(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィルムロール支持部と前記搬送部との間に位置し、前記フィルムロールの交換時に交換前の前記フィルムロールの終端と交換用の前記フィルムロールの始端とを接合する作業を補助する、作業テーブルをさらに備え、
前記発光部は、前記作業テーブル上に位置する前記フィルムを照射する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、フィルムの表側面には、文字又は図形が印刷されている。このため、フィルムの接合作業においては、接合部分の文字又は図形にズレが生じないように、交換前のフィルムロールの終端と、交換用のフィルムロールの始端とが、互いの文字又は図形が合致する位置で適正に接合される必要がある。フィルムの接合作業が適正に行われないと、製袋やフィルムへの情報の印刷が一時的或いは連続的に適正に行われず、フィルム及び商品の損失が生じることとなる。
【0005】
しかし、上述のような製袋包装機では、フィルムロールから送り出されるフィルムは、製袋部の工程に関連して、表側面が製袋包装機の内側に向くとともに裏側面が外側に向いた状態で下流側へと送られるのが一般的である。このため、フィルムの接合作業においては、裏側面が製袋包装機の外側に向いた状態のフィルム同士を接合しなければならない場合がある。係る場合、フィルムの裏側面に何らかの目印が含まれていなければ、フィルムの接合作業を適正に行うことが困難となりうる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、フィルムの接合作業における作業性に優れた製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、表側面に文字又は図形が印刷されたフィルムを用いる製袋包装機であって、フィルムロール支持部と、製袋部と、搬送部と、発光部と、を備える。フィルムロール支持部は、フィルムがロール状に巻かれたフィルムロールを、支持する。製袋部は、フィルムを加工して、袋を作る。搬送部は、フィルムロール支持部と製袋部との間に位置する。搬送部は、フィルムを製袋部へ送る。発光部は、フィルムロール支持部と搬送部との間に位置するフィルムを、フィルムの表側面方向から照射する。
【0008】
本発明の第1観点に係る製袋包装機では、発光部が、フィルムロール支持部と搬送部との間に位置するフィルムを、フィルムの表側面方向から照射する。これにより、フィルムロール交換時におけるフィルムの接合作業において、発光部から照射される光によってフィルムを透過し、表側面に印刷された文字又は図形を裏面側から確認しながら作業を行うことが可能となる。その結果、裏側面が製袋包装機の外側に向いた状態のフィルム同士の接合を要求される場合においても、フィルムの接合作業を適正に行うことが容易となる。よって、フィルムの接合作業の作業性が向上する。
【0009】
なお、用いられるフィルムには、例えば、通常時に裏側面から表側面が透けて見える(半透明の)フィルムや、強い光を照射されることで表側面に印刷された文字又は図形を裏側面から視認可能なフィルム(例えば、アルミ蒸着フィルム等)等が含まれる。
【0010】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、作業テーブルをさらに備える。作業テーブルは、フィルムロール支持部と、搬送部と、の間に位置する。作業テーブルは、フィルムロールの交換時に、交換前のフィルムロールの終端と、交換用のフィルムロールの始端と、を接合する作業を補助する。発光部は、作業テーブル上に位置するフィルムを、照射する。
【0011】
これにより、フィルムの接合作業が行われる作業テーブル上において、フィルムが透過され、表側面に印刷された文字又は図形を確認することが可能となる。その結果、フィルムの接合作業を適正に行うことがさらに容易となる。
【0012】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第2観点に係る製袋包装機であって、作業テーブルは、平面部を含む。平面部は、フィルムロールから送られるフィルムの、表側面に面する。平面部には、スリットが形成される。スリットは、フィルムの幅方向に延びる。発光部は、平面部の下方に配置される。発光部は、スリットを通過するように、光を照射する。
【0013】
これにより、発光部を、作業テーブル下方のスペースにコンパクトに配置することが可能となる。その結果、発光部が配置されることによる、コンパクト性の低下や、作業性の低下が、抑制される。
【0014】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第1観点から第3観点のいずれかに係る製袋包装機であって、終端検知部をさらに備える。終端検知部は、フィルムロール支持部に支持されるフィルムロールが、終端に達したことを検知する。発光部は、フィルムロールが終端に達したことを終端検知部が検知したことに応じて、点滅又は点灯する。
【0015】
これにより、ユーザが、フィルムロールが終端に達したことを視覚的に認知でき、フィルムロール交換のタイミングを迅速に把握できる。その結果、装置の停止時間を短縮することが可能となり、生産性が向上しうる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る製袋包装機では、フィルムロール交換時におけるフィルムの接合作業において、発光部から照射された光によって透過された文字又は図形を確認しながら、フィルムを接合することが可能となる。その結果、裏側面が製袋包装機の外側に向いた状態のフィルム同士の接合が要求される場合においても、フィルムの接合作業を適正に行うことが容易となる。よって、フィルムの接合作業の作業性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る製袋包装機100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、以下の説明において、上、下、左、右、正面(前)、背面(後)といった方向を示す語句を用いているが、これらの方向は、特にことわりのない限り、
図4から
図8、及び
図10から
図13に示す方向を意味する。
【0019】
(1)製袋包装機100の概略構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機100の概略構成図である。
図2は、製袋包装機100において、使用されるフィルムロールFRの一例を示した模式図である。
図3は、フィルムFの表側面FSの一例を示した模式図である。
【0020】
製袋包装機100は、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFを、成形して所定の位置でシールし、商品を充填してから、再度シールして製袋した後、包装物品WPとして排出する装置である。
【0021】
製袋包装機100において使用されるフィルムロールFRは、
図2に示すように、筒状の芯材FCに長尺のフィルムFが巻回されて構成されている。フィルムロールFRには、フィルムFが芯材FCに接着剤等により固定されているタイプ(固定タイプ)と、固定されていないタイプ(非固定タイプ)がある。
【0022】
なお、以下の説明において、「フィルムロールFRの始端」とは、芯材FCに巻回されたフィルムFの外側(搬送方向側)の一端を指す。また、「フィルムロールFRの終端」とは、芯材FCに巻回されたフィルムFの内側(芯材FCに当接する側)の一端を指す。
【0023】
フィルムFは、
図3に示すように、縦方向Lに長く延び、縦方向Lと垂直な横方向に広がる一定の幅W1を有している。フィルムFには、商品包装用の袋として用いるための図柄(文字、図形又は色彩)が、寸法D毎に繰返し印刷されている。また、フィルムFには、縦方向Lに寸法Dの間隔でマークMが印刷されている。フィルムFの裏側面BSには、文字やマーク等の図柄が印刷されておらず、無地である。フィルムFは、例えば、通常時に裏側面から表側面が透けて見える(半透明の)フィルムや、強い光を照射されることで表側面に印刷された文字又は図形を裏側面から視認可能なフィルム(例えば、アルミ蒸着フィルム等)等が含まれる。
【0024】
製袋包装機100において、フィルムFは、裏側面BSが製袋包装機100の外側方向(主に上方向)に向くとともに、表側面FSが製袋包装機100の内側方向(主に下方向)に向いた姿勢で、下流側へと搬送される。フィルムFは、製袋包装機100において搬送される過程で、袋の形に加工される。フィルムFが袋に加工されたとき、寸法Dは、袋の上辺と下辺の距離、または袋の左辺と右辺の距離となる。
【0025】
製袋包装機100は、主として、フィルムロール支持部10と、搬送部20と、印字部30と、製袋部40と、フィルム接合作業補助部50と、制御部70と、を有している。
【0026】
フィルムロール支持部10は、フィルムロールFRを、回転自在に支持する。フィルムロール支持部10は、製袋包装機100におけるフィルムFの搬送経路において、最上流に配置されている。フィルムロール支持部10は、シャフト12と、シャフト12を回転させるシャフトモータ(図示省略)と、を有している。シャフト12は、フィルムロールFRの中心孔H1(すなわち芯材FC)を挿入されることで、フィルムロールFRを装着される。シャフト12は、シャフトモータの出力軸に接続されており、シャフトモータの駆動に連動して回転する。シャフトモータの動作(回転数)は、制御部70によって制御される。
【0027】
搬送部20は、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFを、搬送経路の下流側(製袋部40を含む)へと搬送する。搬送部20は、複数のローラ21、プルダウンベルト22、及び排出コンベア23等を含んでおり、各部が所定の動作を行うことでフィルムFを搬送する。複数のローラ21は、主として、フィルムロール支持部10と製袋部40の間に配置されている。プルダウンベルト22は、複数のローラ21及び排出コンベア23の間に配置されている。排出コンベア23は、搬送経路の最下流に配置されている。搬送部20における各部の動作は、制御部70によって制御される。
【0028】
搬送部20に含まれるローラ21には、テンションローラ25(
図1の二点鎖線を参照)が含まれる。テンションローラ25は、鉛直方向に移動することでフィルムFに所定の張力を付加する。テンションローラ25がフィルムFに対して付加する張力よりもフィルムFから受ける張力の方が大きい場合、テンションローラ25は鉛直上方向に移動する。反対に、テンションローラ25がフィルムFに対して付加する張力よりもフィルムFから受ける張力の方が小さい場合は、テンションローラ25は鉛直下方向に移動する。テンションローラ25の上下方向の移動量は、エンコーダ26によって検出され、検出結果に対応する信号が制御部70に適宜送信される。制御部70は、エンコーダ26から送られる信号により、フィルムFの張力を算出する。
【0029】
印字部30は、搬送中のフィルムFの所定の位置に、製造年月日などの所定の情報を印字する。印字部30の動作は、制御部70によって制御される。
【0030】
製袋部40は、フィルムFを加工して袋を作るユニットである。製袋部40は、フォーマ41、縦シール部42、横シール部43、及び切断部44等を含んでいる。フォーマ41は、平面の状態で搬送されてきたフィルムFを丸め、当該フィルムFの2つの縦辺を重ね合わせる。縦シール部42は、フォーマ41によって重ねあわされたフィルムFの2つの縦辺を固着する。横シール部43は、縦シール部42を通過して筒状に成形されたフィルムFの所定の位置において、縦シール部42における固着方向に略垂直に交差するように固着する。横シール部43は、固着したフィルムFにおいて、フォーマ41を介して1袋分の商品が充填された後、当該商品を充填された開口を固着する。切断部44は、横シール部43における固着工程を経たフィルムFを、所定の位置で切断する。製袋部40における各部の動作は、制御部70によって制御される。
【0031】
製袋部40を通過することで商品を充填され製袋された物品は、搬送部20の排出コンベア23によって、製袋包装機100外へと排出される。
【0032】
フィルム接合作業補助部50は、フィルムロールFRの交換に係る作業を補助するためのユニットである。製袋包装機100では、フィルムロールFRが終端に達すると、運転を停止した状態でフィルムロールFRの交換が行われる。フィルムロールFRの交換においては、新たなフィルムロールFRをフィルムロール支持部10に装着した後、交換前のフィルムロールFRの終端と、交換後のフィルムロールFRの始端と、を接合するフィルム接合作業が行われる。フィルム接合作業補助部50は、係るフィルム接合作業を容易とするために配置される。フィルム接合作業補助部50は、作業テーブル55と、光照射部60と、を含んでいる。
【0033】
作業テーブル55は、金属製あるいは合成樹脂製の板状の部材である。作業テーブル55は、フィルムロールFRの交換時に、交換前のフィルムロールFRの終端と、交換用のフィルムロールFRの始端と、を接合する作業を補助する。具体的に、作業テーブル55は、フィルム接合作業を行う作業台としての役割を担っている。作業テーブル55は、フィルムロール支持部10と搬送部20との間に位置する。
【0034】
光照射部60は、フィルムFの表側面FSに印刷された図柄を、作業者が裏側面BS側から確認するための光を照射する。具体的には、光照射部60は、作業テーブル55上に位置する(すなわち、フィルムロール支持部10と搬送部20との間に位置する)フィルムFを、表側面FS方向から照射する。光照射部60は、LEDライト等で構成される複数の発光部61(
図8参照)と、半導体スイッチやリレー等で構成されるスイッチ部62(
図9参照)と、を含んでいる。
【0035】
スイッチ部62は、制御部70によって、導通状態と非導通状態とを切り換えられる。スイッチ部62が導通状態となると、発光部61は、スイッチ部62を介して、電源部(図示省略)から所定の駆動電源を供給され発光する。スイッチ部62が非導通状態となると、電源部から供給される駆動電源が遮断され、発光部61は発光を停止する。発光部61は、フィルムFの接合部分(すなわち作業テーブル55上)におけるフィルムFを表側面FS側から照射可能な位置に配置されている。
【0036】
制御部70は、RAMやROM等のメモリと、CPUを含むマイクロコンピュータである。制御部70は、メモリに格納された制御プログラムに応じて、製袋包装機100に含まれる各部の動作又は状態を、適宜制御する。
【0037】
(2)フィルム接合作業補助部50の詳細
図4は、製袋包装機100の斜視図である。
図5は、製袋包装機100の左側面図である。
図6は、製袋包装機100の背面図である。
図7は、
図4に示される作業テーブル55周辺の拡大図である。
図8は、
図6に示される作業テーブル55周辺の拡大図である。なお、
図7及び
図8においては、説明の便宜上、フィルム接合作業補助部50を実線又は二点鎖線で表わし、その他の部分については破線で表わしている。
【0038】
(2−1)作業テーブル55
作業テーブル55は、製袋包装機100の本体フレーム110に固定されている。作業テーブル55は、製袋包装機100の背面側において、フィルムロール支持部10の上方に配置されている。
【0039】
作業テーブル55は、上面部分に左右方向(すなわちフィルムの幅W1方向)に延びる平面部56を有している。平面部56の幅W2(
図8参照)は、フィルムFの幅W1よりも大きい。平面部56は、フィルムロールFRから送られるフィルムFの、表側面FSに面する。平面部56には、左右方向(すなわちフィルムの幅W1方向)に延びるスリット57が形成される。スリット57の幅W3(
図8参照)は、フィルムの幅W1よりも大きい。
【0040】
(2−2)光照射部60
光照射部60は、作業テーブル55(より詳細には、平面部56)の下方空間に配置されている。具体的には、複数(ここでは、16個)の発光部61が、平面部56の下方に配置されている。より詳細には、各発光部61は、スリット57の直下において、所定間隔おきに左右方向(すなわちフィルムの幅W1方向)に並べられている。光照射部60は、係る態様で配置されることにより、製袋包装機100の本体フレーム110内において、大きなスペースを占有することなく、コンパクトに収容されている。このため、光照射部60は、既存(従来)の製袋包装機の本体フレーム内においても収容可能である。
【0041】
各発光部61は、発光時の主たる照射方向が、スリット57を貫通して外側に延びるように、配置されている。これにより、発光部61の発光時には、照射される光がスリット57を通過するようになっている。すなわち、作業テーブル55のスリット57上に存在するフィルムFは、スリット57を通過する光によって照射されうる。後述するが、発光部61は、フィルムロールFRが終端に達した場合、点滅する。
【0042】
スイッチ部62は、制御部70から駆動電圧を供給されることによって、導通状態と非導通状態とを切り換えられる。
【0043】
(3)制御部70の詳細
図9は、制御部70と、制御部70に電気的に接続される各ユニットと、を示したブロック図である。
【0044】
制御部70は、製袋包装機100の本体フレーム110に固定された電装品ボックス(図示省略)内に収容されている。制御部70は、フィルムロール支持部10、搬送部20、印字部30、及び製袋部40に含まれるアクチュエータや各種センサと電気的に接続されており、各部と信号の送受信を行っている。また、制御部70は、光照射部60のスイッチ部62、物理ボタン120、及びエンコーダ26と、電気的に接続されており、各部と信号の送受信を行っている。
【0045】
制御部70は、主として、通信部71と、記憶部72と、シャフト駆動制御部73と、搬送制御部74と、印刷制御部75と、製袋制御部76と、終端検知部77と、光照射制御部78と、を有している。
【0046】
通信部71は、他のユニットへ信号を送信するとともに、他のユニットからの信号を受信する機能部である。
【0047】
記憶部72は、RAMやROM等で構成され、揮発性の記憶領域と不揮発性の記憶領域を含んでいる。記憶部72は、各部の処理において用いられる制御プログラムを記憶している。
【0048】
シャフト駆動制御部73は、制御プログラムに沿って、フィルムロール支持部10(シャフトモータ)の発停及び回転数を制御する。
【0049】
搬送制御部74は、制御プログラムに沿って、搬送部20における各部(プルダウンベルト22及び排出コンベア23等)の動作を制御する。
【0050】
印刷制御部75は、制御プログラムに沿って、印字部30の動作を制御する。
【0051】
製袋制御部76は、制御プログラムに沿って、製袋部40における各部(縦シール部42、横シール部43、及び切断部44等)の動作を制御する。
【0052】
終端検知部77は、フィルムロール支持部10に装着されているフィルムロールFRが終端に達しか否かを判定する。具体的に、終端検知部77は、エンコーダ26の検出値に応じて、(テンションローラ25の鉛直方向における位置に基づき)フィルムFにかかる張力を監視し、張力の変化からフィルムロールFRの終端を検知している。終端検知部77は、例えば、テンションローラ25にかかる張力が一時的に大きくなったことに基づき、フィルムロールFRが終端に達したと判定する。
【0053】
なお、ここでの「フィルムロールFRの終端を検知」には、例えば、フィルムFの終端と芯材FCとが固定されているタイプ(固定タイプ)のフィルムロールFRにおいては、それ以上にフィルムFを送り出すことができなくなった瞬間を検知することが含まれる。また、フィルムFの終端と芯材FCとが固定されていないタイプ(非固定タイプ)のフィルムロールFRにおいては、フィルムFが芯材FCから離れた瞬間を検知することが含まれる。
【0054】
光照射制御部78は、制御プログラムに沿って、光照射部60のスイッチ部62の状態を制御する。光照射制御部78は、物理ボタン120が押下されると、スイッチ部62を導通状態に切り換えるべく駆動電圧を供給する。これにより、スイッチ部62を介して発光部61に駆動電源が供給され、発光部61が発光状態となる。
【0055】
また、光照射制御部78は、スイッチ部62が導通状態にある場合において物理ボタン120が押下されると、スイッチ部62を非導通状態に切り換えるべく駆動電圧の供給を停止する。これにより、スイッチ部62を介して発光部61に供給されていた駆動電源が遮断され、発光部61が非発光状態(発光していない状態)となる。
【0056】
また、光照射制御部78は、終端検知部77がフィルムロールFRの終端を検知した場合には、スイッチ部62の導通状態と非導通状態とを所定期間毎に切り換えるべく、間欠的に駆動電圧の供給を行う。これにより、発光部61は、発光状態と非発光状態とが所定期間毎に切り換わる点滅状態となる。その結果、ユーザが、フィルムロールFRが終端に達したことを視覚的に認知できるようになる。
【0057】
光照射制御部78は、発光部61が点滅状態にある場合において、物理ボタン120が押下されると、発光部61を非発光状態とすべく、間欠的に行っていた駆動電圧の供給を停止する。これにより、発光部61が非発光状態となる。
【0058】
(4)製袋包装機100の主たる機能
製袋包装機100では、主として以下の理由から、フィルムFの接合作業における作業性に優れている。
【0059】
すなわち、製袋包装機100では、フィルムロールFRから送り出されるフィルムFは、裏側面BSが製袋包装機100の外側(主として上方向)を向いた状態で下流側(製袋部40)へと送られる。このため、フィルムFの接合作業においては、裏側面BSが製袋包装機100の外側を向いた状態のフィルムF同士を接合する必要がある。係る場合、フィルムFの裏側面BSに何らかの目印が含まれていなければ、フィルムFの接合作業を適正に行うことが困難となりうる。
【0060】
しかし、製袋包装機100では、発光部61が、フィルムロール支持部10と搬送部20との間に位置するフィルムFを、表側面FS方向から照射可能に配置されている。これにより、フィルムFの接合作業を行う際、
図10及び
図11に示すように、発光部61から照射された光によって透過された文字又は図形を確認しながら、フィルムFを接合することが可能となる。
【0061】
図10は、発光部61が非発光状態にある場合における、作業テーブル55及び作業テーブル55上に位置するフィルムF(裏側面BS)の状態を表わした模式図である。
図11は、発光部61が発光状態となった場合における、作業テーブル55及び作業テーブル55上に位置するフィルムF(裏側面BS)の状態を表わした模式図である。なお、
図10及び
図11におけるハッチング部分は、フィルムFの裏側面BS(無地)を表わしている。
【0062】
図10に示すように、発光部61が非発光状態にある場合には、フィルムFが光で透過されていない状態であるため、表側面FSに印刷された図柄を、裏側面BS側からは確認できない。
【0063】
一方、
図11に示すように、発光部61が発光状態となると、フィルムFが光で透過され、表側面FSに印刷された図柄を、裏側面BS側から確認可能となる。
図11では、フィルムFがスリット57を通過した光に透過されて、表側面FSに印刷されたマークMを、裏側面BS側から確認可能となった様子が表わされている。これにより、マークM等の図柄を確認しながらフィルムFの接合作業を行えるようになり、裏側面BSが製袋包装機100の外側を向いた状態のフィルムF同士の接合を行う場合であっても、フィルムFの接合作業を適正に行うことが容易となる。
【0064】
よって、フィルムFの接合作業の作業性に優れている。
【0065】
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態では、発光部61が、フィルムロール支持部10と搬送部20との間に位置するフィルムFを、表側面FS方向から照射可能に配置されている。これにより、フィルムロールFR交換時におけるフィルムFの接合作業において、発光部61から照射される光によって透過された文字又は図形を確認しながら、フィルムFを接合することが可能となっている。その結果、裏側面BSが上を向いた状態のフィルムF同士の接合が要求される場合においても、フィルムFの接合作業を適正に行うことが容易となっている。よって、フィルムFの接合作業の作業性に優れている。
【0066】
(5−2)
上記実施形態では、発光部61は、作業テーブル55の直上に位置するフィルムFを、照射するように配置されている。これにより、フィルムFの接合作業が行われる際、作業テーブル55上に位置するフィルムFの、文字又は図形が透過される。その結果、フィルムFの接合作業を適正に行うことがさらに容易となっている。
【0067】
(5−3)
上記実施形態では、発光部61は、作業テーブル55の平面部56の下方において、平面部56に形成されたフィルムFの幅方向に延びるスリット57、を通過する光を照射可能に配置されている。係る態様で配置されることにより、発光部61は、製袋包装機100の本体フレーム110内において、大きなスペースを占有することなく、コンパクトに収容されている。すなわち、発光部61は、作業テーブル55の下方のスペースにコンパクトに配置されている。その結果、発光部61が配置されることによる、装置本体のコンパクト性の低下や、作業性の低下が、抑制されている。
【0068】
(5−4)
上記実施形態では、終端検知部77はフィルムロールFRが終端に達したことを検知し、発光部61はフィルムロールFRが終端に達したことを終端検知部77が検知したことに応じて点滅又は点灯するように構成されている。これにより、ユーザが、フィルムロールFRが終端に達したことを視覚的に認知でき、フィルムロールFR交換のタイミングを迅速に把握できるようになっている。その結果、製袋包装機100の停止時間を短縮することが可能となっており、生産性を向上しうる。
【0069】
(6)変形例
上記実施形態の製袋包装機100は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0070】
(6−1)変形例A
上記実施形態では、発光部61は、複数のLEDライトで構成された。しかし、発光部61は、必ずしもLEDライトに限定されず、光を照射するものであれば他のものを採用されてもよい。例えば、発光部61として、蛍光灯や白熱電球を採用されてもよい。
【0071】
(6−2)変形例B
上記実施形態では、作業テーブル55の平面部56にスリット57が形成され、係るスリット57を通過するように発光部61から光が照射された。しかし、発光部61が光を照射する態様については、必ずしもこれに限定されない。例えば、上記実施形態の平面部56を平面部56aとして合成樹脂やガラス等の透明や半透明の素材で構成し、係る平面部56aの下方に発光部61を適宜配置して、平面部56aを透過するように光を照射させてもよい。係る場合、スリット57については省略可能である。
【0072】
係る態様によっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、フィルムFの接合作業を行う際、
図12及び
図13に示すように、発光部61から照射された光によって透過された文字又は図形を確認しながら、フィルムFを接合することが可能となる。
【0073】
図12は、発光部61が非発光状態にある場合における、作業テーブル55a及び作業テーブル55a上に位置するフィルムF(裏側面BS)の状態を表わした模式図である。
図13は、発光部61が発光状態となった場合における、作業テーブル55a及び作業テーブル55a上に位置するフィルムF(裏側面BS)の状態を表わした模式図である。なお、
図12及び
図13におけるハッチング部分は、フィルムFの裏側面BS(無地)を表わしている。
【0074】
図12に示すように、発光部61が非発光状態にある場合には、フィルムFが光で透過されていない状態であるため、表側面FSに印刷された図柄を、裏側面BS側からは確認できない。
【0075】
一方、
図13に示すように、発光部61が発光状態となると、フィルムFが光で透過され、表側面FSに印刷された図柄を、裏側面BS側から確認可能となる。
図13では、フィルムFが平面部56aを通過した光に透過されて、表側面FSに印刷されたマークM及び他の図柄を、裏側面BS側から確認可能となった様子が表わされている。これにより、マークM等の図柄を確認しながらフィルムFの接合作業を行えるようになり、裏側面BSが製袋包装機100の外側を向いた状態のフィルムF同士の接合を行う場合であっても、フィルムFの接合作業を適正に行うことが容易となる。
【0076】
(6−3)変形例C
上記実施形態では、発光部61は、作業テーブル55の平面部56の下方空間に配置された。しかし、発光部61は、必ずしも係る態様で配置される必要はなく、他のスペースに配置されてもよい。例えば、発光部61は、パネル状に構成されて平面部56上に配置されてもよい。また、平面部56の左右いずれかの端部付近において照射方向を可変に配置されてもよい。
【0077】
(6−4)変形例D
上記実施形態では、発光部61は、作業テーブル55(平面部56)上に位置するフィルムFを、表側面FS側から照射可能に配置されていた。しかし、発光部61は、必ずしも係る態様で配置される必要はない。例えば、発光部61は、フィルムロール支持部10と作業テーブル55の間に位置するフィルムFを、表側面FS側から照射可能な態様で配置されてもよい。
【0078】
(6−5)変形例E
上記実施形態では、発光部61は、終端検知部77がフィルムロールFRの終端を検知したことに応じて、点滅するように構成されていた。しかし、係る場合において、発光部61が、点滅するのではなく、単に点灯するように構成されてもよい。すなわち、光照射制御部78が、間欠的にではなく、連続的に、駆動電圧の供給を行うように構成してもよい。
【0079】
(6−6)変形例F
上記実施形態では、発光部61が発する光の色については、特に限定されていなかったが、フィルムFの図柄等に応じて適宜、選択されればよい。
【0080】
(6−7)変形例G
上記実施形態では、終端検知部77は、フィルムロールFRの終端を、エンコーダ26から出力される信号(すなわち、テンションローラ25の変化量に基づいて算出されるフィルムFの張力)に基づいて検知していた。しかし、終端検知部77がフィルムロールFRの終端を検知する方法については適宜変更が可能であり、他の公知の手段が採用されてもよい。例えば、シャフト12や他のローラ21等にエンコーダを取り付け、終端検知部77が、当該エンコーダから送られる信号に基づいてフィルムロールFRの終端を検知するように構成してもよい。また、フィルムロールFRの終端を直接的に検出するセンサやカメラを配置し、終端検知部77がこれらの機器から送られる信号に基づいて、フィルムロールFRの終端を検知するように構成してもよい。
【0081】
(6−8)変形例H
上記実施形態では、光照射制御部78がスイッチ部62の導通状態と非導通状態とを切り換えることで、発光部61の発光状態と非発光状態とが切り換えられていた。しかし、これに限定されず、機械的なスイッチを配置し、当該スイッチのオンとオフの切り換えに応じて、発光部61の発光状態と非発光状態とが切り換えられるように構成されてもよい。
【0082】
(6−9)変形例I
上記実施形態では、制御部70は、製袋包装機100の本体フレーム110に固定された電装品ボックス(図示省略)内に収容されていた。しかし、制御部70の配置態様については必ずしもこれに限定されず、適宜変更である。例えば、制御部70の一部又は全部は、LANやWAN等のネットワークで接続された遠隔地に配置されてもよい。