゼパン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸:
【化22】
7−(4−{4−[(5S)−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩:
【化23】
7−(4−{4−[(5S)−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェニルエチニル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化24】
7−(4−{4−[(5S)−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェニルエチニル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸:
【化25】
7−[4−(2−{4−[(5S)−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェニル}−エチル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化26】
および
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−[4−({2−フルオロ−4−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェノキシ}メチル)‐4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸:
【0056】
特に好ましくは、少なくとも1種のオキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは次の化合物から選択される:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化27】
および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化28】
またはその塩、例えば7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩。
【0057】
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸およびその塩は活性薬剤7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のプロドラッグである。
【0058】
いくつかの動物種、とりわけマウスおよびラットに静脈内投与するとき、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩(化合物1)は活性物質7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(化合物2)へ急速に変換された。水性媒体中での非常に良好な溶解度によって、凍結乾燥を用いて(化合物1)を容易に配合することができる。凍結乾燥物の安定性の改良および再構成時間の短縮のために、化合物1を、例えば、ソルビトールおよび水酸化ナトリウムと共に配合し、ガラスバイアル中で凍結乾燥してもよい。凍結乾燥物は注入用の水を加え、やさしく振り動かして静脈注射にすぐ使用できる黄色滅菌溶液を形成することにより、容易に再構成することができる。
【0059】
好ましくは、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:
−β−ラクタム類:
カルバ−、チオ−およびオキサペネム類を含むペネム類、例えばイミペネム、メロペネム、エルタペネム、ビアペネム、ファロペネム;
− セファロスポリン類、例えばセファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、デフォキシチン、セフタロリン、セフタジジム、セフトビプロール、セフトリアキソン、セフロキシムおよびセファレキシン;
モノバクタム類、例えばアズトレオナム、BAL30072;
ペニシリン類、例えばペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV、(フェノキシメチルペニシリン);アシルアミノペニシリン類、例えばピペラシリン、メズロシリン、アズロシリン;アミノペニシリン類、例えばアムピシリン、アモキシシリン;イソキサゾリルペニシリン類、例えばオキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン;メチシリン;スルタミシリン;チカルシリン、カルベニシリン、テモシリン;
β−ラクタム類とβ−ラクタマーゼ阻害剤、例えばクラブラン酸+アモキシシリン、スルバクタム+アンピシリン、タゾバクタム+ピペラシリン、チカルシリン+クラブラネート、セフタジジム+アビバクタム、セフタロリン+アビバクタム、イミペネム+MX−7655、ビアペネム+RPX7009、アジトレオナム+アビバクタム;
ホスホマイシン;
ホスミドマイシン;
グリコペプチド類、例えばテイコプラニン、バンコマイシン;
リポペプチド類、例えばダプトマイシン;
リポグリコペプチド類、例えばテラバンシン、オリタバンシン、ダルババンシン
グラム陽性細菌に対して活性な他の薬剤、例えばGSK−1322322,AFN−1252,MUT−056399;
ポリペプチド、例えばバシトラシン、コリスチン、グラミシジン、ポリミクシンB、チロトリシン;
他の膜作用性薬剤、例えばブリリシジン、POL7080、ACHN−975;
アミノグリコシド類、例えばアミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチリマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン;
クロラムフェニコール、チアムフェニコール;
フシジン酸;
マクロライド類、例えばアジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン;
ケトライド類、例えばセトロマイシン、ナルボマイシン、テリトロマイシン、ソリトロマイシン;
リンコサミド類、例えばクリンダマイシン、リンコマイシン;
ストレプトグラミン類、例えばダルフォプリスチン、キヌプリスチン;
ポリケチド類;
オキサゾリジノン類、例えばリネゾリド、テジゾリド、ラデゾリド;
テトラサイクリン類、例えばドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、オキシサイクリン;
グリシルサイクリン類、例えばチゲサイクリン、オマダサイクリン;
タイプIIトポイソメラーゼ阻害剤:
キノロン類(特にフルオロキノロン類)、例えばノルフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、ゲレパフロキサシン、モキシフロキサシン、デラフロキサシン、フィナフロキサシン、ネモノキサシン、ザボフロキサシン、オゼノキサシン、チンフロキサシン、JNJ−Q2、DS−8587、KPI−10、GSK2140944、ACH−702;
クマリン類、ノボビオシン、クロロビオシン、クメルマイシンA;
ニトロイミダゾール類、例えばメトロニダゾール、チニダゾール、オルニダゾール、ニモラゾール;
葉酸アゴニスト類:
スルホンアミド類、例えばスルファジアジン、スルファドキシン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン;
ジアミノピリミジン類、例えばピリメタミン、トリメトプリム;
アンサマイシン類:
リファマイシン類、例えばリファムピシン、リファブチン、リファペンチン、リファミキシン;
追加の種類:
プロイロムチリン類、例えばBC−3781、BC−7013;
ロイシル−t−RNA合成阻害剤、例えばAN3365。
【0060】
より好ましくは、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:
コリスチン、ホスホマイシン、トブラマイシン、シプロフロキサシン、チゲサイクリン、イミペネム、ピペラシリン−タゾバクタム、セフタジジム、アムピシリン、セフトリアキソン、バンコマイシン、ダプトマイシン、モキシフロキサシンおよびリネゾリド。
【0061】
特に好ましくは、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:
コリスチン、ホスホマイシン、アムピシリン、セフトリアキソン、モキシフロキサシンおよびリネゾリド。
【0062】
特に好ましい態様では、本発明は、
i)オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドおよび
ii)化合物(i)とは異なるさらなる抗菌性化合物
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供し、ここで、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化29】
および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化30】
またはその塩、溶媒和物もしくは水和物(例えば、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩);そして
ここで、さらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:
コリスチン、ホスホマイシン、アムピシリン、セフトリアキソン、モキシフロキサシンおよびリネゾリド。
【0063】
さらに好ましい態様では、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:コリスチンおよび他のポリカチオン類(またはポリカチオン性抗菌剤)、例えばバシトラシン、グラミシジン、ポリミキシンB、チロトリシン、およびアミノグリコシド類(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチリマイシン、ストレプトマイシンおよびトブラマイシン)。
【0064】
特に好ましくは、さらなる抗菌性化合物(ii)はコリスチンである。
【0065】
コリスチンまたは他のポリカチオン類(またはポリカチオン性抗菌剤)、例えばバシトラシン、グラミシジン、ポリミキシンB、チロトリシン、およびアミノグリコシド類(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチリマイシン、ストレプトマイシンおよびトブラマイシン)がさらなる抗菌性化合物(ii)として用いられるならば、本発明の相当する医薬組成物および/または組み合わせは、局所的に、例えば目、耳、気道、皮膚および軟部組織、尿道および膀胱、口腔、腹腔もしくは胸腔に、または手術部位に一般に適用されるのが好ましい。それらは限定されないがESBLおよび/またはAmpCを生じる単離株を含めた腸内細菌および非発酵体のようなグラム陰性細菌によって並びに限定されないが多剤および/またはメチシリン耐性ブドウ球菌(例えば、MRSAまたはMRSE)、多剤および/またはペニシリン耐性連鎖球菌(例えば、PRSP)および多剤耐性および/またはバンコマイシン耐性腸球菌(例えば、VRE)を含めたグラム陽性細菌によって引き起こされる細菌感染症の治療または予防に特に用いることができる。
【0066】
コリスチンまたは他のポリカチオン類(またはポリカチオン性抗菌剤)、例えばバシトラシン、グラミシジン、ポリミキシンB、チロトリシン、およびアミノグリコシド類(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチリマイシン、ストレプトマイシンおよびトブラマイシン)がさらなる抗菌性化合物(ii)として用いられるならば、本発明の相当する医薬組成物および/または組み合わせは非経口適用されるのがさらに好ましい。それらは限定されないがESBLおよび/またはAmpCを生じる単離株を含めた腸内細菌および非発酵体のようなグラム陰性細菌によって並びに限定されないが多剤および/またはメチシリン耐性ブドウ球菌(例えば、MRSAまたはMRSE)、多剤および/またはペニシリン耐性連鎖球菌(例えば、PRSP)および多剤耐性および/またはバンコマイシン耐性腸球菌(例えば、VRE)を含めたグラム陽性細菌によって引き起こされる細菌感染症の治療または予防に特に用いることができる。そのような感染症には、心臓血管、中枢神経系、循環系、胃腸、秘尿生殖器、腹部内、下/上気道、骨格(骨および関節)、そして糖尿病性の足を含む皮膚および軟組織感染症が含まれる。
【0067】
さらに好ましい態様では、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:
フルオロキノリン類、例えばノルフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、モキシフロキサシン、デラフロキサシン、ネモノキサシン、ザボフロキサシン、オゼノキサシン、チンフロキサシン、JNJ−Q“、DS−8587、KPI−10、GSK2140944、ACH−702およびフィナフロキサシン、並びにオキサゾリジノン類、例えばリネゾリド、テジゾリドおよびラデゾリド。
【0068】
さらに特に好ましくは、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:リネゾリドおよびモキシフロキサシン。
【0069】
フルオロキノリン類、例えばノルフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、モキシフロキサシン、デラフロキサシン、ネモノキサシン、ザボフロキサシン、オゼノキサシン、チンフロキサシン、JNJ−Q“、DS−8587、KPI−10、GSK2140944、ACH−702およびフィナフロキサシン、並びにオキサゾリジノン類、例えばリネゾリド、テジゾリドおよびラデゾリド(特にリネゾリドおよびモキシフロキサシン)がさらなる抗菌性化合物(ii)として用いられるならば、本発明の相当する医薬組成物および/または組み合わせは、細菌性感染症、特にβ−ラクタム−、キノロン−(フルオロキノロン−を含む)、オキサゾリジノン−および/または多剤耐性細菌によって引き起こされる感染症の治療または予防に用いられるのが好ましい。そのような感染症には、心臓血管、中枢神経系、循環系、胃腸、秘尿生殖器、腹部内、下/上気道、骨格(骨および関節)、そして糖尿病性の足を含む皮膚および軟組織感染症が含まれる。
【0070】
さらに好ましい態様では、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:
β−ラクタム類、例えばアモキシシリン、アムピシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)、ピペラシリン、メズロシリン、アズロシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、スルタミシリン、カルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ファロペネム、ビアペネム、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォキシチン、セフタロリン、セフタジジム、セフトビプロール、セフトリアキソン、セフロキシムおよびセファレキシン、アジトレオナムおよびBAL30072並びにβ−ラクタム類とβ−ラクタマーゼ阻害剤との組み合わせ、例えばクラブラン酸+アモキシシリン、スルバクタム+アンピシリン、タゾバクタム+ピペラシリン、チカルシリン+クラブラネート、セフタジジム+アビバクタム、セフタロリン+アビバクタム、イミペネム+MX−7655、ビアペネム+RPX7009、アジトレオナム+アビバクタム。
【0071】
さらに特に好ましくは、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:アムピシリンおよびセフトリアキソン。
【0072】
β−ラクタム類、例えばアモキシシリン、アムピシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)、ピペラシリン、メズロシリン、アズロシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、スルタミシリン、カルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ファロペネム、ビアペネム、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォキシチン、セフタロリン、セフタジジム、セフトビプロール、セフトリアキソン、セフロキシムおよびセファレキシン、アジトレオナムおよびBAL30072またはβ−ラクタム類とβ−ラクタマーゼ阻害剤との組み合わせ、例えばクラブラン酸+アモキシシリン、スルバクタム+アンピシリン、タゾバクタム+ピペラシリン、チカルシリン+クラブラネート、セフタジジム+アビバクタム、セフタロリン+アビバクタム、イミペネム+MX−7655、ビアペネム+RPX7009、アジトレオナム+アビバクタム(特にアムピシリンおよびセフトリアキソン)がさらなる抗菌性化合物(ii)として用いられるならば、本発明の相当する医薬組成物および/または組み合わせは、細菌性感染症、特に、
限定されないがメチシリン耐性ブドウ球菌(例えば、MRSA、MRSE)および/またはペニシリン耐性連鎖球菌(例えば、PRSP)および多剤耐性および/またはバンコマイシン耐性腸球菌を含めたβ−ラクタム−および/または多剤耐性グラム陽性細菌によって引き起こされる細菌感染症の治療または予防に特に用いるのが好ましい。そのような感染症には、心臓血管、中枢神経系、循環系、胃腸、秘尿生殖器、腹部内、下/上気道、骨格(骨および関節)、そして糖尿病性の足を含む皮膚および軟組織感染症が含まれる。
【0073】
さらに好ましい態様では、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される:バンコマイシン、ダプトマイシン、トブラマイシン、シプロフロキサシン、チゲサイクリン、イミペネム、ピペラシリン−タゾバクタム、テラバンシン、ダルババンシン、オリタバンシンおよびセフタジジム。
【0074】
バンコマイシン、ダプトマイシン、トブラマイシン、シプロフロキサシン、チゲサイクリン、イミペネム、ピペラシリン−タゾバクタム、テラバンシン、ダルババンシン、オリタバンシンまたはセフタジジムがさらなる抗菌性化合物(ii)として用いられるならば、本発明の相当する医薬組成物および/または組み合わせは細菌性感染症の治療および/または予防に用いられるのが好ましい。特に、そのような感染症には、心臓血管、中枢神経系、循環系、胃腸、秘尿生殖器、腹部内、下/上気道、骨格(骨および関節)、そして糖尿病性の足を含む皮膚および軟組織感染症が含まれる。
【0075】
さらに好ましい態様では、少なくとも1種のさらなる抗菌性化合物(ii)は次の化合物から選択される: ホスホマイシン、および他の細胞壁合成阻害剤、例えば、β−ラクタム類、例えばアモキシシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)、ピペラシリン、メズロシリン、アズロシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、スルタミシリン、カルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ファロペネム、ビアペネム、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォキシチン、セフタロリン、セフタジジム、セフトビプロール、セフトリアキソン、セフロキシムおよびセファレキシン、アジトレオナムおよびBAL30072並びにβ−ラクタム類とβ−ラクタマーゼ阻害剤との組み合わせ、例えばクラブラン酸+アモキシシリン、スルバクタム+アンピシリン、タゾバクタム+ピペラシリン、チカルシリン+クラブラネート、セフタジジム+アビバクタム、セフタロリン+アビバクタム、イミペネム+MX−7655、ビアペネム+RPX7009、アジトレオナム+アビバクタム。
【0076】
さらに特に好ましくは、さらなる抗菌性化合物(ii)はホスホマイシンである。
【0077】
ホスホマイシン、または他の細胞壁合成阻害剤、例えば、β−ラクタム類、例えばアモキシシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)、ピペラシリン、メズロシリン、アズロシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、スルタミシリン、カルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ファロペネム、ビアペネム、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォキシチン、セフタロリン、セフタジジム、セフトビプロール、セフトリアキソン、セフロキシムおよびセファレキシン、アジトレオナムおよびBAL30072並びにβ−ラクタム類とβ−ラクタマーゼ阻害剤との組み合わせ、例えばクラブラン酸+アモキシシリン、スルバクタム+アンピシリン、タゾバクタム+ピペラシリン、チカルシリン+クラブラネート、セフタジジム+アビバクタム、セフタロリン+アビバクタム、イミペネム+MX−7655、ビアペネム+RPX7009、アジトレオナム+アビバクタム(特にホスホマイシン)がさらなる抗菌性化合物(ii)として用いられるならば、本発明の相当する医薬組成物および/または組み合わせは、それらは限定されないがESBLおよび/またはAmpCを生じる単離株を含めた腸内細菌および非発酵体のようなグラム陰性細菌によって並びに限定されないが多剤および/またはメチシリン耐性ブドウ球菌(例えば、MRSAまたはMRSE)、多剤および/またはペニシリン耐性連鎖球菌(例えば、PRSP)および多剤耐性および/またはバンコマイシン耐性腸球菌(例えば、VRE)を含めたグラム陽性細菌によって引き起こされる細菌感染症の治療または予防に特に用いるのが好ましい。
【0078】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドおよび
ii)コリスチン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供し、ここで、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは次の化合物から選択される:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸またはその塩、例えば、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩。
【0079】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドおよび
ii)リネゾリド
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供し、ここで、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは次の化合物から選択される:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸またはその塩、例えば、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩。
【0080】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドおよび
ii)モキシフロキサシン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供し、ここで、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは次の化合物から選択される:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸またはその塩、例えば、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩。
【0081】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドおよび
ii)アムピシリン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供し、ここで、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは次の化合物から選択される:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸またはその塩、例えば、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩。
【0082】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドおよび
ii)セフトリアキソン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供し、ここで、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは次の化合物から選択される:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸またはその塩、例えば、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩。
【0083】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドおよび
ii)ホスホマイシン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供し、ここで、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドは次の化合物から選択される:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸および
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸またはその塩、例えば、7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩。
【0084】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸
ii)コリスチン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0085】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸
ii)リネゾリド
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0086】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸
ii)モキシフロキサシン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0087】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸
ii)アムピシリン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0088】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸
ii)セフトリアキソン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0089】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸
ii)ホスホマイシン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0090】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
ii)コリスチン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0091】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
ii)リネゾリド
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0092】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
ii)モキシフロキサシン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0093】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
ii)アムピシリン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0094】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
ii)セフトリアキソン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0095】
さらに特に好ましい態様では、本発明は
i)7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ホスホノオキシピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
ii)ホスホマイシン
を含む組み合わせおよび/または医薬組成物および/またはキット・オブ・パーツを提供する。
【0096】
本発明はまた、化合物(i)および(ii)の薬理学的に許容される塩、または溶媒和物および水和物それぞれを包含する。
【0097】
十分に塩基性の化合物(i)または(ii)の薬理学的に許容される塩の例は、生理学的に許容される鉱酸、例えば塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸およびリン酸の塩;または有機酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、乳酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸およびサリチル酸の塩である。さらに、十分に酸性の化合物(i)または(ii)はアルカリまたはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウム塩;アンモニウム塩;あるいは有機塩基塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、コリン、ヒドロキシド、メグルミン、ピペリジン、モルホリン、トリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、リシンまたはアルギニン塩を形成しうる。化合物(i)または(ii)は溶媒和、特に水和されていてもよい。水和は製造過程で、または初期に水を含まない化合物(i)または(ii)の吸湿性の結果として生じる。
【0098】
本発明の組み合わせは少なくとも2種の活性化合物を含み、それらは同時に、別々にまたは時間をあけて投与することができる。それらは、例えば、キット(例えば、キット・オブ・パーツ)の形で提供することができ、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(化合物i)のおよびさらなる抗菌剤(化合物ii)の投与を分けて行うことを可能にする。
【0099】
さらなる抗菌性化合物(化合物ii)に対するオキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(化合物i)の重量比は、999:1〜1:999の範囲でありうる。
【0100】
さらなる抗菌性化合物(化合物ii)に対するオキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(化合物i)の重量比は、好ましくは、99:1〜1:99の範囲である。
【0101】
本発明の医薬組成物はオキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(例えば、式(I)または(II)の化合物)およびさらなる抗菌性化合物を含む。医薬組成物は任意にさらに担体および/または希釈剤および/または補助薬を含有する。任意に、本発明の医薬組成物はさらなる追加の抗菌性化合物を含有してもよい。
【0102】
本発明の組み合わせ(例えば、医薬組成物)は本技術分野で知られたおよび許容される方法を用い、単独でまたは他の治療薬と組み合わせて投与しうる。それらは例えば次のルートの1つで投与することができる:例えば、錠剤、糖衣錠、被覆錠剤、ピル、半固体、ソフトもしくはハードカプセル、例えばソフトもしくはハードゼラチンカプセル、水性もしくは油性溶液、エマルジョン、懸濁液もしくはシロップとしての経口投与、例えば、注入溶液もしくは懸濁液としての静脈内、筋肉内および皮下注射を含む非経口投与、座薬としての直腸投与、例えば、粉末配合物、微結晶またはスプレー(例えば、液体エーロゾル)としての吸入もしくは散布による投与、活性成分含有膏薬のような経皮放出システム(TDS)による経皮投与、あるいは例えば、軟膏、ペースト、点滴剤、ローション、溶液としての例えば皮膚、粘膜、目または耳上、あるいは口腔、腹腔もしくは胸膜食腔内における鼻腔内または局所投与。そのような錠剤、ピル、半固体、被覆錠剤、糖衣錠、およびハード(例えば、ゼラチン)カプセルの製造の場合、治療に有用な生成物は薬学的に不活性な無機または有機賦形剤、例えば、ラクトース、サッカロース、グルコース、ゼラチン、麦芽、シリカゲル、デンプンもしくはその導体、タルク、ステアリン酸もしくはそれらの塩、乾燥スキムミルク等と混合しうる。ソフトカプセルの製造の場合、賦形剤として、例えば植物、石油、動物もしくは合成油、ワックス、脂肪、ポリオールのようなを用いうる。液体溶液(例えば、点滴剤)、エマルジョンまたは懸濁液またはシロップの場合、水、アルコール、食塩水、水性デキストロース、ポリオール、グリセリン、脂質、リン脂質、シクロデキストリン、植物、石油、動物もしくは合成油を用いうる。特に好ましいのは脂質であり、さらに好ましいのはリン脂質(好ましくは天然のもの;好ましくはリン酸塩バッファー食塩水中(pH=7〜8、好ましくは7.4)の、特に好ましくは粒度が300〜350nmのもの)である。座薬の場合、植物、石油、動物もしくは合成油、ワックス、脂肪およびポリオールのような賦形剤を用いうる。エーロゾル配合物の場合、酸素、窒素および二酸化炭素のようなこの目的に適した圧縮ガスを用いうる。薬学的に有用な薬剤は保存、安定のための添加剤、例えば、UV安定剤、乳化剤、甘味剤、芳香剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝剤、被覆添加剤および抗酸化剤も含有しうる。
【0103】
本発明の組み合わせ(例えば、組成物)の患者一人当たりの一日の投与量は約1mg〜約10g、特に約50mg〜約3gが普通であり、この分野に熟知した人は投薬量が年齢、治療される患者の症状および治療または予防する疾患の種類によって決まることは理解している。一日量は一度で投与することも、数回に分けることもできる。一度の平均投薬量は約50mg、100mg、250mg、500mg、1000mgおよび2000mgが考えられる。本発明の組み合わせは手術器具の滅菌剤として使用することもできる。
【実施例】
【0104】
1.材料および方法
1.1 MIC測定、および時間−死滅分析
試験菌株および品質対照菌株に対する化合物1の最低抑制濃度(MIC)(1.3項参照)は、陽イオン調整ミューラー・ヒントン寒天培地(CAMHB)でのCLSIガイドライン(Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI))に従う寒天培地微量希釈法により2回二重反復測定した;好気性で成長する細菌に対する希釈抗菌感受性試験のためのM07−A8法:承認基準;第8版2009;Clinical and Laboratory Standards Institute、ペンシルベニア、ウエイン)。10mLプラスチック管を用いるCAMHBでの2倍連続希釈物(256〜0.03mg/L)を空の丸底96穴プレートへ小分けした。
【0105】
MIC試験は希釈物の調製直後に行った。全ての試験は二重反復し、もう1回繰り返した。結果の章(2項参照)で報告されたデータは、はずれたデータの場合、より高いMIC値を示し、これらはまれに記録された。
【0106】
暴露されなかった試験菌株は成長対照とした。モキシフロキサシンは品質対照薬剤として用いた。黄色ブドウ球菌ATCC29212、E.フェカリスATCC29212、肺炎球菌ATCC49619および33400、大腸菌ATCC25922および緑膿菌ATCC10145はCLSIガイドラインにより推奨された品質対照菌株とした。一般に、品質対照は全て、対照薬剤モキシフロキサシンに対してばかりでなく、他の全試験抗菌剤に対しても同様に、いずれの試験においても許容範囲内であった(項1.2参照)。
【0107】
死滅曲線動力学はCLSIガイドライン(Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI))に従って二重反復測定した;好気性で成長する細菌に対する希釈抗菌感受性試験のためのM07−A8法:承認基準;第8版2009;Clinical and Laboratory Standards Institute、ペンシルベニア、ウエイン)。生菌数の数量化のための試料採取は0、1、2、4、6、8および24時間でやめた。
【0108】
単一点殺傷率(k)は、次式(N
0およびN
t=0およびt時間での生菌数):
k
(h-1)=(ln(N
t/N
0)/t
を用いて前記のように計算した(Schaper K.J.,Schubert S.,Dalhoff A.,グラム陽性およびグラム陰性RTI−病原菌に対するβ−ラクタム類、マクロライド類およびキノロン類の抗菌効果の動力学および数量化。Infection2005;33(増補2):3−14)。
【0109】
1.2 オキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(化合物1)および組み合わせ薬剤
化合物1:
7−(4−{4−[(5S)−5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
【化31】
この化合物はW2005/058888に記載の手順に従って製造した。次の試験では、化合物1はDMSOに溶解、希釈した。
【0110】
次の抗菌剤は、抗菌範囲並びにグラム陽性およびグラム陰性病原に起因する細菌性感染症の治療が難しい治療用途に基づく組み合わせ薬剤(すなわち、抗菌性化合物ii;以後さらに「組み合わせ薬剤」)として選択した:
コリスチンCF80mg粉末=33.3mg純粋コリスチン、Gruenenthal GmbH, & Co KG、ドイツ、アーヘン、52078(バッチNo.111C06)ホスホマイシン、ホスホシナ、4g注入溶液、 Laboratorios ERN,S.A.、スペイン、バルセロナ、E−8020(バッチNo.E014)
シプロフロキサシKabi、400mg/200mL注入溶液、Fresenius Kabi Deutschland GmbH、 ドイツ、ハンブルグ、バッド、D−61352(バッチ No. 15FC145F2)
モキシフロキサシン、Bayer Vital GmbH、 ドイツ、レーバークーゼン、D−51368 (バッチNo. BXGON82)
アムピシリン、1.06 g粉末= 1.0 g純粋物質、ドイツ、Ratiopharm、ドイツ、ウルム、D−89079(バッチNo. L46849)
セフタジジム、フォータム2.0 g、2.606 g粉末= 2.328 g純粋物質 、MIP Pharma、ブリエスカステル、 D−66440 (バッチNo. 1012)
セフトリアキソン、セフトリアキソン−ザール、1.193 g粉末= 1.0 g純粋物質、MIP Pharma、ブリエスカステル、 D−66440(バッチNo. 2355000)
イミペネム、ジエナム500 mg/500 mg (イミペネム+シラスタチン)、MSD Sharp & Dohme GmbH、ドイツ、ハール、D−85540 (バッチNo. 2050470)
ピペラシリン/タゾバクタム、タゾバクEF 4 g/0.5 g、 Pfizer Pharma GmbH、ベルリン、 D−10785(バッチNo. AH2R/21)
ダプトマイシン、クビシン500 mg、注入溶液、Novartis Europharm Ltd.、英国、ホーシャム、RH12 5AB(バッチNo. CDC153D)
リネゾリド、ジボキシド2 mg/mL注入溶液、Pfizer Pharma GmbH、ベルリン、 D−10785(バッチNo. 12B08U10)
トブラマイシン、ゲルネブシ80 mg/2 mL注入溶液、Infectopharm Arzneimittel und Consilium GmbH、ヘッペンハイム、 D−64630 (バッチNo. W081102.1)
バンコマイシン、バンコマイシンCP 500 mg、512 mg粉末= 500 mg純粋物質、Hikma Pharma GmbH、グレフェルフィング、D−82166 (バッチNo. 111204.1)
チゲサイクリン、チゲシル50 mg注入溶液、Wyeth Europe Ltd. 、英国、バークシャー、SL6 0PH (バッチNo. F75592)
【0111】
1.3 試験および品質対照菌株
試験菌株は、耐性メカニズムの扱いが特異的で難しい抗菌感受性パターンに基づいて選択した;それらは気道または皮膚および軟組織感染症または他の感染性疾患を引き起こす現在の臨床的にかつ疫学的に問題とされる菌株を表さない。
【0112】
一般に、種ごとに1つの感受性野生タイプ菌株を試験菌株のパネルに含めた。この感受性菌株は項1.1で述べたATCC品質対照菌株としばしば同一であった;追加のATCC感受性野生タイプ菌株を以下に示す:
グラム陰性細菌
大腸菌 ATCC 25922(MIC試験のための品質対照)
大腸菌 NRZ−00401(メタロβ−ラクタマーゼVIM−1)
大腸菌 NRZ−00302(メタロβ−ラクタマーゼNDM−1)
大腸菌 GNS− 2601(ESBL CTX−M−15)
肺炎桿菌 ATCC 13883(MIC試験のための品質対照)
肺炎桿菌 NRZ−00002(OXA−48)
肺炎桿菌 NRZ−00535(VIM−1)
肺炎桿菌 NRZ−00103(KPC−2)
P.ミラビリス ATCC 9240(感受性野生タイプ)
P.ミラビリス NRZ−00185(AmpC、タイプCMY−2)
緑膿菌 ATCC 10145(MIC試験のための品質対照)
緑膿菌 NRZ−00425(VIM−1)
E.クロアカエ ATCC 13047(感受性野生タイプ)
E.クロアカエ NRZ−00239(VIM−1)
グラム陽性細菌
黄色ブドウ球菌 ATCC 29213(死滅曲線分析のための品質対照)
黄色ブドウ球菌 RNG1GH 001(死滅曲線分析のための品質対照)
黄色ブドウ球菌 DSM 11823(MSSA、キノロン耐性)
黄色ブドウ球菌 ATCC 33593(MRSA)
黄色ブドウ球菌 NRS−119(MRSA、リネゾリド−およびキノロン−耐性)
黄色ブドウ球菌 Visa Mu 50(MRSA、バンコマイシン中程度感受性
E.フェカリス ATCC 29212(品質対照)
E.フェカリス V583(VanB)
E.フェシウム DSMZ 2146(感受性野生タイプ)
E.フェシウム UW 3695(リネゾリドおよびキノロン耐性)
肺炎連鎖球菌 ATCC 49619(MIC試験のための品質対照)
肺炎連鎖球菌 ATCC 33400(感受性野生タイプ)
肺炎連鎖球菌 BAY 19397(ペニシリン−、マクロライド−、キノロン−耐性)
【0113】
1.4 培地
陽イオン調整ミューラー・ヒントン寒天培地(CAMHB)(Dickinson−Diagnostics、ドイツ、ハイデルベルク、D−69126)を用いた。
【0114】
1.5 接種材料の調製
試験菌株をコロンビア寒天上に継代培養し、36℃±1℃で一晩培養した。
3〜5mL滅菌0.85%NaClを含有する管に寒天プレートからの5つ以上のコロニーを接種し、No.0.5マクファーランド基準に相当する混濁度(1×108CFU/mL)に調整した。
1mLの細菌懸濁液を10mL CAMHBを含有する管に移し、うず巻き状に十分に撹拌した。(10mL CAMHB中の肺炎連鎖球菌1mL+5%溶解したウマの血液)。96穴プレートのカラム1〜15にこの懸濁液5μLを接種した(1〜15=抗菌性溶液、16=試験物を含まない滅菌培地)。
プレートは約5分間注意深く振盪し、そして36℃で18〜24時間培養した。
混濁度をミラーで視覚的に読み取った。
最終体積:105μL(抗菌性溶液100μL、細菌懸濁液5μL)
最終細菌濃度:5×105CFU/mL
最終抗菌剤濃度:0.06〜16mg/L
【0115】
1.6 相乗効果試験およびFIC指数
相乗効果試験は3つの方法で行った(Neu H.C., Fu K.P. アズロシリンおよびメズロシリンをアミノグリコシド抗生物質およびセファロスポリンと組み合わせた相乗効果。Antimicrob Agents Chemother 1978; 13 (5): 813−819):
1.1つの組み合わせ薬剤を化合物1の最低抑制濃度(MIC)の1/2(0.5)に相当する濃度から漸増する濃度で加えた。
2.死滅曲線法を用いて、1つの組み合わせ薬剤および化合物1の組み合わせを、それらのMICの1+1、1+2、2+1および2+2倍に相当する濃度で評価した。時間−死滅試験は、組み合わせた抗菌剤を105〜106CFU/mLに希釈した対数期大腸菌培養物(10mL)に加え、50mLフラスコで37℃にて成長させることによって行った。
3.1分析当たり1つの組み合わせ薬剤および化合物1を用いるチェッカーボード2倍希釈法を用いた(Pillai, S., Moellering R., Eliopoulos G. 抗菌剤組み合わせ, In V. Lorian(編集),Antibiotics in laboratory medicine,5版,Lippincott Willams& wilkins,メリーランド州、ボルチモア、2005, pp. 365−440)。
【0116】
チェッカーボード法、部分抑制濃度(FIC)およびFIC指数:
液体培地微量希釈殺菌チェッカーボード法は前記のように用いた(Pillai, S., Moellering R., Eliopoulos G. 抗菌剤組み合わせ, In V. Lorian(編集),Antibiotics in laboratory medicine5版,Lippincott Willams& wilkins,メリーランド州、ボルチモア、2005, pp. 365−440)。2つの抗菌剤AおよびB(すなわち、1つの組み合わせ薬剤および化合物1)の連続希釈を試験した。チェッカーボードは、各穴が、x軸に沿ったi希釈上にある同量の抗菌剤Aを含むカラム、および各穴がy軸上のj希釈上の同量の抗菌剤Bを含むカラムの各カラムからなる。すなわち、抗菌剤AおよびBの連続希釈をそれぞれ長方形方式で滴定する。その結果、各穴が2つの抗菌剤の様々な組み合わせを含み、それによって各濃度の抗菌剤Aを各濃度の抗菌剤Bと組み合わせるということになる。成長および無菌対照は全てのプレートに含めた。5×105CFU/mLの細菌接種材料(前記のように製造した)を用いた。微量滴定トレーは37℃で18時間培養した。
【0117】
部分抑制濃度(FIC)は2つの抗菌剤AおよびBの組み合わせの効果の数学的表現である。FICは、抗菌剤Aおよび抗菌剤Bの組み合わせた状態のMICを抗菌剤Aまたは抗菌剤B単独のMICで割って計算した。FTC指数は組み合わせが相乗的、付加的、中立的または拮抗的効果を有するかどうかを特徴づけると考えられる(専門用語は抗菌剤に対する細菌の感受性を測定するための方法に関する。臨床微生物学および感染性疾患のためのヨーロッパ協会(ESCMID)の抗菌感受性試験ヨーロッパ委員会(EUCAST)。EUCAST definitive document E.Def1.2;Clin Microbiol Infect Dis 2000;6:503−508):
− 相乗作用はFIC指数0.5未満として定義された。
− 付加的または中立的効果はFIC指数0.5〜4として定義された(付加的効果>0.5〜1;中立的効果>1〜4)。
− 拮抗作用はFIC指数4以上として定義された。
【0118】
FIC指数は次の式に従って計算される:
FIC
(A)=MIC
(Bノ存在下ニオケル
A)/MIC
(A単独
)
FIC
(B)=MIC
(Aノ存在下ニオケル
B)/MIC
(B単独
)
FIC指数=FIC
(A)+FIC
(B)
【0119】
2. 結果
2.1 品質対照
国際的に容認された菌株大腸菌ATCC25922、肺炎桿菌ATCC13833および緑膿菌ATCC10145を感受性試験の品質対照菌株とした。これらの品質対照菌株に対して試験した各種薬剤のMICはCLSIによって定義されるような許容範囲内であった。
【0120】
MIC試験のために品質対照として用いられるATCC基準菌株の他に、黄色ブドウ球菌ATCC29213および黄色ブドウ球菌RNGlGH001を時間−死滅実験の品質対照として用いた。黄色ブドウ球菌ATCC29213はこの試験の間、7回別々の時点でモキシフロキサシンに曝した;モキシフロキサシンは基準薬剤として選択した。さらに、化合物1に敏感な菌株黄色ブドウ球菌RNGlGH001を異なる濃度の化合物1に別々の時点で曝し、それによって化合物1の抗菌効果の再現性を調べることができた。
【0121】
2.2 組み合わせ薬剤の存在下での化合物1のMIC試験
組み合わせ試験は、各種組み合わせ薬剤の各MICの0.5に相当する抑制濃度以下で行い(項1.6参照)、従って、個々の組み合わせ薬剤のMICではないので、下の表1A〜1Cおよび2A〜2Cに示す値は相当する単一物質のMICを、あるいは(組み合わせ試験の場合は)化合物1単独のMICを表す。
表1Aで報告する実験は3回繰り返した;表1Bおよび1C、並びに表2A、2Bおよび2Cで報告する全ての他の試験は1回繰り返した。
【0122】
グラム陰性菌に対する活性(表1A、BおよびC参照)
コリスチン、ホスホマイシン:化合物1は腸内細菌または非発酵体に対して低い活性を示す。コリスチンは腸内細菌に対して活性であるが、試験した緑膿菌株に対して活性ではない。ホスホマイシンは、唯一異質の活性を示す大腸菌に対して試験した。
【0123】
化合物1とコリスチンとの組み合わせは6またはさらに9の滴定段階まで腸内細菌に対して化合物1のMICを下げた(表1A)。
化合物1とホスホマイシンとの組み合わせは2種の大腸菌に対して2〜3滴定段階まで、残りの大腸試験菌株に対して>9滴定段階まで化合物1のMICを下げた(表1A)。
【0124】
表1A: 単一物質化合物1、コリスチンおよびホスホマイシン、あるいは化合物1と0.5倍MICのコリスチンおよびホスホマイシンそれぞれとの組み合わせの抗菌活性(mg/LでのMIC)(Ec=大腸菌;Kp=肺炎桿菌;Pm=P.ミラビリス;Pa=緑膿菌;Ecl=E.クロアカエ;MCB=化合物1;fosfo=ホスホマイシン;nt=試験せず)
【表1A】
【0125】
トブラマイシン、シプロフロキサシン、チゲサイクリン:トブラマイシンは敏感な野生タイプ菌株のみ並びにCMY−2産生P.ミラビリス菌株に対して活性であった;トブラマイシンMICは残りの試験菌株に対して4mg/Lを超えた。シプロフロキサシンは野生タイプ菌株に対しておよび2つのβ−ラクタマーゼ産生菌株(大腸菌NRZ−00401およびP.ミラビリスNRZ−00103)に対して活性であった。シプロフロキサシンMICは残りの試験菌株に対して16mg/Lを超えた。化合物1とシプロフロキサシンの組み合わせは全ての試験菌株の化合物1のMICを下げた。野生タイプ菌株の化合物1のMICは著しく下がったが、選択された耐性菌株の化合物1のMICは影響されなかった(表1B)。チゲサイクリンは基準菌株大腸菌ATCC25922を0.5mg/Lで抑制した;全ての他の試験菌株はチゲサイクリン濃度>2mg/Lによって抑制された。化合物1+チゲサイクリンの組み合わせはこれらのグラム陰性試験菌株に対する化合物1の活性に影響を及ぼさなかった(表1B)。
【0126】
表1B 単一物質化合物1、トブラマイシン、シプロフロキサシン、チゲサイクリン、あるいは化合物1と0.5倍MICのトブラマイシン、シプロフロキサシンおよびチゲサイクリンそれぞれとの組み合わせの抗菌活性(mg/LでのMIC)(Ec=大腸菌;Kp=肺炎桿菌;Pm=P.ミラビリス;Pa=緑膿菌;Ecl=E.クロアカエ;MCB=化合物1;tob=トブラマイシン;cip=シプロフロキサシン;tige=チゲサイクリン)
【表1B】
【0127】
イミペネム、ピペラシリン/タゾバクタム、セフタジジム:試験したβ−ラクタム類の中で、イミペネムが最も活性であった;これは<8mg/Lの濃度で緑膿菌NRZ−00185および肺炎桿菌 NRZ−00103以外の全ての試験菌株を抑制した(表1C)。化合物1とイミペネムの組み合わせは化合物1のMICに影響を及ぼさなかった。ピペラシリン/タゾバクタムは野生タイプ大腸菌、肺炎桿菌およびP.ミラビリス菌株に対して活性であった;残りの菌株のMICは>4mg/Lであった。化合物1とピペラシリン/タゾバクタムの組み合わせは2〜3希釈段階まで3つの試験菌株のMICを下げた(大腸菌ATCC25922、大腸菌GNS2601;緑膿菌ATCC10145)が、化合物1の他の試験菌株に対する活性に影響しなかった。セフタジジムは大腸菌、肺炎桿菌およびP.ミラビリス野生タイプ菌株を<0.5mg/Lの低濃度で抑制した;残りの菌株のMICは2mg/Lを超えた。化合物1とセフタジジムの組み合わせは2つの緑膿菌菌株に対して著しく活性であったが、他の試験菌株に対して化合物1の活性に影響を及ぼさなかった(表1C)。
【0128】
表1C 単一物質化合物1、イミペネム、ピペラシリン/タゾバクタム、セフタジジム、あるいは化合物1と0.5倍MICのイミペネム、ピペラシリン/タゾバクタム、セフタジジムそれぞれとの組み合わせの抗菌活性(mg/LでのMIC)(Ec=大腸菌;Kp=肺炎桿菌;Pm=P.ミラビリス;Pa=緑膿菌;Ecl=E.クロアカエ;MCB=化合物1;imi=イミペネム;P/T=ピペラシリン/タゾバクタム;cef=セフタジジム;*=これらのデータは2回再現性があったが、他の時点で一定しなかった;nt=試験せず)
【表1C】
【0129】
グラム陽性菌に対する活性(表2A、BおよびC参照)
化合物1は感受性パターンに関係なく試験した全てのグラム陽性菌株に対して活性であった;野生タイプ菌株は<0.25mg/Lの化合物1濃度によって多剤耐性菌株と同じように十分に抑制された(表2A〜2C)。
【0130】
アムピシリン、セフトリアキソン:β−ラクタム類アムピシリンおよびセフトリアキソンは野生タイプ−またはMSSA−菌株のみに対して活性であった(表2A)。化合物1と両β−ラクタム類との組み合わせは、MRSA菌株NRS−119およびVisa Mu 50以外のほとんどの試験菌株に対してアムピシリンとの組み合わせで、ばらつきの許容範囲(+/− 1〜2滴定段階)内で化合物1単独と同様の活性であり、それらの菌株の場合、化合物1のMICは1から0.25mg/Lに、および0.06から<0.00003mg/Lにそれぞれ下がった;E.フェシウムDSMZ2146の場合の化合物1のMICも0.06から<0.00003mg/Lに下がった。肺炎連鎖球菌19397の場合の化合物1のMICはセフトリアキソンと組み合わせた場合、0.004から<0.00003mg/Lに下がった(表2A)。
【0131】
表2A 単一物質化合物1、アムピシリンおよびフトリアキソンの、あるいは化合物1と0.5倍MICのアムピシリンおよびフトリアキソンとの組み合わせの抗菌活性(mg/lでのMIC)(MCB=化合物1;ampi=アムピシリン;ceftr=セフトリアキソン;Sa=黄色ブドウ球菌;Ef=E.フェカリス;Efc=E.フェシウム;Spn=肺炎連鎖球菌;*=これらのデータは2回再現性があったが、他の時点では一定しなかった)
【表2A】
【0132】
バンコマイシン、ダプトマイシン:バンコマイシンおよびダプトマイシンは、バンコマイシン耐性菌株E.フェカリスV583以外、試験した全てのグラム陽性菌株に対して活性であり、この菌株に対してバンコマイシンMICは32mg/Lであり、ダプトマイシンMICは4mg/Lであった。化合物1とバンコマイシンまたはダプトマイシンのいずれかとの組み合わせはばらつきの範囲内でこれらの試験菌株に対して単一化合物1と同様の活性であった(表2B)。
【0133】
表2B 単一物質化合物1、バンコマイシンおよびダプトマイシンの、あるいは化合物1と0.5倍MICのバンコマイシンおよびダプトマイシンとの組み合わせの抗菌活性(mg/lでのMIC)(MCB=化合物1;vanco=バンコマイシン;dapto=ダプトマイシン;Sa=黄色ブドウ球菌;Ef=E.フェカリス;Efc=E.フェシウム;Spn=肺炎連鎖球菌;*=これらのデータは2回再現性があったが、他の時点では一定しなかった)
【表2B】
【0134】
モキシフロキサシン、リネゾリド、チゲサイクリン:モキシフロキサシンは、黄色ブドウ球菌NRS−119およびVisa Mu 50、リネゾリド−およびキノロン耐性E.フェシウムUW3695および多剤耐性肺炎連鎖球菌19397以外、試験したほとんどのグラム陽性菌株に対して良好な活性を示した。リネゾリドは黄色ブドウ球菌NRS−119およびE.フェシウムUW3695以外の全ての試験菌株を濃度<4mg/Lで抑制した。チゲサイクリンは全ての試験菌株に対して濃度<0.5mg/Lで活性であった(表2C)。化合物1とモキシフロキサシンの組み合わせはブドウ球菌ATCC29213、クローン16およびATCC33593に対して単一物質と同様の活性であった;しかしながら、化合物1は全ての他の試験菌株に対して活性を得、MICは<0.000025mg/Lに低下した。同様に、化合物1とリネゾリドの組み合わせはブドウ球菌ATCC29213、クローン16およびATCC33593に対して化合物1単独と同様の活性であった;しかしながら、化合物1は全ての他の試験菌株に対してリネゾリドの組み合わせで活性を得、MICは<0.000001mg/Lに低下した。(キノロン−およびリネゾリド−耐性菌株E.フェカリスUW3695については、化合物1単独のMICは0.06mg/Lであるのと比べ、組み合わせたMICは2mg/Lであった)(表2C)。
【0135】
表2C 単一物質化合物1、モキシフロキサシン、リネゾリドおよびチゲサイクリンの、あるいは化合物1と0.5倍MICのモキシフロキサシン、リネゾリドおよびチゲサイクリンとの組み合わせの抗菌活性(mg/lでのMIC)(MCB=化合物1;mox=モキシフロキサシン;line=リネゾリド;tige=チゲサイクリン;Sa=黄色ブドウ球菌;Ef=E.フェカリス;Efc=E.フェシウム;Spn=肺炎連鎖球菌;*=これらのデータは2回再現性があったが、他の時点では一定しなかった)
【表2C】
【0136】
2.3 コリスチンおよびホスホマイシンの存在下での化合物1の時間−死滅曲線
化合物1とコリスチンおよびホスホマイシンとの組み合わせの生菌数における時間依存効果を測定した。8時間で記録された生菌数は表3Aおよび3Bにまとめてある。計算した死滅速度は表4Aおよび4Bに示す。
【0137】
菌株大腸菌ATCC25922、NRZ−00401、NRZ−00302およびGNS−2601を、コリスチンおよびホスホマイシンそれぞれと化合物1との組み合わせにそれらの1倍および2倍のMICで曝した。これらの薬剤の次の組み合わせを試験した:
− 1×MIC化合物1+1×MICコリスチンまたはホスホマイシン(1+1)
− 1×MIC化合物1+2×MICコリスチンまたはホスホマイシン(1+2)
− 2×MIC化合物1+1×MICコリスチンまたはホスホマイシン(2+1)
− 2×MIC化合物1+2×MICコリスチンまたはホスホマイシン(2+2)
【0138】
1または2倍のMICの化合物1は最初の4〜6時間これらのグラム陰性試験菌株に対して静菌活性を示し;その後、菌株は再成長した。同様に、ホスホマイシンは菌株ATCC25922、NRZ−00401に対して静菌的に作用したが、菌株NRZ−00302およびGNS−2601に対しては殺菌性であり、しかしながら、試験システムから後者2つの菌株はなくならなかった(表3A)。コリスチンは試験した4つの大腸菌株に対して殺菌性であり、生菌数を6〜8時間内で検出限界以下の生菌数に減じた(NRZ−00302菌株以外。この菌は8時間以内に著しく減少し、24時間以内に消失した)(表3B)。
【0139】
1+1および2+1比の化合物1とホスホマイシンとの組み合わせは菌株ATCC25922およびNRZ−00401に対して静菌性であったが、化合物1単独に曝したのとは異なり再成長を妨げた。1+2の組み合わせは菌株ATCC25922の生菌数を8時間で0.7log
10CFU/mLまで減じたが、3.9log
10CFU/mLの再成長がその後観察された(表3A)。 2+2の組み合わせは試験菌株大腸菌ATCC25922をシステムから24時間以内に消失させた。菌株NRZ−00401は1+1および2+1の組み合わせによって静菌的に影響されたが、1+2の組み合わせは生菌数を2.9log
10CFU/mLまで8時間以内に減じ、その後再成長した。菌株NRZ−00302およびGNS−2601は試験システムから試験した化合物1+ホスホマイシンのいずれの組み合わせ比によっても24時間以内に消失した。
【0140】
表3A 1倍(1×)または2倍(2×)MICの化合物1(MCB)、ホスホマイシン(fosfo)の、あるいは2つの薬剤の組み合わせの暴露8時間での生菌数(log
10CFU)
【表3A】
【0141】
化合物1とコリスチンとのいずれの組み合わせも試験システムから菌株を24時間以内にコリスチン単独と同様に消失させた(表3B)。
【0142】
表3B 1倍(1×)または2倍(2×)MICの化合物1(MCB)、コリスチン(col)の、あるいは2つの薬剤の組み合わせの暴露8時間での生菌数(log
10CFU)
【表3B】
【0143】
試験した大腸菌の生菌数の減少の拡大、特に化合物1+ホスホマイシンの組み合わせの活性の増加は、生菌数の減少速度が速まることをも反映している。表4Aおよび4Bにまとめたデータは単一物質またはそれらの組み合わせに曝した最初の4時間について計算した殺滅速度を表す。表4Aにまとめたデータは、単一物質1およびホスホマイシン単独が4種の菌株のうちの2種の成長速度を減じることを示している。2つの薬剤の組み合わせは1.01〜2.38h
-1の殺滅速度で生菌数を減少させた。
【0144】
表4A 1倍(1×)または2倍(2×)MICの化合物1(MCB)、ホスホマイシン(fosfo)の、あるいは2つの薬剤の組み合わせの4種の試験大腸菌株の殺滅速度それぞれにおける効果。正の値(「+」)は成長を示し、全ての残りの値は負であり、生菌数の減少速度、すなわち、殺滅速度k(h
-1)を示す。
【表4A】
【0145】
コリスチンの試験大腸菌株に対する著しい殺菌活性は、(大腸菌ATCC25922を除き)株コリスチンと化合物1との組み合わせによって増加しなかった(表4B)。
【0146】
表4B 1倍(1×)または2倍(2×)MICの化合物1(MCB)、コリスチン(col)の、あるいは2つの薬剤の組み合わせの試験大腸菌株の成長および殺滅速度それぞれにおける効果。正の値(「+」)は成長を示し、全ての残りの値は負であり、生菌数の減少速度、すなわち、殺滅速度k(h
-1)を示す。
【表4B】
【0147】
2.4 化合物1およびコリスチンのチェッカーボード滴定
チェッカーボード滴定は3回行った。<0.015から256mg/Lの各濃度の化合物1を、<0.015から256mg/Lの各濃度のコリスチンと合わせた。
【0148】
試験菌株大腸菌ATCC25922(感受性基準菌株)、大腸菌NRZ−00302(NDM−1 β−ラクタマーゼ)、肺炎桿菌NRZ−00535(VIM−1 β−ラクタマーゼ)、緑膿菌NRZ−00425(VIM−2 β−ラクタマーゼ)、E.クロアカエATCC13047(感受性基準菌株)およびE.クロアカエANRZ−00239(VIM−1 β−ラクタマーゼ)を各濃度の化合物1およびコリスチンに曝した。
一般に、化合物1のMICは2または少なくとも4倍のコリスチンMICとの組み合わせで0.015mg/L未満に低下し、一方、0.25倍MICより低いコリスチン濃度との組み合わせは、E.クロアカエATCC13047以外のほとんどの試験菌株について化合物1のMICに効果を及ぼさなかった。E.クロアカエATCC13047は256mg/LのMICでコリスチンに耐性であり;化合物1と128mg/Lのコリスチン濃度との組み合わせは結果として化合物1のMICを>256mg/Lから1−0.5mg/Lへ低下させた;コリスチン濃度が2mg/Lの低い濃度でも化合物1のMICは1−4mg/Lへ低下した。
【0149】
表5にまとめたデータは抑制濃度以下(すなわち、0.5倍のMIC)、抑制濃度(すなわち、1.0倍のMIC)および抑制濃度以上(すなわち、2.0倍および4.0倍のMIC)のコリスチンにおける組み合わせ効果を示す。
【0150】
表5にまとめたデータは、抑制濃度および抑制濃度以上のコリスチン濃度が化合物1のMICを>256mg/Lから<0.015mg/Lへ下げることを示している。FICは、化合物1との組み合わせの場合、抑制濃度以下のコリスチンで0.5〜1.8、抑制濃度のコリスチン濃度で1.0〜2.0、抑制濃度以上のコリスチン濃度で2.0〜4.0の範囲を示す。
【0151】
6つの選択された指示菌株に対する化合物1とコリスチンとの組み合わせのチェッカーボード滴定。次の菌株を試験した:大腸菌 ATCC 25922(Ec ATCC);大腸菌NRZ−00302(Ec NRZ)、肺炎桿菌NRZ−00535(kpn NRZ)、緑膿菌NRZ−00425(Pa NRZ)、E.クロアカエATCC13047(Ecl ATCC)およびE.クロアカエANRZ−00239(Ecl NRZ)。(パラメーター:mg/LでのMIC);MCB MIC=化合物1のMIC;col MIC=コリスチンのMIC;MCB+0.5col=0.5倍コリスチンMICの存在下での化合物1のMIC;MCB+1.0col=1.0倍コリスチンMICの存在下での化合物1のMIC;MCB+2.0col=2.0倍コリスチンMICの存在下での化合物1のMIC;MCB+4.0col=4.0倍コリスチンMICの存在下での化合物1のMIC;MCB+5.0col=5.0倍コリスチンMICの存在下での化合物1のMIC;FICind0.5col=0.5倍コリスチンMICの存在下でのFIC指数;FICind1.0col=1.0倍コリスチンMICの存在下でのFIC指数;FICind2.0col=2.0倍コリスチンMICの存在下でのFIC指数;FICind4.0col=4.0倍コリスチンMICの存在下でのFIC指数;FIC指数は2または3つの試験または単一試験の結果からの平均を表す。
【表5】
* コリスチンMICは256mg/Lだったので、コリスチンの限界溶解度のため、化合物1と2および4倍コリスチンMICとの組み合わせは試験しなかった。
【0152】
3.解説
3.1 化合物1とコリスチンおよびホスホマイシンとの組み合わせ
【0153】
コリスチンおよびホスホマイシンを化合物1との組み合わせで、異なるタイプのβ−ラクタマーゼ類を産生する選択されたグラム陰性菌に対して試験した;基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)の産生は多剤耐性としばしば関係する。多剤耐性菌の増加する流行は治療の選択を少なくし、そのため新しい薬剤および/または抗菌剤の組み合わせの使用の開発がこの問題の解決となりうる。選択されたESBL産生グラム陰性菌(例えば、CTX−M−15、VIM、NDM−1)を化合物1とコリスチンとの組み合わせに、そしていくつかの実験では化合物1とホスホマイシンとの組み合わせに曝した。
【0154】
試験菌株に対する化合物1のMICは低下しなかったので、コリスチンおよびホスホマイシン両者の阻害濃度以下の濃度が化合物1に対する試験菌株の感受性を高めなかったことは、項2.2のデータから明らかである(表1A)。
【0155】
この最初の一連の実験では、唯一の抑制濃度以下のコリスチンまたはホスホマイシンを様々な濃度の化合物1と組み合わせたので、チェッカーボード法を化合物1およびコリスチンの組み合わせに適用した(項2.4参照)。この方法は、各試験菌株を各濃度の2つの組み合わせ薬剤、すなわち、化合物1およびコリスチンに曝すことになる。相乗作用、付加的効果、中立および拮抗作用を示すものとして一般に容認されているパラメーターはFIC指数である。相乗作用はFIC指数0.5未満として定義される。付加的または中立的効果はFIC指数0.5〜4(付加的>0.5〜1;中立>1〜4)として定義される。拮抗作用はFIC指数が4より大として定義される(専門用語は抗菌剤に対する細菌の感受性を測定するための方法に関する。臨床微生物学および感染性疾患のためのヨーロッパ協会(ESCMID)の抗菌感受性試験ヨーロッパ委員会(EUCAST)。EUCAST definitive document E.Def1.2;Clin Microbiol Infect Dis 2000;6:503−508)。表5にまとめたデータは、化合物1+0.5または2倍コリスチンMICに曝された全ての菌株の場合、FICは0.5〜2.5を示し、従って、中立であることを証明している。
【0156】
しかしながら、FIC指数の解釈は注意すべきである:例えば、2.0および2.3の平均FIC指数が、化合物1と1および2倍コリスチンMICそれぞれとの組み合わせの場合のE.クロアカエNRZ−00239に対して計算された。これは、例えば、実験の1つでは、コリスチンMICは1mg/L、化合物1のMICは256mg/Lになり、それによって1mg/Lコリスチン+256mg/L化合物1組み合わせのFIC指数は中立を示す2.0(=(1+1)+(256/256))であるという事実による。しかしながら、別の実験でのこの試験菌株の2倍コリスチンMIC+化合物1への暴露は、<0.015mg/Lの化合物1のMIC値を反映して、化合物1に対する感受性の著しい増加となる。2mg/Lコリスチン+0.015mg/L化合物1のこの組み合わせのFIC指数は2.00006(=(2+1)+(0.015/256))であり、すなわち、上とは異ならず、また中立を示している。4mg/Lコリスチン+0.015mg/L化合物1の組み合わせのFIC指数はさらに4である。この例は、FIC指数の計算は相乗作用、付加、中立および拮抗作用の定義と一致しないことを証明している。チェッカーボード法およびFICの計算は組み合わせ試験の評価のために日常的に用いられるが、この方法にはかなりの制限がある:それは抑制を定量化するデータばかりで、殺菌活性を定量化するデータをもたらさず、そしてオール・オワ・ノン反応(成長または非成長)ばかりで、生菌数の減少を定量化する段階的応答をもたらさない。最も重要なことには、FIC指数の計算は、全ての組み合わせパートナーが線形濃度反応を示すと誤って仮定している(PIllai S K,Moellering RC, Eliopoulos GM.抗菌剤組み合わせ。In:Antibiotics in Laboratory Medicin. Lorian V(編集)、第9章、第5版、2005、Lippincrott Raven)。線形濃度−活性反応はコリスチン、フルオロキノロン類およびアミノグリコシド類の場合は証明され、β−ラクタム類または化合物1の場合は証明されていない。従って、FIC指数は、化合物1と他の薬剤との組み合わせ効果の特性決定に対してはただ限定された推測値にすぎない。2〜4倍コリスチンMICとの組み合わせで化合物1のMICが5つの試験菌株については256mg/Lから<0.015mg/Lへ、大腸菌 ATCC 25922菌株については8〜16mg/Lから<0.015mg/Lへ著しく低下すること、および同時に0.6〜4.0のFIC指数が得られることは、FIC指数の計算がこれらの組み合わせ効果を説明するのに適当な方法でないことを証明している。
【0157】
この事実は、たとえFIC指数が中立を示しも、死滅曲線実験が、単一物質としてグラム陰性菌に対して低い活性を示す化合物1が1および2倍MICのコリスチンまたはホスホマイシンの存在下でグラム陰性試験菌株に対して抗菌活性を示す(項5.3参照)ことを明らかにした発見によって確証される。化合物1+コリスチンまたはホスホマイシンのいずれかは生菌数を減じ、試験菌株をシステムからいずれかの薬剤単独よりもより急速に消失させる(表3A、3Bおよび4A、4B)。コリスチンまたはホスホマイシンの抑制濃度および抑制濃度以上の濃度がこれらのグラム陰性指示菌株に対する化合物1の活性を高めるという発見は、化合物1のMICがチェッカーボード滴定で、例えば、256mg/Lから<0.015mg/Lという低い値に低下した事実によっても反映される。従って、コリスチンの抑制濃度および抑制濃度以上の濃度は化合物1のMICを下げる。この発見は、ポリミキシンがグラム陰性菌の外膜の透過性を高めることが知られており(Vaara M.外膜の透過性を高める薬剤,Microbiol Rev 1992;56(3):395−411)、従って、他のあまり活性ではない薬剤のMICを下げるという事実によって説明することができる。しかしながら、1倍のMICに相当する化合物1の濃度がコリスチンの殺菌効力を高めたというこの試験の発見は予想外である。
【0158】
従って、化合物1およびコリスチンの組み合わせは抗菌治療をより効果的にする殺菌活性を得た。さらに、拮抗効果が記録されておらず、それによって、化合物1とコリスチンとの組み合わせは化合物1のグラム陽性抗菌範囲を治療が困難な多剤耐性菌株を含めたグラム陰性病原菌に有意に広げる。
【0159】
3.2 化合物1と組み合わせ薬剤との組み合わせ
グラム陰性細菌への効果:
グラム陰性病原菌による感染症の治療で臨床的に用いられる化合物1とコリスチンまたはホスホマイシン以外の抗菌剤との組み合わせは中立の結果を生じ(項2.2、表1BおよびC参照)、化合物1は、患者の治療に経験的にβ−ラクタム類、アミノグリコシド類、フルオロキノロン類またはチゲサイクリンとおそらく組み合わせることができることを示している。
【0160】
グラム陽性細菌への効果:
化合物1とアムピシリンまたはセフトリアキソンとの0.5倍のそれらのMICでの組み合わせは、一方で化合物1のMICを3つのMRSA指示菌株に対して低下させるが、他方でMSSA試験菌株に対して低下させない(項2.2、表2A)。この発見はMRSA菌株におけるβ−ラクタムターゲット、ペニシリン結合タンパク質2が非常に低いβ−ラクタム親和性に変異させられたので意外である。同じことは肺炎連鎖球菌BAY19397に対する化合物1+セフトリアキソンの組み合わせ効果にも言える。その上、敏感な基準菌株はこの組み合わせに影響されなかった。化合物1への暴露がβ−ラクタム類へのターゲットの親和性を回復させるとはむしろ考えられないと思われる。従って、化合物1との組み合わせにおける抑制以下のアムピシリン−またはセフトリアキソン−濃度がMRSAおよびβ−ラクタム耐性連鎖球菌および腸球菌に対して相乗的に作用するというこの試験での発見は予想外のことであった。化合物1とβ−ラクタム類との組み合わせはメチシリン−またはペニシリン−耐性ブドウ球菌、連鎖球菌および腸球菌の治療におけるβ−ラクタム類の効力を回復させる。
【0161】
化合物1とバンコマイシンもしくはダプトマイシン(項2.2、表2B)またはチゲサイクリン(表2C)との組み合わせは中立の結果を生じた。
【0162】
化合物1とモキシフロキサシンまたはリネゾリドいずれかとの組み合わせは非常に相乗的であり、ほとんどの菌株に対して化合物1のMICを<0.000025mg/Lに低下させた(項2.2、表2C)。従って、化合物1とモキシフロキサシンまたはリネゾリドいずれかとの組み合わせはキノロン−またはオキサゾリジノン−耐性菌に対するそれらの活性を復活させ、そしてこれらの治療困難なグラム陽性MDR分離株に対する両組み合わせパートナーの活性を増大させる。
【0163】
上記のデータから次のことが結論付けられる:
1. コリスチンはオキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(例えば化合物1)のグラム陰性細菌に対する活性を著しく高めて、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(例えば化合物1)の抗菌範囲を治療困難なMDR菌株を含むグラム陰性菌にまで広げる。
2. 中立または相乗的組み合わせ効果により、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(例えば化合物1)はグラム陰性病原菌の治療に用いられる他の商業的に入手しうる抗菌剤と組み合わせて、細菌性感染症の最初の経験による治療におけるオキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(例えば化合物1)のおもなグラム陽性範囲を補足しうる。
3.MARSおよびMDR−肺炎連鎖球菌またはMDR−腸球菌に対する高度の相乗効果はオキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(例えば化合物1)とβ−ラクタム類またはモキシフロキサシンおよびリネゾリドとの組み合わせで観察され、従って、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッド(例えば化合物1)の活性を高め、そしてβ−ラクタム類またはモキシフロキサシンおよびリネゾリドの活性をおそらく回復させる。