(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6535554
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/27 20180101AFI20190617BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20190617BHJP
F21S 43/33 20180101ALI20190617BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20190617BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20190617BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20190617BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20190617BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20190617BHJP
【FI】
F21S43/27
F21S43/14
F21S43/33
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:55
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-178221(P2015-178221)
(22)【出願日】2015年9月10日
(65)【公開番号】特開2017-54709(P2017-54709A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】木幡 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】池田 利正
【審査官】
下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−037141(JP,A)
【文献】
特開2013−196844(JP,A)
【文献】
特開2012−178301(JP,A)
【文献】
特開2003−320593(JP,A)
【文献】
特開2014−112630(JP,A)
【文献】
特開2014−148099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/27
F21S 43/14
F21S 43/33
F21W 103/00
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとの溶着によって形成される灯室内に光源が配置されてなる車両用灯具において、
上記透光カバーは、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂で構成されており、
上記ランプボディは、上記透光カバーを構成するPMMA樹脂よりもガラス転移温度が低いASA(アクリロニトリルスチレンアクリレート)樹脂で構成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
上記ASA樹脂として、流動特性を示すMFR(メルトマスフローレイト)が220℃×98Nの試験条件下で50(g/10min )以上のASA樹脂が用いられている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記ランプボディの内面に直接蒸着が施されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記光源が発光素子である、ことを特徴とする請求項1〜3記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとの溶着によって形成される灯室内に光源が配置されてなる車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に車両用灯具は、ランプボディと透光カバーとによって形成される灯室内に光源が配置された構成となっている。
【0003】
「特許文献1」には、このような車両用灯具として、樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとが溶着された構成のものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−320593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとが溶着された車両用灯具においては、その溶着部分に残留応力が発生してしまいやすい。その際、透光カバー側に引張応力が残留していると、ランプボディとの溶着部分の表面に溶剤が掛かったような場合には、透光カバーにクラックが発生して、水入り不具合や外観不具合が発生してしまうことがある。
【0006】
このため従来、上記「特許文献1」にも記載されているように、ランプボディと透光カバーとを溶着した後、アニール工程において溶着部分の残留応力を低減させる対応がなされている。
【0007】
ところで、テールランプ等の車両用標識灯においては、透光カバーの材質としてPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂が一般に用いられており、一方、ランプボディの材質としてはABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂が多く用いられているが、近年はABS樹脂に比して成形品の表面の平滑性に優れたASA(アクリロニトリルスチレンアクリレート)樹脂が採用されるようになってきている。
【0008】
しかしながら、ランプボディの材質として従来用いられているASA樹脂はPMMA樹脂よりもガラス転移温度が高いので、透光カバーにはランプボディとの溶着部分に引張残留応力が発生してしまう。このため、ランプボディと透光カバーとを溶着した後、アニール工程において透光カバーの引張残留応力を低減させる対応が必要となっている。
【0009】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとの溶着によって形成される灯室内に光源が配置されてなる車両用灯具において、透光カバーをPMMA樹脂で構成するとともにランプボディをASA樹脂で構成した場合であっても、アニール工程の不要化またはその簡素化を図ることができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、ランプボディの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0011】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとの溶着によって形成される灯室内に光源が配置されてなる車両用灯具において、
上記透光カバーは、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂で構成されており、
上記ランプボディは、上記透光カバーを構成するPMMA樹脂よりもガラス転移温度が低いASA(アクリロニトリルスチレンアクリレート)樹脂で構成されている、ことを特徴とするものである。
【0012】
上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば発光ダイオードや光源バルブ等が採用可能である。
【0013】
上記ランプボディを構成する「ASA樹脂」は、透光カバーを構成するPMMA樹脂よりもガラス転移温度が低いものであれば、その具体的な組成は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0014】
本願発明に係る車両用灯具は、樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとが溶着された構成となっているが、ランプボディは透光カバーを構成するPMMA樹脂よりもガラス転移温度が低いASA樹脂で構成されているので、ランプボディと透光カバーとの溶着部分において、透光カバー側に引張残留応力ではなく圧縮残留応力を発生させるようにすることができる。そしてこれにより透光カバーの耐溶剤性を向上させることができる。したがって、ランプボディと透光カバーとを溶着した後のアニール工程を不要とすることあるいはこれを簡素なものとすることができる。
【0015】
このように本願発明によれば、樹脂製のランプボディと樹脂製の透光カバーとの溶着によって形成される灯室内に光源が配置されてなる車両用灯具において、透光カバーをPMMA樹脂で構成するとともにランプボディをASA樹脂で構成した場合であっても、アニール工程の不要化またはその簡素化を図ることができる。
【0016】
そしてこれにより、従来のようなアニール工程のための大規模かつ高コストな設備を廃止または縮小することができるとともに、リードタイムの短縮による生産性向上を図ることができる。
【0017】
上記構成において、ランプボディを構成するASA樹脂として、流動特性を示すMFR(メルトマスフローレイト)が、220℃×98Nの試験条件下で50(g/10min )以上のASA樹脂を用いるようにすれば、ランプボディを構成するASA樹脂のガラス転移温度を、透光カバーを構成するPMMA樹脂のガラス転移温度よりも低い値に設定することが容易に可能となる。しかも、このように流動性の高いASA樹脂を用いることにより、ランプボディの成形性を高めることができる。
【0018】
上記構成において、ランプボディの内面に直接蒸着が施された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、上述したように、ランプボディをASA樹脂で構成することにより、ランプボディをABS樹脂等で構成した場合に比して、その表面の平滑性を高めることができる。したがって、ランプボディの内面に蒸着を施す際、従来のように前処理としてのアンダーコートを施すことなく直接蒸着を施すことが可能となる。そして、このようにランプボディの内面に直接蒸着を施すことにより、灯具の製造工程の簡素化および製造コストの低減を図ることができる。
【0020】
上記構成において、光源として発光ダイオード等の発光素子を採用するようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、光源を発光素子とすることにより、光源バルブ等の場合に比して光源からの輻射熱を大幅に低減させることができるので、ランプボディが高温になってしまうのを未然に防止することができる。したがって、ランプボディを構成するASA樹脂のガラス転移温度を、透光カバーを構成するPMMA樹脂のガラス転移温度よりも低い値に設定する上で、光源からの輻射熱の影響を考慮する必要をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す正面図
【
図3】
図2のIII 部詳細図を用いて、上記実施形態の作用を従来例と比較して示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図である。また、
図2は、
図1のII−II線断面詳細図である。
【0025】
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両後部に配置されるテールランプであって、ランプボディ12と透光カバー14とで形成される灯室16内に複数の光源20が収容された構成となっている。
【0026】
各光源20は、発光素子であって、その発光面を灯具前方(車両としては後方)へ向けて配置されている。具体的には、これら各発光素子は、赤色発光ダイオードであって、図示しない基板を介してランプボディ12に支持されている。
【0027】
ランプボディ12および透光カバー14は、いずれも樹脂製であって、その外周縁部12a、14aにおいて溶着によって固定されている。
【0028】
ランプボディ12は、ASA(アクリロニトリルスチレンアクリレート)樹脂で構成されており、透光カバー14は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂で構成されている。
【0029】
ランプボディ12を構成するASA樹脂は、透光カバー14を構成するPMMA樹脂よりもガラス転移温度が低い値に設定されている。具体的には、透光カバー14を構成するPMMA樹脂は、そのガラス転移温度が95℃程度であるのに対し、ランプボディ12を構成するASA樹脂は、そのガラス転移温度が85〜90℃程度の値に設定されている。
【0030】
これを確実に実現するため、ランプボディ12は、これを構成するASA樹脂として、流動特性を示すMFR(メルトマスフローレイト)が220℃×98Nの試験条件下で50(g/10min )以上のASA樹脂が用いられている。
【0031】
図2に示すように、ランプボディ12の外周縁部12aは、透光カバー14の外周縁部14aと略平行に延びており、その前面には溶着用の台座部12a1が形成されており、また、その最外周縁部には前方へ延びるフランジ部12a2が形成されている。一方、透光カバー14は素通し状に形成されており、その外周縁部14aの後面には、ランプボディ12の台座部12a1と対向するようにして後方へ延びるリブ14a1が形成されている。
【0032】
本実施形態においては、ランプボディ12と透光カバー14との溶着が熱板溶着によって行われている。
【0033】
すなわち、これらランプボディ12および透光カバー14は、ランプボディ12の台座部12a1の前面と透光カバー14のリブ14a1の後面とを、図示しない熱板によって溶融させた後、両者を灯具前後方向に押圧することによって溶着されている。これらランプボディ12の台座部12a1と透光カバー14のリブ14a1との溶着面Wは、灯具前後方向と直交する平面に沿って略平面状に延びているが、その両側部分は溶融バリの発生によって前方側へ湾曲している。
【0034】
ランプボディ12における外周縁部12aの内周側には、略灯具前後方向に延びる周壁部12bが形成されており、その内周側には後壁部12cが形成されている。そして、このランプボディ12における周壁部12bおよび後壁部12cの内面には、アルミ蒸着等の金属蒸着による蒸着膜30が形成されている。この金属蒸着は、前処理としてのアンダーコートを施すことなく直接蒸着によって行われている。
【0035】
図3は、
図2のIII 部詳細図を用いて、本実施形態の作用を従来例と比較して示す図である。
【0036】
同図は、ランプボディ12と透光カバー14とを溶着したときに、その溶着部分に発生する応力の様子を表にして示す図である。
【0037】
同表の各列上欄のt1〜t3は、溶着後の時間経過を示しており、t1は溶着直後、t2はt1から一定時間経過後、t3はt2からさらに一定時間経過後のタイミングを示している。
【0038】
また、同表の各行左欄のA、Bは、透光カバー14を構成するPMMA樹脂のガラス転移温度をTg1、ランプボディ12を構成するASA樹脂のガラス転移温度をTg2としたとき、その大小を示しており、A欄はTg1<Tg2、B欄はTg1>Tg2の場合を示している。
【0040】
従来のようにTg1<Tg2の場合、溶着直後t1のタイミングでは、溶融状態にあるランプボディ12および透光カバー14が共に冷却されて収縮するが、その収縮方向は溶着面Wの両側において同一である。
【0041】
溶着部分の冷却がある程度進んだt2のタイミングでは、ランプボディ12はこれを構成するASA樹脂の温度がガラス転移温度Tg2以下になって固化するが、透光カバー14は溶融状態のまま収縮を続ける。
【0042】
そして、溶着部分の冷却がさらに進んだt3のタイミングでは、透光カバー14もこれを構成するPMMA樹脂がガラス転移温度Tg1以下になって固化する。その際、ランプボディ12が固化してから透光カバー14が固化するまでの間に透光カバー14が収縮を続けたことに起因して、透光カバー14には引張残留応力が発生する。
【0044】
本実施形態のようにTg1>Tg2の場合、溶着直後t1のタイミングでは、溶融状態にあるランプボディ12および透光カバー14が共に冷却されて収縮するが、その収縮方向は溶着面Wの両側において同一である。
【0045】
溶着部分の冷却がある程度進んだt2のタイミングでは、透光カバー14はこれを構成するPMMA樹脂がガラス転移温度Tg1以下になって固化するが、ランプボディ12は溶融状態のまま収縮を続ける。
【0046】
そして、溶着部分の冷却がさらに進んだt3のタイミングでは、ランプボディ12もこれを構成するASA樹脂の温度がガラス転移温度Tg2以下になって固化する。その際、透光カバー14が固化してからランプボディ12が固化するまでの間にランプボディ12が収縮を続けたことに起因して、透光カバー14には圧縮残留応力が発生する。
【0047】
図4は、本実施形態の作用を説明するためのグラフである。
【0048】
このグラフは、220℃×98Nの試験条件下において、ASA樹脂のMFR(メルトマスフローレイト)とそのガラス転移温度Tg2との関係を測定した結果を示すグラフである。
【0049】
同図に示すように、ASA樹脂は、MFRが大きくなるとTg2が低下する傾向にあり、MFRが40(g/10min )を超えたあたりでTg2は95℃以下となり、MFRが50(g/10min )を超えるとTg2はさらに低下して90℃以下となる。
【0050】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0051】
本実施形態に係る車両用灯具10は、樹脂製のランプボディ12と樹脂製の透光カバー14とが溶着された構成となっているが、ランプボディ12は透光カバー14を構成するPMMA樹脂よりもガラス転移温度が低いASA樹脂で構成されている(すなわち、透光カバー14を構成するPMMA樹脂のガラス転移温度Tg1に対して、ランプボディ12を構成するASA樹脂のガラス転移温度Tg2が、Tg1>Tg2となっている)ので、
図3に示すように、ランプボディ12と透光カバー14との溶着部分において、透光カバー14側に引張残留応力ではなく圧縮残留応力を発生させるようにすることができる。そしてこれにより透光カバー14の耐溶剤性を向上させることができる。したがって、ランプボディ12と透光カバー14とを溶着した後のアニール工程を不要とすることあるいはこれを簡素なものとすることができる。
【0052】
このように本実施形態によれば、樹脂製のランプボディ12と樹脂製の透光カバー14との溶着によって形成される灯室16内に光源20が配置されてなる車両用灯具10において、透光カバー14をPMMA樹脂で構成するとともにランプボディ12をASA樹脂で構成した場合であっても、アニール工程の不要化またはその簡素化を図ることができる。
【0053】
そしてこれにより、従来のようなアニール工程のための大規模かつ高コストな設備を廃止または縮小することができるとともに、リードタイムの短縮による生産性向上を図ることができる。
【0054】
その際、本実施形態においては、ランプボディ12を構成するASA樹脂として、流動特性を示すMFR(メルトマスフローレイト)が、220℃×98Nの試験条件下で50(g/10min )以上のASA樹脂が用いられているので、
図4に示すように、ランプボディ12を構成するASA樹脂のガラス転移温度Tg2を、透光カバー14を構成するPMMA樹脂のガラス転移温度Tg1である95℃程度よりも低い値に設定することが容易に可能となる。しかも、このように流動性の高いASA樹脂を用いることにより、ランプボディ12の成形性を高めることができる。
【0055】
また本実施形態においては、ランプボディ12の内面に直接蒸着が施された構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0056】
すなわち、ランプボディ12をASA樹脂で構成することにより、ランプボディ12をABS樹脂等で構成した場合に比して、その表面の平滑性を高めることができる。したがって、ランプボディ12の内面に蒸着を施して蒸着膜30を形成する際、従来のように前処理としてのアンダーコートを施すことなく直接蒸着を施すことが可能となる。そして、このようにランプボディ12の内面に直接蒸着を施すことにより、灯具の製造工程の簡素化および製造コストの低減を図ることができる。
【0057】
さらに本実施形態においては、光源20として発光素子が採用されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0058】
すなわち、光源20を発光素子とすることにより、光源バルブ等の場合に比して光源20からの輻射熱を大幅に低減させることができるので、ランプボディ12が高温になってしまうのを未然に防止することができる。したがって、ランプボディ12を構成するASA樹脂のガラス転移温度Tg2を、透光カバー14を構成するPMMA樹脂のガラス転移温度Tg1よりも低い値に設定する上で、光源20からの輻射熱の影響を考慮する必要をなくすことができる。
【0059】
上記実施形態においては、ランプボディ12と透光カバー14との溶着が熱板溶着によって行われているものとして説明したが、これ以外の溶着方法(例えば振動溶着やレーザ溶着等)によって溶着された構成とすることも可能である。
【0060】
上記実施形態においては、透光カバー14が素通し状に形成されているものとして説明したが、その内面にレンズ素子が形成された構成等を採用することも可能である。
【0061】
上記実施形態においては、車両用灯具10がテールランプである場合について説明したが、テールランプ以外にも、ストップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、デイタイムランニングランプ等、車両に設けられる箇所や機能にかかわらず、上記実施形態と同様の構成を採用することにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0063】
また、本願発明は、上記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 車両用灯具
12 ランプボディ
12a、14a 外周縁部
12a1 台座部
12a2 フランジ部
12b 周壁部
12c 後壁部
14 透光カバー
14a1 リブ
16 灯室
20 光源
30 蒸着膜
Tg1 PMMA樹脂のガラス転移温度
Tg2 ASA樹脂のガラス転移温度
W 溶着面