(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
図柄を変動/確定表示可能な図柄表示部と、各種表示演出を行うための演出用表示部とが設けられているとともに、遊技に係る動作及び前記図柄表示部における表示動作を制御するメイン制御手段と、前記演出用表示部における表示動作を制御するサブ制御手段とを備えており、
前記メイン制御手段は、所定条件の充足にもとづいて1又は複数の乱数から数値を取得すると、取得した数値にもとづいて前記図柄の確定表示態様と前記図柄の変動時間を含む基本変動パターンとを決定し、前記図柄表示部において前記図柄の変動を開始させ、前記変動時間の経過に伴い前記図柄を所定の確定表示態様で確定表示させる一方、
前記数値の取得に応じて、取得した前記数値を所定数まで保留情報として記憶するとともに、前記図柄を確定表示したことにもとづいて、所定の順序にしたがい前記保留情報を消化し、さらに、前記保留情報の記憶に伴い、少なくとも当該保留情報を消化する際の前記図柄の確定表示態様がどのような確定表示態様となるかを含んだ事前判定を行い、当該事前判定の結果に係る情報を含んだ予定情報を前記サブ制御手段に送信しており、
前記サブ制御手段は、前記予定情報を受信すると、前記演出用表示部に保留表示体を追加する遊技機であって、
前記サブ制御手段に、所定の方法で数値を作成する乱数作成部と、前記乱数作成部が作成した数値を格納する複数の格納部からなる乱数格納部とが設けられており、
前記サブ制御手段は、所定の順序にしたがって1の前記格納部を選択し、当該格納部に格納されている数値を更新する一方、
前記予定情報を受信すると、前記乱数格納部から所定数の前記格納部を選択して、当該選択した前記格納部から数値を取得し、取得した数値にもとづいて追加する前記保留表示体に係る表示演出を決定することを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0014】
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、
図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、
図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を保持してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
【0015】
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄を表示したり、後述するようなメッセージ予告演出やキャラクター演出等の表示演出を実行したりするための演出用表示部6が設けられている。さらに、演出用表示部6を囲むように種々の電動役物を備えたセンター部材26が設置されており、該センター部材26の左方には、遊技球が通過可能なゲート部材20が設けられている。加えて、遊技領域16におけるセンター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19と、一対の翼片を開閉動作可能に備えたチューリップ式電動役物17と、開閉可能な扉部材を有する大入賞装置18とが設置されている。一方、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、特別図柄を表示するための7セグメント表示器からなる特別図柄表示部61が設けられている。なお、遊技領域16の略全面には、多数の遊技釘が植設されている。さらに、特別図柄表示部61は、前扉4を閉塞したとしても、前扉4の前方にいる遊技者から視認可能な位置に設けられている。
【0016】
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
【0017】
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置30(
図4に示す)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(
図4に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(
図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(
図4に示す)、及び表示制御装置50や音制御装置52等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(
図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
【0018】
次に、パチンコ機1の制御機構について、
図4をもとに説明する。
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口19やチューリップ式電動役物17、大入賞装置18、ゲート部材20、及び特別図柄表示部61等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。なお、
図4では省略しているが、メイン制御基板31は、払出制御装置28や電源装置29等ともインターフェイス35を介して接続されている。
【0019】
記憶手段33には、チューリップ式電動役物17を開動作させるか否かの開放抽選に使用するaカウンタ、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、特別図柄表示部61における特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、及び主に特別図柄や装飾図柄の変動時間である基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜10(11通り)の間を、cカウンタは0〜300(301通り)の間を、dカウンタは0〜4(5通り)の間を、及びeカウンタは0〜99(100通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球のゲート部材20の通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得するとともに、遊技球の始動入賞口19やチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。
【0020】
また、記憶手段33には、特別図柄表示部61に表示する特別図柄、
図5に示す如くdカウンタの数値と特別図柄の確定表示態様とを対応づけた確定表示態様決定テーブルと、
図6に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブルとが記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄及び装飾図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段33には、たとえば特別図柄表示部61において特別図柄が変動表示中に始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17とを区別した状態で夫々最大4つまで(合計8つまで)記憶する保留情報記憶領域36が設けられている。加えて、記憶手段33には、保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域37が設けられている。尚、保留情報は、特別図柄及び装飾図柄が確定表示される度に所定の順番(パチンコ機1では、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづく保留情報を、始動入賞口19への入賞にもとづく保留情報よりも優先して消化する)で順次大当たり判定用記憶領域37へ移行されて消化され、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
【0021】
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や、演出用表示部6における装飾図柄の表示動作、及びメッセージ予告演出やキャラクター演出といった表示演出に係る動作等を制御するようになっている。
【0022】
また、記憶手段43には、演出用表示部6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、装飾図柄の詳細な変動表示態様やキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域46とが設けられており、種々の詳細変動パターンが
図7に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段43には、メイン制御基板31から送信されてくる後述するような予定情報を記憶するための予定情報記憶領域47が設けられている。
【0023】
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ入賞すると、当該入賞がメインCPU32により検出される(所定条件の充足)。すると、メインCPU32は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域36に記憶するとともに、遊技状態毎に設定されている大当たり判定用テーブルを参照して今回cカウンタから取得した数値が所定の「大当たり数値(たとえば通常状態の大当たり判定用テーブルでは、“100”の1通りとなっており、高確率状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”、“50”、“100”、“150”、“200”、“250”、“300”の7通りとなっている)」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否か)、当該「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値にもとづく特別図柄の確定表示態様(「大当たり」である場合には「大当たり」の種別)、及び「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのeカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンがどうなるかを、後述する大当たり判定よりも事前に事前判定として一旦判定する。さらに、メインCPU32は、当該事前判定の結果、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞に伴う保留情報であるのか、及び何個目の保留情報にもとづくものであるのかを含んだ予定情報を作成し、サブ統合CPU42へ送信する。
【0024】
また、メインCPU32は、特別図柄表示部61において図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、図柄を確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(ここでは最も以前に記憶した保留情報)を大当たり判定用記憶領域37へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、当該保留情報に係るcカウンタからの取得数値が上記所定の「大当たり数値」であるか否か、つまり大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか、それとも「はずれ」であるかを判定する。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、dカウンタからの取得数値を
図5(b)に示す確定表示態様決定テーブルに対応させて特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、
図6(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、dカウンタからの取得数値を
図5(a)に示す確定表示態様決定テーブルに対応させて特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、
図6(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
【0025】
その後、メインCPU32は、大当たり抽選の結果(「大当たり」であるか「はずれ」であるか)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へ送信する。また、特別図柄表示部61において特別図柄を所定の態様で変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値にもとづく確定表示態様で特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。なお、確定表示する特別図柄については、たとえば、大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”〜“2”である場合には、「確変大当たり」として特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別な確定表示態様)である『7』で、「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“3”か“4”である場合には、「非確変大当たり」として非特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別な確定表示態様)である『2』で夫々確定表示させる。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である場合には、はずれ確定表示態様である『−』で確定表示させる。
【0026】
さらに、メインCPU32は、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記特別図柄の特別な確定表示態様での確定表示後、特別遊技状態である大当たり状態の開始を報知する開始デモ、大入賞装置18の所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させ、開成した大入賞装置18に遊技球が入賞すると、始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。
【0027】
また、メインCPU32は、「確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」(種別には依らない)となるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が上述の如く向上した高確率状態を生起させるとともに、チューリップ式電動役物17が開状態となりやすく、且つ、チューリップ式電動役物17が長時間にわたり開状態となるサポート状態を生起させる。
一方、「非確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから、特別図柄が特定回数(たとえば100回)だけ確定表示されるまでに限り、チューリップ式電動役物17が開状態となりやすく、且つ、チューリップ式電動役物17が長時間にわたり開状態となるサポート状態を生起させる。
【0028】
なお、チューリップ式電動役物17の開閉動作もメインCPU32で制御しており、遊技球がゲート部材20を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得する(開放抽選を行う)とともに、aカウンタからの取得数値が所定の「開放数値(たとえばサポート状態が生起していると“0”〜“9”の10通り、サポート状態が生起していないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「開放数値」である、すなわち開放抽選の結果が「当選」であると、チューリップ式電動役物17を閉状態から開状態へ所定の態様で作動させる。このとき、サポート状態が生起していると、たとえばサポート状態が生起していない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させる。また、サポート状態が生起していないと、たとえばサポート状態が生起している場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない等の通常開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させる。一方、aカウンタからの取得数値が「開放数値」でない、すなわち開放抽選の結果が「はずれ」であると、チューリップ式電動役物17を閉状態のまま作動させない。また、チューリップ式電動役物17の作動中等に遊技球がゲート部材20を通過した場合は、上記保留情報と同様、当該通過のタイミングで取得したaカウンタの数値を所定個数まで記憶手段33に記憶するとともに、チューリップ式電動役物17の作動が終了する度に記憶した順で開放抽選の結果の確認等を実行するようになっている。
【0029】
一方、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると予定情報記憶領域47へ記憶するとともに、後述の如くして決定した保留表示体を演出用表示部6に表示する。また、開始コマンドを受信すると、演出用表示部6に保留表示体を表示している場合には、受信した開始コマンドに対応する保留表示体を演出用表示部6から所定の表示態様で消去するとともに、該開始コマンドに対応する予定情報を予定情報記憶領域47から削除する。さらに、受信した開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報に応じて最終的に確定表示する装飾図柄の表示態様を決定する。さらにまた、基本変動パターンに係る情報に対応する詳細変動パターンの中から1つの詳細変動パターンを後述の如くして決定して変動パターン記憶領域46から読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6における装飾図柄を変動表示させるとともに、所定のタイミングでメッセージ予告演出等を実行する。
【0030】
そして、停止コマンドの受信に伴い、上記決定した表示態様で装飾図柄を演出用表示部6に確定表示させる。つまり、大当たり抽選の結果が「確変大当たり」であると、同一の特別な装飾図柄を3つ並べる特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“7・7・7”や“3・3・3”)で確定表示させ、大当たり抽選の結果が「非確変大当たり」であると、特別な装飾図柄以外の同一な装飾図柄を3つ並べる非特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“2・2・2”や“4・4・4”)で確定表示させる。また、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、3つのうち少なくとも1つの装飾図柄が他の2つの装飾図柄とは異なるはずれ装飾図柄表示態様(たとえば“1・2・3”)で確定表示させる。なお、読み出した予定情報については、予定情報記憶領域47から消去する。
【0031】
また、サブ統合CPU42は、大当たり状態を生起させるにあたり、たとえば開始デモ中には、演出用表示部6を利用して大当たり状態の開始を報知し、大入賞装置18の開成が開始されると、「大当たり」の種別等に対応した演出用表示部6での表示演出を記憶手段43から読み出し、演出用表示部6での表示動作を制御する。また、終了デモになると、演出用表示部6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。
【0032】
ここで、遊技者によるパチンコ機1での遊技を一般的な流れに沿って説明すると、遊技者はサポート状態が生起していない通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う。そして、入賞した遊技球による大当たり抽選の結果が「大当たり」となり、大当たり状態が生起すると、断続的に開成する大入賞装置18への遊技球の入賞を狙う。また、大当たり状態の終了後、サポート状態が生起している間は、ゲート部材20への遊技球の通過、及びサポート状態にあって頻繁に開状態となるチューリップ式電動役物17への遊技球の入賞を狙う。そして、「非確変大当たり」に起因して生起した大当たり状態の終了後、大当たり抽選の結果が「大当たり」とならないまま特別図柄の確定表示回数が特定回数に達すると、サポート状態が終了するため、再び始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う遊技へと戻る。
【0033】
(サブ制御装置における制御についての説明)
ここで、本発明の要部となるサブ制御装置40での制御について、
図8〜
図22をもとに説明する。
サブ制御装置40の記憶手段43には、1ms毎に所定の数値の間を1ずつ加算しながらループカウントする時間確認用カウンタが内蔵されている。そして、サブ統合CPU42は、1msが経過するたびに
図8に示すような制御を実行する。すなわち、たとえばセンター部材26に備えられた電動役物等のモータ動作制御に係るモータプログラムを実行する(S1)とともに、時間確認用カウンタの数値を更新する(S2)。また、サブ統合CPU42は、時間確認用カウンタの数値を更新すると、
図9に示すような制御を実行する。すなわち、まず時間確認用カウンタの数値を確認し、数値が変更されているか否かを判断する(S11)。そして、時間確認用カウンタの数値が変更されている(S11でYESと判断する)と、たとえば後述するような表示演出の決定等といったサブプログラムを実行する(S12)。また、スピーカ14、14からの報音制御に係る音プログラムを実行する(S13)とともに、ランプ部材15、15・・の点灯制御に係るランププログラムを実行する(S14)。そして最後に、後述する乱数格納部48に格納されている乱数更新処理を実行する(S15)とS11へ戻る。一方、このS12〜S15までの一連の制御に係る時間は、1msに満たないようになっており、S11へ戻って時間確認用カウンタの数値を確認した結果、数値は変更されていないと判断する(S11でNOと判断する)こともある。そして、その場合にはS15へ進み、乱数格納部48に格納されている乱数更新処理を実行する(S15)。このようにサブ統合CPU42は、1ms毎にS1、S2、及びS12〜S14(これらの処理をメインループ処理と称す)を1回実行するとともに、その後1msが経過するまでは乱数更新処理を繰り返し実行することになる。
【0034】
ここで、S15で実行する乱数更新処理について説明する。
サブ制御装置40の記憶手段43には、たとえば表示演出を決定する際の抽選等に使用する乱数格納部48が設けられている。乱数格納部48は、
図10に示すような第0格納部〜第126格納部までの計127個の格納部からなり、各格納部には夫々16ビットの数値を格納可能となっている。そして、サブ統合CPU42は、乱数更新処理を実行するにあたり、Xorshift法で作成した数値を10000で割った余り(したがって、0000〜9999までの何れかの数値となる)を、第0格納部〜第126格納部のうちの何れか1つの格納部へ格納する(すでに数値が格納されていると、格納されている数値を更新する)。
【0035】
また、上記数値の格納にあたり、どの格納部へ数値を格納するかについて説明すると、サブ統合CPU42は、所定の格納パターンにしたがって数値を格納する格納部を決定している。そして、この格納パターンとしては、
図11に示す如くパターン1〜パターン6の6種類設定されている。パターン1は、第X格納部へ数値を格納すると次は第X+1格納部へ数値を格納し、第126格納部へ数値を格納すると次は第0格納部へループして数値を格納するという格納パターンである。パターン2は、第X格納部へ数値を格納すると次は第X+2格納部へ数値を格納し、第126格納部へ数値を格納すると次は第1格納部へ、第125格納部へ数値を格納すると次は第0格納部へ夫々ループして数値を格納するという格納パターンである。パターン3は、第X格納部へ数値を格納すると次は第X+3格納部へ数値を格納し、X+3>126になるとパターン2の如く、第126格納部へ数値を格納すると次は第2格納部へ、第125格納部へ数値を格納すると次は第1格納部へ、第124格納部へ数値を格納すると次は第0格納部へ夫々ループして数値を格納するという格納パターンである。パターン4は、第X格納部へ数値を格納すると次は第X+5格納部へ数値を格納し、X+5>126になるとパターン2やパターン3の如くループして対応する格納部へ数値を格納するという格納パターンである。パターン5は、第X格納部へ数値を格納すると次は第X+7格納部へ数値を格納し、X+7>126になるとパターン2やパターン3の如くループして対応する格納部へ数値を格納するという格納パターンである。パターン6は、第X格納部へ数値を格納すると次は第X+11格納部へ数値を格納し、X+11>126になるとパターン2やパターン3の如くループして対応する格納部へ数値を格納するという格納パターンである。さらに、サブ統合CPU42は、メイン制御装置30からの予定情報の受信に応じて格納パターンを変更する。すなわち、1ms単位での上記一連の制御中に予定情報を受信すると、次のサブプログラムの実行において格納パターンを変更する。この変更に関しては、パターン1であるとパターン2へ、パターン2であるとパターン3へと、パターン3であるとパターン4へと1つずつ順に変更し、パターン6であると再びパターン1へ復帰するようになっている。そして、サブ統合CPU42は、電源投入後まずはパターン1で第0格納部から順に数値を格納し、予定情報の受信に応じて格納パターンをパターン1からパターン2へ変更し、次に数値を格納するに際しては、格納パターンを変更する直前に格納した格納部の番号をXとして次に数値を格納する格納部(第X+2格納部)を定め、当該第X+2格納部へ数値を格納する。すなわち、たとえば第113格納部へ数値を格納した時点でパターン2へ変更されたとすると、次の格納のタイミングでは第115格納部へ数値を格納する。
【0036】
さらに、サブ制御装置40では、乱数格納部48に格納されている数値を、メイン制御装置30からの開始コマンドの受信に応じた演出用表示部6での表示演出の決定に使用する。
図12(a)、(b)にもとづき具体的に説明すると、サブ統合CPU42は、開始コマンドを受信し当該開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報を参照した際、大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンの種類が基本変動パターンDであると第0格納部に格納されている数値を取得し(抽選1)、当該数値を
図13に示す詳細変動パターン決定テーブルに対応させて詳細変動パターンの大区分を決定するとともに、第1格納部に格納されている数値を取得し(抽選2)、当該数値を
図14に示すチャンスアップテーブルに対応させて詳細変動パターンの小区分を決定する。また、第2格納部に格納されている数値を取得し(抽選3)、当該数値を
図15に示す確定表示態様テーブルに対応させて、特別図柄の確定表示時に演出用表示部6で確定表示する装飾図柄の確定表示態様を決定する。さらに、第3格納部に格納されている数値を取得し(抽選4)、当該数値を
図16に示すメッセージ予告演出決定テーブルに対応させて、装飾図柄の変動表示中にメッセージ予告演出を実行するか否かを決定する。そして、メッセージ予告演出を実行すると決定した場合(
図12(a))には、第4格納部に格納されている数値を取得し(抽選5)、当該数値を
図17に示すメッセージ予告演出内容テーブルに対応させて、どのメッセージ予告演出を実行するかを決定する。また、第5格納部に格納されている数値を取得し(抽選6)、当該数値を
図18に示すステップアップ予告演出決定テーブルに対応させて、装飾図柄の変動表示中にステップアップ予告演出を実行するか否かを決定する。そして、ステップアップ予告演出を実行すると決定すると、第6格納部に格納されている数値を取得し(抽選7)、当該数値を
図19に示すステップアップ予告演出内容テーブルに対応させて、どのステップアップ予告演出を実行するかを決定する。一方、第3格納部に格納されている数値を取得し(抽選4)、当該数値を
図16に示すメッセージ予告演出決定テーブルに対応させた結果、メッセージ予告演出を実行しないと決定する(
図12(b))と、第4格納部に格納されている数値を取得し(抽選5)、当該数値を
図18に示すステップアップ予告演出決定テーブルに対応させて、装飾図柄の変動表示中にステップアップ予告演出を実行するか否かを決定する。そして、ステップアップ予告演出を実行すると決定すると、第5格納部に格納されている数値を取得し(抽選6)、当該数値を
図19に示すステップアップ予告演出内容テーブルに対応させて、どのステップアップ予告演出を実行するかを決定する。
【0037】
なお、詳細変動パターンの大区分とは、キャラクターA、キャラクターB、キャラクターCの何れかが登場する動画を利用したスーパーリーチにおける演出用表示部6での表示演出である。そして、サブ統合CPU42は、数値が0000〜3999の何れかであるとキャラクターAが登場する表示演出を、4000〜7999の何れかであるとキャラクターBが登場する表示演出を、8000〜9999の何れかであるとキャラクターCが登場する表示演出を夫々選択する。また、詳細変動パターンの小区分とは、上記スーパーリーチにおける所謂リーチ確定後に所定の画像をカットインさせるという表示演出である。そして、サブ統合CPU42は、数値が0000〜5999の何れかであるとカットイン無し、6000〜8999の何れかであると赤枠で囲まれた画像をカットイン、9000〜9999の何れかであると金枠で囲まれた画像をカットインさせるという制御を夫々実行する。さらに、装飾図柄の確定表示態様は、左図柄と右図柄とが同一の数字を付された図柄で、中図柄が左図柄及び右図柄よりも1つ数の少ない数字を付された図柄(左図柄及び右図柄が「1」の場合には「9」)となるように設定されている。そして、サブ統合CPU42は、数値が0000〜0999の何れかであると左図柄及び右図柄を「1」で、1000〜2444の何れかであると左図柄及び右図柄を「2」で、2500〜2999の何れかであると左図柄及び右図柄を「3」で、3000〜3999の何れかであると左図柄及び右図柄を「4」で、4000〜4999の何れかであると左図柄及び右図柄を「5」で、5000〜6444の何れかであると左図柄及び右図柄を「6」で、6500〜6999の何れかであると左図柄及び右図柄を「7」で、7000〜7999の何れかであると左図柄及び右図柄を「8」で、8000〜9999の何れかであると左図柄及び右図柄を「9」で夫々確定表示させる。
【0038】
また、メッセージ予告演出とは、装飾図柄の変動表示中に所定のメッセージ表示を演出用表示部6に表示させるという表示演出である。そして、サブ統合CPU42は、数値が0000〜4999の何れかであるとメッセージ予告演出を実行すると決定し、5000〜9999の何れかであると、メッセージ予告演出を実行しないと決定する。また、サブ統合CPU42は、メッセージ予告演出を実行するにあたり、数値が0000〜6999の何れかであると「。。。」というメッセージ表示を、7000〜8999の何れかであると「チャンス」というメッセージ表示を、9000〜9999の何れかであると「激熱」というメッセージ表示を夫々演出用表示部6に表示させる。さらに、ステップアップ予告演出とは、装飾図柄の変動開始時に枠に囲まれた画像を表示するものであって、ステップアップ1であると小型の枠に囲まれた画像を、ステップアップ2であると小型の枠に囲まれた画像を表示した後、その画像に重ねるようにして中型の枠に囲まれた画像を、ステップアップ3であると小型及び中型の枠に囲まれた画像を順に表示した後、両画像に重ねるようにして大型の枠に囲まれた画像を夫々表示するようになっている。そして、サブ統合CPU42は、数値が0000〜4999の何れかであるとステップアップ予告演出を実行すると決定し、5000〜9999の何れかであると、ステップアップ予告演出を実行しないと決定する。また、サブ統合CPU42は、ステップアップ予告演出を実行するにあたり、数値が0000〜6999の何れかであるとステップアップ1を、7000〜8999の何れかであるとステップアップ2を、9000〜9999の何れかであるとステップアップ3を夫々実行する。
【0039】
以上のように、サブ制御装置40では、乱数格納部48に格納されている数値を用いて演出用表示部6での表示演出を決定する。そして、この乱数格納部48からの数値の取得は、乱数格納部48における各格納部の数値が上述の如く極めて短時間の間に更新されていることから、メイン制御装置30で実行する大当たり抽選同様に乱数からの数値の取得、すなわち抽選を実行しているとみなすことができる。したがって、サブ制御装置40では、開始コマンドを受信すると、サブプログラムの実行(S12)中に詳細変動パターンの大区分及び小区分、装飾図柄の確定表示態様、メッセージ予告演出の実行の可否、実行する場合にはその内容、ステップアップ予告演出の実行の可否、及び実行する場合にはその内容といった最大7つの抽選(抽選1〜抽選7)を実行することになる。なお、サブ制御装置40は、開始コマンドを受信する度に第0格納部から順に数値を取得する。また、1度のサブプログラムの実行中に1つか抽選しない場合もあれば、複数抽選する場合もある(たとえば、抽選1〜抽選3までは1度のサブプログラムの実行中に処理し、抽選4については次のサブプログラムの実行中に、抽選4については更に次のサブプログラム実行中に夫々処理する等)。
【0040】
また、サブ制御装置40では、乱数格納部48に格納されている数値を、メイン制御装置30からの予定情報の受信に応じた演出用表示部6での保留表示体を用いた表示演出の決定に使用する。
図12(c)にもとづき具体的に説明すると、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると第0格納部に格納されている数値を取得し(抽選1)、当該数値を
図20に示す保留変化決定テーブルに対応させて、保留表示体を変化させる変化演出を実行するか否かを決定する。そして、変化演出を実行すると決定すると、第1格納部に格納されている数値を取得し(抽選2)、当該数値を
図21に示す変化演出内容テーブルに対応させて、どの変化演出を実行するかを決定する。また、第2格納部に格納されている数値を取得し(抽選3)、当該数値を
図22に示す保留表示体テーブルに対応させて、どの保留表示体に変化させるかを決定する。
【0041】
なお、保留表示体の変化演出とは、演出用表示部6に通常の保留表示体(白色)を追加後、キャラクターa〜キャラクターcの何れかを登場させて今回追加した通常の保留表示体を第1特殊保留表示体(青色)若しくは第2特殊保留表示体(赤色)へ変化させるというものである。そして、サブ統合CPU42は、数値が0000〜4999の何れかであると変化演出を実行すると決定し、5000〜9999の何れかであると、変化演出を実行しないと決定する。また、サブ統合CPU42は、変化演出を実行するにあたり、数値が0000〜3999の何れかであるとキャラクターaが登場する変化演出を、4000〜7999の何れかであるとキャラクターbが登場する変化演出を、8000〜9999の何れかであるとキャラクターcが登場する変化演出を夫々選択する。さらに、サブ統合CPU42は、変化演出を実行するにあたり、数値が0000〜6999の何れかであると第1特殊保留表示体に、7000〜9999の何れかであると第2特殊保留表示体に夫々変化させる。
【0042】
以上のように、サブ制御装置40では、乱数格納部48に格納されている数値を用いて演出用表示部6での保留表示体を用いた表示演出についても決定する。すなわち、サブ制御装置40では、予定情報を受信すると、サブプログラムの実行(S12)中に変化演出の実行の可否、実行する場合にはその内容、及び変化後の保留表示体の種類といった最大3つの抽選(抽選1〜抽選3)を実行する。なお、当該抽選についても、サブ制御装置40は、予定情報を受信する度に第0格納部から順に数値を取得する。また、上述した開始コマンドの受信に係る抽選中に予定情報を受信した場合には、開始コマンドの受信に係る抽選の終了後に予定情報の受信に係る抽選を実行する。反対に、予定情報の受信に係る抽選の実行中に開始コマンドを受信した場合には、予定情報に係る抽選の終了後に開始コマンドの受信に係る抽選を実行する。
【0043】
(本実施形態のパチンコ機による効果)
上述したような構成を有するパチンコ機1によれば、サブ制御装置40の記憶手段43に、夫々32ビットの数値を1つ格納する計127個の格納部からなる乱数格納部48を設け、サブ統合CPU42がパターン1〜パターン6の何れかの格納パターンにしたがって各格納部内の数値を更新する。そして、サブ制御装置40では、メイン制御装置30から開始コマンドを受信すると、該開始コマンドの受信に伴う演出用表示部6での表示演出の決定に係る種々の抽選を、抽選毎に1つの格納部から数値を取得するといった態様で行う。したがって、抽選毎にカウンタを設けていた従来のパチンコ機と比較すると、カウンタに相当する構成要素が1つで済み、サブ統合CPU42にかかる負荷等を軽減することができる。また、全ての抽選で使用する乱数の大きさが同じとなるにも拘わらず、抽選結果同士(すなわち演出同士)が意図せずして同期してしまう事態を抑制することができる。一方、乱数の大きさを同じとしているが故、抽選結果同士に関連を持たせたい場合の振り分けを容易に行うことができる。
【0044】
また、サブ制御装置40では、開始コマンドの受信に伴う演出用表示部6での表示演出の抽選のみならず、予定情報の受信に伴う保留表示体の表示演出の抽選についても乱数格納部48を用いて行う。したがって、より多くの抽選を乱数格納部48で対応することができ、サブ統合CPU42にかかる負荷を一層軽減することができる。
さらに、サブ制御装置40では、第N番目の抽選について第M番目の格納部に格納されている数値を使用すると、第N+1番目の抽選については第M+1番目の格納部に格納されている数値を使用する。したがって、抽選毎に使用する格納部を予め割り当てたりする必要がなく、簡易な制御で抽選を実行することができる。
【0045】
さらにまた、サブ統合CPU42は、単位時間毎に繰り返し実行するメインループ処理の実行後、余った時間を利用して乱数を作成し、各格納部へ乱数を格納する。したがって、乱数の作成や格納を効率良く行うことができる。
加えて、サブ制御装置40では、予定情報の受信を条件として、乱数格納部48において乱数を格納する格納部の順序(すなわち格納パターン)を変更する。したがって、乱数格納部48での乱数の並びがループしてしまう事態を抑制することができる。
【0046】
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、乱数更新処理や乱数格納部を使用する際の制御等に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0047】
たとえば上記実施形態では、乱数格納部における格納部の数を127としているが、格納部の数を128以上としてもよいし、126以下としても何ら問題はない。また、格納パターンとして6パターン設定しているが、7パターン以上設定してもよいし、5パターン以下であってもよい。そして、言うまでもなく、格納パターンの内容についても、実施形態として記載したものに限定されることはない。
また、上記実施形態では、Xorshift法で作成した数値を10000で割った余りを格納部へ格納するとしているが、他の方法で作成した数値を格納部へ格納しても何ら問題はない。
【0048】
さらに、上記実施形態では、予定情報の受信を条件として格納パターンを変更するとしているが、開始コマンドの受信や終了コマンドの受信、開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果等、予定情報の受信以外の条件により格納パターンを変更するように構成することも可能である。
さらにまた、メインループ処理についても、上記処理以外の処理を含んでいたとしても何ら問題はない。
【0049】
またさらに、実施形態では、開始コマンドの受信及び予定情報の受信に応じて乱数格納部を使用するとしているが、大当たり状態を生起させる際や電動役物を作動させる際等に乱数格納部を使用して各種抽選を行うことも当然可能である。
また、開始コマンドを受信した際や予定情報を受信した際に、どのような抽選を実行するかについても上記実施形態のものに限定されることはない。
【0050】
さらに、各種テーブルにおける数値の振分態様についても、上記実施形態のものに限定されることはない。
加えて、上記実施形態では、開始コマンドを受信したり予定情報を受信した際に抽選をするにあたり、必ず第0格納部から順に数値を取得するとしているが、前回使用した格納部の次の格納部から数値を取得する(たとえば、前回第6格納部まで使用したとすると、次の予定情報の受信時における抽選1は第7格納部から数値を取得することによって行う等)ように構成することも可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、メイン制御装置からサブ制御装置へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御装置のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
さらに、特別図柄表示部を演出用表示部内や遊技領域内、センター部材等の他の位置に設けることも可能である。加えて、基本変動パターン決定テーブルに関し、eカウンタの数値との対応関係や基本変動パターンの内容が異なる複数種類の基本変動パターン決定テーブルを設定し、保留情報の数や遊技状態に応じて対応させる基本変動パターン決定テーブルを異ならせるように構成することも勿論可能である。
【0052】
さらにまた、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
またさらに、大当たり状態の終了後、サポート状態とともに所謂時短状態を生起させるように構成することも当然可能である。
【0053】
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、メイン制御手段やサブ制御手段、図柄表示部、演出用表示部等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。