(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像を表示する複数の画素を有する表示デバイスと、前記表示デバイスの画面側でタッチ検出を行うタッチ検出デバイスと、前記表示デバイス及び前記タッチ検出デバイスの動作を制御する動作制御部とを備え、
前記表示デバイスは、画面の走査方向に対して交差する方向に少なくとも分けられた複数の部分表示部を有し、
前記部分表示部は、前記画面の走査方向に沿って並列する複数の走査線が個別に設けられ、
前記タッチ検出デバイスは、前記画面の走査方向に対して交差する方向に少なくとも分けられた複数の部分検出部を有し、
前記部分検出部は、並列する複数のタッチ検出電極及び前記タッチ検出電極が並列する方向と異なる方向に沿って並列して前記タッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極が個別に設けられ、
前記動作制御部は、所定期間中に画像の更新が行われる表示更新領域と当該所定期間中にタッチ検出が行われるタッチ検出領域とが異なる位置となるように前記複数の部分表示部及び前記複数の部分検出部の動作を制御し、
前記駆動電極と前記画素の電極とが個別に設けられ、
前記動作制御部は、前記表示デバイスと前記タッチ検出デバイスとを同期信号で同期させる
表示装置。
画像を表示する複数の画素を有する表示デバイスと、前記表示デバイスの画面側でタッチ検出を行うタッチ検出デバイスと、前記表示デバイス及び前記タッチ検出デバイスの動作を制御する動作制御部とを備え、
前記表示デバイスは、画面の走査方向に沿って並列する複数の走査線を有し、
前記タッチ検出デバイスは、並列する複数のタッチ検出電極及び前記タッチ検出電極が並列する方向と異なる方向に沿って並列して前記タッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極が個別に設けられた複数の部分検出部を有し、
画像の更新が行われる表示更新領域及び前記複数の部分検出部によって個別にタッチ検出が行われるタッチ検出領域は、前記走査方向に2つ以上設けられ、
前記動作制御部は、所定期間中に画像の更新が行われる前記表示更新領域と当該所定期間中にタッチ検出が行われる前記タッチ検出領域とが前記異なる位置となるように前記表示デバイスで走査が行われる範囲及び前記複数の部分検出部の動作を制御し、
前記駆動電極と前記画素の電極とが個別に設けられ、
前記動作制御部は、前記表示デバイスと前記タッチ検出デバイスとを同期信号で同期させる
表示装置。
画像を表示する複数の画素を有する表示デバイスと、前記表示デバイスの画面側でタッチ検出を行うタッチ検出デバイスと、前記表示デバイス及び前記タッチ検出デバイスの動作を制御する動作制御部とを備え、
前記表示デバイスは、画面の走査方向に対して交差する方向に少なくとも分けられた複数の部分表示部を有し、
前記部分表示部は、前記画面の走査方向に沿って並列する複数の走査線が個別に設けられ、
前記タッチ検出デバイスは、前記画面の走査方向に対して交差する方向に少なくとも分けられた複数の部分検出部を有し、
前記部分検出部は、前記画面の走査方向に沿って並列する複数のタッチ電極が個別に設けられ、
前記動作制御部は、所定期間中に画像の更新が行われる表示更新領域と当該所定期間中にタッチ検出が行われるタッチ検出領域とが異なる位置となるように前記複数の部分表示部及び前記複数の部分検出部の動作を制御し、
前記タッチ電極と前記画素の電極とが個別に設けられ、
前記動作制御部は、前記表示デバイスと前記タッチ検出デバイスとを同期信号で同期させる
表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出部40とを備えている。このタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10がタッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30とを一体化した装置である。なお、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20の上に、静電容量型のタッチ検出デバイス30を装着した装置であってもよい。なお、液晶表示デバイス20は、例えば、有機EL表示デバイスであってもよい。
【0011】
液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、順次走査して表示を行うデバイスである。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0012】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる副画素SPixが接続された走査線GCLに走査信号Vscanを供給する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、例えば、後述するCOG19とゲートドライバ12a,12bを有する(
図9参照)。
【0013】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。
【0014】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する駆動電極COMLに駆動信号Vcomを供給する回路である。
【0015】
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetとに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチ(後述する接触又は近接の状態)の有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40は、タッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを備えている。
【0016】
タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetを増幅する。タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。
【0017】
(静電容量型タッチ検出の基本原理)
タッチ検出デバイス30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力する。
図1〜
図4を参照して、実施形態1のタッチ検出機能付き表示装置1におけるタッチ検出の基本原理について説明する。
図2は、静電容量型タッチ検出方式の基本原理を説明するため、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。
図3は、
図2に示す指が接触または近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。
図4は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【0018】
例えば、
図2に示すように、容量素子Cは、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。
図3に示すように、容量素子Cは、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに結合され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに結合される。電圧検出器DETは、例えば
図1に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
【0019】
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子Cの一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子Cの他端)側に結合された電圧検出器DETを介して、出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述するタッチ駆動信号Vcomtに相当するものである。
【0020】
指が接触(または近接)していない状態(非接触状態)では、容量素子Cに対する充放電に伴って、容量素子Cの容量値に応じた電流Iが流れる。
図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流Iの変動を電圧の変動(実線の波形V
0)に変換する。
【0021】
一方、指が接触(または近接)した状態(接触状態)では、指によって形成される静電容量がタッチ検出電極E2と接している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子Cが非接触状態の容量値よりも小さい容量値の容量素子として作用する。そして、容量素子Cの変化に応じて変動する電流Iが流れる。
図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流Iの変動を電圧の変動(点線の波形V
1)に変換する。この場合、波形V
1は、上述した波形V
0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から近接する物体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
【0022】
図1に示すタッチ検出デバイス30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcom(後述するタッチ駆動信号Vcomt)に従って、1検出ブロックずつ順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0023】
タッチ検出デバイス30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、
図3又は
図4に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎にタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出部40のA/D変換部43に供給するようになっている。
【0024】
A/D変換部43は、駆動信号Vcomに同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。
【0025】
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による差分の電圧のみ取り出す処理を行う。この指による差分の電圧は、上述した波形V
0と波形V
1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した指による差分の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧以上であれば、外部から近接する外部近接物体の接触状態と判断し、しきい値電圧未満であれば、外部近接物体の非接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出部40はタッチ検出が可能となる。
【0026】
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、タッチパネル座標を信号出力Voutとして出力する。
【0027】
(モジュール)
図5は、タッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図5に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、モジュールへ実装するにあたり、ガラス基板のガラス基板21上に上述した駆動電極ドライバ14を形成してもよい。
【0028】
図5に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、駆動電極ドライバ14と、COG(Chip On Glass)19とを有している。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、後述するガラス基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLと、駆動電極COMLと立体交差するように形成されたタッチ検出電極TDLとを模式的に示している。駆動電極COMLは、例えば、タッチ検出機能付き表示デバイス10の1辺に沿う方向に形成されており、タッチ検出電極TDLは、例えば、タッチ検出機能付き表示デバイス10の他辺に沿う方向に形成されている。タッチ検出電極TDLの出力は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の他辺側に設けられ、フレキシブル基板などにより構成された端子部Tを介して、このモジュールの外部に実装されたタッチ検出部40と結合されている。駆動電極ドライバ14は、ガラス基板であるガラス基板21に形成されている。COG19は、ガラス基板21に実装されたチップであり、
図1に示した制御部11など、表示動作に必要な各回路を内蔵したものである。なお、ゲートドライバ12は、
図9に示すゲートドライバ12a,12bのように液晶表示デバイス20に含まれる基板上に形成されてもよいし、これに限らず、COG19に内蔵されてもよい。
【0029】
(タッチ検出機能付き表示デバイス)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
図6は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
図7は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配置を表す回路図である。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、第1基板2と、この第1基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された第2基板3と、第1基板2と第2基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0030】
第1基板2は、ガラス基板21と、このガラス基板21上に行列状に配設された複数の画素電極22と、ガラス基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。ガラス基板21には、
図7に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)素子Tr、
図6に示す各画素電極22に画素信号Vpixを供給する信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査線GCL等の配線が形成されている。このように、信号線SGLは、ガラス基板21の表面と平行な平面に延在し、画素に画像を表示するための画素信号Vpixを供給する。
図7に示す液晶表示デバイス20は、行列状に配置した複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、TFT素子Tr及び表示素子(例えば、液晶素子LC)を備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソース又はドレインの一方は信号線SGLに結合され、ゲートは走査線GCLに結合され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に結合されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのソース又はドレインの他方に結合され、他端が駆動電極COMLに結合されている。例えば、液晶素子LCは、画素電極22を含み、画素電極22がTFT素子Trのドレインと接続される。また、複数の液晶素子LCは、絶縁層24や液晶層6を介して、複数の駆動電極COMLと接続される。そして、画素電極22と駆動電極COMLに与えられる電荷に応じて副画素SPixは駆動される。このように、画素電極22及び駆動電極COMLは、副画素SPixの駆動に用いられる電極として機能する。なお、本実施例において、ガラス基板21に対して、駆動電極COML、絶縁層24、画素電極22が順に積層されているが、これに限らず、ガラス基板21に対して、画素電極22、絶縁層24、駆動電極COMLが順に積層されてもよく、画素電極22と駆動電極COMLが絶縁層24を介して同一層に形成されてもよい。
【0031】
図7に示す副画素SPixは、走査線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。走査線GCLは、ゲートドライバ12と結合され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。信号線SGLは、ソースドライバ13と結合され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。さらに、副画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と結合され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。
【0032】
図1に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、
図7に示す走査線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、液晶表示デバイス20に行列状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)のうち一続きの走査線GCLを共有する副画素SPixを表示駆動の対象として順次選択する。
図1に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、
図7に示す信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じた表示出力が行われるようになっている。
図1に示す駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomを印加し、所定の本数の駆動電極COMLからなるブロックごとに駆動電極COMLを駆動する。
【0033】
液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12が走査線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動する。また、駆動電極ドライバ14は、ソースドライバ13により画素信号Vpixが供給される副画素SPixが設けられた位置に対応する駆動電極COMLを含むブロックに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
【0034】
実施形態1に係る駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能する。
図8は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極及びタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
図8に示す駆動電極COMLは、
図6に示すように、ガラス基板21の表面に対する垂直方向において、画素電極22に対向している。タッチ検出デバイス30は、第1基板2に設けられた駆動電極COMLと、第2基板3に設けられたタッチ検出電極TDLを含んで構成されている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びるストライプ状の電極パターンを含んで構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、ガラス基板21の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42の入力にそれぞれ結合されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせている。なお、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
【0035】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が、駆動電極ブロックを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの1検出ブロックが順次選択される。そして、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetが出力される。このようにタッチ検出デバイス30は、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極ブロックは、上述したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。このように、タッチ検出デバイス30は、表示デバイス(液晶表示デバイス20)の画面側でタッチ検出を行う。
図8に示すように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサを行列状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0036】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(Fringe Field Switching)方式を含むいわゆるIPS(In Plane Switching)方式等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスが用いられる。なお、
図6に示す液晶層6と第1基板2との間、及び液晶層6と第2基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
【0037】
第2基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。なお、本実施形態では、第1基板、第2基板において、基板をガラス基板としたが、これに限らず、フィルム基板等でもよい。
【0038】
図6に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配置して、上述した
図7に示す各副画素SPixにR,G,Bの3色の色領域32R,32G,32B(
図7参照)が対応付けられ、色領域32R,32G,32Bを1組として画素Pixを構成している。画素Pixは、走査線GCLに平行な方向及び信号線SGLに平行な方向に沿って行列状に配置され、後述する表示領域Adを形成する。カラーフィルタ32は、ガラス基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。このように、副画素SPixは、単色の色表示を行うことができる。液晶表示デバイス20は、カラーフィルタ32で色分けされた副画素SPixを組み合わせた画素Pixを用いた表示出力によって画像を表示する。すなわち、液晶表示デバイス20は、画像を表示する複数の画素Pixを有する表示デバイスである。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、色の種類についても3色に限らず、4色以上であってもよい。さらに、カラーフィルタ32は、着色しない領域、又は、存在しない領域を含んでもよい。言い換えると、カラーフィルタ32によって着色されない副画素SPixがあってもよい。
【0039】
(走査線の配線)
図9は、実施形態1に係る液晶表示デバイス20における走査線GCLの配線を示す図である。実施形態1に係る液晶表示デバイス20は、走査線GCLが走査する方向と交差する方向について複数に分割されるように配線されている。具体的には、例えば
図9に示すように、走査する方向と交差する方向に沿う1ラインに2本ずつの走査線GCLが存する。言い換えると、1ラインに2本存する走査線GCLが、それぞれ、液晶表示デバイス20の走査する方向に対して隣接する第1領域(左領域L)、第2領域(右領域R)に左領域L右領域R存する。実施形態1では、各領域に含まれる走査線GCLは、液晶表示デバイス20が走査する方向に対して、配置間隔または配置位置が共通する。例えば、行方向の中間位置、すなわち、列方向に沿って液晶表示デバイス20の表示領域を2分割する中間線を挟んで、1ラインに2本存する走査線が対向する位置に配置されている。なお、本実施例では、走査線の長さは2分割する中間線を挟んで、行方向の一直線上に2つの走査線GCLが配置されるが、これに限らない。走査線GCLは走査方向に交差する方向で3分割以上されていてもよいし、走査線GCLの長さについても左右で異なってもよい。
【0040】
また、
図9に示すように、実施形態1に係る液晶表示デバイス20は、COG19の制御下で走査方向に交差する方向において分断された領域に配置された走査線GCLのそれぞれに対して走査信号Vscanを出力するゲートドライバ12を有する。具体的には、第1領域(左領域L)の走査線GCLと第2領域(右領域R)の走査線GCLのそれぞれに対して走査信号Vscanを出力する2つのゲートドライバ12a,12bを有する。ゲートドライバ12aは、左領域Lの走査線GCLに接続されている。ゲートドライバ12bは、右領域Rの走査線GCLに接続されている。すなわち、左領域Lの走査線GCLに走査信号Vscanが出力される場合、ゲートドライバ12aの動作による。また、右領域Rの走査線GCLに走査信号Vscanが出力される場合、ゲートドライバ12bの動作による。
【0041】
より具体的には、COG19は、1フレーム分の画素信号Vpixの出力終了から次のフレームの画像の出力に係る垂直同期信号(vsync)の出力開始までの期間であるフロントポーチ(VFP:Vertical Front Porch)、垂直同期信号(vsync)の出力終了から画素信号Vpixの出力開始までの期間であるバックポーチ(VBP:Vertical Back Porch)を除く表示出力期間において2つのゲートドライバ12a,12bのいずれか一方を動作させて、左領域L又は右領域Rのいずれか一方の表示領域における表示出力内容の更新を行う。例えば、ゲートドライバ12a,12bはシフトレジスタであって、それぞれのシフトレジレスタに対して異なるスタートパルスを印加することで、ゲートドライバ12a,12bを動作させるタイミングをずらし、左領域Lと右領域Rのいずれか一方に存在する走査線GCLにのみ走査信号Vscanを印加することで、いずれか一方の表示領域における表示出力内容の更新を行う。
【0042】
(タッチ検出電極及び駆動電極の配置)
実施形態1に係るタッチ検出デバイス30は、駆動電極COMLが走査する方向と交差する方向について複数に分割されている。具体的には、行方向に沿う1ラインに2本存在する駆動電極COMLが、走査する方向について隣接する第1領域(左領域L)と第2領域(右領域R)に存する。本実施形態では、各領域に含まれる駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20が走査する方向に対して、配置間隔または配置位置が共通する。具体的には、例えば
図10に示すように、行方向に沿う一直線上に2本ずつの駆動電極COMLが存する。行方向に沿う一直線上に2本ずつ存する駆動電極COMLのうち、一方は左領域Lに存し、他方は右領域Rに存する。実施形態1では、行方向の中間位置、すなわち、列方向に沿ってタッチ検出デバイス30のタッチ検出領域を2分割する中間線を挟んで、一直線上に2本存する走査線GCLが対向する位置に配置されている。なお、本実施例では、走査線GCLの長さは2分割する中間線を挟んで、行方向に沿う一直線上に2つの走査線GCLが配置される長さであるが、これに限らない。走査線GCLは走査方向に交差する方向で3分割以上されていてもよいし、走査線GCLの長さについても左右で異なってもよい。また、実施形態1に係る駆動電極COMLの延設方向は、走査線GCLの配線方向と平行であるが、これに限らない。例えば、駆動電極COMLの延設方向は、信号線SGLの配線方向と平行な方向であってもよい。
【0043】
図10は、実施形態1に係るタッチ検出デバイス30におけるタッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLの配線を示す図である。実施形態1に係るタッチ検出デバイス30は、タッチ走査方向に交差する方向で分割された複数のタッチ検出領域の各々にタッチ検出電極TDLが個別に設けられている。具体的には、例えば
図10に示すように、実施形態1に係るタッチ検出デバイス30は、走査方向に対して交差する方向において分割された第1領域(左領域L)と第2領域(右領域R)を有し、左領域Lに存する駆動電極COMLと静電容量を形成するように設けられたタッチ検出電極TDLと、右領域Rに存する駆動電極COMLと静電容量を形成するように設けられたタッチ検出電極TDLとを有する。複数のタッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの延設方向と交差する方向に延設される。具体的には、タッチ検出電極TDLは、列方向に沿って延設されている。
【0044】
図10では、左領域Lに存する駆動電極COMLと静電容量を形成するように設けられたタッチ検出電極TDLのうち最左のタッチ検出電極TDLに番号1を付し、右領域Rに存する駆動電極COMLと静電容量を形成するように設けられたタッチ検出電極TDLのうち最右のタッチ検出電極TDLに番号8を付している。以下、タッチ検出に係る説明では、便宜的に8本タッチ検出電極を用いた動作について説明する。また、当該8本のタッチ検出電極のうち、左領域Lに存する駆動電極COMLと静電容量を形成するように設けられたタッチ検出電極TDLに左から順に1,2,3,4の番号が付され、右領域Rに存する駆動電極COMLと静電容量を形成するように設けられたタッチ検出電極TDLに左から順に5,6,7,8の番号が付されているものとする。当該8本のタッチ検出電極TDLのうち一部を区別する場合、付された番号を用いて区別する。
【0045】
次に、COG19を介してタッチ検出機能付き表示デバイス10に出力される信号の電力原として機能する電源装置PSについて、
図11を参照して説明する。
図11は、実施形態1に係るCOG19及び電源装置PSの概略構成の一例を示す図である。
図11に示すように、電源装置PSは、電力供給経路に接続されたコンデンサを有する。係るコンデンサは、例えばセラミックコンデンサであるが、フィルムコンデンサ等、他のコンデンサであってもよい。
【0046】
電源装置PSが有するコンデンサがセラミックコンデンサである場合、コンデンサは、COG19の消費電力変動に応じて伸縮する(電歪効果)。この伸縮は、電源装置PSが設けられた基板に振動を生じさせる。係る振動の周期がヒトの可聴周波数帯域(20Hz〜20kHz)になった場合、可聴音が生ずる(音鳴き)。
【0047】
タッチ検出機能付き表示装置1の動作に係り電力消費量を大きく左右するのは、信号線SGLを介して行われる画素信号Vpixの出力のON/OFF及びこれに伴う画像の更新に係る動作である。仮に、画素信号Vpixの出力のON/OFFが周期的に行われる場合、電力消費量が増減することで、電源装置PSの負荷変動に周期的な振幅が現れることになる。係る負荷変動の振幅は、電源装置PSの負荷をより大きくする。また、係る負荷変動の振幅は、電源装置PSが有するコンデンサがセラミックコンデンサである場合、音鳴きの原因になる。すなわち、消費電力量の増減は、より少ないことが好ましい。そこで、実施形態1に係るCOG19は、液晶表示デバイス20及びタッチ検出デバイス30の動作制御に係り、消費電力量の増減を低減するための仕組みを有している。以下、当該仕組みについて、
図12及び
図13を参照して説明する。
【0048】
(表示更新領域とタッチ検出領域との関係)
図12は、実施形態1に係る表示更新領域の区分とタッチ検出電極TDLの配置との関係の一例を示す図である。実施形態1に係る液晶表示デバイス20は、
図9を参照して説明した走査線GCLの配線により、表示領域の左右で個別に走査信号Vscanの出力タイミングを制御することができる。このため、実施形態1では、左右で個別に表示出力内容の更新を行うことができる。すなわち、実施形態1に係る液晶表示デバイス20は、画面の走査方向(列方向)に沿って並列する複数の走査線GCLが個別に設けられた複数の部分表示部を有する。より具体的には、実施形態1に係る液晶表示デバイス20は、走査方向(列方向)と交差する方向(行方向)に沿って画面を2分割するよう設けられた部分表示部を有する。
【0049】
より具体的には、実施形態1に係る液晶表示デバイス20は、左領域Lと右領域Rの2分割に加えて、COG19が走査線GCL毎に走査信号Vscanの出力タイミングを個別に制御することで、さらに走査方向(列方向)についてライン単位で表示更新領域を細分化することができる。
図12では、左領域Lと右領域Rの2分割に加えて、列方向についてA,B,C,Dの4つの領域に細分化された8つの表示更新領域が領域AL,AR,BL,BR,CL,CR,DL,DRを設けられる。また、例えば、列方向に40ライン(40本)の走査線GCLが設けられた表示領域を8つの表示更新領域として領域AL,AR,BL,BR,CL,CR,DL,DRに区切った場合、1つの表示更新領域は10本の走査線GCLを有するよう設けられる。本実施形態のように左領域Lに含まれる領域AL,BL,CL,DLに含まれる走査線GCLついては共通のゲートドライバ12aに接続される。また、右領域Rに含まれる領域AR,BR,CR,DRに含まれる走査線GCLについては共通のゲートドライバ12bに接続される。係る接続関係では、ゲートドライバ12a,12bの各々で走査線GCLに走査信号Vscanを印加するタイミングを変更することで、表示更新領域ごとの制御を行うこととしてもよいが、これは走査信号Vscanを印加するタイミングの制御に係る具体的構成の一例であってこれに限られず、具体的構成は適宜変更可能である。
【0050】
また、本実施形態では、表示更新領域毎にゲートドライバ12を有し、ゲートドライバ12は各表示領域に含まれる複数の走査線GCLと接続する。ゲートドライバ12は例えばシフトレジスタを含み、各表示更新領域のシフトレジスタは個別のスタートパルスによって制御され、各表示更新領域ごとに、領域に含まれる走査線GCLに走査信号Vscanを付与する。
【0051】
なお、本実施例において、表示更新領域を8つに分ける場合を例示しているが、これは表示更新領域の分割の具体的一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0052】
また、実施形態1に係るタッチ検出デバイス30は、
図10を参照して説明したタッチ検出電極TDL1〜4,5〜8及び駆動電極COMLの配置により、表示領域に重畳するタッチ検出領域の左領域Lまたは右領域Rにおいて個別にタッチ検出を行うタイミングを制御することができる。より具体的には、左領域Lに対応する駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加することで、左領域Lに存在するタッチ検出電極TDL1〜4から左領域Lに対応するタッチ検出信号Vdetを検出することができる。一方で、右領域Rに対応する駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加することで右領域Rに存在するタッチ検出電極TDL5〜8から右領域Rに対応するタッチ検出信号Vdetを検出することができる。このように各領域に対応する駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomを個別に印加することで、各領域におけるタッチ検出を個別に制御することができる。
【0053】
さらに、表示領域とタッチ検出領域が重畳するように分割することで、タッチ検出を行っている領域と表示を行っている領域を分けることができる。具体的には、表示領域を走査方向に交差する方向に分割した左領域Lに含まれる画素と、タッチ検出領域を走査方向に交差する方向に分割した左領域Lに含まれる画素は共通である。表示領域を走査方向に交差する方向に分割した右領域Rに含まれる画素と、タッチ検出領域を走査方向に交差する方向に分割した右領域Rに含まれる画素は共通である。つまり、表示領域とタッチ検出領域は、少なくとも走査方向と交差する方向において同一の画素が含まれるように分割される。言い換えると、行方向に沿って分割される走査線GCLは、左領域Lと右領域Rの境界の画素をそれぞれ駆動するために必要な長さで配設され、行方向に沿って分割される駆動電極COMLは、左領域Lと右領域Rの境界の画素をそれぞれ駆動するために必要な長さで配設される。例えば、左領域Lに含まれる走査線GCLの長さと駆動電極COMLの長さは実質的に同一であり、右領域Rに含まれる走査線GCLの長さと駆動電極COMLの長さは実質的に同一である。このようにすることによって、走査方向と交差する方向において分割された領域において、表示とタッチ検出を、異なる領域において同タイミングで行うことができる。例えば、左領域Lにおいて走査線GCLに走査信号Vscanが印加され、左領域Lに含まれる駆動電極COMLに表示用の電荷(DC電圧)が印加している間に、右領域Rにおいて、右領域Rに含まれる駆動電極COMLに駆動信号Vcom(AC電圧)を印加して、右領域Rに含まれるタッチ検出電極TDL5〜8から検出信号Vdetを検出することができる。
【0054】
また、実施形態1に係るタッチ検出デバイス30は、
図10を参照して説明した駆動電極COMLの配置により、左領域Lのタッチ検出電極TDL(1〜4)が動作している場合に右領域Rの駆動電極COMLへの電気的影響及び右領域Rのタッチ検出電極TDL(5〜8)が動作している場合における左領域Lの駆動電極COMLへの電気的影響を低減することができる。すなわち、タッチ検出電極TDL(1〜4)とタッチ検出電極TDL(5〜8)のいずれか一方によるタッチ検出が行われている場合に他方によるタッチ検出が行われないようにすることで、タッチ検出の動作に係り用いられる駆動電極COMLが、左領域L又は右領域Rの一方のみである状態とすることができる。この左領域Lのタッチ検出領域及び右領域Rのタッチ検出領域はそれぞれ個別にタッチ検出を行うことができる部分検出部として機能する。すなわち、実施形態1に係るタッチ検出デバイス30は、並列する複数のタッチ検出電極TDL及びタッチ検出電極TDLが並列する方向(例えば、列方向)と異なる方向(例えば、行方向)に沿って並列してタッチ検出電極TDLとの間に静電容量を形成する複数の駆動電極COMLが個別に設けられた複数の部分検出部を有する。より具体的には、実施形態1に係るタッチ検出デバイス30は、走査方向(列方向)と直交する方向(行方向)に沿って画面を2分割するよう設けられた部分検出部を有する。
【0055】
以上、
図12を参照して説明したように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10には、複数の部分表示部によって個別に画像の更新が行われる表示更新領域及び複数の部分検出部によって個別にタッチ検出が行われるタッチ検出領域が、少なくとも走査方向(列方向)と異なる方向(例えば、行方向)に2つ設けられている。ここで、行方向に2つ存する表示更新領域とは、例えば、表示更新領域ALと表示更新領域AR,表示更新領域BLと表示更新領域BR,表示更新領域CLと表示更新領域CR,表示更新領域DLと表示更新領域DRである。また、行方向に2つ設けられているタッチ検出領域とは、左領域Lのタッチ検出領域と右領域Rのタッチ検出領域である。
【0056】
(画像の更新とタッチ検出のタイミング制御)
図13は、実施形態1における画像の更新のタイミングとタッチ検出のタイミングとの関係の一例を示すタイミングチャートである。実施形態1では、左右の表示更新領域のうち左領域L又は右領域Rのいずれか一方における画像の更新と、左右のタッチ検出領域のうち他方におけるタッチ検出とを並行して行う。具体的には、例えば
図13に示すように、COG19は、右領域Rの表示更新領域ARで画像を更新するための画素信号Vpixの出力を信号線SGLに行うタイミングで、右領域Rのゲートドライバ12bを動作させて表示更新領域ARの走査線GCLに走査信号Vscanを出力し、右領域Rの駆動電極COMLに対して表示用の電荷を印加する。また、COG19は、当該タイミングで、左領域Lのタッチ検出領域に存する駆動電極COMLに駆動信号Vcomを印加して、左領域Lのタッチ検出領域に存するタッチ検出電極TDL1からのタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出を行う。当該タイミングでは、右領域Rでの画像の更新と左領域Lでのタッチ検出とが並行している。
【0057】
また、COG19は、左領域Lの表示更新領域ALで画像を更新するための画素信号Vpixの出力を信号線SGLに行うタイミングで、左領域Lのゲートドライバ12aを動作させて表示更新領域ALの走査線GCLに走査信号Vscanを出力し、左領域Lの駆動電極COMLに表示用の電荷を印加する。また、COG19は、当該タイミングで、右領域Rのタッチ検出領域に存する駆動電極COMLに駆動信号Vcomを印加してタッチ検出電極TDL5からのタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出を行う。当該タイミングでは、左領域Lでの画像の更新と右領域Rでのタッチ検出とが並行している。
【0058】
COG19は、上記の仕組みで、表示更新領域AR,AL,BR,BL,CR,CL,DR,DLの順に画像の更新を行うと共に、当該画像の更新に並行して、番号1,5,2,6,3,7,4,8の順で、タッチ検出電極TDLからのタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出を行う。このように、COG19は、液晶表示デバイス20及びタッチ検出部の動作を制御する動作制御部として機能する。また、COG19は、所定期間中に画像の更新が行われる表示更新領域と当該所定期間中にタッチ検出が行われるタッチ検出領域とが異なる位置となるように複数の部分表示部及び複数の部分検出部の動作を制御する。また、実施形態1に係るCOG19は、表示更新領域における画像の更新とタッチ検出領域によるタッチ検出とを並行させる。また、実施形態1では、画像の更新が行われる表示更新領域の切替タイミングとタッチ検出が行われるタッチ検出領域の切替タイミングとが同一である。
【0059】
図13を参照して説明したCOG19の動作制御によれば、消費電力量を大きく左右する動作である画素信号Vpixの出力及びこれに伴う処理が、表示領域全体の1/8に対応する表示更新領域で画像を更新するための処理で維持されている。このため、画像の更新に係る消費電力量が、表示領域全体の1/8に対応する表示更新領域で画像を更新するための処理に係る消費電力量で維持されることになる。このように、消費電力量の増減を抑制することができることから、電源装置PSの負荷変動及び負荷をより小さくすることができる。また、電源装置PSが有するコンデンサがセラミックコンデンサであったとしても、画素信号Vpixの出力のON/OFF及びこれに伴う画像の更新に係る動作に起因する消費電力量の周期的な増減を抑制することができることから、音鳴きの発生を抑制することができる。
【0060】
また、実施形態1によれば、
図10を参照して説明した駆動電極COMLの配置により、左領域Lのタッチ検出電極TDL(1〜4)が動作している場合に右領域Rの駆動電極COMLへの電気的影響及び右領域Rのタッチ検出電極TDL(5〜8)が動作している場合における左領域Lの駆動電極COMLへの電気的影響を低減することができる。
図13を参照して説明した通り、COG19は、すなわち、タッチ検出電極TDL(1〜4)とタッチ検出電極TDL(5〜8)のいずれか一方によるタッチ検出が行われている場合に他方によるタッチ検出が行われないようにしており、かつ、同一タイミングで画像の更新が行われる表示更新領域を他方の表示更新領域としている。このため、液晶表示デバイス20の動作とタッチ検出デバイス30の動作の並行と液晶表示デバイス20の動作に伴い生じ得るノイズによるタッチ検出デバイス30への影響の低減とを両立することができる。よって、従来のような時分割制御に比してより多くの時間をタッチ検出に割り当てやすくなり、より多くの時間をかけたタッチ検出によるタッチ検出精度及びタッチ検出結果の出力頻度(レポートレート)の向上をより容易にすることができる。
【0061】
また、実施形態1によれば、画像の更新が行われる表示更新領域の切替タイミングとタッチ検出が行われるタッチ検出領域の切替タイミングとが同一であるので、切替タイミングを管理するための周期的信号(クロック信号等)を共通化させることができる。また、切替タイミングを同一タイミングとすることで、画像の更新が行われている部分とタッチ検出が行われている部分とを入れ違いにしやすくなり、液晶表示デバイス20の動作とタッチ検出デバイス30の動作の並行と液晶表示デバイス20の動作に伴い生じ得るノイズによるタッチ検出デバイス30への影響の低減との両立がより容易になる。
【0062】
また、実施形態1によれば、タッチ検出に係る駆動電極は、画素Vpixの電極と共通の電極(駆動電極COML)であるので、電極の共通化による部品点数の低減及びタッチ検出機能付き表示デバイス10のコンパクト化をより容易にすることができる。
【0063】
(参考例)
実施形態1に対する参考例について、
図14〜
図16を参照して説明する。
図14は、参考例である従来の液晶表示デバイス200における走査線GCLの配線を示す図である。
図15は、参考例である従来のタッチ検出デバイス300におけるタッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLの配線を示す図である。
図14に示すように、従来の液晶表示デバイス200における走査線GCLは、1ラインにつき1本である。すなわち、従来の液晶表示デバイス200において画像の更新を行うことができる最小単位は、ライン単位であって行方向に分割することができない。また、
図15に示すように、従来のタッチ検出デバイス300における駆動電極COMLは、行方向に分割されていない。このため、液晶表示デバイス200における画像の更新中、タッチ検出デバイス300は、行方向について駆動電極COMLが存する全ての領域でノイズの影響を受けることになる。
【0064】
図16は、参考例における画像の更新のタイミングとタッチ検出のタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。
図14及び
図15を参照して説明した従来の液晶表示デバイス200及びタッチ検出デバイス300の構成では、液晶表示デバイス200における画像の更新中にタッチ検出を行うと液晶表示デバイス200からのノイズの影響によるタッチ検出精度の低下を招くことになる。このため、
図16に示すように、従来は、信号線SGLに対する画素信号Vpixの出力及びゲートドライバ12の動作を伴う表示更新領域A〜Dの画像の更新中にはタッチ検出を行わず、タッチ検出電極TDLを用いたタッチ検出中には画像の更新を行わない制御を行っていた。係る従来の制御では、1フレームの画像の更新期間中の半分の時間しかタッチ検出に割り当てることができず、タッチ検出精度及びタッチ検出結果の出力頻度(レポートレート)の向上が困難であった。
【0065】
また、従来の制御では、消費電力量を大きく左右する動作である画素信号Vpixの出力及びこれに伴う処理のON/OFFが周期的に生じる。このような制御では、消費電力量の増減による電源装置PSの負荷変動及び負荷が大きい。また、電源装置PSが有するコンデンサがセラミックコンデンサである場合に、音鳴きを生じさせる。
【0066】
(変形例)
次に、本発明の変形例について
図17〜
図18を参照して説明する。変形例の説明に係り、実施形態1と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0067】
図13を参照して説明した画像の更新のタイミングとタッチ検出のタイミングとの関係の具体的内容はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、例えば
図17及び
図18に示すようにすることもできる。
【0068】
(変形例1)
図17は、変形例1における画像の更新のタイミングとタッチ検出のタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。
図17に示すように、COG19は、左領域L又は右領域Rのいずれか一方に存する1つの表示更新領域で画像の更新が行われているタイミングで、他方に存する複数のタッチ検出電極TDLを用いたタッチ検出を行うようにしてもよい。
図17は、実施形態1において1つのタッチ検出電極TDLを用いてタッチ検出を行っていたタイミングで2つのタッチ検出電極TDLを用いたタッチ検出を行う場合を図示しているが、3つ以上のタッチ検出電極TDLを同時に用いるようにしてもよい。
【0069】
変形例1によれば、
図13を参照して説明した例に比してレポートレートをより向上させることができる。例えば、
図17に示す例であれば、タッチ検出電極TDLを一巡させるための期間を
図13に示す例に比して二分の一にすることができることから、レポートレートを2倍にすることができる。
【0070】
(変形例2)
図18は、変形例2における画像の更新のタイミングとタッチ検出のタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。
図18に示すように、COG19は、左領域L又は右領域Rのいずれか一方に存する複数の表示更新領域における画像の更新を連続して行った後に他方に存する複数の表示更新領域における画像の更新を連続して行うようにしてもよい。この場合、COG19は、左領域L又は右領域Rの他方に存するタッチ検出電極TDLを用いたタッチ検出を連続して行った後に、一方に存するタッチ検出電極TDLを用いたタッチ検出を連続して行う。
【0071】
図18に示す例によれば、2つのゲートドライバ12a,12bの動作の切り替わりの頻度をより低減することができる。例えば、ゲートドライバ12a,12bがシフトレジスタである場合は、
図15、
図17の場合においては、各ゲートドライバ12に接続された走査線GCLへの走査信号の供給を一時中断する必要があるため、別途走査線に接続されていない転送回路やラッチ回路等の信号保持回路を設けたり、それぞれの駆動タイミングに合わせたスタートパルス等を設ける必要があるが、
図18に示す例によれば、ゲートドライバ12のそれぞれに接続された走査線GCLへの走査信号の供給を順次行うことができるため、中断処理に必要な回路を省略することができる。
【0072】
以上、
図17及び
図18を参照して本発明の変形例としてのタイミング制御について説明したが、
図13を参照して説明した実施形態1ならびに
図17、
図18を参照して説明した変形例1,2におけるレポートレート、表示順及びタッチ検出順の具体例に限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の特徴を満たす範囲内でレポートレート、表示順及びタッチ検出順を任意に設定することができる。
【0073】
(変形例3)
図19は、変形例3における走査線GCLaの配置例を示す図である。
図9等では行方向について同一直線上に位置する走査線GCLが部分領域毎に個別に設けられた構成を例示しているが、これは部分領域を構成する走査線の配置の一例であってこれに限られるものでない。例えば
図19に示すように、複数の走査線GCLaの並び方向と複数の部分領域の並び方向とが一致していてもよい。この場合、1つの走査線GCLaの延設方向について、同一直線上に他の走査線は配置されない。走査線GCLaは、部分領域毎に個別のゲートドライバ12A,12Bによって走査信号Vscanが出力される。
【0074】
(変形例4)
図20は、変形例4における駆動電極COMLa,COMLb及びタッチ検出電極TDLaの配置例を示す図である。
図10等では駆動電極COMLの延設方向が表示領域の短辺側に沿い、タッチ検出電極TDLの延設方向が表示領域の長辺側に沿う構成を例示しているが、これは駆動電極及びタッチ検出電極の配置例であってこれに限られるものでない。例えば
図20に示すように、
図10等で示す例と比して駆動電極COMLa,COMLbの延設方向とタッチ検出電極TDLaの延設方向とが入れ替わっていてもよい。
図20における駆動電極COMLa,COMLbはそれぞれ異なる部分領域の駆動電極であり、個別に駆動される。
【0075】
走査線、駆動電極、タッチ検出電極等、各種の配線及び電極の配置は、所定期間中に画像の更新が行われる表示更新領域と当該所定期間中にタッチ検出が行われるタッチ検出領域とが異なる位置となるように複数の部分表示部及び複数の部分検出部の動作を制御することができる範囲内で適宜変更可能である。
【0076】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、
図21及び
図22を参照して説明する。実施形態2の説明に係り、実施形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
図21は、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図であり、
図22は、実施形態2に係る液晶表示デバイス20及びタッチ検出デバイス130の形態を示す図である。
図21に示すように、タッチ検出デバイス130は、液晶表示デバイス20と別体である。実施形態2に係る表示デバイス(液晶表示デバイス20)の具体的構成は、例えば、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1の構成のうち、タッチ検出デバイス30のタッチ検出電極TDL及びタッチ検出電極TDLを動作させるための構成(タッチ検出部40等)が省略された構成による。駆動電極COMLについては、実施形態1と同様の構成が採用される。例えば、
図21に示すように、第2基板3Aは、ガラス基板31と、ガラス基板31の一方の面に配置されるカラーフィルタ32と、ガラス基板31の他方の面に配置される偏光板35を有し、タッチ検出電極TDLは配置されない。
【0077】
実施形態2に係るタッチ検出デバイス130は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1の構成のうち、タッチ検出デバイス30のタッチ検出電極TDL及びタッチ検出電極TDLを動作させるための構成(タッチ検出部40等)のみを有する構成になる。ただし、
図21及び
図22に示すように、タッチ検出デバイス130は、実施形態1における駆動電極COMLに代えて、タッチ検出のための専用の駆動電極COMLTを有する。すなわち、実施形態2では、駆動電極COMLと駆動電極COMLTとが独立して存する。タッチ検出デバイス130は、例えば、
図21に示すように、第2基板3Aと対向するよう設けられた第3基板4を有する。第2基板3Aは、上記の第2基板3の構成からタッチ検出電極TDLを省略した構成である。第2基板3Aと第3基板4は接着層50を介して接着されている。第3基板4は、ガラス基板41と、第3基板4の一方の面に配置されるタッチ検出電極TDLと、第3基板4の他方の面に配置される駆動電極COMLTとを有する。このように、実施形態2では、タッチ検出に係る駆動電極(COMLT)と画素の電極(駆動電極COML)とが個別に設けられる。また、タッチ検出デバイス130は、動作制御回路131を有する。動作制御回路131は、実施形態1に係るタッチ検出部40の機能と、駆動電極ドライバ14のうちタッチ検出に係る動作(駆動信号Vcomtを出力するスキャン操作(Scan)等)を行う機能を有する回路である。なお、動作制御回路131は、ガラス基板41上に配置されてもよいし、第3基板4と接続されたプリント基板FPC2上に配置されていてもよい。
【0078】
実施形態2に係るCOG19は、液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス130とを同期信号で同期させる。具体的には、
図21及び
図22に示すように、第1基板2と接続されたプリント基板FPC1と第3基板4と接続されたプリント基板FPC2とを接続し、COG19は、タッチ検出デバイス130に設けられた動作制御回路131に同期信号を出力する。同期信号は、少なくとも、左領域L又は右領域Rのいずれで画像の更新が行われているかを示す情報と、当該画像の更新が行われているタイミングを示す情報を含む。より具体的には、同期信号は、例えば、予め定めらえた符号(例えば、上記の8つの表示更新領域AL,AR,BL,BR,CL,CR,DL,DRの各々を示す個別の符号)と、当該符号が示す表示更新領域での画像の更新の開始タイミングとを示す周期的な信号である。動作制御回路131は、同期信号が示す表示更新領域の位置(左領域L又は右領域Rのいずれか一方)の反対側(他方)に存するタッチ検出領域でタッチ検出を行うように駆動電極COMLTに駆動信号Vcomtを出力し、当該反対側に存するタッチ検出電極TDLからのタッチ検出信号Vdetを検出することでタッチ検出を行う。
【0079】
実施形態2によれば、駆動電極(COMLT)と画素の電極(駆動電極COML)とが個別に設けられていても、実施形態1と同様に、液晶表示デバイス20の動作とタッチ検出デバイス130の動作の並行と液晶表示デバイス20の動作に伴い生じ得るノイズによるタッチ検出デバイス130への影響の低減とを両立することができる。よって、従来のような時分割制御に比してより多くの時間をタッチ検出に割り当てやすくなり、より多くの時間をかけたタッチ検出によるタッチ検出精度及びタッチ検出結果の出力頻度(レポートレート)の向上をより容易にすることができる。
【0080】
また、実施形態2によれば、タッチ検出デバイス130と液晶表示デバイス20とが別体であることで、デバイス間のノイズの影響をより低減しやすくなる。なお、本実施例において、偏光板35をガラス基板31上に設けたが、これに限られず、偏光板35は、ガラス基板41上に設けてもよい。また、タッチ検出電極TDLと駆動電極COMLTをそれぞれ同一のガラス基板41上の一方の面と他方の面に設けることとしたがこれに限られない。例えば、マトリクス状に電極を配置して、ブリッジ電極を介してつなぐことによって、ガラス基板41のいずれか一方の面にタッチ検出電極TDLと駆動電極COMLTを配置してもよい。また、ガラス基板41に対向するガラス基板51を更に設け、タッチ検出電極TDLと駆動電極COMLTを、それぞれ、ガラス基板51とガラス基板41のいずれか一方に配置してもよい。また、ガラス基板41の代わりにフィルム基板を用いてもよい。
【0081】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について、
図23及び
図24を参照して説明する。実施形態3の説明に係り、実施形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
図23は、実施形態3に係る液晶表示デバイス20aにおける走査線GCLの配線を示す図である。
図24は、実施形態3に係るタッチ検出デバイス30aにおけるタッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLの配線を示す図である。
【0082】
実施形態3に係る液晶表示デバイス20aは、走査線GCLの具体的な配線の形態が実施形態1に係る液晶表示デバイス20と異なる。液晶表示デバイス20aは、画面の走査方向(列方向)に沿って並列する複数の走査線GCLを有する。具体的には、
図23に示すように、液晶表示デバイス20aに設けられた走査線GCLは、1ラインにつき1本であり、2つのゲートドライバ12c,12dを結ぶように連続している。このため、実施形態3に係る液晶表示デバイス20aで画像の更新を行うことができる最小単位はライン単位である。なお、実施形態3に係る説明では2つのゲートドライバ12c,12dで走査線GCLに走査信号Vscanを印加する場合を例示しているが、これに限られない。例えば、一方のゲートドライバのみで走査信号Vscanを印加してもよい。
【0083】
実施形態3に係るタッチ検出デバイス30aは、実施形態1に係るタッチ検出デバイス30と同様に、並列する複数のタッチ検出電極TDL及びタッチ検出電極TDLが並列する方向と異なる方向に沿って並列してタッチ検出電極TDLとの間に静電容量を形成する複数の駆動電極COMLが個別に設けられた複数の部分検出部を有するが、タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLの具体的な配置が実施形態1と異なる。
【0084】
タッチ検出デバイス30aのタッチ検出電極TDLは、走査方向(列方向)について2分割されるように設けられている。具体的には、例えば
図24に示すように、行方向に沿って並ぶ複数(
図24では、8本)のタッチ検出電極TDLが、タッチ検出領域の上側と下側とで個別に設けられている。
【0085】
また、実施形態3では、駆動電極COMLが、行方向に沿って並ぶ複数のタッチ検出電極TDLの全て(番号1〜8又は番号9〜16)と交差するように行方向に延設されている。このように、実施形態3に係る駆動電極COMLは、行方向に分割されていない。
【0086】
図25は、実施形態3に係る表示更新領域の区分とタッチ検出電極TDLの配置との関係の一例を示す図である。実施形態3では、画像の更新が行われる表示更新領域及び複数の部分検出部によって個別にタッチ検出が行われるタッチ検出領域が、走査方向に2つ設けられている。具体的には、例えば
図25に示すように、実施形態3における表示更新領域は、走査方向(列方向)について2分割以上の複数の表示更新領域(例えば、A,B,C,Dの4つの表示更新領域)に分割されている。また、実施形態3におけるタッチ検出領域は、走査方向(列方向)について上下に2分割されている。このようにすることで、走査信号に沿って分割された領域ごとにタッチ検出と表示を個別に実施することができる。例えば、実施形態3では、走査信号に沿って分割された第3領域(上領域)と、第4領域(下領域)において、一方で表示を行っている間に、他方でタッチ検出を並行して行うことができる。具体的には、上領域に対応する走査線GCLに対して走査信号Vscanを印加して上領域に対応する駆動電極COMLに表示用の信号を印加している間に、下領域に対応する駆動電極COMLに駆動信号Vcomを印加して、下領域に対応するタッチ検出電極TDL1〜8から検出信号Vdetを検出することができる。また、下領域に対応する走査線GCLに対して走査信号Vscanを印加して、下領域に対応する駆動電極COMLに表示用の信号を印加している間に、上領域に対応する駆動電極COMLに駆動信号Vcomを印加して、上領域に対応するタッチ検出電極TDL9〜16から検出信号Vdetを検出することができる。また、タッチ検出電極TDLは走査方向に対して交差する方向で分割されているため、上領域と下領域の一方を検出する際に、表示を行うことによるノイズがタッチ検出電極TDLを介してノイズとなることを抑えることができる。
【0087】
図26は、実施形態3における画像の更新のタイミングとタッチ検出のタイミングとの関係の一例を示すタイミングチャートである。実施形態3に係るCOG19は、所定期間中に画像の更新が行われる表示更新領域と当該所定期間中にタッチ検出が行われるタッチ検出領域とが異なる位置となるように表示部で走査が行われる範囲及び複数の部分検出部の動作を制御する。具体的には、COG19は、例えば
図26に示すように、上領域の表示更新領域Aで画像を更新するための画素信号Vpixの出力を信号線SGLに行うタイミングで、表示更新領域Aの走査線GCLに走査信号Vscanを出力し、表示更新領域Aに対応する駆動電極COMLに表示用の信号を印加する。また、COG19は、当該タイミングで、下領域の駆動電極COMLにタッチ駆動信号Vcomを印加して、下領域のタッチ検出領域に存する番号1〜4のタッチ検出電極TDLからのタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出を行う。当該タイミングでは、上領域での画像の更新と下領域でのタッチ検出とが並行している。
【0088】
また、COG19は、下領域の表示更新領域Cで画像を更新するための画素信号Vpixの出力を信号線SGLに行うタイミングで、表示更新領域Cの走査線GCLに走査信号Vscanを出力し、表示更新領域Cに対応する駆動電極COMLに表示用の信号を印加する。また、COG19は、当該タイミングで、上領域の駆動電極COMLにタッチ駆動信号Vcomを印加して、下領域のタッチ検出領域に存する番号9〜12のタッチ検出電極TDLからのタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出を行う。当該タイミングでは、下領域での画像の更新と上領域でのタッチ検出とが並行している。
【0089】
COG19は、上記の仕組みで、表示更新領域A,C,B,Dの順に画像の更新を行うと共に、当該画像の更新に並行して、番号1〜4,9〜12,5〜8,13〜16の順で、タッチ検出電極TDLからのタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出を行う。
【0090】
実施形態3によれば、実施形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、液晶表示デバイス20の動作とタッチ検出デバイス30の動作の並行と液晶表示デバイス20の動作に伴い生じ得るノイズによるタッチ検出デバイス30への影響の低減とを両立することができる。よって、従来のような時分割制御に比してより多くの時間をタッチ検出に割り当てやすくなり、より多くの時間をかけたタッチ検出によるタッチ検出精度及びタッチ検出結果の出力頻度(レポートレート)の向上をより容易にすることができる。
【0091】
また、消費電力量の増減を抑制することができることから、電源装置PSの負荷変動及び負荷をより小さくすることができる。また、電源装置PSが有するコンデンサがセラミックコンデンサであったとしても、画素信号Vpixの出力のON/OFF及びこれに伴う画像の更新に係る動作に起因する消費電力量の周期的な増減を抑制することができることから、音鳴きの発生を抑制することができる。
【0092】
また、画像の更新が行われる表示更新領域の切替タイミングとタッチ検出が行われるタッチ検出領域の切替タイミングとが同一であるので、切替タイミングを管理するための周期的信号(クロック信号等)を共通化させることができる。また、切替タイミングを同一タイミングとすることで、画像の更新が行われている部分とタッチ検出が行われている部分とを入れ違いにしやすくなり、液晶表示デバイス20の動作とタッチ検出デバイス30の動作の並行と液晶表示デバイス20の動作に伴い生じ得るノイズによるタッチ検出デバイス30への影響の低減との両立がより容易になる。
【0093】
なお、実施形態3は、実施形態2と組み合わせることができる。すなわち、液晶表示デバイス20aとタッチ検出デバイス30aとは別体であってよい。また、実施形態1と変形例との関係と同様に、実施形態3においても、特許請求の範囲に記載された本発明の特徴を満たす範囲内でレポートレート、表示順及びタッチ検出順を任意に設定することができる。
【0094】
また、上記の実施形態1,2では、表示更新領域及びタッチ検出領域が行方向について2分割されており、実施形態3では、タッチ検出領域が走査方向(列方向)について2分割されているが、2分割は等分であってもよいし、不等分であってもよい。また、これらの2分割を3分割以上としてもよい。その場合、分割数に応じて走査線GCL、駆動電極COML及びタッチ検出電極TDLが個別に設けられ、分割された各領域で個別に画像の更新とタッチ検出とを行うことができるよう設けられる。
【0095】
また、画像の更新が行われる表示更新領域の切替タイミングとタッチ検出が行われるタッチ検出領域の切替タイミングとが同一でなくてもよい。例えば、タッチ検出タイミングがインターバルを挟んだ間欠的なタイミングであってもよいし、単に表示更新領域の切替タイミングとタッチ検出が行われるタッチ検出領域の切替タイミングとがずれていてもよい。
【0096】
また、上記の実施形態に係り説明されたタッチ検出デバイス30,30aは、静電容量方式のうち、いわゆる相互容量方式を採用したタッチ検出デバイスであるが、相互容量方式はあくまでタッチ検出方式の一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。例えば、自己容量方式であってもよい。例えば、自己容量方式の場合は、本実施形態におけるタッチ検出電極を除いて、複数の駆動電極(タッチ電極)をマトリクス状に配置して、走査線GCLの走査方向に対して交差する方向で分けられた領域ごとに駆動電極に対して駆動信号Vcom若しくは表示用の信号を印加すればよい。
【0097】
また、変形例を含む本発明の実施形態等においては、表示装置の開示例として液晶表示装置の場合を例示したが、その他の適用例として、有機エレクトロルミネセンス(Electroluminescence:EL)表示装置、その他の自発光型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能であることは言うまでもない。
【0098】
また、変形例を含む本発明の実施形態等において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。