(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端子及び前記バイパスダイオードのうち少なくとも一方と前記直流−交流インバータは、回路基板に共に形成されて、前記回路基板によって一体化されるか、またはポッティング部材によって共に囲まれて、前記ポッティング部材によって一体化される、請求項1に記載の一体型インバータ。
前記端子、前記バイパスダイオード及び前記直流−交流インバータが、回路基板に形成されて回路パターンによって互いに接続される、請求項1に記載の一体型インバータ。
前記一体型インバータは、前記一体型インバータによって切り替わった交流電源を外部に提供するための一つの交流出力ケーブルをさらに含む、請求項1に記載の一体型インバータ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、様々な形態に変形可能であることは勿論である。
【0012】
図面では、本発明を明確且つ簡略に説明するために、説明と関係のない部分の図示を省略し、明細書全体において同一又は極めて類似の部分に対しては同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をより明確にするために、厚さ、幅などを拡大または縮小して示しており、本発明の厚さ、幅などは図面に示したものに限定されない。
【0013】
そして、明細書全体において、ある部分が他の部分を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の部分を排除するのではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上に」あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例に係る一体型インバータ及びそれを含む太陽電池モジュールを詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る一体型インバータを含む太陽電池モジュールを示した前面斜視図であり、
図2は、
図1の太陽電池モジュールを示した背面斜視図である。そして、
図3は、
図1のIII−III線に沿って切断した断面図である。
【0016】
図1乃至
図3を参照すると、本実施例に係る太陽電池モジュール100は、太陽電池12を含む太陽電池パネル10と、太陽電池パネル10に接続されるように太陽電池パネル10に装着される一体型インバータ30とを含む。太陽電池モジュール100は、太陽電池パネル10の外郭部を固定するフレーム20を含むことができる。太陽電池パネル10とフレーム20との間にはこれらを密封及び接着する密封部材(図示せず)が位置することができる。これをより詳細に説明する。
【0017】
太陽電池パネル10は少なくとも一つの太陽電池12を含む。そして、太陽電池パネル10は、太陽電池12を取り囲みながら密封する密封層14と、密封層14の一面上で太陽電池12の前面に位置する前面基板16と、密封層14の他面上で太陽電池12の後面に位置する後面基板18とを含むことができる。
【0018】
一例として、太陽電池12と、半導体基板(例えば、単結晶半導体基板、より具体的には、単結晶シリコンウェハ)と、半導体基板に又は半導体基板上に形成され、互いに反対の導電型を有する第1及び第2導電型領域と、これらにそれぞれ接続される第1及び第2電極とを含むことができる。ここで、半導体基板は、低いドーピング濃度のp型又はn型を有することができ、第1及び第2導電型領域のうち一方はp型を有することができ、他方はn型を有することができる。そして、第1又は第2導電型領域は、半導体基板の一部にドーパントをドープして形成されるドーピング領域からなってもよく、半導体基板上に別途に形成され、ドーパントがドープされた半導体層からなることができる。そして、太陽電池12が複数備えられ、太陽電池12の第1電極とこれに隣接する太陽電池12の第2電極とはリボン122などによって接続されることで、複数個の太陽電池12が一つの列をなす太陽電池ストリング(string)を形成することができる。太陽電池12の構造及び複数の太陽電池12の接続構造などは、公知の様々な構造を適用できる。
【0019】
このように、本実施例では、太陽電池12としてシリコン単結晶半導体太陽電池を使用することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、薄膜太陽電池、染料感応太陽電池、タンデム型太陽電池、化合物半導体太陽電池などの様々な構造の太陽電池を太陽電池12として使用することができる。そして、複数個の太陽電池12を備えることを例示したが、一つの太陽電池12のみを備えることも可能である。
【0020】
密封層14は、太陽電池12と前面基板16との間に位置する第1密封層14aと、太陽電池12と後面基板18との間に位置し、第1密封層14aと接合される第2密封層14bとを含むことができる。密封層14は、太陽電池12を囲みながら密封して、太陽電池12に悪影響を及ぼすことがある水分や酸素を遮断する。そして、太陽電池モジュール100を構成する部分(即ち、前面基板16、太陽電池12、及び後面基板18)を化学的に結合する。後面基板18、第2密封層14b、太陽電池12又は太陽電池ストリング、第1密封層14a及び前面基板16を順次積層した後に、これらを熱及び/又は圧力を加えて接合するラミネーション工程などを行うことで、これらを一体化することができる。
【0021】
第1密封層14a及び第2密封層14bは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを使用することができる。このとき、第1密封層14aと第2密封層14bは互いに同一の物質からなってもよく、互いに異なる物質からなってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2密封層14a,14bは、その他の様々な物質を用いて、ラミネーション以外の他の方法により形成されてもよい。
【0022】
前面基板16は、第1密封層14a上に位置して太陽電池パネル10の前面を構成する。前面基板16は、外部の衝撃などから太陽電池12を保護できる強度、及び太陽光などの光を透過できる光透過性を有する物質で形成することができる。一例として、前面基板16は、ガラス基板などで構成することができる。このとき、強度を向上させることができるように前面基板16が強化ガラス基板で構成されてもよく、その他の様々な特性を向上させることができる様々な物質をさらに含むなど、様々な変形が可能である。または、前面基板16が、樹脂などで構成されるシートまたはフィルムであってもよい。すなわち、本発明が前面基板16の物質に限定されるものではなく、前面基板16が様々な物質で形成されてもよい。
【0023】
後面基板18は、第2密封層14b上に位置して太陽電池12の後面で太陽電池12を保護する層であって、防水、絶縁及び紫外線遮断の機能を行うことができる。
【0024】
後面基板18は、外部の衝撃などから太陽電池12を保護できる強度を有することができ、所望の太陽電池パネル10の構造に応じて、光を透過または反射する特性を有することができる。一例として、後面基板18を介して光が入射されるようにする構造では、後面基板18が透光性物質を有することができ、後面基板18を介して光が反射されるようにする構造では、後面基板18が非透光性物質または反射物質などで構成されてもよい。一例として、後面基板18は、ガラスのような基板の形態で構成されてもよく、フィルム又はシートなどの形態で構成されてもよい。例えば、後面基板18がTPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプであるか、またはポリエチレンテレフタレート(PET)の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride、PVDF)樹脂などで構成されてもよい。ポリフッ化ビニリデンは、(CH
2CF
2)nの構造を有する高分子であって、ダブル(Double)フッ素分子構造を有するので、機械的性質、耐候性、耐紫外線性に優れる。本発明が後面基板18の物質などに限定されるものではない。
【0025】
上述したように、複数の層で構成された太陽電池パネル10を安定的に固定するために、太陽電池パネル10の外郭部が固定されるフレーム20が位置することができる。図面では、太陽電池パネル10の外郭部全体がフレーム20に固定される場合を示しているが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、フレーム20が太陽電池パネル10の一部の縁部のみを固定するなど、様々な変形が可能である。
【0026】
本実施例においてフレーム20は、太陽電池パネル10の少なくとも一部が挿入されるパネル挿入部22と、パネル挿入部22から外部に向かって延びる延長部24とを含むことができる。
【0027】
より具体的に、パネル挿入部22は、太陽電池パネル10の前面に位置した前面部分222と、太陽電池パネル10の側面に位置した側面部分224と、太陽電池パネル10の後面に位置した後面部分226とが互いに接続されて、この内部に太陽電池パネル10の外郭部が位置するようにすることができる。一例として、パネル挿入部22は、2回折れ曲がって内部に太陽電池パネル10の縁部が位置するようにする”逆コ”字断面形状または“U”字状を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、前面部分222、側面部分224及び後面部分226のいずれか一つまたは一部が位置しなくてもよい。その他にも様々な変形が可能である。
【0028】
パネル挿入部22から後方に延びる延長部24は、パネル挿入部22から後方に向かって延び、側面部分224と平行に形成される(または側面部分224と同一平面上に形成される)第1部分242と、第1部分242から折れ曲がって延びて太陽電池パネル12の後面または後面部分226と一定間隔を置いて第2部分244とを含むことができる。第2部分244は、太陽電池パネル10の後面又は後面部分226と平行であるか、またはこれと傾斜して形成されてもよい。これによって、延長部24は、1回折れ曲がって形成されて、後面部分226との間に空間を形成する“└”字状または“L”字断面形状を有することができる。
【0029】
このような延長部24は、フレーム20の強度を増加させ、架台、支持体または底面などに固定される部分であって、延長部24には、架台、支持体、または底面との締結のための締結部材(図示せず)が締結されるホール24aを形成することができる。このように、太陽電池パネル10と離隔した第2部分244に締結部材などを締結するので、締結部材を用いた太陽電池モジュール100の設置時に太陽電池パネル10が損傷することを防止することができる。
【0030】
締結部材などを安定的に固定できるように、第2部分244は、後面部分226と同一であるか、または、これより大きな面積を有するように(即ち、同一又はさらに大きな幅を有するように)形成することができる。そして、締結部材の構造などは公知の様々な構造を使用することができる。本発明がこれに限定されるものではなく、延長部24がその他の様々な形状を有してもよい。
【0031】
このようなフレーム20は、様々な方法で太陽電池パネル10に固定可能である。一例として、太陽電池パネル10の外郭部をなす部分を、弾性を有する部分(一例として、弾性を有するテープ)として形成して、この弾性を有する部分を用いてパネル挿入部22内に太陽電池パネル10を挿入することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、フレーム20を構成する各部分を太陽電池パネル10の外郭部で組み立てて結合するなど、様々な変形が可能である。
【0032】
そして、本実施例では、太陽電池パネル10の太陽電池12に接続される一体型インバータ30を備えることができる。一例として、一体型インバータ30は、太陽電池パネル10の後面に位置することができ、太陽電池パネル10の上端部分に隣接して位置することができる。このとき、一体型インバータ30の厚さT1は、フレーム20の延長部24の高さH1(より具体的には、第1部分242の高さ)と同一であるか、またはこれより小さくてもよい。ここで、延長部24の高さH1は、太陽電池パネル10の後面から延長部24の第2部分24の外部面までの距離で定義することができる。これによって、一体型インバータ30が第2部分244の外面から突出しない厚さを有することができる。すなわち、一体型インバータ30の後面(太陽電池パネル10から遠くに位置した面)は、第2部分244の外面と同一平面上に位置するか、またはこれより太陽電池パネル10の近くに位置してもよい。そして、一体型インバータ30において延長部24の内部に位置する部分の後面(太陽電池パネル10から遠くに位置した面)は、第2部分244の内面と同一またはこれより太陽電池パネル10の近くに位置するようにして、延長部24の内部に容易に位置するようにすることができる。これによって、太陽電池モジュール100の体積を最小化し、太陽電池パネル10の後方側の空間を効率的に活用することができる。また、複数個の太陽電池モジュール100を製造した後に移動などのために互いに積層する時、互いに衝撃を加えるなどの問題を最小化することができる。そして、本実施例において一体型インバータ30は、太陽電池パネル10の上端部分に隣接したフレーム20の延長部24と結合されるか、及び/又は太陽電池パネル10の後面に付着されてもよい。これについてはより詳細に後述する。
【0033】
本実施例に係る一体型インバータ30は、従来のジャンクションボックスの少なくとも一部とインバータの少なくとも一部とを一体化したもので、ジャンクションボックス一体型インバータ、バイパスダイオード一体型インバータ、一体型ジャンクションボックス、インバータ一体型ジャンクションボックスなどと呼ぶこともできる。このような一体型インバータ30を、
図1乃至
図3と共に
図4乃至9を参照してより詳細に説明する。
【0034】
図4は、
図2のA部分を拡大して示した分解斜視図であり、
図5は、
図2のA部分を拡大して、一体型インバータ30を太陽電池パネル10から分離して、太陽電池パネル10に隣接した一体型インバータ30の面が見えるように示した分解回転斜視図である。
図6は、
図1に示した一体型インバータ30の一部を示した斜視図である。簡略且つ明確な図面のために、
図4では、ポッティング部材372の図示を省略し、ポッティング部材372については
図6を参照して詳細に説明する。
【0035】
図4及び
図5を参照すると、本実施例に係る一体型インバータ30は、太陽電池(
図3の参照符号12、以下同様)(または太陽電池パネル10、以下同様)に接続される端子31及び/又は端子31に電気的に接続されるバイパスダイオード33と、バイパスダイオード33に電気的に接続され、直流−交流インバータ352を含むインバータ部材35とが一体化されて形成される。そして、本実施例に係る一体型インバータ30は、太陽電池(
図3の参照符号12、以下同様)(または太陽電池パネル10、以下同様)に接続される端子31及び/又は端子31に電気的に接続されるバイパスダイオード33と、バイパスダイオード33に電気的に接続され、直流−交流インバータ352を含むインバータ部材35とが一体化されて形成される。このとき、端子31には太陽電池12から引き出されたリボン122が接続可能である。本実施例では、ケース39(より具体的には、第1ケース49)が伝導性物質層(
図12A乃至
図12Cの参照符号47、以下同様)を含むことで、第1ケース49によって接地がなされる。より具体的には、本実施例に係る一体型インバータ30は、第1ケース49と回路基板37を接地する第1接地構造72を含み、第1ケース49とフレーム20を接地する第2接地構造74を含むことができる。第1ケース49が互いに結合される第1ケース部分491と第2ケース部分492を含む場合、第1ケース部分491と第2ケース部分492を接地する第3接地構造76をさらに含むことができる。一例として、第1乃至第3接地構造72,74,76は、第1乃至第3締結部材62,64,66によって具現されてもよい。まず、一体型インバータ30の構造を全体的に説明した後に、
図12A乃至
図12C、及び
図13A乃至
図13Dを参照して、第1乃至第3接地構造72,74,76をより詳細に説明する。
【0036】
本実施例では、端子31及び/又はバイパスダイオード33と、インバータ部材35とが一体化されて形成される。
【0037】
ここで、一体化ということは、設置工程時または設置工程後に太陽電池パネル10及び/又はフレーム20に固定されるとき、一つの部品、物品、物体または部材として認識されるあらゆる状態を含むことができる。例えば、一体化ということは、同一のケースの内部に共に位置して同一のケースによって一体化されることを意味してもよく、同一の部材に挿入または付着される等によって固定されて、同一の部材によって一体化されることを意味してもよく、同一の部材の一部を構成するように同一の部材に共に形成されたことを意味してもよく、同一の部材によって共に囲まれる又は固定されることを意味してもよい。逆に、別途の出力ケーブルなどによって接続された場合は一体化と見なすことが困難である。このとき、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35は互いに着脱不能に一体化されてもよく、互いに着脱可能に一体化されて修理、交換時に容易に着脱されるようにしてもよい。
【0038】
本実施例に係る一体型インバータ30は、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が、回路パターン(または回路、配線)を有する回路基板37上に共に形成される。これによって、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が回路基板37によって一体化されると見なすことができる。そして、
図6に示したように、回路基板37を覆うか又は囲みながらポッティング部材372が位置することができ、これによって、ポッティング部材372によってバイパスダイオード33及びインバータ部材35が一体化されると見なすこともできる。また、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が形成された回路基板37は、同一のケース39の内部に位置することができる。これによって、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35は、同一のケース39によって一体化されると見なすこともできる。
【0039】
本実施例では、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が、同一の回路基板37、同一のポッティング部材372及び同一のケース39によって一体化された場合を例示した。より詳細には、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が同一の回路基板37上に位置しており、ポッティング部材372がバイパスダイオード33、インバータ部材35及び回路基板37を覆いながら形成されて、端子31、インバータ部材33、回路基板37及びポッティング部材372が一体化されて回路基板部300を構成する。このような回路基板部300は、ケース39によってケース39の内部に固定することができる。これによって、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35をより堅固に一体化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、これらを一体化できる様々な方法のうち少なくとも一つのみを使用して、簡単な構造でこれらを一体化することも可能である。そして、本実施例では、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35を共に一体化することを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、バイパスダイオード33とインバータ部材35のみが一体化されることも可能であり、その他の様々な変形が可能である。
【0040】
本実施例においてケース39は、一体化された端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が位置する空間を提供し、太陽電池パネル10及び/又はフレーム20に安定的に固定できる様々な構造及び形状を有することができる。
【0041】
一例として、本実施例においてケース39は、外部形状または外郭面を形成し、太陽電池パネル10及び/又はフレーム20に固定される第1ケース49を含み、第1ケース49の内部に位置し、回路基板部300を収容する第2ケース59を含むことができる。このとき、第2ケース59は、第1ケース49に着脱可能に固定されて、第2ケース59の内部に収容された回路基板部300を第1ケース49内に容易に固定できるようにするか、または第1ケース49から容易に分離できるようにする。これをより詳細に説明する。
【0042】
図4及び
図5と共に
図7を参照して、第1ケース49をより詳細に説明する。
図7の(a)及び(b)は、
図5のVII−VII線に沿って切断した場合の様々な例を示した断面図である。
【0043】
本実施例において第1ケース49は、互いに接合されて一体のケースを形成する第1ケース部分491及び第2ケース部分492を含む。これによって、第1ケース部分491と第2ケース部分492が分離された状態では、回路基板部300及び/又は第2ケース59の挿抜が容易に行われるようにし、第1ケース部分491と第2ケース部分492が結合された状態では、内部に位置した回路基板部300及び第2ケース59を安定的に収容するようにすることができる。
【0044】
ここで、第1ケース部分491は、底面4942及び側面4944を備えることで内部空間が位置する内部空間部494と、内部空間部494の上端から底面4942と平行または傾斜して延びる接合フランジ496とを含むことができる。このとき、底面4942の全ての縁部に側面4944を形成して、内部空間部494が内部空間の一面のみが開放されるように形成することができる。例えば、底面4942が四角形である場合には、四角形を構成する4個の縁部からそれぞれ延びる4個の側面4944を備えて、直方体において一つの面のみが形成されていない形状を有することができる。一例として、内部空間部494は、少なくとも5個の面を備え、一面のみが開放された構造を有することができる。
【0045】
図面では、底面4942が、4個の直線を有すると共に、互いに隣接する2つの直線が交わる部分ではラウンド状の角部を有する形状を有することができる。例えば、底面4942が略四角形状を有し、四角形状の4個の角部に該当する部分がラウンド状を有することができる。側面4944は、底面4942の縁部から全体的に形成され、底面4942と交差するように(例えば、直交するように)延びることができる。これによって、側面4944は、4個の直線に対応する4個の平面と、互いに隣接する2つの平面の間でそれぞれ位置する4個のラウンド状の曲面とを含んで形成されてもよい。これによれば、内部空間を十分に確保することができ、尖っている角部によって使用者がケガをすることなどを防止することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、底面4942及び側面4944の形状などは様々に変形することができる。
【0046】
接合フランジ496は、側面4944から折れ曲がって延びる形状に形成することができる。接合フランジ496は、接合部材493が塗布される領域を提供して、第1ケース部分491と第2ケース部分492とが接合部材493によって互いに接合可能なようにする。このとき、接合フランジ496は、側面4944から折れ曲がって外部に向かって延びることで、内部空間部494の内部空間を全て開放して端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が接合フランジ496に引っかからずに容易に装着及び離脱されるようにする。接合フランジ496は、底面4942と平行な扁平な面で構成されるか、及び/又は側面4944と直交する扁平な面で構成されてもよい。すると、接合部材493を接合フランジ496上に安定的に塗布することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
本実施例において接合フランジ496は、側面4944の端部から全体的に延びて、平面視において内部空間部494の内部を閉鎖するように連続的に形成される。ここで、接合フランジ496は、同一平面上に位置するように扁平な面からなるように形成することができる。すると、接合フランジ496に塗布される接合部材493によって第1ケース部分491と第2ケース部分492とが全体的に接合されることによって、第1ケース49の内部の気密性を高く維持することができる。このとき、接合フランジ496の幅を全体的に均一にすることで接合部材493が均一に塗布され、これによって、安定的に第1ケース部分491と第2ケース部分492とが接合されるようにすることができる。そして、修理、交換などを必要とする時、接合フランジ496と第2ケース部分492との間に切断機構(例えば、刀など)を入れ、接合フランジ496に沿って一回り移動すると、接合部材493が切断されて、第1ケース部分491と第2ケース部分492とを容易に分離することができる。すなわち、接合フランジ496の扁平な面に沿って切断機構を移動すればよいので、第1ケース部分491と第2ケース部分492とを容易に分離することができる。
【0048】
本実施例において第2ケース部分492は、縁部が接合フランジ496の外縁と一致する形状を有すると共に、内部空間部494の開放された一面を覆うプレート状を有することができる。
【0049】
このとき、
図7の(a)に示したように、第2ケース部分492は、内部で底面4942と平行に平らに形成される内部部分497と、内部部分497から外部に向かいながら第1ケース部分491から遠ざかるように傾斜する外部部分499とを含むことができる。外部部分499において接合フランジ496と重なる部分は、接合部材493によって接合フランジ496と接合される。
【0050】
このように、外部に向かいながら傾斜する外部部分499を形成すると、内部部分497と外部部分499との間に目で視認できる、または装備で認識できる境界線(または境界部分)が形成される。外部部分499が接合フランジ496の上に位置するか、または接合フランジ496から外れないように位置させることによって、第1ケース部分491と第2ケース部分492の概略的な位置を合せることができる。このとき、内部部分497は、底面4942よりも小さい面積を有することができる。例えば、外部部分499の幅W2を接合フランジ496の幅W1よりも大きく形成することができる。すると、内部部分497と外部部分499との境界線が接合フランジ496の内部(即ち、内部空間上)に位置することによって、第1ケース部分491と第2ケース部分492の概略的な位置をより容易に合せることができる。このように、内部部分497と外部部分499との境界線、または内部又は外部部分497,499を一種のガイド、アライメントマークなどのように使用することができる。そして、外部部分499が外部に向かいながら内部部分497から遠ざかるように傾斜する場合、
図7の(a)に示したように、接合フランジ496と外部部分499との間の距離(即ち、これらの間に位置する接合部材493の厚さ)が内縁よりも外縁においてさらに大きくなる。すると、接合フランジ496の外縁部分において第1ケース部分491と第2ケース部分492との間の距離が大きいので、切断機構を用いて第1ケース部分491と第2ケース部分492を分離するとき、より容易に切断機構を接合フランジ496と外部部分499との間に入れて容易に切断することができる。
【0051】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、内部部分497と外部部分499が様々な形状を有することができる。例えば、
図7の(b)に示したように、内部部分497と外部部分499が段差を持って屈曲して形成される形状を有することができる。このとき、内部部分497が第1ケース部分491に向かって相対的に突出した形状を有し、外部部分499が第1ケース部分491から遠くに位置することができる。すると、第1ケース部分491の内部に内部部分497を位置させながら外部部分499を接合フランジ496上に載置できるので、第1ケース部分491と第2ケース部分492との固定安定性を向上させることができる。
【0052】
また、本実施例では、第2ケース部分492が内部部分497及び外部部分499を備えた場合を例示した。本発明がこれに限定されるものではなく、第2ケース部分492が、互いに区分される形状、材質などを有する互いに異なる第1部分及び第2部分を有してもよい。これによって、第1部分と第2部分との境界、または第1又は第2部分を一種のガイド、アライメントマークなどのように使用することができる。または、第1又は第2部分のうち一つを接合部材493が塗布されて第1及び第2ケース部分491,492の固定に利用することで、固定安定性を向上させることができる。
【0053】
互いに重なる第1ケース部分491の接合フランジ496と第2ケース部分492の外部部分499との間に位置する接合部材493は、第1ケース部分491と第2ケース部分492を接合及び密封して、外部から不純物、汚染物質などが流入することを防止し、密封特性及び防水特性を向上させることができる。接合部材493を接合及び/又は密封特性を有する様々な物質を使用することができ、一例として、シーラントなどを使用することができる。
【0054】
本実施例では、第1ケース部分491と第2ケース部分492とが接合部材493によって互いに固定される場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、第1ケース部分491と第2ケース部分492は、オーリング(o−ring)またはゴムのような弾性部材、ラッチ構造によって結合されるラッチ部材、そして、ボルト、スクリュー、ねじなどのような締結部材などのような様々な構造の固定部材によって互いに固定されてもよい。このとき、密封特性を向上させるために、接合部材、弾性部材、ラッチ部材及び締結部材のうち少なくとも2つを共に使用してもよい。例えば、弾性部材、ラッチ部材及び締結部材のうち一つと接合部材を共に使用すると、固定安定性及び密封安定性の両方を極大化することができる。その他の様々な構造を適用することができる。
【0055】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1ケース49が内部空間を全体的に取り囲まずに形成されることも可能である。また、第1ケース部分491の一部にのみ側面が形成されるか、または側面が形成されずに、第2ケース部分492の少なくとも一部に側面が形成されるなどの様々な変形が可能である。その他にも、第1ケース49が互いに結合される3つ以上の部分を含むことも可能であり、その他の様々な変形が可能である。
【0056】
このように、第1ケース部分491と第2ケース部分492を共に備えると、内部に位置する部品などを容易に挿抜することができ、これらを接合部材493により接合することによって、内部を安定的に密閉して、外部の湿気などによって発生し得る問題を防止し、外部の衝撃からも内部に位置する部品などを安定的に保護することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1ケース49が第1ケース部分491及び第2ケース部分492のうち少なくとも一方のみを備えることも可能である。例えば、第2ケース部分492が形成されずに、第1ケース部分491の接合フランジ496を太陽電池パネル10側に密着することによって、太陽電池パネル10が第2ケース部分492の役割を果たすようにするなど、様々な変形が可能である。
【0057】
このような第1ケース49は、太陽電池12、外部(例えば、他の太陽電池モジュール100または電力網)などとの接続のための構造を含むことができる。すなわち、第1ケース49は、太陽電池12との接続のためのリボン122が通過する第1貫通孔49aと、一体型インバータ30によって生成された交流電圧を伝達する一つの交流出力ケーブル38が通過する第2貫通孔49bとを備えることができる。
【0058】
すなわち、太陽電池12との接続のための第1貫通孔49a及び交流出力ケーブル38のための第2貫通孔49bが同一の第1ケース49に形成される。これは、端子31及び/又はバイパスダイオード33とインバータ部材35を一体化したからである。従来は、太陽電池との接続のための第1貫通孔はジャンクションボックスのケースに形成され、交流出力ケーブルのための第2貫通孔はインバータ部材が位置したインバータのケースに形成されて、第1貫通孔と第2貫通孔を同一のケースに形成することができなかった。すなわち、本実施例では、太陽電池パネル10との接続のための構造及び交流電圧を外部に提供する出力ケーブル38を回路基板37によって一体化して形成することができる。
【0059】
一例として、第1貫通孔49aは、第1ケース49において太陽電池パネル10と隣接する面(即ち、第1ケース部分491の底面4942)に形成することができる。すると、太陽電池12から引き出されて第2密封層14b及び後面基板18に形成されたホール(図示せず)を通過して引き出されたリボン122を端子31にさらに短い経路で接続することができる。第1貫通孔49aは、太陽電池ストリングなどにそれぞれ対応する複数個(n個)のリボン122が共に貫通する一つのホールであってもよく、複数個のリボン122に対応し、互いにそれぞれ離隔する複数個のホールを含むこともできる。図面では、複数個のリボン122が共に貫通する一つの第1貫通孔49aを含むことで、第1ケース部分491の加工がより容易に行われるようにする構造を示した。
【0060】
第2貫通孔49bは、外部回路との接続が容易に行われ得る位置に形成することができる。一例として、本実施例において、端子31から遠く離れた側面4944に第2貫通孔49bが位置することで、太陽電池パネル10から端子31に提供された電圧がバイパスダイオード33及びインバータ部材35を順次通過した後に交流出力ケーブル38を介して外部に引き出されるようにすることができる。これによって、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35の配置が効率的になされるようにすることができる。
【0061】
本実施例では、リボン122に接続される端子31及び/又はバイパスダイオード33が位置する一体型インバータ30の出力ケーブルが、交流出力ケーブル38で構成される。これによって、一つの交流出力ケーブル38が第2貫通孔49bを介して外部に引き出される。一般に、交流出力ケーブル38は3相電圧(電流)を有する3つの導線を備えることができ、一つの交流出力ケーブル38は3つの導線を含む。一つの交流出力ケーブル38を構成する3つの導線は、一つに集められて一つの第2貫通孔49bを通過することができる。これによって、構造を単純化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、3つの導線をそれぞれ異なる第2貫通孔49bを介して引き出すなど、様々な変形が可能である。
【0062】
本実施例では、リボン122と接続される端子31及び/又はバイパスダイオード33が位置する一体型インバータ30から出力される出力ケーブルが、交流出力ケーブル38で構成され、直流出力ケーブルを備えない。これは、端子31及び/又はバイパスダイオード33とインバータ部材35を一体化したからである。従来は、端子及びバイパスが位置するジャンクションボックスから直流電圧または直流電流を引き出すので、(+)出力ケーブル及び(−)出力ケーブルの2つの直流出力ケーブルが存在するようになる。
【0063】
そして、第1ケース49には、フレーム20との固定のための締結部49cを形成することができる。締結部49cは、締結部材62によってフレーム20に結合される部分である。本実施例では、締結部49cが第1ケース部分491または第2ケース部分492と一体に形成されて、これから延びることができる。すると、締結部49cを備える第1ケース49を同一の工程によって共に形成して、生産性を向上させることができる。
【0064】
締結部49cは、第1ケース49においてフレーム20に隣接する部分(図面では、上端部)から延びて、フレーム20の少なくとも一面(特に、フレーム20の第2部分244)に接触することができる。すると、締結部49cと第2部分244に締結孔490c,244cを形成し、この締結孔490c,244cに第2締結部材64(例えば、ねじ、スクリュー等)を締結することによって、第1ケース49をフレーム20に固定することができる。これによって、第1ケース49とフレーム20とを単純な構造によって堅固に固定することができる。そして、締結部49c及び第2部分244に形成された締結孔490c,244cに第2締結部材64を締結することによって第2接地構造74を構成することができる。第2接地構造74についてはより詳細に後述する。
【0065】
一例として、本実施例において締結部49cは、フレーム20に締結される締結部分491cを含む。そして、締結部49cは、締結部分491cから内部空間部494まで連結される延長部分492c,493c,494cを含むことができる。延長部分492c,493c,494cは、締結部分491cから折れ曲がって太陽電池パネル10側に延びる第1延長部分492cと、第1延長部分492cから折れ曲がって太陽電池パネル10と平行な面を有するように延びる第2延長部分493cと、第2延長部分493cから折れ曲がって接合フランジ496まで延びる第3延長部分494cとを含むことができる。
【0066】
締結部分491cは、フレーム20の第2部分244に接触(または密着)するように位置することができる。一例として、締結部分491cが第2部分244の内部面(即ち、後面部分226または太陽電池パネル10に向かう面)に密着するように位置して、延長部24の内部空間に締結部49cが位置するようにすることができる。このとき、第2部分244と、第2部分244の内部面に密着する締結部分491cの互いに対応する位置に締結孔244c,490cが位置することになる。そして、締結部分491cの側面縁部には、第2部分244の係止溝244dを貫通する係止部490dが位置することができる。すると、締結部分491cの係止部490dを第2部分244の係止溝244dに嵌め込むことによって、締結部49cの位置を所望の位置に合せた後に、締結部材62により締結部49cと第2部分244とを互いに固定することができる。本実施例において、係止部490dは、第2部分244を通過するように太陽電池パネル10と遠ざかる方向に突出する突出部で構成され、係止溝244dは、係止部490dが位置する部分に対応して形成された溝で構成され得る。これによって、簡単な構造を用いて、締結部49cと第2部分244との位置を容易に合せることができる。そして、係止部490dが締結部分491cの両側面縁部にそれぞれ一つずつ位置し、係止溝244dがこれに対応するように2つ位置することで、アライメント特性をより向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、締結部49cとフレーム20の締結構造、係止部490d及び係止溝244dの構造、形状、位置、個数などは、様々に変形可能である。
【0067】
第1延長部分492cは、フレーム20(より正確には、第1部分242)に接触(または密着)することができる。より具体的には、第1延長部分492cが第1部分242の内面と互いに接触(または密着)することができる。すると、締結部49cとフレーム20をより堅固に互いに固定することができる。
【0068】
第2延長部分493cは、太陽電池パネル10またはフレーム20と離隔して位置することができる。本実施例では、第2延長部分493cを用いて、第1ケース部分491と第2ケース部分492を第3締結部材66によって互いに締結することができ、第2延長部分493cを太陽電池パネル10と離隔するようにして、第1ケース部分491と第2ケース部分492との締結がより容易に行われるようにするためである。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1ケース部分491と第2ケース部分492が接合部材493によってのみ接合され、別途に締結されないか、または他の位置で互いに締結されてもよい。このときには、第1延長部分493cを太陽電池パネル10の後面またはフレーム20の後面部分226に密着するようにして、固定安定性を向上させることができる。その他の様々な変形が可能である。
【0069】
第1延長部分492cと第2延長部分493cにわたって貫通孔490fが形成されて、複数回折れ曲がる締結部49cの加工がより容易に行われるようにすることができる。加工の容易性を向上させることができるように貫通孔490fが複数形成されてもよいが、本発明がこれに限定されるものではない。また、貫通孔490fの形状、大きさなどはあまり限定されない。
【0070】
上述したように、締結部49cが、締結部分491cの他に、第1乃至第3延長部分492c,493c,494cを含めて複数回折れ曲がって形成される場合、締結部49cが補強部材のように作用できるので、高い強度を有することができる。これによって、フレーム20と締結される部分で十分な強度を有することができる。
【0071】
そして、締結部49cの前面(即ち、少なくとも締結部分491cと第3延長部分494cとの間)を覆って外観を向上させるなどの役割を果たすブラケット部(図示せず)がさらに位置することができる。ブラケット部は、ラッチ構造などによって締結部49cに着脱可能に固定することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な方式によりブラケット部を固定することができる。
【0072】
第2ケース部分492において締結部49cに対応する部分には、締結部49cに固定される固定部49dをさらに形成することができる。固定部49dは、第2延長部分493cに接触(または密着)する第1固定部分491dと、第1固定部分491cから折れ曲がって外部部分499まで延びて外部部分499に連結される第2固定部分492dとを含むことができる。第2延長部分493cと第1固定部分491dと第3締結部分493cには、互いに対応する位置に締結孔490e,490gが位置することができ、この締結孔490e,490gに第3締結部材66を締結することによって、第1ケース部分491と第2ケース部分492とをより堅固に締結することができる。これによって、第1ケース49の気密構造及び固定構造を向上させることができる。また、また、本実施例において、締結部49cと固定部49dとを第3締結部材66で締結して第3接地構造76を形成することができる。これについてはより詳細に後述する。
【0073】
本実施例において第1ケース49は、太陽電池パネル10上に固定または付着される。すなわち、本実施例では、太陽電池パネル10に隣接する第1ケース49の底面(例えば、第1ケース部分491の底面4942)に接着部材69が位置して、太陽電池パネル10と第1ケース49(または一体型インバータ30)を安定的に固定し、優れた気密特性、密封特性及び防水特性を有するようにする。
【0074】
より詳細には、接着部材69は、平面視において第1ケース49の第1貫通孔49aを取り囲みながら内部に閉空間(closed space)を有するように形成することができる。これによって、第1ケース49に形成された第1貫通孔49aによって第1ケース49の内部にリボン122が位置するようにすると共に、接着部材69の内部に位置する太陽電池パネル10と第1ケース49間の空間と外部空間とを区画し、分離する役割を果たす。これによって、第1貫通孔49aを有する第1ケース49を密閉することができる。
【0075】
上述したように、第1ケース49は、第1貫通孔49a及び第2貫通孔49bを共に備えており、第2貫通孔49bは、交流出力ケーブル38が位置しているので、密封または気密特性を維持することができる一方、第1貫通孔49aは、リボン122が円滑に通過できるように開放されなければならない。これによって、別途の接着部材69を形成しない場合、第1貫通孔49aによって第1ケース49の内部に外部物質、湿気、不純物などが流入することがある。そのため、本実施例では、第1貫通孔49aによって開放された空間を取り囲む接着部材69を形成することで、第1貫通孔49aを介して外部と第1ケース49の内部とが連通することを防止することができる。これによって、第1ケース49の気密特性、密封特性及び防水特性を向上させることができる。また、接着部材69によって第1ケース49を太陽電池パネル10にも固定して、固定安定性を向上させることができる。
【0076】
一例として、接着部材69は、平面視において円形、多角形などのような形状を有することができる。図面では、第1貫通孔49aが四角形に形成され、接着部材69が四角形に形成されている。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、接着部材69は、第1貫通孔49aと第1ケース49の内部との連通を防止する様々な構造、形状を有することができる。
【0077】
本実施例では、一体型インバータ30にリボン122と端子31との接続のための第1貫通孔49aが備えられるので、このように接着部材69を形成して、気密特性の向上などを達成することができる。反面、従来のインバータは、太陽電池12との接続のための第1貫通孔を備えていない。
【0078】
接着部材69としては、優れた接着特性、密封特性などを有する様々な物質を使用することができる。一例として、接着部材69としてシーラントなどを使用することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、接着部材69が樹脂、金属などで形成された構造物で構成されて、熱などによって第1ケース49と太陽電池パネル10とを接着するなど、様々な変形が可能である。
【0079】
上述した第1ケース49は、外部形状または外郭面を維持できると共に、内部に位置した様々な部品、物品、部材などを保護できる様々な物質を含むことができる。一例として、第1ケース49は、伝導性物質層47を含むことで、構造的安定性を高め、第1ケース49を接地などに使用することができる。例えば、第1ケース49の伝導性物質層47は金属で構成されてもよい。このとき、第1ケース49が表面処理された金属(またはコーティング処理された金属)からなる場合、内部には伝導性物質層47が位置し、外部にはこれを囲みながら絶縁特性を有する表面処理層(
図12A乃至
図12Cの参照符号48、以下同様)が位置することができる。これによって、絶縁物質を備える表面処理層48によって耐腐食性を向上させ、外観を向上させることができ、内部に位置する伝導性物質層47を接地などに応用することができる。接地構造についてはより詳細に後述する。
【0080】
一例として、第1ケース49は、陽極酸化(anodizing)処理された金属(例えば、陽極酸化処理されたアルミニウム)からなることができる。すると、第1ケース49は、アルミニウムを含む伝導性物質層47と、アルミニウム酸化物を含む表面処理層48とを備えるようになる。そして、表面処理(一例として、陽極酸化処理)時に第1ケース49の色相を共に調節して、外観をさらに向上させることができる。例えば、第1ケース49が黒色、褐色、銀色などの色相を有するように第1ケース49の色相を調節することができる。
【0081】
本実施例では、第1ケース49の内部に第2ケース59が位置することができる。
図4乃至
図6を参照して、第2ケース59をより詳細に説明する。
図6では、第1ケース49の第1ケース部分491、及び第2ケース59の内部空間部594とその内部に位置する回路基板部300などを示した。
【0082】
このような第2ケース59は、回路基板部300を共に支持または収容して、第1ケース49から容易に分離できるようにする役割を果たす。したがって、修理、交換などを必要とするとき、第1ケース49を開放した後、第2ケース59を第1ケース49から分離することによって、回路基板部300を一度に第1ケース49から分離することができる。また、交換を必要とするときには、交換する端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35などが支持または収容される第2ケース59を第1ケース49の内部に挿入することによって、簡単に交換が行われるようにすることができる。
【0083】
このような第2ケース59は、端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35などを共に囲むポッティング部材372を収容する収容部の役割も共に行うことができる。すなわち、第2ケース59の内部に端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35などを位置させた状態で、流動性を有する状態のポッティング部材372を注入したり注いだ後、これを乾燥したり熱処理したりする等によって固体化して、第2ケース59と端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35などを共に一体化することができる。すると、ポッティング部材372を塗布する工程を単純化し、バイパスダイオード33及びインバータ部材35の一体化構造をより堅固にすることができる。本実施例では、 流体状態(すなわち、液体状態又はペースト状態)で塗布された後に空気又は熱などによって硬化して回路基板37、バイパスダイオード33、インバータ部材35などをパッケージング化するポッティング部材372を使用した場合を例示した。ポッティング部材372は、絶縁樹脂(例えば、シリコン樹脂又はエポキシ樹脂)を主要物質(一例として、50wt%以上含まれる物質)として含み、これらの硬化のための硬化剤などをさらに含むことができる。このようなポッティング部材372は、優れた絶縁性を有し、生産性に優れている。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な絶縁物質を用いることができる。例えば、蒸着またはコーティングなどによって形成された無機化合物(例えば、シリコン酸化物又はシリコン窒化物)などを含む絶縁層を用いることもできる。
【0084】
第2ケース59は、端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35などを共に支持または収容することができる様々な構造を有することができる。
【0085】
一例として、本実施例において第2ケース59は、第1ケース49の第1貫通孔49aを除外した部分に位置する底面5942と、底面5942から延びる側面5944とを有する内部空間部594を含むことができる。側面5944が底面5942の全ての縁部に対応して全体的に形成されると、ポッティング部材372を収容する収容部の役割をより効果的に行うことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、内部空間部594が、内部空間を有さずに底面5942のみからなってもよい。そして、第2ケース59は、内部空間部594の上部面を覆う蓋部592を含むことができる。蓋部592は、第1貫通孔49aと端子31を覆わないように、すなわち、第1貫通孔49aと端子31を露出させるように形成されて、リボン122と端子31との接続工程がより容易に行われるようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、蓋部592を別途に備えなくてもよい。
【0086】
また、第2ケース59は、場合によって(第1ケース49が伝導性を有する場合に)、回路基板37の回路パターンなどの絶縁距離を維持する役割を果たすことができる。この場合、第2ケース59は、絶縁物質で形成されて、第1ケース49と回路基板37との絶縁距離を維持するようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、第1ケース49が伝導性を有する場合にも、第2ケース59が伝導性物質で形成されて伝導性を有することができる。または、第2ケース59を備えなくてもよい。第2ケース59が絶縁距離を満たす役割を行うことができないか、または第2ケース59が備えられない場合には、絶縁距離を満たすための他の構成をさらに含むことができる。
図8を参照して、これをより詳細に説明する。
【0087】
図8は、
図1の太陽電池モジュール100の一体型インバータ30に適用できる様々な変形例を示した斜視図である。明確かつ簡単な説明のために、
図8では、説明に必要な構成のみを表示し、その他の構成の図示を省略した。
【0088】
例えば、
図8の(a)に示したように、端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35、回路基板37などを、ポッティング部材372または別途の絶縁物質によって全体的に囲むことができる。そして、第2ケース59なしに、第1ケース49の内部にポッティング部材372または別途の絶縁物質によって囲まれた回路基板部300などを位置させることができる。すると、ポッティング部材372または別途の絶縁物質などによって絶縁距離を満たすことができる。
【0089】
他の例として、
図8の(b)に示したように、第1ケース49の内部(例えば、第1ケース部分491の内面)に第1ケース49と第2ケース59との間又は第1ケース49と回路基板37との間で一定間隔を維持すると共に、絶縁物質を含むスペーサー82が位置することができる。すると、スペーサー82によって絶縁距離を満たすことができる。スペーサー82の形状、配置などは様々に変形可能である。
【0090】
更に他の例として、
図8の(c)に示したように、第1ケース49の内面(例えば、第1ケース部分491の内面)に部分的に絶縁物質を含む絶縁パッド84を付着することができる。または、
図8の(d)に示したように、第1ケース49と第2ケース59との間又は第1ケース49と回路基板37との間に絶縁シート86などを位置させてもよい。または、第1ケース49に絶縁物質でコーティングを行うか、または表面処理を施して、絶縁距離を満たすようにすることができる。その他にも様々な方法、構造などを適用することができる。
【0091】
第1ケース49の内部において、第1ケース49と回路基板部300との間に位置する第2ケース59、絶縁パッド84または絶縁シート86などを、外郭をなす内部部材(inner member)と総称することができる。内部部材には、先に例示した例以外の様々な構造、形態などを適用することができる。
【0092】
再び
図4乃至
図6を参照すると、図面では、一例として、第2ケース59が、第1貫通孔49aが形成された部分に対応して形成されないようにしたが、本発明がこれに限定されるものではなく、第2ケース59に第1貫通孔49aに対応する開口部が形成されることも可能である。その他にも、第1貫通孔49aを通過したリボン122が第2ケース59を通過して端子31に接続することができる様々な構造を第2ケース59に適用してもよい。
【0093】
第1ケース49と第2ケース59は様々な構造によって着脱可能に固定することができる。一例として、本実施例では、第1ケース49に第1圧入ナット(pem nut)490hが位置し、第2ケース59には第1圧入ナット490hに対応する部分に締結孔590fを形成することができる。
【0094】
より具体的には、第1圧入ナット490h及び締結孔590fが、リボン122が接続される端子31(または第1貫通孔49a)の両側にそれぞれ位置して、第1貫通孔49aを通過したリボン122が接続される端子31が位置した部分で第1ケース49と第2ケース59とが締結されるようにして、この部分で隙間を最小化することができる。これによって、リボン122が安定的に締結可能なようにする。このとき、締結孔590fが形成される締結部590hは、第1圧入ナット490hに対応する高さだけ底面5942から突出した位置で第2ケース59の内部空間部594の側面5944から外部に延びるように形成することができる。
【0095】
第1圧入ナット490hは、コーキング工程などにより第1ケース49に固定することができる。第2ケース59の締結孔590fが第1圧入ナット490h上に位置した状態で、締結部材68を第1圧入ナット490hに締結することによって、第2ケース59を第1ケース49に固定することができる。締結部材68によって第2ケース59と第1ケース49を堅固に固定しながらも、締結部材68を緩めて第2ケース59を第1ケース49から容易に分離することができる。
【0096】
そして、第1ケース49において第1圧入ナット490hが位置した縁部と反対側の縁部側に第2圧入ナット490iが位置することができる。そして、第2圧入ナット490iに対応して、第2ケース59に締結孔590iが形成され、回路基板37(または回路基板部300)に締結孔37iが形成されてもよい。
【0097】
第2圧入ナット490iは、コーキング工程などにより第1ケース49に固定することができ、底面4944から回路基板37に向かって突出した形状を有することができる。すると、第1ケース49から一定距離だけ離隔した回路基板37を支持するスペーサーのような役割を行うことで、回路基板37の固定安定性をより向上させることができる。第2ケース59の締結孔590i及び回路基板37の締結孔37iが第2圧入ナット590i上に位置した状態で、第1締結部材62を第2圧入ナット490iに締結することによって、第2ケース59及び回路基板37を第1ケース49に固定することができる。第1締結部材62によって第2ケース59及び回路基板37と第1ケース49を堅固に固定しながらも、第1締結部材62を緩めて第2ケース59及び回路基板37を第1ケース49から容易に分離することができる。また、第2圧入ナット490iと締結孔37iに第1締結部材62を締結して第1接地構造72を形成することができる。これについてはより詳細に後述する。
【0098】
ケース39の内部には、端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35などが位置する。本実施例では、端子31、バイパスダイオード33及びインバータ部材35が回路基板37上で共に位置して、回路基板37によって一体化される。これによって、本実施例では、従来とは異なり、リボン122が接続される端子31及びバイパスダイオード33が回路基板37上に位置することになる。
【0099】
回路基板37は、様々な回路パターン(配線、端子、回路基板37において互いの接続などのための様々な部品など)が形成される基板であってもよい。回路基板37には様々な構造を使用することができ、一例として、印刷回路基板(printed circuit board、PCB)を使用することができる。図面では、一つの回路基板37に端子31、バイパスダイオード33、インバータ部材35などが全て形成されて構造を単純化することができる場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、複数個の回路基板37を備え、複数個の回路基板37が他の回路基板(例えば、軟性印刷回路基板(flexible printed circuit board、FPCB)、コネクタなどによって接続されることも可能である。その他の様々な変形が可能である。
【0100】
本実施例では、回路基板37上に端子31及び/又はバイパスダイオード33が位置する。端子及びバイパスダイオードがジャンクションボックス内に位置し、回路基板上に形成されない従来技術とは差がある。このように、端子31及び/又はバイパスダイオード33が回路基板37上に形成されると、端子31とバイパスダイオード33が回路基板37の回路パターンによって接続され、バイパスダイオード33とインバータ部材35が回路基板37の回路パターンによって接続されて接続構造を単純化することができる。また、回路基板37を構成する金属板(例えば、銅板)などによって放熱特性を向上させることができる。特に、バイパスダイオード33は、駆動中に多くの熱が発生するが、このようなバイパスダイオード33を回路基板37上に形成することで、放熱特性を大きく向上させることができる。
【0101】
端子31は、太陽電池12から引き出されたリボン122が接続されて太陽電池パネル10に電気的に接続されることで、太陽電池パネル10で生成された直流電圧又は直流電流を受けてバイパスダイオード33及びインバータ部材35に伝達する。
【0102】
リボン122が接続される端子31は、回路基板37の一側(特に、回路基板37において第1貫通孔49aに隣接した一側縁部)の近くに位置する。このように、リボン122が接続される端子31を第1貫通孔49aに隣接して位置させると、リボン122の経路を短縮して、リボン122を容易に端子31に固定することができる。リボン122及び端子31の固定構造を、
図9を参照してより詳細に説明する。
図9は、
図1に示した太陽電池モジュール100の一体型インバータ30に適用できる端子31及びそれに接続されるリボン122を示した斜視図である。
【0103】
図9を参照すると、端子31は、リボン122の個数に対応して、リボン122と一対一対応するように複数個形成することができる。本実施例において端子31は、リボン122が着脱可能な構造を有することができる。例えば、本実施例の端子31は、リボン122の上部に位置する上部部分312と、リボン122の下部に位置する下部部分314とを含むことができる。上部部分312は、リボン122の一側の位置で回路基板37に固定され、これからリボン122の一側上部まで延びる第1上部部分312aと、リボン122の他側の位置で回路基板37に固定され、これからリボン122の他側上部まで延びて第1上部部分312aと離隔して位置する第2上部部分312bとを含むことができる。そして、第1上部部分312a及び第2上部部分312bの下部に位置する下部部分314は、第1及び第2上部部分312a,312bよりも第1貫通孔49aから遠くに位置する部分で回路基板37に固定され、これから上部に延びた後に、第1及び第2上部部分312a,312bを横切るようにリボン122と平行に延びることができる。そして、下部部分314において第1及び第2上部部分312a,312bを横切る部分は、中央部分が端部よりも上方に突出するように形成することができる。すると、下部部分314の中央部分は、端部よりも第1及び第2上部部分312a,312bの近くに位置することになる。
【0104】
端子31の下部部分314において回路基板37に固定された部分を押し下げて上部部分312と下部部分314との間隔を広げた状態で、上部部分312と下部部分314との間にリボン122を嵌め込んだ後、端子31の下部部分314を押さえる力を除去すると、下部部分314が上部部分312側に移動しながら上部部分312(特に、上部部分312の中央部分)と下部部分314との間にリボン122が固定される。リボン122を分離するときには、下部部分314において回路基板37に固定された部分を押し下げて上部部分312と下部部分314との間隔を広げた状態でリボン122を引き抜けばよい。
【0105】
端子31の上部部分312及び下部部分314は、様々な方式により回路基板37に固定することができる。一例として、上部部分312及び下部部分314において回路基板37に固定される部分にラッチ構造(または係止部)312c,314cが形成され、回路基板37に対応する位置に係止孔37cが形成されてもよい。これによって、上部部分312及び下部部分314のラッチ構造312c,314cを回路基板37の係止孔37cに/から係合したり解放したりすることによって、端子31を容易に着脱することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、端子31が回路基板37上に着脱不能に固定されてもよく、様々な変形が可能である。
【0106】
このように、端子31がリボン122を着脱できる構造を有することによって、修理、交換などを必要とするとき、端子31からリボン122を容易に分離し、必要時に再びリボン122を容易に接続することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、端子122が様々な構造を有することができる。また、端子31が金属パッドまたはソルダリングパッドなどで構成されて、リボン122が溶接、ソルダリングなどによって端子31に接合されてもよい。これによって、リボン122が着脱不能に端子31に固定されてもよい。すると、端子31の構造を単純化し、コストを低減することができる。
【0107】
再び
図4乃至
図6を参照すると、回路基板37には、端子31から延びた回路パターンによって端子31と接続されるバイパスダイオード33が位置する。バイパスダイオード33は、端子31の個数(n個)よりも一つ少ない個数(n−1個)備えられる。それぞれのバイパスダイオード33は、2つの端子31の間で2つの端子31に回路パターンによって接続可能である。太陽電池パネル10に遮られる部分が発生したり故障などが発生したりして、発電が起こらない領域が発生する場合、バイパスダイオード33が該当の部分を迂回して電流が流れるようにして、当該領域を保護する役割を果たす。バイパスダイオード33の構造には公知の様々な構造を適用することができる。
【0108】
そして、回路基板37には、バイパスダイオード33から延びた回路パターンによってバイパスダイオード33に接続されるインバータ部材35が位置する。インバータ部材35は、バイパスダイオード33から提供された直流電流(または直流電圧)を交流電流(または交流電圧)に切り替える役割を果たす。インバータ部材35は、直流電流を交流電流に切り替える直流−交流インバータ352を含み、その他に、直流電流を交流電流に安定的に切り替えるための電流センサ354、キャパシタ356、直流−直流コンバーター358などを含むことができる。このようなインバータ部材35を構成する電流センサ354、キャパシタ356、直流−直流コンバーター358、直流−交流インバータ352などは、端子31及び/又はバイパスダイオード33と、回路基板37またはこれに形成された回路パターンによって一体化されてもよい。
【0109】
電流センサ354は、バイパスダイオード33から延びた回路パターンに接続されるか、または回路パターンによってキャパシタ356、直流−直流コンバーター358、直流−交流インバータ352などに接続される。電流センサ354は、バイパスダイオード33から提供された電流、キャパシタ356、直流−直流コンバーター358、直流−交流インバータ352などの電流の異常の有無を感知して、インバータ部材35の作動を中止する役割を果たす。本実施例では、バイパスダイオード33と電流センサ354、キャパシタ356、直流−直流コンバーター358、直流−交流インバータ352が同一のケース39の内部で回路基板37に形成された回路パターンによって接続されてもよい。このように、バイパスダイオード33と電流センサ354を接続することによって、別途の出力ケーブルなどが要求されないので構造を単純化することができる。
【0110】
本実施例において、電流センサ354には、電流センサ354を通過した直流電流を貯蔵して、一定の電圧の電流を直流−直流コンバーター358に伝達するキャパシタ356が接続される。電流センサ354とキャパシタ356もまた、同一のケース39の内部で回路基板37に形成された回路パターンによって接続されてもよい。
【0111】
キャパシタ356において均一になった電圧の電流は、直流−直流コンバーター358に伝達されて、一定水準の他の直流電圧に変換可能である。本実施例において直流−直流コンバーター358は複数備えられてもよい。このように、直流−直流コンバーター358を複数備えると、一つの直流−直流コンバーター358を備える場合に比べて、各直流−直流コンバーター358の厚さを減少させることができ、これによって、一体型インバータ30の厚さを延長部24の高さよりも小さくすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、直流−直流コンバーター358を一つ備えることも可能である。
【0112】
直流−直流コンバーター358を通過した直流電流または直流電圧は、直流−交流インバータ352に伝達されて交流電流または交流電圧に変換可能である。このように、インバータ部材35によって生成された交流電流または交流電圧は、インバータ部材35に接続され、ケース39の第2貫通孔49bを通過する交流出力ケーブル38によって外部に伝達される。例えば、交流出力ケーブル38によって他の太陽電池モジュール100と接続されるか、または電力網、電力系統などに伝達される。
【0113】
直流−交流インバータ352、電流センサ354、キャパシタ356、そして、直流−直流コンバーター358には公知の様々な構造を適用することができる。その他にも、制御部359a、フィルター部359b、通信部などの様々な部品が回路基板37上に位置することができる。本実施例のインバータ部材35においては、電流センサ354、キャパシタ356、直流−直流コンバーター358、直流−交流インバータ352の順に配置されているが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、電流センサ354、キャパシタ356、直流−直流コンバーター358、直流−交流インバータ352の位置、接続関係などは様々に変更可能である。本発明の他の例に係るインバータ部材30の接続関係は、
図10及び
図11を参照して再び説明する。
【0114】
図6に示したように、回路基板37と、回路基板37上に位置するバイパスダイオード33、インバータ部材35などは、ポッティング部材372によって一体に囲まれてもよい。本実施例では、ポッティング部材372が第2ケース部分590の内部空間部594の内部を充填させるように形成することができる。
【0115】
本実施例において、ポッティング部材372は、リボン122が接続される端子31を露出させると共に、バイパスダイオード33、インバータ部材35、回路基板37などを覆うように形成することができる。端子31は、リボン122が接続される部分であるので、ポッティング部材372によって端子31を覆う場合、回路基板部300の交換が必要な時、ポッティング部材372のため、端子31に接続されたリボン122を端子31から分離できなくなる。これによって、リボン122を中間で切断してポッティング部材372の外部に露出した部分しか使用できないため、リボン122の長さが短くなり、新たに交換される回路基板部300の端子31まで到達しにくいことがある。また、新たに交換される回路基板部300の端子31にもポッティング部材372が存在する場合、端子31にリボン122を接続すること自体が不可能なことがある。
【0116】
これを考慮して、本実施例では、ポッティング部材372が端子31を露出するように構成されている。これによって、回路基板部300を交換しなければならないとき、端子31とリボン122が着脱可能に固定された場合には端子31からリボン122を分離し、端子31とリボン122が溶接などにより固定された場合にはリボン122を端子31から取り外すことによって、リボン122を容易に端子31から分離することができる。これによって、リボン122の元の長さを維持できるようにすることができる。また、新たに交換された回路基板部300の露出された端子31にリボン122を容易に固定又は接続することができる。
【0117】
このとき、本実施例では、端子31が位置する第1領域A1と、バイパスダイオード33、インバータ部材35などが位置する第2領域A2とを分離して区画する隔壁部材60を形成することができる。そして、ポッティング部材372は、第2領域A2に(または第2領域A2を覆いながら、又は第2領域A2を囲みながら)位置することができる。このように隔壁部材60が形成される場合には、工程中に流動性を有するポッティング部材372を使用するとしても、ポッティング部材372が端子31側に流れて端子31の一部にでも形成されることを物理的に防止して、端子31を完全に露出させることができる。
【0118】
隔壁部材60は、第1領域A1と第2領域A2とを分離して区画できるように形成される一方、端子31が位置する第1領域A1にリボン122が容易に流入できるようにする形状を有することができる。例えば、隔壁部材60は、リボン122が通る経路に対応して、リボン122が通過できる開口部を有することができる。または、隔壁部材60においてリボン122が通過する経路に該当する部分又は面が開放されるように、該当部分又は該当面が除去された形状を有することができる。このように、該当部分又は該当面が除去されると、その部分を開口部と見なすこともできる。
【0119】
上述したように、本実施例の端子31は、第1貫通孔49aに隣接した回路基板37の一側に隣接して位置することができる。この場合に隔壁部材60は、第1貫通孔49aに隣接した回路基板37の一側に開口部を有するか、または第1貫通孔49aに隣接した部分が開放されるように該当部分が形成されなくてもよい。これによって、リボン122との接続が容易に行われるようにすることができる。そして、隔壁部材60は、上述した一側を除外した端子31の周りを取り囲むように形成することができる。これによって、リボン122と接続される部分を除外した部分では、ポッティング部材372の流入を効果的に防止することができる。
【0120】
このような隔壁部材60は回路基板37に固定することができる。これによって、端子31と、バイパスダイオード33及びインバータ部材35との間に簡単な構造によって安定的に固定することができる。隔壁部材60は回路基板37に着脱可能に位置することができる。例えば、回路基板37に係止溝37aを形成し、回路基板37に隣接した隔壁部材60の端部に係止溝37aに係止される係止部60aを形成することができる。係止部60aは一種のラッチ構造を有することができる。すなわち、係止部60aは、狭い幅を有する端部から幅が次第に増加し、段差を有しながら減少するラッチ部分60bを備える。これによって、圧力を加えてラッチ部分60bの端部を係止溝37aに入れ、幅が次第に増加するラッチ部分60bが係止溝37aを通過するようになると、ラッチ部分60bの広い幅が、係止溝37aを反対に通過できないようにする係止段部の役割を果たす。これによって、別途の圧力なしでは係止部60aが係止溝37aに固定された状態を維持するようになる。分離が必要な場合には、反対方向にラッチ部分60bに圧力を加えると、ラッチ部分60bを係止溝37aから分離することができる。このような構造によって、隔壁部材60を容易かつ簡単な構造で回路基板37に固定することができる。また、従来に使用していた回路基板37の設計を大きく変更せずに、係止溝37aを形成することによって容易に隔壁部材60を適用することができる。また、回路基板37又は隔壁部材60の不良などを発見した場合に、容易にこれらを分離したり交換したりすることができる。
【0121】
隔壁部材60は、回路基板37と垂直に延びる隔壁部分610と、回路基板37と隣接した隔壁部分610の端部に位置し、隔壁部分610よりも大きな幅を有する底部分620とを含むことができる。隔壁部分610は、端子31の第1貫通孔49aに隣接する第1側(図の上側)には形成されずに、第1貫通孔49aと反対側の第2側(図の下側)と端子31の両側部(図の左側及び右側)に位置する第3側及び第4側に接続するように形成されてもよい。これによって、端子31の少なくとも3つの縁部を取り囲むように形成することができる。底部分620は、隔壁部分610とほぼ同一又は類似の形状を有し、隔壁部分610よりも厚い幅を有するように形成することができる。これによって、回路基板37と隣接する部分において隔壁部材60と回路基板37との接触面積を最大化することによって、隔壁部材60と回路基板37との間にポッティング部材372が流れることを極力防止することができる。そして、回路基板37の係止溝37aに係止される係止部60aを底部分620から延長して形成することで、係止部60aの構造的安定性を向上させる役割も果たすことができる。
【0122】
隔壁部材60において第3側び第4側を構成する部分は、第2ケース59の側面5944に固定することができる。これによって、ポッティング部材372が流入し得る経路を効果的に防ぐことができる。
【0123】
隔壁部材60において第1貫通孔49aに隣接した端部は、第2ケース59の側面5944に嵌め込まれる突出部60cを備えることができる。そして、第2ケース59の側面には、突出部60cが嵌め込まれる挿入溝590cを備えることができる。突出部60cと挿入溝590cとは嵌合によって互いに固定可能である。これによって、回路基板37に隣接した隔壁部材60の端部は係止部60aによって回路基板37に固定され、隔壁部材60において第1貫通孔49aに隣接した端部は第2ケース59の側面5944に固定される。または、突出部60cと挿入溝590cとの間に別途の接着剤などを位置させることも可能である。または、ポッティング部材372が突出部60cと挿入溝590cとの間を埋めて接着することによって、これ以上のポッティング部材372がこれらの間を通過して流入することを防止することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0124】
このような突出部60cは、第1貫通孔49aに隣接した回路基板37の一側よりも突出して形成されて、すなわち、第1貫通孔49aに隣接した回路基板37を全て横切ってこれより突出して形成されるので、ポッティング部材372が流入し得る経路を効果的に防止することができる。
【0125】
このように、回路基板部300及び隔壁部材60が第2ケース59の内部に位置した状態で、液体状態又はゲル状態のように流動性を有するポッティング部材372を第2領域A2側に注いだ後、乾燥及び/又は熱処理などによってポッティング部材372を硬化させる状態で第2領域A2をポッティング部材372が覆うようにすることができる。このように、第2ケース59内に回路基板部300が位置した状態でポッティング部材372を入れることによって、別途のモールドなどを備えることなく、容易に回路基板部300を覆うポッティング部材372を形成することができる。このとき、隔壁部材60を用いることによって、端子31が位置した第1領域A1にはポッティング部材372を形成しないで、その他の第2領域A2に全体的にポッティング部材372を形成することができる。これによって、ポッティング部材372は、第1領域A1を除外した第2領域A2に位置するバイパスダイオード33、インバータ部材35及び回路基板37を覆いながら形成される。
【0126】
上述した説明では、回路基板37の上部(即ち、第2ケース59の底面5942と反対側部分)に、隔壁部材60によって、第1領域A1とポッティング部材372が流入する第2領域A2とが区画されることを説明した。しかし、本発明がこれに限定されるものでなく、隔壁部材60のような別途の構成以外に、第2ケース59の一部などで区画することも可能である。
【0127】
例えば、第2ケース59の底面5944にも、突設される突出部で構成されて領域を分離して区画する隔壁部分5960を形成することで、ポッティング部材372の流入を防止する構造を形成することができる。このとき、回路基板37の上部に位置して、隔壁部材60によって区画される第1領域A1の形状と、回路基板37の下部に位置して、第2ケース59の底面5942に形成された隔壁部分610によって区画される領域の平面形状とは互いに異なっていてもよい。例えば、本実施例において、隔壁部分5960は、隔壁部材60とは異なり、端子31が形成される部分及びキャパシタ356が形成される部分を他の部分と分離して区画する形状を有することができる。これは、回路基板37の上部及び下部に位置する部品などの配置などに応じて、ポッティング部材372が流入しない部分の形状を自由に設計できるからである。その他の様々な変形が可能である。
【0128】
上述した説明において、ポッティング部材372がバイパスダイオード33、インバータ部材35のような物体を覆うということは、物体全体を全て覆うことも含むが、物体の一部のみを覆うことも含む。すなわち、バイパスダイオード33、インバータ部材35などにおいて絶縁特性を有するように処理された部分がある場合には、その部分を除外した部分のみを覆うことができる。例えば、バイパスダイオード33、インバータ部材35などにおいて外部に露出される配線のような回路パターンなどに該当する部分のみを一部覆うことができる。これによって、バイパスダイオード33、インバータ部材35などにおいて回路パターンなどを覆うことも、ポッティング部材372によってポッティングされたと見なすことができる。また、インバータ部材35を構成する直流−交流インバータ352、電流センサ354、キャパシタ356、そして直流−直流コンバーター358の少なくとも一つがポッティング部材372によって覆われてポッティングされ、他の構成がポッティング部材372によって覆われなくても、インバータ部材35がポッティング部材372によってポッティングされると見ることができる。例えば、実施例によって、キャパシタ356などはポッティング部材372によってポッティングされないこともある。
【0129】
本発明の他の例に係る一体型インバータ30の内部回路(より正確には、回路基板部300の構造)を、
図10及び
図11を参照して詳細に説明する。
図10は、
図1に示した太陽電池モジュールの端子、一体型インバータのブロック図の一例である。
【0130】
図10を参照すると、一体型インバータ30は、バイパスダイオード(またはバイパスダイオード部)33、直流−直流コンバーター(またはコンバーター部)358、キャパシタ356、直流−交流インバータ(またはインバータ部)352、制御部359aを含むことができる。
【0131】
バイパスダイオード33は、リボン(
図4の参照符号122、以下同様)及び端子(
図4の参照符号31、以下同様)を通じて形成された太陽電池モジュール100の第1乃至第4導電性ライン135a,135b,135c,135dの間にそれぞれ配置されるバイパスダイオードDa,Db,Dcを備えることができる。このとき、バイパスダイオードの個数は、1個以上であり、導電性ラインの個数(端子31の個数又はリボン122の個数)よりも1個さらに小さいことが好ましい。
【0132】
バイパスダイオードDa,Db,Dcは、太陽電池モジュール100から、特に、太陽電池モジュール100内の第1乃至第4導電性ライン135a,135b,135c,135dから太陽光直流電源の入力を受ける。そして、バイパスダイオードDa,Db,Dcは、第1乃至第4導電性ライン135a,135b,135c,135dのうち少なくとも一つからの直流電源において逆電圧が発生する場合、バイパスさせることができる。
【0133】
一方、バイパスダイオード33を経た入力電源(Vpv)は、直流−直流コンバーター358に入力される。
【0134】
直流−直流コンバーター358は、バイパスダイオード33から出力された入力電源(Vpv)を変換する。一方、直流−直流コンバーター358は、第1電力変換部と呼ぶことができる。
【0135】
例えば、直流−直流コンバーター358は、直流入力電源(Vpv)を疑似直流電源(pseudo DC voltage)に変換することができる。これによって、キャパシタ356には疑似直流電源が貯蔵されてもよい。一方、キャパシタ356の両端はDC端ということができ、キャパシタ356はDC端キャパシタと呼ぶこともできる。他の例として、直流−直流コンバーター358は、直流入力電源(Vpv)を昇圧して直流電源に変換することができる。これによって、DC端キャパシタ356には昇圧された直流電源が貯蔵されてもよい。
【0136】
直流−交流インバータ352は、キャパシタ356に貯蔵された直流電源を交流電源に変換することができる。一方、直流−交流インバータ352は、第2電力変換部と呼ぶことができる。
【0137】
例えば、直流−交流インバータ352は、直流−直流コンバーター358で変換された疑似直流電源(pseudo DC voltage)を交流電源に変換することができる。他の例として、直流−交流インバータ352は、直流−直流コンバーター358で昇圧された直流電源を交流電源に変換することができる。
【0138】
一方、直流−直流コンバーター358は、疑似直流電源(pseudo DC voltage)変換、または昇圧直流電源変換のために、複数のインターリービングコンバーターを備えることが好ましい。
【0139】
特に、本発明の実施例では、直流−直流コンバーター358が、3つ以上のインターリービングコンバーターを備える場合を例示する。
【0140】
図面では、n個のコンバーター610a,610b,...610nが、互いに並列接続されることを例示する。n個のコンバーター610a,610b,...610nのエネルギー変換容量は同一であってもよい。
【0141】
直流入力電源(Vpv)による電流が、n個のコンバーター610a,610b,...610nにおいて、1/Nに小さくなり、n個のコンバーター610a,610b,...610nの出力端において、各コンバーターの出力電流が一つに集まる。
【0142】
一方、n個のコンバーター610a,610b,...610nは、インターリービング動作をし、各n個のコンバーター610a,610b,...610nの電流位相は、基準相に比べて+(360°/N)、−(360°/N)、またはこれと近接した位相遅延を維持しながら動作する。
【0143】
このように、n個のコンバーターをインターリービング動作させる場合、直流−直流コンバーター358の入力電流及び出力電流のリップル(ripple)が低減され、したがって、電力変換モジュール700内の回路素子の容量及び大きさが小さくなるという長所がある。
【0144】
一方、上述したように、2つのインターリービングコンバーターを使用する場合、上述した290W〜330Wの交流電源の出力のために、かなり大きな大きさのインダクタ及びトランスフォーマなどが要求される。インダクタ及びトランスフォーマなどの大きさが大きくなるほど、ジャンクションボックスの厚さが厚くならなければならず、一体型インバータ30の厚さが太陽電池モジュール100のフレーム20の厚さよりも大きくなることがある。
【0145】
このような点を解決するために、本発明の実施例では、少なくとも3つ以上のインターリービングコンバーターを使用する。これによれば、上述した290W〜330Wの交流電源の出力のために、より小さな大きさのインダクタ及びトランスフォーマなどを使用することができ、これによって、一体型インバータ30の厚さが太陽電池モジュール100のフレーム20の厚さよりも小さくなることができる。
【0146】
一方、インターリービングコンバーターは、タップインダクタコンバーター、フライバックコンバーターなどを使用することができる。
【0147】
図11は、
図10の一体型インバータの内部回路図の一例である。
【0148】
図11を参照すると、一体型インバータ30は、バイパスダイオード33、直流−直流コンバーター358、キャパシタ356、直流−交流インバータ352、制御部359a、及びフィルター部359bを含むことができる。
【0149】
図11は、インターリービングコンバーターとしてタップインダクタコンバーターを例示する。図面では、直流−直流コンバーター358が、第1タップインダクタコンバーターないし第3タップインダクタコンバーター611a,611b,611cを備える場合を例示する。
【0150】
バイパスダイオード33は、第1乃至第4導電性ライン135a,135b,135c,135dにそれぞれ対応するaノード、bノード、cノード、dノードのそれぞれの間に配置される第1乃至第3バイパスダイオードDa,Db,Dcを含む。
【0151】
直流−直流コンバーター358は、バイパスダイオード33から出力される直流電源(Vpv)を用いて、電力変換を行うことができる。
【0152】
特に、第1タップインダクタコンバーター乃至第3タップインダクタコンバーター611a,611b,611cは、インターリービング動作によって、それぞれ変換された直流電源をキャパシタ356に出力する。
【0153】
そのうち第1タップインダクタコンバーター611aは、タップインダクタT1、タップインダクタT1と接地端との間に接続されるスイッチング素子S1、及びタップインダクタT1の出力端に接続され、一方向導通を行うダイオードD1を含む。一方、ダイオードD1の出力端、すなわち、カソード(cathode)と接地端との間にキャパシタ356が接続される。
【0154】
具体的に、スイッチング素子S1は、タップインダクタT1のタブと接地端との間に接続可能である。そして、タップインダクタT1の出力端(2次側)はダイオードD1のアノード(anode)に接続し、ダイオードD1のカソード(cathode)と接地端との間にキャパシタ356が接続される。
【0155】
一方、タップインダクタT1の1次側と2次側は反対の極性を有する。一方、タップインダクタTは、スイッチングトランスフォーマ(transformer)と呼ぶこともできる。
【0156】
一方、タップインダクタT1の1次側と2次側は、図示したように互いに接続される。これによって、タップインダクタコンバーターは非絶縁タイプのコンバーターであってもよい。
【0157】
一方、3つのタップインダクタコンバーター611a,611b,611cを、図示のように、互いに並列接続させてインターリービング(interleaving)方式で駆動する場合、入力電流成分が並列に分岐するので、各タップインダクタコンバーター611a,611b,611cを介して出力される電流成分のリップル(ripple)が減少する。
【0158】
一方、各タップインダクタコンバーター611a,611b,611cは、出力される交流電源の電力必要値に対応して、適応的に動作することが可能である。
【0159】
例えば、電力必要値が約90W〜130Wである場合、第1コンバーター611aのみ動作し、または電力必要値が約190W〜230Wである場合、第1及び第2コンバーター611a,611bのみ動作し、または電力必要値が約290W〜330Wである場合、第1乃至第3インターリービングコンバーター611a,611b,611cが全て動作することができる。すなわち、各タップインダクタコンバーター611a,611b,611cが選択的に動作することができる。このような選択的動作は、制御部359aによって制御可能である。
【0160】
直流−交流インバータ352は、直流−直流コンバーター358でレベル変換された直流電源を交流電源に変換する。同面では、フルブリッジインバータ(full−bridge inverter)を例示する。すなわち、それぞれ互いに直列接続される上アームスイッチング素子Sa,Sb及び下アームスイッチング素子S’a,S’bが一対をなし、総2対の上、下アームスイッチング素子が互いに並列(Sa&S’a,Sb&S’b)に接続される。各スイッチング素子Sa,S’a,Sb,S’bにはダイオードが逆並列に接続される。
【0161】
直流−交流インバータ352内のスイッチング素子は、制御部359aからのインバータスイッチング制御信号に基づいて、ターンオン/オフ動作を行うことになる。これによって、所定の周波数を有する交流電源が出力される。好ましくは、グリッド(grid)の交流周波数と同じ周波数(約60Hz又は50Hz)を有することが好ましい。
【0162】
フィルター部359bは、直流−交流インバータ352から出力される交流電源を滑らかにするために、ローパスフィルタリング(lowpass filtering)を行う。そのために、図面では、インダクタLf1,Lf2を例示しているが、様々な例が可能である。
【0163】
一方、コンバーター入力電流感知部Aは、直流−直流コンバーター358に入力される入力電流ic1を感知し、コンバーター入力電圧感知部Bは、直流−直流コンバーター358に入力される入力電圧vc1を感知する。感知された入力電流ic1及び入力電圧vc1は、制御部359aに入力可能である。
【0164】
一方、コンバーター出力電流感知部Cは、直流−直流コンバーター358から出力される出力電流ic2、すなわち、DC端電流を感知し、コンバーター出力電圧感知部Dは、直流−直流コンバーター358から出力される出力電圧vc2、すなわち、DC端電圧を感知する。感知された出力電流ic2及び出力電圧vc2は、制御部359aに入力可能である。
【0165】
一方、インバータ出力電流感知部Eは、直流−交流インバータ352から出力される電流ic3を感知し、インバータ出力電圧感知部Fは、直流−交流インバータ352から出力される電圧vc3を感知する。感知された電流ic3及び電圧vc3は、制御部359aに入力される。
【0166】
コンバーター入力電流感知部A、コンバーター入力電圧感知部B、コンバーター出力電流感知部C、コンバーター出力電圧感知部D、そして、インバータ出力電流感知部Eは、
図4に示した電流センサ354に該当することができる。
【0167】
一方、制御部359aは、直流−直流コンバーター358のスイッチング素子S1を制御する制御信号を出力することができる。特に、制御部359aは、感知された入力電流ic1、入力電圧vc1、出力電流ic2、出力電圧vc2、出力電流ic3、または出力電圧vc3のうち少なくとも一つに基づいて、直流−直流コンバーター358内のスイッチング素子S1のターンオンタイミング信号を出力することができる。
【0168】
一方、制御部359aは、直流−交流インバータ352の各スイッチング素子Sa,S’a,Sb,S’bを制御するインバータ制御信号を出力することもできる。特に、制御部359aは、感知された入力電流ic1、入力電圧vc1、出力電流ic2、出力電圧vc2、出力電流ic3、または出力電圧vc3のうち少なくとも一つに基づいて、直流−交流インバータ352の各スイッチング素子Sa,S’a,Sb,S’bのターンオンタイミング信号を出力することができる。
【0169】
一方、制御部359aは、太陽電池モジュール100に対する最大電力地点を演算し、それに応じて、最大電力に該当する直流電源を出力するように、直流−直流コンバーター358を制御することができる。
【0170】
このように、本実施例に係る一体型インバータ30は、内部回路構造においても端子、バイパスダイオード及びインバータ部材が一体化されているので、端子、バイパスダイオード及びインバータ部材が別々に形成された従来技術と差別化することができる。
【0171】
このように、本実施例によれば、第1ケース部分491は太陽電池パネル10に固定した状態で、第1ケース部分491を開けて回路基板部300を修理又は交換することができる。これによって、回路基板部300の修理、交換が容易に行われるようにすることができる。また、回路基板部300の交換が必要な場合にも回路基板部300のみを交換すればよいので、第1ケース49はそのまま使用することができる。これによって、一体型インバータ30の故障時にも第1ケース49はそのまま使用できるので、修理費用を低減することができる。特に、耐久性などを向上させるために第1ケース49を金属で形成する場合には、修理費用を大幅に低減することができる。
【0173】
図12A乃至
図12Cを参照すると、本実施例において、第1ケース49による接地は、第1乃至第3締結部材62,64,66を締結することによって達成することができる。このとき、第1乃至第3締結部材62,64,66は、伝導性物質(例えば、金属)を含むことができる。そして、第1ケース49は、伝導性物質層47と、伝導性物質層47の表面に形成される表面処理層48とを含むことができる。そして、第1ケース49に締結される第2及び第3締結部材64,66が位置する部分では、表面処理層48の少なくとも一部が除去されて伝導性物質層47を露出させるコンタクト部48aが形成され、コンタクト部48aを通して第2及び第3締結部材64,66と伝導性物質層47とが互いに接触して電気的に接続されることによって接地構造を具現することができる。これをより具体的に説明する。
【0174】
図12Aを参照すると、第1接地構造72は、第1ケース49に位置した第2圧入ナット490iと、第2圧入ナット490iに対応する位置で回路基板37に形成される締結孔37iと、締結孔37iを貫通して圧入ナット490iに締結される第1締結部材62とで構成することができる。すなわち、第1ケース49の内部空間部494の底面4942から回路基板37に向かって突出した第2圧入ナット490i上に回路基板37の締結孔37iを位置させた状態で第1締結部材62を締結することによって、第2圧入ナット490iの内面と第1締結部材62のねじ部分62aとが接触することによって接地がなされてもよい。
【0175】
第2圧入ナット490iは伝導性物質で形成されて、第2圧入ナット490iの内面に接触された第1締結部材62のねじ部分62aによって電気的に容易に接続されてもよい。そして、第1締結部材62の頭部分62bの内面は、回路基板37、回路基板37を構成する金属板、または回路基板37の回路パターンなどに接続されてもよい。
【0176】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2圧入ナット490iが、第1ケース49の第1ケース部分491又は第2ケース部分492のように表面に絶縁物質などで構成される表面処理層48を備えることも可能である。このように表面処理層48を備える場合には、第2圧入ナット490iに第1締結部材62を締結するとき、ねじ部分62aによって第2圧入ナット490iの内面の表面処理層48が除去されて、ねじ部分62aと伝導性物質が接触することができる。または、第1締結部材62の締結前に第2圧入ナット490iの内面から表面処理層48を除去する別途の工程を行うことで、第1締結部材62と第2圧入ナット490iの伝導性物質が安定的に接触できるようにすることも可能である。その他の様々な変形が可能である。
【0177】
このように、第2圧入ナット490iと回路基板37とを第1締結部分62によって連結するようになると、回路基板37を第1ケース49に安定的に接地することができる。これによって、様々な回路パターン、バイパスダイオード33、インバータ部材35などを備える回路基板37を第1ケース49(より正確には、第1ケース部分491)に連結して接地通路を形成して、回路基板37の電位をグラウンドに維持できるようにする。
【0178】
このように、第1接地構造72を、第1ケース49に位置した第2圧入ナット490i及び回路基板37に形成される締結孔37iに第1締結部材62を締結することによって形成すれば、簡単な構造及び工程により第1接地構造72を形成することができる。また、第1締結部材62によって第1ケース49と回路基板37とを物理的に固定することで、第1ケース49と回路基板37の固定安定性を向上させることができる。
【0179】
図12Bを参照すると、第2接地構造74は、第1ケース49の締結部49cとフレーム20とを第2締結部材64によって締結することによって構成することができる。すなわち、第1ケース49の締結部49cの締結部分491cをフレーム20の第2部分244の内面に接触させた状態で、締結部49cの締結孔490c及び第2部分244の締結孔244cに第2締結部材64を締結することによって、第2接地構造74が形成される。このとき、フレーム20は伝導性物質で形成されて、外部の衝撃に耐えられる優れた耐久性を有することができる。一例として、フレーム20は金属などで形成されてもよい。
【0180】
このとき、第2締結部材64が位置することになる締結孔490cの内面には、第1ケース49の表面処理層48が除去されて伝導性物質層47が露出するコンタクト部48aが形成される。コンタクト部48aの形状については、
図13A乃至
図13Dを参照してより詳細に後述する。
【0181】
このように、締結部分491cと第2部分244とを第2締結部材64によって締結するようになると、第1ケース49(より正確には、第1ケース部分491)とフレーム20を連結して接地経路を形成することができる。このように、回路基板37と第1ケース49を第1接地構造72によって接地し、第1ケース49とフレーム20を第2接地構造74によって接地することによって、回路基板37、第1ケース49及びフレーム20への接地経路を形成することができる。これによって、太陽電池モジュール100を構成する第1ケース49、フレーム20などが接地経路を構成するようにして、グラウンド(一例として、地面)との接地構造を簡単に具現することができる。そして、フレーム20は、隣接する太陽電池モジュール100のフレーム20にも連結されて、連続する接地構造を形成することができる。そして、フレーム20には、グラウンド(一例として、地面)と連結される接地線又は接地構造などが位置することができる。
【0182】
このように、第2接地構造74を、締結部分491cと第2部分244とを第2締結部材64によって締結することによって形成すれば、簡単な構造及び工程により第2接地構造74を形成することができる。また、第2締結部材64によって第1ケース49とフレーム20とを物理的に固定することで、第1ケース49を太陽電池モジュール100に堅固に固定することができる。
【0183】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2接地構造74を備えなくてもよい。例えば、フレーム20が伝導性物質を含まない場合には第2接地構造74を備えない。すると、第1ケース49にグラウンド(一例として、地面)との接地のための接地線などを別途に位置させることも可能である。その他の様々な変形が可能である。
【0184】
図12Cを参照すると、第3接地構造76は、第1ケース部分491の延長部分492c,493c,494c(特に、第2延長部分493c)と第2ケース部分492の固定部49dとを第3締結部材66によって締結することによって構成することができる。すなわち、第1ケース49の締結部49cの第2延長部分493cと固定部49dの第1固定部分491dとを互いに接触させた状態で、第2延長部分493cの締結孔490e及び第1固定部分491dの締結孔490gに第3締結部材66を締結することによって、第3接地構造76を形成する。
【0185】
このとき、第3締結部材66が位置することになる締結孔490e,490gの内面には、第1ケース49の表面処理層48が除去されて伝導性物質層48が露出するコンタクト部48aが形成される。コンタクト部48aの形状などについては、
図13A乃至11dを参照してより詳細に後述する。
【0186】
このように、締結部49cと固定部49dとを第3締結部材66によって締結するようになると、第1ケース部分491と第2ケース部分492を連結して接地経路を形成することができる。このように、回路基板37と第1ケース部分491を第1接地構造72によって接地し、第1ケース部分491と第2ケース部分492を第3接地構造76によって接地し、第1ケース部分492とフレーム20を第2接地構造74によって接地すると、回路基板37、第1ケース49の第1及び第2ケース部分491,492、そしてフレーム20への接地経路を形成することができる。これによって、太陽電池モジュール100を構成する第1ケース49の第1及び第2ケース部分491,492、フレーム20などが接地経路を構成するようにして、別途の部品などの追加なしにグラウンド(一例として、地面)との接地構造を簡単に具現することができる。
【0187】
このように、第3接地構造76を、締結部49c及び固定部49dに第3締結部材66を締結することによって形成すれば、簡単な構造及び工程により第3接地構造76を形成することができる。また、第3締結部材66によって第1ケース部分491と第2ケース部分492とを物理的に固定することで、第1及び第2ケース部分491,492をより堅固に固定することができる。
【0188】
本実施例では、第2ケース部分492が、第1ケース部分491と同様に、伝導性物質層47及び表面処理層48を含む場合を例示した。このように、第2ケース部分492が伝導性物質層47及び表面処理層48を含む場合、第1ケース49の強度、耐腐食性、外観などを向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2ケース部分492が、第1ケース部分491と異なる物質で形成されてもよい。例えば、第2ケース部分492が絶縁物質で形成されて絶縁特性を有することができる。このように、第2ケース部分492が絶縁物質で形成される場合には、第3接地構造76を形成しなくてもよい。
【0189】
本実施例において、第2及び第3締結部材64,66が位置する部分から第1ケース49の表面処理層48が除去されてコンタクト部48aを構成することになり、その様々な例について、
図13A乃至
図13Dを参照して詳細に説明する。
図13A乃至
図13Dは、
図12Cに示した第3締結部材66によるコンタクト部48aの様々な例を示した図である。
図13を参照して説明する第3締結部材66によるコンタクト部48aに対する説明は、第2締結部材64によるコンタクト部48a及びそれによって形成された第2接地構造74に対する説明にも適用することができる。これによって、第2締結部材64に対する説明は、第3締結部材66に対する説明で代替し、これについての詳細な説明は省略する。
図13A乃至
図13Dでは、
図12CのB部分に対応する部分を示している。
【0190】
図13Aに示したように、コンタクト部48aが、第3締結部材66の頭部分66b及びねじ部分66aに対応する部分で全体的に除去されて、第3締結部材66に隣接する部分において伝導性物質層47が全て露出するようにすることができる。すなわち、コンタクト部48aが、ねじ部分66aに接触する締結孔490e,490fの内面に全体的に形成され、頭部分66bの内面に接触する第1ケース49の面に全体的に形成され得る。このようなコンタクト部48aは、第3締結部材66を締結する前に第3締結部材66の頭部分66b及びねじ部分66aに対応する部分にレーザー加工又は機械的加工(例えば、エンドミル加工)などを行うことによって形成することができる。このように、予めレーザー加工又は機械的加工を通じてコンタクト部48aを全体的に形成する場合、第3接地構造76において接地構造をより安定的に形成することができる。
【0191】
または、
図13Bに示したように、コンタクト部48aが、第3締結部材66の頭部分66b及びねじ部分66aに対応する部分を部分的に露出するように形成されてもよい。このようなコンタクト部48aは、第3締結部材66を締結孔490e,490gに締結するとき、第3締結部材66がそれに接触又は密着する部分の第1ケース49の表面処理層48を削ることによって形成されてもよい。このとき、頭部分66bには、表面処理層48を効果的に除去できるように、第1ケース49に向かって突出した突出部Pが形成されてもよい。突出部Pは、様々な形状を有することができ、一例として、平面視においてくし形状、四角形状、円形状、星形状などのような様々な形状を有することができる。
【0192】
一例として、第3締結部材66のねじ部分66bに密着する締結孔490e,490gの内面には、ねじ部分66bに対応する形状にコンタクト部48aが形成されてもよい。すなわち、締結孔490e,490gの内面を通過するねじ部分66bの突出したねじ山部分に対応する形状に表面処理層48が除去されて、コンタクト部48aもねじ山の形状を有するように形成されてもよい。そして、第3締結部材66の頭部分66bに密着する第1ケース49の面には、頭部分66bの突出部Pに対応する部分が除去されてコンタクト部48aを構成することができる。
【0193】
このように、コンタクト部48aを、第3締結部材66の締結時に形成すれば、コンタクト部48aを形成するための別途の工程を行わなくてもよいので、生産性を向上させることができる。
【0194】
図13Bでは、頭部分66bの内面に突出部Pを形成した場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。他の例として、
図13Cに示したように、第1ケース49と頭部分66bとの間に突出部Pを有するワッシャー部材67をさらに位置させることで、第3締結部材66の頭部分66bに対応する部分を部分的に露出するように形成することができる。ワッシャー部材67は、第3締結部材66が通過できる締結孔を備える輪状又は環状のような形状を有することができ、第1ケース49に密着する面に突出部Pを備えることができる。突出部Pは、様々な形状を有することができ、一例として、平面視においてくし形状、四角形状、円形状、星形状などのような様々な形状を有することができる。
【0195】
このように、ワッシャー部材67を使用すれば、頭部分66bに対応する第1ケース49の表面処理層48に圧力をより効果的に加えることができるので、コンタクト部48aをより容易に形成することができる。また、所望の形状のワッシャー部材67を追加的に使用することによって、容易に工程に適用することができる。
【0196】
または、
図13Dに示したように、第1ケース49において第3締結部材66のねじ部分66aに接触する部分には、表面処理層48が部分的に除去されてコンタクト部48aが部分的に形成され、頭部分66bに接触する部分には、表面処理層48が全体的に除去されてコンタクト部48aが全体的に形成されてもよい。これは、頭部分66bに該当する部分ではコンタクト部48aを予め形成して接地構造の安定性を向上させ、小さな大きさを有するため、締結孔490e,490gの内面の表面処理層48の除去が難しいコンタクト部48aの内面は、ねじ部分66aを締結するときにコンタクト部48aを形成して生産性を向上させるためである。他の例として、頭部分66bに対応する部分においてコンタクト部48aが部分的に形成され、ねじ部分66aに対応する部分においてコンタクト部48aが全体的に形成されることも可能である。その他の様々な変形が可能である。
【0197】
本実施例では、第1接地構造72が、回路基板37と第1ケース部分491とを連結して形成される場合を例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、回路基板37が第2ケース部分492に連結されて第1接地構造72を形成してもよい。その他の様々な変形が可能である。
【0198】
上述した構造の太陽電池モジュール100の一体型インバータ30は、リボン122に接続される端子31及び/又は迂回経路を提供するバイパスダイオード33と、直流電流を交流電流に切り替わるインバータ部材35が一体化又は統合されて形成される。これらを一体化して形成することによって、設置工程を単純化し、構造を簡単にすることができる。そして、バイパスダイオード33とインバータ部材35を回路パターンで接続することによって、これらを接続するための出力ケーブル(即ち、直流出力ケーブル)などを使用しなくても良い。これによって、構造を単純化し、出力ケーブルによって発生し得る太陽電池パネル10の損傷を防止することができる。
【0199】
反面、従来は、ジャンクションボックスとインバータを別個に製造してそれぞれ太陽電池パネル又はフレームに固定した後、ジャンクションボックスの(+)出力ケーブル及び(−)出力ケーブルをインバータに接続しなければならない。そして、インバータの交流出力ケーブルもまた存在することになる。すると、設置空間が大きくなり、設置時間が長くなり、3つの出力ケーブルによって運送中又は使用中に太陽電池パネル10に衝撃が加えられて、太陽電池パネル10の損傷又は故障などが発生することがある。
【0200】
また、第1ケース49から回路基板部300を分離して修理、交換などが可能であるので、一体型インバータ30の修理、交換の作業性を向上させ、交換に必要なコストを最小化することができる。本実施例では、一体型インバータ30を構成する第1ケース49を用いて一体型インバータ30の第1接地構造72を構成するので、接地構造を単純化しながらも、回路基板37の信頼性を確保し、一体型インバータ30の安定性を向上させることができる。このとき、第1ケース49とフレーム20とを第2接地構造74によって接地すれば、接地経路を十分に形成して、グラウンド(一例として、地面)との接地構造を最大限簡素化することができる。そして、内部に回路基板部300を容易に位置させることができるように、第1ケース49が第1及び第2ケース部分491,492を含む場合には、第3接地構造74によってこれらを接地して、一体型インバータ30の電気的安定性をさらに向上させることができる。これによって、漏電や感電などの事故を最小化することができる。
【0201】
上述したような特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示した特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組み合わせ又は変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせ及び変形に係わる内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。