【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の課題は、請求項1に記載の:
対象物(8)の外壁の円錐形の回転対称な領域(6)の表面に印刷画像(36)で印刷するための方法において、
前記領域(6)が、横断面、特に瓶として形成された対象物(8)のパラメータ(30)から成るアレイ(64)によって確定されていて、互いに平行に配置された直線状の少なくとも2つの、それぞれ複数の印刷ノズルを有する列(20,22)を備える印刷ヘッド(4)によって印刷され、
当該平行に配置された少なくとも2つの、複数の印刷ノズルを有する列(20,22)が、前記印刷画像(36)の達成すべきピクセル密度を考慮して制御され、
それぞれ1つの印刷ノズルの印刷密度が、前記領域(6)を表す少なくとも1つのパラメータ(30)に応じて設定され、
少なくとも2つの前記印刷ノズル列の液滴が、1つのラインに統合されるように、当該互いに平行に配置された少なくとも2つの、複数の印刷ノズルを有する列(20,22)間の可変の時間オフセットが、印刷ヘッドと前記対象物(8)の前記領域(6)との間の相対速度の変化に応じて設定され
、
前記相対速度の変化によって引き起こされる一定でない空間オフセットが、ピクセル間隔より大きい場合、前記印刷画像(36)の個々のピクセルが移動され、
前記液滴の可能な大きさに対する前記ピクセル密度の変化が大きい場合、前記液滴の大きさの適合が、前記印刷画像(36)のそれぞれのピクセルの強度を上げるか又は下げることによって実行される当該方法によって解決される。
さらに、上記の課題は、請求項14に記載の:
印刷ヘッド(4)を有する装置において、
前記印刷ヘッド(4)が、互いに平行に配置された直線状の少なくとも2つの、それぞれ複数の印刷ノズルを有する列(20,22)を備え、且つ対象物(8)の外壁の、回転対称な領域(6)又は円錐形の回転対称な領域(6)の表面に印刷画像(36)で印刷するために構成されていて、
少なくとも2つの前記印刷ノズル列の液滴が、1つのラインに統合されるように、当該互いに平行に配置された少なくとも2つの、複数の印刷ノズルを有する列(20,22)間の可変な時間オフセットが、印刷ヘッドと前記対象物(8)の前記領域(6)との間の相対速度の変化に応じて設定可能であ
り、
相対速度の変化によって引き起こされる一定でない空間オフセットが、ピクセル間隔より大きい場合、前記印刷画像(36)の個々のピクセルが移動可能であり、
前記液滴の可能な大きさに対する前記印刷画像(36)の達成すべきピクセル密度の変化が大きい場合、前記液滴の直径の適合が、前記印刷画像(36)のそれぞれのピクセルの強度を上げるか又は下げることによって実行可能である当該装置によって解決される。
本発明のその他の構成は、従属請求項及び明細書に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題は、それぞれの独立請求項に記載の特徴を有する方法及び装置によって解決される。本発明のその他の構成は、従属請求項及び明細書に記載されている。
当該方法及び装置によれば、一般に容器として形成されている回転対称な対象物の印刷が、ライン補正(画像処理)としてソース画像を提供することによって可能である。本発明は、ラベルのない容器を梱包する解決手段の分野、及び/又は容器へ直接に印刷するために使用され得る。
【0014】
したがって、非円筒形の容器、例えば非円筒形の瓶に対する画像補正及び/又は印刷画像制御が可能である。垂直なピクセルラインの分散と、円周の増大に伴うピクセル密度の線形な増大が、本発明によって補正される。当該補正は、特に、複数の印刷ノズル列を有する印刷ヘッドの使用に関連する。
【0015】
さらに、印刷原画が、印刷すべき対象物のサイズに適合される。この場合、印刷ヘッドの2つの印刷ノズル又はノズル列の間のオフセット又はシフトが補正される。この場合、このシフトは、当該対象物の印刷すべき領域の1つ、例えば最大基準円周に対して設計されている。同じことが、物理的ピクセル密度に対して成立する。
【0016】
対象物、例えば瓶の一般に回転対称な形に印刷画像を適合することが、ソフトウェア機能によって実行され得る。この場合、ラインシフトが補正される。当該補正は、個々の印刷ノズルの可変のオフセット、可変のピクセル密度及び色分解を提供することによって可能である。さらに、瓶又は容器の形が入力される。したがって、全ての形、さらに例えば、円錐形及び湾曲形、溝等を、当該ソフトウェア機能を通じて図面から読み取ること及び記憶することが可能である。
【0017】
印刷ヘッドの位置決めが、傾斜角度、高さ及び印刷画像のサイズに応じて印刷機へ引き渡される。
【0018】
本発明の利用は、いわゆる「プリプレス・マネジメント・ソフトウェア」で可能であり、1つのステップを印刷工程前に実行できる。この場合、印刷画像の印刷原画と、印刷機用の制御データ及び/又は位置決めデータとが提供される。
【0019】
本発明の範囲内では、例えばインクジェットプリンタ用のデジタル印刷方法が、ソフトウェア技術的に補正するために、及び/又はデジタル印刷原画を対象物の回転対称な表面の実際の形に適合させるために制御装置及びソフトウェアを用いて実行される。少なくとも1つの印刷ヘッドの少なくとも2つの印刷ノズル列の間のオフセットが、ソフトウェアを使用することによって当該領域のそれぞれの直径とピクセル密度とに適合される。
【0020】
この場合、位置変更して整合する必要がある複数の印刷トラックが省略され得る。この代わりに、ただ1つの印刷シーケンスと、印刷ヘッドの1回限りの整合とが実行される。この印刷ヘッドが、印刷すべき領域に対して1回だけ位置決めすればよいことを意味する。この印刷ヘッドによって通過される当該領域が、対象物の最大で360°の回転中に印刷画像で完全に印刷され得る。したがって、当該印刷画像が、印刷シーケンス中に軸方向及び/又は水平方向に完全に吹き付けられ得る。一般に、完全な印刷画像が、容器の運動中に少なくとも1つの印刷ヘッドによって吹き付けられる。
【0021】
本発明によれば、CADデータが、印刷ヘッドを位置決めすることのほかに、画像処理、すなわちインク液滴の位置決め及び/又は液滴の大きさの適合のためにも使用され得る。
【0022】
したがって、ソフトウェア支援された、自動的なプリプレス・マネジメントと、回転対称な表面上に直接に印刷する画像を提供することとが可能である。この場合、当該印刷画像が、画像を処理するプリプレス・マネジメントによって当該回転対称な表面に適合される。
【0023】
当該方法は、いわゆるインクジェット印刷技術による実施の形態で実行され得る。同様に使用可能な「ドロップオンデマンド」方法では、要求されたときだけ、インクが、印刷すべき基板、すなわち対象物の領域上に吹き付けられる。したがって、インク液滴が、印刷ヘッドのノズルによって当該基板上に正確に位置決めされる。この場合、気泡を印刷ヘッドのノズル内で発生させることによってインク液滴を噴出させる「バブルジェット」印刷ヘッドと、印刷ヘッドのノズル内の圧電セラミック素子を変形することによってインク液滴を吐出させるピエゾ印刷ヘッドとの双方が使用され得る。通常は、ピエゾ印刷ヘッドが使用される。何故なら、このピエゾ印刷ヘッドは、「バブルジェット」印刷ヘッドとは違ってインク液滴の体積を電圧パルスの大きさによって制御でき、明らかにより高い周波数で作動し、より長い寿命を有するからである。
【0024】
上記の画像の提供を改良するために使用される印刷ヘッドは、1000個に及ぶアクティヴ印刷ノズルを支持でき、6plと42pl(ピコリットル)との間で液滴の大きさを7段階で生成できる。このことは、8つのグレーステージに相当する。当該印刷ヘッドは、360dpiの物理的ピクセル密度を達成する。このことは、当該動的な8つのグレーステージに起因して1080dpiの光学解像度に相当する。この高い解像度を達成するため、印刷ノズルが、1列当たり500個のノズルで垂直方向に2列を成して配置されている。したがって、水平方向に対向して配置された2つの列の当該複数の印刷ノズルが、互いに等間隔に存在する。当該2つの列を組み合わせることで初めて、360npi(ノズル・パー・インチ)の解像度が、70.556μmの垂直方向のピクセル間隔で可能になる。当該複数の印刷ノズル列の間隔は、4.798mmである。当該印刷ヘッドが、印刷すべき基板に対して一定の相対速度で移動すると、第2印刷ノズル列のインクの吐出が、一定の時間オフセットによって遅延される。この遅延が、当該複数の印刷ノズル列間の距離を補正する。その結果、当該2つの印刷ノズル列の液滴が、1つのラインに統合される。
【0025】
インク供給システムが、印刷ヘッドへ連続して供給するために使用される。このインク供給システムは、インク流通速度、温度、及び印刷ヘッドの印刷ノズルでのインクの正確な圧力の加工条件を合わせる。
【0026】
印刷画像を、例えば円錐形の回転対称な表面上に吹き付けるため、印刷ヘッドの垂直軸が、表面の印刷領域の外側にある点の割線に対して平行に整合される。その結果、当該印刷ヘッドが、この表面に対してほぼ平行に配置されていて、その直近で起こり得る接触点に応じて、例えば当該直近で起こり得る接触点から1mm離れた高さに位置決めされている。次いで、回転駆動部が、当該対象物又は物体を当該傾けられた印刷ヘッドの前方で回転させる。印刷画像が、当該対象物の回転を起動させるロータリーエンコーダが、印刷画像の1つのラインの印刷シーケンスをさらに起動させる。インクが、この印刷シーケンス中に当該表面上に吹き付けられる。当該印刷ヘッドの全ての物理的分解能を活用するため、2つの印刷ノズル列が使用される。パラメータ全体で回転対称な印刷領域を表す各個々の印刷ノズルの高さに関するパラメータ、例えば、直径に関するパラメータ及び隣接した印刷ノズルに対する傾斜角度に関するパラメータが、CADデータから算出された瓶の横断面を用いて算出され、個々の印刷ノズルのオフセットを適合するためと、印刷画像内の個々のラインのピクセル密度を適合するためとに使用される。
【0027】
このために作成されたアルゴリズム及び方法を検査するため、容器を移動させるための駆動装置、印刷画像応用のための印刷技術及び吹き付けられたインクを乾燥するための照明装置が、本発明の装置の可能な構成要素として使用される。
【0028】
回転対称な対象物、例えば容器に直接に印刷するため、駆動装置が使用される。当該対象物が、この駆動装置によって一定の速度で印刷ヘッドの前方で軸に対して回転される。このために設けられている当該駆動装置は、ピンとボールベアリングで軸支された円盤とを有する。当該対象物が、このピンとこの円盤との間で挟持される。最後に、DCギヤードモータが、ピンに連結されている駆動軸を駆動させる。その回転運動が、摩擦固着によってこのピンから当該挟持された対象物に伝達される。ロータリーエンコーダが、回転量のTTL信号を印刷ヘッドの制御装置に転送する。したがって、印刷画像の1つのラインの印刷が、等しい回転間隔ごとに起動される。
【0029】
当該印刷ヘッドが、ブラケットによって駆動装置の回転軸に対して整合及び/又は位置決めされる。この場合、対象物に対する距離及び傾斜角度が設定される。
【0030】
吹き付けられたインクを硬化させるため、水冷式のLED−UVA照明装置が、印刷ヘッドの上に存在する。UV硬化インクが使用される場合、このLED−UVA照明装置は、当該定着及び乾燥のために使用される。重合によって、長い鎖状分子が発生し、強固な不溶性層が形成される。
【0031】
当該方法は、例えば、瓶として形成されている容器に対して実行され得る。この瓶は、約3°の傾斜角を成す、印刷すべきタグ又はラベルのための円錐形の回転対称な領域を有する。印刷画像のアプリケーションが、円錐形の回転対称な領域に適合される。例えばビットマップデータフォーマット形式の印刷原画、画像を適切に提供するために使用される。この瓶のタグ又はラベル用の領域が、以下の特徴を有する円錐形の回転対称な胴部から成る。
最大直径 dmax=68.5mm
最小直径 dmin=61.0mm
直径の最大差 Δmax=7.5mm
ラベル領域の高さ h=71.0mm
傾斜角度 α=3.015°
【0032】
印刷画像の画像フォーマットが、3050*1000ピクセルの解像度で、当該瓶の215.199の最大円周と当該ラベル用の領域の71mmの高さとに適合されている。当該画像フォーマットの寸法と当該解像度との間の関係が、以下のように示される。
360dpi*215.119*(25.4mm/inch)
−1=3050ピクセル
1000ピクセル*215.119mm*(25.4mm/inch)
−1=70.556mm
【0033】
当該画像データは、多色で吹き付けて印刷するためのRGB色情報と、一色だけのインクで吹き付けるための8ビットグレーステージ値とを有する。
【0034】
当該印刷画像が、画像準備なしに印刷ヘッドの3°の傾斜角で吹き付けられる場合、以下の現象が現れる。
【0035】
印刷ヘッドに配置されたノズル列、この場合には第2印刷ノズル列のインク液滴が、瓶の円周の減少と共にその回転方向に対して反対方向に吹き付けられる。垂直方向の間隙が、瓶の直径の減少と共にハーフラインずつ離れるように延在している。
【0036】
水平方向のピクセル密度を最大円周の高さに適合させることによって、変位増分が、一定の印刷サイクル時に円周の変化に比例して変化する。したがって、物理的ピクセル密度が、瓶の円周の減少と共に増大する。
【0037】
上記の2つの効果は、印刷ヘッドの構造に起因する。一定の速度では、2つの印刷ノズル列のインク液滴が、印刷ヘッドと基板との間で1つの印刷ラインに合成される。同様に、さらに、一定でない瓶の円周でも同様に合成される。
【0038】
2つの印刷ノズル列の空間オフセットを補正するため、印刷ヘッド制御装置により、第2印刷ノズル列のインクの吐出が、一定の時間オフセットによって遅延される。当該遅延は、2つの印刷ノズル列の画像点を1つのラインに合成するために設けられている。上記基板の印刷領域の全体が、当該印刷ヘッドに対して一定の速度で相対移動すると、このオフセットが、希望した印刷画像を提供する。
【0039】
吹き付けられる円錐形の回転対称な瓶の形が、一定の角速度で回転すると、印刷ヘッドと基板との間の相対速度が、その円周速度に応じてその円周の変化に比例する。当該印刷ヘッドの2つの印刷ノズル列の間の一定の時間オフセットが、基準の円周、例えば瓶の最大円周に適合される。当該2つの印刷ノズル列によって吹き付けられたインク液滴が、上記領域内で1つのラインに合成される。円周の変化によって引き起こされる相対速度変化kが、空間オフセットを成す当該2つの印刷ノズル列の間の一定の時間オフセットに比例するように影響を及ぼす。
k(i)=(max(U
max*f
p)−(U(i)*f
p))*(70.556μm)
−1
このとき、f
p=印刷回数、U(i)=印刷ノズルiの高さに対する円周。一定でないオフセットが発生する。
【0040】
当該方法の可能な構成では、2つ又は複数の印刷ノズル列のオフセットと各個々の印刷ノズルの高さに対する瓶の円周との間の関係が考慮される。
【0041】
それ故に、印刷画像の各第2ラインが、局所の相対速度と例えば瓶の最大円周の高さに対する基準速度との間の差に応じて上記の一定でない空間オフセットを有する。
【0042】
可能な限り高い物理的ピクセル密度を得るため、印刷画像が、瓶の最大円周に適合される。垂直方向と水平方向との双方で一定の360dpiの物理的ピクセル密度が、この領域内で発生する一方で、瓶の円周がより小さく、且つ、一定の印刷回数が、一定の角速度によって引き起こされるときは、2つの印刷パルスの立ち上がり間隔のより短く経過された変位増分に起因して、物理的ピクセル密度が、水平方向に増大する。瓶の最小直径の高さに対するピクセル密度が算出されると、191.637mmの最小円周のときの3050本の印刷ラインの場合に、404dpiの物理的ピクセル密度が得られる。このことは、44dpiの増加に相当する。
3050ピクセル*25.4mm/inch*(191.637mm)
−1=404dpi
【0043】
当該方法の可能な構成では、ピクセル密度と各個々の印刷ノズルの高さに対する瓶の円周との間の関係が考慮される。当該方法を実行するため、ソース画像データが、上記表面に適合される。当該ソース画像データは、印刷原画を含み、基板表面を表すためのデータフォーマットを特にベクターグラフィックス又はピクセルグラフィックスとして含み、デジタル図面(CAD)を含む。このため、形を表す輪郭が、印刷ヘッドの各個々の印刷ノズル又は印刷ノズル列に対して記憶される。印刷すべき領域(ラベル領域)の幾何パラメータ、例えば、瓶の直径、瓶の円周、傾斜角度等が、当該形を表す輪郭から読み取られる。n次元ベクトルが得られる。この場合、nは、アクティヴ印刷ノズルの数を示す。これらのベクトルは、上記のn個の印刷ノズル用の瓶パラメータを有する。各要素v(i)が、1つの印刷ノズルiの高さに対する瓶の横断面を表す。総じて、ベクトルvが、全体の印刷領域を表す。さらに、上記表面の造形を概算関数として表すことが可能である。
【0044】
さらに、一定でないハーフラインオフセットを、物理的ピクセル密度の変化として、円周の変化に応じて、印刷画像のソース画像データの画像処理によって適合させることが提唱されている。
【0045】
当該方法によれば、非円筒な、円錐形の、湾曲された又はその他の回転対称な3次元対象物若しくは物体上に印刷画像を吹き付けるための、作成して記憶すべきデジタル印刷原画が、上記表面の造形に適合される。このアプローチは、公知の方法と違って、トラックと、印刷ヘッドの関連する再位置決めとが、印刷工程中に省略されて、ただ1つの印刷シーケンスに統合される点で優れている。その結果、効率重視のライン生産に適した設計が可能である。さらに、個々の印刷ノズルを制御するための制御技術的なハードウェア経費がなくなる。
【0046】
上記の画像処理による適合は、相対速度の変化によって引き起こされる一定でない空間オフセットの補正を含む。このため、まず、当該オフセットoが、配置された1つの印刷ノズル列の各個々の印刷ノズルに対して算出される。
k(i)=(max(U
max*f
p)−(U(i)*f
p))*(70.556μm)
−1
o(i)=k(i)+Offset_const
【0047】
このオフセットが、360dpiの解像度のときにピクセル間隔を70.556μmだけ又はこの値の数倍だけ超えると、存在する印刷原画内の対応するピクセルラインの全てのピクセルが、当該印刷画像内の空間オフセットに対して1ピクセル又は数ピクセルだけシフトされる。連続するオフセットの変化に近似するステップ関数が生成される。シフトされている複数のピクセルが、印刷工程中に時間的に早く処理される。1つの印刷ラインに該当するインク液滴が、時間的により早く噴出されるので、空間オフセットが減少し、相対速度の変化が補正される。さらに、特に印刷画像内の文字及び広い範囲を占める模様を表すため、印刷原画の1つのラインの隣接する複数のピクセルが結合体として、重み係数を考慮しつつ、液滴の大きさに起因する複数のピクセルに相当するシフトに算入され得る。
【0048】
物理的ピクセル密度が、上記表面の円周の変化に対して変化する。画像処理を用いることで、物理的ピクセル密度の変化が、光学解像度を適合させることによって適合される。このため、当該ピクセル密度が、印刷回数及び円周に基づいて各個々の印刷ノズルに対して算出される。さらに、印刷原画が、その複数の色成分、特にシアン、マジェンタ、黄及び黒(その他の特定の色も含む)に分割される。(以下のステップは、当該それぞれの色成分において実行される。)当該印刷原画の1つの色成分の1つのラインの全てのピクセルの値が、ピクセル密度の百分率の変化に基づいて減少される。複数のピクセルが、この変化によって、(液滴の大きさに相当する)8つのグレースケールに定量化する印刷ヘッド制御における閾値を超えると、当該光学ピクセル密度が適合される。当該定量化のほかに、重み付けが、隣接する複数のピクセルに基づいて実行され得ることで、上記の近似が、1つのラインの隣接する複数のピクセルを考慮することによって最適化され得る。
【0049】
本発明の装置は、上記方法の全てのステップを実行するように構成されている。したがって、この方法の個々のステップが、当該装置の個々の構成要素によっても実行され得る。さらに、当該装置の機能又は当該装置の個々の構成要素の機能が、当該方法のステップとして実行され得る。さらに、当該方法のステップを、当該装置の少なくとも1つの構成要素の機能として又は当該装置の全体の機能として実行することが可能である。
【0050】
上記の特徴及び以下でさらに説明すべき特徴は、本発明の範囲を逸脱することなしに、それぞれの特定の組み合わせだけで適用可能であるのではなくて、その他の組み合わせでも又は単独でも適用可能であることは自明である。
【0051】
本発明のさらなる詳細及び利点は、以下の本発明の実施の形態及び対応する図面に記載されている。
【0052】
本発明は、1つの実施の形態と2つの図面とに基づいて概略的に示されている。以下に、本発明をこれらの図面を参照して詳しく説明する。