(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(B)アミノプロピオン酸型両性界面活性剤の含有量(質量%)と、(C)ベタイン型両性界面活性剤の含有量(質量%)との質量比(B/C)が、2〜5である請求項1に記載のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物)
本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、(A)脂肪酸塩と、(B)アミノプロピオン酸型両性界面活性剤と、(C)ベタイン型両性界面活性剤と、(D)糖アルコール以外の多価アルコールを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0011】
<(A)脂肪酸塩>
前記(A)成分の脂肪酸塩は、泡の弾力性、泡の持続性、すすぎ後のさっぱり感、すすぎ後の肌のかさつきのなさ、及びフォーマー容器のポンプの目詰まりのなさを向上させる洗浄基剤となる成分である。
【0012】
前記(A)成分の脂肪酸塩は、下記一般式(1)で表される。
R
1COOM ・・・ 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、R
1は、炭素数5〜25の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を表し、前記一価炭化水素基は、飽和及び不飽和のいずれかであり、かつ水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。Mは、アルカリ金属及びアルカノールアミンのいずれかを表す。
【0013】
前記一般式(1)中のR
1は、炭素数5〜25の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を表し、泡の弾力性、泡の持続性、及びすすぎ後のさっぱり感の点から、前記炭素数は11〜17が好ましく、飽和であっても、不飽和であってもよい。前記炭素数が、5未満であると、泡の持続性が不十分となることがあり、25を超えると、すすぎ後のさっぱり感が不十分となることがある。また、前記一価炭化水素基は、泡の弾力性の点から、水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい。
【0014】
前記一般式(1)中のMは、アルカリ金属又はアルカノールアミンを表す。これらの中でも、泡の弾力性、泡の持続性、及びすすぎ後のさっぱり感の点から、アルカリ金属が好ましく、カリウム、ナトリウムがより好ましく、カリウムが特に好ましい。前記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
【0015】
前記(A)成分の脂肪酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヤシ油脂肪酸塩、パーム脂肪酸塩等の天然脂肪酸塩の混合物、ヘキサン酸塩(カプロン酸塩;R
1の炭素数:5)、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩(カプリル酸塩;R
1の炭素数:7)、ペラルゴン酸塩、デカン酸塩(カプリン酸塩;R
1の炭素数:9)、ウンデカン酸塩、ドデカン酸塩(ラウリン酸塩;R
1の炭素数:11)、カプロレイン酸塩、ウンデシレン酸塩、ラウロレイン酸塩、2−エチルブタン酸塩、イソペンタン酸塩、2−エチルペンタン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、イソノナン酸塩、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、トリデカン酸塩、テトラメチルノナン酸塩、ミリスチン酸塩(R
1の炭素数:13)、ペンタデカン酸塩、パルミチン酸塩(R
1の炭素数:15)、ステアリン酸塩(R
1の炭素数:17)、アラキン酸塩、ドコサン酸塩(ベヘニン酸塩;R
1の炭素数:21)、リグノセリン酸塩、セロチン酸塩、ミリストレイン酸塩、パルミトレイン酸塩、オレイン酸塩(R
1の炭素数:17)、エライジン酸塩、ゴンドイン酸塩、エルカ酸塩、セラコレイン酸塩、リノール酸塩(R
1の炭素数:17)、アラキジン酸塩、リノエライジン酸塩、リノレン酸塩、アラキドン酸塩、2−ヘキシルデカン酸塩、イソステアリン酸塩(R
1の炭素数:17)、12−ヒドロキシステアリン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
これらの中でも、泡の持続性、及びすすぎ後のさっぱり感の点から、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩が好ましく、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウムがより好ましく、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウムが更に好ましく、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウムが特に好ましい。
【0017】
前記(A)成分の脂肪酸塩は、2種以上を併用することが好ましい。前記2種以上を併用する場合には、泡の弾力性、すすぎ後の肌のかさつきのなさ、及びフォーマー容器のポンプの目詰まりのなさの点から、ラウリン酸カリウムとミリスチン酸カリウムとの併用がより好ましい。前記ラウリン酸カリウムと前記ミリスチン酸カリウムとを併用する場合の質量比(ラウリン酸カリウム/ミリスチン酸カリウム)は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましい。前記質量比(ラウリン酸カリウム/ミリスチン酸カリウム)が、1未満、又は8を超えると、泡の弾力性、すすぎ後の肌のかさつきのなさ、及びフォーマー容器のポンプの目詰まりのなさが不十分となることがある。
【0018】
前記ラウリン酸カリウムの含有量は、泡の弾力性、及びすすぎ後のさっぱり感の点から、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物全量に対して、1質量%〜15質量%が好ましく、6質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、泡の弾力性が不十分となることがあり、15質量%を超えると、すすぎ後に肌のかさつきを生じることがある。
また、前記ミリスチン酸カリウムの含有量は、泡の弾力性、及びすすぎ後のさっぱり感の点から、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物全量に対して、0.5質量%〜12質量%が好ましく、2質量%〜6質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、泡の弾力性が不十分となることがあり、12質量%を超えると、すすぎ後に肌のかさつきを生じることがある。
前記ラウリン酸カリウム及び前記ミリスチン酸カリウムの合計含有量は、泡の持続性、すすぎ後のさっぱり感、及びすすぎ後の肌のかさつきのなさの点から、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物全量に対して、5質量%〜20質量%が好ましい。前記含有量が、5質量%〜20質量%であると、泡の持続性に優れ、すすぎ後のさっぱり感、及びすすぎ後の肌のかさつきのなさが良好なフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を得ることができる。
【0019】
前記(A)成分の脂肪酸塩は、脂肪酸塩として配合することも可能であるが、脂肪酸と、水酸化カリウム、及びアルカノールアミンのいずれかを別々に、配合槽に添加して中和反応させて脂肪酸塩とすることもできる。
【0020】
前記(A)成分の脂肪酸塩の含有量は、泡の持続性、泡の弾力性、すすぎ後のさっぱり感、すすぎ後の肌のかさつきのなさ、及びフォーマー容器のポンプの目詰まりのなさの点から、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物全量に対して、2質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、2質量%未満であると、泡の持続性、泡の弾力性、及びすすぎ後のさっぱり感が不十分となることがあり、25質量%を超えると、すすぎ後に肌のかさつきを生じ、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさが不十分となることがある。
【0021】
<(B)アミノプロピオン酸型両性界面活性剤>
前記(B)成分のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤は、泡の弾力性、すすぎ後の肌のかさつきのなさ、及び泡の持続性を向上させるために含有されている。
【0022】
前記(B)成分のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノプロピオン酸塩などが挙げられる。前記アルキルアミノプロピオン酸塩としては、例えば、下記一般式(B1)、及び下記一般式(B2)のいずれかで表される。
【化1】
ただし、前記一般式(B1)中、R
2は炭素数7〜23の飽和、又は不飽和のアルキル基、M
2はアルカリ金属、及びアルカノールアミンのいずれかを表す。
【0023】
【化2】
ただし、前記一般式(B2)中、R
3は炭素数12〜18の飽和、又は不飽和のアルキル基、M
3はアルカリ金属、及びアルカノールアミンのいずれかを表す。
【0024】
前記一般式(B1)中のアルキル基としては、例えば、カプリリル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アラキル基、ベヘニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記一般式(B2)中のアルキル基としては、例えば、カプリリル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アラキル基、ベヘニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記一般式(B1)、及び前記一般式(B2)中のM
2、及びM
3としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記アルキルアミノプロピオン酸塩としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−エチルエチレンジアミン二ナトリウム、パーム核油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡の弾力性の点から、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウムが好ましく、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムがより好ましい。
【0028】
前記(B)成分のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤の含有量は、泡の弾力性、及びすすぎ後の肌のかさつきのなさの点から、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物全量に対して、2質量%〜12質量%であり、4質量%〜10質量%が好ましい。前記含有量が、2質量%未満であると、泡の弾力性、及び泡の持続性が不十分となることがあり、12質量%を超えると、すすぎ後の肌のかさつきのなさが不十分となることがある。
【0029】
<(C)ベタイン型両性界面活性剤>
前記(C)成分のベタイン型両性界面活性剤は、泡の弾力性、すすぎ後の肌のかさつきのなさ、及び泡の持続性を向上させるために含有されている。
前記(C)成分のベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン型(アミドアミン型)両性界面活性剤、カルボベタイン型(アルキルジメチルベタイン型、アルキルアミドベタイン型)両性界面活性剤、スルホベタイン型(アルキルスルホベタイン型、アルキルヒドロキシスルホベタイン型)両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡の弾力性、及び泡の持続性の点から、イミダゾリン型両性界面活性剤、カルボベタイン型両性界面活性剤が好ましく、カルボベタイン型両性界面活性剤がより好ましい。
【0030】
前記イミダゾリン型両性界面活性剤としては、例えば、ステアロイルアミドアミン、ヤシ油アルキル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。これらの中でも、泡の弾力性、及び泡の持続性の点から、ヤシ油アルキル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが好ましい。
【0031】
前記カルボベタイン型両性界面活性剤は、泡の弾力性の点から、アルキル基部分の炭素数が、12〜18の一価の炭化水素基が好ましく、12〜16の一価の炭化水素基がより好ましい。
前記カルボベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルベタインとして、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。アルキルアミドベタインとして、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。これらの中でも、泡の弾力性、及び泡の持続性の点から、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0032】
前記スルホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
前記アルキルスルホベタインとしては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルスルホベタイン、ステアリルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタインなどが挙げられる。
前記アルキルヒドロキシスルホベタインとしては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
【0033】
前記(C)成分のベタイン型両性界面活性剤の含有量は、泡の弾力性、及びすすぎ後の肌のかさつきのなさの点から、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物全量に対して、1質量%〜5質量%が好ましく、2質量%〜4質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、泡の弾力性が不十分となることがあり、5質量%を超えると、すすぎ後の肌のかさつきのなさが不十分となることがある。
【0034】
<質量比(B/C)>
前記(B)成分の含有量(質量%)と、前記(C)成分の含有量(質量%)との質量比(B/C)は、泡の弾力性、泡の持続性、及びすすぎ後の肌のかさつきのなさの点から、0.5〜10であり、2〜5が好ましい。前記質量比(B/C)が、0.5未満であると、泡の弾力性及び泡の持続性が低下することがあり、10を超えると、すすぎ後の肌のかさつきのなさが低下することがある。
【0035】
<(D)糖アルコール以外の多価アルコール>
前記(D)成分の前記糖アルコール以外の多価アルコールは、すすぎ後のさっぱり感、泡の弾力性、及びフォーマー容器のポンプの目詰まりのなさを向上させるために含有されている。
【0036】
前記(D)成分の糖アルコール以外の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、トリメチルプロパノール、又は前記多価アルコールのエチレンオキシド付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡の弾力性の点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、デカグリセリンが好ましく、プロピレングリコール、グリセリンがより好ましい。
【0037】
前記(D)成分の糖アルコール以外の多価アルコールの含有量は、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさ、泡の弾力性、及びすすぎ後のさっぱり感の点から、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物全量に対して、20質量%〜50質量%が好ましく、25質量%〜35質量%がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、泡の弾力性、及びフォーマー容器のポンプの目詰まりのなさが不十分となることがあり、50質量%を超えると、すすぎ後のさっぱり感が不十分となることがある。
【0038】
<その他の成分>
前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、前記(A)〜(D)の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を配合することができる。
前記その他の成分としては、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物に通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等の(A)成分以外のアニオン界面活性剤;アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤;前記(B)成分及び前記(C)成分以外の両性界面活性剤;油分;シリコーン類;前記(D)成分を除く低級、又は高級アルコール等のアルコール類;ラノリン誘導体、蛋白誘導体;アクリル樹脂分散液;カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー;ビタミン等の薬剤;殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤;動植物抽出物、又はその誘導体;色素、香料、顔料;無機粉体、粘土鉱物、ナイロン、ポリエチレン等の水不溶性ポリマー粉体;水などが挙げられる。
【0039】
−pH−
前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさ、すすぎ後のさっぱり感、及びすすぎ後の肌のかさつきのなさの点から、9〜11が好ましい。前記pHが、9未満であると、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさが不十分となることがあり、11を超えると、すすぎ後のさっぱり感、及びすすぎ後の肌のかさつきのなさが不十分となることがある。
【0040】
前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物のpHは、すべての成分を混合した後に最後にpHを確認しながら、水酸化カリウム及びクエン酸の少なくともいずれかを加えることで調整できる。より詳しくは、水酸化カリウム及びクエン酸の少なくともいずれか以外の成分の合計が約98質量%となるように精製水をバランスして混合攪拌する。必要なら加温してもよい。混合攪拌中に水酸化カリウム及びクエン酸の少なくともいずれかの水溶液を徐々に添加し、それぞれpHを測定しながら目標とするpHまで添加する。目標pHとなったところで、最後に残りの精製水を加えて、全体で100質量%となるように水を加える。なお、前記pHは、例えば、pHメーター(商品名:「HM−30V」、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定することができる。
【0041】
−粘度−
前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、使用する温度条件下(例えば、0℃〜5℃、又は20℃〜25℃など)で、前記粘度が、例えば、200メッシュの多孔質膜体を2枚有するフォーマー容器を使用する場合、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさの点から、15mPa・s以下が好ましく、1mPa・s〜10mPa・sがより好ましい。前記粘度が、15mPa・sを超えると、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさが不十分となることがある。
【0042】
前記粘度は、前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を5℃、又は25℃に調製し、例えば、BL型粘度計(ローターNo.1、東京計器株式会社製)にセットし、ローターを回転数60rpmで回転させ、ローターの回転開始から1分間後に測定することができる。
【0043】
−フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物の製造方法−
前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、例えば、前記(A)〜(D)成分、前記その他の成分、及び水(液体洗浄剤組成物の全体が100質量%となるように残量配合)を混合して製造することができる。
前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を作製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断と全体混合ができるプロペラ、タービン、ディスパーなどの複数の攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。なお、前記(A)〜(D)成分、及び前記その他の成分は、前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を作製するにあたり、それぞれ単独で使用してもよく、また、2種以上の成分を含む混合物の状態で使用してもよい。
【0044】
−フォーマー容器−
前記フォーマー容器としては、前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポンプ部を押し下げることによって泡を吐出できるフォーマー容器などが挙げられる。このようなフォーマー容器としては、例えば、株式会社吉野工業所製などを使用することができる。
【0045】
前記フォーマー容器は、通常、泡を形成するための多孔質膜体を有し、前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物が前記多孔質膜体を通過することにより泡が形成される。前記多孔質膜体の材質としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィンなどのプラスチック材料が挙げられる。前記多孔質膜体のメッシュは、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさの点から、100メッシュ以上が好ましく、100メッシュ〜400メッシュがより好ましく、200メッシュ〜350メッシュが特に好ましい。前記多孔質膜体のメッシュが、100メッシュ未満、又は400メッシュを超えると、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさが不十分となることがある。
【0046】
前記多孔質膜体の枚数は、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさの点から、2枚〜4枚が好ましい。前記多孔質膜体の枚数が、2枚未満、又は4枚を超えると、フォーマー容器のポンプの目詰まりのなさが不十分となることがある。より具体的には、特開平7−315463号公報、特開平8−230961号公報、及び特開2005−193972号公報に記載された容器を好適に使用することができる。
【0047】
−用途−
前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、例えば、ハンドソープ、ボディソープ、洗顔フォームなどの製品として好適である。前記フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を、これらの用途に応じた通常の用量や通常の洗浄方法で使用すると、泡の弾力性と泡の持続性が良好であり、すすぎ後にさっぱり感が得られるとともに、すすぎ後の肌がかさつかず、フォーマー容器のポンプが目詰まりしにくい点で有利であり、幼児用、若い女性用、年配の人用、敏感肌の人用のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物として好適である。
【実施例】
【0048】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0049】
実施例、及び比較例の記載の各成分の含有量は、全て純分換算した値である。なお、pHは、水酸化カリウムの48質量%溶液で10.0に調整した。前記pHは、25℃において、pHメーター(商品名:「HM−30V」、東亜ディーケーケー株式会社製)で測定した。
【0050】
[実施例1〜35、及び比較例1〜14]
下記表1−1〜表1−7に示す組成、及び含有量の液体洗浄剤組成物を以下の方法で調製した。即ち、(A)成分、又は(A)成分の比較品;(D)成分、又は(D)成分の比較品;並びに精製水を、70℃において、パドル式攪拌機(商品名「汎用攪拌機BL1200」、新東科学株式会社製)を用いて均一に攪拌混合した。攪拌混合をしながら、(B)成分、(C)成分、又は(B)、(C)成分の比較品;並びに残りの共通成分を添加して均一に溶解させ、最後に合計が100質量%となるように精製水を加えた。その後、撹拌混合しながら25℃まで冷却して、実施例1〜35、及び比較例1〜14の各液体洗浄剤組成物を調製した。
【0051】
次に、フォーマー容器A[(200メッシュの多孔質体膜2枚、株式会社吉野工業所製(特開2005−193972号公報の実施例2で使用したフォーマー容器と同じ)]に、調製した実施例1〜35、及び比較例1〜13の各液体洗浄剤組成物を充填し、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を作製した。一方、ポンプディスペンサー付き容器B(吐出量1mL(1プッシュ)、ノズル口径(内径)3.5mm、キャニオン社製)に、調製した比較例14の液体洗浄剤組成物を充填し、ポンプディスペンサー付き容器入り液体洗浄剤組成物を作製した。
【0052】
作製した実施例1〜35、及び比較例1〜14の液体洗浄剤組成物について、以下のようにして、「泡の弾力性」、「泡の持続性」、「すすぎ後のさっぱり感」、「すすぎ後の肌のかさつきのなさ」、及び「ポンプの目詰まりのなさ」を評価した。結果を表1−1〜表1−7に示した。
【0053】
<泡の弾力性>
専門評価パネラー10名が、左前腕、及び右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、実施例1〜35、及び比較例1〜14の液体洗浄剤組成物0.5g(0.5プッシュ)を25℃の条件において、前記フォーマー容器A、又は前記ポンプディスペンサー付き容器Bから泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を5秒間擦った後、下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従って泡の弾力性を評価した。
【0054】
−評価基準−
5点: 泡の弾力性が非常にある。
4点: 泡の弾力性がある。
3点: 泡の弾力性がややある。
2点: 泡の弾力性がややない。
1点: 泡の弾力性がほとんどない。
【0055】
−判定基準−
◎ : 4.0点以上5.0点以下
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2.0点未満
【0056】
<泡の持続性>
専門評価パネラー10名が、左前腕、及び右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、実施例1〜35、及び比較例1〜14の液体洗浄剤組成物0.5g(0.5プッシュ)を25℃の条件において、前記フォーマー容器A、又は前記ポンプディスペンサー付き容器Bから泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を5秒間擦った後、泡の残存量を確認し、泡の残存量の多少によって泡の持続性を判定した。この場合、泡の残存量が多い場合を泡が長く持続すると評価し、泡の残存量が少ない場合を泡が持続しないと評価した。下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従って泡の持続性を評価した。
【0057】
−評価基準−
5点: 泡が長く持続する。
4点: 泡が持続する。
3点: 泡がやや持続する。
2点: 泡の持続時間が短い。
1点: 泡が持続しない。
【0058】
−判定基準−
◎ : 4.0点以上5.0点以下
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2.0点未満
【0059】
<すすぎ後のさっぱり感>
専門評価パネラー10名が、左前腕、及び右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、実施例1〜35、及び比較例1〜14の液体洗浄剤組成物0.5g(0.5プッシュ)を25℃の条件において、前記フォーマー容器A、又は前記ポンプディスペンサー付き容器Bから泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を5秒間擦った。その後、流水中で約10秒間すすぎ、タオルで水分を拭き取った後、下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従ってすすぎ後のさっぱり感を評価した。
【0060】
−評価基準−
5点: すすぎ後に非常にさっぱりした。
4点: すすぎ後にさっぱりした。
3点: すすぎ後に若干のぬるつきが残るが、全体的にさっぱりした。
2点: すすぎ後に全体的にぬるつきが残り、さっぱり感が低かった。
1点: すすぎ後に全体的にぬるつきが残り、さっぱりしなかった。
【0061】
−判定基準−
◎ : 4.0点以上5.0点以下
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2.0点未満
【0062】
<すすぎ後の肌のかさつきのなさ>
専門評価パネラー10名が、左前腕、及び右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、実施例1〜35、及び比較例1〜14の液体洗浄剤組成物0.5g(0.5プッシュ)を25℃の条件において、前記フォーマー容器A、又は前記ポンプディスペンサー付き容器Bから泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を10回連続で擦った。その後、流水中で約10秒間すすぎ、タオルで水分を拭き取った後、下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従ってすすぎ後の肌のかさつきのなさを評価した。
【0063】
−評価基準−
5点: すすぎ後の肌のかさつきが全くない。
4点: すすぎ後の肌のかさつきがない。
3点: すすぎ後の肌のかさつきがややない。
2点: すすぎ後の肌のかさつきがややある。
1点: すすぎ後の肌のかさつきがかなりある。
【0064】
−判定基準−
◎ : 4.0点以上5.0点以下
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2.0点未満
【0065】
<ポンプの目詰まりのなさ>
前記ポンプフォーマー容器A、又は前記ポンプディスペンサー付き容器Bに実施例1〜35、及び比較例1〜14の液体洗浄剤組成物を各5本充填し、5℃で1ヶ月間保存した。保存中、1週間に1回の頻度で1名の専門パネラーがポンプを押して泡を吐出させた。下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従ってポンプの目詰まりのなさを評価した。なお、フォーマー容器内のメッシュに目詰まりが生じるとフォーマー容器のポンプが押しにくくなる。
【0066】
−評価基準−
5点: ポンプを非常にスムーズに押すことができる。
4点: ポンプをスムーズに押すことができる。
3点: ポンプを押すことができる。
2点: ポンプを押すことがややできない。
1点: ポンプを押すことができない。
【0067】
−判定基準−
◎ : 4.0点以上5.0点以下
○ : 3.0点以上4.0点未満
△ : 2.0点以上3.0点未満
× : 2.0点未満
【0068】
【表1-1】
【0069】
【表1-2】
【0070】
【表1-3】
【0071】
【表1-4】
【0072】
【表1-5】
【0073】
【表1-6】
【0074】
【表1-7】
【0075】
(実施例36)
−手指用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物−
以下に示す組成及び含有量の手指用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を常法により作製した。作製した手指用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物について、実施例1〜35、及び比較例1〜14と同様にして、「泡の弾力性」、「泡の持続性」、「すすぎ後のさっぱり感」、「すすぎ後の肌のかさつきのなさ」、及び「ポンプの目詰まりのなさ」の評価を行った。結果を下記に示す。
【0076】
[組成及び含有量]
・ラウリン酸カリウム((A)成分):7.2質量%
・ミリスチン酸カリウム((A)成分):4.8質量%
・ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム((B)成分):8.0質量%
・ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン((C)成分):2.5質量%
・プロピレングリコール((D)成分):30質量%
・イソプロピルメチルフェノール:0.1質量%
・エデト酸:0.1質量%
・メチルパラベン:0.3質量%
・安息香酸ナトリウム:0.9質量%
・マルベリーエキス:0.001質量%
・水酸化カリウム:適量
・精製水:残量(合計:100.0質量%)
・質量比(B/C)=3.2
[評価結果]
・泡の弾力性:◎
・泡の持続性:◎
・すすぎ後のさっぱり感:◎
・すすぎ後の肌のかさつきのなさ:◎
・ポンプの目詰まりのなさ:◎
【0077】
(実施例37)
−身体用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物−
以下に示す組成及び含有量の身体用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を常法により作製した。作製した身体用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物について、実施例1〜35、及び比較例1〜14と同様にして、「泡の弾力性」、「泡の持続性」、「すすぎ後のさっぱり感」、「すすぎ後の肌のかさつきのなさ」、及び「ポンプの目詰まりのなさ」の評価を行った。結果を下記に示す。
【0078】
[組成及び含有量]
・ラウリン酸カリウム((A)成分):8.0質量%
・ミリスチン酸カリウム((A)成分):4.0質量%
・ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム((B)成分):8.0質量%
・ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン((C)成分):2.5質量%
・プロピレングリコール((D)成分):30質量%
・イソプロピルメチルフェノール:0.1質量%
・エデト酸:0.1質量%
・メチルパラベン:0.3質量%
・安息香酸ナトリウム:0.9質量%
・マルベリーエキス:0.001質量%
・水酸化カリウム:適量
・精製水:残量(合計:100.0質量%)
・質量比(B/C)=3.2
[評価結果]
・泡の弾力性:◎
・泡の持続性:◎
・すすぎ後のさっぱり感:◎
・すすぎ後の肌のかさつきのなさ:◎
・ポンプの目詰まりのなさ:◎
【0079】
(実施例38)
−抗炎症剤配合身体用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物−
以下に示す組成及び含有量の抗炎症剤配合身体用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を常法により作製した。作製した抗炎症剤配合身体用フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物について、実施例1〜35、及び比較例1〜14と同様にして、「泡の弾力性」、「泡の持続性」、「すすぎ後のさっぱり感」、「すすぎ後の肌のかさつきのなさ」、及び「ポンプの目詰まりのなさ」の評価を行った。結果を下記に示す。
【0080】
[組成及び含有量]
・ラウリン酸カリウム((A)成分):6.0質量%
・ミリスチン酸カリウム((A)成分):6.0質量%
・ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム((B)成分):5.0質量%
・ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン((C)成分):2.0質量%
・プロピレングリコール((D)成分):30質量%
・イソプロピルメチルフェノール:0.1質量%
・エデト酸:0.1質量%
・メチルパラベン:0.3質量%
・安息香酸ナトリウム:0.9質量%
・マルベリーエキス:0.001質量%
・ハチミツ:0.1質量%
・グリチルリチン酸ジカリウム:0.1質量%
・水酸化カリウム:適量
・精製水:残量(合計:100.0質量%)
・質量比(B/C)=2.5
[評価結果]
・泡の弾力性:◎
・泡の持続性:◎
・すすぎ後のさっぱり感:◎
・すすぎ後の肌のかさつきのなさ:◎
・ポンプの目詰まりのなさ:◎
【0081】
なお、前記実施例及び前記比較例で使用した各種成分の詳細について、下記表2に示す。
【0082】
【表2】
*1:(A)成分のラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA−122、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製した。
(A)成分のミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA−142、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製した。
(A)成分のパルミチン酸カリウムは、パルミチン酸(NAA−160、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製した。
*2:( )内の数字は、エチレン平均付加モル数を表す。