(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視分解図である。
図2は、車両用照明装置1を正面から見た図である。
なお、
図2においては、煩雑となるのを避けるために、封止部27や配線パターン24の一部などを省いて描いている。
図3(a)〜(c)は、伝熱部40を例示するための模式図である。
なお、
図3(a)は模式平面図、
図3(b)は
図3(a)におけるA−A線断面図、
図3(c)は角部の先端40eの位置を例示するための模式平面図である。
【0014】
図1および
図2に示すように、車両用照明装置1には、本体部10、発光部20、給電部30、および伝熱部40が設けられている。
本体部10には、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14が設けられている。
収納部11は、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11の外観は、円柱状を呈している。収納部11のフランジ部12側とは反対側の端部には、凹部11aが設けられている。凹部11aの断面形状は円形とすることができる。凹部11aの内部には、発光部20が収納されている。発光部20は、伝熱部40を介して、凹部11aの底面11a1に設けられている。また、給電部30の給電端子31が凹部11aの底面11a1から突出している。
【0015】
収納部11には溝部11bが4つ設けられている。溝部11bは、凹部11aに開口している。溝部11bは、凹部11aと収納部11の外側面11cとの間を貫通している。溝部11bは、収納部11のフランジ部12側とは反対側の端部にも開口している。
また、後述するように、収納部11には保持部11dが設けられている。(
図5(a)、(b)を参照)
【0016】
フランジ部12は、円板状を呈し、一方の面には収納部11が設けられ、他方の面にはフィン13が設けられている。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
【0017】
凸部14は、収納部11の外側面11cに設けられている。凸部14は、収納部11の外側面11cから外側に向けて突出している。
凸部14は、車両用照明装置1を車両用灯具に装着する際に用いられる。
凸部14の数や配設位置には特に限定はない。
この場合、凸部14を複数設けるようにすれば、車両用照明装置1の保持を安定させることができる。
車両用照明装置1の保持を安定させるためには、3つ以上の凸部14が設けられることが好ましい。
図1に例示をした車両用照明装置1の場合には、4つの凸部14が設けられている。
【0018】
本体部10は、発光部20、給電部30、および伝熱部40を収納する機能と、発光部20や給電部30で発生した熱を車両用照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、本体部10を熱伝導率の高い材料から形成することができる。例えば、本体部10は、アルミニウム、アルミニウム合金、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素や酸化アルミニウム等からなる繊維や粒子を混合させたものである。
【0019】
この場合、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を一体成形することができる。
なお、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成し、これらを接合することもできる。収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成する場合には、これらを同じ材料から形成することもできるし、これらを異なる材料から形成することもできる。
【0020】
また、本体部10の主要部分を導電性材料から形成する場合には、給電端子31と、本体部10の導電性材料からなる部分との間の電気絶縁性を確保するため、給電端子31の周囲を絶縁材料(図示しない)で覆うようにすることができる。絶縁材料は、例えば、樹脂などであって、熱伝導率が高い材料が好ましい。
【0021】
発光部20には、基板21、発光素子22、制御素子23、配線パターン24、配線25、枠部26、封止部27、および接合部28が設けられている。
基板21は、凹部11aの内部に設けられている。
基板21は、平板状を呈し、平面形状が四角形となっている。
基板21の角部の近傍は、溝部11bの内部に設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁体で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁体で被覆する場合には、絶縁体は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0022】
発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁体で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
【0023】
配線パターン24は、基板21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24は、銀を主成分とする材料から形成されている。配線パターン24は、例えば、銀や銀合金から形成することができる。
ただし、配線パターン24の材料は、銀を主成分とする材料に限定されるわけではない。配線パターン24は、例えば、銅を主成分とする材料などから形成することもできる。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電部30の給電端子31が電気的に接続されている。そのため、発光素子22は、配線パターン24を介して、給電部30と電気的に接続されている。
【0024】
発光素子22は、配線パターン24の上に複数実装されている。
発光素子22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)に図示しない電極を有したものとすることができる。なお、図示しない電極は、配線パターン24に設けられる側の面(下面)と、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、どちらかの面のみに設けられていてもよい。
【0025】
発光素子22の下面に設けられた電極は、銀ペーストなどの導電性の熱硬化材を介して配線パターン24に設けられた図示しない実装パッドと電気的に接続されている。発光素子22の上面に設けられた図示しない電極は、配線25を介して配線パターン24に設けられた図示しない配線パッドと電気的に接続されている。
【0026】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22の光の出射面である上面は、車両用照明装置1の正面側に向けられており、主に、車両用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0027】
制御素子23は、配線パターン24の上に設けられている。
制御素子23は、発光素子22に流れる電流を制御する。
発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、印加電圧を一定にすると、発光素子22の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22の明るさが所定の範囲内に収まるように、制御素子23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにしている。
制御素子23は、例えば、抵抗器とすることができる。制御素子23は、例えば、酸化ルテニウム(RuO
2)を含む膜状の抵抗器とすることができる。酸化ルテニウムを含む膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。
【0028】
発光素子22に流れる電流の値は、制御素子23の抵抗値を変化させることで制御することができる。
例えば、制御素子23の一部を除去して図示しない除去部を形成することで、抵抗値を変化させることができる。この場合、制御素子23の一部を除去すれば、抵抗値は増加することになる。
制御素子23の一部の除去は、例えば、レーザ光を制御素子23に照射することで行うことができる。
制御素子23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0029】
配線25は、発光素子22の上面に設けられた図示しない電極と、配線パターン24に設けられた配線パッドとを電気的に接続する。
配線25は、例えば、金(Au)を主成分とする線とすることができる。ただし、配線25の材料は、金を主成分とするものに限定されるわけではなく、例えば、銅を主成分とするものや、アルミニウムを主成分とするものなどであってもよい。
【0030】
配線25は、例えば、超音波溶着または熱溶着により、発光素子22の上面に設けられた電極と、配線パターン24に設けられた配線パッドとに電気的に接続される。配線25は、例えば、ワイヤボンディング法を用いて、発光素子22の上面に設けられた電極と、配線パターン24に設けられた配線パッドとに電気的に接続することができる。
【0031】
枠部26は、複数の発光素子22を囲むようにして、基板21上に設けられている。枠部26は、例えば、環状形状を有し、中央部26aに複数の発光素子22が配置されるようになっている。
枠部26は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
【0032】
また、枠部26の材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22から出射した光に対する反射率を向上させることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子であればよい。
また、枠部26は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0033】
枠部26の中央部26a側の外側面26bは斜面となっている。発光素子22から出射した光の一部は、枠部26の外側面26bで反射されて、車両用照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、発光素子22から車両用照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部27の上面(封止部27と外気との界面)で全反射した光は、枠部26の外側面26bで反射して、再び車両用照明装置1の正面側に向けて出射される。
すなわち、枠部26は、封止部27の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能を有する。なお、枠部26の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0034】
封止部27は、枠部26の中央部26aに設けられている。封止部27は、枠部26の内部を覆うように設けられている。すなわち、封止部27は、枠部26の内部に設けられ、発光素子22、配線25、および枠部26の中央部26aに配置された配線パターン24を覆っている。
封止部27は、透光性を有する材料から形成されている。封止部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部27は、例えば、枠部26の中央部26aに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0035】
枠部26の中央部26aに樹脂を充填すれば、発光素子22、枠部26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線25などに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、車両用照明装置1が設けられる環境に含まれている水分や硫黄を含むガスなどが、発光素子22、枠部26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線25などに接触するのを抑制することができる。そのため、車両用照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。
【0036】
また、封止部27には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が車両用照明装置1から出射される。なお、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の色の光が車両用照明装置1から出射されるように、蛍光体の種類や発光素子22から出射される光の色(発光素子22の種類)を適宜変更することができる。
【0037】
接合部28は、枠部26と、基板21とを接合する。
接合部28は、膜状を呈し、枠部26と、基板21との間に設けられている。
接合部28は、例えば、シリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤を硬化させることで形成されたものとすることができる。
【0038】
また、枠部26の外側において、配線パターン24、および制御素子23を覆う図示しない被覆部を設けることもできる。
被覆部は、ガラスなどの無機材料や、樹脂などの有機材料を含むものとすることができる。
この場合、ガラスなどの無機材料を含む被覆部とすれば、水分や硫黄を含むガスなどが被覆部を透過するのをより抑制することができる。
【0039】
また、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために、図示しない回路素子を設けることができる。
回路素子は、例えば、ダイオードとすることができる。
【0040】
給電部30には、複数の給電端子31が設けられている。
複数の給電端子31は、収納部11およびフランジ部12の内部を延びている。複数の給電端子31の一方の端部は、凹部11aの底面11a1から突出し、入力端子24aと電気的に接続されている。この場合、複数の給電端子31は、入力端子24aに半田付けすることができる。
なお、給電端子31の数、配置、形態などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、給電部30は、図示しない基板、コンデンサ、抵抗器などを備えたものとすることもできる。図示しない基板などは、例えば、収納部11またはフランジ部12の内部に設けることができる。
【0041】
複数の給電端子31の他方の端部は、本体部10のフィン13側から露出している。
本体部10から露出している複数の給電端子31の端部には、図示しないソケットが嵌め合わされる。
ソケットには、図示しない電源などが電気的に接続される。
そのため、ソケットを給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
ソケットは、例えば、接着剤などを用いて本体部10側の要素に接合することができる。
【0042】
図1、
図3(a)〜(c)に示すように、伝熱部40は、本体部10(凹部11aの底面11a1)と基板21との間に設けられている。
ここで、発光素子22の点灯と消灯を繰り返すと、基板21の材料の熱膨張係数と、本体部10の材料の熱膨張係数との差に応じた熱応力が発生する。また、車両用照明装置1の場合には、環境温度が−40℃〜85℃の範囲で変動する場合がある。そのため、環境温度の変化に伴い熱応力が発生する場合がある。
過大な熱応力が発生すると、発光素子22や配線25の剥離、配線25の断線などが生じて不灯となるおそれがある。
【0043】
そのため、伝熱部40は、基板21の温度と、本体部10の温度とがなるべく同じとなるようにするために設けられている。
すなわち、伝熱部40は、発光部20と、本体部10との間における熱伝導をよくするために設けられている。
また、車両用照明装置1の軽量化を図る観点からは、伝熱部40の重量を小さくすることが好ましい。
そのため、伝熱部40は、熱伝導率が高く、比重が小さい材料から形成することが好ましい。
例えば、伝熱部40は、アルミニウムやアルミニウム合金などの軽金属から形成することができる。
また、伝熱部40の形状を平板状とすれば、伝熱性の向上と軽量化を図ることが容易となる。
【0044】
また、伝熱部40と基板21は、エポキシ系接着剤などを用いて接着することができる。伝熱部40と本体部10(凹部11aの底面11a1)との間には、熱伝導グリースからなる層15を設けることができる。(
図5(a)、(b)を参照)
この様にすれば、効率的な熱伝導と、熱応力の緩和を図ることができる。
【0045】
伝熱部40の平面形状は、四角形とすることができる。
伝熱部40の平面形状は、例えば、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などとすることができる。
この場合、凹部11aの断面形状が円形(凹部11aの底面11a1の形状が円形)であることを考慮すると、伝熱部40の平面形状は、図心から、4つの角部の先端40eまでの距離がほぼ等しい四角形であることが好ましい。
そのため、伝熱部40の平面形状は、正方形または長方形とすることが好ましい。
伝熱部40の角部の近傍は、平面視において溝部11bの内部に設けられている。
【0046】
ここで、車両用照明装置1を図示しない灯具に取り付ける際には、灯具に設けられた取付孔の内部に収納部11が挿入される。そのため、収納部11の外側面11cから伝熱部40の角部が突出していると、車両用照明装置1を灯具に取り付けられなくなるおそれがある。
そのため、
図3(c)に示すように、伝熱部40の角部の先端40eは、収納部11の外側面11cから外部に、はみ出さないようになっている。
すなわち、伝熱部40の角部の先端40eは、凹部11aよりは外側であって、収納部11の外側面11cよりは内側に位置している。
【0047】
伝熱部40の周縁には、座部40a(第1の座部の一例に相当する)が設けられている。
座部40aは、凹状を呈している。
【0048】
座部40aは、伝熱部40の側面40b、および、伝熱部40の基板21側の面40cに開口している。
すなわち、座部40aの基板21側の面40a1は、伝熱部40の基板21側の面40cよりも凹部11aの底面11a1側(基板21側とは反対側)に位置する。
【0049】
座部40aの数には特に限定はないが、複数の座部40aを設ける様にすれば、複数の箇所において後述する保持部11dによる保持を行うことができる。
そのため、伝熱部40の取り付け精度の向上と、伝熱部40の保持強度の向上を図ることができる。
この場合、
図3(a)、(c)に示すように、伝熱部40の図心から見て3方向に座部40aをそれぞれ設けるようにすれば、伝熱部40の取り付け精度の向上と、伝熱部40の保持強度の向上をさらに図ることができる。
【0050】
また、伝熱部40には、切り欠き部40dが設けられている。
前述したように、給電端子31は、凹部11aの底面11a1から突出している。また、伝熱部40はアルミニウム合金などの軽金属から形成されている。
そのため、給電端子31が突出する位置に切り欠き部40dを設け、給電端子31と伝熱部40との間の電気絶縁性を確保するようにしている。
この場合、凹部11aの底面11a1から突出する給電端子31は、切り欠き部40dの内部に位置し、給電端子31が伝熱部40と接触しないようになっている。
【0051】
図4(a)、(b)、(c)は、他の実施形態に係る伝熱部41を例示するための模式図である。
なお、
図4(a)は模式平面図、
図4(b)は
図4(a)におけるB−B線断面図、
図4(c)は角部の先端41eの位置を例示するための模式平面図である。
前述した伝熱部40には、座部40aが設けられていたが、本実施の形態に係る伝熱部41には座部41a(第2の座部の一例に相当する)が設けられている。
図4(a)〜(c)に示すように、座部41aは、伝熱部41の側面41bより外側に向けて突出している。
伝熱部41の側面41bより突出する座部41aとすれば、凹部11aの底面11a1と対峙する部分の面積を増加させることができるので、発光部20と、本体部10との間における熱伝導を高めることができる。
座部41aの基板21側の面41a1は、伝熱部41の基板21側の面41cよりも凹部11aの底面11a1側(基板21側とは反対側)に位置する。
【0052】
座部41aの数には特に限定はないが、複数の座部41aを設ける様にすれば、複数の箇所において後述する保持部11dによる保持を行うことができる。
そのため、伝熱部41の取り付け精度の向上と、伝熱部41の保持強度の向上を図ることができる。
この場合、
図4(a)に示すように、伝熱部41の図心から見て3方向に座部41aをそれぞれ設けるようにすれば、伝熱部41の取り付け精度の向上と、伝熱部41の保持強度の向上をさらに図ることができる。
また、
図4(c)に示すように、伝熱部41の角部の近傍は、平面視において溝部11bの内部に設けられている。
伝熱部41の角部の先端41eは、収納部11の外側面11cから外部に、はみ出さないようになっている。
すなわち、伝熱部41の角部の先端41eは、凹部11aよりは外側であって、収納部11の外側面11cよりは内側に位置している。
なお、伝熱部41の材料、切り欠き部41dなどは、前述した伝熱部40の材料、切り欠き部40dなどと同様とすることができる。
【0053】
次に、保持部11dについて説明する。
図5(a)、(b)は、保持部11dの形成を例示するための模式工程断面図である。
図5(a)に示すように、加工前の保持部11dは、棒状を呈し、凹部11aの底面11a1から突出している。保持部11dは、伝熱部40を底面11a1上に乗せた際に座部40aの近傍となる位置に設けられている。1つの座部40aに対して、1つの保持部11dが設けられている。
【0054】
まず、
図5(a)に示すように、凹部11aの底面11a1に熱伝導グリースを塗布する。熱伝導グリースは、複数の保持部11dにより画された領域に塗布することができる。塗布された熱伝導グリースは、層15となる。
続いて、熱伝導グリースの上に伝熱部40を乗せる。
【0055】
次に、
図5(b)に示すように、保持部11dの頂部側を押しつぶし、保持部11dが座部40aの面40a1に接触するようにする。
この際、熱伝導グリースが押し広げられて、伝熱部40の下面と底面11a1の間が熱伝導グリースにより満たされる。
【0056】
保持部11dの頂部側は、例えば、治具100からの熱(熱溶着)、または、治具100からの超音波(超音波溶着)により加工することができる。
また、伝熱部40の平面寸法は、基板21の平面寸法よりも小さくすることが好ましい。この様にすれば、伝熱部40、41の取り付け作業(治具100による保持部11dの加工)が容易となる。
なお、保持部11dにより伝熱部40を保持する場合を例示したが、保持部11dにより伝熱部41を保持する場合も同様とすることができる。
以上のようにして、凹部11aの底面11a1に設けられ、座部40aの基板21側の面40a1、または、座部41aの基板21側の面41a1に接触する保持部11dを形成することができる。
【0057】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。