特許第6535585号(P6535585)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6535585
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】停電検知システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20190617BHJP
   H02J 9/00 20060101ALI20190617BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20190617BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20190617BHJP
【FI】
   H02J9/06 120
   H02J9/00 120
   H02J13/00 301A
   F24H1/00 G
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-232297(P2015-232297)
(22)【出願日】2015年11月27日
(65)【公開番号】特開2017-99238(P2017-99238A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近廻 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 宏明
(72)【発明者】
【氏名】足立 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】所 寿洋
(72)【発明者】
【氏名】小川 純一
(72)【発明者】
【氏名】河野 秀勇
(72)【発明者】
【氏名】河村 初彦
【審査官】 田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−149862(JP,A)
【文献】 特開2013−046532(JP,A)
【文献】 特開2015−146681(JP,A)
【文献】 特開2010−029004(JP,A)
【文献】 特開2013−050252(JP,A)
【文献】 特開2013−048556(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0105097(US,A1)
【文献】 特開2015−144561(JP,A)
【文献】 特開2015−208146(JP,A)
【文献】 特開2011−125124(JP,A)
【文献】 特開2012−235615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/06
F24H 1/00
H02J 9/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般負荷系統と重要負荷系統を通じて電力が供給される停電検知システムであって、
前記一般負荷系統と前記重要負荷系統を通じて電力を供給可能な商用電源と、
前記重要負荷系統を通じて電力を供給可能な蓄電池と、
前記一般負荷系統に接続される停電検知装置と、
前記重要負荷系統に接続される熱機器と、
前記商用電源からの電力供給が停止すると前記蓄電池からの電力供給を開始する制御手段を備え、
前記停電検知装置は、
前記一般負荷系統のコンセントに差し込まれるプラグと、
前記プラグに接続されている第1電力線および第2電力線と、
前記第1電力線と前記第2電力線の間の電圧又は周波数を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された電圧又は周波数に基づいて停電を判断する停電判断部と、
前記停電判断部によって判断されて判断結果を前記熱機器に送信する通信部を備えている、停電検知システム。
【請求項2】
一般負荷系統と重要負荷系統を通じて電力が供給される停電検知システムであって、
前記一般負荷系統と前記重要負荷系統を通じて電力を供給可能な商用電源と、
前記重要負荷系統を通じて電力を供給可能な蓄電池と、
前記一般負荷系統に接続される停電検知装置と、
前記重要負荷系統に接続される熱機器と、
前記商用電源からの電力供給が停止すると前記蓄電池からの電力供給を開始する制御手段を備え、
前記停電検知装置は、
前記一般負荷系統のコンセントに接続されている第1電圧線と第2電圧線の間の電圧又は周波数を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された電圧又は周波数に基づいて停電を判断する判断部と、
前記判断部によって判断されて判断結果を前記熱機器に送信する通信部を備えている、停電検知システム。
【請求項3】
前記熱機器が、通常動作モードと、前記通常動作モードより消費電力が抑制された抑制動作モードで動作可能であり、前記通信部から受信した判断結果に基づいて前記通常動作モードと前記抑制動作モードを切り換える、請求項1又は2に記載の停電検知システム。
【請求項4】
前記通信部が、無線ルーターを介して判断結果を送信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の停電検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、停電検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている電力供給システムは、熱機器に電力を供給可能な商用電源と蓄電池を備えている。この電力供給システムでは、通常時は商用電源から熱機器に電力を供給し、商用電源からの電力供給が停止する(停電する)と、蓄電池からの電力供給が開始される。これによって、停電時は蓄電池から熱機器に電力を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−088060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電力供給システムでは、通常時と停電時のいずれでも熱機器に電力が供給されるので、停電しているか否かを熱機器が判断することができない。そこで本明細書は、停電しているか否かを熱機器が適切に判断することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する停電検知システムは、一般負荷系統と重要負荷系統を通じて電力が供給されるシステムである。この停電検知システムは、一般負荷系統と重要負荷系統を通じて電力を供給可能な商用電源と、重要負荷系統を通じて電力を供給可能な蓄電池と、一般負荷系統に接続される停電検知装置と、重要負荷系統に接続される熱機器と、商用電源からの電力供給が停止すると蓄電池からの電力供給を開始する制御手段を備えている。
【0006】
停電検知装置は、一般負荷系統のコンセントに差し込まれるプラグと、プラグに接続されている第1電力線および第2電力線と、第1電力線と第2電力線の間の電圧又は周波数を測定する測定部と、測定部によって測定された電圧又は周波数に基づいて停電を判断する停電判断部と、停電判断部によって判断されて判断結果を熱機器に送信する通信部を備えている。
【0007】
このような構成によれば、通常時は商用電源から一般負荷系統を通じて停電検知装置に電力が供給されると共に、商用電源から重要負荷系統を通じて熱機器に電力が供給される。商用電源からの電力供給が停止する(停電する)と、一般負荷系統を通じて電力を供給することができなくなる。したがって、停電時は停電検知装置に電力が供給されなくなる。一方、停電すると蓄電池からの電力供給が開始するので、重要負荷系統を通じて蓄電池から熱機器に電力を供給することができる。したがって、通常時と停電時のいずれでも熱機器に電力が供給される。
【0008】
また、上記の構成によれば、停電すると一般負荷系統を通じて停電検知装置に電力が供給されなくなるので、停電検知装置の第1電力線と第2電力線の間の電圧又は周波数が低下する(例えば、第1電力線と第2電力線の間の電圧が、通常時の100Vから停電時の0Vに低下する。又は、第1電力線と第2電力線の間の周波数が、通常時の50Hzから停電時の0Hzに低下する。)。そうすると、測定部がその電圧又は周波数を測定し、測定された電圧又は周波数に基づいて停電判断部が停電を判断し、通信部が判断結果を熱機器に送信する。これによって、停電しているか否かを熱機器が適切に判断することができる。
【0009】
または、停電検知装置は、一般負荷系統のコンセントに接続されている第1電圧線と第2電圧線の間の電圧又は周波数を測定する測定部と、測定部によって測定された電圧又は周波数に基づいて停電を判断する停電判断部と、停電判断部によって判断されて判断結果を熱機器に送信する通信部を備えている。
【0010】
このような構成によれば、上記と同様に、停電すると一般負荷系統を通じて電力が供給されなくなるので、一般負荷系統のコンセントに接続されている第1電圧線と第2電圧線の間の電圧又は周波数が低下する(例えば、第1電圧線と第2電圧線の間の電圧が、通常時の100Vから停電時の0Vに低下する。又は、第1電圧線と第2電圧線の間の周波数が、通常時の50Hzから停電時の0Hzに低下する。)。そうすると、測定部がその電圧を測定し、測定された電圧に基づいて停電判断部が停電を判断し、通信部が判断結果を熱機器に送信する。これによって、停電しているか否かを熱機器が適切に判断することができる。
【0011】
上記の各停電検知システムにおいて、熱機器が、通常動作モードと、通常動作モードより消費電力が抑制された抑制動作モードで動作可能であってもよい。熱機器は、通信部から受信した判断結果に基づいて通常動作モードと抑制動作モードを切り換えてもよい。
【0012】
このような構成によれば、停電判断部によって判断された判断結果に基づいて通常動作モードと抑制動作モードを切り換えることができるので、通常動作モードと抑制動作モードを適切に切り換えることができる。
【0013】
また、通信部が、無線ルーターを介して判断結果を送信してもよい。
【0014】
このような構成によれば、停電の判断結果を熱機器に確実に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例に係る停電検知システムの模式図である。
図2】実施例に係る停電検知システムの一部の模式図である。
図3】実施例に係る停電検知装置の模式図である。
図4】実施例に係る停電検知システムの一部の模式図である。
図5】実施例に係る熱機器の模式図である。
図6】他の実施例に係る停電検知システムの一部の模式図である。
図7】他の実施例に係る停電検知システムの一部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、実施例に係る停電検知システム1は、商用電源2と、蓄電池3と、第1分電盤12と、第2分電盤13を備えている。また、停電検知システム1は、一般負荷系統14と重要負荷系統15を備えている。停電検知システム1は、一般負荷系統14と重要負荷系統15を通じて電気機器に電力を供給するシステムである。また、停電検知システム1は、停電検知装置16と熱機器17を備えている。
【0017】
商用電源2は、外部の電力系統に接続されている。外部の電力系統から商用電源2に電力が供給される。商用電源2は、第1分電盤12を介して一般負荷系統14に接続されている。商用電源2は、第1分電盤12を介して一般負荷系統14に電力を供給する。商用電源2は、第1分電盤12と第2分電盤13を介して重要負荷系統15に接続されている。商用電源2は、第1分電盤12と第2分電盤13を介して重要負荷系統15に電力を供給する。
【0018】
第1分電盤12は、商用電源2に接続されている。図2に示すように、第1分電盤12は、1つの主幹ブレーカー121と、複数の分岐ブレーカー122を備えている。商用電源2と主幹ブレーカー121が電源配線123によって電気的に接続されている。主幹ブレーカー121と複数の分岐ブレーカー122が分岐配線124によって電気的に接続されている。複数の分岐ブレーカー122と複数のコンセント141のそれぞれが、電圧線(第1電圧線125aと第2電圧線125b)によって電気的に接続されている。
【0019】
一般負荷系統14は、複数の電圧線125a、125bと、複数のコンセント141を備えている。複数のコンセント141のそれぞれに一般負荷142を接続することができる。一般負荷142がコンセント141を介して一般負荷系統14に接続される。一般負荷142は、例えば、エアコン、電子レンジ、洗濯機等の電気機器である。一般負荷142には、一般負荷系統14を通じて商用電源2のみから電力が供給される。蓄電池3から一般負荷142には、電力が供給されない。商用電源2からの電力の供給が停止する(停電する)と、一般負荷142には電力が供給されない。各コンセント141は、一対の極(第1極141aと第2極141b)を備えている。
【0020】
また、一般負荷系統14のコンセント141に停電検知装置16を接続することができる。停電検知装置16がコンセント141を介して一般負荷系統14に接続される。
【0021】
停電検知装置16は、図3に示すように、筐体161と、プラグ162と、一対の電力線(第1電力線163aと第2電力線163b)と、コンセント164を備えている。また、停電検知装置16は、電圧測定部165(測定部の一例)と、停電判断部166と、通信部167を備えている。
【0022】
プラグ162は、一般負荷系統14のコンセント141に差し込まれる。プラグ162は、一対の端子(第1端子162aと第2端子162b)を備えている。プラグ162の第1端子162aがコンセント141の第1極141aに接続され、プラグ162の第2端子162bがコンセント141の第2極141bに接続される。
【0023】
一対の電力線(第1電力線163aと第2電力線163b)がプラグ162に接続されている。第1電力線163aがプラグ162の第1端子162aに接続され、第2電力線163bがプラグ162の第2端子162bに接続されている。通電時には、第1電力線163aと第2電力線163bのいずれか一方の電位が高電位になり、他方の電位が低電位になる。
【0024】
コンセント164が一対の電力線(第1電力線163aと第2電力線163b)に接続されている。コンセント164は、一対の極(第1極164aと第2極164b)を備えている。コンセント164の第1極164aが第1電力線163aに接続され、コンセント164の第2極164bが第2電力線163bに接続されている。コンセント164に一般負荷142を接続することができる。一般負荷142が停電検知装置16を介して一般負荷系統14に接続される。停電検知装置16に接続されている一般負荷142には、一般負荷系統14と停電検知装置16を通じて商用電源2から電力が供給される。
【0025】
電圧測定部165は、第1電力線163aと第2電力線163bに接続されている。電圧測定部165は、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧を測定する。
【0026】
停電判断部166は、電圧測定部165によって測定された電圧に基づいて停電を判断する。停電判断部166は、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が所定の電圧以下である場合は、停電している(商用電源2から電力が供給されていない)と判断する。例えば、停電判断部166は、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が0Vである場合に停電していると判断する。一方、停電判断部166は、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が所定の電圧以上である場合は、停電していないと判断する。例えば、停電判断部166は、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が100Vである場合に停電していないと判断する。
【0027】
通信部167は、停電判断部166によって判断された判断結果を熱機器17に送信する。通信部167は、判断結果を無線通信で送信する。電圧測定部165と停電判断部166と通信部167には、電池168から電力が供給される。
【0028】
図1に示す蓄電池3は、例えばリチウムイオン蓄電池であり、電力を蓄えることができる。蓄電池3は、第2分電盤13を介して重要負荷系統15に接続されている。蓄電池3は、第2分電盤13を介して重要負荷系統15に電力を供給する。
【0029】
第2分電盤13は、商用電源2と蓄電池3に接続されている。図4に示すように、第2分電盤13は、1つの主幹ブレーカー131と、複数の分岐ブレーカー132を備えている。商用電源2と主幹ブレーカー131が送電配線126によって電気的に接続されている。商用電源2と蓄電池3が送電配線126と充電配線127によって電気的に接続されている。商用電源2から供給された電力が蓄電池3に充電される。蓄電池3と主幹ブレーカー131が放電配線128によって電気的に接続されている。蓄電池3は、充電された電力を放電する。また、主幹ブレーカー131と複数の分岐ブレーカー132が分岐配線134によって電気的に接続されている。複数の分岐ブレーカー132と複数のコンセント151のそれぞれが、電圧線(第3電圧線135aと第4電圧線135b)によって電気的に接続されている。
【0030】
重要負荷系統15は、複数の電圧線135a、135bと、複数のコンセント151を備えている。複数のコンセント151のそれぞれに重要負荷152を接続することができる。重要負荷152がコンセント151を介して重要負荷系統15に接続される。重要負荷152は、例えば、テレビ、冷蔵庫、照明等の電気機器である。また、コンセント151を介さずに重要負荷系統15に接続される重要負荷もある。例えば、熱機器17(重要負荷の一例)がコンセント151を介さずに重要負荷系統15に接続される。重要負荷152、17には、重要負荷系統15を通じて商用電源2又は蓄電池3のいずれかから電力が供給される。商用電源2からの電力の供給が停止する(停電する)と、蓄電池3から重要負荷152、17に電力が供給される。
【0031】
第2分電盤13は、スイッチ139を備えている。スイッチ139は、商用電源2から重要負荷系統15に電力が供給される経路と、蓄電池3から重要負荷系統15に電力が供給される経路を切り換えることができる。通常時は、商用電源2側にスイッチ139が入力される。停電時は、蓄電池3側にスイッチ139が入力される。商用電源2からの電力供給が停止する(停電する)と、制御装置100が、スイッチ139を商用電源2側から蓄電池3側に切り換える。また、停電から復帰して商用電源2から電力が供給されると、制御装置100が、スイッチ139を蓄電池3側から商用電源2側に切り換える。
【0032】
熱機器17は、通常動作モードと抑制動作モードで動作可能である。抑制動作モードでは、熱機器17の動作が抑制される。抑制動作モードでの熱機器17の消費電力は、通常動作モードでの熱機器17の消費電力より抑制される。熱機器17は、通常動作モードで動作すると消費電力が相対的に大きくなり、抑制動作モードで動作すると消費電力が相対的に小さくなる。熱機器17の消費電力は、後述のヒートポンプ50が動作していると大きくなる。ヒートポンプ50の動作が抑制されると、熱機器17の消費電力が抑制される。熱機器17の抑制動作モードでは、ヒートポンプ50の動作が抑制される。熱機器17の通常動作モードでは、ヒートポンプ50の動作が抑制されていない。
【0033】
次に、熱機器の一例について説明する。本実施例では、熱機器として給湯暖房装置を用いている。図5に示すように、熱機器17(給湯暖房装置)は、タンクユニット4と、ヒートポンプユニット6と、熱源機ユニット8と、熱機器用制御装置180を備えている。
【0034】
ヒートポンプユニット6は、ヒートポンプ50と、給湯用水循環ポンプ22を備えている。ヒートポンプ50は、冷媒(例えばR410AといったHFC冷媒や、CO2、イソブタン、プロパン等の自然冷媒など)を循環させるための冷媒循環路52と、空気熱交換器54と、ファン56と、圧縮機62と、給湯熱交換器51と、暖房熱交換器53と、膨張弁60を備えている。ヒートポンプ50では、空気熱交換器54が蒸発器を構成しており、給湯熱交換器51と暖房熱交換器53が凝縮器を構成している。
【0035】
空気熱交換器54は、ファン56によって送風された外気と冷媒循環路52内の冷媒との間で熱交換させる。空気熱交換器54には、膨張弁60を通過後の低圧低温の液体状態にある冷媒が供給される。空気熱交換器54は、冷媒と外気とを熱交換させることによって、冷媒を加熱する。冷媒は、加熱されることにより気化し、比較的高温で低圧の気体状態となる。
【0036】
圧縮機62には、空気熱交換器54を通過後の冷媒が供給される。即ち、圧縮機62には、比較的高温で低圧の気体状態の冷媒が供給される。圧縮機62によって冷媒が圧縮されることにより、冷媒は高温高圧の気体状態となる。圧縮機62は、圧縮後の高温高圧の気体状態の冷媒を、給湯熱交換器51に送り出す。
【0037】
給湯熱交換器51には、圧縮機62から送り出された高温高圧の気体状態の冷媒が供給される。給湯熱交換器51は、冷媒循環路52内の冷媒と、後述のタンク水循環路20内の水(熱媒の一例であり、以下では給湯用水ともいう)との間で熱交換を行う。給湯熱交換器51を通過した冷媒は、暖房熱交換器53へ送られる。暖房熱交換器53は、給湯熱交換器51からの冷媒と、後述の第2暖房加熱路84からの水(熱媒の一例であり、以下では暖房用水ともいう)との間で熱交換を行う。冷媒は、給湯熱交換器51および/または暖房熱交換器53での熱交換の結果、熱を奪われて凝縮する。これにより、冷媒は、比較的低温で高圧の液体状態となる。
【0038】
膨張弁60には、暖房熱交換器53を通過後の比較的低温で高圧の液体状態の冷媒が供給される。冷媒は、膨張弁60を通過することによって減圧され、低温低圧の液体状態となる。膨張弁60を通過した冷媒は、上記の通り、空気熱交換器54に送られる。
【0039】
ヒートポンプ50において、圧縮機62を作動させると、冷媒循環路52内の冷媒は、圧縮機62、給湯熱交換器51、暖房熱交換器53、膨張弁60、空気熱交換器54の順に循環する。これによって、給湯熱交換器51においてタンク水循環路20内の給湯用水(熱媒)が加熱され、および/または、暖房熱交換器53において第2暖房加熱路84からの暖房用水(熱媒)が加熱される。給湯熱交換器51と暖房熱交換器53は、冷媒を加熱流体とした、給湯用水および/または暖房用水を加熱する加熱装置55ということもできる。
【0040】
タンクユニット4は、タンク10を備えている。タンク10は、ヒートポンプ50によって加熱された給湯用水を貯える。本実施例の給湯用水は、水道水である。タンク10は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。タンク10内には満水まで給湯用水が貯留される。
【0041】
タンク水循環路20は、上流端がタンク10の下部に接続されており、ヒートポンプユニット6の給湯熱交換器51を通過して、下流端がタンク10の上部に接続されている。タンク水循環路20には、ヒートポンプユニット6の給湯用水循環ポンプ22が介装されている。ヒートポンプユニット6において、ヒートポンプ50を作動させて、給湯用水循環ポンプ22を駆動すると、タンク10の下部の給湯用水が給湯熱交換器51に送られて加熱され、加熱された給湯用水がタンク10の上部に戻される。タンク10の内部には、低温の給湯用水の層の上に高温の給湯用水の層が積み重なった温度成層が形成される。
【0042】
水道水導入路24は、上流端が熱機器17(給湯暖房装置)の外部の水道水供給源32に接続されている。水道水導入路24の下流側は、第1導入路24aと第2導入路24bに分岐している。第1導入路24aの下流端は、タンク10の下部に接続されている。第2導入路24bの下流端は、第1給湯路36の途中に接続されている。
【0043】
第1給湯路36は、上流端がタンク10の上部に接続されている。上述したように、第1給湯路36の途中には、水道水導入路24の第2導入路24bが接続されている。第1給湯路36と第2導入路24bの接続部には、混合弁30が介装されている。混合弁30は、タンク10の上部から第1給湯路36へ流入する高温の給湯用水の流量と、第2導入路24bから第1給湯路36へ流入する低温の水道水の流量の割合を調整する。第2導入路24bとの接続部より下流側の第1給湯路36は、熱源機ユニット8の給湯加熱路37を通過して、第2給湯路39へ接続している。第1給湯路36と第2給湯路39の間は、熱源機バイパス路33によって接続されている。熱源機バイパス路33にはバイパス弁34が介装されている。第2給湯路39の下流端は給湯栓38に接続されている。
【0044】
熱源機ユニット8は、シスターン70と、暖房用バーナ82と、給湯用バーナ81を備えている。暖房用バーナ82と給湯用バーナ81は、熱媒を加熱するガス熱源機150ということもできる。シスターン70は、上部が開放されている容器であり、内部に暖房用水を貯留している。本実施例の暖房用水は例えば水道水または不凍液である。シスターン70には、暖房往路72の上流端が接続されている。暖房往路72には、暖房用水循環ポンプ74が介装されている。暖房用水循環ポンプ74を駆動すると、シスターン70内の暖房用水が暖房往路72に流れ込む。
【0045】
暖房往路72の下流端は、第1暖房加熱路73と、低温暖房循環路75に分岐している。低温暖房循環路75には、低温暖房機78が取り付けられる。本実施例の低温暖房機78は、例えば床暖房機である。低温暖房機78は、供給される暖房用水の熱を利用して暖房する。第1暖房加熱路73には、暖房用バーナ82が介装されている。暖房用バーナ82は、第1暖房加熱路73内の暖房用水を加熱する。第1暖房加熱路73の下流端は、高温暖房循環路77と追い焚き循環路79に分岐している。高温暖房循環路77には、高温暖房機76が取り付けられる。本実施例の高温暖房機76は、例えば浴室暖房乾燥機である。高温暖房機76は、供給される暖房用水の熱を利用して暖房する。低温暖房循環路75と高温暖房循環路77は、それぞれの下流端で合流して、第2暖房加熱路84の上流端へ接続している。
【0046】
第2暖房加熱路84の下流端は、ヒートポンプユニット6の暖房熱交換器53を通過して、暖房復路96に接続している。暖房復路96は、下流端が熱源機ユニット8のシスターン70に接続している。
【0047】
追い焚き循環路79には、追い焚き熱動弁83と、追い焚き熱交換器97が介装されている。追い焚き熱動弁83は、追い焚き循環路79を開閉する。追い焚き熱交換器97では、追い焚き循環路79を流れる暖房用水と、浴槽水循環路91を流れる浴槽水の間で熱交換が行われる。追い焚き循環路79の下流端は、暖房復路96に接続している。
【0048】
浴槽水循環路91の上流端は、浴槽98の底部に接続している。浴槽水循環路91の下流端は、浴槽98の側部に接続している。浴槽水循環路91には、浴槽水循環ポンプ99が介装されている。浴槽水循環ポンプ99が駆動すると、浴槽98の底部から吸い出された浴槽水が、追い焚き熱交換器97を通過して、浴槽98の側部へ戻される。
【0049】
給湯加熱路37には、給湯用バーナ81が介装されている。給湯加熱路37の給湯用バーナ81よりも下流側から、浴槽注湯路40が分岐している。浴槽注湯路40には、浴槽注湯路40を開閉する注湯電磁弁42が介装されている。浴槽注湯路40の下流端は、浴槽水循環ポンプ99に接続している。
【0050】
熱機器用制御装置180は、タンクユニット4、ヒートポンプユニット6、熱源機ユニット8の各構成要素の動作を制御する。
【0051】
熱機器17(給湯暖房装置)は、以下のように、蓄熱運転、給湯運転、暖房運転、湯はり運転、追い焚き運転、凍結防止運転等を実施することができる。
【0052】
(蓄熱運転)
蓄熱運転では、タンク10内の給湯用水をヒートポンプ50で加熱し、高温となった給湯用水をタンク10に戻す。蓄熱運転を実行する際には、熱機器用制御装置180は圧縮機62およびファン56を駆動してヒートポンプ50を作動させるとともに、給湯用水循環ポンプ22を駆動する。
【0053】
圧縮機62の駆動により、冷媒循環路52内の冷媒は、圧縮機62、給湯熱交換器51、暖房熱交換器53、膨張弁60、空気熱交換器54の順に循環する。この場合、給湯熱交換器51を通過する冷媒循環路52内の冷媒は、高温高圧の気体状態である。また、給湯用水循環ポンプ22の駆動により、タンク水循環路20内をタンク10内の給湯用水が循環する。即ち、タンク10の下部に存在する給湯用水がタンク水循環路20内に導入され、導入された給湯用水が給湯熱交換器51を通過する際に、冷媒循環路52内の冷媒の熱によって加熱され、加熱された給湯用水がタンク10の上部に戻される。これにより、タンク10に高温の給湯用水が貯められる。タンク10の内部が高温の給湯用水で満たされた満蓄状態となると、蓄熱運転を終了する。
【0054】
(給湯運転)
給湯運転は、タンク10内の給湯用水を給湯栓38に供給する運転である。給湯運転は、上記の蓄熱運転と並行して行うこともできる。給湯栓38が開かれると、水道水供給源32からの水圧によって、水道水導入路24(第1導入路24a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の給湯用水が、第1給湯路36を介して給湯栓38に供給される。
【0055】
熱機器用制御装置180は、タンク10から第1給湯路36に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度より高い場合には、混合弁30を駆動して第2導入路24bから第1給湯路36に水道水を導入する。従って、タンク10から供給された給湯用水と第2導入路24bから供給された水道水とが、第1給湯路36内で混合される。熱機器用制御装置180は、給湯栓38に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度と一致するように、混合弁30の開度を調整する。一方、熱機器用制御装置180は、タンク10から第1給湯路36に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度より低い場合には、給湯用バーナ81によって第1給湯路36を通過する水を加熱する。熱機器用制御装置180は、給湯栓38に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度と一致するように、給湯用バーナ81の出力を制御する。
【0056】
(暖房運転)
暖房運転は、ヒートポンプ50によって暖房用水を加熱し、高温となった暖房用水を用いて低温暖房機78や高温暖房機76によって暖房する運転である。利用者によって暖房運転の実行が指示されると、熱機器用制御装置180は、暖房用水循環ポンプ74を回転させる。さらに、熱機器用制御装置180は、圧縮機62およびファン56を駆動する。
【0057】
圧縮機62の駆動により、冷媒循環路52内の冷媒は、圧縮機62、給湯熱交換器51、暖房熱交換器53、膨張弁60、空気熱交換器54の順に循環する。この場合、暖房熱交換器53を通過する冷媒循環路52内の冷媒は、高温高圧の気体状態である。また、暖房用水循環ポンプ74の駆動により、第2暖房加熱路84をシスターン70内の暖房用水が循環する。第2暖房加熱路84を循環する暖房用水は、暖房熱交換器53を通過する際に、冷媒循環路52内の冷媒の熱によって加熱される。暖房熱交換器53で加熱された暖房用水は、シスターン70を経て、低温暖房機78や高温暖房機76に供給される。さらに、熱機器用制御装置180は、必要に応じて暖房用バーナ82を作動する。これにより、高温暖房機76には、暖房用バーナ82での加熱によってさらに高温となった暖房用水が供給される。暖房運転においては、低温暖房機78に供給される暖房用水の温度が低温暖房設定温度となるように、また高温暖房機76に供給される暖房用水の温度が高温暖房設定温度となるように、ヒートポンプ50の動作や、暖房用バーナ82の出力が調整される。
【0058】
(湯はり運転)
湯はり運転は浴槽98に湯はりをする運転である。利用者が湯はり運転の開始を指示すると、熱機器17(給湯暖房装置)は湯はり運転を開始する。湯はり運転においては、注湯電磁弁42を開く。注湯電磁弁42が開くと、水道水供給源32からの水圧によって、水道水導入路24(第1導入路24a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の給湯用水が、第1給湯路36、浴槽注湯路40、浴槽水循環路91を介して浴槽98に供給される。湯はり運転においては、給湯運転と同様にして、浴槽注湯路40に供給される水の温度を湯はり設定温度に調整する。浴槽98に供給される水の水量が湯はり設定水量に達すると、湯はり運転を終了する。
【0059】
(追い焚き運転)
追い焚き運転は、浴槽98に貯められた浴槽水を追い焚きする運転である。利用者が追い焚き運転の開始を指示すると、熱機器17(給湯暖房装置)は追い焚き運転を開始する。追い焚き運転においては、浴槽水循環ポンプ99を駆動する。また、追い焚き熱動弁83を開いて、暖房用水循環ポンプ74を駆動する。これにより、浴槽98の底部から浴槽水が吸い出されて、追い焚き熱交換器97で暖房用水との熱交換によって加熱される。加熱された浴槽水は、浴槽98の側部へ戻される。追い焚き運転においては、暖房用バーナ82による暖房用水の加熱が行われる。
【0060】
(凍結防止運転)
凍結防止運転は、給湯熱交換器51およびタンク水循環路20内の給湯用水や、暖房熱交換器53、第2暖房加熱路84および暖房復路96内の暖房用水が、凍結してしまうことを防止する運転である。給湯熱交換器51やタンク水循環路20の一部は、屋外に配置されているため、外気温度が低い状態で内部に給湯用水が長時間滞留していると、給湯用水が凍結してしまうおそれがある。そこで、給湯用水が凍結するおそれがある場合に、熱機器17(給湯暖房装置)は、給湯用水循環ポンプ22を駆動する。これにより、給湯熱交換器51およびタンク水循環路20の内部の給湯用水がタンク10からの給湯用水で置き換えられて、給湯用水が長時間の滞留によって凍結してしまうことを防ぐことができる。同様に、暖房熱交換器53や、第2暖房加熱路84および暖房復路96の一部は、屋外に配置されているため、外気温度が低い状態で内部に暖房用水が長時間滞留していると、暖房用水が凍結してしまうおそれがある。そこで、暖房用水が凍結するおそれがある場合に、熱機器17(給湯暖房装置)は、暖房用水循環ポンプ74を駆動する。これにより、暖房熱交換器53、第2暖房加熱路84および暖房復路96の内部の暖房用水がシスターン70からの暖房用水で置き換えられて、暖房用水が長時間の滞留によって凍結してしまうことを防ぐことができる。
【0061】
次に、停電検知システムの動作について説明する。上記の停電検知システム1では、通常時は、商用電源2から電力が供給されている。商用電源2から供給された電力は、第1分電盤12を通じて一般負荷系統14に供給される。そして、この電力は、一般負荷系統14を通じて停電検知装置16と複数の一般負荷142に供給される。
【0062】
また、商用電源2から供給された電力は、第1分電盤12と第2分電盤13を通じて重要負荷系統15に供給される。そして、この電力は、重要負荷系統15を通じて熱機器17と複数の重要負荷152に供給される。熱機器17は通常動作モードで動作している。
【0063】
また、上記の停電検知システム1では、商用電源2からの電力供給が停止すると(停電すると)、商用電源2から一般負荷系統14と重要負荷系統15に電力が供給されなくなる。例えば落雷等の原因によって停電すると、商用電源2から電力が供給されなくなる。
【0064】
万が一停電したときは、制御装置100が、第2分電盤13におけるスイッチ139を商用電源2側から蓄電池3側に切り換える。スイッチ139が切り換わると、蓄電池3から第2分電盤13を通じて重要負荷系統15に電力が供給される。この電力は、重要負荷系統15を通じて熱機器17と複数の重要負荷152に供給される。
【0065】
停電時は、電力が一般負荷系統14を通じて停電検知装置16に供給されないので、停電検知装置16の第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が低下する。例えば、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が、通電時の100Vから停電時の0Vに低下する。
【0066】
停電検知装置16では、電圧測定部165が第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧を測定しており、停電判断部166が電圧測定部165によって測定された電圧に基づいて停電を判断する。第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が低下すると、その電圧に基づいて停電判断部166が、停電している(商用電源2から電力が供給されていない)と判断する。また、停電検知装置16では、通信部167が停電判断部166によって判断された判断結果を熱機器17に送信する。
【0067】
熱機器17は、通信部167から停電の判断結果を受信すると、抑制動作モードで動作する。より詳細には、熱機器用制御装置180が、熱機器17の動作を通常動作モードから抑制動作モードに切り換える。例えば、熱機器用制御装置180が、熱機器17のヒートポンプ50の動作を抑制する。
【0068】
その後、停電から復帰して通常状態に戻ると、商用電源2から電力が供給される。商用電源2から供給された電力は、第1分電盤12を通じて一般負荷系統14に供給される。そして、この電力は、一般負荷系統14を通じて停電検知装置16と複数の一般負荷142に供給される。停電から復帰すると停電検知装置16に電力が供給されるので、停電検知装置16の第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が増大する。例えば、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が、停電時の0Vから通電時の100Vに増大する。
【0069】
第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が増大すると、電圧測定部165によって測定された電圧に基づいて、停電していない(商用電源2から電力が供給されている)と停電判断部166が判断する。また、通信部167が停電判断部166によって判断された判断結果を熱機器17に送信する。
【0070】
熱機器17は、通信部167から通電の判断結果を受信すると、通常動作モードで動作する。より詳細には、熱機器用制御装置180が、熱機器17の動作を抑制動作モードから通常動作モードに切り換える。例えば、熱機器用制御装置180が、熱機器17のヒートポンプ50の抑制動作を解除する。
【0071】
以上、実施例に係る停電検知システム1の構成と動作について説明した。以上で説明したように、実施例に係る停電検知システム1は、一般負荷系統14と重要負荷系統15を通じて電力を供給可能な商用電源2と、重要負荷系統15を通じて電力を供給可能な蓄電池3と、一般負荷系統14に接続される停電検知装置16と、重要負荷系統15に接続される熱機器17を備えている。また、停電検知システム1は、商用電源2からの電力供給が停止すると蓄電池3からの電力供給を開始する制御装置100を備えている。停電検知装置16は、一般負荷系統14のコンセント141に差し込まれるプラグ162と、プラグ162に接続されている第1電力線163aおよび第2電力線163bを備えている。また、停電検知装置16は、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧を測定する電圧測定部165と、電圧測定部165によって測定された電圧に基づいて停電を判断する停電判断部166と、停電判断部166によって判断されて判断結果を熱機器17に送信する通信部167を備えている。
【0072】
このような構成によれば、通常時は商用電源2から一般負荷系統14を通じて停電検知装置16に電力が供給されると共に、重要負荷系統15を通じて熱機器17に電力が供給される。万が一停電すると(商用電源からの電力供給が停止すると)、一般負荷系統14を通じて停電検知装置16に電力が供給されなくなる。そうすると、停電検知装置16の第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が低下する(例えば、第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧が、通電時の100Vから停電時の0Vに低下する。)。停電検知装置16では、電圧測定部165が低下した電圧を測定し、測定された電圧に基づいて停電判断部166が停電を判断し、通信部167が判断結果を熱機器17に送信する。これによって、停電しているか否かを熱機器17が適切に判断することができる。
【0073】
一方、停電時は、蓄電池3から重要負荷系統15を通じて熱機器17に電力を供給することができる。したがって、通常時と停電時のいずれでも熱機器17に電力を供給することができる。
【0074】
また、実施例に係る停電検知システム1では、熱機器17が、通常動作モードと、通常動作モードより消費電力が抑制された抑制動作モードで動作可能であり、通信部167から受信した判断結果に基づいて通常動作モードと抑制動作モードを切り換える。
【0075】
このような構成によれば、停電判断部166によって判断された判断結果に基づいて熱機器17の動作モードを適切に切り換えることができる。
【0076】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上記の説明における構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
上記の実施例では停電検知装置16が一般負荷系統14のコンセント141に差し込まれるプラグ162を備える構成であったが、この構成に限定されるものではない。図6に示すように、他の実施例に係る停電検知装置18は、第1分電盤12の中に配置されている。電圧測定部165は、第1電圧線125aと第2電圧線125bに接続されている。電圧測定部165は、第1電圧線125aと第2電圧線125bの間の電圧を測定する。第1電圧線125aと第2電圧線125bは、分岐ブレーカー122とコンセント141に接続されている。
【0078】
この実施例に係る停電検知装置18は、一般負荷系統14のコンセント141に接続されている第1電圧線125aと第2電圧線125bの間の電圧を測定する電圧測定部165と、電圧測定部165によって測定された電圧に基づいて停電を判断する停電判断部166と、停電判断部166によって判断されて判断結果を熱機器17に送信する通信部167を備えている。電圧測定部165と停電判断部166と通信部167には、例えば第2分電盤を介して蓄電池から電力が供給されていてもよい(図示省略)。
【0079】
このような構成によれば、停電すると一般負荷系統14に電力が供給されないので、第1電圧線125aと第2電圧線125bの間の電圧が低下する(例えば、第1電圧線125aと第2電圧線125bの間の電圧が、通電時の100Vから停電時の0Vに低下する。)。停電検知装置18では、電圧測定部165が低下した電圧を測定し、測定された電圧に基づいて停電判断部166が停電を判断し、通信部167が判断結果を熱機器17に送信する。これによって、停電しているか否かを熱機器17が適切に判断することができる。
【0080】
また、通信部167による無線通信の方式は特に限定されるものではない。図7に示すように、通信部167が、無線ルーター173を介して判断結果を熱機器17に送信してもよい。無線ルーター173は、異なる複数のネットワーク間でデータのやりとりを中継するための機器である。
【0081】
このような構成によれば、無線ルーター173を介するので判断結果を確実に送信することができる。
【0082】
また、上記の実施例では電圧測定部165(測定部の一例)が第1電力線163aと第2電力線163bの間の電圧を測定し、電圧測定部165によって測定された電圧に基づいて停電判断部166が停電を判断する構成であった。あるいは、電圧測定部165が第1電圧線125aと第2電圧線125bの間の電圧を測定し、電圧測定部165によって測定された電圧に基づいて停電判断部166が停電を判断する構成であった。しかしながら、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、電圧測定部165に代えて周波数測定部(測定部の他の一例)を用いてもよい。測定対象が電圧ではなく交流の周波数であってもよい。この構成では、周波数測定部(図示せず)が第1電力線163aと第2電力線163bの間の周波数を測定し、周波数測定部によって測定された周波数に基づいて停電判断部166が停電を判断する。あるいは、周波数測定部が第1電圧線125aと第2電圧線125bの間の周波数を測定し、周波数測定部によって測定された周波数に基づいて停電判断部166が停電を判断する。
【0083】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0084】
1 :停電検知システム
2 :商用電源
3 :蓄電池
4 :タンクユニット
6 :ヒートポンプユニット
8 :熱源機ユニット
10 :タンク
12 :第1分電盤
13 :第2分電盤
14 :一般負荷系統
15 :重要負荷系統
16 :停電検知装置
17 :熱機器
18 :停電検知装置
20 :タンク水循環路
22 :給湯用水循環ポンプ
24 :水道水導入路
24a :第1導入路
24b :第2導入路
30 :混合弁
32 :水道水供給源
33 :熱源機バイパス路
34 :バイパス弁
36 :第1給湯路
37 :給湯加熱路
38 :給湯栓
39 :第2給湯路
40 :浴槽注湯路
42 :注湯電磁弁
50 :ヒートポンプ
51 :給湯熱交換器
52 :冷媒循環路
53 :暖房熱交換器
54 :空気熱交換器
55 :加熱装置
56 :ファン
60 :膨張弁
62 :圧縮機
70 :シスターン
72 :暖房往路
73 :第1暖房加熱路
74 :暖房用水循環ポンプ
75 :低温暖房循環路
76 :高温暖房機
77 :高温暖房循環路
78 :低温暖房機
79 :追い焚き循環路
81 :給湯用バーナ
82 :暖房用バーナ
83 :追い焚き熱動弁
84 :第2暖房加熱路
91 :浴槽水循環路
96 :暖房復路
97 :追い焚き熱交換器
98 :浴槽
99 :浴槽水循環ポンプ
100 :制御装置
121 :主幹ブレーカー
122 :分岐ブレーカー
123 :電源配線
124 :分岐配線
125a :第1電圧線
125b :第2電圧線
126 :送電配線
127 :充電配線
128 :放電配線
131 :主幹ブレーカー
132 :分岐ブレーカー
134 :分岐配線
135a :第1電圧線
135b :第1電圧線
139 :スイッチ
141 :コンセント
141a :第1極
141b :第2極
142 :一般負荷
150 :ガス熱源機
151 :コンセント
152 :重要負荷
161 :筐体
162 :プラグ
162a :第1端子
162b :第2端子
163a :第1電力線
163b :第2電力線
164 :コンセント
164a :第1極
164b :第2極
165 :電圧測定部
166 :停電判断部
167 :通信部
168 :電池
173 :無線ルーター
180 :熱機器用制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7