【実施例】
【0036】
実施例1-ミトコンドリア活性および機能に関与するポリペプチドの発現を変化させる能力を有するポテト多糖調製物の同定
ジャガイモ種のラセットポテト変種6グラムを、50mL遠心チューブに入れた20mLの水中で、Polytronホモジナイザーを用いてホモジナイズし、室温で1時間維持した。ホモジネートを4000rpmで10分間遠心分離した。Sep-Pak Plus C-18カートリッジを10mLの100%アセトニトリル(ACN)で活性化し、10mLの0.05%トリフルオロ酢酸/水(TFA水)で洗浄した。10mLの上清をカートリッジに充填し、カートリッジを通過するすべてのH
2Oを1.5mLエッペンドルフチューブに回収した。次に、10mLの2%ACN(0.05%TFA水中)をカラムに通し、溶出液を1.5mLエッペンドルフチューブに回収した。次に、10mLの5%ACN(0.05%TFA水中)を用いてカラムを洗浄し、溶出液を1.5mLエッペンドルフチューブに回収した。最後に、10mLの10%ACN(0.05%TFA水中)を、カラムを通した後に1.5mLエッペンドルフチューブに回収した。すべての分画を乾燥し、同じACN濃度の乾燥分画を、HPLCによるさらなる精製のために1本のチューブ中で1mLの0.05%TFA水により再構成するか、または細胞処置に使用するために1mLのリン酸緩衝食塩水で再構成した。
【0037】
発光ダイオードアレイ検出器を備えたWaters 2695分離モジュールを用いて10%ACN抽出物を精製した。XterraRP C18カラム(4.6×150mm)を、移動相として0.05%TFA水による分離に使用した。各HPLCの実施は、0〜2.5%ACNの範囲の20分間の勾配とした。注入量は100μL、流速は0.5mL/分とした。10%ACN抽出物のHPLC分画により、3つの大きなUV吸収ピークが3.5、3.9および12.1分で溶出された(
図1)。3.5分分画の回収およびHPLC再精製により、198.3nmで最大吸収を示す対称性のピークを得た(
図2)。
【0038】
3つのピークを、それらがミトコンドリア活性および機能に関与するポリペプチドの発現レベルを変化させる能力を有する物質を含んでいるかどうかを決定するために評価した。簡単に言うと、American Type Culture Collection(ATCC)から入手した5×10
5個の神経芽腫細胞を、2mLのRPMI培地を含む6ウェルプレートの各ウェルに播種し、異なるアリコートのHPLC精製物質の存在下または非存在下で4時間インキュベートした。インキュベーション後、RNeasyミニキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて全RNAを単離および精製した。特に、ペレット状にした細胞を600μLのRLT溶解緩衝液(Qiagen)に再懸濁し、溶解物を1mLピペットの先端を20回通過させることによってホモジナイズした。次いで、試料を製造者の指示(Qiagen, Valencia, CA)に従って処理した。最終段階において、RNAを、40μLのRNaseを含まない水を用いて13,000gで1分間の遠心分離により溶出した。RNAを、全RNAナノチップを製造者のプロトコルに従い用いて、モデル2100バイオアナライザー(Agilent, Santa Clara, CA)で分析した。その後、2μgの全RNAを、Superscript III逆転写酵素およびランダムプライマーを用いて逆転写した。
【0039】
DNAマイクロアレイ分析もまた、Agilentにより提供されるシステムを用いて実施した。アレイは、チップ(Agilent 4X44Kチップ)あたり4つのアレイを含んでいた。全RNAを、T7プライマーを用いて逆転写(400ng)し、Cyanine-3色素を用いて標識および転写した。各アレイを、65℃で18時間、少なくとも1.65μgの標識cRNAとハイブリダイズさせた。アレイを、Agilentアレイスキャナを用いてスキャンした。両方のマイクロアレイプラットフォームを用いて、遺伝子発現の10%以上の変化を判定することができた。
【0040】
3.5分で溶出したHPLC精製分画と共に培養細胞をインキュベートすることで、ミトコンドリアおよび細胞の代謝遺伝子の発現の変化が生じた(表1)。3.5分で溶出した抽出ポテト物質は、以下に示すとおり多糖であると判定されたため、本明細書においてポテト多糖物質、ポテト多糖調製物、またはポテト多糖と呼ぶ。3.5分分画(ポテト多糖調製物)は、3つのうちで唯一、リアルタイムPCRを用いてTFAM、NFKB、およびHMGCR発現について試験した場合に有意な生物学的活性を有すると判定された分画であった。
【0041】
(表1)ポテト多糖調製物との4時間のインキュベーション後にマイクロアレイによって判定されたHTB-11細胞における遺伝子発現の変化
【0042】
リアルタイムPCRを、TFAM、HMGCR、およびNFKB1の検出セットを用いて、三つ組で行った。βアクチンまたはGAPDHを参照遺伝子として使用した。リアルタイムPCRマスターミックスは、25μLの2×ユニバーサルマスターミックス、2.5μLの20×検出セット(プライマーおよびプローブを含む)、および21.5μLの水を含んでいた。PCRは、Applied Biosystems 7500配列検出システムで行った。サーモサイクラーの条件は、95℃で15秒間の変性および60℃で60秒間のアニーリング/伸長を含んでいた。95℃で10分間の後に40サイクルのPCRを行った。反応は三つ組で行った。TFAMの相対量は、Applied Biosystems 7500ソフトウェアを用い、式2
-ΔΔCtを用いて導き出した。リアルタイムPCRによるマイクロアレイ結果のいくつかの検証では、候補遺伝子としてTFAM、HMGCRおよびNKFB1を使用した。代表的なリアルタイムPCR増幅プロットは、TFAM mRNAが存在すること、およびこれが示差的に発現されることを示した(
図3)。ポテト多糖調製物は、TFAM発現に対して強い効果を有し、それを57%アップレギュレートすることができた(表2)。HMGCRおよびNFKB1の両方の遺伝子発現が約20%減少し、これはDNAマイクロアレイデータと一致し、このデータを検証するものである(表2)。
【0043】
(表2)リアルタイムPCRによる遺伝子発現変化の検証。HTB-11細胞をポテト多糖調製物で4時間処置した。
【0044】
対称性の3.5分HPLCピーク物質のさらなる化学的特徴づけを行った。プールした3.5分HPLC分画を乾燥し、1mLのTFA水で再構成し、タンデムLC/MS/MS(
図4)およびNMR化学分析(
図5および6)に供した。NMR分析では、試料をさらに分析するために、溶媒として重水(D
2O)を用いて試料の
1H-NMRを行った。4.65PPMの水ピークを溶媒により抑制し、スペクトルを数時間獲得した。アセトアミドが3.2PPMで、1.9PPMのアセトニトリルと共に検出された。微量のピークが、1.05PPM、1.17PPM(幅広のピーク)、1.189PPM、および1.864PPMで検出された。プロトンNMRにおけるポリマー物質の1つの特徴は、1.17PPMのシフトなどのピークの幅広化であった。NMRにおけるこれらのシフトは、4.8PPMのピークを表し、多糖などの極性水溶性ポリマーを示唆するものであり得る。まとめると、これらの結果から、3.5分に溶出するHPLC精製分画に含まれる高分子量多糖物質の存在が確認された。
【0045】
さらなる分析により、3.5分に溶出するHPLC精製分画が多糖物質(例えば、高置換型複合キシログルカン物質)を含むことが確認された。多糖物質をガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって分析可能にするため、これをその誘導体化炭水化物フラグメントに変換した。簡単に言うと、試料を濃縮して乾燥残渣とし、これをトリフルオロ酢酸を用いて加水分解した。次いでこれを、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元し、ホウ酸塩の除去後に、最終生成物を無水酢酸およびピリミジンを用いてアシル化した。任意のアシル化炭水化物を同定するために、この反応の最終生成物をGC/MSに直接注入した。この最終分析に基づき、より大きい炭水化物が試料中に存在していた。トータルイオンクロマトグラム(TIC)を添付の
図7に示し、適切なピーク表示を以下の表3に示す。同定された主要成分を太字で示す(ピーク3、12、14、および21)。各化合物の対応するフラグメンテーションを
図8〜27に提供する。各フラグメンテーションについて、ピークフラグメンテーションパターンを上図に、化合物ライブラリの対応フラグメンテーションを下図に、これら2つの重ね合わせを中央の図に示す。最後に、表示していないピークは、カラムブリードであるか、または化合物ライブラリとの十分な一致がみられなかったかのいずれかであった。
【0046】
(表3)GC/MS結果のまとめ
【0047】
これらの結果は、より大きい炭水化物の構成ブロックとして役立つ糖モノマーの存在を示している。これらの複数系統の分析から、ポテト多糖調製物は高置換型複合キシログルカンであると思われる。
【0048】
実施例2-カンショおよび複数のポテト変種がポテト多糖物質の存在を示す
ジャガイモの複数の変種(オーガニック・イエロー、パープル、アイダホ・ラセット、およびユーコン・ゴールド)からの6グラムのポテト物質およびカンショ(サツマイモ)からの6グラムの物質を、20mLの水中で抽出した。次いでこの水10mLをsep-pakカートリッジに充填し、次いでカートリッジを10mLの10%ACNで溶出した。次いでACNを乾燥し、残渣を1mLの水に溶解した。HPLCを用いて、この水100μLを注入して評価した。
【0049】
HPLCクロマトグラムは、第1のピーク(210nmで3.5分)の量は試験した5種のポテトすべてにおいて同じであることを示した(
図28〜32)。
【0050】
別の実験において、ゆでたパープルポテトから物質を抽出し、分析した。3.5分のピークは、ゆでたポテトにおいて減少しなかった(
図33)。
【0051】
アイダホ・ラセットポテトからの2つのプールした分画回収物から3.5分ピークを回収し、乾燥し、100μLの水で再構成した。次いでこの物質をHPLCに注入し、3.5分の単一ピークを得た(
図34)。まとめると、これらの結果は、ジャガイモ種およびサツマイモ種のポテトはポテト多糖物質を含むことを示している。
【0052】
実施例3-ポテト物質由来の高置換型複合キシログルカンは糖尿病患者から得たヒト大網脂肪細胞におけるポリペプチドの発現を変化させる
健常者および糖尿病患者から得たヒト大網脂肪細胞を、Zen-Bio, Inc(Research Triangle Park, NC)から購入した。細胞を、処置しないか、またはパープルポテト由来の3.5分ピーク62.5μg/mLで4時間処置した。4時間のインキュベーション後、細胞を収集し、マイクロアレイ分析を行って遺伝子発現の変化を測定した。
【0053】
糖尿病患者由来のヒト大網脂肪細胞を3.5分で溶出したHPLC精製分画と共にインキュベートすると、肥満および/または糖尿病に関与する遺伝子の発現に変化が生じた(表4)。健常者由来のヒト大網脂肪細胞のインキュベーションは、表4に挙げる遺伝子の発現をわずかに変化させた(表5)。
【0054】
(表4)糖尿病患者由来のヒト大網脂肪細胞をポテト多糖調製物と共に4時間インキュベートした後にマイクロアレイによって判定した遺伝子発現の変化
【0055】
(表5)健常者由来のヒト大網脂肪細胞をポテト多糖調製物と共に4時間インキュベートした後にマイクロアレイによって判定した遺伝子発現の変化
【0056】
リアルタイムPCRを、AGPAT1、OLR1、BCAT2、NR4A1、およびACAT2の検出セットを用いて、三つ組で行った。βアクチンまたはGAPDHを参照遺伝子として使用した。リアルタイムPCRマスターミックスは、25μLの2×ユニバーサルマスターミックス、2.5μLの20×検出セット(プライマーおよびプローブを含む)、および21.5μLの水を含んでいた。PCRは、Applied Biosystems 7500配列検出システムで行った。サーモサイクラーの条件は、95℃で15秒間の変性および60℃で60秒間のアニーリング/伸長を含んでいた。95℃で10分間の後に40サイクルのPCRを行った。反応は三つ組で行った。リアルタイムPCRによるマイクロアレイ結果のいくつかの検証では、候補遺伝子としてAGPAT1、OLR1、BCAT2、NR4A1、およびACAT2を使用した。リアルタイムPCR増幅プロットは、AGPAT1、OLR1、BCAT2、NR4A1、およびACAT2 mRNAが存在すること、およびこれらが示差的に発現されることを示した(表6)。
【0057】
(表6)リアルタイムPCRによる遺伝子発現変化の検証。糖尿病患者由来のヒト大網脂肪細胞をポテト多糖調製物で4時間処置した。
【0058】
実施例4-ポテト物質由来の高置換型複合キシログルカンはマウス筋細胞におけるポリペプチドの発現を変化させる
マウス筋芽細胞を、2mLのアリコートで、2つの75cm
2組織培養フラスコに播種した。細胞を、筋細胞に分化させるために、5%CO
2、37℃で4日間放置した。
【0059】
筋細胞を、緩やかな撹拌を用いて、フラスコ壁から脱離した。懸濁した細胞を15mLコニカルチューブに移し、500gで3分間遠心分離した。対照および糖尿病モデル細胞の両方について、2mLのアリコートを75cm
2組織培養フラスコに播種した。マウス細胞は、正常マウスおよび低用量アロキサン処置したマウスから得た。糖尿病マウスは、正常マウスと比較して高い血糖を有していた。ポテト多糖調製物(パープルポテト由来の3.5分ピーク62.5μg/mL)を1つの対照および1つの糖尿病フラスコに加え、細胞を24時間インキュベートした。
【0060】
24時間のインキュベーション後、細胞を収集し、マイクロアレイ分析を行って、遺伝子発現の変化を測定した。加えて、Optronicsデジタルカメラウェアに接続したNikon EclipseTE300(Morell)倒立顕微鏡を用いて、処置後の細胞の画像を20×で撮影した。画像を、細胞死亡率および線維サイズについて、ImageJソフトウェアで分析した。細胞死亡率は、活動細胞数に対する非活動細胞数の比を用いて計算した。線維サイズは、多角形なげなわトレーサーを用いて計算し、ピクセル面積で測定した。
【0061】
3.5分で溶出したHPLC精製分画と共に糖尿病モデル由来のマウス筋細胞をインキュベートすると、肥満および/または糖尿病に関与する遺伝子の発現に変化が生じた(表7)。正常マウス由来のマウス筋細胞のインキュベーションは、表7に挙げる遺伝子の発現をわずかに変化させた(表8)。
【0062】
(表7)糖尿病モデル由来のマウス筋細胞をポテト多糖調製物と共に24時間インキュベートした後にマイクロアレイによって判定した遺伝子発現の変化
【0063】
(表8)正常マウス由来のマウス筋細胞をポテト多糖調製物と共に24時間インキュベートした後にマイクロアレイによって判定した遺伝子発現の変化
【0064】
リアルタイムPCRを、PTENおよびCASP8の検出セットを用いて、三つ組で行った。βアクチンまたはGAPDHを参照遺伝子として使用した。リアルタイムPCRマスターミックスは、25μLの2×ユニバーサルマスターミックス、2.5μLの20×検出セット(プライマーおよびプローブを含む)、および21.5μLの水を含んでいた。PCRは、Applied Biosystems 7500配列検出システムで行った。サーモサイクラーの条件は、95℃で15秒間の変性および60℃で60秒間のアニーリング/伸長を含んでいた。95℃で10分間の後に40サイクルのPCRを行った。反応は、三つ組で行った。リアルタイムPCRによるマイクロアレイ結果のいくつかの検証では、候補遺伝子としてPTENおよびCASP8を使用した。リアルタイムPCR増幅プロットは、PTENおよびCASP8 mRNAが存在すること、およびこれらが示差的に発現されることを示した(表9)。
【0065】
(表9)リアルタイムPCRによる遺伝子発現変化の検証。糖尿病モデル由来のマウス筋細胞をポテト多糖調製物で24時間処置した。
【0066】
実施例5-ポテト多糖調製物の分析
ポテト多糖調製物を、HPLCを用いて、3gのパープルポテトから精製した。ポテト多糖のピークは、約5分で溶出した(
図35)。このピークを、3.5分ピークを得るのに使用したカラムと異なるクロマトグラフィーカラム(10mm×150mm)を用いて得た。このカラムは大きい分取カラムであり、流速は1.5mL/分であったため、ポテト多糖の溶出時間は5分であった。
【0067】
得られたピークを回収し、乾燥し、60μLの水で再構成した。次いで、再構成したポテト多糖物質を培養フラスコ中のHTB-11細胞に4時間加えた。処置後培地を回収し、これを別フラスコのHTB-11細胞に加えた。各細胞群を、遺伝子発現の変化について分析した。最初に処置した細胞は、ミトコンドリア遺伝子の発現に関して予想された変化を示した。処置後培地に4時間曝露した細胞では変化は検出されなかった。
【0068】
別の実験において、処置後培地を、ポテト多糖の当初の精製に使用した技術を用いて抽出した。抽出した処置後培地のクロマトグラムは、5分のピークがないことを示した。
【0069】
実施例6-肥満の処置のためのポテト調製物の使用
クラスI〜III肥満のヒトを表10の基準に基づき特定する。
【0070】
(表10)BMI、腹囲、および関連疾患リスクによる、過体重および肥満の分類
【0071】
特定した後、クラスI〜III肥満患者を、以下のとおりに処置する。ポテト多糖を、αリポ酸もしくはαトコフェロールまたは両方の存在下で製剤化する。製剤化したポテト多糖を90重量%不活性結合物質に添加し、これを1日2回(bid)、錠剤、カプセル剤、または液剤の形態で経口非経口経路により投与する。1ヶ月の経過中に、最初に最大濃度のポテト多糖を1日2回投与する。良好な結果の尺度は下記を含む:(1)BMIの有意な減少、(2)血清LDL/HDL比の増大、(3)血清トリグリセリド濃度の低下、(4)収縮期および拡張期血圧の低下、ならびに(5)空腹時血糖の低下。
【0072】
実施例7-II型糖尿病の処置のためのポテト多糖調製物の使用
II型糖尿病患者を特定した後、患者を以下のとおりに処置する。ポテト多糖を、αリポ酸もしくはαトコフェロールまたは両方の存在下で製剤化する。製剤化したポテト多糖を90重量%の不活性結合物質に添加し、これを1日2回(bid)、錠剤、カプセル剤、または液剤の形態で経口非経口経路により投与する。1ヶ月の経過中に、最初に最大濃度のポテト多糖を1日2回投与する。良好な結果の尺度は下記を含む:(1)正常な空腹時血糖の回復、(2)有意な体重減少およびBMIの低下、(3)血清LDL/HDL比の増大、(4)血清トリグリセリド濃度の低下、(5)遊離脂肪酸の血清濃度の低下、(6)収縮期および拡張期血圧の低下、(7)インスリン感受性の増強、ならびに(8)II型糖尿病患者のインスリン必要性の低下。
【0073】
実施例8-多嚢胞性卵巣症候群の処置のためのポテト多糖調節物の使用
多嚢胞性卵巣症候群(POS)患者を特定した後、患者を以下のとおりに処置する。ポテト多糖を、αリポ酸もしくはαトコフェロールまたは両方の存在下で製剤化する。製剤化したポテト多糖を90重量%の不活性結合物質に添加し、これを1日2回(bid)、錠剤、カプセル剤、または液剤の形態で経口非経口経路により投与する。1ヶ月の経過中に、最初に最大濃度のポテト多糖を1日2回投与する。良好な結果の尺度は下記を含む:(1)正常な生殖機能の回復、(2)正常な卵胞成熟の回復、(3)正常な空腹時血糖レベルの回復、(4)有意な体重減少およびBMIの低下、(5)血清LDL/HDL比の増大、(6)血清トリグリセリド濃度の低下、(7)遊離脂肪酸の血清濃度の低下、(8)収縮期および拡張期血圧の低下、(9)インスリン感受性の増強、ならびに(10)II型糖尿病を併発しているPOS患者のインスリン必要性の低下。
【0074】
実施例9-生きている哺乳動物のインスリン感受性およびグルコース恒常性の維持および回復
インビボ動物モデル
ズッカー糖尿病肥満(ZDF)ラットモデルを用いた(Carley and Severson, Biochim. Biophys. Acta, 1734:112-26 (2005))。ZDFラットモデルにおける良好な結果は、ヒトII型糖尿病における良好な処置結果の可能性を示し得る。特に、循環血漿トリグリセリド濃度、循環血漿グルコース濃度、腹部脂肪、水利用、尿排出、および臓器重量を、ポテト多糖調製物または媒体で処置したZRFラットのコホートで試験した。
【0075】
投薬および群化
試験のために2種類のラットを用いた(ZDF/ZDFラット(n=20)およびヘテロ接合性痩せ型ラット(n=20))。次いで、群内のラットを無作為に選択し、10匹の群に分けた。第1群はZDF媒体給餌ラットを含み、第2群はZDFポテト多糖給餌ラットを含み、第3群は痩せ型媒体給餌ラットを含み、第4群は痩せ型ポテト多糖給餌ラットを含んでいた。媒体は蒸留水であり、ポテト多糖は毎朝経口栄養により1匹あたり0.05mgの用量で与えた。用量は通常は1mLの水中で与えた。ラットを群ごとにケージに入れ、12時間ずつの明暗(午前7時〜午後7時)で維持した。試験は28日間続けた。
【0076】
データ収集
体重を1週間毎に記録した。第0日に基準線分析のために全血、血清、および血漿を採取した。第14日に絶食ラットから血漿および血清を採取した。水消費量を、第24日に開始してモニターし、終了まで続けた。尿量およびタンパク質含有量の測定のために採尿を第27日に行った。第28日(終了時)に全血、血清、および血漿を採取した。第28日に空腹時血糖を測定し、肝臓および腹部脂肪を採取して、液体窒素中で急速凍結した。
【0077】
第0、14、および28日に総コレステロール(HDL、LDL、およびトリグリセリド)および血清グルコースを測定した。終了時に血清クレアチニンを測定した。可能性のある遺伝子発現分析のために、全血をPAX RNA血液チューブ中に保存した。腹部脂肪、肝臓、および腎臓を秤量し、体重に対する臓器重量の比を計算する際に使用した。第0、14、および28日に採取した血漿を将来行う可能性のある分析のために保存した。
【0078】
実験動物
22匹の7週齢、雄のズッカー糖尿病肥満ラット(ZDF、コード:370)および22匹の7〜8週齢、雄のZDF痩せ型ラット(コード:371)をCharles Rivers Laboratories(Wilmington, MA)から購入した。試験動物を4日間馴化させた後、基準線の採血を行い、この時点で各系統から2匹の余分の動物が基準線体重に基づいて試験から脱落した。ラット到着後、1つのケージに2匹ずつ収容し、Innoviveケージングシステム(San Diego, CA)中で維持した。ケージを毎日モニターして、Innoviveシステムが確実に1時間あたり80回の換気および陽圧を維持するようにした。ラット部屋を66〜75°Fの温度および30%〜70%の相対湿度に維持した。部屋を毎日12時間(午前7:00〜午後7:00)人工照明により明るくした。動物は、絶食実験中を除く試験期間中、水およびPurina 5008齧歯類用飼料(Waldschimdt's, Madison, WI)を自由に摂らせた。
【0079】
薬物の製剤化
動物試験用のポテト多糖調製物を以下のとおりに調製した。生のポテト物質10グラム分を10倍量の蒸留水中でPolytronホモジナイザーを用いてホモジナイズし、室温で時々振盪しながら1時間維持した。生のポテトのホモジネートを続いて4000gで10分間遠心分離して、不溶性物質を除去した。得られた上清をSep-Pak Plus C-18カートリッジを用いて固相抽出により精製した。10%アセトニトリルおよび0.05%トリフルオロ酢酸中に含まれる半精製した多糖物質を乾燥し、逆相HPLCにより均質になるまで精製した。
【0080】
溶出した3.5分の純粋なポテト多糖調製物を含むHPLC分画を乾燥し、動物試験で使用した。
【0081】
精製したポテト多糖調製物(5mg/mL濃度の保存溶液10mL)を4℃で保存した。試験用の媒体は滅菌水(カタログ番号002488、Butler Schein)であった。週ごとに、保存溶液を滅菌水で1:100希釈し(0.05mg/mL)、1日分のアリコートに分配した。すべての媒体および薬物溶液を4℃で保存し、1mL/動物(推定体重350gに基づく0.15mg/kg用量)の量で経口栄養(PO)により1日1回室温で投与した。
【0082】
体重
動物を較正したデジタル秤で毎週秤量し、動物の健康をモニターした。体重は、最終の体重測定を除いて、給餌状態で測定した。
【0083】
採血
血液を、基準線として第0日、第2週として第14日、および第4週として終了中の第28日に採取した。動物を、各採血前に11.5時間(午後10:00〜午前9:30)絶食させ、該当する場合は採血の1時間前に投与した。基準線のプールした血液分析(各動物から血液1mL)および最終血液分析(各動物から血液2.5mL)のために、全血を採血チューブに採取した。基準線ならびに第14および28日のために、850μLの全血を、DPP4i(1:100 P8340、Sigma Aldrich)を加え、あらかじめ冷却したK2EDTAチューブに採取し、処理して血漿とした。基準線ならびに第14および28日のために、250μLの全血をSSTチューブに採取し、処理して血清とした。
【0084】
血液分析
血液チューブに採取した全血を-20℃で凍結し、分析のためにアイスパック上で輸送した。DPP4iを加えた血漿を-20℃で凍結し、分析のためにドライアイス上で輸送した。血清を-20℃で凍結し、分析のために輸送した。基準線および第14日の血清は、標準の脂質パネル(コレステロール、トリグリセリド、HDL、およびLDL)ならびにグルコースについて分析した。最終血清試料は、標準の脂質パネル、グルコース、およびクレアチニン含有量について分析した。
【0085】
水消費量
第23日から、水消費量モニタリングを開始し、試験の残り期間継続した。水重量の差(開始時の水重量(g)マイナス最終の水重量(g))をケージごとの動物の数で割り、1日あたり1匹の動物が消費した水の平均重量(g)を求めた。加えた水は測定において明らかにし、計算値をmL/動物/日に変換した。第26日に、動物を個々の代謝ケージに入れ;したがって、水消費量をケージごとの代わりに動物ごとにモニターした。
【0086】
採尿
第26日〜第27日まで、尿を室温で24時間採取した。手順の間中、動物は飼料および水を自由に摂らせた。尿量を測定し、尿タンパク質およびクレアチニンを分析した。
【0087】
空腹時グルコース
11.5時間絶食させ、投与の約1時間後、第28日の午前9:30に、空腹時血糖を測定した。血糖はBayer Contour血糖計により測定した。血糖測定後、ただちに終了した。
【0088】
剖検
試験第28日に、空腹時血糖データを収集した後、全ての動物をイソフルランの過量投与および開胸により安楽死させた。血液を下行大静脈から採取した。肝臓および腹部脂肪を採取して秤量し、左側肝葉の一部および腹部脂肪を個々の組織検査カセットに入れ、液体窒素中で急速凍結した。一般病理所見を記録した。
【0089】
試験デザイン
動物を、第-1日に収集した体重に基づき、処置群に割り付けた。動物を11.5時間(午後10:00〜午前9:30)絶食させた後、基準線パラメーター分析のために第0日に採血した。各動物をイソフルラン吸入薬麻酔を用いて麻酔し、続いて眼窩後採血技術と、その後の皮下補液を行った。試験動物に媒体(滅菌水)またはポテト多糖を、第1日に開始して実験期間中、経口栄養により投与した。動物に0.05mg/mL溶液1.0mLを投与して、0.15mg/kg/日の標的用量を達成した。
【0090】
第2週の終わりに、動物を絶食させ、投与した後、中間試験パラメーター分析のために第14日に採血した。各動物をイソフルラン吸入薬麻酔を用いて麻酔し、続いて眼窩後採血技術を行った。水消費量モニタリングを第23日に開始し、試験期間中継続した。第26日に、尿量の24時間採取のために、試験動物を個々の代謝ケージに入れた。尿量を測定し、2つの清浄な、処理したアリコートを分析用に保持した。
【0091】
第4週の終わりに、動物を絶食させ、投与した後、第28日に血糖を測定した。空腹時血糖をテイルクリップ採血により測定し、その後すぐに終了を開始した。動物をイソフルラン吸入薬麻酔と、続く開胸を用いて安楽死させた。血液を下行大静脈から採取し、適切なチューブに分配した。肝臓および腹部脂肪を採取して秤量し、部分を液体窒素中で急速凍結した。ラットの群における試験デザインおよび処置を
図37および表11に示す。
【0092】
(表11)処置群
+/?は、正常レプチン受容体対立遺伝子とヘテロ接合性であり、異常な代謝症状を示さない、ZDF痩せ型ラットを意味する。
【0093】
統計分析
データは平均+SEMで報告した。統計分析をGraphPad SoftwareによりPrism 5.0dプログラムを用いて実施した。体重、脂質パネルパラメーター(コレステロール、トリグリセリド、HDL、およびLDL)、血清グルコース、および水消費量の変動の分析を二元配置ANOVAにより実施した。ボンフェローニ事後検定を用いて、繰り返し平均値を行ごとに比較した。血糖、尿パラメーター(尿量、タンパク尿、およびクレアチニンクリアランス)、肝臓-体重比、および腹部脂肪-体重比の変動の分析を一元配置ANOVAにより実施し、ボンフェローニ事後検定を用いて、列の全ての対を比較した。p値が0.05の有意水準未満である場合に、95%信頼区間で有意性を決定した。前記時点について平均値の標準誤差(SEM)に対する群の平均値を検定することにより、アウトライアーをスクリーニングした。平均値に対するSEMの相関が10%を超えた場合、その時点のその群のデータ点についてアウトライアー試験を実施した。zスコアの変動が3.0を超えるデータ点をアウトライアーとして挙げ、群の平均値またはSEMに含めなかった。第6日の体重について第1群で、1匹の動物の値がアウトライアーと考えられ、グラフおよび統計分析から除去した。
【0094】
結果
4群の間の平均体重は変わらなかった(
図38)。第1群と第2群とを比べると、ポテト多糖調製物で処置したラットは第14日のトリグリセリドレベルにおいて有意な減少を示した(P<0.05;
図39)。第0日に、平均LDLは第3群に比べて第4群で低かった(
図40)。平均血清グルコースは第28日にポテト多糖調製物で処置した第2群のラットで統計学的に低かった(
図41)。ポテト多糖調製物で処置した第2群のラットは、第1群のラットに比べて、水消費量および尿産生量で統計学的有意な減少を示した(
図42および43)。第2群のラットは、第1群のラットで観察されたレベルよりも統計学的に低い平均空腹時グルコースレベルを示した(
図44)。ポテト多糖調製物処置群の腹部脂肪は、統計学的に上昇した(
図45)。加えて、体重に対する腎臓重量の比は、第1群のラットのものに比べて第2群のラットで低かった(
図46)。
【0095】
これらの結果は、ポテト多糖調製物の投与が、媒体処置ZDF対照群で観察されたインスリン脱感受性(desensitivity)の重大な発生期間中に脂肪細胞の代謝的完全性を維持しうることを示している。媒体処置コホートにおいて、顕著に増加した血漿トリグリセリド濃度によって強調される発生期間は、インスリン脱感作の一時的発生および血漿グルコースの糖尿病レベルに機能的に関連している。ポテト多糖調製物で処置したコホートにおいて、血漿トリグリセリド濃度の統計学的有意な減少が第14日の時点で観察され、これは空腹時および非空腹時の「真の」グルコースの有意に低いレベルに決定的に関連している。血漿グルコースの低いレベルは有意に減少した水摂取量および尿排出量と関連し、複数のII型糖尿病症状の発生の顕著な阻害を示している。
【0096】
これらの良好な結果は、ヒトにおけるII型糖尿病発生の阻害に直接置き換えることができる。興味深いことに、早期の時点では、媒体処置ZDF対照群における真のグルコースのレベルは、処置ZDFラットで観察されたレベルよりも低かった。これは、前糖尿病性の低下した血漿グルコースレベルの提示を介してのヒトのインスリン非感受性の一時的発生に一致していた。ポテト多糖調製物の投与は、前糖尿病性の低下した血漿グルコースレベルの一時的発生を阻害することが観察された。実際に、ポテト多糖調製物の投与は、インスリン感受性の維持を介して血漿グルコースの正常なレベルを維持した。血漿グルコースの正常なレベルの維持は、第14日の時点の循環血漿トリグリセリドの減少に統計学的に関連し、これは肥満の非糖尿病のヒトで通常観察される、処置動物における腹部脂肪の高いレベルに機能的に関連していた。まとめると、本明細書に記載のポテト多糖調製物の投与は、インスリン非感受性の一時的発生に関連する腹部脂肪保存の代謝的完全性を維持した。これは、ポテト多糖調製物を用いて、肥満ヒト集団における代謝過程を安定化することができ、それにより肥満障害と効果的に戦うためのプログラムされた食事療法を可能にすることも示している。
【0097】
実施例10-脂肪肝疾患を処置するためのポテト多糖調製物の使用
脂肪肝疾患を処置するためのポテト多糖調製物の能力を評価するために、実施例9の4群のラットからの肝臓を収集し、秤量し、本実施例において記載するとおりに試験した。
【0098】
DNAマイクロアレイ
肝臓試料から抽出した全RNAを単離し、RNeasyミニキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて精製した。特に、100mgの組織を1.8mLのRLT溶解緩衝液(Qiagen)に再懸濁し、polytronホモジナイザーで30秒間ホモジナイズした。次いで、試料を製造者の指示(Qiagen, Valencia, Ca)に従って処理した。最終段階において、RNAを、50μLのRNaseを含まない水を用いて13,000gで1分間の遠心分離により溶出した。RNAを、全RNAナノチップを製造者のプロトコルに従い用いて、モデル2100バイオアナライザー(Agilent, Santa Clara, CA)で分析した。
【0099】
DNAマイクロアレイ分析を、Agilentにより提供されるシステムを用いて実施した。アレイは、チップ(Agilentラット遺伝子発現4X44Kバージョン3チップ)あたり4つのアレイを含んでいた。全RNAを、T7プライマーを用いて逆転写(700ng)し、Cyanine-3色素を用いて標識および転写した。各アレイを2μgの標識cRNAと、65℃で18時間ハイブリダイズさせた。アレイを、Agilentアレイスキャナを用いてスキャンした。
【0100】
結果
28日間の時間経過におよぶポテト多糖調製物の経口投与は、媒体を投与した対照ズッカーZDFラットに比べて、ズッカーZDFラットの体重に対する肝臓重量の比の統計学的に有意な減少(約40%)を生じた(p=0.01、N=9)。
【0101】
加えて、ポテト多糖調製物の1日1回経口投与は、タンパク質および核酸生合成の増強に機能的に関連する肝臓組織における遺伝子発現の協調的増強を引き起こした(表12)。
【0102】
(表12)タンパク質および核酸生合成の増強に関連するミトコンドリア生合成を駆動する遺伝子の発現増強
【0103】
ポテト多糖調製物の1日1回経口投与は、TCAサイクル活性およびATP産生の増強に機能的に関連する肝臓組織における遺伝子発現の協調的増強も引き起こした(表13)。
【0104】
(表13)ミトコンドリアエネルギー産生を駆動する遺伝子の発現増強
【0105】
ポテト多糖調製物の1日1回経口投与は、脂質生成、トリグリセリド会合、およびミトコンドリア脂肪分解に機能的に関与する遺伝子の示差的発現を引き起こした(表14)。
【0106】
(表14)脂質生成、トリグリセリド会合、およびミトコンドリア脂肪分解に関与する遺伝子の示差的発現
【0107】
ポテト多糖調製物の1日1回経口投与は、肝臓の3つの参照またはハウスキーピング遺伝子の発現においていかなる有意な変化も引き起こさなかった(Congiu et al., Liver Int., 31:386-90 (2011); 表15)。
【0108】
(表15)肝臓の参照またはハウスキーピング遺伝子の発現
【0109】
DNAマイクロアレイデータセットを検証するために、TFAM発現のリアルタイムPCR分析を実施した。ラットにポテト多糖調製物を28日間投与した後、リアルタイムPCRを実施して、ZDFラット肝臓におけるTFAM遺伝子発現の変化を測定した。GAPDHを参照遺伝子として用いた。リアルタイムPCRマスターミックスは、25μLの2×ユニバーサルマスターミックス、2.5μLの20×検出セット(プライマーおよびプローブを含む)、および21.5μLの水を含んでいた。PCRは、Applied Biosystems 7500配列検出システムで行った。サーモサイクラーの条件は、95℃で15秒間の変性および60℃で60秒間のアニーリング/伸長を含んでいた。95℃で10分間の後に40サイクルのPCRを行った。反応は三つ組で行った。TFAMの相対量は、Applied Biosystems 7500ソフトウェアを用い、式2-ΔΔCtを用いて導き出した。未処置ラットに比べて3.4±0.5倍の変化増大が見られた(
図48および49)。
【0110】
まとめると、これらの結果は、ポテト多糖調製物は脂肪肝疾患を処置するための抗脂肪症薬として使用し得ることを示している。
【0111】
他の態様
本発明をその詳細な説明と共に記載してきたが、前述の説明は例示を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定されることが理解されるべきである。他の局面、利点、および改変は、添付の特許請求の範囲に包含される。