特許第6533857号(P6533857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6533857
(24)【登録日】2019年5月31日
(45)【発行日】2019年6月19日
(54)【発明の名称】時計用安全バルブ
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/10 20060101AFI20190610BHJP
   G04B 37/12 20060101ALI20190610BHJP
【FI】
   G04B37/10 Z
   G04B37/12
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-129682(P2018-129682)
(22)【出願日】2018年7月9日
(65)【公開番号】特開2019-20403(P2019-20403A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年7月9日
(31)【優先権主張番号】17181525.1
(32)【優先日】2017年7月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエリ・ヴュイユ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ウィルマン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−クロード・マルタン
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−27254(JP,A)
【文献】 特開平9−144971(JP,A)
【文献】 特開2014−16349(JP,A)
【文献】 実公昭43−10851(JP,Y1)
【文献】 米国特許第5918628(US,A)
【文献】 特開2012−59739(JP,A)
【文献】 特開2011−203212(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0235476(US,A1)
【文献】 西独国実用新案公開第1678780(DE,U)
【文献】 特開昭54−89329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/10
G04B 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
−時計ケース(4)に固定するように意図されたチューブ(3)、
−前記チューブ(3)周りで回転するように取り付けられ、中空部分の中に延在するシャフト(5)を備えている中空ヘッド部(2)、
−前記ヘッド部(2)に対して固定して取り付けられた第1の部材、および
−前記ヘッド部(2)と一体化した第2の部材
を備えている安全バルブ(1)であって、
前記第1の部材および前記第2の部材は、各々がガスを流す1つまたは複数の通路(12、13)を有し、前記ヘッド部(2)が回転する動きによって、前記第1の部材および前記第2の部材の前記通路(12、13)を連通するように位置付けて、前記ケース(4)内部が圧力過剰になった場合にガスをケースの内部から外部に排出させるか、あるいは逆に、前記第1の部材および前記第2の部材の前記通路(12、13)が同列にならないように動かしてガスの排出を阻止することを特徴とする、安全バルブ(1)。
【請求項2】
前記第1の部材は、前記中空ヘッド部(2)の内部に配置されたポリマー材料(8)であることと、前記第2の部材は前記シャフト(5)であることとを特徴とする、請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項3】
前記ポリマー材料(8)は、前記チューブ(3)、前記ヘッド部(2)の一方の端部と前記シャフト(5)との間である第1の空間(8a)を満たすことを特徴とする、請求項2に記載のバルブ(1)。
【請求項4】
前記ポリマー材料(8)は、前記チューブ(3)と前記シャフト(5)との間にある第2の空間(8b)にも延在することを特徴とする、請求項2または3に記載のバルブ(1)。
【請求項5】
前記ポリマー材料(8)は、通路の役割を果たす第1の孔(12a)を有し、前記第1の孔(12a)は、前記ヘッド部(2)と前記シャフト(5)との間の前記第1の空間(8a)を貫通することを特徴とする、請求項3または4に記載のバルブ(1)。
【請求項6】
前記ポリマー材料(8)は、通路の役割を果たす第2の孔(12b)を有し、前記第2の孔(12b)は、前記チューブ(3)と前記シャフト(5)との間の前記第2の空間(8b)を貫通することを特徴とする、請求項4または5に記載のバルブ(1)。
【請求項7】
前記シャフト(5)は、周囲の一部に、通路の役割を果たす凹部(13)を有することを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項8】
前記凹部(13)は、前記第1の孔(12a)と前記第2の孔(12b)とを隔てている距離に少なくとも等しい高さにわたって前記シャフト(5)上に広がっていることを特徴とする、請求項7に記載のバルブ(1)。
【請求項9】
経路(14)は、前記第2の空間(8b)に配置された前記ポリマー材料(8)と前記チューブとの間の前記第2の孔(12b)がある所に構成されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項10】
前記ポリマー材料(8)は、ポリウレタン、エラストマー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、強化したまたは強化していない複合材料のなかから選択されることを特徴とする、請求項2〜9のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項11】
前記第1の部材は、前記シャフト(5)周りに配置され、前記チューブ(3)と一体化したディスク(17)であることと、前記第2の部材は、前記シャフト(5)と一体化し、前記ディスク(17)の上に載っている別のディスク(16)であることとを特徴とする、請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項12】
多孔性膜(18)は、前記2つのディスク(16、17)の間に配置されて前記バルブ(1)を防水にすることを特徴とする、請求項11に記載のバルブ(1)。
【請求項13】
ばね(15)またはスラストボールベアリングなどの手段を備えて、前記ヘッド部(2)が軸方向に動くのを阻止することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項14】
前記バルブは、前記チューブ(3)の内部に、前記シャフト(5)に巻き付けられたばね(10)を備え、前記ばねは、一方の端部が前記第1の部材上にあり、もう一方端部が前記シャフト(5)の周りに配置されたリング(11)上にあることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項15】
前記バルブは、前記リング(11)と前記チューブ(3)に構成された段部(6)との間に配置されたガスケット(7)を備えていることを特徴とする、請求項14に記載のバルブ(1)。
【請求項16】
シールされた容積の境界となるケース中央、背面カバーおよびガラス蓋で形成されたケース(4)を備えて、前記ケース(4)の中に、時間情報を表示する手段を有する時計ムーブメントが取り付けられる時計であって、前記ケースに(4)に請求項1〜15のいずれか一項に記載のバルブ(1)が取り付けられることを特徴とする、時計。
【請求項17】
−時計ケース(4)に固定するように意図されたチューブ(3)、
−前記チューブ(3)周りで回転するように取り付けられ、中空部分の中に延在するシャフト(5)を備えている中空ヘッド部(2)、
−前記ヘッド部(2)に対して固定して取り付けられた第1の部材、および
−前記ヘッド部(2)と一体化した第2の部材
を備えている安全バルブであって、
前記第1の部材および前記第2の部材は、各々がガスを流す1つまたは複数の通路(12、13)を有し、前記ヘッド部(2)が回転する動きによって、前記第1の部材および前記第2の部材の前記通路(12、13)を連通するように位置付けて、前記ケース(4)内部が圧力過剰になった場合にガスをケースの内部から外部に排出させるか、あるいは逆に、前記第1の部材および前記第2の部材の前記通路(12、13)が同列にならないように動かしてガスの排出を阻止することと、前記第1の部材および前記第2の部材の前記通路は、前記第1の部材および第2の部材を軸方向に相対的に動かすことなく連通するようにも連通しないようにも位置付けられることとを特徴とする、安全バルブ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用、さらに詳細には潜水を意図した腕時計用の安全バルブに関する。本発明は、上記バルブを備えている時計にも関する。
【背景技術】
【0002】
一部の潜水時計には、ダイバーがヘリウムおよび酸素を含む混合気を吸入する飽和潜水中に時計ケースに侵入したヘリウムを除去するためのヘリウムエスケープバルブが備わっている。これによってダイバーは、潜水鐘の内部または水中の環境に数日間滞在することが可能になる。この期間の間、ヘリウムが時計に侵入することがある。そのようなバルブがない場合、中に拡散したヘリウムが過剰な内圧を引き起こすことで、減圧段階のときに時計に損傷が生じるおそれがあり、例えばガラス蓋が飛び出したり割れたりして紛失するおそれがある。
【0003】
ヘリウムエスケープバルブは、手動でも自動でもあり得る。手動バルブは、ねじ締めされた竜頭と同じ方法で、ケース中央部にあるヘッド部などのシーリング部材を締めることで単純に動作する。手動バルブは、使用後にバルブが再度締められなければ時計が耐水性にならないという欠点を有する。自動バルブは、時計ケースの内部と外部環境との圧力差が重大な閾値に達したときに、その名の通り自動的に作動する。第1の種類の自動バルブは、使用者がブロックできないものであり、その原理はスイス国特許第491246号明細書(特許文献1)に記載されている。このバルブは、ほとんどの場合、ケース中央部と同一平面に取り付けられ、時計ケース内部の圧力を制限する単純なバルブの形態である。この種のバルブの欠点は、自動的に開くが、ガスの排出を止める手段がなく、よって流体が時計に流入するのを止める手段がないという点であり、これは湿度の高い環境で減圧が実施されたときに問題となる。この欠点を克服するため、第2の種類の自動バルブがあり、このバルブは、使用者がヘッド部のねじを締めたり弛めたりすることで操作でき、欧州特許第0554797号明細書(特許文献2)に記載されているように、これによってヘッド部が軸沿いに動く。この第2の種類のバルブは、欧州特許第2685327号明細書(特許文献3)に開示されているようなプッシュボタンに組み込まれ得る。
【0004】
欧州特許第0554797号明細書のバルブは、スカートおよびシャフトから延びる中央コアを有する中空ヘッド部を備えている。ヘッド部は、時計ケースの一部であるケース中央部に装着されたチューブにねじ締めされ得る。チューブは、シャフトが隙間を伴って貫通する底部を有している。コアおよびシャフトは、螺旋状の戻しばねに包囲されている。ばねは、第1の端部によってヘッド部の下で支持されている。ばねの第2の端部は、リング上で支持され、このリングは、チューブの底部に配置された第1のシーリングガスケットを圧縮する。第2のシーリングガスケットは、チューブとは反対側のヘッド部の下に構成されている。ヘッド部がチューブのねじ山部分にねじ締めされると、第2のシーリングガスケットは、チューブに対して押圧される。その後、バルブは作動不能になり、第2のガスケットによって、かつ第1のガスケットにかかるばねの作用によって完全にシールされる。ヘッド部のねじが弛められると、ヘッド部の下の第2のガスケットは有効ではなくなり、ケース内部の圧力が外側の圧力よりも高くなったとき、チューブの底部のガスケットは、ばねの戻り力で上に上がることができる。その後、ガスは時計の内部から外部に排出される。
【0005】
この第2の種類のバルブは、ヘッド部がねじ山を介してチューブに取り付けられるという欠点を有する。バルブの寿命のある間、ヘッド部は主に休止位置、すなわちねじ締めした位置にあるため、使用者はいざというときにバルブを弛めることができなくなる危険性がある。さらに、ヘッド部をチューブに締め付け過ぎると、時間の経過に伴いヘッド部の下に位置している第2のガスケットを損傷するおそれがある。逆に、ヘッド部の締め付けが不十分であれば開位置になったままになるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】スイス国特許第491246号明細書
【特許文献2】欧州特許第0554797号明細書
【特許文献3】欧州特許第2685327号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の欠点を克服するため、本発明の主な目的は、自動バルブの利点に使用者の介入を組み合わせると同時に、ヘッド部とチューブとの間を接続するためのねじ山を用いることを省略する、新規のヘリウムエスケープバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明は、請求項1に記載のバルブを提供する。
【0009】
好ましくは、バルブは、チューブの周りのみで回転するように、すなわちヘッド部がねじ山を介して軸方向に動くことなく取り付けられたヘッド部を備えている。ヘッド部は、圧力過剰の場合にガスを外側に排出させることが可能な開位置と、ガスが排出されるのを阻止する閉位置との間で動くことができる。さらに詳細には、本発明は、第1の固定部材および第2の可動部材を備え、第2の可動部材の動きがヘッド部の角度を成す動きにつながっている、バルブに関する。2つの部材は、各々が1つ以上の孔または凹部を有する。本発明によれば、2つの部材どうしの相対的な動きにより、ガスを排出させたいときに各部材の孔を流体連通するように位置付ける、または逆にガスが排出されるのを阻止したいときに各部材の孔を互いに対向しないように位置付けることが可能になる。
【0010】
その他の利点は、特許請求の範囲に記載した特徴、および非限定的な例として引用した添付の図面を参照して以下に記載する本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】時計ケースに固定された本発明のヘリウムエスケープバルブの断面図である。ヘッド部は閉位置にあり、時計ケースの内部と外部の圧力は実質的に等しい。
図2】時計ケースに固定された本発明のヘリウムエスケープバルブの断面図である。ヘッド部は閉位置にあり、時計ケース内部は圧力過剰である。
図3】時計ケースに固定された本発明のヘリウムエスケープバルブの断面図である。ヘッド部は開位置にある。
図4】時計ケースに固定された本発明のヘリウムエスケープバルブの断面図である。ヘッド部は開位置にあり、時計ケースの内側と外側の圧力差で時計ケースの外側にガスを排出させている。
図5図1図4のヘリウムエスケープバルブの一変形例を示す図である。バルブは閉位置にあり、時計ケースの内圧と外圧は実質的に等しい。
図6図1図4のヘリウムエスケープバルブの一変形例を示す図である。バルブは開位置にあり、ケース内部の圧力過剰でガスを時計ケースの外側に排出させている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ヘリウムエスケープバルブに関し、このヘリウムエスケープバルブを安全バルブとも称する。
【0013】
とりわけ図1および図5に示したバルブ1は、軸Aに沿って延在するチューブ3に取り付けられた中空筒状ヘッド部2を備え、チューブ3は、例えばねじ締めによって時計ケース4に固定されるようになっている。バルブ1は、ヘッド部2と一体化したシャフト5を備え、シャフトは、中空ヘッド部2とチューブ3とを境界とする容積の内部に延在し、バルブの下方部に配置された段部6を貫通している。ヘッド部2は、ガスをケースの外側に排出させることが可能な開位置と、ガスが排出されるのを阻止する閉位置との間で、チューブ3周りで回転するように取り付けられる。開位置を図3(および図4および図6)に、閉位置を図1(および図2および図5)にそれぞれ示している。
【0014】
図1に示したように、バルブ1は、一方にはチューブ3内部で段部6に当接して配置されたガスケット7を備え、他方にはバルブの内容積の上方部を満たしているポリマー材料8を備えた二重のシールを有する。環状のポリマー材料8は、中空ヘッド部2の内壁とチューブ3の上端とシャフト5とを境界とする空間(材料8a)を満たしており、チューブ3の内壁とシャフト5とを境界とする空間(材料8b)内のチューブ3の内部に部分的に延在し得る。
【0015】
バルブ1は、チューブ3内のチャンバ9の内部に、シャフト5に巻き付けられたばね10を備え、このばねは、一方の端部がポリマー材料8にあり、もう一方の端部がリング11にあり、このリングは、内圧P2と外圧P1とが実質的に等しいとき、または例えば水中でP1がP2よりも高いときに、ガスケット7を段部6に対して圧縮する。
【0016】
本発明によれば、ポリマー材料8は、シャフト5とチューブ3の内壁または中空ヘッド部2の内壁との間で環状材料の厚み全体に延在している少なくとも1つの開口孔12を有する。図1の構成では、ポリマー材料8は、この材料の別々の高さで合流しないように構成された貫通孔12aおよび12bを有する。第1の孔12aは材料8aを貫通し、第2の孔12bは材料8bを貫通している。
【0017】
シャフト5は、その周囲の一部に凹部13を有し、この凹部は、上記凹部13が孔12a、12bに対向して位置しているときに、この2つの貫通孔12aと12bとが連通した状態で位置するようになっている(図3)。
【0018】
本発明によれば、ガスがチャンバ9から第2の孔12bに向けて流れるように、ポリマー材料8bとチューブ3の内壁との間には経路14を構成する。
【0019】
図示した例では、バルブ1は、段部6の下からシャフトの下部に向かってシャフト5周りに構成された別のばね15を備えている。このばねの機能は、ヘッド部に戻り力を印加してヘッド部が軸方向に動くのを防止することである。この機能を実現するために、スラストボールベアリングなどの他の非弾性手段を検討してもよい。さらに、本発明によれば、ヘッド部が開位置と閉位置との間で軸A周りに角度を成して動くのを、ストッパー(図示せず)を用いて制限することが可能である。
【0020】
ポリマー材料は、ばねに繰り返し圧縮された後でそのシーリング機能を持続的に果たすのに十分な弾性があるように作製される。例えば、材料の選択は、ポリウレタン、特にAsutane(登録商標)(スウォッチグループR&Dのポリマー部門の材料)、エラストマー(NBRなど)、熱可塑性樹脂(PEEK、PAなど)、熱硬化性樹脂または例えば繊維もしくはナノ粒子(例えば炭素、セルロースなど)で強化したその他の複合材料に傾く可能性がある。本発明によれば、ポリマー材料で作製されたシリンダをチューブの中に押し込み、シャフトをシリンダの中に押し込むことができる。
【0021】
図1図4は、本発明によるバルブの動作を示している。図1および図2では、ヘッド部2は閉位置にある。すなわち2つの孔12a、12bは、シャフト5に設けられた凹部13と対面していない。時計ケースの内部(圧力P2)と外部環境との間に圧力差がない場合(圧力P1=P2)、ガスケット7は段部6に対して圧縮され、バルブは完全にシールされる(図1)。時計ケースの内部に過剰圧力がある場合(P2>P1)、ヘリウムの圧力がガスケット7を持ち上げるため、ガスケット7は有効ではなくなる(図2)。それにもかかわらず、バルブのシーリングはポリマー材料8によって実現される。
【0022】
ヘッド部を軸A周りに360°未満の所与の角度、図3および図4に示した例では180°回転させると、ヘッド部は開位置に位置する。開位置では、凹部13は、孔12a、12bの一方の端部と対向して位置し、ケースの内部と外部が流体連通した状態になる。内圧が外圧と等しければ(P1=P2)、ガスケット7は、支持ストッパー6に対して圧縮された状態になり、その結果バルブはシールされた状態になる(図3)。逆に、第1のばね10の戻り力を打ち消すのに十分な所定値だけ内圧が外圧(P2>P1)を超えたとき、ガスケット7も作動しなくなり、それによってガスは時計ケースの外側に排出されて圧力の均衡を保つことが可能になる(図4)。ガスは、バルブの下部からチューブ3とシャフト5との間の隙間を通って流れ、チャンバ9、経路14、第2の孔12b、凹部13、第1の孔12aおよびチューブ3の外壁とヘッド部2の内壁との間の間隙19を順に通って、最終的には時計ケース4の外部に放出される。
【0023】
本発明によるバルブのその他の構成を検討してもよい。例えば、ポリマー材料に単一の貫通孔を設け、ヘッド部が開位置にあるときにばねを収容しているチャンバが貫通孔と直接連通している状態になる凹部をシャフトに設けることが可能である。したがって、本発明の範囲を逸脱しないかぎり、複数の構成が可能である。
【0024】
この点で、図5および図6は、バルブヘッド部の回転に従って孔を互いに対向させて位置付けるという同じ原理に基づく、本発明によるバルブ1の一変形例を示している。この変形例では、1つまたは複数の孔12が設けられた例えばセラミック製の第1のディスク16がヘッド部2の下に配置され、シャフト5と一体化している。第1のディスク16の下には、例えばセラミック製の第2のディスク17が配置され、第2のディスク17は、チューブ3に固定されてこのチューブと一体化している。この第2のディスク17にも1つ以上の孔12が設けられ、この孔は、ヘッド部2が開位置に動いた時点で第1のディスク16の孔と対向して位置するようになっている。図示した例では、孔12は、各ディスク16、17を通り抜け、ヘッド部2と第1のディスク16との間の間隙を通ってガスを排出させる。図示していない他の構成を検討してもよく、例えば湾曲した孔が第1のディスクを貫通し、チューブの外壁と中空ヘッド部の内壁との間の間隙にガスを横側に排出させてもよい。同じく、シャフトと一体化した第1のディスクを固定した第2のディスクの下に配置することもできる。2つのディスク16、17の間にGore−Tex(登録商標)膜などの多孔性膜18を配置してヘッド部が開位置にあるときにバルブを防水にすることが好ましい。
【符号の説明】
【0025】
(1)バルブ
(2)ヘッド部
(3)チューブ
(4)時計ケース
(5)シャフト
(6)段部
(7)ガスケット
(8)ポリマー材料
(a)第1の空間のポリマー材料
(b)第2の空間のポリマー材料
(9)チャンバ
(10)ばね
(11)リング
(12)孔
(a)第1の孔
(b)第2の孔
(13)シャフトの凹部
(14)経路
(15)他方のばね
(16)第1のディスク
(17)第2のディスク
(18)膜
(19)間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6