(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可撓性シース内に挿通配置された操作ワイヤが軸線方向に進退操作されることにより、該可撓性シースの先端に配置された一対の鉗子カップが嘴状に開閉動作される生体鉗子であって、
前記一対の鉗子カップは、
対向する互いの内側部に、第一の凹部と、採取した組織片を収容するための第二の凹部と、該第二の凹部と該第一の凹部とを離隔する離隔壁が形成されており、
前記一対の鉗子カップの間にカメラモジュールが配置されており、
前記カメラモジュールは、
前記一対の鉗子カップが閉じられると、一対の前記第一の凹部が合わさることによって規定される第一の空間内に収容される、
生体鉗子。
可撓性シース内に挿通配置された操作ワイヤが軸線方向に進退操作されることにより、該可撓性シースの先端に配置された一対の鉗子カップが嘴状に開閉動作される生体鉗子であって、
前記一対の鉗子カップは、
対向する互いの内側部に第一の凹部が形成されており、
前記一対の鉗子カップの間にカメラモジュールが配置されており、
前記カメラモジュールは、
前記一対の鉗子カップが閉じられると、一対の前記第一の凹部が合わさることによって規定される第一の空間内に収容され、
前記生体鉗子は、
前記カメラモジュールを制御すると共に該カメラモジュールより出力される画像データを外部装置に送信する制御ユニット
を備え、
前記制御ユニットは、
前記操作ワイヤを操作する操作部付近に着脱可能に取り付けられている、
生体鉗子。
可撓性シース内に挿通配置された操作ワイヤが軸線方向に進退操作されることにより、該可撓性シースの先端に配置された一対の鉗子カップが嘴状に開閉動作される生体鉗子であって、
前記一対の鉗子カップは、
対向する互いの内側部に第一の凹部が形成されており、
前記一対の鉗子カップの間にカメラモジュールが固定されており、
前記カメラモジュールは、
前記一対の鉗子カップが閉じられると、一対の前記第一の凹部が合わさることによって規定される第一の空間内に収容される、
生体鉗子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
術者は、生体鉗子と対象組織との位置関係を視覚的に把握するため、生体鉗子と対象組織とを一画面内に写す必要がある。生体鉗子と対象組織とを一画面内に写すためには、典型的には、生体鉗子を斜め後方から写し且つ対象組織を斜め前方から写す必要がある。この状態で、術者は、生体鉗子を操作して対象組織を採取する。この場合、例えば、生体鉗子を対象組織に向けて直進させて近付けると、表示画面上の生体鉗子は、画面奥行方向に移動するだけでなく斜め方向にも移動する。すなわち、操作による生体鉗子の実際の移動方向と、生体鉗子の表示画面上での移動方向とが異なる。そのため、生体鉗子を精確に操作するには術者の熟練が必要とされる。
【0006】
また、例えば、対象組織を採取するために生体鉗子を近付けると、対象組織が生体鉗子自体で隠れてしまう。そのため、術者は、対象組織を採取する際、視覚に頼ることができず生体鉗子を感覚的に操作しなければならない。このような場合も生体鉗子を精確に操作するため、術者の熟練が必要とされる。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、操作性を向上させるのに好適な生体鉗子、及び該生体鉗子を備える観察システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る生体鉗子は、可撓性シース内に挿通配置された操作ワイヤが軸線方向に進退操作されることにより、該可撓性シースの先端に配置された一対の鉗子カップが嘴状に開閉動作されるものである。本発明の一実施形態において、一対の鉗子カップは、対向する互いの内側部に第一の凹部が形成されており、一対の鉗子カップの間にカメラモジュールが配置されている。カメラモジュールは、一対の鉗子カップが閉じられると、一対の第一の凹部が合わさることによって規定される第一の空間内に収容される。
【0009】
また、本発明の一実施形態において、カメラモジュールは、一対の鉗子カップを開閉可能に支持する支軸の付近に配置されたものであってもよい。
【0010】
また、本発明の一実施形態において、一対の鉗子カップは、対向する互いの内側部に、採取した組織片を収容するための第二の凹部が形成されており、且つ第二の凹部と第一の凹部とを離隔する離隔壁が形成されたものであってもよい。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る生体鉗子は、カメラモジュールを制御すると共に該カメラモジュールより出力される画像データを外部装置に送信する制御ユニットを備える構成としてもよい。この制御ユニットは、例えば、操作ワイヤを操作する操作部付近に着脱可能に取り付けられている。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る観察システムは、上記の生体鉗子と、カメラモジュールより出力される画像データを処理する画像処理装置と、画像処理装置にて処理された画像データに基づき、カメラモジュールによる第一の撮影画像を表示画面に表示する表示装置とを備える構成としてもよい。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係る観察システムは、生体鉗子が挿入配置される鉗子チャネルを持つ電子スコープを備える構成としてもよい。この構成において、画像処理装置は、カメラモジュールによる第一の撮影画像と、電子スコープによる第二の撮影画像とを表示装置の表示画面内に並べて表示させてもよい。
【0014】
また、本発明の一実施形態において、画像処理装置は、第二の撮影画像内に写る生体鉗子を検出し、検出された生体鉗子の位置に基づき、第一の撮影画像に写る範囲を示す枠を第二の撮影画像に重畳して表示装置の表示画面に表示させる構成としてもよい。
【0015】
また、本発明の一実施形態において、画像処理装置は、第一の撮影画像内の所定位置に所定の指標を重畳して表示装置の表示画面に表示させる構成としてもよい。
【0016】
また、本発明の一実施形態において、電子スコープの鉗子チャネル内に所定のガイド路が形成されてもよく、また、生体鉗子は、ガイド路の内壁形状に対応する被ガイド部が鉗子カップの後方に設けられた構成としてもよい。
【0017】
また、本発明の一実施形態において、ガイド路は、被ガイド部の向きを規定することにより、カメラモジュールの向きを規定する向き規定形状を持つものであってもよい。
【0018】
また、本発明の一実施形態において、ガイド路は、例えば、生体鉗子が突出配置される鉗子チャネルの突出口近傍に形成されている。また、鉗子チャネルは、例えば、被ガイド部の全体がガイド路を超えないように、生体鉗子の突出方向の動きを規制する規制部が形成されている。
【0019】
また、本発明の一実施形態において、画像処理装置は、第一、第二の撮影画像内のそれぞれに写る被写体の動き方向を検出し、検出されたそれぞれの被写体の動き方向に基づいてカメラモジュールの向きを検出し、検出されたカメラモジュールの向きに基づいて、第一の撮影画像内に写る被写体の動き方向と、第二の撮影画像内に写る被写体の動き方向とが一致するように、該第一の撮影画像と該第二の撮影画像の少なくとも一方の向きを回転させて、表示装置の表示画面に表示させる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施形態によれば、操作性を向上させるのに好適な生体鉗子、及び該生体鉗子を備える観察システムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として電子内視鏡システムを例に取り説明する。
【0023】
[電子内視鏡システム1の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システム1の外観図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る電子内視鏡システム1は、電子スコープ100、プロセッサ200及びモニタ300を備えている。
【0024】
図1に示されるように、電子スコープ100は、可撓性を有するシースによって外装された挿入部可撓管102を備えている。挿入部可撓管102の先端部分(湾曲部106)は、挿入部可撓管102の基端に連結された手元操作部108からの遠隔操作に応じて湾曲する。湾曲機構は、一般的な内視鏡に組み込まれている周知の機構であり、手元操作部108の湾曲操作ノブの回転操作に連動した操作ワイヤの牽引によって湾曲部106を湾曲させる。湾曲部106の先端には、硬質性を有する樹脂製筐体によって外装された先端部104の基端が連結している。先端部104の方向が湾曲操作ノブの回転操作による湾曲動作に応じて変わることにより、電子スコープ100による撮影領域が移動する。また、手元操作部108からはユニバーサルケーブル110が延びており、その基端にコネクタ部112が接続されている。
【0025】
コネクタ部112は、硬質性を有する合成樹脂で成形されたコネクタケース112aを備えている。コネクタケース112aは、略対称形状を持つ表側ケースと裏側ケースからなり、表側ケースと裏側ケースとを嵌め合わせることによって規定される閉空間内に電子回路基板等の各種部品を収容し保持すると共に外部衝撃から保護している。コネクタケース112aは、電気接続用プラグPe及び光接続用プラグPoを保持している。
【0026】
プロセッサ200が持つ筐体202のフロントパネル面には、コネクタ部が設けられている。コネクタ部は、電気接続用ジャックJe及び光接続用ジャックJoを備えている。電気接続用ジャックJeは、プロセッサ200に内蔵されている画像処理装置と電気的に接続されており、光接続用ジャックJoは、プロセッサ200に内蔵されている光源装置と光学的に接続されている。
【0027】
電気接続用ジャックJeは、電気接続用プラグPeに対応する接続構造を有しており、光接続用ジャックJoは、光接続用プラグPoに対応する接続構造を有している。電気接続用プラグPe、光接続用プラグPoがそれぞれ、電気接続用ジャックJe、光接続用ジャックJoと接続されることで、電子スコープ100とプロセッサ200とが電気的及び光学的に接続される。これにより、プロセッサ200(光源装置)より射出された照射光が電子スコープ100内を伝送されて先端部104の配光レンズより放射されて被写体を照射する。照射光により照射された被写体からの戻り光は、先端部104内に実装された撮像素子にて受光され、電気的な画像信号に変換されて電子スコープ100内を伝送される。電子スコープ100内を伝送された画像信号は、プロセッサ200(画像処理装置)にて処理されてモニタ300に出力される。これにより、モニタ300の表示画面に、電子スコープ100による被写体の撮影画像が表示される。
【0028】
[生体鉗子400の構成]
図1に示されるように、電子スコープ100は、鉗子チャネル114を備えている。鉗子チャネル114には、体腔内の生体組織の把持や切開を行うための生体鉗子400が挿入される。
図2に、生体鉗子400の構成を示す。
図2は、生体鉗子400の外観側面図である。
図3は、生体鉗子400の先端の構成を拡大して示す側断面図である。
【0029】
図2に示されるように、生体鉗子400は、手元操作部本体402を有している。手元操作部本体402は、スライド操作部材404を矢印A方向にスライド自在に支持している。手元操作部本体402には、可撓性シース408の基端が連結されている。可撓性シース408は、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような滑りのよい電気絶縁性の可撓性チューブである。可撓性シース408の基端部分は、折れ止めチューブ410によって補強されている。
【0030】
可撓性シース408内には、軸線方向に進退可能な操作ワイヤ412が全長に亘って挿通配置されている。操作ワイヤ412は、ステンレス鋼線製の撚り線又は単線からなる2本のワイヤである。
図2に示されるように、操作ワイヤ412の基端は、スライド操作部材404に固定されている。
図3に示されるように、操作ワイヤ412の先端は、可撓性シース408の先端から突出して、一対の鉗子カップ420の後端部分(駆動腕420e)に形成された小孔420aに係合している。
【0031】
可撓性シース408の先端には、枠本体424が取り付けられている。枠本体424の先寄りの部分は、スリット424bによって大きく分割されることにより、一対の支持アーム424aとして形成されている。枠本体424の前端付近では、支軸426の各端部が各支持アーム424aにカシメ固定されて、支持アーム424a間(スリット424b内)に架設されている。支持アーム424a間に架設された支軸426は、鉗子カップ420を回転可能に軸支している。
【0032】
術者がスライド操作部材404を手元操作部本体402に対して矢印A方向にスライド操作すると、操作ワイヤ412が軸線方向に進退する。各鉗子カップ420の後端部分(駆動腕420e)が各操作ワイヤ412の先端と連結されているため、各操作ワイヤ412の軸線方向の進退に伴い、各鉗子カップ420の全体が支軸426を中心にして嘴状に開閉動作する。
【0033】
より詳細には、術者がスライド操作部材404を手元操作部本体402に対して矢印A方向(
図1(a)参照)にスライド操作すると、操作ワイヤ412は、可撓性シース408内を軸線方向に進退する。一対の鉗子カップ420は、軸線方向に移動する操作ワイヤ412との係合により、支軸426を中心に回動(すなわち、嘴状に開閉動作)する。例えば、術者がスライド操作部材404を手元操作部本体402に対して押し出す方向にスライド操作すると、一対の鉗子カップ420が開き(
図3(a)参照)、術者がスライド操作部材404を手元操作部本体402側に引き込む方向にスライド操作すると、一対の鉗子カップ420が閉じる(
図3(b)参照)。
【0034】
鉗子カップ420の基端側(支軸426付近且つ前方)であって、一対の鉗子カップ420(及び一対の支持アーム424a)の間には、カメラモジュール430が配置されている。カメラモジュール430は、支持アーム424a間で、支軸426と一体に形成された支持片428に接着固定されている。支持片428には、可撓性シース408及び操作ワイヤ412の軸線方向に貫通孔が形成され、この貫通孔内にカメラモジュール430が嵌挿されている。カメラモジュール430は、円筒状の筐体の前面側に撮影レンズを取り付けて、該筐体内に撮像素子チップを設置し封止した構成となっている。
【0035】
図3に示されるように、一対の鉗子カップ420は、対向する互いの内側部に第一の凹部420bが形成されており、一対の鉗子カップ420が閉じられると、カメラモジュール430が鉗子カップ420と機械的に干渉することなく、それぞれの第一の凹部420bが合わさることによって規定される空間内に収容される(
図3(b)参照)。すなわち、カメラモジュール430は、一対の鉗子カップ420の間に位置するものの、鉗子カップ420の動きを妨げることがない。
【0036】
一対の鉗子カップ420は、対向する互いの内側部に第二の凹部420cが形成されている。切除(採取)された組織片は、第二の凹部420cに収容される。
【0037】
第一の凹部420bと第二の凹部420cとの間には離隔壁420dが形成されている。組織片が採取されて第二の凹部420cに収容される際、一対の鉗子カップ420が閉じられることにより、第一の凹部420bによって規定される空間と第二の凹部420cによって規定される空間とが離隔壁420dによって離隔される。そのため、第二の凹部420cに収容された組織片がカメラモジュール430の撮影レンズに付着して、撮影を阻害するという問題が避けられる。
【0038】
カメラモジュール430の筐体の背面には貫通孔が形成されており、撮像素子チップの信号伝送ケーブル432が貫通孔を介して引き出されている。貫通孔を介して引き出された信号伝送ケーブル432は、一対の支持アーム424aの間(スリット424b)を通され、且つ枠本体424に形成された小孔を通されたうえで、可撓性シース408内を先端側から基端側に引き回され、手元操作部本体402内部を通されて、スライド操作部材404に取り付けられたカメラ制御ユニット434に接続される。
【0039】
カメラ制御ユニット434は、撮像素子チップを駆動制御する駆動制御回路、撮像素子チップより出力される画像データを送信する送信回路及び電源回路を備えている。撮像素子チップは、カメラ制御ユニット434による駆動制御下で撮像処理を行い、撮像処理によって得られた画像データをカメラ制御ユニット434に出力する。
【0040】
なお、生体鉗子400は、衛生面に配慮して基本的にディスポーザブル品となっている。しかし、カメラ制御ユニット434は、生体鉗子400の他の構成部品と比べると高価であり、また、体腔内に挿入されないことから体液や血液等による汚れが少ない。そこで、カメラ制御ユニット434は、スライド操作部材404に設けられた不図示の取付部に対して着脱可能となっている。カメラ制御ユニット434は、生体鉗子400の使用が終わると取り外されて、洗浄等される。洗浄後のカメラ制御ユニット434は、新品の生体鉗子400に取り付けられて再利用される。カメラ制御ユニット434以外の生体鉗子400の構成部品は、廃棄される。
【0041】
[生体鉗子400を利用した観察]
図4は、電子内視鏡システム1に生体鉗子400を組み合わせた観察システム2の構成例を模式的に示す図である。
図4に示されるように、生体鉗子400は、鉗子チャネル114に挿入され、先端部104に形成された鉗子チャネル114の突出口より、鉗子カップ420を含む先端部分が突出配置されている。
【0042】
図4に示されるように、カメラ制御ユニット434は、撮像素子チップより入力された画像データをプロセッサ200に無線送信する。プロセッサ200は、内蔵の無線通信インタフェースによってカメラ制御ユニット434より送信された画像データを受信し、受信された画像データに対してデモザイキング、マトリックス演算、ホワイトバランス調整、ガンマ補正等の所定の信号処理を施して画面データ(サブ画面データ)を生成する。また、プロセッサ200は、同時に撮像を行っている電子スコープ100より入力される画像データに対しても、デモザイキング、マトリックス演算、ホワイトバランス調整、ガンマ補正等の所定の信号処理を施して画面データ(メイン画面データ)を生成する。プロセッサ200は、生成されたメイン画面データとサブ画面データとを一画面に並べたモニタ表示用の画像データを生成し、生成されたモニタ表示用の画面データを所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ300に出力される。これにより、
図4に例示されるように、メイン画面Gmとサブ画面Gsとが一画面に並んだものがモニタ300の表示画面に表示される。
【0043】
以下、説明の便宜上、カメラモジュール430(カメラ制御ユニット434)より出力される画像データを「鉗子画像データ」と記し、電子スコープ100より出力される画像データを「内視鏡画像データ」と記す。
【0044】
カメラモジュール430(撮像素子チップ)は、一対の鉗子カップ420の間に配置されていることから、採取や止血の対象となる生体組織を、正対する位置で撮影することができる。そのため、例えば、生体鉗子400を生体組織に向けて直進させて近付けると、サブ画面Gsに写る範囲が画面奥行方向(奥側の方向)に移動し、その移動量に応じてサブ画面Gs上の生体組織が大きく表示される。すなわち、操作による生体鉗子400の実際の移動方向と、サブ画面Gsに写る範囲の移動方向とが一致する。術者は、操作による生体鉗子400の移動方向と一致する情報(サブ画面Gsに写る範囲の移動方向)を視覚的に把握することができるため、生体鉗子400を操作し易くなる。すなわち、生体鉗子400の操作性が向上する。
【0045】
また、カメラモジュール430(撮像素子チップ)は、一対の鉗子カップ420の間に配置されていることから、一対の鉗子カップ420が完全に閉じられる直前まで、採取や止血の対象となる生体組織を、正対する位置で撮影することができる。術者は、このようなカメラモジュール430による撮影画像(サブ画面Gs)を通じて生体組織を視認することができるため、生体鉗子400を操作し易くなる。すなわち、この点においても、生体鉗子400の操作性が向上する。
【0046】
鉗子カップ420は、鉗子チャネル114の突出口より突出配置されると、基本的には、電子スコープ100の撮影範囲に入るため、メイン画面Gm内に写る。プロセッサ200は、メイン画面Gm内に写る鉗子カップ420をパターンマッチング等の周知の方法で検出し、検出された鉗子カップ420の位置に応じてメイン画面Gm内に検出枠Fを重畳して表示させる(
図4参照)。検出枠Fは、カメラモジュール430による大凡の撮影範囲(サブ画面Gsに写る大凡の範囲)を示している。メイン画面Gm内に検出枠Fを表示させることで、カメラモジュール430が体腔内のどの辺りを撮像しているかを術者に把握させ易くなる。
【0047】
また、
図4に示されるように、サブ画面Gsには、撮影範囲の中心(サブ画面Gsの中心)に、所定の指標(レチクル等)Mが重畳して表示される。指標Mは、例えば、鉗子カップ420による生体組織の大凡の採取の範囲を示している。
【0048】
また、電子スコープ100に搭載された撮像素子と生体鉗子400のカメラモジュール430との位置関係が固定されていないため、電子スコープ100による撮影画像(メイン画面Gm)と、カメラモジュール430による撮影画像(サブ画面Gs)との向きは必ずしも一致しない。
【0049】
そこで、本実施形態では、下記の自動回転表示制御が行われてもよい。例示的には、勾配法(オプティカルフロー)等の周知の動き推定方法を用いて各撮影画像に写る被写体の動き(向き)が検出され、検出されたそれぞれの被写体の動き方向に基づいて該撮像素子に対するカメラモジュール430(撮像素子チップ)の向きが検出される。次いで、検出されたカメラモジュール430の向きに基づいて、メイン画面Gm内に写る被写体の動き方向と、サブ画面Gs内に写る被写体の動き方向とが一致するように、メイン画面Gmとサブ画面Gsの少なくとも一方の向きが回転されて、モニタ300の表示画面上への表示が行われる。メイン画面Gmに写る撮影画像の向きとサブ画面Gsに写る撮影画像の向きとが一致することにより、術者は、メイン画面Gmとサブ画面Gsに写る被写体の対応関係を把握し易くなり、体腔内の観察等をより一層的確に行うことができる。
【0050】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
【0051】
電子内視鏡システム1に生体鉗子400を組み合わせた観察システム2の構成は、
図4に例示される構成に限らない。
図5〜
図12の各図に、観察システム2の変形例の構成を示す。
【0052】
[変形例1]
図5は、変形例1に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。
図5に示されるように、本変形例1に係る観察システム2は、モニタ310及び画像処理ユニット500を備えている。カメラ制御ユニット434より無線送信された鉗子画像データは、画像処理ユニット500にて受信される。画像処理ユニット500は、受信された鉗子画像データに対して所定の信号処理を施してモニタ表示用の画面データを生成し、生成されたモニタ表示用の画面データを所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ310に出力される。これにより、
図5に例示されるように、カメラモジュール430による撮影画像がモニタ310の表示画面に表示される。また、モニタ300の表示画面には、電子スコープ100による撮影画像が表示される。本変形例1によれば、電子スコープ100及びプロセッサ200を生体鉗子400に合わせて専用に設計にする必要がない。言い換えると、電子スコープ100及びプロセッサ200については、既存の装置を利用することができる。なお、例えばモニタ300が2種類の入力映像を2分割画面で同時に表示することが可能なものである場合は、
図4のように、電子スコープ100による撮影画像とカメラモジュール430による撮影画像とをモニタ300の表示画面上に並べて表示することができる。
【0053】
[変形例2]
図6は、変形例2に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。
図6に示されるように、本変形例2では、カメラ制御ユニット434より無線送信された鉗子画像データは、電子スコープ100の手元操作部108に内蔵された無線通信インタフェースにて受信される。電子スコープ100は、カメラ制御ユニット434より受信した鉗子画像データ及び自身の撮像処理によって生成された内視鏡画像データをプロセッサ200に出力する。プロセッサ200は、電子スコープ100より入力される鉗子画像データ及び内視鏡画像データに基づき、メイン画面Gmとサブ画面Gsとが一画面に並ぶ画像をモニタ300の表示画面に表示させる(
図6参照)。
【0054】
[変形例3]
図7は、変形例3に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。
図7に示されるように、本変形例3に係る観察システム2は、受信ユニット600を備えている。受信ユニット600は、電子スコープ100の手元操作部108に着脱可能に取り付けられている。カメラ制御ユニット434より無線送信された鉗子画像データは、受信ユニット600にて受信される。電子スコープ100は、受信ユニット600にて受信された鉗子画像データ及び自身の撮像処理によって生成された内視鏡画像データをプロセッサ200に出力する。プロセッサ200は、電子スコープ100より入力される鉗子画像データ及び内視鏡画像データに基づき、メイン画面Gmとサブ画面Gsとが一画面に並ぶ画像をモニタ300の表示画面に表示させる(
図7参照)。
【0055】
[変形例4]
図8は、変形例4に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。
図8に示されるように、本変形例4では、カメラ制御ユニット434より無線送信された鉗子画像データは、電子スコープ100のコネクタ部112に内蔵された無線通信インタフェースにて受信される。電子スコープ100は、カメラ制御ユニット434より受信した鉗子画像データ及び自身の撮像処理によって生成された内視鏡画像データをプロセッサ200に出力する。プロセッサ200は、電子スコープ100より入力される鉗子画像データ及び内視鏡画像データに基づき、メイン画面Gmとサブ画面Gsとが一画面に並ぶ画像をモニタ300の表示画面に表示させる(
図8参照)。
【0056】
[変形例5]
図9は、変形例5に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。本変形例5では、生体鉗子400の信号伝送ケーブル432が電子スコープ100の手元操作部108に設けられた端子に直接接続されている。手元操作部108の内部には、カメラ制御ユニット434に相当するカメラ制御回路が実装されている。電子スコープ100は、信号伝送ケーブル432を伝送された鉗子画像データを受信し、受信された鉗子画像データ及び自身の撮像処理によって生成された内視鏡画像データをプロセッサ200に出力する。プロセッサ200は、電子スコープ100より入力される鉗子画像データ及び内視鏡画像データに基づき、メイン画面Gmとサブ画面Gsとが一画面に並ぶ画像をモニタ300の表示画面に表示させる(
図9参照)。
【0057】
[変形例6]
図10は、変形例6に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。本変形例6では、カメラ制御ユニット434は、電子スコープ100の手元操作部108に着脱可能に取り付けられている。生体鉗子400の信号伝送ケーブル432は、手元操作部108に取り付けられたカメラ制御ユニット434に接続されている。電子スコープ100は、カメラ制御ユニット434を介して受信した鉗子画像データ及び自身の撮像処理によって生成された内視鏡画像データをプロセッサ200に出力する。プロセッサ200は、電子スコープ100より入力される鉗子画像データ及び内視鏡画像データに基づき、メイン画面Gmとサブ画面Gsとが一画面に並ぶ画像をモニタ300の表示画面に表示させる(
図10参照)。
【0058】
[変形例7]
図11は、変形例7に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。本変形例7では、生体鉗子400の信号伝送ケーブル432がプロセッサ200の筐体202に設けられた端子に直接接続されている。筐体202の内部には、カメラ制御ユニット434に相当するカメラ制御回路が実装されている。プロセッサ200は、信号伝送ケーブル432を伝送された鉗子画像データを受信すると共に、電子スコープ100より内視鏡画像データを受信する。プロセッサ200は、信号伝送ケーブル432より入力される鉗子画像データ及び電子スコープ100より入力される内視鏡画像データに基づき、メイン画面Gmとサブ画面Gsとが一画面に並ぶ画像をモニタ300の表示画面に表示させる(
図11参照)。
【0059】
[変形例8]
図12は、変形例8に係る観察システム2の構成を模式的に示す図である。
図12に示されるように、本変形例8に係る観察システム2は、モニタ310及び画像処理ユニット510を備えている。本変形例8では、生体鉗子400の信号伝送ケーブル432が画像処理ユニット510に直接接続されている。画像処理ユニット510は、カメラ制御ユニット434に相当するカメラ制御回路及び画像処理ユニット500(
図5の変形例1参照)に相当する画像処理回路を備えている。画像処理ユニット510は、信号伝送ケーブル432を伝送された鉗子画像データを受信し、受信された鉗子画像データに対して所定の信号処理を施してモニタ表示用の画面データを生成し、生成されたモニタ表示用の画面データを所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ310に出力される。これにより、
図12に例示されるように、カメラモジュール430による撮影画像がモニタ310の表示画面に表示される。また、モニタ300の表示画面には、電子スコープ100による撮影画像が表示される。本変形例8によれば、変形例1と同様に、電子スコープ100及びプロセッサ200を生体鉗子400に合わせて専用に設計にする必要がない。言い換えると、電子スコープ100及びプロセッサ200については、既存の装置を利用することができる。なお、例えばモニタ300が2種類の入力映像を2分割画面で同時に表示することが可能なものである場合は、
図4のように、電子スコープ100による撮影画像とカメラモジュール430による撮影画像とをモニタ300の表示画面上に並べて表示することができる。
【0060】
[変形例9]
次に、電子スコープ100及び生体鉗子400の変形例を説明する。
図13(a)に、変形例9に係る生体鉗子400の先端部分の構成を斜視図によって模式的に示し、
図13(b)に、変形例9に係る電子スコープ100の先端部分の構成を側断面図によって模式的に示す。また、
図13(c)〜
図13(e)の各図に、鉗子チャネル114の断面形状を示す。具体的には、
図13(c)に、
図13(b)の線分A−Aにおける鉗子チャネル114の断面形状を示し、
図13(d)に、
図13(b)の線分B−Bにおける鉗子チャネル114の断面形状を示し、
図13(e)に、
図13(b)の線分C−Cにおける鉗子チャネル114の断面形状を示す。
【0061】
本変形例9において、生体鉗子400の鉗子カップ420の後方には、
図13(a)に示されるように、被ガイド部436が設けられている。被ガイド部436は、直方体状に形成されており、生体鉗子400の軸線方向(長手方向)と直交する断面形状が矩形状となっている。
【0062】
鉗子チャネル114は、基本的には、
図13(c)に示されるように、断面が円形状となるように形成されたチャネルであり、生体鉗子400の外形に対して十分に余裕のある内径を持っている。以下、説明の便宜上、断面が円形状に形成されたチャネル部分を「通常チャネル路114a」と記す。そのため、生体鉗子400は、鉗子チャネル114の挿入口から鉗子チャネル114(通常チャネル路114a)内にスムーズに挿入される。鉗子チャネル114の断面形状は、突出口付近になると、円形状から徐々に絞られた異形状となり(
図13(d)参照)、最終的には、突起形状が円周方向において90°間隔で現れる略円形状となる(
図13(e)参照)。以下、説明の便宜上、断面が該略円形状に形成されたチャネル部分を「ガイド路114b」と記す。
【0063】
図13(f)に、鉗子チャネル114のガイド路114bと生体鉗子400との寸法関係を示す。
図13(f)中、ガイド路114bを実線で示し、生体鉗子400については、その構成部品の中でも外形の特に大きい可撓性シース408及び被ガイド部436を破線で示す。
図13(f)に示されるように、ガイド路114bの内壁形状は、被ガイド部436の外形状よりも僅かに大きい。そのため、被ガイド部436がガイド路114bに挿入されると、生体鉗子400の先端部分(鉗子カップ420、カメラモジュール430等)について、軸線周りの回転動作が実質的に規制される。これにより、電子スコープ100による撮影画像(メイン画面Gm)に対するカメラモジュール430による撮影画像(サブ画面Gs)の向きが固定される。
【0064】
術者は、生体鉗子400を操作して(例えば、被ガイド部436をガイド路114bから抜き差し等する操作を行い)ガイド路114bに対する被ガイド部436の向きを調整することにより、メイン画面Gmに写る撮影画像の向きとサブ画面Gsに写る撮影画像の向きとを一致させることができる。これにより、術者は、メイン画面Gmとサブ画面Gsに写る被写体の対応関係を把握し易くなり、体腔内の観察等をより一層的確に行うことができる。本変形例9では、上述した自動回転表示制御を行う必要がないため、処理回路の負荷を抑えつつ、メイン画面Gmに写る撮影画像の向きとサブ画面Gsに写る撮影画像の向きとを一致させることが可能である。
【0065】
また、本変形例9において自動回転表示制御が実行されてもよい。本変形例9では、電子スコープ100に対するカメラモジュール430の軸線周りの回転動作が物理的に規制されるため、自動回転表示制御の一度の実行により、メイン画面Gmに写る撮影画像の向きとサブ画面Gsに写る撮影画像の向きとが一致されると、以降は、その状態が保たれる。すなわち、本変形例9では、自動回転表示制御を一度だけ実行すればよく、リアルタイムで逐次実行する必要がないため、処理回路の負荷が抑えられる。
【0066】
また、
図13(f)に示されるように、ガイド路114bの内壁形状は、可撓性シース408の外形状よりも小さい。そのため、生体鉗子400は、可撓性シース408がガイド路114bと通常チャネル路114aとの境界付近(例えば
図13(b)の線分B−B辺り)で鉗子チャネル114の内壁と機械的に干渉し、突出方向の移動が規制される。生体鉗子400の突出方向の移動が規制されることにより、被ガイド部436の全体がガイド路114bを超えて鉗子チャネル114の突出口から突出することはない。すなわち、突出方向の移動が規制される位置まで生体鉗子400を押し込んだ場合も、被ガイド部436の少なくとも一部がガイド路114b内に位置するため、カメラモジュール430の軸線周りの回転動作が実質的に規制されて、電子スコープ100による撮影画像(メイン画面Gm)に対するカメラモジュール430による撮影画像(サブ画面Gs)の向きが固定された状態が保たれる。
【0067】
[変形例10]
図14に、ガイド路114bの変形例を示す。
図14(a)に、変形例10に係る電子スコープ100の先端部分の構成を側断面図によって模式的に示す。また、
図14(b)、
図14(c)の各図に、鉗子チャネル114の断面形状を示す。具体的には、
図14(b)に、
図14(a)の線分D−Dにおける鉗子チャネル114(通常チャネル路114a)の断面形状を示し、
図14(c)に、
図14(a)の線分E−Eにおける鉗子チャネル114(ガイド路114b)の断面形状を示す。
【0068】
本変形例10に係るガイド路114bは、
図14(c)に示されるように、断面が矩形状となるように形成されている。このように、ガイド路114bを簡易な形状とすることにより、例えば、電子スコープ100の製造コストやリードタイムが抑えられる。