特許第6534622号(P6534622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6534622
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】通信端末、通信システム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20190617BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20190617BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20190617BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20190617BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   G08B21/02
   G08B25/10 D
   H04M11/00 301
【請求項の数】18
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-14278(P2016-14278)
(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公開番号】特開2017-135583(P2017-135583A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】松木 友明
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−171911(JP,A)
【文献】 特開2007−200173(JP,A)
【文献】 特開2014−142346(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0291031(US,A1)
【文献】 特開2004−193867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00−31/00
H04B 7/24−7/26
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、
前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部と、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況の監視指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記監視指示を受け付けると、前記他端末を識別する端末識別情報を前記他端末から取得する取得部と、
取得された前記他端末を識別する端末識別情報を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行う通信制御部と、
を備える通信端末。
【請求項2】
他端末と無線通信を行う通信端末であって、
前記通信端末と前記他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、
前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部と、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行う通信制御部であって、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部の通信に係る契約内容に基づいて、前記第2通信部により前記他端末との無線通信を自動的に行うか否かを制御する通信制御部と、
を備える通信端末。
【請求項3】
前記通信制御部は、前記第2通信部により前記他端末との無線通信を行う場合に、前記契約内容に基づいて前記第2通信部による通信の内容を変化させる、
請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記通信制御部が前記契約内容に基づいて前記第2通信部による無線通信を自動的に行う場合であっても、所定の条件を満たすときには、前記第2通信部による通信を開始するか否かの選択を受け付ける受付部をさらに備える、
請求項2又は3に記載の通信端末。
【請求項5】
他端末と無線通信を行う通信端末であって、
前記通信端末と前記他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、
前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部と、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶するとともに、前記第2通信部による通信を許可するか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行う通信制御部であって、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記設定情報において前記第2通信部による通信が許可されていない場合であっても、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行う通信制御部と、
を備える通信端末。
【請求項6】
前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と前記所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した場合において、前記設定情報において前記第2通信部による通信が許可されていないとき、前記設定情報を前記第2通信部による通信を許可する設定に変更し、当該設定の変更後に、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、前記設定情報を前記第2通信部による通信を許可しない設定に変更する設定変更部をさらに備える、
請求項5に記載の通信端末。
【請求項7】
前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部による前記他端末との無線通信の開始指示を受け付ける画面を表示部に表示させて当該開始指示を受け付ける受付部をさらに備え、
前記通信制御部は、前記開始指示を受け付けると、前記第2通信部により、前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行う、
請求項1から6のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項8】
前記通信制御部は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部により、前記他端末から、前記他端末を所持するユーザの移動態様を示す情報を受信し、
前記他端末を所持するユーザの移動態様を示す情報を前記通信端末のユーザに通知する通知部をさらに備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項9】
前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した後、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、前記第1通信部による前記他端末との無線通信ができることを前記通信端末のユーザに通知する通知部をさらに備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項10】
前記通知部は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した後、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化したことを前記通信端末のユーザに通知する、
請求項9に記載の通信端末。
【請求項11】
前記通信端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備え、
前記通信制御部は、前記位置情報に基づいて、前記他端末との無線通信の通信状況を監視する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項12】
第1通信端末と、第2通信端末とを備える通信システムであって、
前記第1通信端末及び前記第2通信端末は、
自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、
前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを有し、
前記第1通信端末は、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象の前記第2通信端末を識別する端末識別情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信部による前記第2通信端末との無線通信の通信状況の監視指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記監視指示を受け付けると、前記第2通信端末を識別する端末識別情報を前記第2通信端末から取得する取得部と、
取得された前記第2通信端末を識別する端末識別情報を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記第1通信部による前記第2通信端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記第2通信端末との無線通信を行う通信制御部とをさらに有する、
通信システム。
【請求項13】
第1通信端末と、第2通信端末とを備える通信システムであって、
前記第1通信端末及び前記第2通信端末は、
自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、
前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを有し、
前記第1通信端末は、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象の前記第2通信端末を識別する端末識別情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信部による前記第2通信端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記第2通信端末との無線通信を行う通信制御部であって、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記第1通信端末が前記第2通信端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部の通信に係る契約内容に基づいて、前記第2通信部により前記第2通信端末との無線通信を自動的に行うか否かを制御する通信制御部とをさらに有する、
通信システム。
【請求項14】
第1通信端末と、第2通信端末とを備える通信システムであって、
前記第1通信端末及び前記第2通信端末は、
自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、
前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを有し、
前記第1通信端末は、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象の前記第2通信端末を識別する端末識別情報を記憶するとともに、前記第2通信部による通信を許可するか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信部による前記第2通信端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記第2通信端末との無線通信を行う通信制御部であって、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記第1通信端末が前記第2通信端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記設定情報において前記第2通信部による通信が許可されていない場合であっても、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記第2通信端末との無線通信を行う通信制御部とをさらに有する、
通信システム。
【請求項15】
前記第2通信端末は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、自身が前記第1通信端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信端末のユーザが前記第1通信端末のユーザとはぐれたことを前記第2通信端末の周囲に通知する通知部を備える、
請求項12から14のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項16】
自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを備えるコンピュータにより実行される、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況の監視指示を受け付けるステップと、
前記監視指示が受け付けられると、前記他端末を識別する端末識別情報を前記他端末から取得するステップと、
取得された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行うステップと、
を備える通信方法。
【請求項17】
自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを備えるコンピュータにより実行される、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行うステップであって、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記コンピュータが前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部の通信に係る契約内容に基づいて、前記第2通信部により前記他端末との無線通信を自動的に行うか否かを制御するステップと、
を備える通信方法。
【請求項18】
自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを備えるコンピュータにより実行される、
前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行うステップであって、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記コンピュータが前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記記憶部に記憶されている、前記第2通信部による通信を許可するか否かの設定情報において前記第2通信部による通信が許可されていない場合であっても、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行うステップと、
を備える通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、見守り対象者に通信端末を携帯させて、当該通信端末により見守り対象者の安否を確認することが行われている。例えば、特許文献1には、見守り対象者が携帯する通信端末が、自身の位置が予め登録された経路範囲から大きく逸脱したと判定すると、その旨を見守り者である保護者が所有する通信端末に通知することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−251402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、見守り者と見守り対象者とは、一緒に外出する場合がある。この場合、見守り対象者が予め登録された経路範囲の外で行動する可能性が高いので、特許文献1に記載された技術を用いる場合、予め登録された経路範囲から逸脱した場合に見守り者の通信端末に通知する機能を停止させる必要がある。ところが、この状態で、見守り対象者が見守り者から離れて迷子になってしまった場合、見守り者が見守り対象者の状態を把握できないという問題が生じてしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、見守り対象者が見守り者から離れた場合に見守り者に適切に対応させることができる通信端末、通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る通信端末は、自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部と、前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶する記憶部と、前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行う通信制御部と、を備える。
【0007】
前記通信端末は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部による前記他端末との無線通信の開始指示を受け付ける画面を表示部に表示させて当該開始指示を受け付ける受付部をさらに備え、前記通信制御部は、前記開始指示を受け付けると、前記第2通信部により、前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行うようにしてもよい。
【0008】
前記通信端末は、前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況の監視指示を受け付ける受付部と、前記受付部が前記監視指示を受け付けると、前記他端末を識別する端末識別情報を前記他端末から取得する取得部と、取得された前記他端末を識別する端末識別情報を前記記憶部に記憶させる記憶制御部とをさらに備えてもよい。
【0009】
前記通信制御部は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部の通信に係る契約内容に基づいて、前記第2通信部により前記他端末との無線通信を自動的に行うか否かを制御してもよい。
前記通信制御部は、前記第2通信部により前記他端末との無線通信を行う場合に、前記契約内容に基づいて前記第2通信部による通信の内容を変化させてもよい。
【0010】
前記通信端末は、前記通信制御部が前記契約内容に基づいて前記第2通信部による無線通信を自動的に行う場合であっても、所定の条件を満たすときには、前記第2通信部による通信を開始するか否かの選択を受け付ける受付部をさらに備えてもよい。
【0011】
前記通信制御部は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信部により、前記他端末から、前記他端末を所持するユーザの移動態様を示す情報を受信し、前記通信端末は、前記他端末を所持するユーザの移動態様を示す情報を前記通信端末のユーザに通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記第2通信部による通信を許可するか否かの設定情報を記憶し、前記通信制御部は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記設定情報において前記第2通信部による通信が許可されていない場合であっても、前記第2通信部により、前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行ってもよい。
【0013】
前記通信端末は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と前記所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した場合において、前記設定情報において前記第2通信部による通信が許可されていないとき、前記設定情報を前記第2通信部による通信を許可する設定に変更し、当該設定の変更後に、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、前記設定情報を前記第2通信部による通信を許可しない設定に変更する設定変更部をさらに備えてもよい。
【0014】
前記通信端末は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した後、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、前記第1通信部による前記他端末との無線通信ができることを前記通信端末のユーザに通知する通知部をさらに備えてもよい。
前記通知部は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、前記通信端末が前記他端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した後、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、前記他端末と前記所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化したことを前記通信端末のユーザに通知してもよい。
【0015】
前記通信端末は、前記通信端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備え、前記通信制御部は、前記位置情報に基づいて、前記他端末との無線通信の通信状況を監視してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係る通信システムは、第1通信端末と、第2通信端末とを備える通信システムであって、前記第1通信端末及び前記第2通信端末は、自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを有し、前記第1通信端末は、前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象の前記第2通信端末を識別する端末識別情報を記憶する記憶部と、前記第1通信部による前記第2通信端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記端末識別情報に基づく前記第2通信端末との無線通信を行う通信制御部とをさらに有する。
【0017】
前記第2通信端末は、前記第1通信部による無線通信の通信状況が、自身が前記第1通信端末と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、前記第2通信端末のユーザが前記第1通信端末のユーザとはぐれたことを前記第2通信端末の周囲に通知する通知部を備えてもよい。
【0018】
本発明の第2の態様に係る通信方法は、自身と他端末との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、前記第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを備えるコンピュータにより実行される、前記第1通信部による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された前記他端末を識別する端末識別情報を記憶部に記憶させるステップと、前記第1通信部による前記他端末との無線通信の通信状況に基づいて、前記第2通信部により、前記記憶部に記憶されている前記端末識別情報に基づく前記他端末との無線通信を行うステップと、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、見守り対象者が見守り者から離れた場合に見守り者に適切に対応させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る通信システムの概要を示す図である。
図2】第1実施形態に係る第1通信端末の構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係る第2通信端末の構成を示す図である。
図4】ペアリング時の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】監視画面の一例を示す図である。
図6】第1通信部による第2通信端末との無線通信の通信状況の監視時の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】監視画面による離間度合いの通知例を示す図である。
図8】警告画面の一例を示す図である。
図9】第3実施形態に係る第1通信端末の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
[通信システムSの構成]
図1は、第1実施形態に係る通信システムSの概要を示す図である。
通信システムSは、見守り者が所持する第1通信端末1と、見守り対象者が所持する第2通信端末2とを備える。ここで、見守り対象者は、例えば子供であり、見守り者は、例えば子供の保護者(親)である。
【0022】
第1通信端末1は、制御部や記憶部を備え、見守り者が携帯可能なコンピュータである。第1通信端末1は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機であり、自身と他端末(第2通信端末)との離間度合いを特定するための無線通信を行う第1通信部と、第1通信部とは異なる方式で無線通信を行う第2通信部とを備える。
【0023】
第2通信端末2は、制御部や記憶部を備え、例えば、見守り対象者が体に装着可能なウェアラブルコンピュータである。第2通信端末2は、例えば、腕時計型の携帯電話機であり、第1通信端末1と同様に、第1通信部と第2通信部とを備える。
【0024】
第1通信端末1を所持する見守り者は、第2通信端末2を所持する見守り対象者とともに行動する場合、第1通信端末1を操作して、見守り対象者が見守り者から離れたか否かを監視する機能(監視機能)をオン状態にする。
【0025】
第1通信端末1は、監視機能がオン状態にされたことに応じて、見守り対象者が所持する第2通信端末2と、第1通信部による無線通信により通信を行う。第1通信部の通信可能距離は、例えば50m程度であり、第1通信端末1は、第1通信部による第2通信端末2との通信が可能な場合、見守り対象者が見守り者から離れていないと判定する。
【0026】
第1通信端末1は、第1通信部による無線通信により第2通信端末2と通信ができなくなるか、第2通信端末2から受信する電波の電波強度が所定の閾値以下に変化すると、見守り対象者が見守り者から離れたと判定する。第1通信端末1は、見守り対象者が見守り者から離れたと判定した場合、第2通信部により、第2通信端末2と無線通信を行い、電話等による見守り対象者と見守り者とのコミュニケーションを可能とする。
【0027】
このようにすることで、第1通信端末1を所持する見守り者は、第2通信端末2を所持する見守り対象者が離れた場合に、第2通信部を介して見守り対象者とコミュニケーションを取ることができ、適切な対応を取ることができる。
続いて、第1通信端末1及び第2通信端末2の構成について説明する。
【0028】
[第1通信端末1の構成]
図2は、第1実施形態に係る第1通信端末1の構成を示す図である。第1通信端末1は、入力部11と、表示部12と、第1通信部13と、第2通信部14と、記憶部15と、制御部16とを備える。
【0029】
入力部11は、例えば、ボタンやタッチパネルであり、第1通信端末1のユーザから操作入力を受け付ける。
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、制御部16の制御に応じて各種情報を表示する。
【0030】
第1通信部13は、自身と第2通信端末2との離間度合いを判定するための無線通信を行う。第1通信部13は、BLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)等の、通信可能な距離が所定距離(例えば、50m)である近距離無線通信方式により、第2通信端末2と無線通信を行う。
【0031】
第1通信部13は、例えば、第2通信端末2から発信されたビーコン信号を受信する。第1通信部13は、受信したビーコン信号に対応する電波の電波強度を測定する。第1通信部13は、測定された電波強度を示す情報と、ビーコン信号に含まれているビーコンIDとを制御部16に出力する。
【0032】
第2通信部14は、第1通信部13とは異なる方式で無線通信を行う。例えば、第2通信部14は、携帯電話回線やインターネット等の通信ネットワークを介して第2通信端末2と通信を行う。
【0033】
記憶部15は、例えば、ROM及びRAM等である。記憶部15は、第1通信端末1を機能させるための各種プログラムを記憶する。記憶部15は、第1通信端末1の制御部16を、第1受付部161、取得部162、記憶制御部163、通信制御部164、第2受付部165、及び通知部166として機能させる見守り用プログラムを記憶する。記憶部15は、外部メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って記憶してもよく、通信ネットワークを介して外部機器からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
【0034】
なお、第1通信端末1に接続されている記憶媒体も、記憶部15に含まれるものとする。第1通信端末1に接続されている記憶媒体は、例えば、第1通信端末1を識別する識別情報としての第1通信端末1の電話番号(以下、第1電話番号ともいう。)を記憶するSIMカードである。
【0035】
また、記憶部15は、監視対象の見守り対象者が所持する第2通信端末2を識別する端末識別情報として、第2通信端末2に予め割り当てられているユーザIDと、見守り対象者の名称とを記憶する。
【0036】
制御部16は、例えば、CPUである。制御部16は、記憶部15に記憶されている各種プログラムを実行することにより、第1通信端末1に係る機能を制御する。制御部16は、第1受付部161と、取得部162と、記憶制御部163と、通信制御部164と、第2受付部165と、通知部166とを備える。これらの機能の詳細については後述する。
【0037】
[第2通信端末2の構成]
図3は、第1実施形態に係る第2通信端末2の構成を示す図である。第2通信端末2は、入力部21と、表示部22と、第1通信部23と、第2通信部24と、記憶部25と、制御部26とを備える。
入力部21、表示部22、第1通信部23、及び第2通信部24の機能は、第1通信端末1の入力部11、表示部12、第1通信部13、及び第2通信部14の機能と同じであるので説明を省略する。
【0038】
記憶部25は、例えば、ROM及びRAM等である。記憶部25は、第2通信端末2を機能させるための各種プログラムを記憶する。記憶部25は、第2通信端末2の制御部26を、取得部262、記憶制御部263、通信制御部264、受付部265、及び通知部266として機能させる見守り用プログラムを記憶する。記憶部25は、外部メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って記憶してもよく、通信ネットワークを介して外部機器からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
【0039】
なお、第2通信端末2に接続されている記憶媒体も、記憶部25に含まれるものとする。第2通信端末2に接続されている記憶媒体は、例えば、第2通信端末2を識別する識別情報としての第2通信端末2の電話番号(以下、第2電話番号ともいう。)を記憶するSIMカードである。
【0040】
また、記憶部25は、見守り者が所持する第1通信端末1を識別する端末識別情報として、第1通信端末1に予め割り当てられているユーザIDと、見守り者の名称(例えば、お母さん、お父さん等)とを記憶する。
【0041】
制御部26は、例えば、CPUである。制御部26は、記憶部25に記憶されている各種プログラムを実行することにより、第2通信端末2に係る機能を制御する。制御部26は、取得部262と、記憶制御部263と、通信制御部264と、受付部265と、通知部266とを備える。
続いて、適宜、フローチャートを参照しながら、第1通信端末1及び第2通信端末2が備える機能の詳細について説明する。
【0042】
[ペアリング時の処理の流れ]
まず、第1通信端末1により第2通信端末2の監視を開始する際に行われるペアリング時の処理の流れについて説明する。図4は、ペアリング時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
まず、第1通信端末1の第1受付部161は、第1通信部13による、第2通信端末2との無線通信の通信状況の監視指示を受け付ける。具体的には、第1受付部161は、入力部11を介して、第2通信端末2の監視を行うための監視画面の表示要求を受け付けたことに応じて、当該監視画面を表示部12に表示させる。
【0044】
図5は、監視画面の一例を示す図である。図5に示す例では、第1通信端末1から第2通信端末2までのおおよその距離を示す扇形の距離通知用画像Aと、第1通信端末1を示すオブジェクトPとが表示されている。また、図5に示す例では、「ON」と表示され、監視指示を受け付けるためのオンボタンと、「OFF」と表示され、監視を終了する監視終了指示を受け付けるためのオフボタンとが設けられている。
【0045】
第1受付部161は、監視画面においてオンボタンが押下され、監視指示を受け付けたか否かを判定する(S1)。第1受付部161は、監視指示を受け付けたと判定すると、S2に処理を移し、監視指示を受け付けていないと判定すると、S1を再実行する。
【0046】
第1通信端末1の取得部162は、第1受付部161が監視指示を受け付けると、第2電話番号を第2通信端末2から取得する。また、第2通信端末2の取得部262は、第1電話番号を第1通信端末1から取得する。
【0047】
具体的には、第1通信端末1の取得部162は、第2通信端末2をサーチするためのサーチ信号を第1通信部13に発信させる(S2)。
第2通信端末2の取得部262は、サーチ信号を受信すると(S3)、当該サーチ信号に対応する応答信号を第1通信部23に発信させる(S4)。
【0048】
第1通信端末1の取得部162は、第2通信端末2から応答信号を受信すると(S5)、自身の記憶部15に記憶されている、自身に割り当てられている電話番号である第1電話番号を取得し(S6)、第2通信端末2に送信する(S7)。
【0049】
第2通信端末2の取得部262が第1電話番号を受信すると(S8)、記憶制御部263は、第1電話番号を記憶部25に記憶させる(S9)。
また、第2通信端末2の取得部262は、自身の記憶部25に記憶されている、自身に割り当てられている電話番号である第2電話番号を取得し(S10)、第1通信端末1に送信する(S11)。
【0050】
第1通信端末1の取得部162が第2電話番号を受信すると(S12)、記憶制御部163は、当該第2電話番号を、第1通信部13による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された第2通信端末2を識別する端末識別情報として記憶部15に記憶させる(S13)。これにより、第1通信端末1と第2通信端末2とのペアリングが完了し、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況の監視が開始される。
【0051】
[監視時の処理の流れ]
続いて、第1通信端末1の通信制御部164は、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況を監視する。そして、通信制御部164は、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況に基づいて、第2通信部14により、端末識別情報(第2電話番号)に基づく第2通信端末2との無線通信を行う。図6は、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況の監視時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
まず、第2通信端末2の通信制御部264は、第1通信部23により、ビーコン信号を発信する(S21)。第1通信部23は、例えば、見守り対象者のユーザIDをビーコンIDに含むビーコン信号を発信する。
第1通信端末1の通知部166は、第1通信部13によるビーコン信号の受信状況に基づいて、第1通信端末1と第2通信端末2との離間度合いを見守り者に通知する(S22)。
【0053】
具体的には、通知部166は、第1通信部13がビーコン信号を受信した場合には、ビーコン信号に対応する電波の受信強度を示す情報を第1通信部13から取得し、当該受信強度を示す情報に基づいて、第2通信端末2との離間度合いを判定する。通知部166は、監視画面に表示されている扇形の距離通知用画像Aの内部に、判定した離間度合いに基づいて第2通信端末2を示すオブジェクトWを表示させる。
【0054】
図7は、監視画面による離間度合いの通知例を示す図である。図7(a)には、第2通信端末2を示すオブジェクトWが表示されていることが確認できる。通知部166は、第2通信端末2との離間度合いが小さい場合には、第1通信端末1を示すオブジェクトPに近い位置にオブジェクトWを表示させ、第2通信端末2との離間度合いが大きい場合には、オブジェクトPから遠い位置にオブジェクトWを表示させる。
【0055】
また、通知部166は、第1通信部13がビーコン信号を受信していない場合、又は第1通信部13が第2通信端末2から受信する電波の電波強度が所定の閾値以下の場合には、第1通信端末1と第2通信端末2との距離が第1通信部13の通信可能距離(所定距離)以上であると推定する。この場合、通知部166は、図7(b)に示すように、オブジェクトWを非表示とする。
【0056】
続いて、第1通信端末1の通信制御部164は、第1通信部13がビーコン信号を受信したか否かを判定する(S23)。通信制御部164は、ビーコン信号を受信したと判定すると、S24に処理を移し、ビーコン信号を受信していないと判定すると、S25に処理を移す。
S24において、通信制御部164は、第1通信部13により、ビーコン信号の応答信号を発信させる。第1通信部13は、例えば、見守り者のユーザIDを含む応答信号を発信する。その後、通信制御部164は、S22に処理を移す。
【0057】
S25において、通信制御部164は、第1通信部13がビーコン信号を最後に受信してから所定時間(例えば、10秒)経過したか否かを判定する。通信制御部164は、応答信号を最後に受信してから所定時間が経過したと判定すると、S26に処理を移し、応答信号を最後に受信してから所定時間が経過していないと判定すると、S22に処理を移す。
【0058】
S26において、第2受付部165は、第1通信部13がビーコン信号を最後に受信してから所定時間が経過すると、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化したと判定する。そして、第2受付部165は、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付ける警告画面を表示部12に表示させる。警告画面を表示させた後の処理については後述する。
【0059】
第2通信端末2の通知部266は、第1通信部23による応答信号の受信状況に基づいて、第1通信端末1と第2通信端末2との離間度合いを見守り対象者に通知する(S27)。通知部266は、第1通信端末1の通知部166と同様に、応答信号に対応する電波の受信強度を示す情報を第1通信部23から取得し、当該受信強度を示す情報に基づいて、第1通信端末1との離間度合いを判定する。そして、通知部266は、例えば、図5に示す監視画面と同様に扇形の距離通知用画像を表示部22に表示させ、当該距離通知用画像の内部に、判定した離間度合いに基づいて第1通信端末1を示すオブジェクトを表示する。
【0060】
続いて、第2通信端末2の通信制御部264は、第1通信部23が応答信号を受信したか否かを判定する(S28)。通信制御部264は、応答信号を受信したと判定すると、S21に処理を移し、応答信号を受信していないと判定すると、S29に処理を移す。
【0061】
S29において、通信制御部264は、第1通信部23が応答信号を最後に受信してから所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判定する。通信制御部264は、応答信号を最後に受信してから所定時間が経過したと判定すると、S30に処理を移し、応答信号を最後に受信してから所定時間が経過していないと判定すると、S21に処理を移す。
【0062】
S30において、受付部265は、第1通信部23が応答信号を最後に受信してから所定時間が経過すると、第1通信部23による無線通信の通信状況が、第2通信端末2が第1通信端末1と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化したと判定する。そして、受付部265は、第2通信部24による第1通信端末1との無線通信の開始指示を受け付ける警告画面を表示部22に表示させる。
【0063】
[警告画面表示後の処理]
続いて、警告画面を表示した後の処理について説明する。
第1通信端末1の第2受付部165は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付ける警告画面を表示部12に表示させ、当該開始指示を受け付ける。また、第2受付部165は、第1通信端末1が備えるスピーカ(不図示)から警告音を出力させることにより、見守り者に、第2通信端末2を所持する見守り対象者が自身から離れたことを通知する。
【0064】
図8は、警告画面ALの一例を示す図である。図8に示すように、警告画面ALは、監視画面に重畳して表示される。警告画面ALには、「電話する」と表示され、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付ける第1ボタンと、「音をストップ」と表示され、警告音の出力停止を受け付ける第2ボタンと、「終了」と表示され、警告画面ALを非表示にする指示を受け付ける第3ボタンとが設けられている。
【0065】
通信制御部164は、第1ボタンが選択され、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付けると、第2通信部14により、第2電話番号に基づく第2通信端末2との無線通信を行う。具体的には、通信制御部164は、開始指示を受け付けると、第2通信部14を制御し、ペアリング時に記憶部15に記憶された第2電話番号に発呼する。第2通信端末2の受付部265は、着呼したことに応じて、第1通信端末1から着呼していることを表示部22に表示させる。見守り対象者が第2通信端末2を操作して、通話を開始する操作を行うと、第1通信端末1の第2通信部14と、第2通信端末2の第2通信部24とは無線通信を開始する。
【0066】
同様に、第2通信端末2の受付部265は、第2通信部24による第1通信端末1との無線通信の開始指示を受け付ける警告画面を表示部22に表示させ、当該開始指示を受け付ける。また、受付部265は、第2通信端末2が備えるスピーカ(不図示)から警告音を出力させることにより、見守り対象者に、自身が、第1通信端末1を所持する見守り者から離れたことを通知する。
【0067】
受付部265は、図8に示す警告画面ALと同様に、第1ボタン、第2ボタン、及び第3ボタンが設けられている警告画面を表示させ、第2通信部24による第1通信端末1との無線通信の開始指示を受け付ける。なお、第2通信端末2側では、警告画面に、警告画面を非表示にする指示を受け付ける第3ボタンを表示させないようにしてもよい。このようにすることで、第2通信端末2では、警告画面が非表示にならないので、見守り対象者が、警告画面に表示されている第1ボタンを選択して、見守り者とのコミュニケーションを開始する可能性を高めることができる。
【0068】
通知部266は、第1通信部23による無線通信の通信状況が、第2通信端末2が第1通信端末1と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、第2通信端末2を所持する見守り対象者が見守り者と離れたことを第2通信端末2の周囲に通知する。例えば、通知部266は、警告画面が表示された後、所定時間(例えば、1分)にわたって、警告画面の操作が行われなかったことに応じて、見守り対象者が見守り者と離れたことを示す情報、及び見守り対象者の身元を示す情報が示された通知画面を表示部22に表示させるとともに、警告音をスピーカから出力させ、見守り対象者が見守り者と離れたことを第2通信端末2の周囲に通知する。このようにすることで、見守り対象者が見守り者と離れたことを第三者に気付かせ、第三者に適切な対応を取る可能性を高めることができる。
【0069】
なお、第1通信端末1と、第2通信端末2とが互いに送受信する信号に基づいて警告画面を表示させることにより、第1通信端末1と、第2通信端末2とが、同じタイミングで警告画面を表示する可能性が高い。この場合、見守り者と、見守り対象者が警告画面において同じタイミングで第2通信部による無線通信の開始指示を行うことにより話し中となり、見守り者と見守り対象者とがコミュニケーションを取ることができなくなるおそれがある。
【0070】
そこで、第1通信端末1と、第2通信端末2とにおける警告画面の表示タイミングをそれぞれ異なるようにしてもよい。例えば、第1通信端末1において、第1通信部13がビーコン信号を最後に受信してから第1時間(例えば、10秒)経過したことに応じて警告画面を表示させ、第2通信端末2において、第1通信部23が応答信号を最後に受信してから第2時間(例えば、20秒)経過したことに応じて警告画面を表示させるようにしてもよい。また、第1通信端末1と第2通信端末2とは、警告画面に表示される第2通信部による無線通信の開始指示を受け付ける第1ボタンを選択可能になるまでの時間がそれぞれ異なるように制御してもよい。
【0071】
なお、第1通信端末1は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、警告画面を表示部12に表示させ、当該警告画面において第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付けることとしたが、これに限らない。例えば、第1通信端末1は、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付けることなく、自動的に、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信を開始させるようにしてもよい。
【0072】
[見守り対象者の状況を示す情報の表示]
第1通信端末1及び第2通信端末2において、第1通信部による無線通信の通信状況が、通信相手(第2通信端末2又は第1通信端末1)と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した場合、第1通信端末1を所持する見守り者に、見守り対象者の状況を示す状況情報を通知してもよい。
【0073】
例えば、第2通信端末2の取得部262は、第1通信部23による無線通信の通信状況が、第2通信端末2が第1通信端末1と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、第2通信端末2が備える加速度センサ(不図示)から出力される加速度情報に基づいて、第2通信端末2を所持する見守り対象者の移動態様を示す情報を取得する。例えば、移動態様を示す情報には、徒歩、車、又は電車による移動であることを示す情報や、ゆっくり移動しているか、素早く移動しているか等の移動速度に関する情報が含まれる。通信制御部264は、見守り対象者の移動態様を示す情報を、見守り対象者の状況を示す状況情報として、第2通信部24を介して第1通信端末1に送信する。
【0074】
第1通信端末1の通信制御部164は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、第2通信部14により、第2通信端末2から、見守り対象者の状況を示す状況情報として、見守り対象者の移動態様を示す情報を受信する。通知部166は、受信した見守り対象者の移動態様を示す情報を表示部12に表示させたり、移動態様を示す音声をスピーカから出力させたりすることで、第1通信端末1を所持する見守り者に通知する。このようにすることで、見守り者は、見守り対象者の移動態様を把握して、見守り対象者がおかれている状況がどのような状況であるかを把握することができる。
【0075】
なお、第2通信端末2は、見守り対象者の状況を示す状況情報として、見守り対象者の移動態様を示す情報を第1通信端末1に送信したが、これに限らない。例えば、第2通信端末2は、自身の位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を見守り対象者の状況を示す状況情報として第1通信端末1に送信してもよい。また、第2通信端末2は、自身に設けられている撮像部(不図示)により自身の周囲を撮像させて画像データを生成し、当該画像データを見守り対象者の状況を示す状況情報として第1通信端末1に送信してもよい。
また、第1通信端末1の通知部166は、第2通信端末2から受信した位置情報と、自身の位置情報とに基づいて、第1通信端末1から第2通信端末2が離れているか否かを判定してもよい。そして、通知部166は、見守り対象者の状況を示す状況情報として、第2通信端末2(見守り対象者)が、自身に近づいているか、離れているかを通知するようにしてもよい。
【0076】
また、第1通信端末1が、自身の位置を示す情報を示す位置情報や、自身の周囲を撮像することによって生成された画像データを、見守り者の状況を示す情報として第2通信端末2に送信してもよい。そして、第2通信端末2の通知部266が、見守り者の状況を示す情報を受信したことに応じて、当該情報を表示部22に表示させたり、当該情報を示す音声をスピーカから出力させたりすることで、見守り対象者に通知してもよい。
【0077】
[第1通信部による通信が通信可能状態に復帰したときの処理]
なお、第1通信端末1及び第2通信端末2において第1通信部による無線通信の通信状況が、通信相手と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した場合、第1通信端末1及び第2通信端末2は、第1通信部による通信が可能か否かの判定を続けてもよい。
【0078】
例えば、第1通信端末1の通信制御部164は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した後も、第1通信部13がビーコン信号を受信したか否かを判定する。第1通信端末1の通知部166は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した後、第2通信端末2との無線通信ができる状態、すなわち、第2通信端末2と所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信ができることを見守り者に通知する。なお、第1通信端末1の通知部166は、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信ができることを通知する代わりに、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信ができる状態に変化したこと、又は第1通信端末1と第2通信端末2との距離が所定距離以内に変化したことを見守り者に通知してもよい。
【0079】
同様に、第2通信端末2の通知部266も、第1通信部23による無線通信の通信状況が、第2通信端末2が第1通信端末1と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した後、第1通信端末1と所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、第1通信部23による第1通信端末1との無線通信ができることを見守り対象者に通知する。このようにすることで、見守り者は、見守り対象者が自身に近づいていることを把握することができるとともに、見守り対象者も、見守り者が自身に近づいていることを把握することができる。
【0080】
[第1実施形態における効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る第1通信端末1は、第1通信部13による無線通信の通信状況を監視する対象として指定された第2通信端末2を識別する端末識別情報を記憶部15に記憶し、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況に基づいて、第2通信部14により、第2通信端末2を識別する端末識別情報に基づく第2通信端末2との無線通信を行う。
【0081】
このようにすることで、第1通信端末1を所持する見守り者は、第2通信端末2を所持する見守り対象者が離れた場合に、第2通信部14を介して見守り対象者とコミュニケーションを取ることができ、適切な対応を取ることができる。
【0082】
また、第1通信端末1は、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況の監視指示を受け付けると、第2通信端末2を識別する第2電話番号を第2通信端末2から取得し、当該第2電話番号を記憶部15に記憶させる。このようにすることで、例えば、第2通信端末2に装着するSIMカードが変更され、第2電話番号が変化することがあっても、第1通信端末1は、監視する時点において第2電話番号を取得するので、見守り対象者が離れた場合に、当該第2電話番号を用いて確実に第2通信端末2と通信を行うことができる。
【0083】
<第2実施形態>
[通信契約の内容に基づいて第2通信部14による通信を行う]
続いて、第2実施形態に係る通信システムSについて説明する。第2通信部14に係る通信の契約内容が、第2通信部14による通信を利用したことに応じて課金される従量課金である場合、第1通信端末1の契約者(見守り者)の金銭負担が増加するという問題がある。例えば、第1通信端末1が、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付けることなく、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信を自動的に開始させる場合、金銭負担が特に増加するという問題がある。そこで、第2実施形態に係る第1通信端末1は、第2通信部14に係る通信の契約内容に基づいて第2通信部14による通信を行う点で第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる部分について説明を行う。第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0084】
第2実施形態において、通信制御部164は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、第2通信部14の通信に係る契約内容に基づいて、第2通信部14により第2通信端末2との無線通信を行うか否かを制御する。
【0085】
例えば、記憶部15に、第2通信部14に係る契約内容を示す情報を記憶させておき、通信制御部164は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、記憶部15に記憶されている契約内容を示す情報を参照し、第2通信部14による通信が定額か否かを判定する。
【0086】
通信制御部164は、第2通信部14による通信に係る料金が定額である場合には、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付けることなく、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信を自動的に開始させる。
【0087】
ここで、第2受付部165は、通信制御部164が契約内容に基づいて第2通信部14による無線通信を自動的に行う場合であっても、所定の条件を満たすときには、警告画面を表示させ、第2通信部14による通信を開始するか否かの選択を受け付けるようにしてもよい。ここで、所定の条件は、例えば、契約内容が適用されない外国等の地域に第1通信端末1が存在していることである。
【0088】
例えば、通信制御部164は、第1通信端末1が備える位置情報取得部(不図示)により、自身の位置を示す位置情報を取得すると、当該位置情報に基づいて、自身の位置が、定額による通信が適用されない地域であるか否かを判定する。そして、通信制御部164は、定額による通信が適用されない地域に第1通信端末1が存在している場合には、警告画面を表示させ、第2通信部14による通信を開始するか否かの選択を受け付ける。このようにすることで、定額による通信に係る契約が適用されず、通信量に応じて従量課金される地域において、自動的に第2通信部14による無線通信が開始されることを防止し、第1通信端末1の契約者(見守り者)の金銭負担を軽減することができる。
【0089】
また、通信制御部164は、第2通信部14による通信が定額ではない場合には、警告画面を表示させ、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付ける第1ボタンが選択されたことに応じて、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信を開始させる。
【0090】
また、第2通信部14による第2通信端末2との通信方法が複数存在する場合、通信制御部164は、第2通信部14により第2通信端末2との無線通信を行う場合に、記憶部15に記憶されている契約内容を示す情報に基づいて、第2通信部14による通信の内容を変化させてもよい。例えば、第2通信部14による第2通信端末2との通信が、データ通信、又は音声通話により可能である場合、通信制御部164は、それぞれの通信の契約内容を示す情報に基づいて、第2通信部14による第2通信端末2との通信をデータ通信で行うか、音声通話で行うかを選択する。例えば、データ通信が定額、音声通話が従量課金である場合、通信制御部164は、データ通信によって第2通信端末2との通信を行う。通信制御部164は、データ通信を利用して音声通話を開始するようにしてもよい。
【0091】
[第2実施形態における効果]
以上説明したように、第2実施形態に係る第1通信端末1は、第2通信部14の通信に係る契約内容に基づいて、第2通信部14により第2通信端末2との無線通信を自動的に行うか否かを制御するので、例えば、契約内容が従量課金制である場合に、第2通信部14による無線通信を自動的に開始されることを防止し、第1通信端末1の契約者の金銭負担を軽減することができる。
【0092】
<第3実施形態>
[ローミングの設定を一時的に切り替える]
続いて、第3実施形態に係る通信システムSについて説明する。例えば、見守り者及び見守り対象者が国外に滞在する場合、通信費用の増加を抑えるため、国外の通信事業者の通信回線を利用した第2通信部による通信を禁止する設定にしていることがある。しかしながら、国外では、見守り対象者の安全確認を行うことが重要であることから、見守り対象者が見守り者から離れた場合、見守り対象者とのコミュニケーションを速やかに取ることが求められる。第3実施形態では、国外の通信事業者の通信回線を利用した通信に係るローミングの設定を一時的に切り替えるようにする点で第1実施形態と異なる。
【0093】
図9は、第3実施形態に係る第1通信端末1の構成を示す図である。第3実施形態において、制御部16は、設定変更部167をさらに備える。
第3実施形態において、第2通信部14は、第1通信端末1の契約先である通信事業者が提携している他の通信事業者が提供する通信回線を利用して通信を行うことができる。
また、記憶部15は、国外の通信事業者の通信回線を利用した第2通信部14による通信を許可するか否かを示すローミング設定情報を記憶する。
【0094】
通信制御部164は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、ローミング設定情報において第2通信部14による通信が許可されていない場合であっても、第2通信部14により、端末識別情報(第2電話番号)に基づく第2通信端末2との無線通信を行う。
【0095】
具体的には、通信制御部164は、ローミング設定情報に基づいて第2通信部14による第2通信端末2との無線通信を行うか否かを判定し、ローミング設定情報が、第2通信部14による通信を許可している場合に、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信を行う。ここで、設定変更部167は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した場合に、ローミング設定情報において第2通信部14による通信が許可されていないとき、ローミング設定情報を第2通信部14による通信を許可する設定に変更する。
【0096】
これにより、ローミング設定情報において第2通信部14による通信が許可されていない場合であっても、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化した場合に、ローミング設定情報が第2通信部14による通信が許可する設定に一時的に変更される。よって、通信制御部164は、第2通信部14による第2通信端末2との通信を行うことができる。
【0097】
また、設定変更部167は、ローミング設定の変更後に、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていないことを示す通信状況に変化すると、ローミング設定情報を第2通信部14による通信を許可しない設定に変更する。
【0098】
[第3実施形態における効果]
以上説明したように、第3実施形態に係る第1通信端末1は、第1通信部13による無線通信の通信状況が、第1通信端末1が第2通信端末2と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、ローミング設定情報において第2通信部14による通信が許可されていない場合であっても、第2通信部14により、第2通信端末2との無線通信を行う。したがって、見守り者は、国外において国外の通信事業者の通信回線を利用した第2通信部14による通信を禁止する設定にしていても、自身から見守り対象者が離れた場合に、見守り対象者とのコミュニケーションを速やかに取ることができる。
【0099】
<第4実施形態>
[位置情報に基づいて第1通信部13による無線通信の通信状況を監視するか否かを制御する]
続いて、第4実施形態に係る通信システムSについて説明する。第4実施形態に係る第1通信端末1は、位置情報に基づいて、第1通信部13による無線通信の通信状況を監視するか否かを制御する点で第1実施形態と異なる。
【0100】
第4実施形態に係る第1通信端末1は、自身の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部(不図示)をさらに備える。
また、第4実施形態に係る記憶部15は、第1通信端末1を所持する見守り者の自宅の位置を示す自宅位置情報を記憶する。
【0101】
通信制御部164は、図5に示す監視画面において、監視指示を受け付けた後、位置情報に基づいて、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況を監視する。具体的には、通信制御部164は、位置情報取得部により、自身の位置を示す位置情報を取得する。そして、通信制御部164は、取得した位置情報が示す位置が、見守り者の自宅位置情報が示す位置から所定距離以上離れているか否かを判定する。通信制御部164は、所定距離以上離れていると判定すると、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況を監視する。また、通信制御部164は、所定距離以上離れていないと判定すると、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況を監視しないように制御する。
【0102】
[第4実施形態における効果]
以上説明したように、第4実施形態に係る第1通信端末1は、取得した位置情報が示す位置が、見守り者の自宅位置情報が示す位置から所定距離以上離れている場合に、第1通信部13による第2通信端末2との無線通信の通信状況を監視するので、例えば、見守り者と見守り対象者とが自宅の近所を散歩する場合等、見守り対象者が単独で適切な対応と取ることが可能な場合に監視を行わないようにすることができる。
【0103】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。例えば、上述の実施形態では、第1通信端末1と、第2通信端末2とが、第2通信部による無線通信を行う場合に、端末識別情報として、電話番号を用いることとしたが、これに限らない。例えば、端末識別情報は、メールアドレスや、メッセンジャーのユーザIDであってもよい。そして、第1通信端末1及び第2通信端末2は、第1通信部による無線通信の通信状況が、通信相手(第2通信端末2又は第1通信端末1)と所定距離以上離れていることを示す通信状況に変化すると、第2通信部により、SMS(Short Message Service)やメールアドレスやメッセンジャーのユーザIDに基づいて、通信相手との無線通信を行ってもよい。例えば、第2通信部14による第2通信端末2との無線通信の開始指示を受け付ける警告画面に、SMSのメッセージ、電子メールのメッセージ、又はメッセンジャーアプリのメッセージを受け付けるボタンを表示させてもよい。
【0104】
また、上述の実施形態では、第1通信端末1及び第2通信端末2は、ペアリング時に、通信相手の電話番号を取得して記憶したが、一度、通信相手の電話番号を記憶した後は、ペアリング時に、通信相手の電話番号を取得しないようにしてもよい。また、第1通信端末1は、予め第1通信部13による無線通信の通信状況を監視する対象として第2通信端末2の指定を受け付けてもよい。この場合、第1通信端末1は、指定を受け付けたタイミングで、第2通信端末2を識別する第2電話番号を取得して記憶部15に記憶するようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0106】
1・・・第1通信端末、11・・・入力部、12・・・表示部、13・・・第1通信部、14・・・第2通信部、15・・・記憶部、16・・・制御部、161・・・第1受付部、162・・・取得部、163・・・記憶制御部、164・・・通信制御部、165・・・第2受付部、166・・・通知部、167・・・設定変更部、2・・・第2通信端末、21・・・入力部、22・・・表示部、23・・・第1通信部、24・・・第2通信部、25・・・記憶部、26・・・制御部、262・・・取得部、263・・・記憶制御部、264・・・通信制御部、265・・・受付部、266・・・通知部、S・・・通信システム
図1
図2
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図9