特許第6534852号(P6534852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6534852
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】耐火天井下地材取付装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/18 20060101AFI20190617BHJP
【FI】
   E04B9/18 B
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-86077(P2015-86077)
(22)【出願日】2015年4月20日
(65)【公開番号】特開2016-204926(P2016-204926A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】510153618
【氏名又は名称】株式会社サワタ
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(74)【代理人】
【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司
(72)【発明者】
【氏名】澤田 操
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開実用新案第2009−0007223(KR,U)
【文献】 実開昭61−161315(JP,U)
【文献】 特開平10−102628(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3008181(JP,U)
【文献】 特開2004−011094(JP,A)
【文献】 実開平04−088320(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/18
E04B 1/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の天井梁材であるH型鋼に耐火被覆層を形成し、上記H型鋼に天井下地材である吊りボルトを吊持するようにした耐火天井下地材取付装置において、上記H型鋼と天井吊りボルトとの間にスペーサー支持金具とスペーサー金物を介在し、
上記スペーサー支持金具は、上壁部とこれに対向する下壁部と両壁部を繋ぐ縦壁部とによって横向きU字状に形成され、上壁部と下壁部との対向空間部を上記H型鋼の下フランジが挿入するための下フランジ挿入部とし、上壁部に押圧ボルトをねじ込むためのボルトねじ込み孔が形成され、下壁部にスペーサー金物をねじ止めするためのねじ止め孔が形成されてなり、上壁部のボルトねじ込み孔に押圧ボルトをねじ込んで下フランジ挿入部に挿入された上記下フランジの上面に圧接して、スペーサー支持金具を上記H型鋼に取り付けるようにし、
上記スペーサー金物は、上記耐火被覆層の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部と、その上部に形成した雄ねじ部と、その下部に形成した雌ねじ部とからなり、上記H型鋼に取り付けられたスペーサー支持金具のねじ止め孔にスペーサー金物の上部雄ねじ部をねじ込んで、スペーサー金物の下部が露出する状態で、吹き付け岩綿材を上記H型鋼に吹き付けるか、又はフェルト状岩綿材を上記H型鋼に巻き付けるようにして上記H型鋼に耐火被覆層を形成し、耐火被覆層から露出するスペーサー金物の下部雌ねじ部に天井吊りボルトをねじ込んで連結し、
該スペーサー金物の露出部に天井吊りボルトを吊持するようにした耐火天井下地材取付装置。
【請求項2】
上記スペーサー支持金具の上壁部とこれに対向する下壁部と両壁部を繋ぐ縦壁部の何れの断面をとっても断面コ字状を呈するように上壁部、縦壁部及び下壁部の幅方向両縁部に補強リブが形成されてなる請求項に記載の耐火天井下地材取付装置。
【請求項3】
上記スペーサー支持金具の縦壁部に電線や水道管等の天井裏設置物を取り付けるためのねじ孔等の取付孔を設けてなる請求項1又は2に記載の耐火天井下地材取付装置。
【請求項4】
建物の天井コンクリートスラブに耐火被覆層を形成し、上記天井コンクリートスラブに天井下地材である吊りボルトを吊持するようにした耐火天井下地材取付装置において、上記天井コンクリートスラブと天井吊りボルトとの間にスペーサー金物を介在し、
該スペーサー金物は、上記耐火被覆層の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部と、その上部に形成した雄ねじ部と、その下部に形成した雌ねじ部とからなり、上記天井コンクリートスラブに埋設したインサート金具にスペーサー金物の上部雄ねじ部をねじ込んで、スペーサー金物の下部雌ねじ部が露出する状態で、吹き付け岩綿材を上記天井コンクリートスラブに吹き付けるか、又はフェルト状岩綿材を上記天井コンクリートスラブに巻き付けるようにして上記天井コンクリートスラブに耐火被覆層を形成し、該耐火被覆層の下部から露出するスペーサー金物の下部雌ねじ部に天井吊りボルトをねじ込んで連結し、
該スペーサー金物の露出部に天井吊りボルトを吊持するようにした天井下地材取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の天井梁材であるH型鋼や天井コンクリートスラブに天井吊りボルトを吊持させてなる天井下地材において、H型鋼や天井コンクリートスラブに耐火被覆層を形成するための耐火天井下地材取付装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に鉄骨造り又は鉄筋コンクリート造りの耐火建物において、天井下地材である天井吊りボルトを吊持する天井梁材であるH型鋼や天井コンクリートスラブが火災時の温度上昇に伴って発生する耐力低下を防止するために、H型鋼や天井コンクリートスラブの露出表面に耐火被覆処理が施されている。
【0003】
図12は、耐火被覆処理を施す前の従来の天井下地材取付装置を示すもので、天井躯体である天井コンクリートスラブ(デッキプレートにコンクリートモルタルを積層したもの)Sの下面は天井梁材であるH型鋼Fによって支持されている。
【0004】
H型鋼Fは、上部フランジ1Fとこれに対向する下部フランジ2Fと両者を繋ぐウェブWとからなり、下部フランジ2Fを利用して、これに上横片20aと下横片20bと縦片20cとからなるコ字状の吊り金具20を挿入し、吊りボルト21を下横片20bにねじ込み、吊りボルト21の先端部を下部フランジ2Fの下面に圧接することによって、吊り金具20を下フランジ2Fに取り付け、吊りボルト21の下端部にハンガー22をナット23で固着し、このハンガー22に野縁受け24を係合させ、該野縁受け24にクリップ25を介して野縁26を取り付け、該野縁26に天井材27を釘打ち乃至接着等によって装着するようになっている。
【0005】
このような従来構造の天井下地材に耐火被覆処理を施すために、従来にあっては、図13に示す手順で耐火被覆処理を施すようにしている。すなわち、図13の(a)に示すように、第1処理工程としては、上述の図12で説明したように、吊り金具20とこれに吊持される吊りボルト21とをH型鋼Fに取り付ける前に、前工程として、先ず最初にH型鋼Fにその露出表面全域に耐火被覆層28を形成し、次に、図13の(b)に示すように、上述の吊り金具20と吊りボルト21を嵌め込むことができる程度の切欠部29を耐火被覆層28に切欠形成し、しかして、第3の処理工程として、図13の(c)に示すように、その切欠部29に上述の吊り金具20と吊りボルト21を嵌め入れ、吊りボルト21を吊り金具20に締め付けることによって、吊り金具20をH型鋼Fに取り付けると共に、吊りボルト21を吊り金具20に吊持させるようにしていた。
【0006】
このように従来構造では、耐火被覆層28に切欠部29を切欠形成して、これに吊り金具20と吊りボルト21を嵌め入れるようになっているため、切欠部29とこれらの下地材20,21との間には作業誤差等により隙間29aが発生することになり、この隙間29aから火災時の熱気が侵入してH型鋼Fや天井コンクリートスラブSに触れて耐力低下を来す虞れが多分にあった。
【0007】
しかも、吊りボルト21は、H型鋼Fにその長手方向に600〜900mmピッチで多数吊持されるため、当然にそれに相当する多くの切欠部29を耐火被覆層28に正確なピッチで一々切欠形成しなければならず、耐火被覆層28への切欠部29の切欠形成作業がかなり面倒であり、耐火被覆処理能率を上げることができないという難点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の難点を払拭し、耐火能力の良好な耐火被覆層を形成すると共に、耐火被覆層を効率的な作業によって形成することができる耐火天井下地材取付装置を提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る耐火天井下地材取付装置は、建物の天井梁材であるH型鋼Fに耐火被覆層を形成し、上記H型鋼Fに天井下地材である吊りボルトを吊持するようにした耐火天井下地材取付装置において、上記H型鋼Fと天井吊りボルト1との間にスペーサー支持金具3とスペーサー金物2を介在し、上記スペーサー支持金具3は、図3に示すように、上壁部3aとこれに対向する下壁部3bと両壁部を繋ぐ縦壁部3cとによって横向きU字状に形成され、上壁部3aと下壁部3bとの対向空間部を上記H型鋼Fの下フランジ2Fが挿入するための下フランジ挿入部3dとし、上壁部3aに押圧ボルト5をねじ込むためのボルトねじ込み孔6が形成され、下壁部3bにスペーサー金物2をねじ止めするためのねじ止め孔7が形成されてなり、上壁部3aのボルトねじ込み孔6に押圧ボルト5をねじ込んで下フランジ挿入部3dに挿入された上記下フランジ2Fの上面に圧接して、スペーサー支持金具3を上記H型鋼Fに取り付けるようにし、上記スペーサー金物2は、上記耐火被覆層4の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部2bと、その上部に形成した雄ねじ部2cと、その下部に形成した雌ねじ部2dとからなり、上記H型鋼Fに取り付けられたスペーサー支持金具3のねじ止め孔7にスペーサー金物2の上部雄ねじ部2cをねじ込んで、スペーサー金物2の下部雌ねじ部2dが露出する状態で、吹き付け岩綿材4Aを上記H型鋼Fに吹き付けるか、又はフェルト状岩綿材4Bを上記H型鋼Fに巻き付けるようにして上記H型鋼Fに耐火被覆層4を形成し、該耐火被覆層4の下部から露出するスペーサー金物2の下部雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込んで連結し、該スペーサー金物2の露出部2aに天井吊りボルト1を吊持するようにした構成からなるものである。
【0010】
【0011】
【0012】
請求項に係る耐火天井下地材取付装置は、図3に示すように、上記スペーサー支持金具3の上壁部3aとこれに対向する下壁部3bと両壁部を繋ぐ縦壁部3cの何れの断面をとっても断面コ字状を呈するように上壁部3a、縦壁部3c及び下壁部3bの夫々の幅方向両縁部に補強リブ8が形成されてなる請求項に記載の構成からなるものである。
【0013】
【0014】
請求項に係る耐火天井下地材取付装置は、図6に示すように、上記スペーサー支持金具3の縦壁部3cに電線や水道管等の天井裏設置物9を取り付けるためのねじ孔等の取付孔10を設けてなる請求項1又2に記載の構成からなるものである。
【0015】
請求項に係る耐火天井下地材取付装置は、図11に示すように、建物の天井コンクリートスラブSに耐火被覆層を形成し、上記天井コンクリートスラブSに天井下地材である吊りボルトを吊持するようにした耐火天井下地材取付装置において、上記天井コンクリートスラブSと天井吊りボルト1との間にスペーサー金物2を介在し、該スペーサー金物2は、上記耐火被覆層4の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部2bと、その上部に形成した雄ねじ部2cと、その下部に形成した雌ねじ部2dとからなり、上記天井コンクリートスラブSに埋設したインサート金具11にスペーサー金物2の上部雄ねじ部2cをねじ込んで、スペーサー金物2の下部雌ねじ部2dが露出する状態で、吹き付け岩綿材4Aを上記天井コンクリートスラブSに吹き付けるか、又はフェルト状岩綿材4Bを上記天井コンクリートスラブSに巻き付けるようにして上記天井コンクリートスラブSに耐火被覆層4を形成し、該耐火被覆層4の下部から露出するスペーサー金物2の下部雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込んで連結し、該スペーサー金物2の露出部2aに天井吊りボルト1を吊持するようにした構成からなるものである。
【0016】
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る耐火天井下地材取付装置によれば、建物の天井梁材であるH型鋼Fと天井吊りボルト1との間にスペーサー金物2を介在して、該スペーサー金物2をスペーサー支持金具3を介して該H型鋼Fに取り付け、この状態で、上記H型鋼Fに耐火被覆層4を上記スペーサー金物2の下部2aが露出するようにして形成し、該スペーサー金物2の露出部2aに天井吊りボルト1を吊持するようにしたものであるから、H型鋼Fとスペーサー支持金具3が耐火被覆層4によって隙間なく埋設され、又、スペーサー支持金具3に取り付けられるスペーサー金物2も天井吊りボルト1が連結されるスペーサー金物2の下部2aを残して、その大半が耐火被覆層4に埋設されるため、H型鋼Fは耐火被覆層4によって隙間なく完全に外気と遮断され、外気に火災が発生しても、その火災熱がH型鋼Fに伝播されることはなく、良好な耐火能力を発揮することができる。
【0018】
又、本発明に係る耐火天井下地材取付装置によれば、一般に、H型鋼Fにその長手方向に600〜900mmピッチ毎に天井吊りボルト1を吊持するようになっているが、本発明によれば、所定ピッチ毎に、スペーサー支持金具3にスペーサー金物2を取り付けたユニットを配置し、押圧ボルト5をスペーサー支持金具3にねじ込むだけの作業で天井吊りボルト1を吊持するためのスペーサー金物2をH型鋼Fに設置することができ、この状態でH型鋼Fに耐火被覆層4を形成するだけの工程であるから、耐火被覆層4を効率的に形成することができる。そして、スペーサー金物2の下部2aは耐火被覆層4から露出しているから、天井吊りボルト1をスペーサー金物2に迅速容易に連結することができる。
更に、本発明によれば、スペーサー支持金具3は、上壁部3aとこれに対向する下壁部3bと両壁部を繋ぐ縦壁部3cとによって横向きU字状に形成され、上壁部3aと下壁部3bとの対向空間部を上記H型鋼Fの下フランジ2Fが挿入するための下フランジ挿入部3dとし、上壁部3aに押圧ボルト5をねじ込むためのボルトねじ込み孔6が形成され、下壁部3bにスペーサー金物2をねじ止めするためのねじ止め孔7が形成されてなり、このスペーサー支持金具3をH型鋼Fの下フランジ2Fに挿入し、押圧ボルト5を上壁部3aのボルトねじ込み孔6にねじ込むだけで、スペーサー支持金具3をH型鋼Fに取り付けることができるから、スペーサー支持金具3にスペーサー金物2を取り付けたユニットのH型鋼Fへの取付作業を迅速容易に行うことができる。
更に又、本発明によれば、スペーサー金物2は、上記耐火被覆層4の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部2bと、その上部に形成した雄ねじ部2cと、その下部に形成した雌ねじ部2dとからなり、上記H型鋼Fに取り付けられたスペーサー支持金具3のねじ止め孔7にスペーサー金物2の上部雄ねじ部2cをねじ込んで、スペーサー金物2の下部雌ねじ部2dが露出する状態で、吹き付け岩綿材4Aを上記H型鋼Fに吹き付けるか、又はフェルト状岩綿材4Bを上記H型鋼Fに巻き付けるようにして上記H型鋼Fに耐火被覆層4を形成するようにしたため、耐火被覆層4の形成作業を容易迅速に行うことができ、該耐火被覆層4の下部から露出するスペーサー金物2の下部雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込んで連結するようにしたため、天井吊りボルト1のスペーサー支持金具3の連結作業も容易迅速に行うことができる。
更に又、本発明によれば、上記耐火被覆層4は、上記H型鋼Fに吹付装置によって吹き付けて取り付ける吹き付け岩綿材4A又は上記H型鋼Fに巻き付けるようにして取り付けるフェルト状岩綿材4Bからなるもので、前者であれば吹き付け作業によって岩綿材4AをH型鋼Fに付着させるので作業性が良い。後者であれば予め岩綿材をフェルト状に形成したものをH型鋼Fに巻き付けて取り付けるのであるから外観上の体裁が良好であり、外部に目立ち易い部分のH型鋼Fに取り付けるのに都合がよい。
しかも、本発明によれば、耐火被覆層4の層厚さに合わせた軸長さの軸状本体部2bを有するスペーサー金物2を用いることができる。すなわち、耐火被覆層4の層厚さは、耐火時間に合わせて決められており、耐火時間が多くなるとそれに略比例して耐火被覆層4の層厚さが厚くなるが、スペーサー金物2の軸状本体部2bは、この耐火被覆層4の層厚さに充分に対応することができる。
【0019】
【0020】
【0021】
請求項によれば、スペーサー支持金具3の上壁部3aとこれに対向する下壁部3bと両壁部を繋ぐ縦壁部3cの何れの断面をとっても断面コ字状を呈するように上壁部3a、縦壁部3c及び下壁部3bの夫々の幅方向両縁部に補強リブ8が形成されてなるため、スペーサー支持金具3は、天井吊りボルト、野縁受け、野縁あるいは天井材等の天井下地材の加重や外部から伝播される震動や衝撃に対して充分な耐久力を発揮することができる。
【0022】
【0023】
【0024】
請求項によれば、スペーサー支持金具3の縦壁部3cに電線や水道管等の天井裏設置物9を取り付けるためのねじ孔等の取付孔10を設けてなるため、天井裏設置物9を天井裏に設置したい場合には、スペーサー支持金具3を利用して、その縦壁部3cに設けた取付孔10によって天井裏設置物9を取り付けることができるから実用的である。なお、天井裏設置物9を取り付けるための部材のスペーサー支持金具3からの突出量は少ないから耐火被覆層4の形成に支障を来すことはない。
【0025】
請求項によれば、天井コンクリートスラブSと天井吊りボルト1との間にスペーサー金物2を介在して、該スペーサ金物2を上記天井コンクリートスラブSに取り付けると共に、上記天井コンクリートスラブSに耐火被覆層4を上記スペーサー金物2の下部2aが露出する状態で形成し、該スペーサー金物2の露出部2aに天井吊りボルト1を吊持するようにしたから、天井コンクリートスラブSに取り付けられるスペーサー金物2は、天井吊りボルト1が連結されるスペーサー金物2の下部2aを残して、耐火被覆層4に埋設されるため、天井コンクリートスラブSの表面は耐火被覆層4によって隙間なく完全に外気と遮断され、外気に火災が発生しても、その火災熱が天井コンクリートスラブSに伝播されることはなく、良好な耐火能力を発揮することができる。
【0026】
更に、本発明によれば、天井コンクリートスラブSに600〜900mmピッチ毎にスペーサー金物2を天井コンクリートスラブSに取り付け、この状態で天井コンクリートスラブSの表面に耐火被覆層4を形成するだけの工程であるから、耐火被覆層4を効率的に形成することができる。そして、スペーサー金物2の下部2aは耐火被覆層4から露出しているから、天井吊りボルト1をスペーサー金物2に迅速容易に連結することができる。
【0027】
更にまた、本発明によれば、スペーサー金物2は、上記耐火被覆層4の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部2bと、その上部に形成した雄ねじ部2cと、その下部に形成した雌ねじ部2dとからなり、上記天井コンクリートスラブSに埋設されたインサート金具11にスペーサー金物2の上部雄ねじ部2cをねじ込んで、スペーサー金物2の下部雌ねじ部2dが露出する状態で、吹き付け岩綿材4Aを上記天井コンクリートスラブSに吹き付けるか、又はフェルト状岩綿材4Bを上記天井コンクリートスラブSに巻き付けるようにして上記天井コンクリートスラブSに耐火被覆層4を形成するようにしたため、耐火被覆層4の形成作業を容易迅速に行うことができ、該耐火被覆層4の下部から露出するスペーサー金物2の下部雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込んで連結するようにしたため、天井吊りボルト1のスペーサー支持金具3の連結作業も容易迅速に行うことができる。
【0028】
しかも、本発明によれば、耐火被覆層4の層厚さに合わせた軸長さの軸状本体部2bを有するスペーサー支持金具3を用いることができる。すなわち、耐火被覆層4の層厚さは、耐火時間に合わせて決められており、耐火時間が多くなるとそれに略比例して耐火被覆層4の層厚さが厚くなるが、スペーサー金物2の軸状本体部2bは、この耐火被覆層4の層厚さに充分に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る耐火天井下地材取付装置の第1実施形態の一部断面で示す使用状態説明図である。
図2】同使用状態の正面断面図である。
図3】同分解斜視図である。
図4】同要部拡大正面断面図である。
図5】同耐火被覆層の形成手順を示す説明図である。
図6】同他の変形例の使用状態を示す正面断面図である。
図7】本発明に係る耐火天井下地材取付装置の第2実施形態の一部断面で示す使用状態説明図である。
図8】(a)及び(b)は同第2実施形態で用いる耐火被覆材を示す図である。
図9】同正面断面図である。
図10】同耐火被覆層の形成手順を示す説明図である。
図11】本発明に係る耐火天井下地材取付装置の第3実施形態の使用状態及び第4実施形態の要部を示す正面断面図である。
図12】従来技術を示すもので、耐火天井下地材取付装置の耐火被覆層を形成する前の使用状態説明図である。
図13】同耐火被覆層の形成手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1及び図2は、本発明に係る耐火天井下地材取付装置の第1実施形態の使用状態を示すものである。
【0031】
一般に、鉄骨造り又は鉄筋コンクリート造りの建物の天井躯体である天井コンクリートスラブSの下面に上フランジ1Fと下フランジ2Fと両者を結ぶウェブWとからなる天井梁材であるH型鋼Fが取り付けられている。
【0032】
上記H型鋼Fを利用して、これに天井下地材である吊りボルトを吊持するようになっているが、本発明においては、H型鋼Fと天井吊りボルト1との間にスペーサー金物2を介在している。そして、該スペーサー金物2をH型鋼Fに取り付けるために、H型鋼Fにスペーサー支持金具3を固定し、該スペーサー支持金具3を介してスペーサー金物2をH型鋼Fに取り付ける。
【0033】
その後に、H型鋼Fに耐火被覆層4をスペーサー金物2の下部2aが露出する状態で形成し、そして、スペーサー金物2の露出部2aに天井吊りボルト1を吊持するようになっている。
【0034】
従来では、前述のように、先ずH型鋼Fに耐火被覆層を形成し、その後にH型鋼Fに天井吊りボルト21を取り付けるようにしていたが、本発明にあっては、天井吊りボルト1とH型鋼Fとの間に、スペーサー金物2と該スペーサー金物2をH型鋼Fに固定するためのスペーサー支持金具3を介在し、耐火被覆層4を形成する前に、スペーサー金物2とスペーサー支持金具3とを、先ずH型鋼Fに先付けし、その後に耐火被覆層4を後付けすることを特徴とする。
【0035】
図3は、スペーサー金物2とスペーサー支持金具3の構造が分かりやすく図示されているが、先ず、スペーサー支持金具3の構造について説明すると、該スペーサー支持金具3は、上壁部3aとこれに対向する下壁部3bと両壁部を繋ぐ縦壁部3cとによって横向きU字状に形成され、上壁部3aと下壁部3bとの対向空間部を上記H型鋼Fの下フランジ2F(図1図2参照)が挿入するための下フランジ挿入部3dとし、上壁部3aに押圧ボルト5をねじ込むためのボルトねじ込み孔6が形成され、下壁部3bにスペーサー金物2をねじ止めするためのねじ止め孔7が形成されている。
【0036】
そして、スペーサー支持金具3は金属板の曲げ加工によって形成されるもので、金属板からなるスペーサー支持金具3の強度を補強するために、スペーサー支持金具3の上壁部3aとこれに対向する下壁部3bと両壁部を繋ぐ縦壁部3cの何れの断面をとっても断面コ字状を呈するように上壁部3a、縦壁部3c及び下壁部3bの夫々の幅方向両縁部に補強リブ8が曲げ加工によって一体形成されている。そして、図1図2又は図4に示すように、スペーサー支持金具3の上壁部3aのボルトねじ込み孔6に押圧ボルト5をねじ込んで下フランジ挿入部3dに挿入された上記下フランジ2Fの上面に圧接して、スペーサー支持金具3を上記H型鋼Fに取り付けるようにしている。
【0037】
スペーサー金物2は、後で詳述する耐火被覆層4の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部2bと、その上部に形成した雄ねじ部2cと、その下部に形成した雌ねじ部2dとからなり、上記H型鋼Fに取り付けられたスペーサー支持金具3のねじ止め孔7にスペーサー金物2の上部雄ねじ部2cをねじ込んで、スペーサー金物2をスペーサー支持金具3を介してH型鋼Fに取り付けるようになっている。
【0038】
この際、強度上の配慮から、図4に示すように、スペーサー支持金具3の上壁部3aは下壁部3bよりも縦壁部3c側からの突出量を少なく形成しており、これによって上壁部3aに形成されるボルトねじ込み孔6は、下壁部3bに形成されるねじ止め孔7よりも縦壁部3c側寄りに形成されており、ボルトねじ込み孔6に押圧ボルト5をねじ込んで下フランジ挿入部3dに挿入された上記下フランジ2Fの上面に圧接することによって、その反力によって上壁部3aが浮き上がるのを防止するようになっており、又、下壁部3bのねじ止め孔7にねじ止めされるスペーサー金物2はH型鋼Fの下フランジ2Fの幅方向中心部に位置するように配慮している。
【0039】
以上のようにしてスペーサー支持金具3とスペーサー金物2をH型鋼Fに取り付けた後に、図1図2又は図4に示すように、H型鋼Fの表面全域、スペーサー支持金具3及びスペーサー金物2を覆うように耐火被覆層4を形成するが、この耐火被覆層4を形成するにあたって、スペーサー金物2の下部2aが露出する状態で形成される。
【0040】
本発明の第1実施形態にあっては、耐火被覆層4は、図1図2又は図4に示すように、H型鋼F、スペーサー支持金具3及びスペーサー金物2に付着される吹き付け岩綿材4Aからなっており、解繊された状態にある岩綿材(ロックウール)をセメントミルク等を混合した状態で、吹付用エアーガン等の周知の吹付装置によって高圧空気により噴射し、この岩綿材4AをH型鋼Fに付着させ、該H型鋼Fに岩綿材4Aを所定の厚みに積層するようになっている。
【0041】
耐火被覆層4の層厚さL1(図4)は、火災発生時の耐熱時間によって規制されており、1時間の耐熱能力を満たすためには、層厚さは20mm:2時間耐熱は45mmの層厚さ、3時間耐熱は65mmの層厚さに形成されなければならないとされている。
【0042】
そして、この耐火被覆層4の層厚さL1に略比例してスペーサー金物2の軸状本体部2bの軸長さL2(図4図3)が決められなければならず、1時間耐熱の層厚さL1が20mmの場合には軸状本体部2bの軸長さL2は50mm、2時間耐熱の層厚さL1が45mmの場合には軸状本体部2bの軸長さL2は70mm、3時間耐熱の層厚さL1が65mmの場合には軸状本体部2bの軸長さL2は90mmとしており、これによって、層厚さの変化にも係わらずスペーサー金物2は、その下部2aが25mm〜30mmの軸長さ分、耐火被覆層4から露出するようになっている。
【0043】
以上のように、耐火被覆層4の下部にはスペーサー金物2が露出しているため、この露出部2aの雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込み吊持し、その後は、図2に示すように、従来技術と同じにように、天井吊りボルト1の下端部にハンガー22をナット23で固着し、このハンガー22に野縁受け24を係合させ、該野縁受け24にクリップ25を介して野縁26を取り付け、該野縁26に天井材27を釘打ち乃至接着等によって装着するようになっている。
【0044】
図5は、本発明の第1実施形態の耐火被覆層4の形成手順を示すもので、先ず(a)に示すように、H型鋼Fの下フランジ2Fにスペーサー支持金具3を押圧ボルト5のねじ込みによって固定し、同時にスペーサー金物2をスペーサー金物2にねじ止めして取り付ける。なお、スペーサー支持金具3の縦壁部3cに取付孔10が形成されているが、この役割については後述する。
【0045】
次に(b)に示すように、耐火被覆層4を形成するための吹き付け岩綿材4AをH型鋼F、スペーサー支持金具3およびスペーサー金物2を覆うようにして、且つスペーサー金物2の下部2aは露出させた状態で、要求される耐熱時間に合わせた層厚さに吹き付け岩綿材4Aを吹き付けて付着させる。しかして、耐火被覆層4Aから露出したスペーサー金物2の下部2aの雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込むことによって、H型鋼Fを外気から完全に遮断した耐火被覆層4がH型鋼Fに形成される。
【0046】
図6は、本発明の第1実施形態の変形例を示すもので、図5の(a)に示される取付孔10は、天井吊りボルト1をH型鋼Fに取り付けると共に、天井裏を利用して従来より設置される、例えば配線用や水道管等の天井裏設置物9を取り付けるためのものであって、取付孔10に止着ボルト12によってL金具等の取付具13を取り付け、これに短尺の取付ボルト14を取り付け、この状態で前述の吹き付け岩綿材4Aの吹き付け工程を経ることになる。取付孔10から下方に延びる取付ボルト14は短尺であるから、吹き付け岩綿材4Aの吹き付け作業に支障を来すことはない。吹き付け岩綿材4Aの吹き付け工程後に、岩綿材4Aの下方に露出している取付ボルト14の下部14aに適当な設置金具15を介して天井裏設置物9を取り付けるようにする。
【0047】
図7図10は、本発明の第2実施形態を示すもので、第1実施形態との構成上の相違点は、第1実施形態では、耐火被覆層4は吹き付け岩綿材4Aによって形成されるが、第2実施形態にあっては、耐火被覆層4はフェルト状岩綿材4Bによって形成される点が相違するのみであり、その他の構造は第1実施形態と全く同じであるので、第1実施形態と同じ役割の構成要素については、第1実施形態に付した参照符号を付して構造説明は原則して省略するものとし、両者の相違点である耐火被覆層4の構成についてのみ説明するものとする。
【0048】
図7又は図9に示される第2実施形態の耐火被覆層4は、フェルト状岩綿材4Bからなるもので、岩綿材(ロックウール)をフェルト状に成形し、シート状としたもので、図8の(a)に示すように、フェルト状岩綿材4Bをロールシート状に製品化したもの、或いは図8の(b)に示すように、矩形シート状に製品化したものがある。このフェルト状岩綿材4Bを、図7又は図8に示すように、H型鋼F、スペーサー支持金具3及びスペーサー金物2を隙間なく覆うようにして巻き付け、固定ピン16或いは接着剤によって天井コンクリートスラブSに接触している部分を固着することによって、このフェルト状岩綿材4Bを所定の厚みに積層するようになっている。このフェルト状岩綿材4Bからなる耐火被覆層4の層厚さと、スペーサー金物2の軸状本体部2bの軸長さとの関係は、図4で説明した前述の第1実施形態と同じである。
【0049】
図10は、第2実施形態の耐火被覆層4の形成手順を示すもので、第1実施形態の図5に相当するものであるが、念のため説明すると、先ず(a)に示すように、H型鋼Fの下フランジ2Fにスペーサー支持金具3を押圧ボルト5のねじ込みによって固定し、同時にスペーサー金物2をスペーサー金物2にねじ止めして取り付ける。
【0050】
次に(b)に示すように、耐火被覆層4を形成するための吹き付け岩綿材4AをH型鋼F、スペーサー支持金具3およびスペーサー金物2を覆うようにして、且つスペーサー金物2の下部2aは露出させた状態で、要求される耐熱時間に合わせた層厚さにフェルト状岩綿材4Bを巻き付け、天井コンクリートスラブSに接する部分を固定ピン16や接着剤によって固着することによってフェルト状岩綿材4Bを付着させる。しかして、耐火被覆層4Aから露出したスペーサー金物2の下部2aの雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込むことによって、H型鋼Fを外気から完全に遮断した耐火被覆層4がH型鋼Fに形成される。なお、フェルト状岩綿材4Bでは吹き付け岩綿材4Aと異なって表面が比較的平らに形成されているから外観上の体裁がよく、又、フェルト状岩綿材4Bの表面に着色岩綿材を重層すれば一層外観上の体裁が良くなる。
【0051】
図11は、本発明の第3実施形態を示すもので、天井コンクリートスラブSと天井吊りボルト1との間にスペーサー金物2を介在して、該スペーサ金物2を上記天井コンクリートスラブSに取り付けると共に、上記天井コンクリートスラブSに耐火被覆層4を上記スペーサー金物2の下部2aが露出する状態で形成し、該スペーサー金物2の露出部2aに天井吊りボルト1を吊持するようにした構成とする。天井コンクリートスラブSに取り付けられるスペーサー金物2は、天井吊りボルト1が連結されるスペーサー金物2の下部2aを残して耐火被覆層4に埋設されるため、天井コンクリートスラブSの表面は耐火被覆層4によって隙間なく完全に外気と遮断され、外気に火災が発生しても、その火災熱が天井コンクリートスラブSに伝播されることはなく、良好な耐火能力を発揮することができる。なお、この天井コンクリートスラブSは、波状のデッキプレートSaにコンクリートモルタルSbを重層してなるものである。
【0052】
又、この第3実施形態によれば、天井コンクリートスラブSに600〜900mmピッチ毎にスペーサー金物2を天井コンクリートスラブSを取り付け、この状態で天井コンクリートスラブSの表面にに耐火被覆層4を形成するだけの工程であるから、耐火被覆層4を効率的に形成することができる。そして、スペーサー金物2の下部2aは耐火被覆層4から露出しているから、天井吊りボルト1をスペーサー金物2に迅速容易に連結することができる。詳細には、第1又は第2実施形態と同じように、スペーサー金物2は、耐火被覆層4の層厚さに合わせて形成した所定長さの軸状本体部2bと、その上部に形成した雄ねじ部2cと、その下部に形成した雌ねじ部2dとからなり、上記天井コンクリートスラブSに埋設されたインサート金具11にスペーサー金物2の上部雄ねじ部2cをねじ込んで、スペーサー金物2の下部2aが露出する状態で、吹き付け岩綿材4Aを上記H型鋼Fに吹き付けるか、又はフェルト状岩綿材4Bを上記H型鋼Fに巻き付けるようにして上記天井コンクリートスラブSに耐火被覆層4を形成するようにする。これがために、耐火被覆層4の形成作業を容易迅速に行うことができ、該耐火被覆層4の下部から露出するスペーサー金物2の下部雌ねじ部2dに天井吊りボルト1をねじ込んで連結するようにしたため、天井吊りボルト1のインサート金具11の連結作業も容易迅速に行うことができる。
【0053】
しかも、耐火被覆層4の層厚さに合わせた軸長さの軸状本体部2bを有するスペーサー金物2を用いることができる。すなわち、耐火被覆層4の層厚さは、耐火時間に合わせて決められており、耐火時間が多くなるとそれに略比例して耐火被覆層4の層厚さが厚くなるが、スペーサー金物2の軸状本体部2bは、この耐火被覆層4の層厚さに充分に対応することができる。
【0054】
図11において、矢印aで示す部分に取り出した部分図は、本発明の第4実施形態の要部を示すもので、第3実施形態と相違する構成は、耐火被覆層4が第3実施形態にあっては吹き付け岩綿材4Aからなるのに対し、第4実施形態にあってはフェルト状岩綿材4Bからなる点である。すなわち、第4実施形態にあっては、フェルト状岩綿材4Bを天井コンクリートスラブSに接着剤や固定ピン16によって付着させることによって、天井コンクリートスラブSに耐火被覆層4を形成するようにしたもので、フェルト状岩綿材4Bでは吹き付け岩綿材4Aと異なって表面が比較的平らに形成されているから外観上の体裁がよく、又、フェルト状岩綿材4Bの表面に着色岩綿材を積層すれば、一層外観上の体裁が良くなる。
【符号の説明】
【0055】
S 天井コンクリートスラブ
F H型鋼
2F H型鋼の下フランジ
1 天井吊りボルト
2 スペーサー金物
2a スペーサー金物の下部
2b スペーサー金物の軸状本体部
2c スペーサー金物の雄ねじ部
2d スペーサー金物の雌ねじ部
3 スペーサー支持金具
3a スペーサー支持金具の上壁部
3b スペーサー支持金具の下壁部
3c スペーサー支持金具の縦壁部
3d スペーサー支持金具の下フランジ挿入部
4 耐火被覆層
4A 吹き付け岩綿材
4B フェルト状岩綿材
5 押圧ボルト
6 ボルトねじ込み孔
7 ねじ止め孔
8 スペーサー金物の補強リブ
9 天井裏設置物
10 取付孔
11 インサート金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13