(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
仮想ショッピングカートへ自動的にデータ投入する改良スマート冷蔵庫(ESR)において、前記ESRはプロセッサと、前記仮想ショッピングカートと、前記プロセッサと通信するメモリとを含み、前記プロセッサは、
購入ログを前記メモリ内に格納するステップであって、当該購入ログは標的商品の購入履歴を含む、ステップと、
前記標的商品の最新の配送日と前記標的商品につき提案された次の配送日との間の現在の間隔を、前記標的商品の前記購入履歴に基づいて判定するステップと、
前記標的商品の購入傾向を前記現在の間隔と前記標的商品の前記購入履歴とに基づいて算出するステップと、
前記購入傾向が第1の基準を満たすとき、前記標的商品の購入のために当事者へ提示する目的で、前記標的商品を前記仮想ショッピングカートへ自動的に追加するステップと
を実行するようプログラムされる、ESR。
請求項1に記載のESRにおいて、前記プロセッサは、以前のn回の購入の平均必要度と以前のn回の購入の中間必要度との少なくとも一方を判定するよう更にプログラムされる、ESR。
改良スマート冷蔵庫(ESR)を用いて仮想ショッピングカートへ自動的にデータ投入するコンピュータ実装方法において、前記ESRはプロセッサと、前記仮想ショッピングカートと、当該プロセッサと通信するメモリとを含み、前記方法は、
前記ESRによって、購入ログを前記メモリ内に格納するステップであって、当該購入ログは標的商品の購入履歴を含む、ステップと、
前記標的商品の最新の配送日と前記標的商品につき提案された次の配送日との間の現在の間隔を、前記標的商品の前記購入履歴に基づいて判定するステップと、
前記標的商品の購入傾向を前記現在の間隔と前記標的商品の前記購入履歴とに基づいて算出するステップと、
前記購入傾向が第1の基準を満たすとき、前記標的商品の購入のために当事者へ提示する目的で、前記標的商品を前記仮想ショッピングカートへ自動的に追加するステップと含む、方法。
請求項12に記載のコンピュータ実装方法において、前記現在の間隔につき前記標的商品に対する現在の必要度を算出するステップを更に含み、前記標的商品の購入傾向を算出するステップは、前記算出された現在の必要度に更に基づいて前記購入傾向を算出することを含む、コンピュータ実装方法。
請求項12に記載のコンピュータ実装方法において、以前のn回の購入の平均必要度と以前のn回の購入の中間必要度との少なくとも一方を判定するステップを更に含む、コンピュータ実装方法。
コンピュータ実行可能な命令を含む少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体において、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると前記コンピュータ実行可能な命令は前記プロセッサに、
購入ログをメモリ内に格納するステップであって、当該購入ログは標的商品の購入履歴を含む、ステップと、
前記標的商品の最新の配送日と前記標的商品につき提案された次の配送日との間の現在の間隔を、前記標的商品の前記購入履歴に基づいて判定するステップと、
前記標的商品の購入傾向を前記現在の間隔と前記標的商品の前記購入履歴とに基づいて算出するステップと、
前記購入傾向が第1の基準を満たすとき、前記標的商品の購入のために当事者へ提示する目的で、前記標的商品を仮想ショッピングカートへ自動的に追加するステップを実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
請求項20に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、前記購入履歴は前記標的商品の複数回の購入と当該複数回の購入のそれぞれの日付とを含み、前記コンピュータ実行可能な命令は更にプロセッサに、
前記購入ログから、前記標的商品の連続的な購入の間の複数の購入間隔を判定するステップと、
前記複数の購入間隔のそれぞれでの前記標的商品に対する過去の必要度を算出するステップと、
前記購入傾向を、前記算出された過去の必要度に更に基づいて算出するステップと、
を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
請求項20に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、前記第1の基準は購入傾向の第1の閾値を含み、前記コンピュータ実行可能な命令は更に前記プロセッサに、前記購入傾向が前記第1の閾値を超えるとき、前記少なくとも1つの商品を前記仮想ショッピングカートへ自動的に追加させる、コンピュータ可読記憶媒体。
請求項27に記載のコンピューティング装置において、前記購入履歴は前記標的商品の複数回の購入と当該複数回の購入のそれぞれの日付とを含み、前記コンピューティング装置は更に、
前記購入ログから、前記標的商品の連続的な購入の間の複数の購入間隔を判定するステップと、
前記複数の購入間隔のそれぞれでの前記標的商品に対する過去の必要度を算出するステップと、
前記購入傾向を、前記算出された過去の必要度に更に基づいて算出するステップと、
を実行するよう構成されるコンピューティング装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の仮想ショッピングシステムは、ユーザが生活雑貨(例えば食料品、化粧品、掃除用具等)を購入することを可能にするユーザインタフェースを有する改良スマート冷蔵庫(ESR)を含む。当該購入は、ユーザインタフェースに関する又はユーザインタフェース上に存在する仮想ショッピングシステムによって直接的になされる。仮想ショッピングシステムはまた、少なくとも1つのプロセッサを含む。これは、購入パターンアルゴリズムを実行するためのものであり、ESRに含まれてよいし、ESRから遠隔であってよい。当該アルゴリズムによりESRは、特定の商品を消費者の仮想ショッピングカートに追加するか否かを判定することができる。例示的実施形態では、購入パターンアルゴリズムは購入パターンコンポーネントに含まれてよいし、又はその一部であってよい。当該アルゴリズムはプロセッサによって実行可能であり、本開示のステップを実行する。
【0012】
本開示で使用されるように、「購入パターン」は「使用パターン」を指してよい。というのも商品の購入は、典型的には商品を実際に使用した結果だからである。利用可能な商品一覧と実際の消費者行動(例えば消費者の使用又は購入パターン)とを示す入力データに基づいて、使用パターンコンポーネントは、特定の標的商品と特定の消費者とについて、予測購入傾向(すなわち、消費者が標的商品を自身のショッピングカートに追加する蓋然性)を出力するよう構成される。仮想ショッピングシステムは更にメモリ装置(例えばデータベース)を含む。当該メモリ装置はESRにて一点集中してよいしそうでなくてもよく、商品一覧と生活雑貨購入に関連するデータとを格納する。このことは、本開示にて十分に説明される。
【0013】
本開示のように、ESRは使用パターンコンポーネントを含む。これは使用パターンアルゴリズム(いくつかの実施形態では、カート投入アルゴリズム)を実装してよい。ESRは更に、オンラインショッピング機能(例えば「アプリ」又は他のプログラムとして改良スマート冷蔵庫へダウンロードされるソフトウェア)を含む。消費者はユーザインタフェースを用いて、当該機能と相互作用可能である。本開示では「改良スマート冷蔵庫」が開示されるが、本開示のESRの機能は他のスマート装置(例えばオーブン、電子レンジ等)上に実装されてよく、及び/又は、「スマートキッチン」に統合される他のコンピューティング装置(例えばスマートフォン、タブレット、デスクトップ、ラップトップ及び/又は専用「スマートホーム」コンピューティング装置)上に実装されてよい。ESRによって消費者は、オンライン商品一覧を有する複数の仮想販売者(すなわち、消費者がオンラインで販売者から購入を行うためにオンラインでの存在を有する販売者)と相互作用可能である。例示的実施形態では、ESRは販売者の商品一覧(及び他の複数の販売者の商品一覧)へアクセス可能である。商品カタログはESRに格納されてよいし、遠隔のデータベースに格納されてよい。商品一覧は、購入可能な様々な商品を分類するために使用される、構造化された体系を含む。例えば1つの商品一覧の体系は、階層的であってよい。例えば「牛乳」は、食料品→乳製品→牛乳というように分類されてよい。
【0014】
商品一覧はまた、利用可能な商品について、関連デフォルト半減期を含む。本開示で使用されるように、商品の「半減期」とは商品の初期購入時からの時間の長さであり、これは、典型的な消費者が商品の半分を消費した時点である。したがって、商品の半減期が過ぎた後、消費者はその商品を再度購入する蓋然性がある(というのも、例えば、消費者は再度その商品を必要とし又は欲するからである)。商品の「デフォルト半減期」は、使用パターンコンポーネントへの初期入力として、仮想ショッピングシステムによって生成される。デフォルト半減期は、商品の半減期についてのグローバルな(広範な)な予測であり、予測される、典型的な又は平均的な商品の消費に基づいて仮想ショッピングシステムによって生成可能である。商品のデフォルト半減期は任意の値(1日からn日まで)であってよい。ただしnは1より大きい整数値である。例えば1ガロンの牛乳はデフォルト半減期として7日が割り当てられてよい。他の実施形態では、商品一覧における全ての「乳製品」は、デフォルト半減期として7日が割り当てられてよい。商品一覧における全ての「香辛料」はデフォルト半減期として30日が割り当てられてよい(というのも少なくともいくつかの実施形態では、香辛料は1ガロンの牛乳又は1ブロックのチーズに比べて消費又は使用するのに時間がかかり、長い使用期間を有するからである)。ESRは商品につき割り当てられたデフォルト半減期を起点として使用し、又は、消費者の商品使用パターンについての初期予測を使用パターンコンポーネントへの初期入力として使用して、設定段階での使用パターンアルゴリズムを実装する。しかし、下記の通り、使用パターンアルゴリズムは自己改良的であり、1以上の繰り返しの後、実際の消費者の使用行動と連携する。仮想ショッピングシステムは商品一覧の体系を使用して、各デフォルト半減期を個別の商品又は商品群へ割り当ててよい。
【0015】
購入を行うために、消費者は販売者の商品一覧を検索し、商品を自身の仮想ショッピングカートへ追加する。消費者が、自身が欲する又は必要とする全ての商品をショッピングカートへ追加すると、消費者は、特定の販売者によって要求されるオンライン清算処理を開始してよい。ESRは消費者の購入履歴の購入ログを管理する。当該購入履歴はESRのユーザインタフェースを介して消費者によってなされた各購入を含む。例えばESRはどの商品を消費者が購入したか並びにその金額及び量、各商品の購入がいつ生じたか(例えば特定の日付又は曜日、特定の時刻)、消費者がどの販売者から購入したか、及び/又は購入商品の銘柄を、監視及び記録してよい。購入ログは、統合メモリ装置にてESRに格納されてよいし、遠隔データベースに格納されてよい。購入ログは標的商品の連続的購入間の間隔(例えば牛乳の購入の間隔は何日か)を追跡することを支援する。いくつかの実施形態では、ESRは更に、消費者の商品購入元である販売者によって更新され又は提供される配送ログを格納してよい。いくつかの商品は、(たとえ同時に購入されても)異なる時刻に配送されてよいので、配送ログは各商品に対応する実際の配送日の参照物として役立つ。
【0016】
ESRは使用パターンコンポーネントを使用して、標的商品を消費者の仮想ショッピングカートへいつ自動的に配置するかを判定するよう構成される。そのような自動ショッピングカートによるローディングは、消費者が、当該消費者が頻繁に使用し購入する主要商品をロードするのに特別有用である。というのも、消費者は、購入を希望する各商品について、購入の度に販売者の商品を検索する必要がもはやないからである。更にユーザはESRの内部又は外部にて商品を走査(スキャン)して、ESRへ購入及び/又は使用を示す必要がない。特に、使用パターンコンポーネントは、標的商品のデフォルト半減期と記録された消費者行動とを最初に考慮するアルゴリズムを使用して、標的商品の必要度を判定する。必要度は「現在の間隔」に関する。これは、次の数式1に示すように、本開示にて、最後の配送日と提案された配送日との間の日数として画定される。
【数1】
【0017】
現在の間隔は、ユーザの使用及び/又は購入行動に応じてESRによって判定される。例えばESRは、特定の販売者(ここからユーザはいつも又は頻繁に注文する)からの注文品が常に特定の曜日(例えば火曜)に配送され、又は特定のパターン若しくは間隔(例えば5日毎、毎週月曜、毎週水曜、毎週金曜等)に応じて配送されると判定してよい。いくつかの実施形態では、販売者は購入された商品の同日配送を行うよう構成されてよい。このとき「最後の配送日」は最後の購入日と同一であり、「提案された配送日」は提案された購入日と同一であってよい。他の実施形態では、購入と配送との間の間隔は1日又は2日であってよい。しかし、使用パターンコンポーネントは最後の配送と提案された次の配送との間の間隔だけを考慮するので、そのような購入と配送との不一致は、数式1の計算に影響しない。
【0018】
次いで、特定の標的商品についての現在の必要度が数式2によって算出される。ここでは、現在の必要度は、0と1との間の調整値として示される。
【数2】
ただし、
【数3】
である。
【0019】
N
currentintervalの値が0に近いことは、消費者が標的商品を大いに必要とすることを示す。その値が1に近いことは、消費者がそれほど必要としないことを示す。予測される間隔は、商品のデフォルト半減期に近い。上記の通り、商品一覧における各商品は、仮想ショッピングシステムによって生成されたデフォルト半減期を割り当てられてよい。ESRが消費者につき使用パターンアルゴリズムを最初に実装するとき、数式3における可変の「ProductHalfLife」がデフォルト半減期である。ESRが消費者からより多くの使用データ又は購入データを記録するにつれて、ProductHalfLifeは更新され、当該消費者につき商品の「実際の」半減期を反映する。換言すれば、ProductHalfLifeは更新され、特定の消費者が商品の半分を消費又は使用するのにどれほどの長さの時間(日数)がかかる蓋然性が高いかを反映する。これにより消費者は、どちらかと言えば、次の取引中に商品を購入する必要がある。このように、使用パターンコンポーネントへの入力、及び、それ故のそこからの出力は、消費者によって使用され及び/又は購入される各商品につき消費者の実際の使用行動へ継続的に適合される。
【0020】
例えば1ガロンの牛乳について検討する。上記の通り、1ガロンの牛乳はデフォルト半減期として7日を割り当てられてよい。現在の7日間隔は、最後の配送と提案された次の配送(このとき消費者は、どちらかと言えば、次の1ガロンの牛乳を購入する必要がある/購入したい)との間に存在する。1ガロンの牛乳は7日の半減期を有し、現在の間隔は7日である(すなわち、T
currentinterval=7)。
【数4】
したがって、
【数5】
であり、又は現在の間隔における商品の「必要度」は0.5であるので、消費者は1ガロンの牛乳を必要とする蓋然性が高い(もっとも必要度はそれほど高くない)。11日という現在の間隔(すなわち、購入間の、予測される、典型的な、又はデフォルトの間隔より十分に長い)を有する同一ガロンの牛乳については、次の通り必要度は一層大きい。
【数6】
11日の場合のN
currentintervalの調整値(0.33)は、7日の場合の調整値(0.5)よりもゼロに近いので、ESRは、11日の場合の購入間隔につき、1ガロンの牛乳についての消費者の必要度はより大きいと判定する。
【0021】
使用パターンコンポーネントは、特定の消費者の使用行動を記述するよう構成される。したがって、ESRは多くの以前の購入から、データを使用パターンコンポーネントへ入力してよい。例えばESRは以前の3つの購入から購入データを記録してよい。1回目の購入(3つの購入のうち「第1の購入」)については、1ガロンの牛乳の1回目の購入前に10日が経過した。3回の購入のうち2回目の購入については、8日が経過した(すなわち、1回目の購入と2回目の購入との間には8日の間隔があった)。3回の購入のうち3回目の購入については、9日が経過した(すなわち、2回目の購入と3回目の購入との間には9日の間隔があった)。1ガロンの牛乳については7日のデフォルト商品半減期を用いる。
【数7】
このため、上記3つの間隔に対する「平均必要度」は、次の数式4にしたがって算出される。
【数8】
したがって、平均必要度は次の通りである。
【数9】
【0022】
したがって、ESRは使用パターンアルゴリズムを使用して、現在の間隔についての必要度(数式2)を、以前の購入(この例では、3回の以前の購入)についての平均的必要度と比較するよう構成され、当該比較を0と1との間の値にマッピングして、商品についての購入傾向を判定する。購入傾向は次の数式5のシグモイド関数を用いて算出される。
【数10】
ただし、本開示において例示的に、aは任意の値として15に設定される。本開示の範囲を逸脱することなく、変数は任意の他の値であってよいことを理解されたい。1に近いP
productの値は、高い購入傾向を示す(次の購入にて消費者によって商品が購入される蓋然性が高い)。0に近い値は低い購入傾向を示す。使用パターンアルゴリズムは、数式5のシグモイド関数を使用する。これにより購入傾向は0と1との間で閉じ、全ての購入について単一の購入傾向閾値の使用が可能である。ESRは閾値として購入傾向を使用して、標的商品が消費者のショッピングカートに自動的に配置されるか否かを判定する。一実施形態では、P
productが0.5以上であれば、ESRは対応する標的商品を消費者のショッピングカートに自動的に配置する。もしP
productが0.5未満であれば、ESRは対応する標的商品をショッピングカートに配置しない。
【0023】
上記の通り0.41の平均必要度を有し、(11日の現在の間隔につき)0.33の現在の必要度を有する「1ガロンの牛乳」の例に戻ると、1ガロンの牛乳についての購入傾向は、数式5の使用パターンアルゴリズムを用いて次のように算出される。
【数11】
したがって、牛乳の購入傾向は非常に高い。よって消費者が次の購入時に牛乳を購入する蓋然性が高い。ESRは消費者のショッピングカートへ1ガロンの牛乳を配置する。1ガロンの牛乳の例が本開示で使用されるが、本開示の範囲は牛乳又は任意の他の商品に限定されないことを理解されたい。むしろ本開示の様々な実施形態は広範な商品に適用可能である。
【0024】
上記の通り、ESRは、購入された各商品につき過去の必要度(N
average)を記録する。このとき、過去の必要度はn回の以前の購入の移動平均として算出されてよいし、n回の以前の購入の移動中間値(これは数式5におけるN
averageに取って代わる、N
medianとして示される変数に対応する)として算出されてよい。一実施形態では、nは1より大きい整数値である。n回の以前の購入につき過去の必要度を追跡することにより、ESRは、各消費者の特定の必要度及び使用パターンを学習可能である。これは、特定の標的商品についての予測された使用又は購入間隔から逸れてよい。消費者がn回の購入を行う前に、ESRはデフォルト商品半減期(及びそれに応じて、当該デフォルト半減期に対応するデフォルト予測購入間隔)を、使用パターンアルゴリズムの起点として使用パターンコンポーネントへ入力してよい。したがって、ESRは標的商品に対する消費者の現在の必要度を、初期的に過大評価又は過小評価してよい。しかし、消費者がn回以上の購入を行った後、使用パターンアルゴリズムは実際の必要度と消費者の購入行動とに収束する。これにより学習された商品半減期と購入間隔とは、デフォルト値に取って代わり又はデフォルト値を無効にする。
【0025】
更に多くの以前の購入についてのnの値は上記の例では3である。しかし、nは任意の整数値であってよい。例示的実施形態では、nは少なくとも3である。これにより1つの非通常な間隔(例えば特段短い又は特段長い購入間隔)が購入傾向の算出で優位を占めることがない。いくつかの実施形態では、nは3と20との間の整数である。より具体的には、いくつかの実施形態では、nは3、5、7、10又は20であってよい。いくつかの実施形態では、nは標的商品及び/又は消費者に応じて変化してよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、使用パターンコンポーネントは購入された商品の量の変化を考慮するよう構成されてよい。例えば消費者は典型的には購入間隔毎に1ガロンの牛乳だけを購入するが、牛乳に対する割引又は取引の理由から、2以上のガロンの牛乳を購入してよい。使用パターンコンポーネントは追加の量を考慮し、次の購入間隔について、より低い購入傾向を出力するよう構成される。一実施形態では、使用パターンコンポーネントは次の調整「必要度」についての数式を使用する。
【数12】
この数式は、上記の数式2に取って代わる。Q
PRODUCTは、購入された商品の量の変化を考慮するよう構成される調整子である。上記の例を使用すると、1ガロンではなく2ガロンが購入される購入間隔(これはNの値を増加させる)については、算出される必要度は低い結果となる。それに応じて、使用パターンコンポーネントから出力される購入傾向は低い。
【0027】
いくつかの実施形態では、仮想ショッピングカートは順位付け又は強調機能を含んでよい。ここでは、差し迫った購入傾向のある(すなわち、消費者が提案された配送日までに商品を必要とする蓋然が高い)標的商品又は頻繁に購入される(すなわち、消費者により全ての又はほぼ全ての購入にて購入される)標的商品は、強調され又は仮想ショッピングカート内の商品リストの上部に配置されてよい。したがって、ESR又はユーザは、購入傾向の様々な閾値(これは商品が、ショッピングカートの強調領域又は非強調領域に追加されるか否かを示す)を画定してよい。例えば0.45と0.6との間の購入傾向P
productを有する商品については、ESRは当該商品を、ショッピングカートの非強調領域に配置するよう構成されてよい。例えば0.6より大きい購入傾向P
productを有する商品については、ESRは当該商品を、ショッピングカートの非強調領域に配置するよう構成されてよい。本開示で使用される値又は間隔は例示であり、何らの方法でも本開示を制限しないことを理解されたい。本開示で明示された以外の他の値、間隔又は閾値は、本開示の範囲を逸脱しない限り使用可能である。
【0028】
いくつかの実施形態では、仮想ショッピングカート内の追加領域は、様々な基準に応じて画定されてよい。例えば第1の又は強調領域は、第1の基準を満たす(例えば購入傾向の第1の閾値を超える)購入傾向を有する商品を含んでよい。第1の基準は購入の蓋然性が高いことに応じて画定される。使用パターンコンポーネントは、消費者の使用パターンに基づいて、消費者が次の配送日までに商品を必要とする蓋然性が高いことと、それに応じてESR上の次の購入にて当該商品を購入する蓋然性が非常に高いことを判定する。したがって、商品は仮想ショッピングカートの第1の領域(「必要商品」領域)に追加されてよい。「必要商品」領域は仮想ショッピングカートの購入領域に対応する。換言すれば、「必要商品」領域内の商品は、必要商品領域から削除されない限り、全体的に、次の購入時に消費者によって購入される。
【0029】
第2の又は非強調領域は、第2の基準を満たす(例えば所定の購入傾向範囲内にある)購入傾向を有する商品を含んでよい。第2の基準は購入傾向が低いことに応じて画定されてよい。特に、使用パターンコンポーネントは、消費者の使用パターンに基づいて、消費者が次の配送日までに商品を必要としないかもしれないが次の提案された配送日(「提案された第1の配送日」)とその後の配送日(「提案された第2の配送日」)との間に商品を必要とするかもしれないと判定する。したがって、商品は仮想ショッピングカートの第2の領域(「購入提案」領域)に追加されてよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ESRの使用パターンコンポーネントは更に、グローバルな使用又は購入傾向(例えば複数の消費者による使用傾向)に基づく追加の予測要素を含んでよい。より具体的にはESRは、特定の標的商品について、特定の商品が「任意の」仮想ショッピングカート内にある蓋然性を判定するよう構成されてよく、当該蓋然性を使用して、特定の商品を消費者へ提案してよい。当該消費者は、その標的商品を購入したことがない者(すなわち、自身のショッピングカートへその標的商品を追加したことがない消費者)である。上記の通り、そのような商品は仮想ショッピングカートの第2の領域(「購入提案」領域)へ追加されてよい。代替的に、そのような商品は仮想ショッピングカートの第3の領域(「新商品」領域)へ追加されてよい。当該領域は、消費者に対し、その商品は以前に購入されたことがないが消費者にとって興味深いことを示す。
【0031】
より具体的には、仮想ショッピングシステム(例えばESR及び/又は販売者)は、グローバル購入蓋然性p
inAnyCartを商品一覧内の各商品へ割り当ててよい。1ガロンの牛乳はグローバル購入蓋然性として、
を有する。というのも、ESRを用いる任意の消費者は1ガロンの牛乳を購入する蓋然性が非常に高いからである。しかし、他の商品(例えば1袋の米)は、消費者の仮想ショッピングカート内にある蓋然性が比較的低いので、
を有する。商品についてのグローバル購入蓋然性p
inAnyCartは、複数の消費者から収集されたデータに応じて判定されてよいし、又は予測値であってよい。ESRは商品を仮想ショッピングカートの「新商品」領域へ追加するよう構成されてよい。まず第一に、当該追加の方法は、商品が任意の仮想ショッピングカートにある蓋然性(グローバル購入蓋然性p
inAnyCart)に比例する。ESRはこの機能を実装して、消費者へ新商品を紹介し、又は消費者へ、仮想ショッピングカートを介して購入可能な商品であって消費者が気づいていなかった商品の利用可能性を報知する。例えば消費者は、キッチンペーパー又は食器洗い機用洗剤を、仮想ショッピングカートを介して購入可能であることに気づかなかったかもしれない。更にESRはこの機能を実装して、通常の購入周期では購入されない商品、及び、それ故消費者が購入する機会又は希望を未だ有していない商品(例えば季節性のある商品)を提案してよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ESRは、使用パターンコンポーネントによって実行可能なカート投入アルゴリズムである次の数式(7)に応じて、仮想ショッピングカートの第1の、第2の及び第3の領域(それぞれ「必要商品」、「提案商品」及び「新商品」)の1以上を生成してよい。
【数13】
ここで、thresholdは、どの商品がどの領域に追加されるかを画定する。thresholdは特定の値として画定されてよいし、及び/又は他のロジックを用いて画定されてよい。更に第2の及び/又は第3の領域は、領域に追加可能な商品の上限数を有してよい。消費者によってまだ購入されていない商品については、対応する購入傾向P
productはデフォルト半減期と現在の間隔とを用いて判定可能である(すなわち、消費者からの過去の必要度の判定は不要である)。
【0033】
一実施形態では、「必要商品」領域の閾値は、一定値(例えば0.5)であってよい。このとき、商品数の上限はなく、全ての商品は消費者によって少なくとも1回は以前に購入されたことがある。「提案商品」領域の閾値は、トップスコア(数式7の結果)を有する特定の商品数(例えば10又は15)であってよく、「必要商品」領域の閾値を満たさないものである。「新商品」領域の閾値は、一定値(例えば0.5)であってよい。このとき商品数の上限(例えば10又は15)が加えられ、全ての商品は消費者によって以前に購入されたことがない。これらの閾値基準は例示に過ぎないこと、及び、本開示の範囲から逸脱することなく、他の基準、閾値、値、間隔及び/又は商品上限数が使用可能であることを理解されたい。
【0034】
ESRは消費者からのフィードバックをカート投入アルゴリズムへ統合するよう構成される。このことは、使用パターンコンポーネントによって実装される。例えば一実施形態では、もし消費者が「新商品」領域から「必要商品」領域へ商品を追加しないとき、ESRは将来、消費者へその商品を売り込まない(例えばその特定消費者につきその商品のp
inAnyCartを0に設定してよい)。代替的に消費者は、その商品を「新商品」領域から積極的に削除してよい。ESRは将来、その商品を消費者へ売り込まないでよい。消費者は追加コマンドへのアクセスを有してよい。このため消費者は、所定の間隔の後、再度商品を購入する売り込みを受けるよう要求してよい(というのも例えば、消費者は既に異なるプラットフォーム(例えば実在の店舗)にてその商品を購入したかもしれないからである)。
【0035】
例示的実施形態では、ESRは更に、ESRの初回の使用時に(又はESRのリセット時に、又は、消費者による設定段階の再開要求時に)、初回の「登録」又は「設定」段階を消費者へ提供するよう構成されてよい。設定段階は、消費者がESRのユーザインタフェース上で複数の質問に回答するよう促し、ESRの様々な設定を初期化する。設定段階は、ESRを使用する家族に関連する質問(例えば「あなたの家族は何人ですか?」、「あなたの家族の年齢はいくつですか?」、「23乃至35歳の人はあなたの家族に何人いますか?」等)を含んでよい。様々な実施形態では、回答は整数(例えば家族は「5」人)、範囲(例えば1人が23乃至35の範囲)、又は特定の選択肢(例えばチェックボックスをチェックするか、ラジオボタンを選択する)にて提供可能である。設定段階は更に、ESRを使用する家族のメンバーの特定の食事制限に関連する質問(例えば「家族の任意のメンバーはコーシャ、ハラル、菜食主義者、低ナトリウム、又はグルテンフリーですか?」及び/又は「家族の任意のメンバーのアレルギーを挙げて下さい」)を含んでよい。消費者は設定段階中に提供される質問を、希望する範囲で少なく又は多く回答してよい。例えば、もし消費者が回答を希望しないのなら、「この質問をとばす」との選択肢を選択してよい。あるいは消費者が任意の設定に関する質問に回答したくないなら、「設定をとばす」との選択肢を選択可能である。設定段階中にはより少ない又は追加的な質問が尋ねられてよいことと、開示される例は例示にすぎないことを理解されたい。
【0036】
いくつかの実施形態では、設定段階中になされる回答は、使用パターンアルゴリズム及び/又はカート投入アルゴリズム内の特定の初期変数に影響してよい。例えばデフォルト半減期は、家族の人数に応じて増減してよい。初期の購入間隔は家族の人数に応じて増減してよい。アレルギー又は他の制限物質を含む特定の商品はゼロのp
inAnyCartを付与されてよい。これによりそれらの商品は家族に提案されない。及び/又は、幼い子どもがいない家族に提案される特定の商品が、(幼児、歩き始めの子どもを含む)別の家族に提案されてよい。
【0037】
次の実施形態は、様々なユースケース(1ガロンの牛乳という例示的標的商品を含む)に適用される使用パターンアルゴリズムの異なる変形例を開示する。より具体的には、実施形態1は、牛乳について予期される又は典型的な間隔で牛乳を使用し及び/又は購入する第1の消費者の使用行動を示す。実施形態2は、第2の消費者の使用行動を示す。当該第2の消費者の購入間隔は、牛乳について予測される購入間隔の2倍長い。実施形態3は、何回かの購入間隔の後に自身の使用行動を変える第3の消費者の使用行動を示す。実施形態4は、短い間隔で(例えば特別なイベント時に)牛乳を購入する第4の消費者の使用行動を示す。実施形態5は第5の消費者の使用行動を示す。当該第5の消費者の購入間隔は、牛乳につき予測される購入間隔のおよそ半分である。実施形態6及び7は、使用パターンコンポーネントが、購入量を購入傾向の算出においてどのように考慮するかを示す。
【0038】
[実施形態1]
次の表(表1)は、ESRの使用パターンコンポーネントがどのように使用パターンアルゴリズムを実装するかを示す。当該アルゴリズムは、第1の消費者による一意の使用行動を考慮して、第1の消費者の仮想ショッピングカートへと、この例では1ガロンの牛乳を自動的にロードする。更に、表1内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
average又は移動平均を使用して、合計10の購入間隔に亘って、第1の消費者の現在の必要度を記述する。表1は、n=3、5及び10のときに使用パターンコンポーネントがどのように振る舞うかを示す。この実施形態では、牛乳のデフォルト半減期には7日が割り当てられる。したがって、H
milkは約0.9057である(数式3参照)。
【表1】
【0039】
第1の消費者の購入間隔は「予測」購入間隔に近い。換言すれば、第1の消費者は、商品のおよそのデフォルト半減期である間隔にて牛乳を使用及び購入する。次いで、もし現在の間隔が約7日以上であれば、第1の消費者はスマート冷蔵庫上での次の購入時に牛乳を購入する蓋然性が高い。しかし、もし現在の間隔が7日未満ならば、第1の消費者が次の購入時に牛乳を購入する蓋然性は低い。表1にて、購入傾向P
milk列内の値は、そのすぐ左の列内の移動平均値N
averageを用いて算出される。*(アスタリスク)で示される値は、ESRがその間隔にて、牛乳を第1の消費者のショッピングカートに追加するよう構成されることを示す。この実施形態では、0.5以上のP
milkについては、ESRは牛乳を第1の消費者の仮想ショッピングカートへ追加するよう構成される。
【0040】
図示される多くの間隔については、P
milkは非常に類似し、同一間隔の全てにおいて、1つを除いて、仮想ショッピングカートへの牛乳の追加が実行される。8番目の購入間隔については、n=3のときの移動平均必要度についてのP
milk、3は、仮に間隔が6日だけであっても、仮想ショッピングカートへ牛乳を追加させる。このことは、3より大きいn値を使用することは、移動平均必要度に関しては、より有用であることを示し、潜在的には商品をカートへ早期に追加することを防ぐ。
【0041】
表2内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
medianを使用し、又は「移動中間値」を使用して、表1に示す10もの購入間隔に亘って第1の消費者の現在の必要度を記述する。表2は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。
【表2】
【0042】
P
milkの結果は表1のそれと類似する。ESRは、第2、第3、第4、第7及び第9の間隔中に、使用パターンアルゴリズムの6つ全ての変形例(変形例3つは表1に示され、変形例3つは表2に示される)を用いて、第1の消費者の仮想ショッピングカートへの牛乳の追加を動作させる。しかし、n=3につきN
medianを使用するアルゴリズムはまた、6日の購入間隔(表2に示す8番目の間隔)につきカートへの牛乳の追加を動作させ、同じことが6日の購入間隔につき、n=5日のN
medianを用いて生じる。
【0043】
表1及び表2の結果によれば、使用パターンアルゴリズムは、所定間隔での購入傾向の「過大予測」を促進し、又は、消費者が商品の購入を希望する前に商品をカートに追加することを促進する。したがって、第1の消費者は閾値P
milkを例えば0.52に調整することを希望する。これにより表1及び表2に示す「偽陽性」が排除される。代替的に、第1の消費者は、自身の仮想ショッピングカートから手動で牛乳を削除してよい。ESRは当該削除を学習し、第1の消費者からの直接の指示なく、閾値P
milkを調整してよい。
【0044】
[実施形態2]
次の表(表3)は、ESRの使用パターンコンポーネントがどのように使用パターンアルゴリズムを実装するかを示す。当該アルゴリズムは、予測購入間隔より長い間隔を有する第2の消費者の一意の使用行動を考慮する。表3内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
average又は移動平均を使用して、合計10の購入間隔に亘って、第2の消費者の現在の必要度を記述する。表3は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。この実施形態では、牛乳のデフォルト半減期には7日が割り当てられる。したがって、H
milkはおよそ0.9057である(数式3を参照)。
【表3】
【0045】
より長い購入間隔(牛乳についての7日のデフォルト半減期の2倍)を有する第2の消費者については、使用パターンアルゴリズムはおよそ4つの間隔をかけて調整される。移動平均がn=5又は10の購入間隔を含むとき、18日という4番目の間隔についての結果が、より正確と思われる。n=3の購入間隔を考慮するときアルゴリズムはカートへの牛乳の追加を実行するが、P
milkはもっと高いはずである(P
milk、5とP
milk、10について見られる)。また、算出においてより多くの購入間隔を用いることは、更なる「偽陽性」を回避する(このことは、12日という8番目の購入間隔につき示される。ここでは、n=5又は10の購入間隔を使用することは、牛乳の追加を実行させないが、n=3の購入間隔では当該追加を実行させる)。
【0046】
表4内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
median又は「移動中間値」を使用し、表3に示す10もの購入間隔に亘って第2の消費者の現在の必要度を記述する。表4は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。
【表4】
【0047】
実施形態1に関して上記に示されるように、使用パターンアルゴリズムは、所定の間隔で購入傾向の「過大予測」を促進してよい。したがって、第2の消費者は、12日という間隔中に(あるいは第2の消費者が牛乳の購入を希望しないときに)自身のショッピングカートから牛乳を手動で削除してよい。ESRは当該削除を学習し、第2の消費者からの直接の指示なく、閾値P
milkを(例えば0.52へ)調整してよい。代替的に、もし使用パターンアルゴリズムがN
averageでなくN
medianを使用するとき、ESRは0.51又は0.52の閾値P
milkをデフォルトとしてよい。
【0048】
[実施形態3]
次の表(表5)は、ESRの使用パターンコンポーネントがどのように使用パターンアルゴリズムを実装するかを示す。当該アルゴリズムは、15の購入間隔の後に、2倍の長さの間隔を有する購入間隔を有する、第3の消費者の一意の使用行動を考慮する。表5内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
average又は移動平均を使用して、合計25の購入間隔に亘って、第3の消費者の現在の必要度を記述する。表5は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。この実施形態では、牛乳のデフォルト半減期には7日が割り当てられる。したがって、H
milkはおよそ0.9057である(数式3を参照)。
【表5】
【0049】
表5の結果は、少なくともいくつかの実施形態では、n=10の購入間隔を使用することが使用パターンアルゴリズムの柔軟性を減ずることを示す。当該アルゴリズムにつき0を使用することは類似の結果を生成するが、それは、5つの購入間隔をかけてn=10のときの第3の消費者の2倍の間隔へと調整される。一方でn=3又は5を使用することによってアルゴリズムは、3つの購入間隔にて調整される。このとき新たな使用行動が当該アルゴリズムでの算出において優位である。
【0050】
表6内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
median又は「移動中間値」を使用し、表5に示す25もの購入間隔に亘って第3の消費者の現在の必要度を記述する。表6は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。
【表6】
【0051】
図5に関して上記した内容に類似して、表6に示すように、少なくともいくつかの実施形態では、n=10の購入間隔を使用することは、使用パターンアルゴリズムの柔軟性を減ずる。n=10のときの第3の消費者の購入間隔の2倍に調整されるまで5つの購入間隔がかかるが、n=3又は5を使用することによってアルゴリズムは約3つの購入間隔で調整される。
【0052】
したがって、例示的実施形態では、使用パターンアルゴリズムは、N
averageかN
medianかにかかわらずn=5を使用することをデフォルトとしてよい。というのも、5つの購入間隔を用いることで、アルゴリズムは変化する行動に対して柔軟となり、過剰な偽陽性を回避できるからである。
【0053】
[実施形態4]
次の表(表7)は、ESRの使用パターンコンポーネントがどのように使用パターンアルゴリズムを実装するかを示す。当該アルゴリズムは、通常でない2つの短い購入間隔(例えば特別なイベント)を有する第4の消費者の一意の使用行動を説明する。表7内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
average又は「移動平均値」を使用して、合計20の購入間隔に亘って、第4の消費者の現在の必要度を記述する。表7は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。この実施形態では、牛乳のデフォルト半減期には7日が割り当てられる。したがって、H
milkはおよそ0.9057である(数式3を参照)。
【表7】
【0054】
表8内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
median又は「移動中間値」を使用し、表7に示す20もの購入間隔に亘って第4の消費者の現在の必要度を記述する。表8は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。
【表8】
【0055】
少なくともいくつかの実施形態では、移動中間値を使用することによって、移動平均値を使用するよりも使用パターンアルゴリズムが柔軟になる。中間値の数学的特性に基づいて、特にn>3の場合、より短い変則的購入間隔は、通常の使用パターンを上回らない。
【0056】
[実施形態5]
次の表(表9)は、ESRの使用パターンコンポーネントがどのように使用パターンアルゴリズムを実装するかを示す。当該アルゴリズムは、商品についての予測購入間隔よりも短い(およそ半分の長さの)購入間隔を有する第5の消費者の一意の使用行動を説明する。表9内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
average又は「移動平均値」を使用して、合計10の購入間隔に亘って、第5の消費者の現在の必要度を記述する。表9は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。この実施形態では、牛乳のデフォルト半減期には7日が割り当てられる。したがって、H
milkはおよそ0.9057である(数式3を参照)。
【表9】
【0057】
第5の消費者に関する実施形態では、概して、もし現在の間隔が3.5日より大きければ、第5の消費者が次の購入時に牛乳を購入する蓋然性が高いことが想定される。もし現在の間隔が3.5日より小さければ、第5の消費者が次の購入時に牛乳を購入する蓋然性が低いことが想定される。N
averageを使用する使用パターンアルゴリズムは、約4つの購入間隔をかけて、一意の購入パターンへ調整される。
【0058】
表10内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
median又は「移動中間値」を使用し、表9に示す10もの購入間隔に亘って第5の消費者の現在の必要度を記述する。表10は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。
【表10】
【0059】
表9及び10の結果に基づいて、少なくともいくつかの実施形態では、平均値でなく中間値を使用することで、使用パターンアルゴリズムは、4周期でなく約3周期をかけて、より迅速に第5の消費者の一意の使用行動に収束することができる。
【0060】
[実施形態6]
次の表(表11)は、ESRの使用パターンコンポーネントが、異なる量の商品に対する通常でない購入において、考慮すべき使用パターンアルゴリズムをどのように実装するかを示す。表11内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
average又は「移動平均値」を使用して、合計15の購入間隔に亘って消費者の現在の必要度を記述する。表11は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。この実施形態では、牛乳のデフォルト半減期には7日が割り当てられる。したがって、H
milkはおよそ0.9057である(数式3を参照)。
【表11】
【0061】
移動平均必要度を使用する使用パターンアルゴリズムは、いくつかの購入間隔(n=3につき3つの間隔の間、n=10につき5つの間隔の間)をかけて、0.5ガロンの牛乳に対する単一の非通常購入を記述する(これは、典型的な1ガロンとは反対である)。しかし、2つの連続した非通常周期の後に、使用パターンアルゴリズムは、(1又2の購入間隔内で、)まず2ガロンの購入へ収束し、その後0ガロンへ迅速に収束する。
【0062】
表12内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
median又は「移動中間値」を使用し、表11に示す15もの購入間隔に亘って消費者の現在の必要度を記述する。表12は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。
【表12】
【0063】
使用パターンアルゴリズムは、移動平均必要度を使用しており、0.5ガロンの牛乳に対する単一の非通常購入へ、ほぼ反応しない。n=3のときのみ、アルゴリズムは影響を受ける(3周期後)。更に、2つの連続した非通常周期の後に、使用パターンアルゴリズムは、(1つの購入間隔内で、)まず2ガロンの購入へ収束し、その後0ガロンへと迅速に収束する。
【0064】
[実施形態7]
次の表(表13)は、ESRの使用パターンコンポーネントが、購入される商品の量が計画的に変化するときに、考慮すべき使用パターンアルゴリズムをどのように実装するかを示す。表13の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
average又は移動平均を使用して、合計15の購入間隔に亘って消費者の現在の必要度を記述する。表13は、n=3、5及び10のとき使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。この実施形態では、牛乳のデフォルト半減期には7日が割り当てられる。したがって、H
milkは0.9057である(数式3を参照)。
【表13】
【0065】
実施形態6においては、移動平均必要度を使用する使用パターンアルゴリズムは、いくつかの購入間隔(n=3につき3つの間隔、n=10につき少なくとも7つの間隔)をかけて、購入される牛乳は新たな量へ調整される。
【0066】
表14内の値を生成するために使用される使用パターンアルゴリズムは、N
median又は「移動中間値」を使用し、表14に示す15もの購入間隔に亘って第5の消費者の現在の必要度を記述する。表14はn=3、5及び10のときに使用パターンアルゴリズムがどのように振る舞うかを示す。
【表14】
【0067】
移動平均必要度ではなく移動中間必要度を使用する使用パターンアルゴリズムは、より短い間隔をかけて、新たな商品量(すなわち、n=3のときの2つ(3つでない)の購入間隔から、n=10のときの6つ(少なくとも7つではない)の購入間隔まで)を考慮する。
【0068】
したがって、上記の全ての様々な実施形態を考慮すると、例示的実施形態では、ESRの使用パターンコンポーネントによって実装される使用パターンアルゴリズムは、n=5につきN
medianを使用する。代替的実施形態では、他のN及び/又はn値が使用されてよい。代替的に又は追加的に、使用パターンアルゴリズムは、ユーザ入力(例えばユーザが手動でカートへ商品を追加し又はカートから商品を削除すること)に応じて、他のN及び/又はn値を使用してよい。
【0069】
本開示の方法及びシステムは、コンピュータプログラミング又はエンジニアリング技術(コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びそれらの組合せ若しくはサブセットを含む)を使用して実装可能である。本システムによって解決される少なくとも1つの技術的問題は次のものを含む。すなわち、(i)仮想ショッピング機能を欠く従来のスマート冷蔵庫と、(ii)オンラインショッピングシステムにおいてユーザが自身の仮想ショッピングカートへ追加すべき各商品を手動で検索しなければならないという不都合と、(iii)ユーザが手動で検索して自身の仮想ショッピングカートへ投入するための処理要件が増大すること、である。
【0070】
本開示のシステム及び方法の技術的効果は、次のステップの少なくとも1つを実行することで実現される。すなわち、(a)購入ログをメモリ内に格納することであって、当該購入ログは標的商品の購入履歴を含むこと、(b)標的商品の最新の発送日と標的商品につき提案された次の発送日との間の現在の間隔を、標的商品の購入履歴に基づいて判定すること、(c)標的商品の購入傾向を、現在の間隔と標的商品の購入履歴とに基づいて算出すること、及び/又は、(d)購入傾向が第1の基準を満たすとき、標的商品の購入のために当事者へ提示する目的で、仮想ショッピングカートへ標的商品を自動的に追加すること、である。
【0071】
実現される、結果的な技術的効果は次の少なくとも1つである。すなわち、(i)オンラインショッピング機能を有する改良スマート冷蔵庫を提供すること、(ii)予測アルゴリズムを適用して消費者の仮想ショッピングカートへ事前投入を行う使用パターンコンポーネントを含む改良スマート冷蔵庫であって、消費者の時間及び作業を節約して、仮想ショッピングシステムに亘って、時間の増大や不要なユーザクエリに対する処理要件を最小限にする、冷蔵庫。
【0072】
本開示の仮想ショッピングシステムがユーザについての個人情報を収集し、又は個人情報を利用する状況において、ユーザはプログラム又は機能がユーザ情報を収集するか否かを制御する機会を与えられてよい。更に特定のデータが、格納又は使用される前に1以上の方法で処理されてよい。この結果、個人を識別可能な情報が削除される。例えばユーザのアイデンティティは、当該ユーザにとって個人を識別可能な情報が何ら判定されないように処理されてよい。また、ユーザの地理的位置は位置情報が取得される位置にかかわらず(例えば都市、郵便番号、又は市のレベルで)概略化されてよい。この結果、ユーザの特定の位置は判定不可能である。したがって、ユーザは、当該ユーザについての情報がどのように収集されるか及び仮想ショッピングシステムによってどのように使用されるかについて、制御可能である。
【0073】
一実施形態では、コンピュータプログラムが提供される。当該プログラムはコンピュータ可読媒体上に実装される。一実施形態では、仮想ショッピングシステムは、サーバコンピュータへの接続を要求すること無く、単一のコンピュータシステム上で実行される。別の実施形態では、システムはWindows(登録商標)環境内で実行される(Windowsはワシントン州のレドモンドにあるMicrosoft社の登録商標である)。別の実施形態では、システムはメインフレーム及びUNIX(登録商標)サーバ環境上で駆動される(UNIXはニューヨーク州のニューヨークに位置するAT&Tの登録商標である)。アプリケーションは柔軟であり、様々な異なる環境内で駆動するよう設計される。このとき、任意の主要な機能は損なわれない。いくつかの実施形態では、仮想ショッピングシステムは、複数のコンピューティング装置に亘って分散される複数のコンポーネントを含む。1以上のコンポーネントは、コンピュータ可読媒体内で実装されるコンピュータ実行可能な命令の形態である。システム及び処理は本開示の特定の実施形態に限定されない。更に各システム及び各プロセスのコンポーネントは、本開示の他のコンポーネント及び他のプロセスから独立且つ分離して実行可能である。各コンポーネント及びプロセスはまた、他のアセンブリパッケージ及び処理と組合せて使用可能である。
【0074】
次の詳細な説明は、実施形態を例示的に示すものであり、制限するものではない。本開示は、産業用途、商業用途及び居住用途において、購入パターンの処理に対し一般に適用可能であることを理解されたい。
【0075】
本開示で使用されるように、単数形で記載され「1(一)」で始まる要素又はステップは、複数の要素又はステップを排除しないものとして理解されたい。ただし、そのような排除が明示的に記載される場合を除く。更に、本開示の「例示的(な)実施形態」又は「一実施形態」との用語は、記載された機能を導入する追加の実施形態が存在することを排除するものと解釈してはならない。
【0076】
図1は使用パターン機能を有する改良スマート冷蔵庫(ESR)102を含む仮想ショッピングシステム100のブロック図である。仮想ショッピングシステム100はまた、ESR102と通信する販売者コンピューティング装置104を含む。ESR102は、スマート冷蔵庫に実装されるものとして
図1に示される。しかし、1以上の代替実施形態では、ESR102は他のスマート装置(例えばオーブン、電子レンジ等)に実装されてよく、及び/又は、「スマートキッチン」に統合され及び/又は「スマートキッチン」の1以上のコンポーネントと通信するコンピューティング装置(例えばスマートフォン、タブレット、デスクトップ、ラップトップ及び/又は専用「スマートホーム」コンピューティング装置)上に実装されてよい。ESR102は、様々な事項についての情報を含むデータベース(メモリ)108に接続されるプロセッサ106を含む。このことは下記で詳述される。一実施形態では、データベース108はESR102上に格納される。任意の代替的実施形態では、データベース108はESR102から遠隔に格納され、一点に集中されなくてよい。
【0077】
ESR102は更に、ESR102とのユーザインタラクションを容易にするユーザインタフェース110を含む。例えばユーザインタフェース110は、ユーザがESR102へ情報を入力することを可能にし、また、ESR102がユーザへ(例えばユーザインタフェース110の表示装置上で)結果を出力することを可能にする。ESR102はインターネットへ接続するよう構成される。このためESR102はユーザインタフェース110を介してユーザへオンラインショッピング機能を提供する。開示される実施形態では、ESR102は前面又は前壁120を含み、少なくとも2つの側面又は側壁122(そのうち一方だけが
図1に示される)を含む。前壁120は第1の扉124と第2の扉126とを含む。第1の扉124はESR102の冷蔵庫部分(不図示)への扉であってよい。第2の扉126はESR102の冷凍庫部分(不図示)への扉であってよい。様々な他の扉構成(より多い又は少ない扉数や、ちょうつがい式の扉でなく引き出し型の面等)が本開示の範囲内に含まれてよいことを理解されたい。例えばESR102は2つの「観音開きの扉」と引き出し型の冷凍庫とを特徴とする3ドア構成を含む。
【0078】
第1の扉124と第2の扉126との少なくとも1つは、扉に埋め込まれたモニタ128を含む。モニタ128はユーザインタフェース110として機能し、タッチスクリーン機能を含んでよい。いくつかの実施形態では、モニタ128は側壁122の1つへ埋め込まれてよい。更にいくつかの実施形態では、ESR102は2以上のモニタ128及び/又は他の入出力コンポーネント(例えばキーボード)を含んでよい。
【0079】
例示的実施形態では、販売者コンピューティング装置104は販売者(不図示)と関連付けられる。ESR102はユーザインタフェース110を介して販売者コンピューティング装置104へのアクセスを容易にする。すなわち、ユーザは販売者の仮想販売機能へアクセスする。ESR102は販売者コンピューティング装置104へアクセスしてデータ(例えば販売者に関連付けられた商品一覧)にアクセスし、及び/又は、販売者の仮想販売機能(例えば販売者のオンライン店舗)へアクセスする。例示的実施形態では、販売者コンピューティング装置104はウェブブラウザ又はソフトウェアアプリケーションを含むコンピュータであり、ESR102が販売者のオンライン店舗へアクセスすることを可能にする。より具体的にはESR102及び/又は販売者コンピューティング装置104は、多くのインタフェース(これは、少なくとも1つのネットワーク(これは例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、サービス総合デジタル網(ISDN)、ダイヤルアップ接続、デジタル加入者線(DSL)、セルラ電話接続及びケーブルモデム等を含む)を介してインターネットへ通信可能に接続されてよい。したがって、一実施形態では、販売者コンピューティング装置104はインターネットへ相互接続可能な任意の装置(これは、販売時点(POS)端末、モバイルコンピューティング装置(例えばノートパソコンコンピュータ、ウェブベース電話、個人情報端末(PDA)又は他のウェブ接続可能な装置))であってよい。
図1には販売者コンピューティング装置104が1つだけ示される。しかし、ESR102は任意の数の販売者コンピューティング装置104と通信してよいことを理解されたい。
【0080】
したがって、ユーザは、仮想ショッピングカートへ商品を追加して清算処理を経ることによって、ユーザインタフェース110を介して販売者コンピューティング装置104から購入(例えば食料雑貨、健康管理品、及び他の生活雑貨の購入)を行ってよい。ユーザは、ESR102によって例えばデータベース108に格納可能な商品一覧から、どの商品を購入するかを選択可能である。当該商品一覧は販売者コンピューティング装置104によって(中央にて又は例えばデータベース108にて)格納され及び/又は維持されてよい。商品一覧は、どの商品が売り出されているか、商品の金額、利用可能な商品の販売者、及び/又は利用可能な量を含む。商品一覧は階層体系に応じて商品を分類してよい。これにより商品はユーザによって容易に検索可能であり、及び/又は、類似商品と共に分類されてよい。更に商品一覧は、上記の通り、各商品のデフォルト半減期を含んでよい。デフォルト半減期はESR102及び/又は販売者コンピューティング装置104によって各商品に割り当てられてよい。
【0081】
ESR102はユーザインタフェース110上でなされたユーザの購入についての購入ログを格納するよう構成されてよい。ESR102は例えばデータベース108に購入ログを格納してよい。購入ログは1以上の標的商品の購入履歴を含んでよい。より具体的には、購入履歴は、どの商品がどの販売者からいつ購入されたかや(例えば特定の日付、曜日、時刻等)、購入された各商品の量を詳述する。ユーザがユーザインタフェース110を用いて購入を継続すると、ESR102は連続的な購入間で、購入間隔又は日数(若しくは時間、分、週等)を記録する。購入間隔は各個人ユーザによる商品の使用及び購入行動を特徴付けるために使用される。本開示で更に開示されるように、ESR102は複数の購入間隔のそれぞれにおいて、ユーザの一意の使用行動に応じ、デフォルト半減期に基づいて、商品に対する過去の必要度を算出するよう構成される。デフォルト半減期は「初期必要度」を算出するための初期の起点として使用されるが、ユーザの実際の使用行動によって、後の算出によって迅速に無効にされる。
【0082】
ESR102は更に、格納され及び/又は算出されたデータを使用するよう構成され、ユーザが、最新の購入日と提案された次の購入日との間に商品を使用した蓋然性が高いか否かを(その特定のユーザについての過去の必要度と購入間隔とに基づいて)判定する。ESR102は使用パターンコンポーネント112を含み、使用パターンアルゴリズムを実行する。その出力が購入傾向であり、ユーザは当該商品を次の購入時に購入する蓋然性が高い(換言すれば、ユーザがその商品を消費し且つそれを再度必要とする)か否かを記述する。もし購入傾向が所定の基準を満たせば(例えば、ESR102及び/又はユーザによって設定可能な特定の閾値を満たし又は超えれば)、ESR102は商品をユーザの仮想ショッピングカートへ自動的に追加する。当該仮想ショッピングカートはユーザインタフェース110を介してユーザにとってアクセス可能である。使用パターンコンポーネント112はプロセッサ106の実行可能モジュールとして、及び/又は、ESR102にとって必須な及び/又はそれに接続される別のコンポーネントとして、実装されてよい。
【0083】
ESR102は更に、販売者コンピューティング装置104へアクセスするよう構成され、関連付けられた販売者から仮想ショッピングカートへ追加された商品の利用可能性を判定する。ESR102が商品は利用不可能であると判定すると、ESR102は当該商品を仮想ショッピングカートから削除し、代替商品を仮想ショッピングカートへ追加する。当該代替商品は異なる種類であってよいし、類似商品であってよい。ESR102は、提案商品又は強調商品として代替商品を仮想ショッピングカートへ追加するよう構成される。このため、ユーザは代替商品を購入することを承認可能であり、又は、代替商品を仮想ショッピングカートから削除可能である。
【0084】
図2は
図1に示す使用パターン機能を有するESR102の例示的実施形態のブロック図である。
図2に示すESR102のコンポーネントは、代替コンピューティング装置に実装されてよい。当該代替コンピューティング装置は、スマート冷蔵庫(これは、他のスマート装置、ユーザコンピューティング装置、モバイルコンピューティング装置(例えばスマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップ、「ウェアラブル」等)及び/又は、スマートキッチン又はスマートホームに統合された専用コンピューティング装置(例えば「スマートホームハブ」))を含むが、これらに限定されない。ESR102はユーザ200によって操作される。ESR102は命令を実行するためのプロセッサ205を含む。プロセッサ205は(
図1に示す)プロセッサ106に類似してよい。いくつかの実施形態では、実行可能な命令はメモリ領域210に格納される。プロセッサ205は(例えばマルチコア構成にて)1以上の処理部を含んでよい。メモリ領域210は任意の装置であり、情報(例えば実行可能な命令及び/又は他のデータ)が格納及び検索されることを可能にする。メモリ領域210は1以上のコンピュータ可読媒体を含んでよい。プロセッサ205は本開示の態様を実装するためのコンピュータ実行可能な命令を実行する。いくつかの実施形態では、プロセッサ205は、コンピュータ実行可能な命令を実行することによって又はそれ以外の方法でプログラムされることによって、特定用途マイクロプロセッサに変形される。例えばプロセッサ205は
図4に示されるような命令でプログラムされる。
【0085】
ESR102はまた、ユーザ200へ情報を提示するためのメディア出力コンポーネント215を少なくとも1つ含む。メディア出力コンポーネント215は、ユーザ200へ情報を伝送可能な任意のコンポーネントである。いくつかの実施形態では、メディア出力コンポーネント215は、図示しない出力アダプタ(例えば動画アダプタ及び/又は音声アダプタ)を含む。出力アダプタは動作可能にプロセッサ205へ接続され、出力装置(例えば表示装置(例えば液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、又は「電子インク」ディスプレイ))又は音声出力装置(例えばスピーカ又はヘッドフォン)へ動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、メディア出力コンポーネント215はグラフィカルユーザインタフェース(例えばウェブブラウザ及び/又はクライアントアプリケーション)をユーザ200へ提示するよう構成される。グラフィカルユーザインタフェースは例えば、仮想ショッピングカートから商品を閲覧し及び/又は購入するためのオンライン店舗インタフェースを含んでよい。メディア出力コンポーネント215は(
図1に示す)モニタ128を含んでよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、ESR102はユーザ200から入力を受信するための入力装置220を含む。非限定的に、ユーザ200は入力装置220を用いて、購入すべき1以上の商品を選択し及び/又は購入リクエストを入力して、及び/又は、仮想ショッピングカートを編集してよい。入力装置220は例えば、キーボード、ポインティング装置、マウス、スタイラス、接触感知パネル(例えばタッチパッド又はタッチスクリーン)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器、及び/又は音声入力装置を含んでよい。単一のコンポーネント(例えばタッチスクリーン(例えばモニタ128))が、メディア出力コンポーネント215及び入力装置220の両方として機能してよい。
【0087】
ESR102はまた、通信インタフェース225を含んでよい。これは、遠隔装置(例えば販売者コンピューティング装置104及び/又はデータベース108(
図1))へ通信可能に接続可能である。通信インタフェース225は例えば、有線若しくは無線のネットワークアダプタ、又は、携帯電話ネットワーク(例えばモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、3G)若しくは他のモバイルデータネットワーク(例えばWorldwide Interoperability for Microwave Access(WIMAX))と共に使用するための無線データトランシーバを含んでよい。
【0088】
メモリ領域210に格納されるものは、例えば、ユーザインタフェース(例えば
図1に示すユーザインタフェース110)を、メディア出力コンポーネント215を介してユーザ200へ提供する(及び、選択的には入力装置220から入力を受信し処理する)コンピュータ可読命令である。ユーザインタフェースは、他の可能なものの中でも、ウェブブラウザ及び/又はクライアントアプリケーションを含んでよい。ウェブブラウザによってユーザ(例えばユーザ200)は、メディア及び他の情報を表示し及びそれらと相互作用可能である。当該他の情報は、典型的には、ESR102及び/又は販売者コンピューティング装置104からのウェブページ又はウェブサイト上に実装される。クライアントアプリケーションによってユーザ200は、例えばESR102及び/又は販売者コンピューティング装置104と相互作用可能である。例えば命令はクラウドサービスによって格納されてよい。当該命令の実行による出力は、メディア出力コンポーネント215へ送信されてよい。
【0089】
プロセッサ205はまた、ストレージ装置230へ動作可能に接続されてよい。ストレージ装置230は任意のコンピュータ動作可能なハードウェアであり、データ(例えばデータベース108に関連付けられたデータを含むがこれに限られない)を格納及び/又は検索するのに適する。いくつかの実施形態では、ストレージ装置230はESR102に統合される。例えばESR102は1以上のハードディスクドライブをストレージ装置230として含んでよい。他の実施形態では、ストレージ装置230はESR102の外部にある。例えばストレージ装置230はストレージエリアネットワーク(SAN)、ネットワークアタッチストレージ(NAS)システム、及び/又は複数ストレージユニット(例えばredundant array of inexpensive disks(RAID)構成の、ハードディスク及び/又はソリッドステートディスク)を含んでよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、プロセッサ205はストレージインタフェース235を介してストレージ装置230へ動作可能に接続される。ストレージインタフェース235は、プロセッサ205へ、ストレージ装置230へのアクセスを提供可能な任意のコンポーネントである。ストレージインタフェース230は例えば、アドバンストテクノロジーアタッチメント(ATA)アダプタ、シリアルATA(SATA)アダプタ、スモールコンピュータシステムインタフェース(SCSI)アダプタ、RAIDコントローラ、SANアダプタ、ネットワークアダプタ及び/又は、プロセッサ205へストレージ装置230へのアクセスを提供する任意のコンポーネントを含んでよい。
【0091】
図3は
図2に示す改良スマート冷蔵庫(ESR)102によって自動的にデータ投入される仮想ショッピングカート300の例示的実施形態である。上記の通りESR102は、仮想ショッピングカート300及びESR102に関連付けられた特定のユーザの使用行動に応じて、仮想ショッピングカート300へ自動的にデータ投入するよう構成される。例示的実施形態では、仮想ショッピングカート300は、商品AからGとして示される5つの商品の投入を受ける。各商品の数量も表示される。例えば商品Cの数量は2である。ESR102はユーザによる複数回の購入を記録する。このときユーザは商品Cを頻繁に又はいつも購入する。ESR102は仮想ショッピングカート300へ、当該商品の適切な数量を自動的に追加するよう構成される。
【0092】
例示的実施形態では、商品A及び商品Bは強調領域又は「必要商品」302に表示される。一方商品C、D及びEは非強調領域又は「提案商品」領域304に表示され、商品F及びGは「新商品」領域306に表示される。ESR102は使用パターンアルゴリズムの出力又は各商品の購入傾向に応じて、及び/又は、カート投入アルゴリズムの出力に応じて、ショッピングカート300へ自動的にデータ投入する。カート投入は、使用パターンアルゴリズム及びグローバル購入蓋然性を使用し、本開示のように、商品を領域302、304及び306のいずれへ追加するかを判定する。購入傾向は、ユーザが自身の次の清算中に当該商品を購入し又は購入しない蓋然性を特徴付ける値である。一実施形態では、もし商品の購入傾向が第1の基準を満たせば(例えば特定の閾値を満たし又は超えれば)、ESR102は商品を仮想ショッピングカート300へ追加する。
【0093】
一実施形態では、もし商品の購入傾向が第1及び第2の基準を満たせば、ESR102は商品を仮想ショッピングカート300の必要商品領域302へ追加するよう構成される。例えばもし第1の基準が、購入傾向の第1の閾値0.5であれば、ESR102は、0.5以上の購入傾向が算出された任意の商品を自動的に追加してよい。第2の基準は購入傾向の第2の閾値0.6又は0.7であってよく、これはユーザが商品を購入する蓋然性が非常に高いことを示す。ESR102は購入傾向の第1及び第2の閾値の両方を満たし又は超える商品を、仮想ショッピングカート300の強調領域302へ追加するよう構成される。ESR102は購入傾向の第1の閾値だけを満たし又は超える商品を、仮想ショッピングカート300の非強調領域304へ追加するよう構成されてよい。別の実施形態として、第2の購入頻度(例えばその商品を含む購入パーセンテージ又は分数(例えば、ユーザが購入したその商品は購入全体の90%))であってよい。ESR102は、第1及び第2の基準の両方を満たす(すなわち、使用/必要度及び購入頻度に基づけば、購入する蓋然性が高い)商品を仮想ショッピングカート300の強調領域へ追加するよう構成される。
【0094】
他の実施形態では、もしカート投入アルゴリズム(上記数式6)からの出力が必要商品領域302につき画定された閾値を満たせば、ESR102は商品を仮想ショッピングカート300の必要商品領域302へ追加するよう構成される。必要商品領域302につき画定されるカート投入アルゴリズムの閾値出力(「スコア」)は、消費者によって少なくとも一度購入された任意の商品につき、定数(例えば0.5)であってよい。したがって、0.5より大きいスコアを有する任意の商品は、必要商品領域302に追加されてよい。もしカート投入アルゴリズムからの出力が、提案商品領域304について画定された閾値を満たせば、ESR102は更に、商品を仮想ショッピングカート300の提案商品領域304へ追加するよう構成される。提案商品領域304へ追加される商品は、提案された第1の配送日又は次に迫った配送日までに消費者が必要としない蓋然性が高い商品であってよいが、提案された第2の配送日又は提案された当該第1の配送日後の次の配送日までに消費者が必要とする蓋然性が高い商品であってよい。提案商品領域304についての閾値は、所定の商品数(例えば5、10又は15)であってよい。当該閾値は、必要商品領域302に追加されるための閾値を満たさない、カート投入アルゴリズムからのトップスコアを有する(例えば0.40から0.49までのスコアを有する)ものである。
【0095】
ESR102は更に、消費者が、新商品を、又は消費者がESR102を用いて以前に購入したことがない商品を購入するよう促すように構成される。上記の通り、使用パターンアルゴリズムとカート投入アルゴリズムとにおいて、以前に購入されたことがない商品のデフォルト半減期と現在の間隔とを用いて、ESR102は新商品領域306の、定数値(例えば0.5)である閾値スコアを画定して、当該スコアを満たす最大数の商品を新商品領域306へ追加してよい。
【0096】
仮想ショッピングカート300はまた、各消費者に関連付けられた「編集」オプション308を含む。ユーザは編集オプション308を選択して、仮想ショッピングカート300内の特定の商品を編集してよい。例えばユーザは、関連付けられた商品の購入を望まないとき、その商品を仮想ショッピングカート300から削除してよい。ユーザは、購入を希望する商品の量を編集してよいし、商品を、必要商品領域302から提案商品領域304へ、又は、新商品領域306から必要商品領域302へ移動してよいし、及び/又はその他の商品移動を行ってよい。ESR102は仮想ショッピングカート300とのユーザインタラクション(例えば編集オプション308)を使用するよう構成され、使用パターンアルゴリズムを、各商品についてのユーザの特定の使用パターンへと改良し、及び/又はカート投入アルゴリズムを改良してよい。仮想ショッピングカート300は更に、「購入」オプション310を含み、販売者によって指示されるように清算処理を開始してよい。ユーザは当該販売者から、仮想ショッピングカート300内の1以上の商品を購入する。例示的実施形態では、購入オプション310を選択すると、必要商品領域302内の全ての商品の購入が開始する。しかし、提案商品領域304又は新商品領域306のいずれかの商品の購入は開始されない。他の実施形態では、購入オプション310は必要商品領域302内の商品の購入を開始してよいし、ユーザが提案商品領域304と新商品領域306の一方又は両方における商品を購入するよう促してよい。
【0097】
図4は
図1に示す仮想ショッピングシステム100を用いて消費者の使用行動に基づいて仮想ショッピングカートへ自動的にデータ投入する方法400のフローチャートである。
図1に示すように、方法400はESR102によって実装されてよい。方法400は購入ログをメモリ(例えば
図1に示すデータベース108)に格納するステップ402を含む。購入ログは少なくとも1つの商品についての複数回の購入と、当該複数回の購入のうち各購入の日付とを含む。方法400はまた、商品一覧をメモリに格納するステップ404を含む。商品一覧は、少なくとも1つの商品を含む複数の商品を含む。複数の商品のそれぞれは、割り当てられたデフォルト半減期を有する。上記の通り、デフォルト半減期はESR102によって割り当てられてよい。
【0098】
方法400は更に、複数回の購入のうちの連続する購入間の複数の購入間隔を判定するステップ406を含む。方法400はまた、複数回の購入のそれぞれにおける少なくとも1つの商品に対する過去の必要度を算出するステップ408を含む。過去の必要度の算出408は、本開示の通り、デフォルト半減期に基づいてよい。方法400は更に、最新の配送日と提案された次の配送日との間の現在の間隔を含む。換言すれば、ESR102は、消費者が商品を受領するまでにどれほどかかるかを判定(410)してよい。このことは、消費者が当該商品をどれほど必要とするかを示す。
【0099】
方法400はまた、現在の間隔につき少なくとも1つの商品についての現在の必要度を算出するステップ412と、少なくとも1つの商品に対する購入傾向を算出するステップ414とを含む。購入傾向を算出するステップ414は、デフォルト半減期と、複数の購入間隔と、算出された過去の必要度と、現在の間隔と、算出された現在の必要度とをESR102の使用パターンコンポーネントへ入力することによって実行される。更に方法400は、算出された購入傾向が第1の基準を満たす(例えば閾値を超える)とき、少なくとも1つの商品を仮想ショッピングカートへ追加するステップ416を含む。
【0100】
図5は
図1に示す仮想ショッピングシステム100内で使用可能な改良スマート冷蔵庫(ESR)510のコンポーネント図である。いくつかの実施形態では、ESR510は(
図1に示す)ESR102に類似する。データベース520はESR510内のいくつかの別々のコンポーネント(これは特定のタスクを実行する)に接続可能である。本実施形態においてデータベース520はユーザに関連付けられた、少なくとも1つの商品一覧522と少なくとも1つの購入ログ524とを含む。いくつかの実施形態では、データベース520は(
図1に示す)データベース108に類似する。データベース520は少なくとも1つの購入ログ524を格納するよう構成される。当該購入ログは、少なくとも1つの商品の複数回の購入と、当該複数回の購入のそれぞれの日付とを含む。データベース520は、少なくとも1つの商品一覧522を格納するよう構成される。当該商品一覧は、少なくとも1つの商品を含む複数の商品を含み、複数の商品のそれぞれは割り当てられたデフォルト半減期を有する。
【0101】
例示的実施形態では、ESR510は判定コンポーネント530と算出コンポーネント540とを含む。判定コンポーネント530は特定のステップ又は機能を実行するものとして記述されてよく、算出コンポーネント540は他のステップ又は機能を実行するものとして記述されてよい。しかし、例示的実施形態では、判定コンポーネント530と算出コンポーネント540との一方によって実行される少なくともいくつかの機能は、他の実施形態では、判定コンポーネント530及び算出コンポーネント540の他方によって実行されてよい。判定コンポーネント530は、少なくとも1つの購入ログ524から、複数回の購入のうち連続する購入間の複数の購入間隔を判定するよう構成される。判定コンポーネント530は最新の配送日と提案された次の配送日との間の現在の間隔を判定するよう構成される。
【0102】
算出コンポーネント540は複数の購入間隔のそれぞれにおける、少なくとも1つの商品に対する過去の必要度を、少なくとも商品一覧522に格納された少なくとも1つの商品についてのデフォルト半減期に基づいて算出するよう構成される。算出コンポーネント540は更に、現在の間隔における少なくとも1つの商品に対する現在の必要度を算出するよう構成される。算出コンポーネント540は使用パターンコンポーネント550に通信可能に接続される。当該使用パターンコンポーネント550は、少なくともデフォルト半減期と、複数の購入間隔と、算出された過去の必要度と、現在の間隔と、算出された現在の必要度とを、そこで格納され及び/又は実行される使用パターンアルゴリズムへの入力として用いる。使用パターンコンポーネント550は少なくとも1つの商品につき、使用パターンアルゴリズムを実行し、購入傾向を出力するよう構成される。使用パターンコンポーネント550は(
図1に示す)使用パターンコンポーネント112に類似してよい。
【0103】
ESR510は更に仮想ショッピングカート560を含む。判定コンポーネント530は更に、購入傾向を使用するよう構成され、ESR510が少なくとも1つの商品を仮想ショッピングカート560へ追加すべきか否かを判定する。例えばもし購入傾向が第1の基準を満たせば、ESR510は少なくとも1つの商品を仮想ショッピングカート560へ追加する。
【0104】
本開示でのプロセッサとの用語は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本開示の機能を実行可能な任意の他の回路又はプロセッサを指す。
【0105】
本開示のように、「ソフトウェア」及び「ファームウェア」との用語は相互に交換可能であり、プロセッサ205によって実行可能な、メモリ(RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含む)に格納された任意のコンピュータプログラムを含む。上記のタイプのメモリは例示に過ぎないので、コンピュータプログラムを格納するために使用されるメモリタイプとして限定的なものではない。
【0106】
上述の仕様に基づいて理解されるように、本開示の上述の実施形態はコンピュータプログラミング又はエンジニアリング技術(コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びそれらの組合せ若しくはサブセットを含む)を用いて実装可能である。任意のそのような結果的なコンピュータプログラムは、コンピュータ可読の及び/又はコンピュータ実行可能な命令を含むものであり、1以上のコンピュータ可読媒体内で実装され又は提供されてよい。これによって、コンピュータプログラム製品(すなわち、製造物品)が製造される。これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとしても知られる)は、プログラマブルプロセッサについての機械命令を含み、ハイレベルな手続きの及び/又はオブジェクト指向のプログラミング言語、又はアセンブリ/機械言語にて実装可能である。本開示で使用されるように、「機械可読媒体」、「コンピュータ可読媒体」及び「複数のコンピュータ可読媒体」との用語は、プログラマブルプロセッサへ機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置及び/又はデバイス(例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))(機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む)を指す。しかし、「機械可読媒体」、「コンピュータ可読媒体」及び「複数のコンピュータ可読媒体」は一時的な信号を含まない(すなわち、それらは非一時的である)。「機械可読信号」との用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサへ提供するために使用される任意の信号を指す。
【0107】
更に、改良スマート冷蔵庫の様々な要素が、一般的な処理及びメモリ装置として本開示にて開示される。しかし、改良スマート冷蔵庫が、消費者の使用パターンに基づいて仮想ショッピングカートへ自動的にデータ投入するための使用パターン機能を有する専用コンピュータであることと、本開示のステップを実行するよう構成されることとを理解されたい。
【0108】
本開示は例(ベストモードを含む)を用いて、当業者が開示の内容を実装すること(任意の装置又はシステムを生成及び使用して、任意の導入された方法を実行することを含む)を可能にする。本開示の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって画定され、当業者が想到する他の例を含んでよい。そのような他の例は、それが請求項の記載と異ならない構成要素を有する場合、又はそれが請求項の記載と比べて実質的でない相違点を有する同等の構成要素を含む場合、特許請求の範囲内である。