特許第6534919号(P6534919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イシダの特許一覧

<>
  • 特許6534919-製袋包装機 図000002
  • 特許6534919-製袋包装機 図000003
  • 特許6534919-製袋包装機 図000004
  • 特許6534919-製袋包装機 図000005
  • 特許6534919-製袋包装機 図000006
  • 特許6534919-製袋包装機 図000007
  • 特許6534919-製袋包装機 図000008
  • 特許6534919-製袋包装機 図000009
  • 特許6534919-製袋包装機 図000010
  • 特許6534919-製袋包装機 図000011
  • 特許6534919-製袋包装機 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6534919
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20190617BHJP
   B65B 9/10 20060101ALI20190617BHJP
【FI】
   B65B57/00 H
   B65B9/10
【請求項の数】8
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-232612(P2015-232612)
(22)【出願日】2015年11月30日
(65)【公開番号】特開2017-100730(P2017-100730A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年10月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小池 伸治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 涼
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−321809(JP,A)
【文献】 特開2012−250756(JP,A)
【文献】 特開2005−104512(JP,A)
【文献】 特開2003−72720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
B65B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に配置された物品供給装置から物品の落下供給を受けて、製袋される袋に物品を包装する製袋包装機であって、
筒状に成形された包材を横シールする横シール機構と、
前記横シール機構を駆動するサーボモータと、
前記サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて、前記物品供給装置から落とされる物品が前記横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する落下時間検知部と、
を備えた製袋包装機。
【請求項2】
前記横シール機構は、前記物品供給装置から落下供給される物品が通過する経路内を移動する第1部材を有し、
前記サーボモータは、前記経路内で、前記第1部材を少なくとも垂直方向に駆動する第1サーボモータを含み、
前記落下時間検知部は、前記第1サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて、前記物品供給装置から落とされる物品が前記横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記落下時間検知部を動作させる第1モードと、前記落下時間検知部を動作させない第2モードとを切り替える、モード切替部を更に備え、
前記第1モードに切り替えられた時に、前記第1部材は、前記経路を閉鎖する位置に移動させられる、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記横シール機構は、前記物品供給装置から落下供給される物品が通過する経路内を移動する第2部材を有し、
前記サーボモータは、前記経路内で、前記第2部材を少なくとも水平方向に駆動する第2サーボモータを含み、
前記落下時間検知部は、前記第2サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて、前記物品供給装置から落とされる物品が前記横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記第2部材は1対のシールジョーである、
請求項4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記落下時間検知部を動作させる第3モードと、前記落下時間検知部を動作させない第2モードとを切り替える、モード切替部を更に備え、
前記第3モードに切り替えられた時に、前記第2サーボモータは、1対の前記シールジョーが接近/離反を繰り返すように、前記シールジョーを移動させる、
請求項5に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記物品供給装置が物品を排出するタイミングで送信される排出動作信号を受信する信号受信部を更に備え、
前記落下時間検知部は、更に、前記信号受信部が前記排出動作信号を受信した時点から、前記物品供給装置から落下供給される物品が前記横シール機構の高さ位置まで落下した時点までの時間を算出する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記物品供給装置に対し、物品の排出を要求する排出要求信号を送信する信号送信部を更に備えた、
請求項1から7のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。より具体的には、本発明は、上方に配置された物品供給装置から物品の落下供給を受けて、製袋される袋に物品を包装する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製袋包装機において、包装袋の横シール部での噛み込み防止や、製袋包装機の処理速度向上等を目的として、製袋包装機の上方に配置された物品供給装置から落下供給される物品が、包装袋になる筒状の包材の横シールを行う横シール機構に到達するタイミングを把握する構成が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2003−11927号公報)には、物品供給装置から落下供給される物品を検知する光電センサを備え、光電センサの検知結果に基づき、横シール機構の動作のタイミング等を調整する製袋包装機が開示されている。特許文献1(特開2003−11927号公報)では、物品供給装置の物品の排出口と、排出口から排出された物品が通過する製袋包装機のチューブとの間で、光電センサが物品を検知する。
【0004】
特許文献2(特開2009−227288号公報)には、物品供給装置から落下供給される物品を横シール機構の直上で検知するセンサを備えた製袋包装機が開示されている。そして、特許文献2(特開2009−227288号公報)では、センサの検知結果に基づき、横シール機構の動作タイミングに対する物品供給装置の物品の排出タイミングを調整することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1(特開2003−11927号公報)および特許文献2(特開2009−227288号公報)の構成には、以下の様な問題がある。
【0006】
まず、特許文献1(特開2003−11927号公報)では、物品の横シール機構へと到達するタイミングが検知されるのではなく、チューブより上方の検知位置に物品が到達するタイミングが光電センサにより検知される。物品の特性等によって、光電センサの検知位置から横シール機構に到達するまでの時間にばらつきが生じるため、光電センサの検知結果に基づき、物品が横シール機構に到達するタイミングを精度よく把握することは困難である。
【0007】
一方、特許文献2(特開2009−227288号公報)では、物品が横シール機構の直上に到達するタイミングが検知されるので、特許文献1(特開2003−11927号公報)の構成を使用する場合に生じる上記のような問題は生じにくい。しかし、横シール機構近傍では、横シール機構の動作に伴い振動や熱が発生するため、実際にはこのような位置にセンサを設置することは困難であり、かつ高価なセンサが必要となるという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、上方に配置された物品供給装置から落下供給される物品が横シール機構に到達するタイミングを簡易な構成で正確に検知可能な製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、上方に配置された物品供給装置から物品の落下供給を受けて、製袋される袋に物品を包装する。製袋包装機は、横シール機構と、サーボモータと、落下時間検知部と、を備える。横シール機構は、筒状に成形された包材を横シールする。サーボモータは、横シール機構を駆動する。落下時間検知部は、サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて、物品供給装置から落とされる物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する。
【0010】
本発明の第1観点に係る製袋包装機では、センサを別途設けることなく、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知可能である。そのため、装置コストを抑制しつつ、正確に物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0011】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、横シール機構は、物品供給装置から落下供給される物品が通過する経路内を移動する第1部材を有する。サーボモータは、第1サーボモータを含む。第1サーボモータは、物品供給装置から落下供給される物品が通過する経路内で、第1部材を少なくとも垂直方向に駆動する。落下時間検知部は、第1サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて、物品供給装置から落とされる物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する。
【0012】
本発明の第2観点に係る製袋包装機では、第1部材に作用する垂直方向の力、又は、第1部材の垂直方向の移動量に基づいて、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知することが可能である。
【0013】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第2観点に係る製袋包装機であって、モード切替部を更に備える。モード切替部は、落下時間検知部を動作させる第1モードと、落下時間検知部を動作させない第2モードとを切り替える。第1モードに切り替えられた時に、第1部材は、物品供給装置から落下供給される物品が通過する経路を閉鎖する位置に移動させられる。
【0014】
本発明の第3観点に係る製袋包装機では、第1部材上への物品の落下を、第1サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて検知することで、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0015】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、横シール機構は、物品供給装置から落下供給される物品が通過する経路内を移動する第2部材を有する。サーボモータは、第2サーボモータを含む。第2サーボモータは、物品供給装置から落下供給される物品が通過する経路内で、第2部材を少なくとも水平方向に駆動する。落下時間検知部は、第2サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて、物品供給装置から落とされる物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する。
【0016】
本発明の第4観点に係る製袋包装機では、第2部材に作用する水平方向の力、又は、第2部材の水平方向の移動量に基づいて、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0017】
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第4観点に係る製袋包装機であって、第2部材は1対のシールジョーである。
【0018】
本発明の第5観点に係る製袋包装機では、シールジョーに作用する水平方向の力、又は、シールジョーの水平方向の移動量に基づいて、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0019】
本発明の第6観点に係る製袋包装機は、第5観点に係る製袋包装機であって、モード切替部を更に備える。モード切替部は、落下時間検知部を動作させる第3モードと、落下時間検知部を動作させない第2モードとを切り替える。第3モードに切り替えられた時に、第2サーボモータは、1対のシールジョーが接近/離反を繰り返すように、シールジョーを移動させる。
【0020】
本発明の第6観点に係る製袋包装機では、1対のシールジョーが物品を挟み込んだ状態(物品の噛み込み)を第2サーボモータのトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて検知することで、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0021】
本発明の第7観点に係る製袋包装機は、第1観点から第6観点のいずれかに係る製袋包装機であって、信号受信部を更に備える。信号受信部は、物品供給装置が物品を排出するタイミングで送信される排出動作信号を受信する。落下時間検知部は、更に、信号受信部が排出動作信号を受信した時点から、物品供給装置から落下供給される物品が横シール機構の高さ位置まで落下した時点までの時間を算出する。
【0022】
本発明の第7観点に係る製袋包装機では、物品供給装置が物品を排出してから、横シール機構の高さ位置に到達するまでの時間が算出されるため、この時間を利用して、横シール機構の動作タイミングや、物品の排出タイミングを精度よく調整できる。
【0023】
本発明の第8観点に係る製袋包装機は、第1観点から第7観点のいずれかに係る製袋包装機であって、信号送信部を更に備える。信号送信部は、物品供給装置に対し、物品の排出を要求する排出要求信号を送信する。
【0024】
本発明の第8観点に係る製袋包装機では、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことの検知結果に基づき、物品の排出タイミングを精度よく調整することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る製袋包装機では、センサを別途設けることなく、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知可能である。そのため、装置コストを抑制しつつ、正確に物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機を含む計量包装装置の斜視図である。
図2図1に係る製袋包装機の製袋包装ユニットの概略構成を示す斜視図である。
図3図2に係る製袋包装ユニットの横シール機構の水平移動機構の概略平面図である。
図4図2に係る製袋包装ユニットの横シール機構の垂直移動機構の概略側面図である。図4では、横シール機構の水平移動機構の回転軸、クランク、リンクの図示を省略している。
図5A図2に係る製袋包装ユニットの横シール機構のシール用部材の概略側面図である。1対のシール用部材が互いに離反し、シール用部材のシャッターが開いた状態を描画している。
図5B図2に係る製袋包装ユニットの横シール機構のシール用部材の概略側面図である。1対のシール用部材が互いに接近し、シール用部材のシャッターが閉じられた状態を描画している。
図6図1に係る製袋包装機のブロック図である。
図7図1に係る製袋包装機による、落下時間検知処理のフローチャートである。
図8A図6における落下時間検知部が、第1落下時間検知モードにおいて、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する方法について説明するための図である。
図8B図6における落下時間検知部が、第2落下時間検知モードにおいて、物品が横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知する方法について説明するための図である。
図9】変形例Cに係る、Dモーション動作を行うシール用部材の移動の軌跡を説明するための図である。シール用部材の移動の軌跡を右側方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る製袋包装機について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
(1)全体構成
図1は、本発明の包装機の一実施形態に係る製袋包装機3を含む計量包装装置1の斜視図である。
【0029】
計量包装装置1は、主に組合せ計量機2および製袋包装機3を有する(図1参照)。
【0030】
組合せ計量機2は、物品供給装置の一例である。組合せ計量機2は、製袋包装ユニット3aの上方に配置されている(図1参照)。組合せ計量機2では、物品C(被包装物)の重量が複数の計量ホッパで計量され、これらの計量値が所定の合計重量になるように組み合わせられ、組み合わされた所定の合計重量の物品Cが下方に排出される。
【0031】
製袋包装機3は、上方に配置された組合せ計量機2から物品Cの落下供給を受けて、製袋される袋B(図2参照)に物品を包装する。製袋包装機3は、製袋包装ユニット3a、フィルム供給ユニット3b、およびコントローラ90を有する(図1および図6参照)。
【0032】
製袋包装ユニット3aは、組合せ計量機2から物品Cが供給されるタイミングにあわせて、物品Cの袋詰めを行う(図2参照)。
【0033】
フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aに袋Bとなる包装用のフィルムFを供給する。
【0034】
計量包装装置1には、操作盤4およびタッチパネル式のディスプレイ5が設けられる。操作盤4は、計量包装装置1を操作するための操作盤であり、主にスイッチを含む。ディスプレイ5は、計量包装装置1の動作状態を表示し、計量包装装置1に対する様々な設定の入力等を受け付ける。操作盤4およびディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3に対する指示や、組合せ計量機2および製袋包装機3に関する設定を受け付ける入力部として機能する。また、ディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3に関する情報を表示する出力部として機能する。なお、本実施形態では、操作盤4およびディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3で共用されるが、これに限定されるものではない。組合せ計量機2および製袋包装機3は、個別に操作盤およびディスプレイを有していてもよい。
【0035】
操作盤4やディスプレイ5は、組合せ計量機2のコントローラ(図示せず)および製袋包装機3のコントローラ90に接続されている。組合せ計量機2のコントローラは、操作盤4やディスプレイ5から入力された操作および設定に従って組合せ計量機2を制御する。製袋包装機3のコントローラ90は、操作盤4やディスプレイ5から入力された操作および設定に従って製袋包装機3を制御する。組合せ計量機2のコントローラ(図示せず)および製袋包装機3のコントローラ90は、互いに電気的に接続されている(図6参照)。コントローラ90は、操作盤4やディスプレイ5から入力された操作および設定や、製袋包装機3に設置されている各種センサの検知結果や、組合せ計量機2のコントローラから送信される信号等に基づいて、製袋包装機3を制御する。
【0036】
本実施形態では、組合せ計量機2のコントローラと、製袋包装機3のコントローラ90とは別の機器である。しかし、これに限定されるものではなく、1つのコントローラによって、組合せ計量機2および製袋包装機3の両方が制御されてもよい。
【0037】
(2)詳細構成
製袋包装機3について詳細を説明する。
【0038】
なお、以下の説明では、方向を表すために「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合があるが、特記無き場合、図2〜4、図5A図5B中の矢印に従う。また、以下の説明では、「上流」および「下流」という表現を使用する場合があるが、特記無き場合には、「上流」および「下流」はフィルムFの搬送方向を基準とする。
【0039】
(2−1)製袋包装ユニット
製袋包装機3の製袋包装ユニット3aについて説明する。
【0040】
製袋包装ユニット3aは、主に、成形機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構15と、横シール機構20と、サーボモータ60と、を有する(図2および図6参照)。
【0041】
成形機構13は、フィルム供給ユニット3bから搬送されてくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。プルダウンベルト機構14は、筒状となったフィルムF(以下、筒状フィルムFcとよぶ)を下方に搬送する。縦シール機構15は、筒状フィルムFcの重ね合わせ部分(合せ目)を縦方向にシールする。横シール機構20は、プルダウンベルト機構14および縦シール機構15の下方に配置されている。横シール機構20は、サーボモータ60により駆動され、下方に向かって搬送される筒状フィルムFcを搬送方向と交差する方向に沿ってシール(横シール)し、袋Bの上下端を封止する。また、横シール機構20は、横シール済みの袋Bを筒状フィルムFcから切り離す。筒状フィルムFcから切り離された包装済みの袋Bは、製袋包装機3の下方から排出される。
【0042】
(2−1−1)成形機構
成形機構13は、チューブ13bと、フォーマ13aとを有する(図2参照)。
【0043】
チューブ13bは、筒状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ13bの上端の開口部には、組合せ計量機2で計量された物品Cが投入される。
【0044】
フォーマ13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。フィルム供給ユニット3bのフィルムロールから繰り出されてきたシート状のフィルムFは、フォーマ13aとチューブ13bとの間を通る時に筒状に成形される。成形機構13のチューブ13bおよびフォーマ13aは、製造する袋Bのサイズ等に応じて取り替え可能に構成されている。
【0045】
(2−1−2)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFcを吸着して下方に連続搬送する。プルダウンベルト機構14は、図2に示すように、チューブ13bの左右にチューブ13bを挟むように配置された一対のベルト14cを有する。ベルト14cは、吸着機能を有する。一対のベルト14cは、それぞれ駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bに巻き回されている。駆動ローラ14aが図示しない駆動モータによって駆動されることで、ベルト14cに吸着された筒状フィルムFcが下方に搬送される。
【0046】
(2−1−3)縦シール機構
縦シール機構15は、筒状フィルムFcを縦方向(図3中では上下方向)に熱シールする。
【0047】
縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に配置されている(図3参照)。縦シール機構15は、図示されない駆動機構により、チューブ13bに近づくように、あるいは、チューブ13bから遠ざかるように前後方向に駆動される。縦シール機構15が、駆動機構によりチューブ13bに近づくように駆動されることで、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFcの重なり部分(合せ目)が、縦シール機構15とチューブ13bとの間に挟まれる。縦シール機構15は、筒状フィルムFcの重なり部分を、チューブ13bとの間で挟んだ状態で加熱し、縦方向に熱シールする。
【0048】
(2−1−4)横シール機構
横シール機構20は、筒状に成形された筒状フィルムFcを横シールする機構である。具体的には、横シール機構20は、成形機構13により筒状に成形され、縦シール機構15により縦方向にシールされた筒状フィルムFcを、筒状フィルムFcの搬送方向と交差する方向(ここでは左右方向)に延びる後述する一対のシールジョー31a,31b(図5A参照)により挟み込み、熱シールする。
【0049】
横シール機構20は、一対のシール用部材30a,30bを有する(図5A参照)。また、横シール機構20は、水平移動機構40および垂直移動機構50を有する(図3図4参照)。水平移動機構40は、シール用部材30a,30bを、水平方向に移動させる。水平移動機構40は、シール用部材30a,30bを、前後方向に移動させる。垂直移動機構50は、シール用部材30a,30bを、垂直方向に移動させる。
【0050】
以下に、図面を参照しながら、シール用部材30a,30b、水平移動機構40、および垂直移動機構50について説明する。
【0051】
図3は、水平移動機構40の平面図である。図4は、右方から見た垂直移動機構50の側面図である。図5は、右方から見たシール用部材30a,30bの側面図である。
【0052】
(2−1−4−1)シール用部材
シール用部材30aは、プルダウンベルト機構14により搬送される筒状フィルムFcの前方に配置される(図3参照)。シール用部材30bは、シール用部材30aと対向するように、プルダウンベルト機構14により搬送される筒状フィルムFcの後方に配置される(図3参照)。シール用部材30a,30bは、互いに接近/離反するように水平移動機構40によって動かされる。図5Aは、シール用部材30a,30bが、互いに離反した状態である。図5Bは、シール用部材30a,30bが、互いに接近した状態である。また、シール用部材30a,30bは、垂直移動機構50によって上下方向に動かされる。
【0053】
シール用部材30aは、ベース41と、シールジョー31aと、シャッター32aと、しぼり部材33aと、を主に有する(図5A参照)。シール用部材30bは、ベース42と、シールジョー31bと、シャッター32bと、しぼり部材33bと、を主に有する(図5A参照)。
【0054】
ベース41,42は、左右方向に延びる板状の部材である(図3参照)。ベース41の背面には、シールジョー31a、シャッター32a、およびしぼり部材33aが取り付けられている(図5A参照)。ベース42の前面には、シールジョー31b、シャッター32b、およびしぼり部材33bが取り付けられている(図5A参照)。シールジョー31aおよびシールジョー31bは、互いに対向するように、それぞれベース41およびベース42に取り付けられている。シャッター32aおよびシャッター32bは、互いに対向するように、それぞれベース41およびベース42に取り付けられている。しぼり部材33aおよびしぼり部材33bは、互いに対向するように、それぞれベース41およびベース42に取り付けられている。
【0055】
ベース41は、左右の端部近傍において、後述する水平移動機構40の2本の支持ロッド45の一方とそれぞれ連結されている(図3参照)。支持ロッド45は、前後方向に水平に延びる棒状部材である。ベース42には、左右の端部近傍に、前後方向に延びる孔(図示せず)が形成され、この孔に支持ロッド45の一方が挿入されている(図3参照)。ベース42は、支持ロッド45に摺動自在に嵌合している。ベース41,42は、後述するように、互いに接近/離反するように水平移動機構40によって動かされる。また、後述する支持ロッド45が挿入された支持ブロック52が、垂直移動機構50によって上下方向に動かされることによって、ベース41,42は、同時に上下方向に動かされる。
【0056】
シールジョー31a,31bは、対となって、筒状フィルムFcを挟み込んで熱シールする部材である。シールジョー31a,31bは、搬送される筒状フィルムFcと交差する方向、ここでは左右方向に延びる。シールジョー31a,31bは、筒状フィルムFcの左右方向の幅よりも長く延びる。シールジョー31a,31bは、それぞれベース41,42に取り付けられている。シールジョー31a,31bのそれぞれの内部には、図示しないヒータが内蔵されている。シールジョー31aとシールジョー31bとの間には、筒状フィルムFcが配置される。ヒータにより加熱されたシールジョー31a,31bは、所定のタイミングで水平移動機構40により互いに接近するように移動させられる。シールジョー31aの後面と、シールジョー31bの前面との間に筒状フィルムFcが挟み込まれることで、筒状フィルムFcは熱シールされる。
【0057】
シールジョー31bの前方側の上下方向における中央部には、カッタ36を収容する、左右方向に延びる溝34が形成されている。カッタ36は、左右方向に延びる。カッタ36は、シールジョー31a,31bにより筒状フィルムFcが横シールされた後、図示しない駆動機構(例えばエアシリンダ)により前方に(シールジョー31aに向かって)移動するように駆動される。前方に向かって移動するカッタ36は、シールジョー31aの後方側の上下方向における中央部に、左右方向に延びるように形成された溝35内に入り込む。溝35は、溝34と対向する。カッタ36が溝35内に入り込むように駆動されると、上下の端部が横シールされた筒状フィルムFc(すなわち、袋B)が、上流側の筒状フィルムFcから切り離される。袋Bは、製袋包装機3の下部から排出される。なお、ここでは、カッタ36は、シールジョー31b側に設けられているが、これに限定されるものではない。カッタ36は、シールジョー31a側に設けられてもよい。
【0058】
シャッター32a,32bは、対となって、筒状フィルムFcを挟み込んで物品Cの破片や微細粉等が落下することを防止する部材である。
【0059】
シャッター32a,32bは、それぞれシールジョー31a,31bの上方に配置される。シャッター32a,32bは、それぞれシールジョー31a,31bに隣接して配置される。シャッター32a,32bは、シールジョー31a,31bによる筒状フィルムFcの横シール時に、遅れた落下してきた物品Cの破片や微細粉等が、筒状フィルムFcの横シールされる部分に入り込むことを防止する。
【0060】
シャッター32a,32bは、板状の部材である。シャッター32a,32bは、搬送される筒状フィルムFcと交差する方向、ここでは左右方向に延びる。つまり、シャッター32a,32bは、シールジョー31a,31bと平行に延びる。シャッター32a,32bは、筒状フィルムFcの左右方向の幅よりも長く延びる。シャッター32a,32bは、それぞれベース41,42に取り付けられている。シャッター32aは、図示しない弾性部材(バネ等)により後方に付勢されている。シャッター32bは、図示しない弾性部材(バネ等)により前方に付勢されている。シールジョー31a,31bが筒状フィルムFcを横シールする際に、シールジョー31a,31bが取り付けられたベース41,42が互いに接近するように移動すると、シールジョー31a,31bが筒状フィルムFcを挟み込む前に、シャッター32a,32bが筒状フィルムFcを挟み込む。言い換えれば、シールジョー31a,31bが筒状フィルムFcを横シールする際に、シールジョー31a,31bが取り付けられたベース41,42が互いに接近するように移動すると、シールジョー31a,31bが筒状フィルムFcを挟み込む前に、シャッター32a,32bが閉じられる。その結果、筒状フィルムFcの、シールジョー31a,31bにより横シールされる部分への物品Cの破片等の落下が防止される。
【0061】
しごき部材33a,33bは、板状の部材である。しごき部材33a,33bは、対となって、筒状フィルムFcをしごき、筒状フィルムFcの内面に付着している物品Cの破片や微細粉等を落下させる。
【0062】
しごき部材33a,33bは、それぞれシールジョー31a,31bの下方に配置される。しごき部材33a,33bは、それぞれシールジョー31a,31bに隣接して配置される。しごき部材33a,33bは、その間に筒状フィルムFcを挟み込んだ状態で、垂直移動機構50により下方に移動させられる。その結果、筒状フィルムFcの内面に付着していた物品Cの破片や微細粉等が、しごき部材33a,33bにより落下させられ、筒状フィルムFcの、シールジョー31a,31bにより横シールされる部分に物品Cの破片等が入り込むことが防止される。
【0063】
しごき部材33a,33bは、搬送される筒状フィルムFcと交差する方向、ここでは左右方向に延びる部材である。つまり、しごき部材33a,33bは、シールジョー31a,31bと平行に延びる。しごき部材33a,33bも、筒状フィルムFcの左右方向の幅よりも長く延びる。しごき部材33a,33bは、それぞれベース41,42に取り付けられている。しごき部材33aは、図示しない弾性部材(バネ等)により後方に付勢されている。しごき部材33bは、図示しない弾性部材(バネ等)により前方に付勢されている。しごき部材33a,33bが筒状フィルムFcを横シールする際に、シールジョー31a,31bが取り付けられたベース41,42が互いに接近するように移動すると、シールジョー31a,31bが筒状フィルムFcを挟み込む前に、しごき部材33a,33bが筒状フィルムFcを挟み込む。この状態で、しごき部材33a,33bの固定されたベース41,42が、垂直移動機構50により下方に移動させられると、筒状フィルムFcの内面に付着していた物品Cの破片等が、しごき部材33a,33bにより落下させられる。その結果、筒状フィルムFcの、シールジョー31a,31bにより横シールされる部分に物品Cの破片等が入り込むことが防止される。
【0064】
(2−1−4−2)水平移動機構
水平移動機構40は、シール用部材30a,30bを水平方向に移動させる機構である。水平移動機構40は、シール用部材30a,30bを前後方向に移動させる。
【0065】
水平移動機構40は、一対の支持ロッド45、接続用ベース43、一対の支持アーム44、一対の支持ブロック52、回転軸46、クランク47、およびリンク48a,48bを主に有する(図3参照)。
【0066】
支持ロッド45は、前後方向に水平に延びる棒状部材である。一対の支持ロッド45の前端は、シール用部材30aのベース41の左右の端部近傍とそれぞれ連結されている(図3参照)。一対の支持ロッド45の後端は、接続用ベース43の左右の端部近傍とそれぞれ連結されている(図3参照)。接続用ベース43は、左右方向に延びる板状の部材である。ベース41、支持ロッド45、および接続用ベース43は、上方から見た時に、矩形の枠状に配置されている(図3参照)。
【0067】
支持ロッド45は、支持ブロック52により支持されている。具体的には、各支持ブロック52には、前後方向に水平に延びる孔(図示せず)が形成され、この孔に一対の支持ロッド45の一方が挿入されている(図3参照)。各支持ブロック52は、この孔に挿入された支持ロッド45を摺動自在に支持する。
【0068】
各支持ブロック52には、一対の支持アーム44の一方が取り付けられている(図4参照)。各支持ロッド45は、各支持ブロック52から前方に延設された支持アーム44で支えられて水平姿勢が保たれている。ベース42は、支持アーム44と支持ブロック52との間において、支持ロッド45に摺動自在に嵌合している(図3参照)。
【0069】
シール用部材30a,30bは、クランク機構により前後に往復移動される。具体的に説明する。
【0070】
図3に示すように、一対の支持ブロック52の間に掛け渡された接続フレーム52aの上面から回転軸46の上端部が上方に突出する。回転軸46は、後述する第2サーボモータ62により回転駆動される軸である。回転軸46は、垂直方向に延びる。回転軸46の下部側は、図示しない軸受により、回転自在に支持されている。回転軸46の、接続フレーム52aの上面から突出する上方側端部には、クランク47が嵌合している。図3に示すように、クランク47の一方の回転端部(周縁側の端部)と接続用ベース43との間に、前方側に配置されるシール用部材30aのためのリンク48aが設けられる。クランク47の他方の回転端部(周縁側の端部)と後方側に配置されるシール用部材30bとの間に、シール用部材30bのためのリンク48bが設けられている。回転軸46の下端は、後述するサーボモータ60の第2サーボモータ62の出力軸の動力を伝達できるように、第2サーボモータ62の出力軸と接続されている。例えば、回転軸46の下端と、第2サーボモータ62の出力軸とは、タイミングプーリおよびタイミングベルトを用いて動力を伝達可能に接続されている。
【0071】
シール用部材30a,30bが相互に離反した状態から、回転軸が矢印a方向に回転すると、クランク47も一体に同じ方向(矢印a方向)に回転し、その回転がリンク48a,48bによって前後方向の直線運動に変換される。前方側のシール用部材30a用のリンク48aは、接続用ベース43を後方に押圧し、これにより、接続用ベース43と左右一対の支持ロッド45とベース41とで構成される枠状構造全体を後方に移動させ、前方側のシール用部材30aを後方に水平移動させる。一方、後方側のシール用部材30b用のリンク48bは、ベース42を前方に押圧し、これにより、後方側のシール用部材30bを前方に水平移動させる。
【0072】
クランク47の回転中心から各リンク48a,48bの連結点までの距離は同一であり、かつ、リンク48a,48bの形状も同一である。よって、単一の回転軸46の回転により、前後一対のシール用部材30a,30bは、同時に、相互に逆方向に、同距離だけ移動する。その結果、シール用部材30a,30bのシールジョー31a,31bは、互いに接近し、筒状フィルムFcを間に挟み込んで、熱と圧力とにより筒状フィルムFcを横シールする。
【0073】
シールジョー31a,31bが筒状フィルムFcを挟み込んだ状態から、回転軸46が矢印b方向に回転すると、逆に、前方側のシール用部材30aは前方に水平移動し、これと同時に、シール用部材30bは後方に同距離だけ水平移動する。その結果、シール用部材30a,30bは相互に離反する。
【0074】
(2−1−4−3)垂直移動機構
垂直移動機構50は、シール用部材30a,30bを垂直方向に移動させる機構である。
【0075】
垂直移動機構50は、一対のガイドロッド51、クランクシャフト53、一対の第1中間リンク55、一対の揺動リンク57、および一対の第2中間リンク58を主に有する(図4参照)。
【0076】
ガイドロッド51は、上下方向に延びる棒状部材である。ガイドロッド51の上端は、図示しない製袋包装機3のフレームと固定された取付ブロック51aに固定されている。ガイドロッド51の下端は、図示しない製袋包装機3のフレームと固定された取付ブロック51bに固定されている。ガイドロッド51は、垂直方向に延びる。つまり、ガイドロッド51は、回転軸46と平行に延びる。一対のガイドロッド51は、それぞれ支持ブロック52の一方を上下に貫通している。支持ブロック52は、ガイドロッド51に沿って、上下方向に移動する。
【0077】
支持ブロック52は、クランク−リンク機構により、一対のガイドロッド51および回転軸46に沿って上下に往復移動される。具体的に説明する。
【0078】
製袋包装機3には、図示しない製袋包装機3の下方側のフレームから上方に延びる、左右一対の縦壁100が立設されている。縦壁100間には、左右方向に延びるクランクシャフト53が回転自在に掛け渡されている。クランクシャフト53の左右両端には、それぞれクランクアーム54が取り付けられている。各クランクアーム54の回転端部に第1中間リンク55の一端が連結されている。第1中間リンク55の他端は揺動リンク57の長さ方向における中間位置に連結されている。また、縦壁100間には、揺動支点用のシャフト56が回転自在に掛け渡されている。この揺動支点用のシャフト56の両端に、揺動リンク57の一端が取り付けられている(図4参照)。各揺動リンク57の揺動端部には、第2中間リンク58を介して支持ブロック52が連結されている。
【0079】
クランクシャフト53は、後述するサーボモータ60の第1サーボモータ61の出力軸(図示せず)の動力を伝達できるように、第1サーボモータ61の出力軸と接続されている。例えば、クランクシャフト53と、第1サーボモータ61の出力軸とは、タイミングプーリおよびタイミングベルトを用いて動力を伝達可能に接続されている。第1サーボモータ61が駆動され、クランクシャフト53が回転すると、クランクアーム54の回転により、第1中間リンク55が上下に移動し、揺動リンク57を上下に揺動させる。揺動リンク57は、第2中間リンク58で円弧運動と直線運動とのこじれを吸収させながら、支持ブロック52、ひいては、水平移動機構40を上下に往復移動させる。その結果、水平移動機構40の支持ロッド45に取り付けられたシール用部材30a,30bが、上下に往復移動する。
【0080】
(2−1−5)サーボモータ
サーボモータ60は、横シール機構20を駆動するモータである。サーボモータ60には、第1サーボモータ61と、第2サーボモータ62と、を含む。
【0081】
(2−1−5−1)第1サーボモータ
第1サーボモータ61は、横シール機構20の垂直移動機構50を駆動し、シール用部材30a,30bを垂直方向に駆動する。つまり、第1サーボモータ61は、シール用部材30aのシールジョー31a、シャッター32a、およびしごき部材33aと、シール用部材30bのシールジョー31b、シャッター32b、およびしごき部材33bとを、上下方向に移動させる。製袋包装機3の運転中には、シャッター32a,32bが閉じられ、シャッター32a,32bが組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内に入り込んだ状態で、垂直移動機構50はシャッター32aおよびシャッター32bを下方に駆動する。つまり、第1サーボモータ61は、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内で、シャッター32a,32b垂直方向に駆動する。
【0082】
第1サーボモータ61は、トルク検知部61aとエンコーダ61bとを有する。トルク検知部61aは、第1サーボモータ61の図示しない出力軸に作用するトルクを検知する。トルク検知部61aは、出力軸に作用するトルクを、例えば0.5ミリ秒間隔で検知する。トルク検知部61aの検知結果は、コントローラ90に対して第1サーボモータ61のトルクに関する情報として出力される。なお、トルクに関する情報は、トルクの値自体であってもよいし、トルクの値に対応して変化する値であってもよい。エンコーダ61bは、第1サーボモータ61の図示しない出力軸の軸回転量を検知する。エンコーダ61bの検知結果は、コントローラ90に対して第1サーボモータ61の軸回転量に関する情報として出力される。なお、軸回転量に関する情報は、軸回転量の値自体であってもよいし、軸回転量の値に対応して変化する値であってもよい。
【0083】
(2−1−5−2)第2サーボモータ
第2サーボモータ62は、横シール機構20の水平移動機構40を駆動し、シール用部材30a,30bを水平方向に駆動する。つまり、第2サーボモータ62は、シール用部材30aのシールジョー31a、シャッター32a、しごき部材33aを、それぞれ対応する他方のシール用部材30bのシールジョー31b、シャッター32b、しごき部材33bに、互いに接近するように、あるいは、互いに離反するように、移動させる。一対のシールジョー31a,31bは、第2サーボモータ62により互いに接近するように移動させられることで、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内に入り込む。また、一対のシャッター32a,32bは、第2サーボモータ62により互いに接近するように移動させられることで、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内に入り込む。つまり、第2サーボモータ62は、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内で、シールジョー31a,31bや、シャッター32a,32bを水平方向に駆動する。
【0084】
第2サーボモータ62は、トルク検知部62aとエンコーダ62bとを有する。トルク検知部62aは、第2サーボモータ62の図示しない出力軸に作用するトルクを検知する。トルク検知部62aは、出力軸に作用するトルクを、例えば0.5ミリ秒間隔で検知する。トルク検知部62aの検知結果は、コントローラ90に対して第2サーボモータ62のトルクに関する情報として出力される。なお、トルクに関する情報は、トルクの値自体であってもよいし、トルクの値に対応して変化する値であってもよい。エンコーダ62bは、第2サーボモータ62の図示しない出力軸の軸回転量を検知する。エンコーダ62bの検知結果は、コントローラ90に対して第2サーボモータ62の軸回転量に関する情報として出力される。なお、軸回転量に関する情報は、軸回転量の値自体であってもよいし、軸回転量の値に対応して変化する値であってもよい。
【0085】
(2−1−6)コントローラ
コントローラ90は、主に、CPUと、ROM、RAM等を含む記憶部とから構成される。コントローラ90は、製袋包装機3の各構成と電気的に接続されている。具体的には、コントローラ90は、プルダウンベルト機構14,縦シール機構15,サーボモータ60(第1サーボモータ61および第2サーボモータ62)、フィルム供給ユニット3bと電気的に接続されている(図6参照)。また、コントローラ90は、操作盤4およびタッチパネル式のディスプレイ5とも電気的に接続されている(図6参照)。また、コントローラ90は、組合せ計量機2の図示しないコントローラとも電気的に接続されている(図6参照)。コントローラ90は、記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、製袋包装機3の動作を制御する。コントローラ90による製袋包装機3の動作の制御については後述する。
【0086】
コントローラ90は、機能部として、信号送信部91と、信号受信部92と、モード切替部93と、落下時間検知部94と、を有する。
【0087】
(2−1−6−1)信号送信部
信号送信部91は、組合せ計量機2のコントローラに対する信号の送信を可能とする機能部である。信号送信部91は、例えば、組合せ計量機2のコントローラに対し、物品Cの排出を要求する排出要求信号を送信可能に構成されている。コントローラ90は、製袋包装機3により製袋される各袋Bに包装されるべき物品Cが収容されるよう、また、オペレータにより操作盤4やディスプレイ5を介して指示された処理能力を達成できるよう、適切なタイミングで、信号送信部91から組合せ計量機2のコントローラに排出要求信号を送信させる。信号送信部91からの排出要求信号の送信タイミングは、例えば、後述する落下時間検知部94が算出した、物品Cの落下時間に基づいて調整されてもよい。
【0088】
(2−1−6−2)信号受信部
信号受信部92は、組合せ計量機2のコントローラからの信号の受信を可能とする機能部である。信号受信部92は、例えば、組合せ計量機2が物品Cを排出するタイミングで送信される排出動作信号を受信する。排出動作信号は、例えば、組合せ計量機2のコントローラから送信される。他の構成としては、組合せ計量機2の物品Cの排出口の直下にセンサ(例えば光電センサ)を設け、そのセンサから、物品Cを検知したタイミングで排出動作信号が送信されるよう構成されてもよい。
【0089】
排出動作信号は、例えば、落下時間検知部94が、物品Cの落下時間を算出する際に用いられる。物品Cの落下時間とは、信号受信部92が排出動作信号を受信した時点から、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下する時点までの時間である。横シール機構20の高さ位置とは、シール用部材30a,30bが上下方向の移動範囲内の所定高さ(ここでは上端)に位置している状態における、横シール機構20のシール用部材30a,30bの高さ位置を意味する。
【0090】
また、排出動作信号は、例えば、製袋包装機3が組合せ計量機2と連動して動作する時に、製袋される各袋Bに包装されるべき物品Cが収容されるよう、また、オペレータにより操作盤4やディスプレイ5を介して指示された処理能力を達成できるよう、横シール機構20の動作タイミングを調整するために用いられてもよい。
【0091】
(2−1−6−3)モード切替部
モード切替部93は、後述する落下時間検知部94を動作させない落下時間検知OFFモードと、後述する落下時間検知部94を動作させる落下時間検知ONモードと、を切り替え可能に構成されている。なお、落下時間検知ONモードには、落下時間検知部94に第1落下時間検知処理を実行させる第1落下時間検知モードと、落下時間検知部94に第2落下時間検知処理を実行させる第2落下時間検知モードと、を含む。落下時間検知OFFモードは、第2モードの一例である。第1落下時間検知モードは、第1モードの一例である。第2落下時間検知モードは、第3モードの一例であるである。第1落下時間検知処理および第2落下時間検知処理については後述する。
【0092】
モード切替部93は、例えば、製袋包装機3のオペレータにより、操作盤4やディスプレイ5等にモード切替命令が入力された際に、落下時間検知部94の動作モードを切り替える。計量包装装置1のオペレータは、例えば、新たな物品Cを袋Bに包装する際の製袋包装機3の調整時に、落下時間検知部94のモードを、落下時間検知OFFモードから、第1落下時間検知モード又は第2落下時間検知モードに切り替える。他の例として、モード切替部93は、例えば、物品Cの種類を変更する旨が操作盤4やディスプレイ5等に入力された時に、落下時間検知部94のモードを、自動的に、落下時間検知OFFモードから、第1落下時間検知モード又は第2落下時間検知モードに切り替えるよう構成されてもよい。
【0093】
モード切替部93は、落下時間検知部94が第1落下時間検知処理又は第2落下時間検知処理を終了すると、第1落下時間検知モード又は第2落下時間検知モードから、落下時間検知OFFモードへと、落下時間検知部94のモードを自動で切り替える。他の例として、モード切替部93は、オペレータの操作盤4やディスプレイ5等への入力に基づいて、第1落下時間検知モード又は第2落下時間検知モードから、落下時間検知OFFモードへと、落下時間検知部94のモードを切り替えてもよい。
【0094】
(2−1−6−4)落下時間検知部
落下時間検知部94は、物品Cの落下時間検知処理を行う。具体的には、落下時間検知部94は、サーボモータ60のトルクに関する情報又はサーボモータ60の軸回転量に関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。横シール機構20の高さ位置とは、シール用部材30a,30bが上下方向の移動範囲内の所定高さ(ここでは上端)に位置している状態における、横シール機構20のシール用部材30a,30bの高さ位置を意味する。また、落下時間検知部94は、信号受信部92が排出動作信号を受信した時点から、その排出動作信号の発信時に組合せ計量機2から落下供給される物品Cが、横シール機構20の高さ位置まで落下した時点までの時間(物品Cの落下時間)を算出する。
【0095】
落下時間検知部94による物品Cの落下時間検知処理には、第1落下時間検知処理と、第2落下時間検知処理とを含む。第1落下時間検知処理と、第2落下時間検知処理とでは、物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する検知方法が異なる。第1落下時間検知処理では、落下時間検知部94は、第2サーボモータ62のトルクに関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。第2落下時間検知処理では、落下時間検知部94は、第1サーボモータ61の軸回転量に関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。第1落下時間検知処理および第2落下時間検知処理の詳細については後述する。
【0096】
(2−2)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aの成形機構13に対してシート状のフィルムFを供給する。フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aに隣接して設けられている。フィルム供給ユニット3bにはフィルムFが巻かれたフィルムロール(図示せず)がセットされ、このフィルムロールからフィルムFが繰り出される。
【0097】
(3)通常動作時の製袋包装機の各部の動作
通常動作時の製袋包装機3の各部の動作について説明する。通常動作時とは、組合せ計量機2から供給された物品Cが充填された袋Bを、製袋包装機3が次々と生産する状態をいう。
【0098】
計量包装装置1が稼働されると、組合せ計量機2のコントローラ(図示せず)は、組合せ計量機2が、物品Cの重量を複数の計量ホッパにより計量し、これらの計量値が所定の合計量になるよう組み合わせ、組み合わせた物品Cを下方に排出するように、組合せ計量機2を制御する。
【0099】
製袋包装機3のコントローラ90は、所定のタイミングで、信号送信部91に、組合せ計量機2のコントローラに対して排出要求信号を送信させる。排出要求信号を受信した組合せ計量機2のコントローラは、排出の準備ができた物品Cを、組合せ計量機2から排出させ、製袋包装機3のチューブ13bの上開口端に投下する。組合せ計量機2のコントローラは、組合せ計量機2が物品Cを排出するタイミングで、製袋包装機3のコントローラ90に対して排出動作信号を送信する。信号受信部92は、排出動作信号を受信する。コントローラ90は、信号受信部92が受信する排出動作信号を基準の一つに用いて、各構成を所定のタイミングで以下の様に動作させる。
【0100】
コントローラ90は、成形機構13にフィルムFが供給されるように、フィルム供給ユニット3bを制御する。また、コントローラ90は、成形機構13で筒状に形成されたフィルムF(筒状フィルムFc)が下方に搬送されるようプルダウンベルト機構14を制御し、搬送される筒状フィルムFcの合せ目が縦方向にシールされるよう縦シール機構15を制御する。また、コントローラ90は、組合せ計量機2から排出された物品Cがチューブ13bの下開口端から排出されるタイミングに合わせて、下方に向かって搬送される筒状フィルムFcが横方向にシールされ、シール済みの袋Bが上流側の筒状フィルムFcから切り離されるように、横シール機構20を制御する。
【0101】
なお、横シール機構20によるシール動作について、詳細に説明する。
【0102】
説明の都合上、横シール機構20が、これから製袋しようとする袋Bの一つ前の袋Bの動作を終えた時点を動作の起点として、横シール機構20の動作を説明する。
【0103】
横シール機構20による横シール動作完了時点では、横シール機構20のシール用部材30a,30bは、垂直移動機構50により、シール用部材30a,30bの上下移動範囲における下端位置に移動させられている。また、シール用部材30a,30bは、水平移動機構40により、互いに最も接近した位置に移動させられている。シール用部材30a,30bが最も接近した状態では、シールジョー31aとシールジョー31bとが、筒状フィルムFcを挟み込んだ状態にある。
【0104】
まず、横シール機構20の水平移動機構40は(言い換えれば、第2サーボモータ62は)、シール用部材30a,30bが互いに離反するように、シール用部材30a,30bを移動させる。また、横シール機構20の垂直移動機構50は(言い換えれば、第1サーボモータ61は)、シール用部材30a,30bを上方に移動させる。垂直移動機構50は、シール用部材30a,30bを、シール用部材30a,30bの上下方向の移動範囲における上端位置まで移動させる。
【0105】
次に、所定のタイミング(次に袋Bとなる筒状フィルムFcの内部に、充填すべき物品Cが全て落下しているように決定されたタイミング)で、横シール機構20の水平移動機構40は(言い換えれば、第2サーボモータ62は)、シール用部材30a,30bが互いに接近するように、シール用部材30a,30bを移動させる。より具体的には、横シール機構20の水平移動機構40は、シャッター32a,32bと、しごき部材33a,33bと、が筒状フィルムFcを挟み込む位置までシール用部材30a,30bを移動させる。この時点では、まだシールジョー31a,31bは、筒状フィルムFcを挟み込んでいない。この状態で、横シール機構20の垂直移動機構50は(言い換えれば、第1サーボモータ61は)、シール用部材30a,30bを、上下移動範囲における下端位置に移動させる。シャッター32a,32bが閉じられることで、遅れて落下してくる物品Cの破片等が、筒状フィルムFcのシールジョー31a,31bにより横シールされる部分に入り込むことが防止される。また、しごき部材33a,33bが、筒状フィルムFcを挟んだ状態で下方に動かされることで、筒状フィルムFcの内部に付着した物品Cの破片等が、筒状フィルムFcのシールジョー31a,31bにより横シールされる部分に入り込むことが防止される。
【0106】
その後、横シール機構20の水平移動機構40は(言い換えれば、第2サーボモータ62は)、シール用部材30a,30bが最も接近する位置まで、シール用部材30a,30bを移動させる。その際、シールジョー31aとシールジョー31bとの間に筒状フィルムFcが挟み込まれ、筒状フィルムFcは横シールされる。そして、所定のタイミングでカッタ36が駆動されると、物品Cの充填された袋Bは落下し、製袋包装機3から排出される。
【0107】
(4)落下時間検知処理
以下に、落下時間検知部94が実行する物品Cの落下時間検知処理について説明する。物品Cの落下時間検知処理は、コントローラ90が、製袋包装機3の各部の動作タイミング等を調整するために、物品Cの落下時間を算出するために行われる処理である。
【0108】
物品Cの落下時間は、物品Cの特性によって異なる。例えば、物品Cの密度が大きい場合(例えば、物品Cが冷凍食品のミートボール等のようなものである場合)には、物品Cの落下時間は一般的に比較的短い。一方、物品Cの密度が小さい場合(例えば、物品Cがポテトチップス等のようなものである場合)には、物品Cの落下時間は一般的に比較的長い。また、物品Cの形状も、物品Cの落下時間に影響する。そして、物品Cの落下時間が適切に把握されない場合には、製袋包装機3において、未だ物品Cが袋Bとなる筒状フィルムFc内に到達していないのに袋Bの横シールが行われてしまう可能性がある。また、物品Cの落下時間が適切に把握されない場合には、製袋包装機3において、物品Cが袋Bとなる筒状フィルムFc内に到達してから袋Bの横シールが行われるまでの時間が過剰に長くとられ、製袋包装機3の効率が低下する可能性がある。そこで、特に、物品Cが変更された場合等に、物品Cの落下時間の検知処理が行われることが好ましい。
【0109】
以下に、落下時間検知部94が実行する物品Cの落下時間検知処理について、図7を参照しながら詳細に説明する。
【0110】
まず、ステップS1では、モード切替部93により、落下時間検知部94のモードが、落下時間検知OFFモードから、第1落下時間検知モード又は第2落下時間検知モードへと切り替えられたか否かが判定される。落下時間検知部94のモードが、第1落下時間検知モード又は第2落下時間検知モードへと切り替えられると、ステップS2へと進む。落下時間検知部94のモードが、落下時間検知OFFモードから切り替えられていない場合には、ステップS1へ戻る。
【0111】
ステップS2では、モード切替部93により、落下時間検知部94のモードが、第1落下時間検知モードへと切り替えられたか否かが判定される。落下時間検知部94のモードが、第1落下時間検知モードへと切り替えられた場合には、ステップS3へと進む。一方、落下時間検知部94のモードが、第1落下時間検知モードへと切り替えられていない場合、言い換えれば第2落下時間検知モードへと切り替えられている場合には、ステップS13へと進む。
【0112】
なお、第1落下時間検知モードは、例えば、物品Cの比重が比較的大きい場合に実施される。一方、第2落下時間検知モードは、例えば、物品Cの比重が比較的小さい場合に実施される。
【0113】
ステップS3へと進むと、落下時間検知部94のモードが、第1落下時間検知モードへと切り替えられる。そして、ステップS4からステップS9において、第1落下時間検知処理が行われる。なお、前提として、落下時間検知部94が物品Cの落下時間の第1落下時間検知処理を行う際には、フィルム供給ユニット3b、プルダウンベルト機構14、縦シール機構15は動作を停止しており、フィルムF、筒状フィルムFcは搬送されていない状態にある。また、落下時間検知部94が物品Cの落下時間の第1落下時間検知処理を開始する時点(ステップS3時点)において、シール用部材30a,30bは、互いに最も離反した状態にあるものとする。また、落下時間検知部94が物品Cの落下時間の第1落下時間検知処理を開始する時点(ステップS3時点)において、シール用部材30a,30bは、上下移動範囲における最上端位置に配置されているものとする。
【0114】
ステップS4では、第2サーボモータ62は、横シール機構20の水平移動機構40を駆動して、第1部材の一例であるシャッター32a,32bにより筒状フィルムFcが挟み込まれる位置までシャッター32a,32bを移動させる。つまり、第1落下時間検知モードに切り替えられた時に、シャッター32a,32bは、組合せ計量機2の落下供給する物品Cが通過する経路を閉鎖する位置に移動させられる。その結果、横シール機構20では、物品Cがシャッター32a,32bの下方に落下しない状態となる。シャッター32a,32bが閉じられているため、落下してきた物品Cは、図8Aのように、シール用部材30a,30b上に落下することとなる。その後、ステップS5へと進む。
【0115】
ステップS5では、コントローラ90は、信号送信部91に、組合せ計量機2のコントローラに対し、物品Cの排出を要求する排出要求信号を送信する。
【0116】
ステップS6では、排出要求信号を受信した組合せ計量機2が物品Cを排出する。物品Cの排出するタイミングで、組合せ計量機2のコントローラは、コントローラ90に対して排出動作信号を送信する。コントローラ90の信号受信部92は、送信されてきた排出動作信号を受信する。次に、ステップS7へと進む。
【0117】
ステップS7では、第1サーボモータ61のトルク検知部61aがトルクを連続的に検知し、コントローラ90が、トルク検知部61aが送信する第1サーボモータ61のトルクに関する情報を受信する。
【0118】
ステップS8では、落下時間検知部94が、第1サーボモータ61のトルクの変化に基づいて、例えば、その値が所定値を越えた時点で、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したと検知する。
【0119】
ステップS9では、落下時間検知部94が、ステップS6で信号受信部92の排出動作信号の受信した時点から、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下した時点(ステップS8で物品Cの落下を検知した時間)までの時間を物品Cの落下時間として算出する。そして、第1落下時間検知処理は終了する。
【0120】
ステップS13へと進むと、落下時間検知部94のモードが、第2落下時間検知モードへと切り替えられる。そして、ステップS14からステップS19において、第2落下時間検知処理が行われる。なお、前提として、落下時間検知部94が物品Cの落下時間の第2落下時間検知処理を行う際には、フィルム供給ユニット3b、プルダウンベルト機構14、縦シール機構15は動作を停止しており、フィルムF、筒状フィルムFcは搬送されていない状態にある。また、落下時間検知部94が物品Cの落下時間の第2落下時間検知処理を開始する時点(ステップS13時点)において、シール用部材30a,30bは、互いに最も離反した状態にあるものとする。また、落下時間検知部94が物品Cの落下時間の第2落下時間検知処理を開始する時点(ステップS13時点)において、シール用部材30a,30bは、上下移動範囲における最上端位置に配置されているものとする。
【0121】
ステップS14では、コントローラ90は、信号送信部91に、組合せ計量機2のコントローラに対し、物品Cの排出を要求する排出要求信号を送信する。
【0122】
ステップS15では、排出要求信号を受信した組合せ計量機2が物品Cを排出する。物品Cの排出するタイミングで、組合せ計量機2のコントローラは、コントローラ90に対して排出動作信号を送信する。コントローラ90の信号受信部92は、送信されてきた排出動作信号を受信する。次に、ステップS16へと進む。
【0123】
ステップS16では、第2サーボモータ62は、一対のシールジョー31a,31bが接近/離反を繰り返すように、シールジョー31a,31bを移動させる。具体的には、第2サーボモータ62は、横シール機構20の水平移動機構40を駆動して、第2部材の一例であるシールジョー31a,31bを互いに接近させ、筒状フィルムFcが挟み込む寸前の位置までシールジョー31a,31bを移動させる。その後、第2サーボモータ62は、横シール機構20の水平移動機構40を駆動して、シールジョー31a,31bを互いに離反させ、所定位置まで(シールジョー31a,31bの間を物品Cが自由に通過可能な位置まで)シールジョー31a,31bを移動させる。第2サーボモータ62は、横シール機構20の水平移動機構40を駆動して、シールジョー31a,31bにこの動作を繰り返し実行させる。第2サーボモータ62は、例えば、横シール機構20の水平移動機構40を駆動して、シールジョー31a,31bに、接近/離反の一連の動作を、1秒間に2回の頻度で行わせる。
【0124】
ステップS17は、ステップS16と並列して実行される。ステップS17では、コントローラ90は、第2サーボモータ62のエンコーダ62bから送信される、第2サーボモータ62の軸回転量に関する情報を受信する。
【0125】
ステップS18では、落下時間検知部94が、第2サーボモータ62の軸回転量の変化に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。具体的に説明する。
【0126】
第2サーボモータ62がシールジョー31a,31bを互いに接近させる際、シール用部材30a,30bの間に落下してきた物品Cが存在しない場合には、シールジョー31a,31bは所定位置まで移動できる。言い換えれば、第2サーボモータ62がシールジョー31a,31bを互いに接近させる際、シール用部材30a,30bの間に落下してきた物品Cが存在しない場合には、第2サーボモータ62の軸回転量は所定の値まで変化する。しかし、シール用部材30a,30bの間に物品Cが落下してきているタイミングでは、第2サーボモータ62がシールジョー31a,31bを互いに接近させる際、図8Bのように、シールジョー31a,31bが物品Cを噛み込んでしまうため、シールジョー31a,31bを所定位置まで移動させることができない。言い換えれば、シール用部材30a,30bの間に物品Cが落下してきているタイミングでは、第2サーボモータ62がシールジョー31a,31bを互いに接近させる際、物品Cの存在により、第2サーボモータ62の軸回転量は所定の値まで変化しない。これにより、物品Cへの噛み込みが検知され、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことが検知される。
【0127】
ステップS19では、落下時間検知部94が、ステップS16で信号受信部92の排出動作信号の受信した時点から、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下した時点までの時間を算出する。なお、ステップS18で物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知したタイミングでは、物品Cは既にシールジョー31a,31bの間に到達しており、既にシールジョー31a,31bの下方まで、物品Cの一部が到達している可能性もある。そこで、落下時間検知部94は、ステップS15で信号受信部92の排出動作信号の受信した時点から、ステップS18によりシールジョー31a,31bの噛み込みが検知された時点までの時間を算出し、更にステップS16のシールジョー31a,31bの開閉動作の1サイクルの所要時間を差し引いて、これを物品Cの落下時間として算出する。そして、第2落下時間検知処理は終了する。
【0128】
(5)特徴
本実施形態に係る製袋包装機3の特徴について以下に説明する。
【0129】
(5−1)
本実施形態に係る製袋包装機3は、上方に配置された物品供給装置の一例としての組合せ計量機2から物品Cの落下供給を受けて、製袋される袋Bに物品Cを包装する。製袋包装機3は、横シール機構20と、サーボモータ60と、落下時間検知部94と、を備える。横シール機構20は、筒状に成形された包材の一例として筒状フィルムFcを横シールする。サーボモータ60は、横シール機構20を駆動する。落下時間検知部94は、サーボモータ60のトルクに関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。また、落下時間検知部94は、サーボモータ60の軸回転量に関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。
【0130】
ここでは、センサを別途設けることなく、物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知可能である。そのため、装置コストを抑制しつつ、正確に物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0131】
(5−2)
本実施形態に係る製袋包装機3では、横シール機構20は、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内を移動するシャッター32a,32bを有する。シャッター32a,32bは、第1部材の一例である。サーボモータ60は、第1サーボモータ61を含む。第1サーボモータ61は、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内で、シャッター32a,32bを垂直方向に駆動する。落下時間検知部94は、第1サーボモータ61のトルクに関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。
【0132】
ここでは、シャッター32a,32bに作用する垂直方向の力に基づいて、物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知することが可能である。
【0133】
(5−3)
本実施形態に係る製袋包装機3は、モード切替部93を備える。モード切替部93は、落下時間検知部94を動作させる第1落下時間検知モードと、落下時間検知部94を動作させない落下時間検知OFFモードとを切り替える。第1落下時間検知モードは、第1モードの一例である。落下時間検知OFFモードは、第2モードの一例である。モード切替部93により第1落下時間検知モードに切り替えられた時に、シャッター32a,32bは、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路を閉鎖する位置に移動させられる。
【0134】
ここでは、シャッター32a,32b上への物品Cの落下を、第1サーボモータ61のトルクに関する情報に基づいて検知することで、物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0135】
(5−4)
本実施形態に係る製袋包装機3では、横シール機構20は、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内を移動するシールジョー31a,31bを有する。シールジョー31a,31bは、第2部材の一例である。サーボモータ60は、第2サーボモータ62を含む。第2サーボモータ62は、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路内で、シールジョー31a,31bを水平方向に駆動する。落下時間検知部94は、第2サーボモータ62の軸回転量に関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。
【0136】
ここでは、シールジョー31a,31bに作用する水平方向の移動量に基づいて、物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0137】
(5−5)
本実施形態に係る製袋包装機3は、モード切替部93を備える。モード切替部93は、落下時間検知部94を動作させる第2落下時間検知モードと、落下時間検知部を動作させない落下時間検知OFFモードとを切り替える。第2落下時間検知モードは、第3モードの一例である。モード切替部93により第2落下時間検知モードに切り替えられた時に、第2サーボモータ62は、1対のシールジョー31a,31bが接近/離反を繰り返すように、シールジョー31a,31bを移動させる。
【0138】
ここでは、1対のシールジョー31a,31bが物品Cを挟み込んだ状態(物品Cの噛み込み)を第2サーボモータ62の軸回転量に関する情報に基づいて検知することで、物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0139】
(5−6)
本実施形態に係る製袋包装機3は、信号受信部92を備える。信号受信部92は、組合せ計量機2が物品Cを排出するタイミングで送信される排出動作信号を受信する。落下時間検知部94は、信号受信部92が排出動作信号を受信した時点から、組合せ計量機2から落下供給される物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下した時点までの時間を算出する。
【0140】
ここでは、組合せ計量機2が物品Cを排出してから、横シール機構20の高さ位置に到達するまでの時間が算出されるため、この時間を利用して、横シール機構20の動作タイミングや、物品Cの排出タイミングを精度よく調整できる。
【0141】
(5−7)
本実施形態に係る製袋包装機3は、信号送信部91を備える。信号送信部91は、組合せ計量機2に対し、物品Cの排出を要求する排出要求信号を送信する。
【0142】
ここでは、物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことの検知結果に基づき、物品Cの排出タイミングを精度よく調整することができる。
【0143】
(6)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、互いに矛盾のない範囲で、複数の変形例を適宜組み合わされてもよい。
【0144】
(6−1)変形例A
上記実施形態では、第1落下時間検知モードにおいて、落下時間検知部94は、第1サーボモータ61のトルクに関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。しかし、落下時間検知部94の構成はこれに限定されるものではない。
【0145】
落下時間検知部94は、第1落下時間検知モードにおいて、第1サーボモータ61の軸回転量に関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知するよう構成されてもよい。つまり、落下時間検知部94は、シャッター32a,32b上に物品Cが落下した際にシャッター32a,32bが下方に動かされると、シャッター32a,32bの移動を第1サーボモータ61の回転量に関する情報に基づいて検知し、これにより組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知するよう構成されてもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、第2落下時間検知モードにおいて、落下時間検知部94は、第2サーボモータ62の軸回転量に関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知する。しかし、落下時間検知部94の構成はこれに限定されるものではない。
【0147】
落下時間検知部94は、第2落下時間検知モードにおいて、第2サーボモータ62のトルクに関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知するよう構成されてもよい。つまり、落下時間検知部94は、シールジョー31a,31bの間に物品Cが挟み込まれた際に第2サーボモータ62のトルクが増大することを利用して、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知するよう構成されてもよい。
【0148】
(6−2)変形例B
上記実施形態では、シール用部材30a,30bは、シャッター32a,32bを構成として備えるが、これに限定されるものではない。シール用部材30a,30bは、シャッター32a,32bを有していなくてもよい。
【0149】
落下時間検知部94は、第1落下時間検知モードにおいて、第1部材の一例としてのシールジョー31a,31bを組合せ計量機2から落下供給される物品Cが通過する経路を閉鎖する位置に移動させ、シールジョー31a,31b上に物品Cが落下したことを、第1サーボモータ61のトルクに関する情報に基づいて検知するよう構成されてもよい。
【0150】
(6−3)変形例C
上記実施形態の横シール機構20では、シール用部材30a,30bが前後方向に互いに接近/離反するように動かされるとともに、上下方向に移動させられる、いわゆるボックスモーションと呼ばれる動きをするが、横シール機構20の動きはこれに限定されるものではない。
【0151】
例えば、横シール機構は、図9のように、シール用部材30a,30bが、側面視においてD字状に旋回駆動される、いわゆるDモーションと呼ばれる動作を行うものであってもよい。この場合にも、上記実施形態と同様に、横シール機構を駆動するサーボモータのトルクに関する上方又は軸回転量に関する情報に基づいて、物品Cが横シール機構の高さ位置まで落下したことを検知できる。
【0152】
また、例えば、横シール機構は、シール用部材30a,30bを前後方向に互いに接近/離反するようにのみ移動するものであってもよい。つまり、横シール機構は、上記実施形態における垂直移動機構50を有しなくてもよい。この場合には、落下時間検知部94は、上記の第2落下時間検知モードのみを落下時間検知ONモードとして有し、第2サーボモータ62のトルク又は軸回転量に関する情報に基づいて、組合せ計量機2から落とされる物品Cが横シール機構20の高さ位置まで落下したことを検知するよう構成されてもよい。
【0153】
(6−4)変形例D
上記実施形態では、落下時間検知部94は、第1落下時間検知モードおよび第2落下時間検知モードにおいて、それぞれ一回だけ、物品Cの落下時間を算出するが、これに限定されるものではない。例えば、落下時間検知部94は、第1落下時間検知モードおよび第2落下時間検知モードにおいて、複数回、上記の第1落下時間検知処理および第2落下時間検知処理を行い、算出された物品Cの落下時間の最大値や平均値等を、物品Cの落下時間として最終的に算出してもよい。
【0154】
(6−5)変形例E
落下時間検知部94が、第2落下時間検知モードにおいて物品Cの落下時間を算出する際には、例えば以下の様に落下時間検知処理が行われてもよい。
【0155】
上記実施形態では、図7のフローチャートのステップS15で信号受信部92が排出動作信号を受信すると、これを基準として、ステップS16において、落下時間検知部94が所定のタイミングでシールジョー31a,31bの開閉動作を開始させる。そして、ステップS14からステップS19の第2落下時間検知処理が1回だけ行われる。
【0156】
これに対し、変形例Eに係る第2落下時間検知モードでは、ステップS14からステップS19の第2落下時間検知処理が複数回行われる。複数回、第2落下時間検知処理が行われる際に、ステップS15の動作信号を受信してから、ステップS16でシールジョー31a,31bの開閉動作を開始させるまでのタイミングを少しずつずらして(例えば、開閉動作の開始タイミングを、シールジョー31a,31bの開閉サイクル時間の1/5ずつずらして)、第2落下時間検知処理が行われる。そして、落下時間検知部94は、シールジョー31a,31bの開閉動作を開始させるタイミングを少しずつずらして複数回第2落下時間検知処理を行った結果に基づき、算出された物品Cの落下時間の最大値や平均値等を、物品Cの落下時間として最終的に算出する。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明に係る製袋包装機は、上方に配置された物品供給装置から落下供給される物品が横シール機構に到達するタイミングを簡易な構成で正確に検知可能な製袋包装機として有用である。
【符号の説明】
【0158】
3 製袋包装機
20 横シール機構
31a,31b シールジョー(第2部材)
32a,32b シャッター(第1部材)
60 サーボモータ
61 第1サーボモータ
62 第2サーボモータ
91 信号送信部
92 信号受信部
93 モード切替部
94 落下時間検知部
B 袋
C 物品
Fc 筒状フィルム(筒状に形成された包材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0159】
【特許文献1】特開2003−11927号公報
【特許文献2】特開2009−227288号公報
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9