特許第6535239号(P6535239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6535239
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】便器洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 1/24 20060101AFI20190617BHJP
【FI】
   E03D1/24
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-135332(P2015-135332)
(22)【出願日】2015年7月6日
(65)【公開番号】特開2017-14862(P2017-14862A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】濱田 修平
(72)【発明者】
【氏名】深川 雅史
【審査官】 河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−324057(JP,A)
【文献】 実開昭62−129471(JP,U)
【文献】 実開平02−036384(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/24
E03D 1/04
F16L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、
開口部が設けられた板状部を有するタンクと、
前記開口部を通して配置され、前記タンクの内部から水を導出し又は前記タンクの内部に水を導入する導水管と、を備え、
前記板状部における前記開口部の周縁には、前記板状部における第1面及び/又は前記第1面と反対側の第2面において、前記開口部の貫通方向に延び且つ前記導水管を前記開口部の径方向の内側にガイドするリブ部が形成され
前記リブ部は、前記開口部の周方向に厚みを有する板状に形成され、
前記リブ部を複数備え、
複数の前記リブ部は、前記開口部の周縁に沿って配置され、
隣り合う前記リブ部の間隔は、前記導水管の径よりも小さい
便器洗浄装置。
【請求項2】
前記リブ部は、前記開口部の径方向の内側に凸となる曲線部を有する請求項1に記載の便器洗浄装置。
【請求項3】
前記リブ部は、前記開口部の径方向に延びる請求項1又は2に記載の便器洗浄装置。
【請求項4】
前記リブ部は、前記開口部の径方向の内側に延びる請求項3に記載の便器洗浄装置。
【請求項5】
前記導水管は、外面において前記導水管が延びる方向に並んで形成される複数の凸部を有する蛇腹状に形成される請求項1からのいずれかに記載の便器洗浄装置。
【請求項6】
前記リブ部は、前記開口部の径方向の内側に延びており、
前記リブ部における前記開口部の貫通方向の長さは、前記導水管における隣り合う前記凸部の間隔よりも長い請求項に記載の便器洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部が設けられた板状部を有するタンクと、開口部を通して配置される導水管と、を備える便器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開口部が設けられた蓋部(板状部)を有する洗浄水タンク(タンク)と、洗浄水タンクの内部に配置される給水部と、洗浄水タンクの上方に配置される手洗部と、蓋部の開口部を通して配置され給水部と手洗部とを接続する導水管と、を備える便器洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−225047号公報
【特許文献2】特開2012−202122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に記載の技術においては、導水管が蓋部の開口部に通して配置されるため、導水管の取り付け作業又は導水管の取り外し作業の際に、導水管が蓋部の開口部の周縁に引っ掛かって、蓋部が外れたり、導水管が擦れて破損してしまう虞がある。特に、導水管が蛇腹状に形成される場合には、導水管は、蓋部の開口部の周縁に引っ掛かりやすい。
【0005】
本発明は、導水管が開口部の周縁に引っ掛かることを低減できる便器洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、便器本体と、開口部が設けられた板状部を有するタンクと、前記開口部を通して配置され、前記タンクの内部から水を導出し又は前記タンクの内部に水を導入する導水管と、を備え、前記板状部における前記開口部の周縁には、前記板状部における第1面及び/又は前記第1面と反対側の第2面において、前記開口部の貫通方向に延び且つ前記導水管を前記開口部の径方向の内側にガイドするリブ部が形成される便器洗浄装置に関する。
【0007】
また、前記リブ部は、前記開口部の径方向の内側に凸となる曲線部を有することが好ましい。
【0008】
また、前記リブ部は、前記開口部の径方向に延びることが好ましい。
【0009】
また、前記リブ部は、前記開口部の径方向の内側に延びることが好ましい。
【0010】
また、前記リブ部を複数備え、複数の前記リブ部は、前記開口部の周縁に沿って配置され、隣り合う前記リブ部の間隔は、前記導水管の径よりも小さいことが好ましい。
【0011】
また、前記導水管は、外面において前記導水管が延びる方向に並んで形成される複数の凸部を有する蛇腹状に形成されることが好ましい。
【0012】
また、前記リブ部は、前記開口部の径方向の内側に延びており、前記リブ部における前記開口部の貫通方向の長さは、前記導水管における隣り合う前記凸部の間隔よりも長いことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導水管が開口部の周縁に引っ掛かることを低減できる便器洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る便器洗浄装置100の側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る便器洗浄装置100の正面図である。
図3】洗浄水タンク20及び手洗い側給水配管33の構成を示す斜視図である。
図4】蓋部22に手洗い側給水配管33が通る状態を示す斜視図である。
図5】蓋部22に手洗い側給水配管33が通る状態を示す平面図である。
図6図5のA−A線断面図である。
図7図5のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の便器洗浄装置100の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る便器洗浄装置100の全体構成について、図1図3を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態の便器洗浄装置100は、図1及び図2に示すように、便器10と、タンクとしての洗浄水タンク20と、手洗い器30と、収納部40と、を備える。
便器10は、便器本体11と、この便器本体11の上部に便器本体11に対して開閉可能に取り付けられる便座12及び便蓋13と、を含んで構成される。
【0017】
収納部40は、便器10の後方に配置され、後述する洗浄水タンク20及び各種の配管等を収納する。また、この収納部40の上部には手洗い器30が設けられる。収納部40は、例えば、便器洗浄装置100を設置するトイレルームの一の壁面に沿うように配置される。
【0018】
手洗い器30は、後述する洗浄水タンク20の上方に配置される。この手洗い器30は、手洗い鉢31と、手洗い吐水管32と、を備える。
【0019】
手洗い鉢31は、手洗い吐水管32から吐出される手洗い水を受ける。この手洗い鉢31の底部には、排水口(図示せず)が形成されている。排水口(図示せず)は、洗浄水タンク20に排水する。
【0020】
手洗い吐水管32は、手洗い鉢31から起立するように配置される。この手洗い吐水管32の先端部は、下方に開口している。
手洗い吐水管32の基端部32aは、手洗い側給水配管33(導水管)を介して洗浄水タンク20の内部に配置される給水部(図示せず)に接続される。給水部(図示せず)は、外部から供給される水を給水し、洗浄水タンク20の水位に応じて給水を行うボールタップ(図示せず)などを備えている。
【0021】
手洗い側給水配管33は、手洗い器30と給水部(図示せず)とを接続し、給水部(図示せず)から供給される水を手洗い器30に導く。手洗い側給水配管33は、図3に示すように、後述する洗浄水タンク20の導出口224を通して配置され、洗浄水タンク20の内部から水を導出する。
【0022】
手洗い側給水配管33は、図3図6に示すように、洗浄水タンク20の内部に配置された給水部(図示せず)から手洗い器30に向かって順に、図6に示すように、タンク接続部331、第1屈曲部332、第1蛇腹構成部333、第2屈曲部334及び第2蛇腹構成部335の順に連続して接続され、図4及び図5に示すように、第2蛇腹構成部335から、第3屈曲部336及び手洗い器接続部337の順に連続して接続されている。
【0023】
タンク接続部331は、図6に示すように、洗浄水タンク20の内部に配置される。タンク接続部43は、手洗い側給水配管33の上流側の端部を構成し、洗浄水タンク20の内部に配置される給水部(図示せず)に接続される。
【0024】
第1屈曲部332は、図6に示すように、略L字状に形成され、洗浄水タンク20の内部に配置される。第1屈曲部332は、一端がタンク接続部331に接続され、一端から水平方向に延び所定位置で水平方向の所定方向に屈曲されて他端まで延び、他端が第1蛇腹構成部333の一端に接続される。
【0025】
第1蛇腹構成部333は、図6に示すように、洗浄水タンク20の内部に配置され、水平方向に直線状に延びるように形成される。第1蛇腹構成部333は、一端が第1屈曲部332の他端に接続され、他端が第2屈曲部334の一端に接続される。
【0026】
第2屈曲部334は、図6に示すように、略L字状に形成され、洗浄水タンク20の内部に配置される。第2屈曲部334は、一端が第1蛇腹構成部333の他端に接続され、一端から水平方向に延び所定位置で垂直方向に屈曲されて他端まで延び、他端が第2蛇腹構成部335の一端に接続される。
【0027】
第2蛇腹構成部335は、図4に示すように、垂直方向に直線状に延び、蓋部22に形成される導出口224(後述)を通るように配置される。第2蛇腹構成部335は、蓋部22に形成される導出口224を介して、洗浄水タンク20の内部と外部と亘って配置されている。第2蛇腹構成部335は、一端が第2屈曲部334の他端に接続され、他端が第3屈曲部336の一端に接続される。
【0028】
第3屈曲部336は、図4に示すように、略L字状に形成され、洗浄水タンク20の外部に配置される。第3屈曲部336は、一端が第2蛇腹構成部335の他端に接続され、一端から垂直方向に延び所定位置で水平方向に屈曲されて他端まで延び、他端が手洗い器接続部337を構成する。手洗い器接続部337は、手洗い側給水配管33の下流側の端部を構成し、手洗い吐水管32の基端部に接続される。
【0029】
第1蛇腹構成部333及び第2蛇腹構成部335は、柔軟性を有し、山折り部及び谷折り部が繰り返されて形成された蛇腹状に構成される。本実施形態においては、第1蛇腹構成部333及び第2蛇腹構成部335における蛇腹構成部の山折り部を山状凸部(凸部)331aともいう(図6及び図7参照)。複数の山状凸部331aは、第1蛇腹構成部333及び第2蛇腹構成部335の外面において、手洗い側給水配管33が延びる方向に並んで形成される。これにより、第1蛇腹構成部333及び第2蛇腹構成部335は、屈曲及び伸縮自在に構成される。
【0030】
手洗い側給水配管33を手洗い器30に取り付ける場合には、タンク接続部331(図6参照)を洗浄水タンク20の内部に配置した給水部(図示せず)に接続した図3に示す状態から、手洗い側給水配管33を、第2蛇腹構成部335の所定部分において屈曲させて、図1及び図2に示すように、手洗い側給水配管33の手洗い器接続部337を手洗い吐水管32の基端部32aに取り付ける。その後、ナット部34によりこれらの接続部分を締め付けることで、手洗い側給水配管33と洗浄水タンク20の内部に配置される給水部(図示せず)とが接続される。
【0031】
洗浄水タンク20は、図1及び図2に示すように、便器10の後方かつ上方に配置され、便器本体11を洗浄する洗浄水を貯留する。洗浄水タンク20は、手洗い器30の下方に配置される。この洗浄水タンク20は、図3に示すように、上面が開口したタンク本体21と、このタンク本体21の上面に配置され、タンク本体21の上面を覆う蓋部22(板状部)と、を備える。
【0032】
タンク本体21の内部には、給水部(図示せず)が配置される。洗浄水タンク20は、タンク本体21の内部に給水部(図示せず)が設置された後、蓋部22によりタンク本体21の上面が塞がれて、組み立てられる。
【0033】
蓋部22は、タンク本体21の上面に配置され、タンク本体21の上面を覆う。この蓋部22は、図3に示すように、蓋本体221と、外側周壁部222と、導入部223と、開口部としての導出口224と、を備える。
【0034】
蓋本体221は、板状に形成され、タンク本体21の上面の開口を覆う。
外側周壁部222は、蓋本体221の周縁の近傍に設けられ、蓋本体221の上面から上方に立ち上がる。外側周壁部222は、蓋本体221の全周に亘って設けられる。
【0035】
導入部223は、手洗い器30からの排水が導入される。導入部223は、図3に示すように、蓋本体221に形成される。導入部223は、導入凹部223aと、立ち上がり周壁部223bと、を有する。導入凹部223aの底部側には、導入口(図示せず)が設けられている。
【0036】
立ち上がり周壁部223bは、導入凹部223aの周囲において、蓋本体211の上面から方形筒状に立ち上がって形成される。
導入凹部223aには、手洗い器30からの排水が導入される。
【0037】
導出口224は、図3に示すように、蓋本体221における導入部223よりも背面側に形成される。この導出口224には、手洗い側給水配管33が挿通される。
【0038】
導出口224は、略円形形状で、蓋本体221を貫通して形成される。導出口224には、導水管としての手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335が通される。
【0039】
導出口224の径は、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335の径よりも僅かに大きく形成される。導出口224に第2蛇腹構成部335が通された場合には、導出口224と第2蛇腹構成部335との間には、隙間が形成される。導出口224と第2蛇腹構成部335との間の隙間からは、蓋部22の上面に溜まった結露水等が、洗浄水タンク20の内部に流入される。
【0040】
蓋本体221における導出口224の周縁には、図4図6に示すように、複数のリブ部225が形成される。複数のリブ部225は、それぞれ、板状に形成される。複数のリブ部225は、それぞれ、蓋本体221の表面(第1面)221a及び裏面(第1面と反対の第2面)221bにおいて、導出口224の貫通方向に延びる。
【0041】
リブ部225は、導出口224の径方向に延び、かつ、導出口224の径方向の内側に延びる。導出口224の径方向は、導出口224の接線に直交する方向である。本実施形態においては、リブ部225が複数設けられており、複数のリブ部225は、導出口224の周縁において、周方向に並んで、放射状に配置される。
【0042】
リブ部225は、それぞれ、導出口224の周方向に視た場合に、図6に示すように、蓋本体221の表面221a及び裏面221bに亘って延びる略半円状に形成される。複数のリブ部225は、図6に示すように、それぞれ、蓋本体221の表面221aから垂直方向の上方側に立ち上がる上方側リブ225a(リブ部)と、蓋本体221の裏面221bから垂直方向の下方側に立ち上がる下方側リブ225b(リブ部)とを有する。上方側リブ225a及び下方側リブ225bは、蓋本体221における導出口224を跨いで連続して形成される。上方側リブ225a及び下方側リブ225bは、手洗い側給水配管33(第2蛇腹構成部335)を導出口224の径方向の内側にガイドする。
【0043】
複数のリブ部225(上方側リブ225a、下方側リブ225b)は、図6に示すように、それぞれ、導出口224の径方向の内側に凸となる曲線部を有する。具体的には、本実施形態においては、複数のリブ部225は、図6に示すように、それぞれ、導出口224の内側の端部側において、上端部及び下端部の角部が、導出口224の径方向の内側に凸となるように形成された丸みを帯びたアール(R)を有している。なお、リブ部225における角部のアール(R)は、リブ部225の上端部から下端部に連続的に全てアール(R)となっていてもよく、また、上端部及び/又は下端部の部分のみがアール(R)となっていて、その他の部分が直線状になっていてもよい。
【0044】
このようにリブ部225が形成されることで、リブ部225は、蓋本体221の導出口224の周縁のエッジよりも、導出口224の内側に突出して配置される。そのため、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335は、第2蛇腹構成部335が移動しても、リブ部225に接触するため、蓋本体221における導出口224の周縁の板状の部分のエッジに接触し難い。
【0045】
周方向に隣り合うリブ部225の間隔L1は、図5に示すように、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335の径L2よりも小さい。具体的には、放射状に配置される複数のリブ部225において、隣り合うリブ部225の間隔は、L1である。手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335の外形の直径は、L2である。そして、隣り合うリブ部225の間隔L1は、図5に示すように、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335の径L2よりも小さく設定されている。
そのため、手洗い側給水配管33が、隣り合うリブ部225に阻まれて、隣り合うリブ部225の間に入り込むことが抑制される。これにより、手洗い側給水配管33は、導出口224の周縁部に引っ掛かり難い。
【0046】
手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335は、蛇腹状に形成される。手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335の蛇腹状の部分は、導出口224の周縁部に引っ掛かり難く、蛇腹状の部分が破損し難い。
【0047】
リブ部225における導出口224の貫通方向の長さLbは、図7に示すように、第2蛇腹構成部335を長さ方向に伸ばした状態において、第2蛇腹構成部335の隣り合う山状凸部331aの間隔Laよりも長い。「第2蛇腹構成部335を長さ方向に伸ばした状態」とは、手洗い側給水配管33の施工時に、第2蛇腹構成部335が引っ張られて長さ方向に伸びる程度の状態である。具体的には、本実施形態においては、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335は、山折り及び谷折りが交互に繰り返す蛇腹構造を有している。隣り合う山状凸部331aの間隔とは、山折り部から山折り部までの間の距離である。例えば、図7に示すように、隣り合う山状凸部331aの間隔は、Laである。リブ部225における導出口224の貫通方向の長さは、Lbである。そして、リブ部225における導出口224の貫通方向の長さLbは、図7に示すように、隣り合う山状凸部331aの間隔Laよりも長く設定されている。
そのため、リブ部225は、隣り合う山状凸部331aに阻まれて、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335における隣り合う山状凸部331aの間に、入り込むことが抑制される。そのため、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335は、導出口224に引っ掛かり難い。
【0048】
以上の洗浄水タンク20には、給水部(図示せず)を介して洗浄水が供給される。
また、タンク本体21の下部には、フロート弁(図示せず)により開閉される排水口が形成されている。そして、フロート弁を引き上げて排水口を開放することにより、タンク本体21の内部に貯留された洗浄水が排水口(図示せず)から流出して便器10に供給され、便器本体11が洗浄される。
【0049】
以上説明した本実施形態の便器洗浄装置100によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の便器洗浄装置100は、導出口224が設けられた蓋部22を有する洗浄水タンク20と、導出口224を通して配置され、洗浄水タンク20の内部から水を導出する手洗い側給水配管33と、を備え、蓋本体221における導出口224の周縁には、蓋本体221の表面221a及び裏面221bにおいて、導出口224の貫通方向に延び且つ手洗い側給水配管33(第2蛇腹構成部335)を導出口224の径方向の内側にガイドするリブ部225が形成される。
【0050】
そのため、手洗い側給水配管33は、導出口224に通して配置された場合における手洗い側給水配管33の取り付け作業又は外し作業の際に、蓋本体221における導出口224の周縁のエッジに接触よりも、上方側リブ225a又は下方側リブ225bに接触しやすい。これにより、手洗い側給水配管33は、導出口224の径方向の内側にガイドされ、蓋本体221における導出口224の周縁のエッジに接触することが低減され、導出口224の周縁に手洗い側給水配管33が引っ掛かることを低減できる。
また、導出口224の周縁に手洗い側給水配管33が引っ掛かることを低減できるため、手洗い側給水配管33の径に対応させて、導出口224の径を小さくできる。これにより、洗浄水タンク20の内部からの飛沫の飛び出しを低減できると共に、洗浄水タンク20の内部から出される騒音を低減できる。
【0051】
リブ部225は、導出口224の径方向の内側に凸となる曲線部を有する。そのため、リブ部225が手洗い側給水配管33に接触しても、手洗い側給水配管33がリブ部225の曲線部に接触するため、手洗い側給水配管33が破損することを低減できる。
【0052】
リブ部225は、導出口224の径方向に延びている。そのため、蓋部22の蓋本体221の上面に溜まった水が、導出口224の径方向に沿って水が導かれるため、水を導出口224に流入させやすい。
【0053】
リブ部225は、導出口224の径方向の内側に延びている。そのため、リブ部225は、蓋部本体の導出口224の周縁の板状のエッジよりも、導出口224の径方向の内側に突出する。これにより、蓋部本体の導出口224の周縁の板状のエッジに接触せずに、リブ部225に接触する。よって、手洗い側給水配管33は、導出口224に引っ掛かり難い。
【0054】
隣り合うリブ部225の間隔L1は、手洗い側給水配管33の径L2よりも小さい。そのため、手洗い側給水配管33が、隣り合うリブ部225に阻まれて、隣り合うリブ部225の間に入り込むことが抑制される。これにより、手洗い側給水配管33は、導出口224の周縁部に引っ掛かり難い。
【0055】
手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335は、蛇腹状に形成される。手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335の蛇腹状の部分は、導出口224の周縁部に引っ掛かり難く、蛇腹状の部分が破損し難い。
【0056】
リブ部225における導出口224の貫通方向の長さLaは、第2蛇腹構成部335を長さ方向に伸ばした状態において、第2蛇腹構成部335における隣り合う山状凸部331aの間隔Lbよりも長い。そのため、リブ部225は、隣り合う山状凸部331aに阻まれて、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335における隣り合う山状凸部331aの間に、入り込むことが抑制される。そのため、手洗い側給水配管33の第2蛇腹構成部335は、導出口224に引っ掛かり難い。
【0057】
以上、本発明の便器洗浄装置100の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、導水管を、洗浄水タンク20の内部から手洗い器30に水を導出する手洗い側給水配管33としたが、これに限らない。導水管を、洗浄水タンク20の外部から洗浄水タンク20の内部に水を導入する導水管としてもよい。
【0058】
また、前記実施形態では、導水管を、蛇腹状の第2蛇腹構成部335で構成したが、これに限らない。例えば、導水管を、筒状のゴム管で構成してもよい。
【0059】
また、前記実施形態では、蓋部をタンク本体と別体として、蓋部をタンク本体に対して取り外し可能な構成としたが、これに限らない。洗浄水タンクは一体的に形成されていてもよい。例えば、板状部を、一体的に形成された洗浄水タンクの上壁又は側壁により構成してもよい。
【0060】
また、前記実施形態では、上方側リブ225a及び下方側リブ225bを、蓋本体221における導出口224を跨いで連続に形成したが、これに限らない。上方側リブ225a又は下方側リブ225bのうちの一方のみを、蓋本体221の表面221a又は裏面221bに設けるように構成してもよい。
【0061】
また、前記実施形態では、洗浄水タンク20を覆うカバー部材を、洗浄水タンク20が収納された収納部40と、収納部40の上部に設けられた手洗い器30の手洗い鉢31と、により構成したが、これに限らない。洗浄水タンク20を覆うカバー部材を、例えば、手洗い鉢31で構成される上部カバー部と周方向に囲む側部カバー部とが、樹脂材料により一体的に成型されるタンクカバーで構成してもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 便器
20 洗浄水タンク(タンク)
33 手洗い側給水配管(導水管)
100 便器洗浄装置
221 蓋本体(板状部)
221a 表面(第1面)
221b 裏面(第2面)
224 導出口(開口部)
225 リブ部
225a 上方側リブ(リブ部)
225b 下方側リブ(リブ部)
331a 山状凸部(凸部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7