特許第6536163号(P6536163)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6536163
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】包装袋および包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/62 20060101AFI20190625BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20190625BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20190625BHJP
   B65D 85/07 20170101ALI20190625BHJP
【FI】
   B65D75/62 Z
   B65D33/25 C
   B65D33/00 C
   B65D85/07
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-100449(P2015-100449)
(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公開番号】特開2016-216066(P2016-216066A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2017年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】野田 敏弘
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−352296(JP,A)
【文献】 特開2002−037270(JP,A)
【文献】 特開2012−231975(JP,A)
【文献】 特開2013−193795(JP,A)
【文献】 特開2000−006993(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0263597(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/62
B65D 30/00−33/38
B65D 85/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部と、前記胴部の天面を覆う頂部と、を備えて内部に複数の物品を収容し、当該収容状態において略直方体形状を呈する包装袋であって、
前記頂部には、天面部およびその周縁に付帯する立ち上がり部が設けられ、
前記頂部は、前記胴部よりも破断し易い材料で形成された易破断部を有し、該易破断部には、前記包装袋の開封を行うために前記易破断部を破断させる開始点となる破断開始部が設けられており、
前記破断開始部よりも前記胴部側に近い領域に、互いに係合可能な一対の係合部を有し、前記包装袋の内部を開放/閉塞することが可能な開閉部が設けられ、
前記開閉部は、前記包装袋の内側面の周方向の全体に亘って配置されていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記易破断部の引裂強さが、前記胴部の引裂強さよりも10%以上低いことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記破断開始部は、切れ込み部および/または切り抜き部により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記破断開始部よりも前記易破断部の上端側に持ち手が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項5】
前記易破断部は、前記胴部の底面と平行な方向に破断されるように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項6】
前記物品は、衛生用品であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の包装袋により物品が収容されていることを特徴とする包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋および包装体に関し、特に物品を収容するのに好適な包装袋および当該包装袋により物品を収容した包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品、例えば、靴下、肌着等の衣類や、使い捨ておむつ、軽失禁パッド、生理用品等の衛生用品を収容可能な包装袋には、簡単且つ迅速に開封できることが要望されている。そこで、包装袋の頂部にミシン目が形成された部分を設け、当該部分をミシン目に沿って破断し易くすることで、開封を容易にした包装袋が、例えば、特許文献1に示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−002731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、衣類や衛生用品等の物品は圧縮した状態で包装袋に梱包される。包装袋は、収容される物品の形状に合わせて包装できること、物品の復元力によって包装袋が破れにくいこと、端部や角部が硬くならないこと、が要求されることから、包装袋全体が伸び率の高く且つ柔らかい材料で構成されている。しかし、特許文献1に記載されたような包装袋が当該材料で構成される場合、ミシン目に沿って開封しようとすると、ミシン目の形成された部分が伸張してうまく破断せず、開封するために手間が掛かったり、あるいは裂け目が乱れて収容物が取り出しにくくなったりする場合があった。
【0005】
本発明の目的は、破断したい箇所を、簡単、迅速且つ確実に破断して開封することが可能な包装袋および包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による包装袋は、胴部と、胴部の天面を覆う頂部と、を備えて物品を収容可能な包装袋であって、頂部は、胴部よりも破断し易い材料で形成された易破断部を有し、該易破断部には、包装袋の開封を行うために当該易破断部を破断させる開始点となる破断開始部が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明による包装体は、本発明による包装袋によって物品を収容したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装袋および包装体によれば、破断したい箇所を、簡単且つ迅速に破断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る、開封前の包装袋および包装体の斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る、開封前の包装袋および包装体を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は(b)のIIC−IIC方向断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る、開封後の包装袋および包装体の斜視図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る、開封後の包装袋および包装体を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は(b)のIVC−IVC方向断面図である。
図5】破断開始部の種々の形態を示す図であり、(a)は三角形状の切れ込み部、(b)は円弧形状の切れ込み部、(c)は四角形状の切れ込み部、(d)は円状の切り抜き部、(e)は四角形状の切り抜き部、(f)は三角形状の切れ込み部および円状の切り抜き部の組合せ、(g)は円弧状の切れ込み部および四角形状の切り抜き部の組合せを示す。
図6】本発明の第2の実施形態に係る、開封前の包装袋および包装体の斜視図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る、開封前の包装袋および包装体を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は(b)のVIIC−VIIC方向断面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る、開封後の包装袋および包装体の斜視図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る、開封後の包装袋および包装体を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は(b)のIXC−IXC方向断面図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る、チャック部により閉塞した状態の包装袋および包装体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0011】
本発明の実施形態に係る包装袋は、胴部よりも破断し易い材料で形成された易破断部を有する頂部を含み、当該部分には、包装袋の開封を行うために当該部分を破断させる開始点となる破断開始部が設けられ、この破断開始部から破断の動作を行うことにより、包装袋を簡単且つ迅速に開封することが可能となるものである。
【0012】
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「天面」および「底面」とは、包装袋によって画成された物品の収容空間の面自体を指すものとして参照される。但し、これらの用語はあくまで便宜上のものであり、重力方向における絶対的な位置を規定するものではないことは勿論である。また、「上」、「下」などの用語についても同様である。「底面部」とは、「底面」に位置している包装袋の実体的な部分を指すものとして参照される。一方、「頂部」とは、天面を覆っている実体的な部分である天面部と、これに必要に応じて付帯する部分と、を含む部分を言い、当該付帯部分がない場合には天面部自体と等しい。
【0013】
また、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「包装体」とは、物品が収容された状態の包装袋、特に包装袋に複数の物品が収容されることで製造された後であって且つ開封前のものをいう。
【0014】
さらに、本明細書および特許請求の範囲の記載における「閉塞」という用語は、包装体の内部を雰囲気から完全に遮断すること(すなわち封止すること)だけでなく、包装体の内部を異物の侵入から効果的に保護できる程度に実質的に包装袋を閉じることも包含するものである。
【0015】
<第1の実施形態>
図1および図2に本発明の第1の実施形態に係る、開封前の包装袋1および包装体100を示し、図1は斜視図、図2(a)は正面図、図2(b)は上面図、図2(c)は図2(b)のIIC−IIC方向断面図をそれぞれ表す。また、図3および図4に本実施形態に係る、開封後の包装袋1’および包装体100’を示し、図3は斜視図、図4(a)は正面図、図4(b)は上面図、図4(c)は図4(b)のIVC−IVC方向断面図をそれぞれ表す。
【0016】
本実施形態に係る包装袋1は、いわゆる、ガセットタイプのものであり、胴部3の天面を覆う屋根型形状の頂部4を有したものである。包装袋1は、天面と底面との間の物品(本実施形態においては衛生用品2)を収容する空間を実質的に画成する胴部3と、胴部3の天面を覆う頂部4とを備えて構成される。本実施形態では、包装袋1は図1および図2に示すような開封前のもの、包装袋1’は図3および図4に示すような開封後のもの、包装体100は包装袋1に衛生用品2が複数収容されたもの、包装体100’は包装袋1’に衛生用品2が複数収容されたものである。
【0017】
衛生用品2が収容可能な胴部3の素材としては、圧縮して収容される衛生用品2の復元力を考慮するとともに、包装袋の端部や角部の硬さを考慮し、伸び率の高く且つ柔らかい材料が採用される。具体的には、例えば、ポリオレフィン類のうちPE(ポリエチレン)等が挙げられる。
【0018】
頂部4には、屋根型形状を構成する一対の傾斜面部5とこれらに挟まれるように立ち上がり部6とが設けられる。立ち上がり部6には、おむつを多数収容した包装袋の可搬性を考慮して手で持って提げるための穴が形成された持ち手部を有する。頂部4は、胴部3よりも破断し易い材料で形成された易破断部を有し、頂部4のうち易破断部以外の部分は胴部3と同様の材料で構成される。破断し易い材料とは、例えば、ポリオレフィン類のうちOPP(二軸延伸ポリプロピレン)等やポリエステル類のうちPET(ポリエチレンテレフタレート)等が挙げられる。なお、胴部3よりも破断し易ければ、易破断部の材料は胴部3と同じ材料であってもよい。例えば、易破断部と胴部3とが同じ種類の樹脂から製造されるフィルムであって、その製造方法により破断し易さが異なるフィルムをそれぞれ使用することができる。
【0019】
易破断部と胴部3が異なる材料であれ、同じ材料であれ、破断し易さは、JIS−K−7128−1(1998)に準拠して測定される引裂強さ、JIS−K−7127(1999)に準拠して測定される引張強度、JIS−K−7127(1999)に準拠して測定される引張伸度等の指標により評価できる。
【0020】
本発明の効果を好適に享受するには、破断し易さを引裂強さで評価した場合(JIS規格は前出したJIS−K−7128−1(1998)。試験環境は、温度23℃,相対湿度50%。試験速度:200mm/分。評価対象の包装材料の厚みはそれぞれ同一にする。)に、易破断部の引裂強さが胴部3よりも10%以上低いことが好ましく、20%以上低いことがより好ましい。
【0021】
本実施形態では、図2(c)に示すように、易破断部の基端縁の外側の面と包装袋1の内側の面とが重なる部分Aは接着(例えば溶着)され、易破断部と包装袋1とは一体化されている。
【0022】
図1から図4に示すように、ハッチングで表された部分が易破断部を表す。易破断部は、胴部3の底面と平行な方向に破断されるように配置されている。具体的には、図1図2(a)に示すように、立ち上がり部6の側端には、包装袋1の開封を行うために、胴部3の底面と平行な方向に易破断部を破断させる開始点となる破断開始部7が設けられる。また、立ち上がり部6の持ち手部は、破断開始部7よりも易破断部の上端側に設けられる。
【0023】
破断開始部7を千切るように力を加えると、図4(a)に示すように、包装袋1は、胴部3の底面と平行な方向に破断される。すると、図3図4(b)に示すように、包装袋1が開封され、衛生用品2が取り出せる状態になる。また、破断開始部7から易破断部を破断することによって、衛生用品2を取り出すときには不要ないしは邪魔となる立ち上がり部6の持ち手部を同時に取り除くことが可能となる。
【0024】
図5は破断開始部7の種々の形態を示す図である。本実施形態では、立ち上がり部6の側端に設けられた破断開始部7は図5(a)に示すような三角形状の切り込み部となっているが、これに限られず、図5(b)に示す円弧状の切り込み部とすることもできるし、図5(c)に示す四角形状の切り込み部とすることもできる。また、切り込み部ではなく、側端近傍に設けた切り抜き部、例えば、図5(d)に示す円状の切り抜きや、図5(e)に示す四角形(好ましくは菱形)状の切り抜きを破断開始部7として設けることも可能である。さらに、切り込み部と切り抜き部を組み合わせたもの、例えば、図5(f)に示す三角形状の切れ込み部および円状の切り抜き部の組合せや、図5(g)に示す円弧状の切れ込み部および四角形(好ましくは菱形)状の切り抜き部の組合せを破断開始部として設けることもできる。図5(f)では1つの三角形状の切れ込み部と2つの円状の穴を有する切り抜き部が直線上に配置され、図5(g)では1つの円弧状の切れ込み部と2つの四角形状の穴を有する切り抜き部が直線上に配置されている。本実施形態では、図5(d)〜図5(g)に示すように、切り抜き部は、2つの穴を有しているが、これに限られず、1つ以上の穴を有するものであれば良い。
【0025】
本実施形態によれば、破断したい箇所を、簡単且つ迅速に破断することが可能となる。尚、本実施形態では、破断開始部7が立ち上がり部6の側端に設けられているが、これに限られず、簡単且つ迅速に破断するという本発明の目的に適うものであれば、適宜定め得るものである。具体的には、手で掴むことが可能なところ、例えば、包装袋1のうち角や縁が形成されているところに破断開始部が設けられてもよい。
【0026】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る包装袋は、いわゆる、天面側に片ガセットを配置したタイプのものであって、一度開封したものを再び閉塞可能なようにチャック部が設けられたものである。このような第1の実施形態と異なる形状の包装袋についても、破断したい箇所に易破断部を配置し、当該易破断部に破断開始部を設けることによって、破断したい箇所を、簡単且つ迅速に破断することが可能となる。
【0027】
図6および図7に本発明の第2の実施形態に係る、開封前の包装袋10および包装体110を示し、図6は斜視図、図7(a)は正面図、図7(b)は上面図、図7(c)は図7(b)のVIIC−VIIC方向断面図をそれぞれ表す。また、図8および図9に本実施形態に係る、開封後の包装袋10’および包装体110’を示し、図8は斜視図、図9(a)は正面図、図9(b)は上面図、図9(c)は図9(b)のIXC−IXC方向断面図をそれぞれ表す。図7(c)においては、説明の便宜上、持ち手部の表記を省略している。本実施形態に係る包装袋を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1の実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0028】
本実施形態に係る包装袋10は、天面と底面との間の物品(本実施形態においては衛生用品2)を収容する空間を実質的に画成する胴部13と、当該胴部13の天面を覆う頂部14とを備えて構成される。本実施形態では、包装袋10は図6および図7に示すような開封前のもの、包装袋10’は図8図9および図10に示すような開封後のもの、包装体110は包装袋10に衛生用品2が複数収容されたもの、包装体110’は包装袋10’に衛生用品2が複数収容されたものである。
【0029】
衛生用品2が収容可能な胴部13の素材として、第1の実施形態と同様に、伸び率の高い材料が採用される。また、胴部13には、開封後に胴部13の内部を開放/閉塞することが可能な開閉部として、ジッパー形態のチャック部21が設けられる。チャック部21は、互いに係合(例えば、咬合)することで包装袋の開口を閉塞可能な一対の係合部材(21a、21b)を有し、具体的には、図6から図10に示すように、胴部13の内側の面のうち頂部14に近接した部分に配置される。衛生用品を取り出した後、チャック部21により包装袋11の開口を閉塞することによって、開封後に塵埃や虫などの異物が混入し衛生用品に付着することを防止することが可能となる。
【0030】
頂部14には、包装袋10の胴部13の底面部と略平行な天面部15とこれに付帯する立ち上がり部16とが設けられ、立ち上がり部16の内側の面に基端領域が溶着された一対の持ち手部18が設けられる。頂部14は、第1の実施形態と同様に、胴部13よりも破断し易い材料で形成された易破断部を有する。図6から図10に示すように、ハッチングで表された部分が易破断部を表す。
【0031】
図6から図10に示すように、本実施形態に係る包装袋10の両側、つまり、胴部13から頂部14の左右両側には、縁部19および縁部20がそれぞれ形成される。本実施形態では、縁部19の頂部14の領域部分に破断開始部17が形成される。また、持ち手部18は、破断開始部17よりも易破断部の上端側に設けられ、チャック部21は、破断開始部17よりも胴部13側に近い領域に設けられる。
【0032】
本実施形態では、図7(c)に示すように、易破断部の基端縁の内側の面と包装袋10のうちチャック部近傍の外側の面とが重なる部分Bは接着(例えば溶着)され、易破断部と包装袋10とは一体化されている。
【0033】
破断開始部17を千切るように力を加えると、図9(a)に示すように、包装袋10は、胴部13の底面と平行な方向に破断される。すると図8図9(b)に示すように、包装袋10が開封され、衛生用品2が取り出せる状態になる。また、破断開始部17から破断することによって、衛生用品2を取り出すときには不要ないしは邪魔となる持ち手部18を同時に取り除くことが可能となる。破断開始部17の種々の形状の詳細については、図5について説明した第1の実施形態と同様である。
【0034】
図10に本実施形態に係る、チャック部により閉塞した状態の包装袋10’および包装体110’の斜視図を示す。本実施形態では、図8図9に示すように、開封後の包装袋10’の開口付近にチャック部21が形成されるため、開封後の包装袋10’を、図10に示す閉塞状態にすることが容易に実現することが可能となる。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、破断したい箇所を、簡単且つ迅速に破断することが可能となる。尚、本実施形態では、破断開始部17が縁部19の頂部14の領域部分に設けられているが、これに限られず、手で掴むことが可能なところ、例えば、縁部20や包装袋11のうち角や縁が形成されているところに破断開始部を設けてもよい。
【0036】
<その他>
本発明は、上述した第1および第2の実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【0037】
例えば、本発明は、上記各実施形態に係る包装袋の形状に限られず、様々な形状の包装袋に適用可能である。
【0038】
具体的には、第2の実施形態では、チャック部は胴部13の内側の面のうち頂部14に近接した部分に配置されているが、その代わりに、立ち上がり部16の内側の面のうち立ち上がり部16の基端付近にチャック部を設けてもよい。この場合、天面部15の中央付近に開口部としてミシン目(脆弱線)を配置し、当該ミシン目を破断することによって包装袋を開封する。天面部15が易破断部の領域に含まれる場合、易破断部にミシン目が設けられるため、ミシン目が破断し易くなり、包装袋が開封し易くなる。そして、第2の実施形態における破断開始部17の代わりに、立ち上がり部16の基端と、当該チャック部との間で挟まれた領域に位置する縁部19(または縁部20)の部分に破断開始部を設ける。その結果、ミシン目を破断して包装袋を開封した後に、この破断開始部により易破断部を破断することによって、チャック部により閉塞するときに邪魔となり得る持ち手部18や立ち上がり部16の一部を取り除くことが可能となる。立ち上がり部16の当該一部を取り除くことによって、包装袋の開口端からチャック部までの距離が短くなり、チャック部に手が届き易くなり、包装袋を閉塞状態にすることが容易に実現することが可能となる。
【0039】
また、上記各実施形態に係る包装袋は、2つの異なる材料で形成されているものも含むが、3つ以上の異なる材料で形成されてもよい。上記各実施形態に係る包装袋は、頂部のうち上部が破断し易い材料で構成され、頂部のうち下部が伸び率の高い材料で構成されているが、これに限られず、破断したい箇所のみを破断し易い材料で構成してもよい。
【0040】
さらに、上記各実施形態に係る包装袋には持ち手部が設けられているが、本発明の目的に沿うものであれば、持ち手部が設けられなくても良い。また、第2の実施形態に係る包装袋にはチャック部が設けられているが、同様に本発明の目的を達成するのであれば、チャック部が設けられなくても良く、逆に、第1の実施形態において、包装袋の易破断部を破断して形成された開口付近にチャック部を設けても良い。
【0041】
上記各実施形態に係る包装袋では、易破断部が破断される方向は胴部の底面と平行な方向であるが、これに限られず、収容物の形態および取り出し方との関連において本発明の所期の目的を達成し得るのであれば、胴部の底面と交差する方向、例えば、胴部の底面と垂直な方向であってもよい。
【0042】
上記各実施形態に係る包装袋では、持ち手部の包装体への取り付け部は破断開始部よりも上端側に設けられているが、当該持ち手部の包装体への取り付け部は破断開始部よりも下端側に設けられてもよい。かかる形態では、ユーザが当該持ち手部を持って包装体を運搬する際に、包装体の自重によって破断開始部が破れることを防止することができる。
【0043】
上記各実施形態に係る包装袋には、立ち上がり部が形成されているが、立ち上がり部を形成しない形態であっても良い。これにより、包装袋全体をコンパクトな形状にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1、1’、10、10’ 包装袋
2 衛生用品
3、13 胴部
4、14 頂部
5 傾斜面部
6、16 立ち上がり部
7、17 破断開始部
15 天面部
18 持ち手部
19、20 縁部
21 チャック部
100、100’、110、110’ 包装体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10