特許第6535786号(P6535786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6535786
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】ボトル
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20190617BHJP
【FI】
   B65D1/02 221
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-90194(P2018-90194)
(22)【出願日】2018年5月8日
(62)【分割の表示】特願2012-16775(P2012-16775)の分割
【原出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2018-115036(P2018-115036A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2018年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】押野 忠吉
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 浩通
(72)【発明者】
【氏名】山崎 浩久
(72)【発明者】
【氏名】西村 拓也
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−029614(JP,A)
【文献】 特開2000−127231(JP,A)
【文献】 特表2009−532288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/00−1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルであって、
胴部に、全周にわたって連続して延びる周溝が上下方向に間隔をあけて複数形成され、
それぞれの周溝は、胴部の側面視で上下方向に屈曲しながら周方向に沿って周期的に延びる波形状を呈し、
上下方向で隣り合う周溝の各頂部の周方向の位置が、互いにずらされており、
上下方向で隣り合う周溝同士のうち、一方の周溝における頂部が、他方の周溝において、周方向で隣り合う頂部同士の間に位置する中間部が位置する周方向領域の範囲内に位置し、
複数の前記周溝は、全ての頂部の周方向の位置が互いにずらされた状態で前記胴部に配置され
上下方向で隣り合う周溝は、一方の周溝が位置する上下方向の領域と、他方の周溝が位置する上下方向の領域と、が重複しないように前記胴部に配置されていることを特徴とするボトル。
【請求項2】
請求項1に記載のボトルにおいて、
複数の前記周溝は、上下方向で隣り合う周溝同士のうち、下方に位置する周溝が、上方に位置する周溝に対して周方向の同じ向きにボトル軸を中心に同じ角度ずらされた状態で前記胴部に配置されていることを特徴とするボトル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のボトルにおいて、
前記それぞれの周溝は互いに同形同大に形成されていることを特徴とするボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルとして、従来から、胴部に、全周にわたって連続して延びる周溝を上下方向に間隔をあけて複数形成することによって、胴部のボトル径方向の剛性を高めた構成が知られている。
この種のボトルとして、近年では、例えば下記特許文献1に示されるような、複数の周溝が、胴部の側面視で上下方向に屈曲しながら周方向に沿って周期的に延びる互いに同形同大の波形状を呈する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3515848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のボトルでは、周溝を形成したことにより、座屈強度が低下するおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、周溝を形成したことによる座屈強度の低下を抑えることができるボトルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のボトルは、合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルであって、胴部に、全周にわたって連続して延びる周溝が上下方向に間隔をあけて複数形成され、それぞれの周溝は、胴部の側面視で上下方向に屈曲しながら周方向に沿って周期的に延びる波形状を呈し、上下方向で隣り合う周溝の各頂部の周方向の位置が、互いにずらされており、上下方向で隣り合う周溝同士のうち、一方の周溝における頂部が、他方の周溝において、周方向で隣り合う頂部同士の間に位置する中間部が位置する周方向領域の範囲内に位置し、複数の前記周溝は、全ての頂部の周方向の位置が互いにずらされた状態で前記胴部に配置され、上下方向で隣り合う周溝は、一方の周溝が位置する上下方向の領域と、他方の周溝が位置する上下方向の領域と、が重複しないように前記胴部に配置されていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、胴部に複数の周溝が形成されているので、胴部のボトル径方向の剛性を高めることができる。
また、周溝が胴部の側面視で波形状を呈し、かつ上下方向で隣り合う周溝の各位相が互いにずれているので、ボトルに圧縮方向の軸力が加えられたときに、胴部が、周溝の溝幅を全周にわたって狭めるように圧縮変形するのを抑制することが可能になり、周溝を形成したことによる座屈強度の低下を抑えることができる。
また、上下方向で隣り合う周溝の各頂部の周方向の位置が、互いにずらされているので、胴部のうち、上下方向で互いに隣り合う周溝同士の間に位置する部分で、上下方向の大きさが過度に狭くなる部分が生ずるのを防ぐことが可能になり、胴部に応力が集中する箇所を生じさせ難くすることができる。
【0008】
ここで、複数の前記周溝は、上下方向で隣り合う周溝同士のうち、下方に位置する周溝が、上方に位置する周溝に対して周方向の同じ向きにボトル軸を中心に同じ角度ずらされた状態で前記胴部に配置されてもよい。
【0010】
また、前記それぞれの周溝は互いに同形同大に形成されてもよい。
この場合、前述の作用効果が確実に奏功される。
【0011】
また、底部の底壁部は、外周縁部に位置する接地部と、該接地部にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、該立ち上がり周壁部の上端部からボトル径方向の内側に向けて突出する環状の可動壁部と、該可動壁部のボトル径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部と、を備え、前記可動壁部は、前記陥没周壁部を上下方向に移動させるように、前記立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動自在に配設されてもよい。
【0012】
この場合、可動壁部が、陥没周壁部を上下方向に移動させるように、立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動自在に配設されているので、ボトル内圧が変動したときに、可動壁部を回動させることで、その内圧変動を吸収させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るボトルによれば、周溝を形成したことによる座屈強度の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る一実施形態として示したボトルの側面図である。
図2図1に示すボトルの底面図である。
図3図2に示すボトルのA−A線矢視断面図である。
図4図3のボトルの減圧状態を示す概略図である。
図5】本発明に係る第2実施形態として示したボトルの側面図である。
図6】本発明に係る第3実施形態として示したボトルの側面図である。
図7】本発明に係る参考例として示したボトルの側面図である。
図8】本発明に係る比較例として示したボトルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係るボトルを説明する。
本実施形態に係るボトル1は、図1に示すように、口部11、肩部12、胴部13および底部14を備え、これらがそれぞれの中心軸線を共通軸上に位置した状態でこの順に連設された概略構成とされている。
【0016】
以下、前記共通軸をボトル軸Oといい、ボトル軸O方向に沿って口部11側を上側、底部14側を下側という。また、ボトル軸Oに直交する方向をボトル径方向といい、ボトル軸O回りに周回する方向を周方向という。
なお、ボトル1は合成樹脂材料で一体に形成されている。また、口部11には、図示されないキャップが螺着される。さらに、口部11、肩部12、胴部13および底部14はそれぞれ、ボトル軸Oに直交する横断面視形状が円形状とされている。
【0017】
肩部12には、その外周面に沿ってボトル軸O方向に延びる縦溝12aが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
胴部13は筒状に形成されるとともに、ボトル軸O方向の両端部同士の間の中間部がこれら両端部より小径に形成されている。胴部13のボトル軸O方向の両端部にはそれぞれ、全周にわたって連続して延びる細溝16が、ボトル軸O方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0018】
胴部13には、全周にわたって連続して延びる周溝15がボトル軸O方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例では、周溝15は、細溝16よりも溝幅が広くなっている。複数の周溝15は、胴部13の前記中間部におけるボトル軸O方向の全域にわたって、ボトル軸O方向に間隔をあけて配置されている。
それぞれの周溝15は、胴部13の側面視でボトル軸O方向に屈曲しながら周方向に沿って周期的に延びる互いに同形同大の波形状を呈している。図示の例では、各周溝15は、4回の周期で胴部13を1周している。すなわち、周溝15は、ボトル軸Oを中心とする90°の角度範囲で1回の周期となるように形成されている。
さらに、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15同士は、全周にわたってボトル軸O方向に互いに離間している。すなわち、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15は、一方の周溝15が位置するボトル軸O方向の領域と、他方の周溝15が位置するボトル軸O方向の領域と、が重複しないように胴部13に配置されている。
【0019】
そして本実施形態では、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15の各位相が互いにずれている。
さらに本実施形態では、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15の各頂部15a、15bの周方向の位置が互いにずらされている。これにより、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15同士のうち、一方の周溝15における頂部15a、15bが、他方の周溝15において、周方向で隣り合う頂部15a、15b同士の間に位置する中間部15cが位置する周方向領域の範囲内に位置している。図示の例では、ボトル軸O方向で隣り合う各周溝15は、ボトル軸Oを中心に11.25°周方向の位置が互いにずらされて胴部13に配置されている。
なお図示の例では、頂部15a、15bとして、胴部13の側面視で、上方に向けて突の曲線を呈する形態(以下、上頂部という)15aと、下方に向けて突の曲線を呈する形態(以下、下頂部15bという)と、がある。
【0020】
底部14は、上端開口部が胴部13の下端開口部に接続されたヒール部17と、ヒール部17の下端開口部を閉塞し、かつ外周縁部が接地部18とされた底壁部19と、を備えるカップ状に形成されている。
底壁部19は、図2および図3に示すように、接地部18にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部21と、立ち上がり周壁部21の上端部からボトル径方向の内側に向けて突出する環状の可動壁部22と、可動壁部22のボトル径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部23と、を備えていて、可動壁部22は、陥没周壁部23をボトル軸O方向に移動させるように、後述する曲面部(立ち上がり周壁部21との接続部分)25を中心に回動自在に配設されている。
【0021】
可動壁部22は、ボトル軸Oと同軸に配設されるとともに、下方に向けて突の曲面状に形成されている。この可動壁部22と立ち上がり周壁部21とは上方に向けて突の曲面部25を介して連結されている。
陥没周壁部23は、ボトル軸Oと同軸に配設されており、可動壁部22のボトル径方向の内端部に連設されて下方から上方に向かうに従い漸次縮径されている。また、陥没周壁部23は、有頂筒状に形成されており、ボトル軸Oに直交する頂壁24を備えている。
【0022】
可動壁部22には、上方に向けて窪んだ環状凹部30が全周にわたって連続的に延設されている。環状凹部30は、可動壁部22において、ボトル径方向の中央からボトル径方向の内側にずれた位置に配置されている。
環状凹部30は、上方に向けて突の曲面状に形成された突端部34と、この突端部34にボトル径方向の外側から連なる外側湾曲壁32と、突端部34にボトル径方向の内側から連なる内側湾曲壁35と、により画成されている。
【0023】
外側湾曲壁32は、ボトル径方向の内側から外側に向かうに従い漸次下方に向けて延在するとともに、下方に向けて突の曲面状に形成されている。外側湾曲壁32の上端部は、突端部34におけるボトル径方向の外端部に連なっている。
内側湾曲壁35は、ボトル径方向の内側から外側に向かうに従い漸次上方に向けて延在しており、下方に向けて突の曲面状に形成されている。内側湾曲壁35の上端部は、突端部34におけるボトル径方向の内端部に連なっている。
環状凹部30は、下方から上方に向かうに従い漸次ボトル径方向の大きさが小さくなっている。
【0024】
なお本実施形態では、可動壁部22、曲面部25、および突端部34それぞれの曲率半径はこの順に小さくなっている。
また、環状凹部30の突端部34は、曲面部25の上端部よりも下方に位置している。環状凹部30は、突端部34、外側湾曲壁32および内側湾曲壁35の全体が、外側湾曲壁32のボトル径方向の外端部、および内側湾曲壁35のボトル径方向の内端部(陥没周壁部23との接続部分)の表面形状に倣って延びる仮想線Lよりも上方に位置している。さらに、曲面部25と突端部34との間のボトル径方向に沿う距離D1は、突端部34と陥没周壁部23の頂壁24の外周縁との間のボトル径方向に沿う距離D2よりも長くなっている。
【0025】
そして、可動壁部22のうち、突端部34よりもボトル径方向の外側に位置する部分、具体的には外側湾曲壁32よりもボトル径方向の外側に位置する部分(以下、外側壁部51という)は、陥没周壁部23および可動壁部22の内側湾曲壁35(以下、まとめて内側壁部52という)よりも薄肉に形成されている。
【0026】
前述したボトル1は二軸延伸ブロー成形により形成される。すなわち、まず射出成形によって合成樹脂材料からなる有底筒状のプリフォームを形成しておき、次に、このプリフォームをキャビティ内にセットした後、プリフォーム内に空気を吹き込むことにより、プリフォームをボトル軸O方向およびボトル径方向の双方向に沿って延伸させつつ膨張させることで、キャビティの内面に倣った有底筒状のボトル1が形成される。
【0027】
ここで、プリフォームを二軸延伸ブロー成形する過程において、合成樹脂材料の流れの勢いが、キャビティの内面のうち環状凹部30の突端部34を形成する部分に到達したときに弱められることで、外側壁部51を形成する合成樹脂材料が、内側壁部52を形成する合成樹脂材料と比べて延伸される。
これにより、外側壁部51が内側壁部52よりも薄肉に形成され、ボトル1の内圧変動時に、外側壁部51を、例えば図4に示されるように、当初の下方に膨出した曲面形状から平面形状になるように変形させ易くなり、この内圧変動が効果的に吸収される。
【0028】
また、内側湾曲壁35が、ボトル径方向の内側から外側に向かうに従い漸次上方に向けて延在しているので、前述のように二軸延伸ブロー成形する過程において、合成樹脂材料の流れの勢いが、キャビティの内面のうち環状凹部30の突端部34を形成する部分に到達したときに効果的に弱められる。
さらに、外側湾曲壁32が、ボトル径方向の内側から外側に向かうに従い漸次下方に向けて延在しているので、前述のように二軸延伸ブロー成形する過程において、キャビティの内面のうち環状凹部30の突端部34を形成する部分を通過した合成樹脂材料が、ボトル径方向の外側に向けて抵抗少なくスムーズに流動する。
【0029】
以上説明したように、本実施形態によるボトル1によれば、胴部13に複数の周溝15が形成されているので、胴部13のボトル径方向の剛性を高めることができる。
また、周溝15が胴部13の側面視で波形状を呈し、かつボトル軸O方向で隣り合う周溝15の各位相が互いにずれているので、ボトル1に圧縮方向の軸力が加えられたときに、胴部13が、周溝15の溝幅を全周にわたって狭めるように圧縮変形するのを抑制することが可能になり、周溝15を形成したことによる座屈強度の低下を抑えることができる。
さらに、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15の各頂部15a、15bの周方向の位置が、互いにずらされているので、胴部13のうち、ボトル軸O方向で互いに隣り合う周溝15同士の間に位置する部分で、ボトル軸O方向の大きさが過度に狭くなる部分が生ずるのを防ぐことが可能になり、胴部13に応力が集中する箇所を生じさせ難くすることができる。
また、可動壁部22が、陥没周壁部23をボトル軸O方向に移動させるように、曲面部25を中心に回動自在に配設されているので、ボトル内圧が変動したときに、可動壁部22を回動させることで、その内圧変動を吸収させることができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更等も含まれる。
【0031】
例えば、前述した実施形態では、肩部12に複数の縦溝12aを形成したが、これに代えて例えば、図5図7に示されるように、ボトル径方向の内方に向けて窪むとともに、上方から下方に向かうに従い漸次周方向の一方側から他方側に向けて延びるパネル面部12bを、肩部12に周方向に間隔をあけて複数形成してもよい。
ボトル軸O方向で互いに隣り合う周溝15同士の周方向のずれ量は、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
【0032】
例えば、図6に示されるボトル3のように、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15同士のうち、一方の周溝15における頂部15a、15bが位置する周方向位置と、他方の周溝15における中間部15cの中央が位置する周方向位置と、を互いに一致させてもよい。図示の例では、ボトル軸O方向で隣り合う各周溝15が、ボトル軸Oを中心に22.5°周方向の位置が互いにずらされて胴部13に配置されている。
また、図7に示されるボトル4のように、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15同士のうち、一方の周溝15における上頂部15aが位置する周方向位置と、他方の周溝15における下頂部15bが位置する周方向位置と、を互いに一致させてもよい。図示の例では、ボトル軸O方向で隣り合う各周溝15が、ボトル軸Oを中心に45°周方向の位置が互いにずらされて胴部13に配置されている。
さらに、ボトル軸O方向で隣り合う周溝15を、一方の周溝15が位置するボトル軸O方向の領域と、他方の周溝15が位置するボトル軸O方向の領域と、を一部重複させてもよい。
複数の周溝15は、互いに異なる形状としてもよいし、互いに異なる大きさとしてもよい。
【0033】
底部14は、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
例えば、可動壁部22、陥没周壁部23および環状凹部30は配設しなくてもよいし、また、環状凹部30は、全周にわたって断続的に点在または延在させる構成でも構わない。
環状凹部30は、ボトル径方向に間隔をあけて複数形成しても構わない。
環状凹部30の断面形状は、例えば円形状、矩形状等、適宜変更が可能である。さらに、環状凹部30の大きさは適宜変更しても構わない。
立ち上がり周壁部21は、例えばボトル軸O方向に沿って平行に延在させたり、ボトル軸Oに対して傾斜するように延在させたりする等、適宜変更してもよい。
可動壁部22は、例えばボトル径方向に沿って平行に突出させる等、適宜変更してもよい。
【0034】
ボトル1を形成する合成樹脂材料は、例えばポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレンナフタレート、非晶性ポリエステル等、またはこれらのブレンド材料等、適宜変更してもよい。
ボトル1は単層構造体に限らず中間層を有する積層構造体としてもよい。この中間層としては、例えばガスバリア性を有する樹脂材料からなる層、再生材からなる層、若しくは酸素吸収性を有する樹脂材料からなる層等が挙げられる。
前述した実施形態では、肩部12、胴部13および底部14それぞれのボトル軸Oに直交する横断面視形状を円形状としたが、これに限らず例えば、多角形状にする等適宜変更してもよい。
前述した実施形態では、外側湾曲壁32および内側湾曲壁35を仮想線Lよりも上方に位置させる場合について説明したが、これに限られない。
【0035】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0036】
次に、以上説明した作用効果の検証試験について説明する。
【0037】
実施例1として図1に示したボトル1を採用し、実施例2として図5に示したボトル2を採用し、実施例3として図6に示したボトル3を採用し、参考例として図7に示したボトル4を採用し、比較例として、図8に示されるような、周溝15が、全周にわたって連続して真直ぐ延びるボトル100を採用した。
なお、実施例2のボトル2では、ボトル軸O方向で隣り合う各周溝15が、実施例1のボトル1と同様に、ボトル軸Oを中心に11.25°周方向の位置を互いにずらして胴部13に配置されている。また比較例のボトル100では、肩部12に、縦溝12aやパネル面部12bを形成するのに代えて、肩部12のボトル軸O方向の中央部に、全周にわたって延びる段部101を配設し、また胴部13のボトル軸O方向の両端部に環状溝102を各別に形成した。
そして、それぞれのボトルについて、内容物を充填した状態での座屈強度を測定した。
その結果、実施例1のボトル1では949.72Nであり、実施例2のボトル2では1005.59Nであり、実施例3のボトル3では1030.70Nであり、参考例のボトル4では1110.39Nであり、比較例のボトル100では151.88Nであり、実施例1〜3および参考例のボトル1〜4では、比較例のボトル100と比べて座屈強度が向上されたことが確認された。
【符号の説明】
【0038】
1〜4 ボトル
13 胴部
14 底部
15 周溝
15a、15b 頂部
18 接地部
19 底壁部
21 立ち上がり周壁部
22 可動壁部
23 陥没周壁部
25 曲面部(立ち上がり周壁部との接続部分)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8