(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6534275
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】骨砕補エキス組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/12 20060101AFI20190617BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20190617BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20190617BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20190617BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20190617BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20190617BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20190617BHJP
A23L 35/00 20160101ALI20190617BHJP
【FI】
A61K36/12
A61K47/36
A61K47/34
A61K47/24
A61K9/08
A61K9/19
A61K9/06
A23L35/00
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-63647(P2015-63647)
(22)【出願日】2015年3月26日
(65)【公開番号】特開2016-183123(P2016-183123A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】592007612
【氏名又は名称】横浜油脂工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516067140
【氏名又は名称】BGG Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108143
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋崎 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 達也
【審査官】
金子 亜希
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−057587(JP,A)
【文献】
特開2002−128703(JP,A)
【文献】
特開平02−223526(JP,A)
【文献】
特開2004−091392(JP,A)
【文献】
特開2003−206242(JP,A)
【文献】
特開昭60−190723(JP,A)
【文献】
日本油化学会誌,1999年,Vol.48 No.11,pp.1275-1280
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/12
A23L 35/00
A61K 9/06
A61K 9/08
A61K 9/19
A61K 47/24
A61K 47/34
A61K 47/36
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(a)及び(b)を含有することを特徴とする骨砕補エキス組成物。
(a)骨砕補エキス
(b)アラビアガム、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル及びレシチンから選択される1種又は2種以上
【請求項2】
前記骨砕補エキス組成物の総量に対して、前記(b)成分の含有量が、5〜99 質量%である請求項1に記載の骨砕補エキス組成物。
【請求項3】
水に溶解したときに、透明感のある外観を呈する請求項1又は2に記載の骨砕補エキス組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨砕補エキス組成物を添加してなる医薬品、医薬部外品又は飲食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨砕補エキス組成物に関し、詳しくは、容易に水に溶解することができ、長期間にわたって沈殿の生成を抑制し、安定した溶解状態を保つことができる骨砕補エキス組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
骨砕補は、砕補、骨砕などの名称でも知られ、中国南部や台湾などに自生するウラボシ科(Polypodiacea)のハカマウラボシ(Drynaria fortunei)などの根茎を乾燥したものである。骨砕補は、中国において補腎、活血、止血、筋や骨の修復などを目的として古くから用いられている生薬であり、現在でも台湾、香港等の市場で容易に入手することができる。骨砕補の臨床的効果としては、骨損傷回復の促進や骨粗鬆症の改善(骨密度の改善)、抗炎症作用、歯の成長促進などが報告されている。
【0003】
骨砕補に含まれる成分は、完全に解明されているわけではないが、フラボノイド、リグノイド及びトリテルペノイドを主要成分としており、特に、フラボノイドが主な活性成分とされている。骨砕補に含まれる具体的な成分としては、ナリンジン(ナリンギンともいう。)、ネオエリオシトリン、ケンプフェロール、ホパ−21−エン、ナリンゲニン、フェルナ−7−エン、β−シトステロール、スチグマステロール、四環性トリテルペノイドなどが報告されており、これら多成分の複合作用により骨砕補の機能が発揮されると考えられる。
【0004】
我が国で使用される漢方・生薬製剤はその多くがエキス製剤である。骨砕補についても、骨砕補から抽出した骨砕補抽出液を濃縮、微粒化して乾燥粉末とした骨砕補エキス粉末が主として中国で生産されている。なお、現在市場を形成するエキス製剤の剤形には、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、及びカプセル剤がある。
【0005】
ところで、近年、年齢を重ねるにつれて、骨や関節、筋肉などの運動器の機能が低下して、介護が必要となる状態である「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」を予防することにより、いわゆる健康寿命を延ばすことが提唱されている。骨砕補は前述したように、筋や骨の修復などの機能を持つとされていることから、ロコモティブシンドロームを予防・改善する抗ロコモティブシンドローム効果が骨砕補に対して期待されている。
【0006】
従来、骨砕補を含む漢方製剤としては、骨粗鬆症を治療、予防するために、熟地黄の水抽出物又はこれと均等な熟地黄抽出物、及び骨砕補の水抽出物又はこれと均等な骨砕補抽出物、を含む破骨細胞増殖抑制活性を有する生薬材抽出物混合物が報告されている(特許文献1)。また、特許文献1には、該骨砕補抽出物(粉末状)を得る方法として、骨砕補を抽出容器に入れ、例えば蒸留水を加えて、100℃で4時間熱水抽出する、前記過程を3回繰り返した後、得られた溶液を室温で冷やし、濾過紙で濾過する、そして、濾過により得られた抽出液を、真空回転蒸発器を用いて40℃以下で減圧濃縮し、凍結乾燥することが記載されている。
【0007】
その他、骨粗鬆症の治療に利用可能な骨砕補エキスとして、エキスの重量に対する全フラボノイドの含有率が30%以上であり、かつそのナリンギンの含有率が全フラボノイドの重量に対して30%以上100%未満である骨砕補エキスが報告されている(特許文献2)。また、特許文献2には、該骨砕補エキスを得る方法として、骨砕補の水、アルコール又はそれらの混合物による抽出、抽出物の樹脂による吸着、抽出物を吸収している樹脂の水、アルコール又はそれらの混合物による溶離、溶離後の溶出物の濃縮、最後に噴霧乾燥、凍結乾燥又は通常乾燥及び粉砕を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−330290号公報
【特許文献2】特表2004−521883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
骨砕補エキスは、水に対して初期的には溶解するものの、溶解した状態で放置しておくと凝集を起こして濁りが発生し、数日で沈殿を生じてしまう。また、一般に栄養ドリンクや健康ドリンクは酸性のものが多いが、酸性域の液体中では、より顕著な濁り及び沈殿が発生する。そして、このような濁りや沈殿が発生すると、製品としての均一性や見栄えが損なわれ、製品価値が低下することになる。このように、骨砕補エキスは、水などの水系溶媒にそのままの状態で添加すると濁りや沈殿が生じてしまうため、液状製品(内服液剤やシロップ剤など)の市場製品化は困難であり、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、及びカプセル剤の剤形での摂取に限定されているのが現状である。
【0010】
しかしながら、前述したような散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、及びカプセル剤の剤形での摂取は煩雑であり継続性に欠ける。特に抗ロコモティブシンドローム効果を期待する高齢者には嚥下障害などにより摂取しづらい状況が考えられ、上記剤形での摂取は骨砕補エキスの服用者を限定していると言える。また、骨砕補エキス自体の用途も限定している。
【0011】
そのため、骨砕補エキスを栄養ドリンクのような飲料や液状の食品に溶解させた状態で摂取できるように、骨砕補エキスの溶解性の向上が求められている。
【0012】
そこで、本発明は、水に溶解させた状態で摂取できるように、容易に水に溶解することができ、長期間にわたって沈殿の生成を抑制し、安定した溶解状態を保つことができる骨砕補エキス組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、骨砕補エキスと特定の乳化剤とを混合してなる組成物が水に容易に溶解し、長期間にわたって安定的に透明感を維持することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、以下の成分(a)及び(b)を含有することを特徴とする骨砕補エキス組成物である。
(a)骨砕補エキス
(b)アラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンから選択される1種又は2種以上
【発明の効果】
【0015】
本発明の骨砕補エキス組成物は、容易に水に溶解することができ、長期間にわたって沈殿の生成を抑制し、安定した溶解状態を保つことができるため、骨砕補エキスを用いた内服液剤やシロップ剤、あるいは栄養ドリンクのような飲料や液状の食品に溶解させた状態で骨砕補エキスを摂取することが可能になる。その結果、骨砕補エキスの摂取が従来に比べて格段に容易となり、また、生体内での吸収性が改善されることが予想され、骨砕補の薬効を十分に享受することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前述したように、本発明の骨砕補エキス組成物は、(a)骨砕補エキス、(b)アラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンから選択される1種又は2種以上を含有する。以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
(a)骨砕補エキスは、骨砕補から抽出した骨砕補抽出液を濃縮等することによって乾燥粉末ないし半固形物としたものであり、骨砕補を原料として、従来公知の漢方エキスの製造方法(例えば、特許文献1、2に記載された前述の方法)に従って調製することができる。原料となる骨砕補は、ウラボシ科(Polypodiaceae)及びシノブ科(Davalliaceae)に属する植物、具体的には、ハカマウラボシ(Drynaria fortunei)、シノブ(Davallia mariesii)、タカサゴシノブ(Davallia formosana)、アツバシノブ(Davallia solida)、シマシノブ(Davallia griffithiana)、ウスバシノブ(Araiostegia perdurans)などの植物の根茎である。本発明においては、骨砕補エキスは、単一種又は複数種の基原植物のいずれに由来するものであってもよい。前述したように、前記骨砕補エキスには、フラボノイド、リグノイド及びトリテルペノイドが主要成分として含まれる。骨砕補エキスとして市販品を用いることは何ら差し支えない。
【0018】
本発明の骨砕補エキス組成物は、(b)アラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンから選択される1種又は2種以上を含有する。この(b)成分を配合することにより、骨砕補エキスを含有する飲料等に関して、濁り及び沈殿の長期間にわたる発生の抑制が可能となる。アラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンはそれぞれ単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。これらのうち、単独で使用する場合は、特にアラビアガムが好ましく、複数を組み合わせて使用する場合は、特にレシチンとショ糖脂肪酸エステルとの組み合わせが好ましい。
【0019】
前記ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖と脂肪酸(例えば、炭素数12〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸)とのエステルであれば特に限定されるものではないが、前記ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は11以上であることが好ましい。ここでHLB値とは、親水性親油性バランス(Hydrophile-Lipophile Balance)の略称であり、HLB値が大きいほど親水性が高く、小さいほど親油性が高いことを表す。
【0020】
前記ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステルが挙げられる。これらの中でも、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステルが特に好ましい。前記ショ糖脂肪酸エステルは単独で又は混合して用いることができる。
【0021】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリン(平均重合度が2以上、好ましくは6〜15、より好ましくは8〜10)と脂肪酸(例えば、炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸)とのエステルであれば特に限定されるものではないが、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値は11以上であることが好ましい。
【0022】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステルが挙げられる。これらの中でも、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステルが特に好ましい。前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは単独で又は混合して用いることができる。
【0023】
前記レシチンの具体例としては卵、大豆、ナタネ、ひまわりなどを由来原料とする、植物レシチン、酵素処理レシチン、酵素分解レシチンが挙げられる。
【0024】
前記骨砕補エキス組成物の総量に対して、前記(b)成分の含有量は、骨砕補エキスの透明な溶解状態が得られるように適宜決定すればよいが、通常、5〜99質量%であり、好ましくは、6〜70質量%であり、さらに好ましくは、7〜 60質量%である。5質量%未満であると、骨砕補エキスの溶解が不十分となり、本発明の効果が得られなくなる恐れがあり、一方、99質量%よりも多いと組成物中の(a)成分が少なくなり実用的でない。
【0025】
本発明の骨砕補エキス組成物には、前記(a)成分と前記(b)成分以外に、必要に応じて、他の成分として、他の生理活性物質、矯味剤、矯臭剤、着色剤、保存剤、pH調整剤などを配合することができる。これらの成分の配合量は特に制限はなく、骨砕補エキス組成物を溶解させた場合の安定性などを考慮して適宜決定すればよい。
【0026】
本発明の骨砕補エキス組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、前記(a)成分と前記(b)成分及び必要に応じて配合される他の成分を水に撹拌・混合し、噴霧乾燥して粉末化することにより、本発明の骨砕補エキス組成物を製造することができる。そのほか、前記(a)成分と前記(b)成分及び必要に応じて配合される他の成分を均一に混練して製造することもできる。本発明の骨砕補エキス組成物は固形ないし半固形のいずれの状態でもよい。前記(a)成分と前記(b)成分の配合量については前述したとおりである。
【0027】
本発明の骨砕補エキス組成物は、水に容易に溶解し、透明で安定した骨砕補水溶液を形成する。また、従来、骨砕補エキスを溶解するのが困難であった酸性の水系溶媒(pH2〜6)にも溶解することができる。なお、本発明の骨砕補エキス組成物を水系溶媒に溶解した後、該水系溶媒を80℃以上に加温すると透明な溶解状態がより長期間維持される。
【0028】
また、本発明の骨砕補エキス組成物は、各種の医薬品、医薬部外品に添加することができる。特に、水に容易に溶解し、透明で安定した状態を維持することができるため、従来製するのが困難であった、骨砕補エキスを含む内服液剤やシロップ剤を容易に調剤することが可能となる。
【0029】
さらに、本発明の骨砕補エキス組成物は、各種飲食品に広く添加することができる。飲食品としては、例えば、飲料(ジュース、コーヒー、ココア、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料);調味料(味噌、醤油、トマト加工調味料、みりん類、食酢類);スープ類;乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト);乳化食品(ドレッシング、マヨネーズ、マーガリン);発酵食品(納豆);菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓);麺類(そば、うどん、ラーメン)、並びに、各種の健康食品、栄養補助食品(栄養ドリンク)が挙げられる。骨砕補エキス組成物の添加量は、添加する対象飲食品に応じて適宜決定すればよい。
【実施例】
【0030】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
[実施例1]
水45gに市販の骨砕補エキス(BGG Japan 株式会社製)15gとアラビアガム(三栄薬品貿易株式会社製)15gを加えて混合し、ホモミキサーを用いて撹拌した。以上の操作により得られた混合液を、スプレードライヤー(ロータリーアトマイザー方式)を用いて噴霧乾燥し、粉末組成物を得た。噴霧乾燥時の条件はアトマイザー回転数30,000rpm、入口温度145℃、出口温度80℃、供給液の流量は30mL/分であった。
【0032】
[実施例2]
水45gに市販の骨砕補エキス(BGG Japan 株式会社製)15gとショ糖パルミチン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、HLB値:17) 15gを加えて混合し、実施例1と同様の条件、方法で粉末組成物を得た。
【0033】
[実施例3]
市販の骨砕補エキス(BGG Japan 株式会社製)15gにデカグリセリンモノオレイン酸エステル(太陽化学株式会社製、HLB値:11.5)15gを加え、80℃に加温して均一になるまで混練し、ペースト状組成物を得た。
【0034】
[実施例4]
水45gに市販の骨砕補エキス(BGG Japan 株式会社製)15gとレシチン(辻製油株式会社製)15gを加えて混合し、実施例1と同様の条件、方法で粉末組成物を得た。
【0035】
[実施例5]
水45gに市販の骨砕補エキス(BGG Japan 株式会社製)27.9gとショ糖モノラウリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、HLB値:16)1.5g及びレシチン(辻製油株式会社製)0.6gを加えて混合し、実施例1と同様の条件、方法で粉末組成物を得た。
【0036】
[比較例1]
水45gに市販の骨砕補エキス(BGG Japan 株式会社製)27.9gとサポニン(丸善製薬株式会社製)7.0g(固形分2.1g)を加えて混合し、実施例1と同様の条件、方法で粉末組成物を得た。
【0037】
[比較例2]
水45gに市販の骨砕補エキス(BGG Japan 株式会社製)27.9gとポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(花王株式会社製)2.1gを加えて混合し、実施例1と同様の条件、方法で粉末組成物を得た。
【0038】
[実施例6]
実施例1〜5及び比較例1、2で得た組成物をそれぞれ骨砕補エキスが120mg/100mLの濃度になるようイオン交換水又はpH3のクエン酸緩衝液に添加した飲料組成物を、80℃で30分加温殺菌し、常温にて保管した。そして、各飲料組成物について、経時的に外観上の変化を目視で観察した。
その結果、比較例1、2で得た組成物では、pH3のクエン酸緩衝液において、初期的には透明に溶解するものの2日から3日で凝集による濁りを生じ、さらにその翌日には沈殿が現れたのに対して、実施例1〜5で得た組成物では、イオン交換水及びpH3のクエン酸緩衝液のいずれにおいても、30日間保管しても濁りや沈殿を生じることがなく、長期間にわたって安定的に透明感を維持していることが確認された。