(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
−構成−
まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の一実施形態による張力調整装置100の構成について説明する。
【0016】
張力調整装置100は、フィルム150の搬送経路に設置され、そのフィルム150の張力を調整するように構成されている。フィルム150は、たとえば、樹脂製の帯状フィルムであり、繰出装置(図示省略)から繰り出されて所定の処理が施された後に巻取装置(図示省略)に巻き取られるようになっている。
【0017】
張力調整装置100は、
図1に示すように、搬送されるフィルム150が巻き掛けられるダンサーローラ1と、ダンサーローラ1を回転可能に支持するローラアーム2と、ローラアーム2の回動軸3とを備えている。そして、張力調整装置100は、ローラアーム2に加わる力を調整することにより、フィルム150の張力を調整するように構成されている。
【0018】
ダンサーローラ1は、
図2に示すように、一対のローラアーム2の間に配置されている。ローラアーム2の先端にはベアリング21が設けられ、そのベアリング21によってダンサーローラ1の端部が回転可能に支持されている。一対のローラアーム2は、回動軸3に相対回動不能に設けられている。また、ローラアーム2には、回動軸3に対してダンサーローラ1とは反対側にバランスウェイト22が設けられている。バランスウェイト22は、ダンサーローラ1の荷重を打ち消すために設けられている。回動軸3は、一対のサイドフレーム8に回動可能に設けられている。サイドフレーム8にはベアリング81が設けられ、そのベアリング81によって回動軸3の端部が回動可能に支持されている。なお、
図2は、各部材の接続関係を説明するためのものであり、エアシリンダ7の位置など実際の構造とは異なる部分がある。
【0019】
また、張力調整装置100は、
図1に示すように、回動軸3に相対回動不能に設けられたアーム4と、アーム4に連結されたエアシリンダ5と、回動軸3と相対回動可能に設けられたアーム6と、アーム6に連結されたエアシリンダ7とを備えている。アーム4およびエアシリンダ5は、フィルム150の張力を第1範囲で調整するために設けられ、アーム6およびエアシリンダ7は、フィルム150の張力を第1範囲よりも高い第2範囲で調整するために設けられている。なお、アーム4およびエアシリンダ5は、それぞれ、本発明の「第1アーム」および「第1エアシリンダ」の一例である。アーム6およびエアシリンダ7は、それぞれ、本発明の「第2アーム」および「第2エアシリンダ」の一例である。
【0020】
アーム4は、回動軸3と一体的に回動するように構成されている。このアーム4は、
図2に示すように、一対設けられ、ローラアーム2とサイドフレーム8との間に配置されている。一対のアーム4の一方(X1方向側のアーム4)に連結ピン41が設けられ、その連結ピン41にエアシリンダ5が連結されている。なお、一対のアーム4の他方(X2方向側のアーム4)には、連結ピン41が設けられておらず、エアシリンダ5が連結されていない。また、アーム4には、カムフォロア42が設けられている。
【0021】
エアシリンダ5は、フィルム150の張力を第1範囲で調整するとともに、フィルム150の張力が第2範囲で調整される場合にアーム4をアーム6に押し付けるために設けられている。このエアシリンダ5は、1つ設けられ、一対のアーム4の一方に連結されている。エアシリンダ5は、シリンダ本体51と、シリンダ本体51内に収容されるピストン(図示省略)と、ピストンに連結されたピストンロッド52とを含んでいる。シリンダ本体51の内部には、ピストンによって仕切られる空気室53および54(
図3参照)が形成されている。そして、エアシリンダ5では、空気室53および54の差圧に応じてシリンダ本体51内をピストンが移動されることにより、シリンダ本体51に対してピストンロッド52が進退するようになっている。
【0022】
シリンダ本体51の基端は、サイドフレーム8に設けられた支持ピン84に連結されている。シリンダ本体51は、支持ピン84を中心にして回動可能に設けられている。ピストンロッド52の先端は、アーム4の連結ピン41に連結されている。ピストンロッド52は、連結ピン41を中心にして回動可能に設けられている。
【0023】
アーム6は、サイドフレーム8のベアリング82によって支持され、回動軸3と同軸上で回動可能に構成されている。すなわち、アーム6は、回動軸3に対して相対的に回動可能である。このアーム6は、一対設けられ、アーム4とサイドフレーム8との間に配置されている。一対のアーム6の両方に連結ピン61が設けられ、その連結ピン61にエアシリンダ7が連結されている。また、アーム6には、回動中心に対して連結ピン61とは反対側に係合部62(
図1参照)が設けられている。この係合部62は、アーム4のカムフォロア42と係合可能に構成されている。
【0024】
エアシリンダ7は、フィルム150の張力を第2範囲で調整するとともに、フィルム150の張力が第1範囲で調整される場合にアーム6を退避させるために設けられている。このエアシリンダ7は、2つ設けられ、一対のアーム6の両方にそれぞれ連結されている。エアシリンダ7は、エアシリンダ5に比べて受圧面積が広く、エアシリンダ5に比べて高い推力を発生可能である。エアシリンダ7は、シリンダ本体71と、シリンダ本体71内に収容されるピストン(図示省略)と、ピストンに連結されたピストンロッド72とを含んでいる。シリンダ本体71の内部には、ピストンによって仕切られる空気室73および74(
図3参照)が形成されている。そして、エアシリンダ7では、空気室73および74の差圧に応じてシリンダ本体71内をピストンが移動されることにより、シリンダ本体71に対してピストンロッド72が進退するようになっている。
【0025】
シリンダ本体71の基端は、サイドフレーム8に設けられた支持ピン85に連結されている。シリンダ本体71は、支持ピン85を中心にして回動可能に設けられている。ピストンロッド72の先端は、アーム6の連結ピン61に連結されている。ピストンロッド72は、連結ピン61を中心にして回動可能に設けられている。
【0026】
サイドフレーム8には、
図1に示すように、ローラアーム2の回動範囲を規制するためのストッパ86および87が設けられている。ローラアーム2が一方側(R1方向側)に最も回動された場合に、アーム4がストッパ87に当接され、ローラアーム2が他方側(R2方向側)に最も回動された場合に、アーム4がストッパ86に当接されるようになっている。また、サイドフレーム8の一方には、回動軸3すなわちダンサーローラ1の位置(回動量)を検出するためのセンサ83(
図2参照)が設けられている。
【0027】
[エア供給回路]
また、張力調整装置100には、エアシリンダ5および7にエアを供給するためのエア供給回路が設けられている。このエア供給回路は、
図3に示すように、基準圧生成部12と、電空レギュレータ13aおよび13bと、切替弁14aおよび14bと、クリーナ15とを含み、エア供給源11からエアが供給されている。
【0028】
エア供給源11は、張力調整装置100が設置される工場内における各装置にエアを供給するように構成されている。すなわち、エア供給源11は、張力調整装置100にエアを供給するとともに、張力調整装置100以外の装置にエアを供給するようになっている。このため、エア供給源11から張力調整装置100に供給されるエアの圧力が変動し得る。
【0029】
基準圧生成部12は、エア供給源11に接続され、エア供給源11からのエアを用いて基準圧のエアを生成するように構成されている。すなわち、基準圧生成部12は、エア供給源11から供給されるエアを調圧して基準圧にする機能を有する。そして、基準圧生成部12は、基準圧のエアを電空レギュレータ13aおよび13bに供給している。基準圧は、たとえば、予め設定された一定圧である。なお、基準圧生成部12には、図示省略したエアフィルタやミストセパレータなどが設けられていてもよい。
【0030】
電空レギュレータ13aおよび切替弁14aは、エアシリンダ5を制御するために設けられている。電空レギュレータ13aは、エアシリンダ5の推力を調整するために設けられている。この電空レギュレータ13aは、基準圧生成部12からの基準圧のエアを電気信号に応じて無段階で調圧して切替弁14aに供給するように構成されている。切替弁14aは、エアシリンダ5の作動方向を切り替えるために設けられている。この切替弁14aは、電磁制御式の5ポートバルブであり、2つの接続状態を切替可能に構成されている。
【0031】
そして、切替弁14aが第1接続状態の場合には、エアシリンダ5の空気室53と電空レギュレータ13aとが接続され、エアシリンダ5の空気室54がクリーナ15を介して大気開放される。この第1接続状態で電空レギュレータ13aから切替弁14aを介して空気室53にエアが供給されることにより、エアシリンダ5ではプッシュ方向(進出方向)に推力が発生する。また、空気室53のエア圧が電空レギュレータ13aによって調整されることから、エアシリンダ5の推力が電空レギュレータ13aによって制御される。
【0032】
その一方、切替弁14aが第2接続状態の場合には、エアシリンダ5の空気室54と電空レギュレータ13aとが接続され、エアシリンダ5の空気室53がクリーナ15を介して大気開放される。この第2接続状態で電空レギュレータ13aから切替弁14aを介して空気室54にエアが供給されることにより、エアシリンダ5ではプル方向(退避方向)に推力が発生する。また、空気室54のエア圧が電空レギュレータ13aによって調整されることから、エアシリンダ5の推力が電空レギュレータ13aによって制御される。
【0033】
電空レギュレータ13bおよび切替弁14bは、2つのエアシリンダ7を制御するために設けられている。電空レギュレータ13bは、エアシリンダ7の推力を調整するために設けられている。この電空レギュレータ13bは、基準圧生成部12からの基準圧のエアを電気信号に応じて無段階で調圧して切替弁14bに供給するように構成されている。切替弁14bは、エアシリンダ7の作動方向を切り替えるために設けられている。この切替弁14bは、電磁制御式の5ポートバルブであり、2つの接続状態を切替可能に構成されている。
【0034】
そして、切替弁14bが第1接続状態の場合には、2つのエアシリンダ7の空気室73と電空レギュレータ13bとが接続され、2つのエアシリンダ7の空気室74がクリーナ15を介して大気開放される。この第1接続状態で電空レギュレータ13bから切替弁14bを介して空気室73にエアが供給されることにより、エアシリンダ7ではプッシュ方向(進出方向)に推力が発生する。また、空気室73のエア圧が電空レギュレータ13bによって調整されることから、エアシリンダ7の推力が電空レギュレータ13bによって制御される。
【0035】
その一方、切替弁14bが第2接続状態の場合には、2つのエアシリンダ7の空気室74と電空レギュレータ13bとが接続され、2つのエアシリンダ7の空気室73がクリーナ15を介して大気開放される。この第2接続状態で電空レギュレータ13bから切替弁14bを介して空気室74にエアが供給されることにより、エアシリンダ7ではプル方向(退避方向)に推力が発生する。また、空気室74のエア圧が電空レギュレータ13bによって調整されることから、エアシリンダ7の推力が電空レギュレータ13bによって制御される。
【0036】
クリーナ15は、エアシリンダ5および7から放出されるエアを浄化するとともに、消音する機能を有する。
【0037】
このエア供給回路では、エアシリンダ5に供給されるエア圧とエアシリンダ7に供給されるエア圧とが個別に制御されるとともに、エアシリンダ5におけるエアの供給先とエアシリンダ7におけるエアの供給先とが個別に切り替えられるようになっている。
【0038】
−動作−
次に、
図1〜
図6を参照して、本実施形態による張力調整装置100の動作について説明する。なお、以下では、フィルム150の張力が第1範囲の場合についての動作例を説明した後に、フィルム150の張力が第2範囲の場合についての動作例を説明する。
【0039】
[フィルムの張力が第1範囲の場合]
まず、切替弁14b(
図3参照)が第1接続状態にされ、エアシリンダ7の空気室73(
図3参照)にエアが供給されることにより、
図1に示すように、エアシリンダ7のピストンロッド72がプッシュ方向(P2方向)に移動(進出)される。このため、アーム6が他方側(R2方向側)に回動されることにより、アーム6がアーム4と係合されない位置に配置される。すなわち、アーム6の係合部62がアーム4のカムフォロア42と干渉しない位置に退避される。
【0040】
このような係合部62が退避された状態で、
図4に示すように、エアシリンダ5のピストンロッド52がプッシュ方向(P1方向)に移動されると、アーム4がストッパ87に当接されるまで、ローラアーム2およびアーム4が一方側(R1方向側)に回動可能である。また、
図5に示すように、エアシリンダ5のピストンロッド52がプル方向(P3方向)に移動(退避)されると、アーム4がストッパ86に当接されるまで、ローラアーム2およびアーム4が他方側(R2方向側)に回動可能である。すなわち、アーム6に干渉されることなく、エアシリンダ5により、ダンサーローラ1を一方側限界位置(
図4に示す位置)と他方側限界位置(
図5に示す位置)との間で移動させることが可能である。
【0041】
そして、搬送されるフィルム150がダンサーローラ1に巻き掛けられ、そのフィルム150の張力が第1範囲で調整される場合には、切替弁14a(
図3参照)が第1接続状態にされ、エアシリンダ5の空気室53(
図3参照)にエアが供給されることにより、
図1に示すように、エアシリンダ5のピストンロッド52がプッシュ方向(P1方向)に押し出される。したがって、エアシリンダ5により、ローラアーム2を一方側(R1方向側)に回動させようとする力が加わるので、ダンサーローラ1を介して搬送されるフィルム150に張力が加えられる。このフィルム150の張力は、電空レギュレータ13a(
図3参照)によってエアシリンダ5が制御されることにより第1範囲(たとえば5〜150N)で設定される。
【0042】
このとき、ダンサーローラ1が回動軸3の真下に配置されている。そして、入出力速度差(たとえば、ダンサーローラ1の上流側に配置されて基準とされる第1駆動ローラ(図示省略)によるフィルム150の搬送速度と、ダンサーローラ1の下流側に配置されて第1駆動ローラを参照して駆動される第2駆動ローラ(図示省略)によるフィルム150の搬送速度との差)に起因してダンサーローラ1が変位(回動)すると、センサ83(
図2参照)によりダンサーローラ1の変位が検出され、そのダンサーローラ1の変位を打ち消すようにフィルム150の入出力速度差(第2駆動ローラによるフィルム150の搬送速度)が調整される。これにより、入出力速度差が発生しても補正される。
【0043】
[フィルムの張力が第2範囲の場合]
次に、フィルム150の張力が第1範囲よりも高い第2範囲で調整される場合には、切替弁14bが第2接続状態にされ、エアシリンダ7の空気室74(
図3参照)にエアが供給されることにより、
図6に示すように、エアシリンダ7のピストンロッド72がプル方向(P4方向)に移動され、アーム6が一方側(R1方向側)に回動されて係合部62がカムフォロア42に係合される。また、切替弁14aが第2接続状態にされ、エアシリンダ5の空気室54(
図3参照)にエアが供給されることにより、エアシリンダ5のピストンロッド52がプル方向(P3方向)に引き込まれ、アーム4のカムフォロア42が係合部62に押し付けられる。これにより、ローラアーム2およびアーム4がアーム6と一体的に回動されるようになる。このとき、エアシリンダ7により、ダンサーローラ1を一方側限界位置と他方側限界位置との間で移動させることが可能である。
【0044】
ここで、エアシリンダ5がローラアーム2を他方側(R2方向側)に回動させようとする力は、エアシリンダ7がローラアーム2を一方側(R1方向側)に回動させようとする力に比べて小さくされている。このエアシリンダ5の出力は、予め設定された一定値であり、アーム4をアーム6と一体的に回動させるのに必要十分な程度の値である。したがって、エアシリンダ7により、エアシリンダ5による力が打ち消され、ダンサーローラ1を介して搬送されるフィルム150に張力が加えられる。このフィルム150の張力は、電空レギュレータ13b(
図3参照)によってエアシリンダ7が制御されることにより第2範囲(たとえば150〜700N)で設定される。なお、このフィルム150の張力は、2つのエアシリンダ7の出力の合計分からエアシリンダ5の出力分を差し引いたものによるものである。
【0045】
このとき、ダンサーローラ1が回動軸3の真下に配置されている。そして、入出力速度差に起因してダンサーローラ1が変位すると、センサ83によりダンサーローラ1の変位が検出され、そのダンサーローラ1の変位を打ち消すようにフィルム150の入出力速度差が調整される。これにより、入出力速度差が発生しても補正される。
【0046】
−効果−
本実施形態では、上記のように、回動軸3と相対回動不能なアーム4と、アーム4に連結されたエアシリンダ5と、回動軸3と相対回動可能なアーム6と、アーム6に連結されたエアシリンダ7とが設けられ、かつ、アーム6がアーム4と係合可能に構成されるとともに、エアシリンダ7の受圧面積がエアシリンダ5に比べて広くされている。そして、フィルム150の張力が第1範囲で調整される場合には、アーム6がアーム4と係合されない位置に配置され、エアシリンダ5によってフィルム150の張力が調整される。また、フィルム150の張力が第1範囲よりも高い第2範囲で調整される場合には、アーム6がアーム4と係合され、エアシリンダ7によってフィルム150の張力が調整される。このように構成することによって、第1範囲についてはエアシリンダ5によって張力を調整するとともに、第2範囲についてはエアシリンダ7によって張力を調整することができるので、フィルム150の張力を広範囲かつ高精度に調整することができる。その結果、1台の張力調整装置100によってフィルム150の張力を広範囲かつ高精度に調整することができるので、装置の大型化を抑制するとともに、コストの上昇を抑制することができる。
【0047】
具体例としては、5〜700Nの範囲で張力を設定可能であり、張力比(設定可能な最高張力/設定可能な最低張力)が140になることから、張力を広い範囲で調整することができる。また、設定可能な張力範囲の下側の20%程度の範囲がエアシリンダ5によって調整されるので、張力を高い精度で調整することができる。すなわち、エアシリンダ7では張力を高い精度で調整することが困難な範囲についてはエアシリンダ5によって張力が調整される。
【0048】
また、本実施形態では、フィルム150の張力が第2範囲で調整される場合に、エアシリンダ5によってアーム4がアーム6に押し付けられることによって、入出力速度差に起因してダンサーローラ1が変位しても、アーム4および6が離間されることなく、アーム4および6を一体的に回動させることができる。これにより、ダンサーローラ1を用いた速度制御を適切に行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、エアシリンダ5が1つ設けられ、一対のアーム4の一方にエアシリンダ5が連結されることによって、エアシリンダ5の出力が比較的小さいことから、一対のアーム4の一方のみに入力されても、回動軸3が捩じられないので、一対のアーム4およびローラアーム2を連動させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、エアシリンダ7が2つ設けられ、一対のアーム6の両方にエアシリンダ7が連結されることによって、エアシリンダ7の出力が比較的大きくても、一対のアーム6の両方に入力が分散されるので、回動軸3が捩じられることがなく、一対のアーム6およびローラアーム2を連動させることができる。
【0051】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【解決手段】張力調整装置100は、ダンサーローラ1とローラアーム2と回動軸3とを備え、フィルム150の張力を調整するように構成されている。張力調整装置100は、回動軸3に相対回動不能に設けられたアーム4と、アーム4に連結されたエアシリンダ5と、回動軸3と相対回動可能に設けられ、アーム4と係合可能なアーム6と、アーム6に連結され、エアシリンダ5に比べて受圧面積が広いエアシリンダ7とを備える。張力調整装置100は、フィルム150の張力が第1範囲で調整される場合、アーム6がアーム4と係合されない位置に配置され、エアシリンダ5によってフィルム150の張力が調整され、フィルム150の張力が第2範囲で調整される場合、アーム6がアーム4と係合され、エアシリンダ7によってフィルム150の張力が調整される。