特許第6536327号(P6536327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6536327
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/47 20180101AFI20190625BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20190625BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20190625BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20190625BHJP
   F21V 29/75 20150101ALI20190625BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20190625BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190625BHJP
【FI】
   F21S45/47
   F21S41/19
   F21S43/19
   F21V29/503
   F21V29/75
   F21V23/00 160
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-196805(P2015-196805)
(22)【出願日】2015年10月2日
(65)【公開番号】特開2016-106353(P2016-106353A)
(43)【公開日】2016年6月16日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】日野 清和
(72)【発明者】
【氏名】畑中 登志浩
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−138742(JP,A)
【文献】 特開2013−235649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/47
F21S 41/19
F21S 43/19
F21V 23/00
F21V 29/503
F21V 29/75
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた放熱フィンと、前記フランジの前記放熱フィンが設けられた側とは反対側の面に設けられた載置部と、を有する放熱部と;
前記フランジの前記放熱フィンが設けられた側とは反対側に設けられ、前記載置部を囲む装着部と、前記装着部の側面に設けられたバヨネットと、を有し、前記放熱部の材料と異なる材料から形成された収納部と;
前記載置部の前記フランジ側とは反対側の端面に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
を具備した車両用照明装置と;
前記装着部の前記バヨネットが設けられた部分が挿入される孔を有する筐体と;
前記筐体と、前記フランジとの間に設けられ、前記筐体と、前記フランジの前記放熱フィンが設けられた側とは反対側の面と、に接触する第1のシール部材と;
を具備し、
前記車両用照明装置の中心軸と直交する方向における前記装着部の外形寸法は、前記フランジの外形寸法よりも小さい車両用灯具
【請求項2】
前記装着部の前記フランジ側の端面の位置は、前記フランジの前記放熱フィンが設けられた面の位置よりも前記発光モジュール側にある請求項1記載の車両用灯具
【請求項3】
一方の端部が前記発光モジュールと電気的に接続された給電端子をさらに具備し、
前記放熱部は、前記フランジの前記放熱フィンが設けられた面に設けられた凸部をさらに備え、
前記凸部は、前記給電端子の他方の端部が露出する孔を有する請求項1または2に記載の車両用灯具
【請求項4】
第2のシール部材を有し、前記給電端子の他方の端部に嵌め合わされるコネクタをさらに具備した請求項記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
ソケットと、ソケットの一方の端部側に設けられ発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を有する発光モジュールとを備えた車両用照明装置がある。
発光ダイオードにおいて発生した熱は、主に、ソケットを介して外部に放出される。
そのため、ソケットには、放熱フィンが設けられている。
また、ソケットには、車両用照明装置の外方に向けて突出するバヨネットとフランジが設けられている。バヨネットとフランジは、車両用照明装置を車両用灯具に装着する際に用いられる。
この場合、放熱フィンが設けられる部分は、放熱性を考慮して金属などから形成することが好ましい。
バヨネットが設けられる部分には給電端子が設けられるので、樹脂などの絶縁性材料から形成することが好ましい。
そのため、放熱フィンを有した金属製の部分と、バヨネットとフランジを有した樹脂製の部分とを備えたソケットが提案されている。
ところが、放熱フィンを有した金属製の部分は、バヨネットとフランジを有した樹脂製の部分により囲まれるので、放熱性が悪いという問題がある。
そこで、放熱性を向上させることができる車両用照明装置、および車両用灯具の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−25935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、放熱性を向上させることができる両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る車両用灯具は、板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた放熱フィンと、前記フランジの前記放熱フィンが設けられた側とは反対側の面に設けられた載置部と、を有する放熱部と;前記フランジの前記放熱フィンが設けられた側とは反対側に設けられ、前記載置部を囲む装着部と、前記装着部の側面に設けられたバヨネットと、を有し、前記放熱部の材料と異なる材料から形成された収納部と;前記載置部の前記フランジ側とは反対側の端面に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;を具備した車両用照明装置と;前記装着部の前記バヨネットが設けられた部分が挿入される孔を有する筐体と;前記筐体と、前記フランジとの間に設けられ、前記筐体と、前記フランジの前記放熱フィンが設けられた側とは反対側の面と、に接触する第1のシール部材と;を具備し、前記車両用照明装置の中心軸と直交する方向における前記装着部の外形寸法は、前記フランジの外形寸法よりも小さい
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、放熱性を向上させることができる両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2図1において車両用照明装置1をA方向から見た模式図である。
図3図1における車両用照明装置1のB−B線方向の模式断面図である。
図4】(a)〜(d)は、装着部11のフランジ14側の端面11aの位置、および、絶縁部13のフランジ14側の端面13aの位置を例示するための模式断面図である。
図5】他の実施形態に係る装着部11、絶縁部13、および載置部15を例示するための模式断面図である。
図6】本実施の形態に係る車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、図1において車両用照明装置1をA方向から見た模式図である。
図3は、図1における車両用照明装置1のB−B線方向の模式断面図である。
図4(a)〜(d)は、装着部11のフランジ14側の端面11aの位置、および、絶縁部13のフランジ14側の端面13aの位置を例示するための模式断面図である。
【0015】
図1図2、および図3に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、および給電部30が設けられている。
ソケット10は、収納部10aおよび放熱部10bを有する。
収納部10aは、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13を有する。
【0016】
装着部11は、筒状を呈している。
装着部11は、例えば、円筒状を呈したものとすることができる。
装着部11は、フランジ14の放熱フィン16が設けられた側とは反対側に設けられている。
装着部11は、載置部15を囲んでいる。
車両用照明装置1の中心軸1aと直交する方向における装着部11の外形寸法は、フランジ14の外形寸法よりも小さい。
【0017】
バヨネット12は、装着部11の側面に設けられ、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。
バヨネット12は、フランジ14と対峙している。
バヨネット12は、複数設けられている。
【0018】
車両用照明装置1を筐体101に装着する際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が、筐体101に設けられた取付孔101aに挿入される。(図6を参照)。
そして、車両用照明装置1を回転させることで、筐体101に車両用照明装置1が保持されるようになっている。
すなわち、バヨネット12は、ツイストロックに用いられるものである。
【0019】
絶縁部13は、装着部11の内部に設けられている。
ここで、図3および図4(a)に示すように、装着部11のフランジ14側の端面11aは、フランジ14の、放熱フィン16が設けられる側とは反対側の面14a上に位置するようにすることができる。
絶縁部13のフランジ14側の端面13aは、フランジ14の内部に位置するようにすることができる。
【0020】
図4(b)に示すように、装着部11のフランジ14側の端面11aは、フランジ14の面14a上に位置するようにすることができる。
絶縁部13のフランジ14側の端面13aは、フランジ14の面14a上に位置するようにすることができる。
【0021】
図4(c)に示すように、装着部11のフランジ14側の端面11aは、フランジ14の内部に位置するようにすることができる。
絶縁部13のフランジ14側の端面13aは、フランジ14の内部に位置するようにすることができる。
【0022】
図4(d)に示すように、装着部11のフランジ14側の端面11aは、フランジ14の内部に位置するようにすることができる。
絶縁部13のフランジ14側の端面13aは、フランジ14の面14a上に位置するようにすることができる。
【0023】
また、装着部11のフランジ14側の端面11aと、フランジ14の面14aとの間に図示しない部材を設けることもできる。絶縁部13のフランジ14側の端面13aと、フランジ14の面14aとの間に図示しない部材を設けることもできる。
また、フランジ14の面14aに、装着部11および絶縁部13に向けて突出する突出部を設けることもできる。
【0024】
すなわち、装着部11のフランジ14側の端面11aの位置および絶縁部13のフランジ14側の端面13aの位置は、フランジ14の、放熱フィン16が設けられた面14bの位置よりも発光モジュール20側にあればよい。
【0025】
収納部10aは、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13を一体成形して形成することもできるし、これらを接合して形成することもできる。
ただし、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13を一体成形すれば、外力に対する耐性の向上、製造コストの低減などを図ることができる。
【0026】
収納部10aは、発光モジュール20を収納する機能と、給電端子31を絶縁する機能を有する。
そのため、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13は、絶縁性材料から形成することが好ましい。
絶縁性材料は、例えば、樹脂などの有機材料、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料などとすることができる。
【0027】
この場合、発光モジュール20において発生した熱を放熱部10bに伝えることを考慮して、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13を絶縁性と高い熱伝導率を有する材料から形成することもできる。絶縁性と高い熱伝導率を有する材料は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)、高熱伝導性樹脂などとすることができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PETやナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムなどからなる繊維や粒子を混合させたものである。
【0028】
なお、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13は、金属などの導電性材料から形成することもできる。
ただし、給電端子31と絶縁部13との間に絶縁性材料からなる層を設けたり、絶縁部13のみを絶縁性材料から形成したりする必要がある。
【0029】
放熱部10bは、フランジ14、載置部15、放熱フィン16、および凸部17を有する。
フランジ14は、板状を呈している。
フランジ14は、例えば、円板状を呈したものとすることができる。
フランジ14の外側面と車両用照明装置1の中心軸1aとの間の距離は、バヨネット12の外側面と車両用照明装置1の中心軸1aとの間の距離よりも長い。すなわち、フランジ14の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
【0030】
載置部15は、円筒状を呈したものとすることができる。載置部15は、フランジ14の、放熱フィン16が設けられる側とは反対側の面14aに設けられている。載置部15の側面には、凹部15aが設けられている。凹部15aの内部には、絶縁部13が設けられている。
載置部15の、フランジ14側とは反対側の面15bには、発光モジュール20が載置される。
【0031】
放熱フィン16は、フランジ14の、載置部15が設けられる側とは反対側の面14bに設けられている。
放熱フィン16は、複数設けることができる。
複数の放熱フィン16は、互いに平行となるように設けることができる。放熱フィン16は、平板状を呈したものとすることができる。
発光モジュール20において発生した熱は、載置部15およびフランジ14を介して放熱フィン16に伝わる。放熱フィン16に伝わった熱は、放熱フィン16から外部に放出される。
【0032】
凸部17は、フランジ14の放熱フィン16が設けられた面14bに設けられている。
凸部17は、ブロック状を呈したものとすることができる。
凸部17の外側面には、凹部17aが設けられている。凹部17aは、凸部17の外側面に開口している。
【0033】
凸部17には、孔17bが設けられている。孔17bは、凸部17のフランジ14側とは反対側の端面と、フランジ14の、放熱フィン16が設けられる側とは反対側の面14aとの間を貫通している。
孔17bのフランジ14側には、給電端子31の端部が突出している。
孔17bのフランジ14側には、絶縁部13の一部分が露出している。すなわち、孔17bのフランジ14側の開口は、絶縁部13により塞がれている。
孔17bは、凹部17aと繋がっていない。
【0034】
孔17bには、シール部材105a(第2のシール部材の一例に相当する)を有するコネクタ105が挿入される。
そのため、孔17bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面に適合したものとなっている。
また、車両用照明装置1の中心軸1aと直交する方向における孔17bの断面寸法は、コネクタ105の本体に設けられたシール部材105aの外形寸法よりも僅かに小さくなっている。そのため、シール部材105aを有するコネクタ105が孔17bに挿入された際には、孔17bが水密となるように密閉される。
【0035】
放熱部10bは、フランジ14、載置部15、放熱フィン16、および凸部17を一体成形して形成することもできるし、これらを別々に形成して接合することもできる。
ただし、フランジ14、載置部15、放熱フィン16、および凸部17を一体成形すれば、放熱性の向上、外力に対する耐性の向上、製造コストの低減などを図ることができる。
【0036】
放熱部10bは、発光モジュール20を載置する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に放出する機能を有する。
そのため、熱を放出する機能を考慮して、フランジ14、載置部15、放熱フィン16、および凸部17は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂などとすることができる。
【0037】
この場合、収納部10aの材料と、放熱部10bの材料は、互いに異なるものとすることができる。
例えば、収納部10aを樹脂などの絶縁性材料から形成し、放熱部10bを金属(例えば、アルミニウム合金など)などの熱伝導率の高い材料から形成することができる。
【0038】
ここで、装着部11は、フランジ14の、放熱フィン16が設けられる側とは反対側に設けられている。
また、装着部11は、載置部15を囲んでいる。
しかしながら、装着部11は、フランジ14、放熱フィン16、および凸部17を囲んでいない。
そのため、光モジュール20において発生した熱を、熱伝導率の高い材料から形成されたフランジ14、放熱フィン16、および凸部17を介して外部に効率よく放出することができる。すなわち、車両用照明装置1の放熱性を向上させることができる。
【0039】
また、放熱部10bは、収納部10aと接続される。収納部10aの絶縁部13は、放熱部10bの凹部15aの内部に挿入される。放熱部10bの載置部15は、収納部10aの装着部11の内部に挿入される。
この場合、収納部10aと放熱部10bは、嵌め合わされるようにしてもよいし、接着剤などを用いて接合してもよいし、インサート成型により収納部10aと放熱部10bを接合してもよいし、加熱溶着により収納部10aと放熱部10bを接合してもよい。
【0040】
ここで、収納部10aと放熱部10bを接続すると、収納部10aと放熱部10bの間に界面が形成される。
収納部10aと放熱部10bの間に界面が形成されていると、界面から水分が侵入するおそれがある。
この場合、収納部10aと放熱部10bを接着などすれば、界面から水分が侵入するのを抑制することができる。
しかしながら、界面を完全に封止することは難しい。
また、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、使用環境の温度が、−40℃〜85℃となる。そのため、当初は水密であったとしても、熱膨張率の差により発生した熱応力により、時間の経過とともに水密性が低下するおそれがある。
【0041】
そこで、本実施の形態においては、装着部11のフランジ14側の端面11aの位置および絶縁部13のフランジ14側の端面13aの位置が、フランジ14の面14bの位置よりも発光モジュール20側にあるようになっている。
また、車両用照明装置1の中心軸1aと直交する方向における装着部11の外形寸法は、フランジ14の外形寸法よりも小さくなっている。
そのため、図3に示すように、装着部11とフランジ14の間の界面は、シール部材104(第1のシール部材の一例に相当する)により封止することができる。
【0042】
なお、孔17bのフランジ14側には、絶縁部13の一部分が露出している。すなわち、孔17bの内部には、絶縁部13とフランジ14の間の界面が露出している。
しかしながら、孔17bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。
そのため、シール部材105aを有するコネクタ105が孔17bに挿入された際には、孔17bが水密となるように密閉される。
その結果、絶縁部13とフランジ14の間の界面から水分が侵入するのを抑制することができる。
【0043】
なお、水分は、主に、車両用灯具100の筐体101の外側にある。そのため、筐体101の内部からシール部材104の内側に侵入する水分はほとんどない。
以上に説明したように、本実施の形態に係る車両用照明装置1によれば、収納部10aと放熱部10bを接続するようにしても界面から水分が侵入するのを抑制することができる。
【0044】
また、図1および図3に示すように、発光モジュール20は、載置部15のフランジ14側とは反対側の面15bに設けられている。
発光モジュール20は、基板21、発光素子22、制御素子23、および制御素子24を有する。
基板21は、載置部15の面15bの上に設けられている。
基板21は、平板状を呈している。基板21の表面には、配線パターンが設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0045】
この場合、発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0046】
発光素子22は、基板21の上に設けられている。発光素子22は、基板21の表面に設けられた配線パターンと電気的に接続されている。
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0047】
発光素子22の形式には特に限定はない。
発光素子22は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。
発光素子22は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。
【0048】
また、発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装されるものとすることもできる。
COBにより実装される発光素子22とする場合には、チップ状の発光素子22と、発光素子22と配線パターンを電気的に接続する配線と、発光素子22と配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内部に設けられた封止部などを基板21の上に設けることができる。
【0049】
この場合、封止部には、蛍光体を含めることができる。
蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が車両用照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類や発光素子22の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0050】
発光素子22の光の出射面である上面は、車両用照明装置1の正面側に向けられており、主に、車両用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0051】
制御素子23は、基板21の上に設けられている。制御素子23は、基板21の表面に設けられた配線パターンと電気的に接続されている。
制御素子23は、例えば、発光素子22に流れる電流を制御するものとすることができる。
【0052】
発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子22の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22の明るさが所定の範囲内に収まるように、制御素子23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0053】
制御素子23は、例えば、抵抗器とすることができる。制御素子23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。
なお、図1および図3に例示をした制御素子23は、表面実装型の抵抗器である。
【0054】
この場合、制御素子23の抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
例えば、制御素子23が膜状の抵抗器の場合には、複数の制御素子23毎に一部を除去して図示しない除去部をそれぞれに形成する。そして、除去部の大きさなどにより、複数の制御素子23毎に抵抗値を変化させる。この場合、制御素子23の一部を除去すれば、抵抗値は増加することになる。制御素子23の一部の除去は、例えば、制御素子23にレーザ光を照射することで行うことができる。
制御素子23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0055】
制御素子24は、基板21の上に設けられている。制御素子24は、基板21の表面に設けられた配線パターンと電気的に接続されている。
制御素子24は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。
制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図1に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
【0056】
その他、発光素子22の断線の検出や、誤点灯防止などのために、プルダウン抵抗を設けることもできる。
また、配線パターンや膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むものとすることができる。
【0057】
給電部30は、複数の給電端子31を有する。
複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。
複数の給電端子31は、ソケット10(絶縁部13)の内部に設けられている。
複数の給電端子31は、絶縁部13の内部を延びている。
複数の給電端子31の一方の端部は、発光モジュール20と電気的に接続されている。 複数の給電端子31の一方の端部は、絶縁部13の、フランジ14側とは反対側の端面から突出し、基板21に設けられた配線パターンと電気的に接続されている。
複数の給電端子31の他方の端部は、絶縁部13のフランジ14側の端面13aから突出している。複数の給電端子31の他方の端部は、孔17bの内部に露出している。
【0058】
なお、給電端子31の数、形状などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、給電部30は、図示しない基板や、回路部品(例えば、コンデンサや抵抗など)などを備えたものとすることもできる。なお、図示しない基板や回路部品などは、例えば、収納部10aの内部や放熱部10bの内部などに設けることができる。
【0059】
図5は、他の実施形態に係る装着部11、絶縁部13、および載置部15を例示するための模式断面図である。
図5に示すように、装着部11の内側面(内壁)には凸部11bを設けることができる。載置部15の外側面(外壁)の、凸部11bに対応する位置には、凹部15cを設けることができる。凸部11bは、凹部15cに嵌め合わされるようにすることができる。
この様にすれば、装着部11と載置部15の間の抜け強度を高めることができる。
なお、装着部11の内側面(内壁)に凹部を設け、載置部15の外側面(外壁)に凸部を設けるようにしてもよい。
【0060】
絶縁部13の内側面(内壁)には凸部13bを設けることができる。載置部15の外側面(外壁)の、凸部13bに対応する位置には、凹部15dを設けることができる。凸部13bは、凹部15dに嵌め合わされるようにすることができる。
この様にすれば、絶縁部13と載置部15の間の抜け強度を高めることができる。
なお、絶縁部13の内側面(内壁)に凹部を設け、載置部15の外側面(外壁)に凸部を設けるようにしてもよい。
【0061】
凸部11b、凹部15c、凸部13b、および凹部15dの数、配設位置、形状、大きさなどは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
例えば、凸部11bは、装着部11の内側面(内壁)に連続的に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。凸部13bは、絶縁部13の内側面(内壁)に連続的に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。凹部15cおよび凹部15dは、載置部15の外側面(外壁)に連続的に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。また、凸部11bおよび凸部13bが一体に設けられていてもよい。凹部15cおよび凹部15dが一体に設けられていてもよい。
また、凸部11bと凸部13bは、配設位置、形状、大きさなどが同じであってもよいし、異なっていてもよい。凹部15cと凹部15dは、配設位置、形状、大きさなどが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0062】
次に、本実施の形態に係る車両用灯具100について例示する。
本実施の形態に係る車両用灯具100としては、例えば、自動車に設けられるフロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などを例示することができる。
【0063】
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0064】
図6は、本実施の形態に係る車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図6に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
【0065】
筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。
筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられている。
取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられている。
なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0066】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周縁に設けられた凹部にバヨネット12が保持される。
この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0067】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐようにして設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。
カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることもできる。
【0068】
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。
光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。
例えば、図6に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
光学要素部103がリフレクタである場合には、光学要素部103は、筐体101の内部に、取付孔101aの中心軸と同芯となるように設けることができる。
【0069】
シール部材104は、フランジ14と筐体101の間に設けられている。
シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。
シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0070】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ14と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間が密閉される。
また、前述したように、装着部11とフランジ14の間の界面が、シール部材104により封止される。
また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0071】
コネクタ105は、孔17bの内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。
コネクタ105には、図示しない電源などが電気的に接続されている。
そのため、コネクタ105を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている(図3を参照)。
シール部材105aは、孔17bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。
シール部材105aを有するコネクタ105が孔17bに挿入された際には、孔17bが水密となるように密閉される。
【0072】
シール部材105aは、環状を呈するものとすることができる。
シール部材105aは、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
コネクタ105は、例えば、接着剤などを用いてソケット10側の要素に接合することもできる。
【0073】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 車両用照明装置、10 ソケット、10a 収納部、10b 放熱部、11 装着部、12 バヨネット、13 絶縁部、14 フランジ、14a 面、14b 面、15 載置部、16 放熱フィン、17 凸部、17b 孔、20 発光モジュール、21 基板、22 発光素子、30 給電部、31 給電端子、100 車両用灯具、101 筐体、104 シール部材、105 コネクタ、105a シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6