(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6534725
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】ローターディスクシーリング装置と、それを備えるローター組立体及びガスタービン
(51)【国際特許分類】
F01D 11/00 20060101AFI20190617BHJP
F01D 5/06 20060101ALI20190617BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20190617BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20190617BHJP
F16J 15/06 20060101ALI20190617BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20190617BHJP
【FI】
F01D11/00
F01D5/06
F01D25/00 M
F02C7/28 Z
F16J15/06 H
F16B5/02 U
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-236461(P2017-236461)
(22)【出願日】2017年12月8日
(65)【公開番号】特開2018-178993(P2018-178993A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2017年12月8日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0046876
(32)【優先日】2017年4月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598026253
【氏名又は名称】斗山重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ, ジャ ウォン
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−247999(JP,A)
【文献】
特開2013−155680(JP,A)
【文献】
特開昭54−071215(JP,A)
【文献】
特開2016−098809(JP,A)
【文献】
特表2006−506569(JP,A)
【文献】
特開2013−253518(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0050236(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/06
F01D 11/00
F01D 25/00
F02C 7/28
F16B 5/02
F16J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに結合されるローターディスクの対向面の間に発生するリーケージギャップを密閉するローターディスクシーリング装置において、
前記ローターディスクの対向する面部にそれぞれ形成されたスロットと、
前記スロットに装着される硬質の密閉板と、
前記密閉板の一側面に結合される軟質の補助板と、
を含み、
前記密閉板の他側面には、幅方向中央部へ行くほど突出する凸状のラウンド部が形成されることを特徴とするローターディスクシーリング装置。
【請求項2】
前記スロットは、前記ローターディスクの円周方向にリング状に形成され、
前記密閉板及び前記補助板は、リング構造を有し、
前記補助板は、前記密閉板の内周面に取付けられることを特徴とする請求項1に記載のローターディスクシーリング装置。
【請求項3】
前記密閉板及び前記補助板は、それぞれ両端が互いに連結される複数の単位板部材で構成されることを特徴とする請求項2に記載のローターディスクシーリング装置。
【請求項4】
前記密閉板の単位板部材は、互いに連結される両端に互いに対応する段差部を有することを特徴とする請求項3に記載のローターディスクシーリング装置。
【請求項5】
前記ローターディスクの対向面に対する結合は、互いに噛み合う歯形からなり、
前記単位板部材の互いに連結される両端部は、歯形の山と谷との間の部分に位置するように配置されることを特徴とする請求項3に記載のローターディスクシーリング装置。
【請求項6】
複数の圧縮機のローターディスクを備える圧縮機セクションと、
複数のタービンのローターディスクを備えるタービンセクションと、
前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとを貫通して延びるタイロッドと、
前記タイロッドの両端に取り付けられ、前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとを前記タイロッドに締結させる締結部と、
前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとを強制連結するように、前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとの間に装着されるトルクチューブと、
互いに結合される前記複数の圧縮機のローターディスクの対向面の間、及び前記複数のタービンのローターディスクの対向面の間に設置され、前記複数の圧縮機のローターディスクの対向面の間、及び前記複数のタービンのローターディスクの対向面の間を密閉させるシーリング部と、
を含み、
前記複数の圧縮機のローターディスクの対向する面部、及び前記複数のタービンのローターディスクの対向する面部には、それぞれスロットが形成され、
前記シーリング部は、硬質の密閉板と、前記密閉板の一側面に結合する軟質の補助板と、を含み、
前記密閉板の他側面には、幅方向中央部へ行くほど突出する凸状のラウンド部が形成されることを特徴とするローター組立体。
【請求項7】
前記スロットは、前記圧縮機のローターディスク及び前記タービンのローターディスクにそれぞれ円周方向にリング状に形成され、
前記密閉板及び前記補助板は、リング構造を有し、前記補助板は、前記密閉板の1面に結合されることを特徴とする請求項6に記載のローター組立体。
【請求項8】
前記密閉板及び前記補助板は、それぞれ両端が互いに連結される複数の単位板部材で構成されることを特徴とする請求項7に記載のローター組立体。
【請求項9】
前記密閉板の単位板部材は、互いに連結される両端に互いに対応する段差部を有することを特徴とする請求項8に記載のローター組立体。
【請求項10】
前記複数の圧縮機のローターディスクの対向面及び前記複数のタービンのローターディスクの対向面に対する結合は、互いに噛み合う歯形からなり、
前記単位板部材が互いに結合される両端部は、歯形の山と谷との間の部分に位置するように配置されることを特徴とする請求項8に記載のローター組立体。
【請求項11】
前記締結部は、
前記タイロッドの一端に結合する圧縮機側ローターの締結部材と、
前記タイロッドの他端に結合するタービン側のローター締結部材と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載のローター組立体。
【請求項12】
請求項6に記載のローター組立体を含むことを特徴とするガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローターディスクシーリング装置と、それを備えるローター組立体及びガスタービンに係り、より詳しくは、ガスタービンのローター組立体で隣接するローターディスクの結合部位を密閉させるローターディスクシーリング装置と、それを備えるローター組立体及びガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
タービンは、蒸気、ガスのような圧縮性流体の流れを用いて衝動力または反動力で回転力を得る機械装置であって、蒸気を用いる蒸気タービン及び高温の燃焼ガスを用いるガスタービンなどがある。
そのうち、ガスタービンは、大きく圧縮機、燃焼器、及びタービンから構成される。前記圧縮機は、空気を導入する空気導入口が備えられ、圧縮機ケーシング内に多数個の圧縮機ベインと、圧縮機ブレードと、が交互に配されている。
燃焼器では、前記圧縮機からの圧縮空気と燃料に、バーナーで点火することによって、高温高圧の燃焼ガスが生成される。
タービンは、タービンケーシング内に複数のタービンベインと、タービンブレードと、が交互に配されている。また、圧縮機、燃焼器、タービン、及び排気室の中心部を貫通するようにローターが配されている。
前記ローターは、両端部が軸受によって回転自在に支持される。そして、前記ローターに複数のディスクが固定されて、それぞれのブレードが連結されると共に、排気室側の端部に発電機などの駆動軸が連結される。
【0003】
このようなガスタービンは、4行程機関のピストンと違って往復運動機構を有しておらず、ピストン−シリンダのような互いの摩擦部分がなく、潤滑油の消費が極めて少なく、往復運動機械の特徴である振幅も大幅に減少するため、高速運動が可能な長所がある。
ガスタービンでは、圧縮機から圧縮された空気が燃料と混合されて燃焼することによって、高温の燃焼ガスが作られ、この燃焼ガスが、タービン側に噴射される。噴射された燃焼ガスが、前記タービンベイン及びタービンブレードを通過しながら、回転力を生成し、前記ローターが回転する。
【0004】
この際、前記それぞれのディスクは、隣接するディスクと共に回転するように結合されるが、対向するディスクの対向面に円周方向に歯形を形成した状態で歯形が互いに噛み合うようにするカービック(Curvic)カップリングやハース(Hirth)カップリングの結合方式を使用して、隣接するディスクの間で回転トルクが伝達できるように結合される。
しかし、従来のローター組立体は、互いに対向するディスクの対向面を歯形で互いに噛み合うように結合する場合、互いに結合されるディスクの歯形と歯形との間、より詳細には、歯形の山と谷とが噛み合う部分にリーケージギャップ(Leakage gap)が発生し、このようなリーケージギャップを通じたガス漏れの問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10−2016−0032609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ディスクの互いに結合される対向面の間のリーケージギャップを密閉して、ガスが漏れないようにするローターディスクシーリング装置と、それを備えるローター組立体及びガスタービンを提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による
ローターディスクシーリング装置は、互いに結合されるローターディスクの対向面の間に発生するリーケージギャップを密閉するローターディスクシーリング装置において、前記ローターディスクの対向する面部にそれぞれ形成されたスロットと、前記スロットに装着される硬質の密閉板と、前記密閉板の一側面に結合される軟質の補助板と、を含
み、前記密閉板の他側面には、幅方向中央部へ行くほど突出する凸状のラウンド部が形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明による
ローター組立体は、複数の圧縮機のローターディスクを備える圧縮機セクションと、複数のタービンのローターディスクを備えるタービンセクションと、前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとを貫通して延びるタイロッドと、前記タイロッドの両端に取り付けられ、前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとを前記タイロッドに締結させる締結部と、前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとを強制連結するように、前記圧縮機セクションと前記タービンセクションとの間に装着されるトルクチューブと、互いに結合される前記複数の圧縮機のローターディスクの対向面の間、及び前記複数のタービンのローターディスクの対向面の間に設置され、前記複数の圧縮機のローターディスクの対向面の間、及び前記複数のタービンのローターディスクの対向面の間を密閉させるシーリング部と、を含
み、前記複数の圧縮機のローターディスクの対向する面部、及び前記複数のタービンのローターディスクの対向する面部には、それぞれスロットが形成され、前記シーリング部は、硬質の密閉板と、前記密閉板の一側面に結合する軟質の補助板と、を含み、前記密閉板の他側面には、幅方向中央部へ行くほど突出する凸状のラウンド部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるローターディスクシーリング装置と、それを備えるローター組立体及びガスタービンは、複数の圧縮機のローターディスクの対向面及び複数のタービンのローターディスクの対向面のスロットにシーリング部を挿入することによって、シーリング部が、複数の圧縮機のローターディスク結合部及び複数のタービンのローターディスク結合部から発生したリーケージギャップ部分を密閉して、リーケージギャップを通じたガス漏れを防止するので、圧縮機セクション及びタービンセクションによるガス圧縮及び回転効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態によるローターディスクシーリング装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII−II線に沿って見た断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態によるローターディスクシーリング装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3のローターディスクシーリング装置の拡大図の断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるローター組立体が適用されたガスタービンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるローターディスクシーリング装置を示す斜視図であり、
図2は、
図1のII−II線に沿って見た断面図である。
図1及び
図2に示す通り、一実施形態のローターディスクシーリング装置100は、密閉板110、補助板120を備える。ここで、一実施形態によるローターディスクシーリング装置100は、
図6に示すように、互いに接する状態で結合される複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面の間にそれぞれ設置される。より詳細には、複数の圧縮機のローターディスク201の対向する面部及び複数のタービンのローターディスク211の対向する面部にそれぞれ互いに対応して形成されたスロット201a、211aに挿入することによって、互いに接する状態で結合される複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面の間を密閉する。ここで、スロット201a、211aは、圧縮機のローターディスク201及びタービンのローターディスク211の円周方向にリング状に形成される。この際、互いに接する状態で結合される複数の圧縮機のローターディスク201の対向面、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面は、互いに噛み合う歯形構造を有する。
【0012】
密閉板110は、圧縮機のローターディスク201及びタービンのローターディスク211回転時に、遠心力によって互いに接する状態で結合される複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面の間のリーケージギャップを密閉するようにリング構造を有する板部材である。このような密閉板110は、スロット201a、211aに挿入される。
そして、密閉板110は、遠心力によって互いに接する状態で結合される複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面の間のリーケージギャップを密閉時に、安定した状態に保持すると共に、耐久性を保持できるように硬質の金属または合成樹脂で形成される。
【0013】
また、密閉板110の一側面には、後述する補助板120と結合し、密閉板110の他側面、より詳細には、遠心力によって互いに接する状態で結合される複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面の間のリーケージギャップを密閉するように、圧縮機のローターディスク201及びタービンのローターディスク211に密着される面部には、凸状にラウンド部111が形成される。すなわち、ラウンド部111は、スロット201a、211aに挿入された状態の密閉板110の他側面をそれぞれの圧縮機のローターディスク201及びタービンのローターディスク211に安定して密着させながら、複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面の間のリーケージギャップ部分を安定して密閉させる。
【0014】
補助板120は、密閉板110の一側面に結合されるリング構造を有する板部材である。このような補助板120は、密閉板110を支持すると共に、遠心力による密閉板110のリーケージギャップの密閉状態で振動を吸収し、以後、圧縮機のローターディスク201及びタービンのローターディスク211の回転停止により遠心力が発生しない場合、密閉板110が衝突しながら、損傷の発生を防止させる。ここで、補助板120は、密閉板110を支持しながら、振動や衝撃力を吸収できるように軟質の合成樹脂やゴムで形成される。
【0015】
図3は、本発明の他の実施形態によるローターディスクシーリング装置100を示す斜視図である。ここで、密閉板110aと補助板120aは、それぞれ複数の単位板部材130、140を含み、それぞれの単位板部材130、140の長手方向の両端を互いに連結して、リング構造に構成する。このように、密閉板110aと補助板120aが、複数の単位板部材130、140で構成される場合、スロット201a、211aに挿入された状態で遠心力が発生する場合、それぞれの単位板部材130、140に遠心力が加えられ、移動性が大きくなりながら、複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面の間のリーケージギャップ部分に対する密閉効率がよくなる。
また、密閉板110aと補助板120aは、それぞれ複数の単位板部材130、140で構成されるとき、
図4のように、単位板部材130、140の互いに連結される両端部が複数の圧縮機のローターディスク201の対向面を結合させる歯形の山と谷との間の部分、及び複数のタービンのローターディスク211の対向面を結合させる歯形の山と谷との間の部分に位置するように配置することによって、歯形の山と谷とが噛み合う部分で発生するリーケージギャップに対する安定した密閉状態を保持できる。
【0016】
図5のように、密閉板110aの単位板部材130は、互いに連結される長手方向の両端部を互いに対応させて段差部131を形成し、複数の単位板部材130の長手方向の両端の接触面積を増大させて、安定した連結状態を保持させる。
図6は、本発明の一実施形態によるローター組立体が適用されたガスタービンの断面図である。
図6に示す通り、一実施形態のローター組立体200aは、圧縮機セクション200、タービンセクション210、タイロッド220、締結部230、トルクチューブ240、シーリング部250を含む。ここで、ローター組立体200aは、ガスタービンに選択適用して使用し、ガスタービンは、ハウジング300を備えており、ハウジング300の後側には、タービンを通過した燃焼ガスが排出されるディフューザー310が備えられている。そして、ディフューザー310の圧縮機側に圧縮された空気が供給されて燃焼する燃焼器320が配される。ガスタービンについて空気の流れ方向に沿って説明すれば、ハウジング300の上流側に圧縮機セクション200が位置し、下流側にタービンセクション210が配される。そして、圧縮機セクション200とタービンセクション210との間には、タービンセクション210から発生した回転トルクを圧縮機セクション200に伝達するトルク伝達部材としてのトルクチューブ240が配される。
【0017】
圧縮機セクション200は、ガスタービンの燃焼器320に供給される空気を圧縮させる部分である。このような圧縮機セクション200は、互いに結合される複数の圧縮機のローターディスク201を備え、複数の圧縮機のローターディスク201の互いに対向する側面部は、互いに対応する歯形を通じて結合されるようにカービックやハース構造を有する。この際、それぞれの圧縮機のローターディスク201の外周面には、複数の圧縮機ブレード202が放射状に設けられ、圧縮機のローターディスク201は、後述するタイロッド220の外側に挿入される。この際、それぞれの圧縮機ブレード202は、ルート部203を備えて、圧縮機ローターディスク201に締結される。それぞれの圧縮機ローターディスク201の間には、ハウジング300に固定されるベイン(図示せず)が位置する。
【0018】
ベインは、圧縮機のローターディスク201とは異なり、回転しないように固定され、圧縮機のローターディスク201の圧縮機ブレード202を通過した圧縮空気の流れを整列して、下流側に位置する圧縮機のローターディスク201の圧縮機ブレード202に空気を案内する役割を果たす。そして、ルート部203の締結方式は、タンジェンシャルタイプ(Tangential type)とアキシャルタイプ(Axial type)とがある。これは、常用されるガスタービンの必要構造によって選択され、通常の知られたダブテイルまたはモミ状(Fir−tree)を有している。場合によっては、形態以外の他の締結装置、例えば、キーまたはボルトなどの固定具を用いて、圧縮機ブレード202を圧縮機ローターディスク201に締結することができる。
そして、圧縮機セクション200は、互いに結合される圧縮機のローターディスク201の対向面に、後述するシーリング部250を挿入するようにスロット201aが形成される。
【0019】
ここで、燃焼器320は、前述したように、圧縮機セクション200によって圧縮された空気と燃料とを混合して、高温、高圧の燃焼ガスを発生する役割を果たすように、圧縮機セクション200の後端に配され、ローター組立体200aの中心軸周りに等間隔に複数個配列される。そして、燃焼器320は、燃料噴射ノズルなどを含むバーナー(Burner)と、燃焼室を形成する燃焼器ライナー(Combuster Liner)、そして、燃焼器とタービンの連結部になるトランジションピース(Transition Piece)とを含んで構成される。
具体的に、ライナーは、燃料ノズルによって噴射される燃料が圧縮機の圧縮空気と混合されて燃焼される燃焼空間を提供する。このようなライナーは、空気と混合された燃料が燃焼される燃焼空間を提供する火炎筒と、火炎筒を取り囲みながら環状空間を形成するフロースリーブと、を含む。また、ライナーの前端には、燃料ノズルが結合され、側壁には、点火プラグが結合される。
【0020】
一方、ライナーの後端には、点火プラグによって燃焼される燃焼ガスをタービン側に送るようにトランジションピースが連結される。このようなトランジションピースは、高温の燃焼ガスによる破損が防止されるように、外壁部が圧縮機から供給される圧縮空気によって冷却される。
このために、トランジションピースには、空気を内部に噴射させるように冷却のためのホールが設けられ、圧縮空気は、ホールを通じて内部にある本体を冷却させた後、ライナー側に流動する。
ライナーの環状空間には、前述したトランジションピースを冷却させた冷却空気が流動し、ライナーの外壁には、フロースリーブの外部で圧縮空気がフロースリーブに設けられる冷却ホールを通じて冷却空気で提供されて衝突する。
【0021】
一方、燃焼器320から出た高温、高圧の燃焼ガスは、後述するタービンセクション210に供給される。供給された高温高圧の燃焼ガスが膨張しながら、タービンの回転羽根に衝突、反動力を与えて、回転トルクが引き起こされ、このように得られた回転トルクは、トルクチューブ240を経て圧縮機セクション200に伝達され、圧縮機駆動に必要な動力を超過する動力は、発電機などの駆動に使われる。
タービンセクション210は、燃焼器320によって生成される高温、高圧の燃焼ガスが通過しながら回転する部分である。このようなタービンセクション210は、互いに結合される複数のタービンローターディスク211を備え、複数のタービンローターディスク211の互いに対向する側面部は、互いに対応する歯形を通じて結合されるようにカービックやハース構造を有する。この際、それぞれのタービンローターディスク211の外周面には、複数のタービンブレード212が放射状に設けられた構造を有し、タービンローターディスク211は、後述するタイロッド220の外側に装着される。タービンブレード212も、ダブテイルなどの方式でタービンローターディスク211に結合される。また、タービンローターディスク211のタービンブレード212の間にも、ハウジング300に固定されるベイン(図示せず)が備えられて、タービンブレード212を通過した燃焼ガスの流れ方向をガイドする。
【0022】
そして、タービンセクション210は、互いに結合されるタービンローターディスク211の対向面に、後述するシーリング部250を挿入するようにスロット211aが形成される。
タイロッド220は、圧縮機セクション200の各圧縮機ローターディスク201とタービンセクション210の各タービンローターディスク211とを貫通して、圧縮機セクション200及びタービンセクション210の中心軸に沿って延びる軸部分である。
締結部230は、タイロッド220によって連結された圧縮機セクション200及びタービンセクション210に軸方向圧縮力を加えて、圧縮機セクション200及びタービンセクション210をタイロッド220に締結させる。このような締結部230は、タイロッド220の長手方向の両端に結合される。すなわち、締結部230は、タイロッド220の長手方向の一端に結合されて、圧縮機セクション200を加圧する圧縮機側ローター締結部材231と、タイロッド220の長手方向の他端に結合されて、タービンセクション210を加圧するタービン側ローター締結部材232と、を含む。
【0023】
トルクチューブ240は、圧縮機セクション200とタービンセクション210とを一体回転させる。このようなトルクチューブ240は、圧縮機セクション200とタービンセクション210とを強制連結するように、圧縮機セクション200とタービンセクション210との間に配置し、トルクチューブ240の両端は、それぞれ圧縮機セクション200とタービンセクション210とに結合される。ここで、図面符号241は、タイロッド220を支持する支持ホイールである。
【0024】
シーリング部250は、複数の圧縮機ローターディスク201の対向面の間、及び複数のタービンローターディスク211の対向面の間を密閉する。すなわち、シーリング部250は、複数の圧縮機のローターディスク201の互いに対向する側面部及び複数のタービンのローターディスク211の互いに対向する側面部を、それぞれ互いに対応する歯形で結合させるカービックやハース構造で形成するとき、歯形の山と谷とが噛み合う部分で発生するリーケージギャップを密閉することによって、リーケージギャップを通じたガス漏れを防止する。このようなシーリング部250は、互いに結合される複数の圧縮機のローターディスク201の対向面の間、及び前記複数のタービンのローターディスク211の対向面の間に設置されるが、より詳細には、互いに対向する圧縮機のローターディスク201のスロット201a及び互いに対向するタービンのローターディスク211のスロット211aにそれぞれ挿入する。ここで、シーリング部250に対する詳細な構造は、前述したローターディスクシーリング装置100の構成と同一なので、詳しい説明は省略する。
【0025】
このように、一実施形態のローター組立体200aは、複数の圧縮機ローターディスク201の対向面及び複数のタービンローターディスク211の対向面のスロット201a、211aに、シーリング部250を挿入することによって、シーリング部250が、複数の圧縮機ローターディスク201結合部及び複数のタービンローターディスク211結合部から発生したリーケージギャップ部分を密閉して、リーケージギャップを通じたガス漏れを防止するので、圧縮機セクション200及びタービンセクション210によるガス圧縮及び回転効率を高めることができる。
【0026】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、ローターディスクシーリング装置と、それを備えるローター組立体及びガスタービン関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
100:ローターディスクシーリング装置
110、110a:密閉板
111:ラウンド部
120、120a:補助板
130、140:単位板部材
131:段差部
200a:ローター組立体
200:圧縮機セクション
201:圧縮機のローターディスク
202:圧縮機ブレード
201a、211a:スロット
210:タービンセクション
211:タービンのローターディスク
212:タービンブレード
220:タイロッド
230:締結部
240:トルクチューブ
250:シーリング部